JPH0218123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は道路、宅地造成地、宅地等の切土又は
盛土等の土留に広く用いられている擁壁に関する
ものである。

従来土留擁壁にはコンクリート擁壁、或はコン
クリートブロツク擁壁が多く用いられているが、
コンクリート擁壁にあつては施工現場に於て基礎
を施工し、型枠を設置し、必要に応じて鉄筋を配
置し、生コンクリートを型枠内に打込んで硬化を
待ち、養生して充分に強度が発生した時点で型枠
を取外し、その後で擁壁裏面に裏込栗石を充填し
て完成するのであるが、完成までには非常に日数
が永くかゝり、施工期間中降雨等の為に裏側の土
砂が崩壊することも稀にはあり、安全面に於て問
題が多かつた。

又コンクリートブロツク擁壁はコンクリートブ
ロツクが控寸法が殆ど一定であるので背面土圧が
大きい場合には裏込コンクリートを充填する必要
がある。

本考案は堅牢な擁壁を作業も容易で短期間に完
成出来る様なコンクリートブロツクを提供せんと
するものである。

本考案は前面板１の内面に縦に小判形底すぼみ
台状の突起２を複数個並列に設け、この台状の突
起の上端及び下端近くの上部及び下部にＵ字形ア
ンカー鉄筋８を頂部が台状の突起２の前面より突
出しない様に足４を前面板１中に埋設し、背面板
５を前面板１と同形、同大に形成し、前面板１の
上面及び下面の左右に互にすべり落ちずに嵌合す
る様突起６及び凹み７を設け、背面板の内面に小
判形底すぼみ台状の突起８及びＵ字形アンカー鉄
筋９を前面板の突起２及びアンカー鉄筋８と同
形、同大に形成し、これを前面板のものと夫々対
向する様設け、背面板５の内面上部に上端面が背
面板の上端面と同一平面になる様左右に受用突起
１０を設けたコンクリートブロツクの前面板１及
び背面板５の内面に設けたＵ字形アンカー鉄筋８
のＵ字部に、四隅に輪１２を形成し、鉄筋の交叉
部を溶接した井桁状鉄筋１１の輪１２を重ね、両
者にボルト１８を挿通して前面板及び背面板を井
桁状鉄筋にて連結して成る組立式コンクリートブ
ロツクに関するものである。尚１５は座金であ
る。

次に擁壁の施工について説明する。

基礎コンクリートＢを施工した後、井桁状鉄筋
１１にて前面板１及び背面板５を連結して組立て
たコンクリートブロツクＡの第１段目の第１番目
のブロツクA₁₁を基礎コンクリートＢ上に配設
し、前面板１及び背面板５の右側面に第２番目の
ブロツクA₁₂の前面板及び背面板の左側面を当接
して配設し、以下同様にしてブロツクA₁₁，A₁₄
を配設する。次に第１段目の結合された第１番目
と第２番目のブロツクA₁₁，A₁₂の接合部にまた
がる様、第２段目の第１番目のブロツクA₂₁を載
せ、ブロツクA₁₁，A₁₂の前面板の上端面に設け
た左右の突起６，６に第２段目の第１番目のブロ
ツクA₂₁の下端面の左右に設けた凹み７，７を嵌
合せしめて載せ、次に第１段目の第２番目第３番
目のブロツクA₁₂，A₁₃の接合部にまたがる様こ
のブロツク上に第２段目の第２番目のブロツク
A₂₂を載せ、ブロツクA₁₂，A₁₃の前面板の上端面
に設けた各左右の突起６，６に第２段目の第２番
目のブロツクA₂₂の下端面の左右に設けた凹み
７，７を嵌合して積上げ、以下同様にして右方に
連接し、又同様にして上方に積上げ、第２段目、
第４段目等偶数段目の端の凹欠部には半截のブロ
ツクを配設する。

この様にして所要の高さ、所要の長さまでブロ
ツクを積上げる。この際適時段数毎に生コンクリ
ートＣを流し込み充填しては積上げ一体化してコ
ンクリート擁壁を構成する。

一般にコンクリート擁壁は基部の控厚は厚く、
頂部に至る程控厚が薄い。この様な場合には上段
に至る程井桁鉄筋の控え方向の長さｌの短かいも
のを使用して組立てた前面板と背面板との間隔の
小さいブロツクを上方に至る程順次間隔の小さい
ものを積上げる。この際前面板１は前面が同一平
面になる様積上げるが、背面板５は受用突起１０
に載る様積上げる。この積上げ工程の際適当段数
毎に前面板及び背面板の間に生コンクリートを流
し込み、積上げたブロツクの背後に裏込栗石１４
を充填して擁壁を完成する。

尚前記擁壁に及ぼす土圧が甚だしく大きい場合
には必要に応じて前面板と背面板との間に主鉄筋
を縦設し、配力筋を横設することにより更に強固
な擁壁にすることが出来る。

本考案によるブロツクは軽量な薄板の前面板と
背面板を井桁状鉄筋にて結合したもの故軽量で取
扱いが容易である。

又井桁状鉄筋は四隅が溶接されていて変形する
ことなく、従つて施工中にブロツクが変形するこ
とがない。又前面板にはずれ止めの為上面に突起
６、下面には凹み７が設けてあるのでブロツクを
確実に所定の位置に保持することが出来る。

又ブロツクの厚みは井桁状鉄筋の控え長さの違
うものを用いるだけで厚みの違つた擁壁を造るこ
とが出来る。

又本考案の施工はブロツク積工法に準じた施工
であるので仮設工事の必要なく、又前面板に表面
化粧を施しておけば構築した場合前面に化粧を施
した擁壁が出来る等数々の利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はブロツクを裏面より見た斜視図、第２図は背面
板の斜視図、第３図はブロツクの中央断面図、第
４図は井桁状鉄筋の正面図、第５図は擁壁の正面
図、第６図は擁壁の断面図、第７図は背部が階段
式擁壁の断面図である。 １……前面板、２……前面板の小判形台状突
起、３……前面板のＵ字形鉄筋、４……Ｕ字形鉄
筋の足、５……背面板、６……前面板の上端面の
突起、７……前面板の下端面の凹み、８……背面
板の小判形台状の突起、９……背面板のＵ字形鉄
筋、１０……受用突起、１１……井桁状鉄筋、１
２……井桁状鉄筋の輪、１３……ボルト、１４…
…栗石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面板１の内面に縦に小判形底すぼみ台状の突
   起２を複数個並列に設け、この台状の突起の上端
   の上方部及び下端の下方部にＵ字形アンカー鉄筋
   ８を垂直になる様足４を前面板１に埋設して取付
   け、背面板５を前面板１と同形、同大に形成し、
   前面板１の上面及び下面の左右に互に嵌合する
   様、突起６及び凹み７を設け、背面板５の内面に
   小判形台状の突起８及びＵ字形アンカー鉄筋９を
   前面板の小判型底すぼみ台状の突起２及びＵ字形
   アンカー鉄筋８と同形、同大に形成し、且つ対向
   する様設け、背面板５の内面上部の左右に上面が
   背面板の上面と同一平面になる様受用突起１０を
   設けたコンクリートブロツクの前面板１及び背面
   板５の内面に設けたＵ字形アンカー鉄筋８，９の
   Ｕ字部に、四隅に輪１２を形成し、鉄筋の交叉部
   を溶接した井桁状鉄筋１１の四隅の輪１２を重
   ね、両者にボルト１８を挿通して締付け、前面板
   及び背面板を井桁状鉄筋にて連結して成る組立式
   コンクリートブロツク。