JPH0228413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、秤に関し、特に重量を電気信号に
変換して測定するものに関する。

先に、この考案の考案者は第１図及び第２図に
示すような力測定装置を提案した。これは、第１
図に示すように主弾性体１と副弾性体２とを有
し、これら弾性体１，２の一端部を部材３を介し
て固定台４上に固定し、他端部間に弦５を設け、
弦５の周囲に永久磁石６を設け、弦５に第２図に
示すように増幅器７を接続したものである。

この力測定装置では、主弾性体１の他端部に下
向きに荷重Ｗを印加すると、第１図に示すように
主弾性体１にはその荷重Ｗに比例した撓み△１
が発生し、弦５の下端を下方に引張る。弦５に加
わる張力Ｐは、弾性体２の他端部に作用し、その
他端部を下方に△２撓ませる。ここで、主弾性
体１のばね定数をK1、副起歪弾性体のばね定数
をK2とし、弦５の伸びを無視すると、 Ｐ＝△２・K2 が成立し、かつ△１＝△２＝△であるの
で、 Ｗ＝△（K1＋K2） Ｐ＝Ｗ・K2／（K1＋K2） となり、張力Ｐが荷重Ｗに比例しており、Ｐを測
定することにより荷重Ｗを測定できる。

張力Ｐは弦５、永久磁石６、増幅器７によつて
測定する。すなわち弦５には永久磁石６によつて
その長さ方向に対して直角に磁界が印加されてお
り、張力Ｐによつて弦５がわずかに磁界を切る方
向に撓むと、フレミングの右手の法則に従つて弦
５に電流が流れ、この電流はコンデンサ８を介し
て増幅器７に供給されて増幅され、その増幅出力
は抵抗器９を介して弦５に供給される。この出力
は弦５をさらに同方向に撓ませる方向に流れ、弦
５はさらに磁界を切る方向に撓む。この弦５は増
幅器７から与えられるエネルギと弦５の曲げ反応
とが釣り合う位置まで撓み、逆方向に戻つてく
る。これによつて弦５にはいままでとは逆向きの
電流が流れ、その逆向き電流はコンデンサ８を介
して増幅器７に供給されて増幅され、弦５に増幅
された逆向き電流が供給され、いままでとは反対
向きに弦５を撓ませる。以後、これを繰返し、周
波数の振動をする。この周波数は、 ＝ｎ／２√pg／ｒ で求められる。ただし、ｎは振動の高調波数、
は弦５の有効長、ｇは重力加速度、ｒは弦５の
単位長さ当りの質量である。従つて、増幅器７の
出力の変化回数を測定することによつて周波数
を測定し、これによつて張力Ｐを測定でき、当然
に荷重Ｗを測定できる。

この考案は、弦に対して垂直荷重のみを印加で
きるように構成して計量精度を向上させた秤を提
供することを目的とする。

以下、この考案を第３図乃至第７図に示す５つ
の実施例に基づいて詳細に説明する。第３図に第
１の実施例を示す。同図において、１０はロバー
バル式弾性体で、一方の垂直梁部１２が固定台４
上に固定されており、他方の垂直梁部１４に上皿
１６が取付けられている。

ロバーバル式弾性体１０の空胴１８内には、垂
直壁部１２の内面から支持台部２０が突出してお
り、この支持台部２０には部材２２を介して副弾
性体２の一端部が取付けられている。この副弾性
体２は、ロバーバル式弾性体１０の水平梁部２
４，２６に平行に配置されており、ロバーバル式
弾性体１０と副弾性体２とは別体に構成されてい
るが、互いに同一材料または温度係数の等しい材
料によつて撓み部（起歪部）１０ａと２ａとに生
じる最大曲げ応力が等しくなるように形成されて
いる。

また垂直梁部１４の内面から空胴１８に弦取付
部２８が突出しており、この弦取付部２８と副弾
性体２との間に弦５が垂直に取付けられている。
この弦５と部材２２とは同一線膨張係数を有し、
弦５の有効長さは部材２２の長さと等しく形成さ
れている。この弦５の長さ方向に対して直角に磁
界を印加するように永久磁石６が垂直梁部１４の
内面に取付けられている。この弦５は第２図に示
したのと同様に増幅器７に接続されている。

この秤は第１図及び第２図に示した力測定装置
と同様にして上皿１６に載置した被計量物品の重
量を測定するが、ロバーバル式弾性体１０を用い
ているので、弦５には垂直荷重のみが印加され、
計量精度を向上させることができる。しかも、副
弾性体２、弦５、永久磁石６をロバーバル式弾性
体１０の空胴１８内に収容しているので、空胴１
８をシールすることにより永久磁石６に鉄粉等が
付着して計量精度に影響を与えることを防止でき
る。

第２の実施例は、第４図に示すように副弾性体
２、永久磁石６、弦５の空胴１８内における取付
を第１の実施例と逆に行なつた以外、第１の実施
例と同様に構成されている。この実施例も、第１
の実施例と同一の効果を発揮する。

第３の実施例は、第５図に示すように副弾性体
２をロバーバル式起歪弾性体１０の垂直梁部１２
の外面側に設けた支持台部２０ａに部材２２ａを
介して取付けることにより、ロバーバル式弾性体
１０の上方に設け、弦取付部２８ａをロバーバル
式弾性体１０の垂直梁部１４の外面側に設けた点
が第１の実施例と異なる。

第１の実施例では副弾性体２、弦５、永久磁石
６を空胴１８内に設けているので、ロバーバル式
弾性体１０の高さ寸法を或る程度大きくしなけれ
ばならないが、この実施例のように副弾性体２を
ロバーバル式弾性体１０の上方に設けると、ロバ
ーバル式弾性体１０の高さ寸法を小さくでき、小
型化することができる。

第６図は第４の実施例で、副弾性体２をロバー
バル式弾性体１０の下方に設けた以外、第３の実
施例と同様に構成されており、第３の実施例と同
一の効果を発揮する。

第７図は第５の実施例で、載皿１６に被計量物
品を載置した後、弦５に圧縮力が印加されるよう
に構成した以外、第４の実施例と同様に構成され
ている。この実施例では、副弾性体２によつて弦
５に最大荷重よりも大きい荷重に相当する張力を
加えておくと、荷重変化に逆比例した信号を取出
すことができる。

以上のように、この考案による秤では、ロバー
バル式弾性体１０を用いているので、弦５には垂
直荷重しか加わらず、弦５の両端部に撓みが生じ
ず、計量精度を向上させることができる。しか
も、ロバーバル式弾性体１０と副弾性体２とは、
それぞれ別体に構成されているので、次のような
利点がある。即ち、上述したように力検出器５に
印加される張力または圧縮力Ｐは、 Ｐ＝Ｗ・K2／（K1＋K2） で表わされる。この式より、Ｗを変化させた場合
でも、K1を変化させることによつて、K2を変化
させなくても、Ｐを同一にすることができること
が分かる。従つて、この考案によれば、K1が異
なるロバーバル式弾性体さえ複数種類製造してお
けば、秤量（測定可能な最大重量）が異なる秤
を、副弾性体２を変更することなく、ロバーバル
式弾性体だけ変更することによつて容易に製造す
ることができる。第１及び第２の実施例では、空
胴１８内に副弾性体２、弦５、永久磁石６を設け
ているので、永久磁石６に鉄粉等が吸着するのを
防止でき、第３及び第４の実施例では、副弾性体
２をロバーバル式弾性体１０の上方または下方に
配置しているので、ロバーバル式弾性体１０の高
さ寸法を小さくでき、小型化できる。また第５の
実施例では、圧縮力を測定することによつて、荷
重変化に逆比例した信号を取出せる。

上記の各実施例では、弦５と永久磁石６とによ
つて張力または圧縮力を測定したが、これらに代
えて水晶式の力検出器や音叉式力検出器等を使用
することもできる。また永久磁石６に代えて電磁
石を用いることもできる。さらに第１乃至第４の
実施例では張力を測定したが、第５の実施例と同
様に圧縮力を検出するようにもできる。さらに上
皿１６を用いたが、載皿には吊下型のものも使用
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の力測定装置の側面図、第２図は
同装置の回路図、第３図はこの考案による秤の第
１の実施例の側面図、第４図は第２の実施例の側
面図、第５図は第３の実施例の側面図、第６図は
第４の実施例の側面図、第７図は第５の実施例の
側面図である。 ２……副弾性体、４……固定台、５，６……力
検出器、１０……ロバーバル式弾性体、１２，１
４……垂直梁部、１６……上皿（載皿）、１８…
…空胴、２４，２６……水平梁部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに間隔を隔てて平行に配置された第１及び
   第２の垂直梁部と、これら第１及び第２の垂直梁
   部間をつなぐように間隔を隔てて平行に配置され
   た２つの水平梁部とを、有し、第１の垂直梁部を
   固定台に固定し、第２の垂直梁部に荷重受け手段
   を設けたロバーバル式弾性体と、 このロバーバル式弾性体の内部または上方また
   は下方に、上記水平梁部に平行にこれと間隔を隔
   てて配置され第１及び第２の垂直梁部の一方に基
   端側を固定したものであつて、上記ロバーバル式
   弾性体とは別体に構成された副弾性体と、 第１及び第２の垂直梁部の他方と上記副弾性体
   の先端部側との間に設けた力検出手段とを、 具備する秤。