JPH0231191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は分割型壜保持移送装置に係り、壜検査
機等に用いられ、スターホイールと吸着ユニツト
とにより壜を保持しつつ移送させることができる
分割型壜保持移送装置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

従来から壜検査等を行なう場合、スターホイー
ルを用いて壜をある円周上を公転させつつ、その
間に光学的な検査装置等により壜検査を行なつて
いた。この場合、スターホイールは、通常壜口を
支える上側スターホイールと壜胴を支える下側ス
ターホイールとからなる一方、これらの上下スタ
ーホイールのみでは壜を保持させることができな
いため、壜胴を吸引して保持する吸着ユニツトが
併用されている。

上記スターホイール及び吸着ユニツトは、一般
に、上下に分割可能な回転軸の上部回転軸に一体
に取りつけられており、壜高及び壜径が異る壜種
に対しては上記上部回転軸から全て交換しなけれ
ばならないため、交換時の取扱い重量が重く、交
換作業が容易ではなかつた。また、回転軸からそ
つくり交換する不都合を解消するために、改良さ
れた壜保持移送装置があり、この装置は、上側ス
ターホイールはスペーサにより高さ変更を行うと
ともに、下側スターホイールは壜受用凹部を形成
した外周側部分のみを交換できるようにしたもの
である。しかしながら、上記装置においても、壜
の割付数が同一のものでなければ、スターホイー
ルのみの交換では対処できないため、対応できる
壜径に制限があり、壜径の差が大きい場合には、
前例と同様に、上部回転軸から全て交換しなけれ
ばならないという問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情に鑑みて創案されたもの
で、その目的とする処は、上述した従来の壜保持
移送装置が有する問題点を解消し、スターホイー
ル及び吸着ユニツトの交換時の取扱い重量が軽量
であり、交換作業が容易にできる壜保持移送装置
を提供することにある。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するため、本考案は、壜口を支
える上側スターホイールと、壜胴を支える下側ス
ターホイールと、壜胴を吸着する吸着ユニツトと
を備えた壜保持移送装置において、前記下側スタ
ーホイールと吸着ユニツトとを取付ける取付部材
を半径方向線を分割線として分割するとともに、
上記分割線に沿つて前記下側スターホイールを分
割し、前記各取付部材には吸着ユニツトに連通す
る真空室を設け、回転軸の上端のフランジには、
該回転軸側の真空系路に連通して上向きに突設さ
れ前記取付部材の真空室に連通するように気密に
嵌挿される連通パイプと取付部材の位置決め穴に
嵌挿される位置決めピンとを突設し、この連通パ
イプおよび位置決めピンにより位置決めして各取
付部材を回転軸にクランプにより取付けることに
より吸着ユニツトと回転軸側の真空系路とが連通
されるようにしたものであり、これによりスター
ホイール及び吸着ユニツトの交換時の取扱い重量
が軽量となり、交換作業が容易となる。

〔考案の実施例〕

以下、本考案に係る分割型壜保持移送装置の一
実施例を第１図乃至第４図を参照して説明する。

第１図は、分割型壜保持移送装置１の断面図を
示すものであり、同図において、符号２は回転軸
であり、この回転軸２は筒体状のケーシング７に
収容された軸受８により回転自在に支承されてい
る。上記回転軸２は、その中段部にフランジ３が
形成されるとともに、その内部に真空系路４が形
成されており、この真空系路４の最頂部は、フラ
ンジ３上面から圧入された連通用パイプ５により
外部と連通されている。また、上記フランジ３に
は、位置決めピン６が植設されている（１図にお
いて仮想線で図示）。

一方、上記回転軸２に着脱可能に装着される取
付部材１０は、半径方向線を分割線として分割さ
れており、ここでは第２図に示されるように２等
分に分割され、この分割された半円筒状の分割片
１０Ａ，１０Ｂはその内部に各々独立の真空室１
１Ａ，１１Ｂを有し、この真空室１１Ａ，１１Ｂ
はパイプ挿通孔１２Ａ，１２Ｂによつて外部とと
連通されている。また、各分割片１０Ａ，１０Ｂ
の外周近傍には、バルブスプール挿入孔１３Ａ，
１３Ｂが貫通されており、この挿入孔１３Ａ，１
３Ｂは前記真空室１１Ａ，１１Ｂに連通されると
ともに、分割片１０Ａ，１０Ｂの外周部に放射状
に穿設されたパイプ挿入孔１４Ａ，１４Ｂに連通
されている。そして、上記分割片１０Ａ，１０Ｂ
の底面には、ピン挿入孔１６Ａ，１６Ｂが穿設さ
れており、このピン挿入孔１６Ａ，１６Ｂに前記
位置決めピン６，６が嵌合されるようになつてい
る。

また、上記取付部材１０に取付けられる下側ス
ターホイール２０も、前記取付部材１０の分割線
に沿つて２等分に分割されており、第２図に分割
片二２０Ａ，２０Ｂが図示されている。

次に、上記のように２分割した取付部材１０及
びスターホイール２０を回転軸２に装着する方法
について説明する。

まず、取付部材の分割片１０Ａ，１０Ｂに、吸
着ユニツト２１を装着する。すなわち、吸着ユニ
ツト２１はパイプ２２と吸着カツプ２３とからな
り、パイプ２２の先端を分割片１０Ａ，１０Ｂの
パイプ挿入孔１４Ａ，１４Ｂに挿入固定すること
により、吸着ユニツト２１を分割片１０Ａ，１０
Ｂに装着する。そして、取付部材の分割片１０
Ａ，１０Ｂに下側スターホイールの分割片２０
Ａ，２０Ｂを取付ける（分割片２０Ａは分割片１
０Ａに、分割片２０Ｂは分割片１０Ｂにそれぞれ
取付ける）。また、取付部材のバルブスプール挿
入孔１３Ａ，１３Ｂにバルブスプール２５，２５
を挿入し、このバルブスプール挿入孔１３Ａ，１
３Ｂの上部開口をフイルタ２６，２６によつて覆
う。なお、符号２７はシール用のＯリングであ
る。

次に、このように吸着ユニツト２１及び下側ス
ターホイール２０を取付けた取付部材１０を回転
軸２に装着する。すなわち、２分割された取付部
材１０は、その内周面を回転軸２に嵌合させ、そ
の底面をフランジ３に当接させることにより回転
軸２に取付けられ、このとき、位置決めピン６は
取付部材１０のピン挿入孔１６Ａ，１６Ｂに嵌合
されるとともに連通用パイプ５は取付部材１０の
パイプ挿入孔１２Ａ，１２Ｂに挿通される。パイ
プ挿入孔１２Ａ，１２Ｂ内にはシール用Ｏリング
９が嵌設されている。この後、回転軸２に取付け
られたトグルクランプ３０，３０によつて、取付
部材の各分割片１０Ａ，１０Ｂをクランプするこ
とにより、回転軸２上に取付部材１０を固定す
る。前記位置決めピン６は、取付部材１０の位置
決めを行うとともに取付部材１０への回転力の伝
達を行つている。

また、上記回転軸２の頂部には、支持板３１が
螺着されており、この支持板３１上にスペーサ３
２を介して上側スターホイール３３が取りつけら
れている。上記スペーサ３２には、長手方向に複
数の係合段部３２ａが設けられ、この係合段部３
２ａは径の異なる軸部３２ｂを連接することによ
り形成されている。一方、これに対応して前記支
持板３１には、上記スペーサ３２に設けた軸部外
径に対応した嵌合孔３１ａが同一円周上に順次穿
設されており、この嵌合穴３１ａにスペーサの軸
部３２ｂが嵌合されるとともに、支持板３１上面
にスペーサの係合段部３２ａが当接される。すな
わち、最下部の細径の軸部３２ｂを嵌合孔３１ａ
に嵌合させた場合に上側スターホイール３３は最
も高い位置となり、最上部の軸部３２ｂを嵌合孔
３１ａに嵌合させた場合に上側スターホイール３
３は最も低い位置となり、これにより上側スター
ホイール３３の高さ調整を行い、壜高の異るサイ
ズの壜も支持できるようになつている。

次に、前記のように構成された本考案に係る分
割型壜保持移送装置１の動作について説明する。

コンベヤやタイミングスクリユウ（図示せず）
によつて割出された状態で本装置１まで搬送され
た壜３５は、その壜口は上側スターホイール３３
の壜受用凹部に係合支持されるとともにその壜胴
は下側スターホイール２０の壜受用凹部に係合支
持され、更にその壜胴は吸着ユニツト２１の吸着
カツプ２３により吸着保持される。このとき、吸
着ユニツト２１における吸着動作は以下のように
行われる。すなわち、回転軸２内の真空系路４
は、連通用パイプ５，５を介して真空室１１Ａ，
１１Ｂに連通され、この真空室１１Ａ，１１Ｂは
バルブスプール２５，２５によつて開閉自在に吸
着ユニツト２１に連通されている。したがつて、
バルブスプール２５が開状態（第１図において左
側バルブスプールの状態）にあれば、上述の系路
によつて吸着カツプ２３に負圧力が付与され、壜
３５の胴部が吸着カツプ２３に吸着保持される。
そして、この状態で回転軸２が回転するため、そ
の回転力が位置決めピン６を介して取付部材１０
に伝達され、下側スターホイール２０及び吸着ユ
ニツト２１が回転される。一方、上側スターホイ
ール３３は回転軸２に直結されているため、回転
軸２と一体的に回転する。そして、本装置１によ
つて所定位置まで回転移送された後、前記バルブ
スプール２５が閉塞され（図示しないばねによつ
てスプール２５は下方に付勢されている）、負圧
力が絶たれ、壜３５は吸着ユニツト２１から解放
される。このとき大気はフイルタ２６から吸着カ
ツプ２３に導入される。

しかして、壜サイズが変更されて、スターホイ
ール及び吸着ユニツトを変更しなければならない
ときには、下側スターホイール２０及び吸着ユニ
ツト２１を装着した２分割の取付部材１０を交換
するのみで対処できる。すなわち、トグルクラン
プ３０のクランプを解除し、２分割された取付部
材１０を一個づつ取り外し、新たな壜サイズに適
合した下側スターホイール２０及び吸着ユニツト
２１を装着した２分割の取付部材１０を一個ずつ
別個に回転軸２に取付ければよい。

第１図乃至第４図に示した実施例においては、
下側スターホイール及び取付部材は２分割した
が、それ以上に分割することが勿論可能である。

〔考案の効果〕

以上、実施例の説明から明らかなように、本考
案によれば、分割された下側スターホイールを取
付けたものを回転軸に連通パイプおよび位置決め
ピンを介して取付けることにより回転軸側の真空
系路と各取付部材の真空室とが連通状態になつて
回転軸に取付けられ、したがつて吸着ユニツトを
有する壜保持装置であつても、割付数の異なるス
ターホイールを取替える場合、交換時の取扱い重
量が軽量となり、交換作業が容易にできるうえ、
取付部材に各吸着ユニツトと下側スターホイール
とを取付けたものを一単位として回転軸に取付け
ればよいので、下側スターホイールの取付きと同
時に壜の吸着ユニツトが構成され、別途吸引系を
付設する必要がない。さらに前記連通パイプも位
置決め用として機能するので、取付部材の回転軸
への取付けが容易となるとともに取付けと同時に
真空系が完成し、これらによりスターホイールの
交換が要求された場合迅速に対処することができ
るなどの効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る分割型壜保持移送装置の
一実施例を示す断面図、第２図は同装置の取付部
材及びスターホイールの分解斜視図、第３図は同
装置の取付部材の半断面図、第４図は同取付部材
の底面図である。 １……分割型壜保持移送装置、２……回転軸、
３……フランジ、５……連通用パイプ、６……位
置決めピン、１０……取付部材、２０……下側ス
ターホイール、２１……吸着ユニツト、２５……
バルブスプール、３０……トグルクランプ、３１
……支持板、３２……スペーサ、３３……上側ス
ターホイール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 壜口を支える上側スターホイールと、壜胴を
   支える下側スターホイールと、壜胴を吸着する
   吸着ユニツトとを備えた壜保持移送装置におい
   て、前記下側スターホイールと吸着ユニツトと
   を取付ける取付部材を半径方向線を分割線とし
   て分割するとともに、前記分割線に沿つて前記
   下側スターホイールを分割し、前記各取付部材
   には吸着ユニツトに連通する真空室を設け、回
   転軸の上端のフランジには、該回転軸側の真空
   系路に連通して上向きに突設され前記取付部材
   の真空室に連通するように気密に嵌挿される連
   通パイプと取付部材の位置決め穴に嵌挿される
   位置決めピンとを突設し、この連通パイプおよ
   び位置決めピンにより位置決めして各取付部材
   を回転軸にクランプにより取付けることにより
   吸着ユニツトと回転軸側の真空系路とが連通さ
   れるようにしたことを特徴とする分割型壜保持
   移送装置。 ２ 前記取付部材と前記下側スターホイールと
   は、各々等分割に分割することを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の分割型壜保
   持移送装置。