JPH0229343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、発電所や化学プラント等に設置さ
れた配管の曲がり部をハンガ装置等により懸垂支
持するための装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、配管系の曲がり部にハンガ等を接続して
これを支持する場合には、配管曲がり部の外側、
即ち背部にブラケツトの如き物を溶接し、これに
ハンガを接続していた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のように、配管曲がり部の背部にブラケツ
トの如き物を溶接し、これにハンガを接続する場
合には、曲がり部であるために溶接が容易でな
く、また特に原子力発電所用配管では、溶接箇所
検査が極めて厳重で、溶接後に面倒な熱処理を要
する等、溶接工程が大きな負担となつていた。

この考案は、上記のような従来の問題点を解決
し、溶接を必要としない配管の曲がり部の懸垂装
置を提供しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） この考案においては、上記従来の問題点を解決
するため、配管Ｐの曲がり部背面のプロフイルに
近似したプロフイルを備えると共に縦方向の配管
Ｐの中心線Ａ上に位置して懸垂用孔１ａを備えた
懸垂板１と、配管Ｐの曲がり部の両端部付近にお
いて夫々配管Ｐを把持し且つ懸垂板１にボルト締
めされる一対のバンド金具２，３とを具備させて
配管の曲がり部懸垂装置を構成した。

（作用） この考案の懸垂装置は、懸垂板１の孔１ａに、
図示しないハンガ等を接続し、配管Ｐを上方から
懸垂するように用いる。この場合、一方のバンド
金具２には押圧力が、また他方のバンド金具３に
は引つ張り力が作用し、いずれのバンド金具２，
３も相互作用により動くことなく確実に配管を懸
垂する。また、例えば配管Ｐが横振れ、あるいは
捻れるような変位をしても、２つのバンド金具
２，３が配管Ｐを把持しているので、配管から懸
垂板１が離脱する虞れがない。

（実施例） 図面に例示したように、本考案の懸垂装置は、
懸垂板１と、上下一対のバンド金具２，３とを備
えている。

懸垂板１は、配管Ｐの曲がり部背面のプロフイ
ルに近似したプロフイルを備え、また上部には縦
方向配管の中心線Ａ上に位置して懸垂用の孔１ａ
を備えている。

バンド金具２，３は、いずれも一対の湾曲した
短冊状板の両端部にねじ孔を穿つたもので、ボル
ト４，５により配管を把持すると共に、懸垂板１
に係止されている。バンド金具２は、配管Ｐの曲
がり部上方端部に設けられ、またバンド金具３
は、配管Ｐの曲がり部下方端部に位置してバンド
金具２に対して略90゜の方向に設けられている。

次にこの実施例の作用を説明する。

この実施例の懸垂装置は、懸垂板１の孔１ａ
に、図示しないハンガ等を接続し、配管Ｐを上方
から懸垂するようにして用いる。この場合、懸垂
板１には、孔１ａを中心にして、時計回りの回転
モーメントがはたらき、上方のバンド金具２には
押圧力が、また下方のバンド金具３には引つ張り
力が夫々作用する。従つて、いずれのバンド金具
２，３も相互作用により動くことなく確実に配管
を把持して懸垂する。また、例えば配管Ｐが横振
れし、あるいは捻れるような変位をしても、２つ
のバンド金具２，３が配管Ｐを把持しているの
で、配管から懸垂板１が離脱する虞れがない。

（考案の効果） 以上説明してきたように、この考案において
は、配管Ｐの曲がり部背面のプロフイルに近似し
たプロフイルを備えると共に縦方向の配管Ｐの心
線Ａ上に位置して懸垂用孔１ａを備えた懸垂板１
と、配管Ｐの曲がり部の両端部付近において夫々
配管Ｐを把持し且つ懸垂板１にボルト締めされる
一対のバンド金具２，３とを具備させて配管の曲
がり部懸垂装置を構成したため、配管Ｐに対する
溶接を行うことなく、従つて、熱処理や厳重な溶
接検査を必要とせずに、簡単に配管を懸垂支持す
ることができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は正面図、第２図は側面図である。 １……懸垂板、２，３……バンド金具、４，５
……ボルト、Ｐ……配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 配管曲がり部背面のプロフイルに近似したプロ
   フイルを備えると共に縦方向の配管中心線上に位
   置して懸垂用孔を備えた懸垂板と、配管曲がり部
   の両端部付近において夫々配管を把持し且つ懸垂
   板にボルト締めされる一対のバンド金具とを具備
   した配管曲がり部懸垂装置。