JPH0223094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、磁気デイスクに静止画像信号を記録
又は再生するようにした電子カメラ等における磁
気デイスク回転駆動用のモータ装置に関する。

背景技術とその問題点 従来の電子カメラには、例えば第１図にその内
部構造を示すようなものが提案されている。

この図で１は電子カメラの上部基板で２はその
下部基板であり、これらは、その一側部をヒンジ
３で枢着される。そして、上部基板１には小形磁
気デイスク装置４を装置するための枠状のデイス
ク装着部５が設けてある。さらに、上部基板１の
内面所定位置には浅溝６を設けた裏面案内台７が
設けてある。

また、下部基板２の内面中央所定位置には磁気
デイスク回転駆動用のモータ装置８が設置してあ
る。

さらにこのモータ装置８に隣接して磁気ヘツド
用開口９を設けた案内台１０が設置してあり、こ
の磁気ヘツド用開口９には一端を軸ピン１１で軸
支された回動アーム１２の所定位置に磁気ヘツド
１３を突設し、これが磁気ヘツド用開口９から突
出して臨むようにしている。

また、この回動アーム１２をステツプ送り装置
１４で、段階的に矢印Ａ方向に送るようにし、磁
気ヘツド１３を磁気デイスクに同芯円状に設定さ
れた複数の記録トラツクにおける所要の一に合わ
せられるようにしている。

この電子カメラに用いられる磁気デイスク装置
４は、矩形なジヤケツト１５の中に円盤状の磁気
デイスク１６を回動自在に装着して成る。このジ
ヤケツト１５にはモータの駆動軸挿入孔１７を穿
設するとともに摺動して開閉するスライドシヤツ
タ１９を設けた磁気ヘツド挿入用窓孔１８が設け
てある。なお、２０は記録トラツクのカウンタで
ある。

このように構成された磁気デイスク装置４を電
子カメラに装着するときは、まずスライドシヤツ
タ１９が開けられ、磁気デイスク装置４が電子カ
メラ内の所定位置に納められる。

この状態で、磁気デイスク装置４の一側面の磁
気ヘツド挿入用窓孔１８には案内台１０が挿入
し、他側面の窓孔１８には裏面案内台７が進入す
る。そして、案内台１０から突出した磁気ヘツド
１３が磁気デイスク１６に当接することになる。
なお、この磁気ヘツド１３に対応して裏面案内台
７には浅溝６が設けてあるから、磁気デイスク１
６が磁気ヘツド１３と裏面案内台７との間に挾み
付けられるようなことはなく、しかも磁気ヘツド
１３が適度な接触圧で磁気デイスク１６に摺接す
るようにできるものである。

また磁気デイスク装置４のモータの駆動軸挿入
孔１７を通じて、磁気デイスク回転駆動用のモー
タ装置８の軸受ハウジング２１部分が挿入され、
これが第２図に示すように磁気デイスク１６の嵌
着部２２に嵌着する。

すなわち、このモータ装置８はモータベース２
５の内部底面に設置されたFGコイル２６と内部
底面に立設された軸２７及び軸キヤツプ３９と、
さらにこの軸２７に上下一対のベアリング２８，
２８を介して軸支される軸受ハウジング２１とパ
ツクホールドマグネツト２９、センタコア３０、
マグネツトケース３１、メインマグネツト３２、
コイル３３、基板押え３４、基板３５、回転ヨー
ク３６、FGマグネツト３７とより成る。

そして、第２図に一点鎖線で示すように磁気デ
イスク１６の嵌着部２２における中心位置決め基
準面４０が軸受ハウジング２１の外周基準面に押
し付けられるようにして回転中心軸の位置決めを
するとともに、嵌着部２２に埋設された鉄等の磁
性材で構成された基準板４１の底面がセンタコア
３０の基準面上に載置され、パツクホールドマグ
ネツト２９の磁力に吸引支持されることにより回
転軸方向の面が位置決めされ保持される。

そして、上述のように位置決め保持された磁気
デイスク１６はモータ装置８で高速回転され、案
内台１０と裏面案内台７との間の狭い挾間を通過
する際、所定の記録トラツクに磁気ヘツド１３に
より静止画の映像信号を記録又は再生されるもの
である。この際、磁気デイスク１６が高速で回転
されるのであり、同心円状に設定された狭い記録
トラツクを磁気ヘツド１３で正確にトレースする
ようにしなければならないものであるため、軸受
ハウジング２１の外周基準面の組立上り精度を高
精度（実際には直径6⁺⁰ _-0.005）に保証し、軸受ハウ
ジング２１の外周基準面の回転振れが3μm以内と
なるようにしなければならない。

しかしながら、この軸受ハウジング２１は軸２
７に対し、ベアリング２８を介して軸着されてい
るものであるため、各部品としての軸２７、ベア
リング２８、軸受ハウジング２１の各加工精度の
公差が積み重なり、組立上りの嵌め合い寸法差も
必要であることから組立誤差が大きくなり、組立
上り精度を保証するのが困難である。

このため、組立後に再度加工して寸法精度を出
すようにせねばならない。特に本実施例のように
軸受ハウジング２１がステンレス材で構成されて
いる場合であつて、組立後にさらに加工をする必
要があるときは、専用の研摩加工機を用いて、研
摩して寸法誤差を修正せねばならず、手間が掛か
り加工費も増大するという欠点があつた。

考案の目的 本考案は上述の点に鑑み、モータ装置のモータ
ベースに立設された軸と、磁気デイスクの中心位
置決め基準面との間に介在する部品点数を減少す
ることにより、組立上り時の寸法誤差を減縮した
構造が簡単で精度の高い電子カメラ等のモータ装
置を提供することを目的とする。

考案の概要 本考案の電子カメラ等のモータ装置は、電子カ
メラ等に設置される磁気デイスク回転駆動用のモ
ータ装置において、モータベースに立設された軸
に装着されたベアリングの外輪の外周面を磁気デ
イスクの中心位置決め基準面に対応した回転軸の
位置決めをするための外周基準面として構成する
ことにより、軸と磁気デイスクの軸方向基準面と
の間に介在する部品点数を減少し、組立上り時の
寸法誤差を減縮するようにした構造が簡単で高精
度なものである。

実施例 以下本考案の電子カメラ等のモータ装置の一実
施例を第３図によつて説明する。なお、この第３
図において第１図及び第２図に対応する部品には
同一符号を付すこととし、その詳細な説明は省略
する。

本例の電子カメラ等のモータ装置は従来のもの
のベアリング、軸受ハウジング及びマグネツトケ
ースを改良したものである。

すなわち、軸２７に装着される上部ベアリング
４２を所定の直径をもつ大径のものとし、その外
周の上方部を、磁気デイスク１６の中心位置決め
基準面４０に対応する外周基準面４３として構成
する。

また、一般のベアリングの規格品（JIS）は規
格の寸法誤差が少なく精度が高いので、本例では
これをそのまま用いる。

そして、この上部ベアリング４２に軸支される
軸受ハウジングとマグネツトケースとを一体的に
合わせた軸受ハウジング部４４を構成し、この軸
受ハウジング部４４の上部に穿設したベアリング
嵌着孔に上部ベアリング４２の外輪を嵌着するよ
うにする。

このように構成することにより、上部ベアリン
グ４２の外輪の外周基準面４３に直接磁気デイス
ク１６の中心位置決め基準面４０が当接し、位置
決めされることになる。

よつて、モータ装置８の軸２７と中心位置決め
基準面４０との間には上部ベアリング４２以外の
部品が介在することがないし上部ベアリング４２
の規格寸法の精度が高いので、加工上の寸法精度
の誤差や、組立上の公差が積み重なつて誤差が拡
大することはないので組立上り精度を十分に保証
できるものである。

さらに、組立のための工数を削減できるし、組
立後に専用の研摩加工機を用いて寸法誤差を修正
する必要もないので加工費を削減できる。

また、軸受ハウジングとマグネツトケースとを
一体的に構成した軸受ハウジング部４４を用いて
いることもあり、モータベース２５の軸２７にモ
ータ装置の回転部分の部品を組付ける作業を容易
にできるものである。

考案の効果 本考案の電子カメラ等のモータ装置によれば、
モータ装置の軸に装着されたベアリングの外輪の
外周を外周基準面とし、これに直接磁気デイスク
の中心位置決め基準面を当接させて位置決めする
ようにした簡単な構造により、組立上り時の寸法
誤差を減縮し、精度を高くできるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電子カメラの斜視図、第２図は
第１図に示す電子カメラのモータ装置の部分断面
側面図、第３図は本考案の電子カメラ等のモータ
装置の部分断面側面図である。 ４は磁気デイスク装置、８はモータ装置、２５
はモータベース、２７は軸、４０は中心位置決め
基準面、４２は上部ベアリング、４３は外周基準
面、４４は軸受ハウジング部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電子カメラ等に設置される磁気デイスク回転駆
   動用のモータ装置において、モータベースに立設
   された軸に装着されたベアリングの外輪の外周面
   を磁気デイスクの中心位置決め基準面に対応した
   回転軸の位置決めをするための外周基準面として
   構成したことを特徴とする電子カメラ等のモータ
   装置。