JPH0230512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、河川の護岸あるいは競技場の急傾斜
の壁体等に施工して昇降を容易にすることを目的
とした急傾斜用階段ブロツクに関するものであ
る。

「従来の技術」 従来河川の護岸や競技場の急傾斜の勾配を有す
る壁体では、河川においては河川の管理要員が河
床に降りていく階段もなく、一部には特別の用地
を使用して階段部分を設置してその目的を達成し
ている。

「考案が解決しようとする問題点」 前記のような実情であると、河川の付近から子
供達を遠ざけられならず、魚釣や水遊びもできな
い状況となつている。競技場においては、この周
囲の壁体が急勾配のときは遠廻りして場内に出入
りしなければならないので大変に不都合があつ
た。

「問題点を解決するための手段」 そこで本考案のものは、急勾配の河川や競技場
を保護するために積上げて壁体を構成するブロツ
クによつて、階段を構成することができるもので
あり、河川の昇降や、競技場の出入りを容易にし
ようとするものである。よつて河川や競技場の管
理をよくし、緊急避難用としても役立つし、本考
案により階段を設けることによつて、河川の断面
形状に変化を与えることがないので水の被害もな
く、特別の用地を必要としないので安価に構築で
きるものである。

次にその構造図面について説明する。１は略立
方体の主体であつて、上面の前縁を前方に突出さ
せて突出条２を形成している。３は、主体１の上
面後半を一段低くした段部である。４は、主体１
の両側に形成した縦溝で、後方に傾斜している。
５は、主体１の下面に設けられた下部凹溝で、縦
溝４，４の下端に連通されている。６は主体１の
表面に形成された滑り止め溝である。７は壁体、
８は基礎、９は裏込めコンクリートである。

「作用」 本考案は前記のような構造であるので、急勾配
の壁体７の一部を切り開き、その傾斜に沿つて下
段ブロツクの段部３の前端に、上段ブロツクの主
体１の下部前縁を接するように積上げると、上下
のブロツクの縦溝４が互いに連通するように積上
げられるものである。そして裏込めコンクリート
９を打設すると、コンクリートが縦溝４、下部凹
溝５にも充填されて裏込めコンクリート９、壁体
７と一体化されるものである。

「考案の効果」 本考案のものは前記のように構成されているの
で、ブロツクを積上げるには、下段のブロツクの
段部３の前端に、上段ブロツクの主体１の下部を
突当てるように積上げればよく、そのようにして
積上げると、上下ブロツクの縦溝４が連通するも
のであり、何の技術を必要とすることがなく施工
が容易で迅速にできる。そして裏込めコンクリー
ト９は、両側の縦溝４内と、下部凹溝５内に充填
されて一体化され、縦溝４内の裏込めコンクリー
ト９は、柱状体となつてブロツク積を強固にでき
るし、また、単一ブロツクが飛出そうとしても、
下段ブロツクの段部３に、主体１の下部が引掛つ
て乱りに飛出ることもない。また、比較的急勾配
の階段であるが、踏段部を幅広くできるので安全
に昇降できるものである。よつて本考案は、河川
の場合は、河川の管理者や魚釣り等で壁体７の昇
降が安全となるし、競技場においては、遠廻りし
て場内に出入りすることなく便利であるし、ま
た、安価に施工できる等の効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示すものであつ
て、その第１図は表面からみた斜視図、第２図は
裏面からみた斜視図、第３図は平面図、第４図は
側面図、第５図は断面図、第６図は施工状態を示
した斜視図、第７図はその断面図である。 １……主体、２……突出条、３……段部、４…
…縦溝、５……下部凹溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主体１の上面前縁を前方に突出させて突出条２
   とし、上面後部は一段低い段部３を形成し、主体
   １の両側には、後方に傾斜した縦溝４，４を形成
   し、主体１の下面には、縦溝４，４の下端に連通
   する下部凹溝５を形成したことを特徴とした急傾
   斜用階段ブロツク。