JPH0230068Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、簡易浄水器、より詳しくは、家庭に
おいて水道の蛇口に取り付けて使用することがで
き、更には携帯用としてキヤンプ、ハイキングあ
るいは災害時等において河川水や湖沼水等を飲料
水として用いる場合にも使用できる簡易浄水器に
関する。

［従来技術］ 従来より簡易浄水器には種々の形式のものが市
販されているが、家庭の水道蛇口に取り付けての
み使用するもの、あるいは携帯用としてのみ使用
する形式のものが殆どで、家庭用兼携帯用の浄水
器は知られていなかつた。容器の中に活性炭を収
納し、この活性炭層に被処理水を接触通過させ
て、被処理水中の臭気成分、例えば水道水中のカ
ルキ臭等の除去を主目的とした簡易浄水器が知ら
れている。しかし、容器に活性炭のみを収納した
形式の簡易浄水器は、例えば水道水中の残留塩素
やある種の有機物を吸着除去することは可能であ
るが、水中の細菌までもを取り除くことはできな
い。更に、このような浄水器を長期間使用した場
合には、活性炭層が細菌の繁殖源となり、衛生的
に好ましくないことが指摘されている。

［考案の目的］ 本考案の目的は、家庭用として水道水の蛇口に
取り付けて使用することもできるし、また携帯用
としての使用も可能であり、かつ水中の臭気成分
の除去に加え、水中の細菌類をも除去することの
できる高度な浄化機能を有する簡易な構造の浄水
器を提供することにある。

［考案の構成］ すなわち本考案の簡易浄水器は、浄水器本体を
形成する容器と、該容器に着脱自在に構成され、
空気抜き機構、逆止弁および加圧機構を有する空
気圧作用部、開閉機構を有する被処理水入口、並
びに浄化水出口を備えたキヤツプと、該キヤツプ
に接続され、活性炭層および少なくとも一端を開
口状態に保つた中空糸膜をチヤンバー内に収納し
てなる濾過部とを具備して構成される。

［考案を実施するための好適な態様］ 以下、本考案の簡易浄水器につき、図面にした
がつて詳細に説明する。

第１図は、本考案の簡易浄水器の一態様例を示
す模式断面図である。

本考案の簡易浄水器に於いて浄化機能を果す濾
過部は、活性炭層１と中空糸濾過膜２とを筒状の
チヤンバー３に収納して構成される。活性炭層１
に充填される活性炭としては、粒状活性炭や粉末
活性炭等、より具体的には、例えば粒状のヤシガ
ラ活性炭が好ましく用いられる。活性炭層１は、
通水による充填粒子のチヤンバー３内での移動を
できるだけ少なくするために、チヤンバー３内の
活性炭層１の上端および下端に金網等による格子
状の支持体が付設され、その内部に充填されるこ
とが好ましい。

中空糸濾過膜２としては、例えばポリアクリロ
ニトリル、ポリビニルアルコール、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスルホン、セルロース、セル
ロースアセテート、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン等からなる多孔質もしくは均質の中空糸膜を用
いることができるが、特に水中の細菌除去能に優
れ、かつ透水量も大きく耐水性に優れたポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフインからな
る多孔質中空糸膜の使用が好ましい。中空糸濾過
膜２は、少なくともその一端が中空糸の開口を保
つた状態で容器３内に収納されていることが必要
であり、このように収納するための手段として
は、例えば第１図のように中空糸濾過膜２をＵ字
状に束ねるか、あるいは中空糸濾過膜２の一端を
た封止して束ねた後、中空糸の開口端を閉塞させ
ないようにして樹脂接着剤を用いてチヤンバー３
内に接着固定すればよい。

活性炭層１と中空糸濾過膜２とを収納する筒状
のチヤンバー３としては、プラスチツク、金属等
の筒状体を使用することができるが、通常は軽量
なポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタアクリレート等からなる円筒
状のプラスチツク容器が用いられる。

本考案の簡易浄水器においては、濾過部を構成
するチヤンバー３がキヤツプ４に接続可能であ
り、チヤンバー３を通過した浄化水がシールされ
た状態でキヤツプ４に付設された浄化水出口へ導
かれるよう構成されていることが必要であるが、
その接続状態は、キヤツプ４にチヤンバー３が固
着されていてもよいし着脱自在の構造となつてい
ても良い。通常は、着脱自在の構造とし、チヤン
バー３内の活性炭層１の臭気成分等の吸着能が低
下した場合、あるいは多孔質中空糸膜２が目詰ま
りを起こし透水量が低下したような場合に、予備
のチヤンバー３を交換して使用するいわゆるカー
トリツジ形式のものとして構成されることが好ま
しい。

本考案の簡易浄水器に於いて送液機能を果す空
気圧作用部は、空気抜き機構５と逆止弁６と加圧
機構７とを有して構成される。空気圧入口部は、
例えば金属プラスチツク等からなる管状部材８
に、例えばネジ式の空気抜き機構５と、ゴム、シ
リコン樹脂等からなる逆止弁６と、例えばゴム球
からなる加圧機構７を付設することにより作製さ
れる。

被処理水入口は、金属、プラスチツクス等から
なる管状部材９に、例えばコツク等の開閉機構１
０を取り付けることにより作製される。また、浄
化水出口も、金属、プラスチツク等からなる管状
部材１１を用いて作成される。

キヤツプ４には、空気圧作用部を設けるための
孔、被処理水入口を設けるための孔および処理水
出口を設けるための孔がそれぞれ削孔される。こ
れらの孔に、前記の空気圧作用部、被処理水の入
口および浄化水出口をキヤツプ４に付設すること
により、本考案の簡易浄水器用のキヤツプ４が作
製される。更に、キヤツプ４には、例えばネジ溝
１２を設け、浄水器本体を形成する容器１３のネ
ジ溝１２と螺合させることができるような構造に
することにより、キヤツプ４と容器１３とを着脱
自在とすることができる。

容器１３は、比較的軽量の金属やプラスチツク
から作製されるのが適当である。

以上のような簡易浄水器の各構成部材を、第１
図に示すように組立てることにより本考案の簡易
浄水器が完成される。

次に、本考案の簡易浄水器の使用方法について
簡略に説明する。この簡易浄水器を携帯用として
使用する場合には、被処理水入口を使用せずに、
容器１３からキヤツプ４を取りはずし、例えば河
川水湖沼水等の被処理水を容器１３内に満たした
後、キヤツプ４を取り着け、被処理水入口の開閉
コツク１０を閉じた後、加圧機構７を操作する
と、逆止弁６の作用により容器１３内に空気が圧
入され、被処理水はチヤンバー３内の活性炭層
１、更に中空糸膜２を通過して浄化された後、浄
化水出口から浄化水が得られる。この浄化過程に
おいては、先ず活性炭層１で被処理水中の臭気成
分や一部の有機物が吸着除去され、次いで水中の
微細な懸濁物、細菌類が中空糸膜２によつてその
通過が阻止され、高度に浄化され、飲料水として
適した衛生的な浄化水が得られる。

特に地震や洪水等の災害時に河川水や湖沼水等
を飲料水としなければならないような場合、ある
いはキヤンプ、ハイキング等において河川水や湖
沼水を飲料水として用いる場合に、上記のような
簡易な操作により無菌の飲料水を得ることができ
るので実用的価値が高い。

一方、本考案の簡易浄水器を家庭用として使用
する場合には、キヤツプ４を容器１３に取り付け
た状態で水道水の蛇口に被処理水入口の管状部材
９を連結し、開閉コツク１０および空気抜き機構
５を開き、水道水蛇口のコツクを開いて通水する
ことにより水道水を容器１３内に満たす。この過
程において容器１３内の空気は空気抜き機構５を
経て排気され、容器１３内が満水に近くなつた時
点で空気抜き機構５を閉じると、水道水の有する
水圧により被処理水道水は活性炭層１および中空
糸膜２を経て浄化水出口から浄化された水道水と
して放水される。水道水の浄化に際しては、活性
炭層１において水道水中の臭気成分、例えばカル
キ臭等が取り除かれ美味しい水が得られる。また
このような状態で長期間使用した場合に、例えば
活性炭層１内で細菌類が繁殖することがあつて
も、この細菌類は中空糸膜２によつてその通過が
阻止されるので衛生的で美味しい浄化水が得られ
る。

［本考案の効果］ 本考案の簡易浄水器は、高度に浄化され衛生的
で美味しい水の得られる家庭用兼携帯用として利
用できるため、通常は家庭の水道の蛇口に取りつ
け使用する一方、災害時あるいはキヤンプ等のレ
ジヤー時に携帯すれば、緊急的な衛生的飲料水の
確保にも使用できるため、その実用的価値は極め
て高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による簡易浄水器の一態様例
を示す模式断面図である。 １：活性炭層、２：中空糸膜、３：チヤンバ
ー、４：キヤツプ、５：空気抜き機構、６：逆止
弁、７：加圧機構、８，９，１１：管状部材、１
０：開閉機構、１２：ネジ溝、１３：容器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浄水器本体を形成する容器と、該容器に着脱自
   在に構成され、空気抜き機構、逆止弁および加圧
   機構を有する空気圧作用部、開閉機構を有する被
   処理水入口、並びに浄化水出口を備えたキヤツプ
   と、該キヤツプに接続され、活性炭層および少な
   くとも一端を開口状態に保つた中空糸膜をチヤン
   バー内に収納してなる濾過部とを具備してなる簡
   易浄水器。