JPH0232518B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流体接手に関し、更に詳細には、高
圧が加わつている接手の二つの部品を手動で連結
できる流体接手に関する。

セルフシール弁、すなわち自閉式の弁を備えた
接手は、部品を外したときの流体の漏れを回避す
るため、流体回路で一般的に使用されている。こ
のような自閉式の弁は、通常はばね負荷式であ
り、接手の部品内にその部品の端部に隣接して配
置され、そのため、部品の弁は連結中に係合して
互いを移動させ、部品の通路を解放する。このよ
うなセルフシール接手は、一方の部品又は両方の
部品内の流体圧力が零であるか低い場合には容易
に連結することができるが、接手の部品に高圧が
加わつている場合、すなわち弁を移動させるのに
内部の流体圧力を克服しなければならない場合、
及び内部の流体圧力によつて部品を完全に相互連
結させる場合には、流体の圧力が接手のセルフシ
ール弁を閉鎖位置に押圧し、連結中、これらの弁
をその液圧回路の圧力に抗して開放しなければな
らないため、内部圧力がセルフシール部品の連結
を困難にする。液圧回路に351.5Kg／cm²
（5000psi）程度の非常に高い圧力が加わつている
場合には、弁を移動して開放するのにかなりの労
力を必要とする。

農機具で使用する流体接手は容易に着脱でき、
自閉式であり、「取り外し」型（breakaway
type）の装置でなければならない。このような装
置では、接手の部品は、トラクターが牽引する農
機具が不時に外れた場合や農機具が不動の物体に
当たつたために連結が外れた場合のように、ホー
スの配管に加わる軸線方向応力が所定の値に到つ
た場合、自動的に分離する。

また、農機具の液圧装置では、被供給回路内に
高圧が存在するのは異常ではなく、この回路内で
は、農機具の液圧作動部材の重量が流体圧力を発
生させる。このような場合、農機具の回路内の圧
力が接手の部品の相互係止を困難にする。これ
は、農機具の圧力とトラクター側の供給圧力のた
めである。

利用可能な農機具用液圧接手は、上述の問題に
対して満足のいく解決策を与えておらず、従つて
本発明の目的は、上述の問題を解決し得る流体接
手を提供することである。

本発明の目的は、セルフシール弁を使用する
「取り外し」型の流体接手であり、高い流体圧力
で伝達でき且つ作動でき、大量の流れのために弁
が不時に閉鎖しない、流体接手を提供することで
ある。

本発明の別の目的は、接手の部品の相互連結を
手動式のレバーで行い、且つ部品の連結が加圧供
給回路内の液圧によつて補助される流体接手を提
供することである。

本発明の他の目的は、部品の相互連結が液圧で
補助される、標準的なインターフエースを使用し
たセルフシール式の流体接手を提供することであ
る。

本発明の更に他の目的は、接手の部品の各々が
セルフシール弁を有し、供給部品内の流体圧力を
使用して被供給部品内のセルフシール弁をその弁
座から離し、これによつて、被供給回路内の流体
圧力に関わらず、接手の部品の噛み合い及び相互
係止を行う、「取り外し」型のセルフシール式流
体接手を提供することである。

本発明の実施にあたつては、雌部品はポンプを
使用する回路の供給側に連結され、一方、雄部品
は被供給回路と連通している。接手のこれらの部
品は標準的なインターフエース形体を使用してお
り、雌部品に取付けた環状スリーブは雄部品に連
結するのに半径方向に移動可能なボールを使用
し、手動式レバーはスリーブを軸線方向に移動し
て雄部品を雌部品内に引き込む。

接手の部品の相互連結中、スリーブの軸線方向
移動及びレバーの作動を補助するため、加圧供給
流体と連通した接手の雌部品内に液圧モータが構
成される。

雌部品及び雄部品内のセルフシール弁は、相互
連結中に係合し、雌部品は、機械的な相互連結
中、供給回路内の圧力が雄部品のセルフシール弁
を移動させるには大き過ぎる場合、雄部品のセル
フシール弁を移動させるため供給された圧力と連
通するブースタモータを有する。このブースタモ
ータは、被供給回路内の静圧に関わらず被供給回
路を確実に開放する。

スリーブを接手部品内の応力によつて移動させ
て取り外しを行うのがよく、上述の構造は接手内
に簡単に組み込まれ、この大きさは同様の用途で
使用できる接手と同程度である。

実施例 図面を参照すると、接手の雌部品１０は、トラ
クター等の被加圧供給回路に取付けられるよう
に、通常はしつかりと取付けられる。農機具の回
路のような被供給回路は、可撓性ホース１４に取
付けられ且つ雌部品１０に連結可能な雄部品１２
を有する。

雌部品１０は、ポンプからの加圧導管を受け入
れるため左側に内ねじが設けられた通路１６を有
し、この通路１６は弁２０を入れ子式に支持する
管状スリーブを有する。弁２０は圧縮ばね２４に
よつて、円錐形密封体２２と密封関係をなすよう
に押圧される。

環状スリーブ２６は、接手の雌部品１０に軸線
方向に変移できるように取付けられており、この
スリーブは、シールリング３２を受入れるため内
側及び外側に溝が設けられた環状ピストンヘツド
２８を有する。雌部品１０に取付けた環状キヤツ
プ３４は環状室３６を形成し、この環状室内でス
リーブのピストンヘツドが往復動する。スリーブ
２６の右端には、円周方向に間隔を隔てられ且つ
半径方向に延びる複数の孔を持つ円筒形部分３８
が設けられている。これらの孔の各々は半径方向
に移動可能なボール４０を受入れている。スリー
ブの右端に隣接した溝内のスナツプリング４２
は、環状のボール保持部材４４が圧縮ばね４６に
よつて右に押圧されたとき、部材４４のスリーブ
２６上での移動を制限する。ボール保持部材４４
は、一部が斜めのカム面で構成された環状凹部４
８を有し、この保持部材の右への移動はスナツプ
リング４２、又は環状キヤツプ３４内に配置した
スナツプリング５０と係合することによつて制限
される。可撓性の弾性スカート５２は異物の侵入
を阻止する。

作動軸５４がキヤツプ３４の円筒形凹部５６に
回転自在に取付けられている。この作動軸にはハ
ンドル５８がピンで連結されている。作動軸の下
端部分にはピン６０が偏心的に設けられ、このピ
ンはスリーブ２６に形成さた環状溝６２に受入れ
られ、そのため、ハンドル５８で作動軸を回転さ
せると、スリーブ２６が接手の雌部品１０上で解
放位置に移動する。ばね戻り止め装置（図示せ
ず）を使用して作動軸５４をキヤツプ３４上で解
放位置及び閉鎖位置に保持してもよい。

全体に参照番号６４を附したブースタピストン
組立体が雌部品１０の通路内に配置され、このブ
ースタピストンは、Ｏ−リングによつてスリーブ
２６と密封係合するヘツド６６を有する。ブース
タピストン６４は、スリーブに対して密封された
軸線方向に延びる部分６８を有し、中央弁７０が
ブースタピストン内で弁座７４と係合できるよう
に形成されている。弁７０は、接手の部品を外し
たとき弁座７４と係合するように圧縮ばね７２に
よつて右に押圧されており、この弁の左への移動
は、圧縮ばねがピストンのスパイダー状部材７６
の肩に当接することによつて制限される。本明細
書中、スパイダー状部材という用語は、半径方向
に延びる補剛ウエブによつて互いから隔てられた
軸線方向に延びる複数の貫通孔を有するくもの巣
状の断面を持つ部材を示すのに使用される。スパ
イダー状部材の左への移動は、ブースタピストン
内に配置したスナツプリング７８と係合すること
によつて制限される。勿論、接手の部品を分離す
ると、弁７０及び弁座７４が係合して雌部品内へ
の異物の侵入を阻止する。

雄部品１２は、ホース１４と関連したホースの
接手８２を受け入れるため、内ねじが設けられた
従来構造の部品である。雄部品１２の外側には係
止ボール４０を受け入れるための通常のISO環状
溝８４と、スリーブが支持する密封体８８と密封
係合する円筒形ノーズ８６とが設けられている。
雄部品１２の内側にはセルフシール弁９２を摺動
自在に支持するスパイダー状部材９０が設けら
れ、このセルフシール弁９２は、第１図に示すよ
うに圧縮ばね９６によつて弁座９４と係合するよ
うに左に押圧されている。弁９２は、雄部品の本
体部分の左端を越えて左に延びるノーズを有す
る。

接手のキヤツプ３４は、好ましくは、雄部品１
２を雌部品１０から取り外すときに雌部品１０の
解放端を閉じるための回動式のカバー１００を有
する。

連結していない状態では、雄部品１２を予め解
放しておくために作動軸５４が第１図に示す位置
まで反時計廻り方向に回動されてスリーブ２６が
右に移動しており、ボール保持部材４４がスナツ
プリング５０と係合して保持部材の凹部４８がボ
ール４０と整合している。ブースタピストン６４
は、第４図に示すようにその外側位置に配置さ
れ、中央弁７０はばね７２によつて弁座面７４と
係合している。更に、通路１６は第１図に示すよ
うに弁２０が弁座２１と係合することによつて密
封されている。

雄部品１２を雌部品１０に連結するため、カバ
ー１００を第１図の位置まで下方に回動させ、雄
部品１２をスリーブ２６の開放端に挿入する。ボ
ール４０はノーズ８６によつて保持部材の凹部４
８内に外方に押され、これによつて溝８４をボー
ルと整合させる。雄部品のノーズをスリーブ内に
完全に挿入したときのこれらの部品は第１図に示
す状態になる。弁９２が弁７０を着座していない
状態にすることに注目されたい。

次いで、作業者は作動軸５４を時計廻り方向に
回転させ始め、偏心的に設けられたピン６０でス
リーブ２６を左に移動させる。この運動は、第２
図に示すようにスリーブを保持部材４４の下で移
動させて保持部材の面１０２をボール４０と整合
させ、これらのボールを溝８４に押し付けて係止
関係に保持する。雄部品１２はボールによつて左
に移動され、ブースタピストンの弁７０と係合し
た弁９２がばね７２を圧縮してブースタピストン
を左に移動させる。

ハンドル５８を回すことによつて作動軸５４を
回転させ続けると、スリーブ２６が左に更に移動
して弁７０を弁２０のノーズと係合させる。この
動作により弁２０がその弁座２２から離れて室１
０４を加圧流体源によつて加圧する。

半径方向オリフイス１０６が室１０４とピスト
ンヘツド２８の右との間でスリーブ２６に設けら
れ、室３６に圧力を加えることによつて液圧をス
リーブ２６に加えてスリーブの左への移動を助け
る。このように作動軸５４の作動は液圧によつて
補助される。またこの液圧の補助は弁２０が着座
しない限り存在する。

第３図は、雌部品１０と雄部品１２とを完全に
連結し且つブースタピストン６４が右に移動する
前の構成部品間の関係を示す。この際、スリーブ
２６は室３６の左端と係合しており、雌部品１０
内の通路及びブースタピストン６４は全開であ
る。

ブースタピストンのヘツド６６の後方の室１０
８はスリーブに形成された半径方向通路１１０に
よつて大気に通気され、ヘツド６６に作用する流
体圧力はブースタピストン６４を右に押圧する。
ブースタピストンのこの移動により、弁７０が右
に移動して雄部品のセルフシール弁９２をその弁
座９４から離し、第４図に示すように接手を通る
全開流をもたらす。ブースタピストンのこの移動
により、雌部品の弁２０は第４図に示すようにそ
の通常の位置に戻り、接手は作動位置になる。

第４図の作動位置では、構成部品は、大量の流
体流れ下であつても弁が閉鎖せず、且つ弁の不時
の閉鎖が回避されるようになつているということ
が理解されよう。

器具の外れのため、右方向への過度の軸線方向
応力が接手に加わつた場合、結果的にスリーブ２
６に加わる軸線方向力が作動軸５４と関連した戻
り止めを解放し、クランクが作動軸の移動に関し
て中央にないためにスリーブ２６がピストンヘツ
ド２８に作用する流体圧力に抗して右に引つ張ら
れ、また、スリーブが第１図に示す位置まで移動
したとき、保持部材４４がリング５０と係合して
ボールを解放し、雄部品１２を雌部品１０から解
放できるようにする。勿論、この解放作業は弁２
０，７０、及び９２を解放して流体の損失を回避
する。

スリーブのピストンヘツド２８によつてスリー
ブの移動を液圧で補助したり均衡させることによ
り、本発明の接手を容易に作動できるようにする
のみならずスリーブを不注意で作動させることが
回避される。雄部品のセルフシール弁９２を弁座
から離すのにブースタピストン６４を使用するた
め、接手の構成部品は被供給圧力システム及び雄
部品１２内の初期圧力に関わらず確実に解放さ
れ、また、接手の作動は、供給回路及び被供給回
路内の圧力の状態に関わらず常に正しく行われ
る。

添付図面からわかるように、スリーブピストン
及びブースタピストンの使用は接手の大きさをほ
とんど変えず。簡単な形体内で精巧な連結動作を
行うことができる。

本発明の慨念に対する種々の変形態様は、本発
明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者に
明らかであるということは理解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、雄部品が挿入されているけれども係
止されていない、本発明による流体接手の一部断
面正面図であり、第２図は、雄部品を雌部品内で
係止するのに十分なレバー及びスリーブの移動を
図示する、第１図と同様の一部断面正面図であ
り、第３図は、雄部品と雌部品とが相互に完全に
連結されているが雄セルフシール弁の解放前の状
態を示す、一部断面正面図であり、第４図は、ブ
ースタモータを雄セルフシール弁を解放するその
作動位置で示す、一部断面正面図である。 １０……雌部品、１１……雄部品、２０，７
０，９２……弁、２６……スリーブ、４０……ボ
ール、６４……ブースタピストン組立体、７６，
９０……スパイダー状部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加圧流体システムを相互連結するための流体
   接手において、 第１の流体システムに連結された内側端部及び
   開放した外側端部を有する軸線方向通路を持つ第
   １部品と、 第２の流体システムに連結された内側端部及び
   前記第１部品の通路の外側端部内に受け入れられ
   るようになつた外側端部を有する軸線方向通路を
   持つ第２部品と、 前記第１部品上で第１位置と第２位置との間で
   軸線方向に移動自在に前記第１部品に同心に取付
   けられ、第１位置にある場合、前記第１部品の開
   放した端部と隣接して位置決めされ、第２位置に
   ある場合、前記第１部品に引き込まれる開放した
   端部を有する環状スリーブと、 前記スリーブの前記開放した端部に隣接して前
   記スリーブに取付けられた半径方向に移動自在の
   複数の戻り止めと、 前記複数の戻り止めと半径方向に整合して前記
   スリーブに取付けられ、戻り止め係止位置と戻り
   止め解放位置との間で軸線方向に移動自在の環状
   戻り止め保持部材と、 前記戻り止め保持部材を戻り止め係止位置に向
   かつて押圧する、前記スリーブ上に構成されたバ
   ネとを有し、 前記第２部品の外側端部は前記スリーブの解放
   端内に受入られるようになつており且つ前記戻り
   止め保持部材が前記戻り止め係止位置にある場合
   に前記戻り止めを受け入れる環状溝を有し、 前記第１部品に取付けられ、前記スリーブを前
   記第１位置と第２位置との間で移動させるため前
   記スリーブに作動的に連結された手動作動装置
   と、 前記第１部品内に構成された液圧室と、 前記液圧室内で前記スリーブ上に形成されたピ
   ストンとを有し、 前記液圧室は前記第１部品の第１の流体システ
   ムと選択的に連通し、これによつて、前記スリー
   ブの前記第１位置から前記第２位置への移動を圧
   力自体が補助し、前記第２部品はその第１位置に
   おいて前記スリーブに連結され、前記スリーブが
   第２位置にある場合に前記第１部品内に引き込ま
   れ、 更に、前記第１部品の通路内の第１弁と、 前記第２部品の通路内の第２弁とを有し、 前記第１弁は、前記スリーブが前記第２位置に
   あり且つ前記第１部品及び第２部品が完全に連結
   されている時、前記第１弁を第２弁に向かつて軸
   線方向に押圧して前記第２弁を開放する、軸線方
   向に往復動自在の環状ブースタピストンを前記第
   １部品の通路内に有する、 ことを特徴とする、流体接手。 ２ 前記第１弁が前記ブースタピストン内に配置
   され、スパイダーが前記ブースタピストンと第１
   弁との間に介在されていることを特徴とする、特
   許請求の範囲第１項に記載の流体接手。 ３ 前記液圧室及びピストンが前記第１部品の通
   路と同心の環状形状の部材であり、前記手動作動
   装置が前記液圧室及びピストンと前記第１部品の
   開放端との間で軸線方向に配置されていることを
   特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の流体
   接手。 ４ 前記スリーブが第１位置にある場合に前記戻
   り止め保持部材が係合して前記保持部材を前記戻
   り止め解放位置まで移動させる戻り止め保持部材
   衝合手段が前記第１部品上に形成されていること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の流
   体接手。