JPH0236368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、長尺柄の先端に取付けた鋏を、長尺
柄手元側に設けた把手により開閉操作する、たと
えば高枝鋏のような鋏の首振り装置に関する。

〔従来技術〕

樹上のリンゴの如き果実を採取したり、その他
樹木の枝を剪定する際に使用する高枝鋏は、通常
長尺柄の先端に鋏を取付け、この鋏を手元側に設
けた把手で操作することにより該柄内に通したロ
ツドを押し引きして開閉する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、この種の鋏は実公昭56−33261号公
報、実開昭57−119673号公報に開示されているよ
うに、鋏および手元側の把手を、何れも長尺柄に
対し一定角度でもつて連結させている。そのた
め、次の如き不都合を生じている。即ち、前記し
た高枝鋏が対象とする樹木の枝は、幹に対して上
下左右はもとより斜方向を含む各方向に張り出し
ているのであり、従つて高枝鋏を使用する際に
は、個々の枝の張り出し方向を見定めながら鋏の
角度を上記剪定しようとする枝の向きに対応させ
る必要上、柄を握る手と、把手を操作する手の
夫々の手首を捻るようにしながら鋏の向き（角
度）をその都度変えてやらねばならないので、そ
の操作が面倒となるのである。

また、高枝鋏は使用目的上樹木の枝を刈るには
適しているが、地上のもの、たとえば芝生を刈り
揃えるのに使用しようとしても構造上不向きであ
り、従つて用途が狭く限定されることになつてい
る。

本考案は以上の点に鑑み、鋏を長尺柄に対し屈
曲して取付けると共に、該鋏を長尺柄に対し首振
り可能とすることによつて作業上の安楽さを確保
すると共に、多用途の使用が可能な鋏を提供する
ものである。

〔問題を解決するための手段〕

本考案は、長尺柄への連結用基筒と、先端部に
鋏を有する支筒とをエルボー状関節体によつて所
定の屈曲角度に接続し、かつ該関節体において支
筒をその軸心周りに180度回転可能とした長尺柄
に取付ける鋏の首振り装置を特徴とする。

〔作用〕

上記手段によれば、基筒を長尺柄に連結して鋏
を取付けた状態において、該基筒に対し支筒を回
転させることにより、長尺柄の手元側の把手に対
する鋏の相対姿勢を変更できるので、従来のよう
に長尺柄と把手を把持している両手の夫々の手首
を捻るようにして鋏と共に把手の角度をその都度
変えることなく、たとえば樹木の枝の剪定、芝刈
り等をこれら枝、芝に対し所望する角度で鋏を当
てて作業することができる。

鋏がエルボー状関節体によつて長尺柄に対し屈
曲させているから、鋏の首振りと相まつて樹木に
も鋏を差し入れて剪定できる。

また、エルボー状関節体が存在するため、長尺
柄を地面に斜めに降ろした自然状態で、鋏を地面
に平行に沿わせることができ、故に芝刈り等が楽
に行える。

さらに、芝刈り時、鋏の首振りによつて、鋏を
横に寝かして芝高さを刈り揃える以外に、鋏を立
てて芝生のエツジ部を刈り揃えることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面によつて説明す
る。

第１図に示すように、首振り装置は、長尺柄に
対する連結用の基筒１と、先端部に鋏２を有する
支筒３とをエルボー状関節体４によつて所定の屈
曲角度に接続している。即ち、エルボー状関節体
は中空体であつて、その一方の受口５に基筒１が
挿し込まれ、かつビス６で固定される。また他方
の受口７に支筒３が挿し込まれ、該支筒３がその
軸心周りに180度回転可能とされる。このため、
受口７には180度の角度範囲にわたる長溝８が刻
設され、これを通して支筒３にストツパービス９
が螺入され、このストツパービス９の長溝８内で
の移動により支筒の回転範囲が規制されるように
なされている。１０は支筒３に套嵌した合成樹脂
製のスリーブであり、アルミニウム部材たる受口
７との間に適度の摩擦力を生起することにより、
エルボー状関節体４に対し支筒３を回転させた適
当な位置で、該支筒を固定できるようにしてい
る。この受口７に対する支筒３の回転規制は、図
示しないが上記ビス９の接する長溝８の内側面適
所に、該ビス位置決め用の波形***部を設けてお
いてもよいのである。

鋏２は固定刃１１と可動刃１２とから成り、固
定刃１１が支筒３にボルト・ナツト１３で固定接
続され、可動刃１２が固定刃１１に枢軸１４で取
付けられる。また、固定刃１１および可動刃１２
は夫々の刃体の一側部にプラスチツクよりなる台
板１５，１６がビス止めされる。これら台板１
５，１６は鋏２を閉じた時に対接面が相互接当す
るもので、接当面が夫々凹凸状の粗面に成形され
ると共に、可動刃１２側の台板１６が刃先よりも
後退して位置するように取付けられる。

エルボー状関節体４の屈曲部内部には枢支ピン
１７によつて回動する三角リンク１８が取着さ
れ、これに基筒１および支筒３の夫々を挿通する
ロツド１９，２０が連結される。基筒１を挿通す
るロツド１９は、該基筒を第２図に示す長尺柄２
１に連結した際、長尺柄中の操作ロツド（不図
示）に接続され、長尺柄手元側の把手２２の操作
力が入力される。支筒３を挿通するロツド２０は
該ロツドに作用する押し引き力を可動刃１２に伝
えて鋏２を開閉する。尚、エルボー状関節体４に
対し支筒３を回転させるので、ロツド２０の両端
は三角リンク１８および可動刃１２の取付け金具
２３，２４にねじ止めして、上記回転時にロツド
２０に捻りが作用しないようにしている。

かく構成されたものでは、エルボー状関節体４
に対し支筒３を回転させることにより、長尺柄２
１を一定姿勢に固定した状態で第３図姿勢と第４
図姿勢とにわたる180度範囲において鋏２を首振
りさせることができる。従つて、樹木の枝を剪定
するにあたつて、個々の枝の張り出し方向を見定
めながら鋏２を剪定しようとする枝の向きに対応
して首振りさせて使用すれば、長尺柄２１側の姿
勢を変えることなく、把手２２を操作できる。特
に、鋏２はエルボー状関節体４により基筒１、つ
まり長尺柄２１に対し所定の屈曲角度を有せしめ
てあるので、鋏の首振りと相まつて、作業者側か
らは影となる樹木の背部側に鋏を差し込んで剪定
することが可能となる。

また、従来の高枝鋏は芝刈りに使用することは
できないが、本考案にかかる鋏によれば、エルボ
ー状関節体４を有しているために、作業者が長尺
柄２１を地面Ａに対し斜めの自然な作業姿勢にお
いて第５図のように鋏２を地面Ａに平行に位置さ
せることができるので、芝刈りが容易に行える。
この時、図に見られるように鋏２の肉厚台板１
５，１６を下側にして接地させれば、地面の起伏
にかかわらず固定刃１１および可動刃１２の地上
高が台板１５，１６によつて一定に保持すること
ができ、この状態では芝の高さを一定に刈り揃え
ることができる。さらに、芝生のエツジ部を刈り
揃える時は、第６図のように鋏２を地面に対し立
てることによつて行うことができる。

〔効果〕

以上詳述したように本考案によれば、長尺柄を
握り、かつ把手を操作する側の手を捻ることな
く、鋏を剪定しようとする枝に沿わせることがで
きるから、剪定作業が安楽となる。また、エルボ
ー状関節体の採用により、鋏を地面に沿わせるこ
とができるので、芝刈り作業等にも使用でき、適
用範囲が増大する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は首振り装置の一部破断正面図、第２図は第１図
装置を取付けた高枝鋏の全体図、第３図および第
４図はそれぞれ首振り時の斜視図、第５図および
第６図は芝刈り時の使用状態を示す図である。 １……連結用基筒、２……鋏、３……支筒、４
……エルボー状関節体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺柄への連結用基筒と、先端部に鋏を有する
   支筒とをエルボー状関節体によつて所定の屈曲角
   度に接続し、かつ該関節体において支筒をその軸
   心周りに180度回転可能とした長尺柄に取付ける
   鋏の首振り装置。