JPH0217022B2 - - Google Patents

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JPH0217022B2
JPH0217022B2 JP58153672A JP15367283A JPH0217022B2 JP H0217022 B2 JPH0217022 B2 JP H0217022B2 JP 58153672 A JP58153672 A JP 58153672A JP 15367283 A JP15367283 A JP 15367283A JP H0217022 B2 JPH0217022 B2 JP H0217022B2
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Keishi Saito
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Canon Inc
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Publication of JPH0217022B2 publication Critical patent/JPH0217022B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、光(ここでは広義の光で、紫外光
線、可視光線、赤外光線、X線、γ線等を示す)
の様な電磁波に感受性のある電子写真用光導電部
材に関する。 固体撮像装置、或いは像形成分野における電子
写真用像形成部材や原稿読取装置における光導電
層を形成する光導電材料としては、高感度で、
SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照
射する電磁波のスペクトル特性にマツチングした
吸収スペクトル特性を有すること、光応答性が速
く、所望の暗抵抗置を有すること、使用時におい
て人体に対して無公害であること、更には固体撮
像装置においては、残像を所定時間内に容易に処
理することができること等の特性が要求される。
殊に、事務機としてオフイスで使用される電子写
真装置内に組込まれる電子写真用像形成部材の場
合には、上記の使用時における無公害性は重要な
点である。 この様な点に立脚して最近注目されている光導
電材料にアモルフアスシリコン(以後a−Siと表
記す)があり、例えば、独国公開第2746967号公
報、同第2855718号公報には電子写真用像形成部
材として、独国公開第2933411号公報には光電変
換読取装置への応用が記載されている。 而乍ら、従来のa−Siで構成された光導電層を
有する光導電部材は、暗抵抗値、光感度、光応答
性等の電気的、光学的、光導電的特性、及び耐湿
性等の使用環境特性の点、更には経時的安定性の
点において、結合的な特性向上を計る必要がある
という更に改良される可き点が存するのが実情で
ある。 例えば、電子写真用像形成部材に適用した場合
に、高光感度化、高暗抵抗化を同時に計ろうとす
ると、従来においては、その史用時において残留
電位が残る場合が度々観測され、この種の光導電
部材は長時間繰返し使用し続けると、繰返し使用
による疲労の蓄積が起つて、残像が生ずる所謂ゴ
ースト現象を発する様になる、或いは高速で繰返
し使用すると応答性が次第に低下する、等の不都
合な点が生ずる場合が少なくなかつた。 更には、a−Siは可視光領域の短波長側に較べ
て、長波長側の波長領域よりも長い波長領域の吸
収係数が比較的小さく、現在実用化されている半
導体レーザとのマツチングに於いて、通常使用さ
れているハロゲンランプや螢光灯を光源とする場
合、長波長側の光を有効に使用し得ていないとい
う点に於いて、夫々改良される余地が残つてい
る。 又、別には、照射される光が光導電層中に於い
て、充分吸収されずに支持体に到達する光の量が
多くなると、支持体自体が光導電層を透過して来
る光に対する反射率が高い場合には、光導電層内
に於いて多重反射による干渉が起つて画像の「ボ
ケ」が生ずる一要因となる。 この影響は、解像度を上げる為に、照射スポツ
トを小さくする程大きくなり、殊に半導体レーザ
を光源とする場合には大きな問題となつている。 従つてa−Si材料そのものの特性改良が計られ
る一方で電子写真用光導電部材を設計する際に、
上記した様な問題の総てが解決される様に工夫さ
れる必要がある。 本発明は上記の諸点に鑑み成されたもので、a
−Siに就いて電子写真用像形成部材に使用される
光導電部材としての適用性とその応用性という観
点から総括的に鋭意研究検討を続けた結果、シリ
コン原子を母体とする非晶質材料、殊にシリコン
原子を母体とし、水素原子H又はハロゲン原子X
のいずれか一方を少なくとも含有するアモルフア
ス材料、所謂水素化アモルフアスシリコン、ハロ
ゲン化アモルフアスシリコン、或いはハロゲン含
有水素化アモルフアスシリコン〔以後これ等の総
称的表記として「a−Si(H,X)」を使用する〕
から構成され、光導電性を示す光受容層を有する
光導電部材の層構成を以後に説明される様な特定
化の下に設計されて作成された光導電部材は実用
上著しく優れた特性を示すばかりでなく、従来の
光導電部材と較べてみてもあらゆる点において凌
駕していること、殊に電子写真用の光導電部材と
して著しく優れた特性を有していること及び長波
長側に於ける吸収スペクトル特性に優れているこ
とを見出した点に基いている。 本発明は電気的、光学的、光導電的特性が常時
安定していて、殆んど使用環境に制限を受けない
全環境型であり、長波長側の光感度特性に優れる
と共に耐光疲労に著しく長け、繰返し使用に際し
ても劣化現象を起さず、残留電位が全く又は殆ん
ど観測されない電子写真用光導電部材を提供する
ことを主たる目的とする。 本発明の別の目的は、全可視光域に於いて光感
度が高く、殊に半導体レーザとのマツチングに優
れ、且つ光応答の速い電子写真用光導電部材を提
供することである。 本発明の他の目的は、電子写真用の像形成部材
として適用させた場合、通常の電子写真法が極め
て有効に適用され得る程度に、静電像形成の為の
帯電処理の際の電荷保持能が充分ある電子写真用
光導電部材を提供することである。 本発明の更に他の目的は、濃度が高く、ハーフ
トーンが鮮明に出て且つ解像度の高い、高品質画
像を得る事が容易に出来る電子写真用の光導電部
材を提供することである。 本発明の更にもう1つの目的は、高光感度性、
高SN比特性を有する電子写真用光導電部材を提
供することでもある。 本発明の電子写真用光導電部材は電子写真用光
導電部材(以後、「光導電部材」と称す。)用の支
持体と、該支持体上に、ゲルマニウム原子と必要
に応じてシリコン原子を含む非晶質材料で構成さ
れ、シリコン原子との和に対して1〜10×
105atomic ppmのゲルマニウム原子を含み、層
厚30Å〜50μの層領域Gとシリコン原子を含む
(ゲルマニウム原子を含まない)非晶質材料で構
成され、層厚0.5〜90μの層領域Sとが前記支持体
側より順に設けられた層構成の光導電性を示す層
厚1〜100μの光受容層とからなり、該光受容層
は、シリコン原子とゲルマニウム原子と酸素原子
の和に対して0.001〜50atomic%の酸素原子を有
し、その層厚方向における分布濃度が夫々C1,
C3,C2である第1の層領域1、第3の層領域
3、第2の層領域2をこの順で前記支持体より有
するとともに、前記C1,C3,C2がC3>C
1,C3>C2で且つC1,C2のいずれか一方
は0ではないことを特徴とする。 上記した様な層構成を取る様にして設計された
本発明の光導電部材は、前記した諸問題の総てを
解決し得、極めて優れた電気的、光学的、光導電
的特性、電気的耐圧性及び使用環境特性を示す。 殊に、電子写真用像形成部材として適用させた
場合には、画像形成への残留電位の影響が全くな
く、その電気的特性が安定しており高感度で、高
SN比を有するものであつて、耐光疲労、繰返し
使用特性に長け、濃度が高く、ハーフトーンが鮮
明に出て、且つ解像度の高い、高品質の画像を安
定して繰返し得ることができる。 更に、本発明の光導電部材は、全可視光域に於
いて光感度が高く、殊に半導体レーザとのマツチ
ングに優れ、且つ光応答が速い。 以下、図面に従つて、本発明の光導電部材に就
て詳細に説明する。 第1図は、本発明の光導電部材の層構成を説明
するために模式的に示した模式的構成図である。 第1図に示す光導電部材100は、光導電部材
用としての支持体101の上に、光受容層102
を有し、該光受容層102は自由表面105を一
方の端面に有している。 光受容層102は、支持体101側よりゲルマ
ニウム原子と、必要に応じてシリコン原子、水素
原子、ハロゲン原子Xの少なくとも一つを含む非
晶質材料(以後a−Ge(Si,H,X)」と記す)
で構成された第1の層領域G103とa−Si(H,
X)で構成され、光導電性を有する第2の層領域
S104とが順に積層された層構造を有する。 第1の層領域G103中に含有されるゲルマニ
ウム原子は、該第1の層領域G103中に万遍無
く均一に分布する様に含有されても良いし、或い
は層厚方向には万遍無く含有されてはいるが分布
濃度が不均一であつても良い。而乍ら、いずれの
場合にも支持体の表面と平行な面内方向に於いて
は、均一な分布で万遍無く含有されるのが面内方
向に於ける特性の均一化を計る点からも必要であ
る。殊に、層領域Gの層厚方向には万遍無く含有
されていて且つ前記支持体101の設けられてあ
る側とは反対の側(光受容層102の表面105
側)の方に対して前記支持体101側の方に多く
分布した状態となる様にするか、或いはこの逆の
分布状態となる様に前記第1の層領域G103中
に含有される。 本発明の光導電部材においては、第1の層領域
G中に含有されるゲルマニウム原子の分布状態
は、層厚方向においては、前記の様な分布状態を
取り、支持体の表面と平行な面内方向には均一な
分布状態とされるのが望ましい。 本発明に於いては、第1の層領域G上に設けら
れる第2の層領域S中には、ゲルマニウム原子は
含有されておらず、この様な層構造に光受容層を
形成することによつて、可視光領域を含む、比較
的短波長から比較的長波長迄の全領域の波長の光
に対して光感度が優れている光導電部材とし得る
ものである。 又、第1の層領域G中に於けるゲルマニウム原
子の分布状態が全層領域にゲルマニウム原子が連
続的に分布し、ゲルマニウム原子の層厚方向の分
布濃度Cが支持体側より第2の層領域Sに向つて
減少する変化が与えられている場合には、第1の
層領域Gと第2の層領域Sとの間に於ける親和性
に優れ、且つ後述する様に、支持体側端部に於い
てゲルマニウム原子の分布濃度Cを極端に大きく
することにより、半導体レーザ等を使用した場合
の、第2の層領域Sでは殆んど吸収し切れない長
波長側の光を第1の層領域Gに於いて、実質的に
完全に吸収することが出来、支持体面からの反射
による干渉を防止することが出来る。 又、本発明の光導電部材の好ましい実施態様例
の1つである第1の層領域Gにシリコン原子が含
有されている場合には、第1の層領域Gと第2の
層領域Sとを構成する非晶質材料の夫々がシリコ
ン原子という共通の構成要素を有しているので、
積層界面に於いて化学的な安定性の確保が充分成
されている。 第2図乃至第10図には、ゲルマニウム原子が
不均一に分布されて含有されている場合における
光導電部材の第1の層領域G中に含有されるゲル
マニウム原子の層厚方向の分布状態の典型的例が
示される。 第2図乃至第10図において、横軸はゲルマニ
ウム原子の分布濃度Cを、縦軸は、第1の層領域
Gの層厚を示し、tBは支持体側の第1の層領域G
の端面の位置を、tTは支持体側とは反対側の第1
の層領域Gの端面の位置を示す。即ち、ゲルマニ
ウム原子の含有される第1の層領域GはtB側より
tT側に向つて層形成がなされる。 第2図には、第1の層領域G中に含有されるゲ
ルマニウム原子の層厚方向の分布状態の第1の典
型例が示される。 第2図に示される例では、ゲルマニウム原子の
含有される第1の層領域Gが形成される表面と該
第1の層領域Gの表面とが接する界面位置tBより
t1の位置までは、ゲルマニウム原子の分布濃度C
がC1なる一定の値を取り乍らゲルマニウム原子
が形成される第1の層領域Gに含有され、位置t1
よりは濃度C2より界面位置tTに至るまで徐々に連
続的に減少されている。界面位置tTにおいてはゲ
ルマニウム原子の分布濃度CはC3とされる。 第3図に示される例においては、含有されるゲ
ルマニウム原子の分布濃度Cは位置tBより位置tT
に至るまで濃度C4から徐々に連続的に減少して
位置tTにおいて濃度C5となる様な分布状態を形成
している。 第4図の場合には、位置tBより位置t2まではゲ
ルマニウム原子の分布濃度Cは濃度C6と一定値
とされ、位置t2と位置tTとの間において、徐々に
連続的に減少され、位置tTにおいて、分布濃度C
は実質的に零とされている(ここで実質的に零と
は検出限界量未満の場合である)。 第5図の場合には、ゲルマニウム原子の分布濃
度Cは位置tBより位置tTに至るまで、濃度C8より
連続的に徐々に減少され、位置tTにおいて実質的
に零とされている。 第6図に示す例においては、ゲルマニウム原子
の分布濃度Cは、位置tBと位置t3間においては、
濃度C9と一定値であり、位置tTにおいては濃度
C10とされる。位置t3と位置tTとの間では分布濃度
Cは一次関数的に位置t3より位置tTに至るまで減
少されている。 第7図に示される例においては、分布濃度Cは
位置tBより位置t4までは濃度C11の一定値を取り、
位置t4より位置tTまでは濃度C12より濃度C13まで
一次関数的に減少する分布状態とされている。 第8図に示す例においては、位置tBより位置tT
に至るまで、ゲルマニウム原子の分布濃度Cは濃
度C14より実質的に零に至る様に一次関数的に減
少している。 第9図においては、位置tBより位置t5に至るま
ではゲルマニウム原子の分布濃度Cは、濃度C15
より濃度C16まで一次関数的に減少され、位置t5
と位置tTとの間においては、濃度C16の一定値と
された例が示されている。 第10図に示される例においては、ゲルマニウ
ム原子の分布濃度Cは位置tBにおいて濃度C17
あり、位置t6に至るまではこの濃度C17より初め
はゆつくりと減少され、t6の位置付近において
は、急激に減少されて位置t6では濃度C18とされ
る。 位置t6と位置t7との間においては、初め急激に
減少されて、その後は緩かに徐々に減少されて位
置t7で濃度C19となり、位置t7と位置t8との間で
は、極めてゆつくりと徐々に減少されて位置t8
おいて、濃度C20に至る。位置t8と位置tTの間にお
いては、濃度C20より実質的に零になる様に図に
示す如き形状の曲線に従つて減少されている。 以上、第2図乃至第10図により、第1の層領
域G中に含有されるゲルマニウム原子の層厚方向
の分布状態の典型例の幾つかを説明した様に、本
発明においては、支持体側において、ゲルマニウ
ム原子の分布濃度Cの高い部分を有し、界面tT
においては、前記分布濃度Cは支持体側に較べて
可成り低くされた部分を有するゲルマニウム原子
の分布状態が第1の層領域Gに設けられている場
合は、好適な例の1つとして挙げられる。 本発明に於ける光導電部材を構成する光受容層
を構成する第1の層領域Gは好ましくは上記した
様に支持体側の方にゲルマニウム原子が比較的高
濃度で含有されている局在領域Aを有するのが望
ましい。 例えば、局在領域Aは、第2図乃至第10図に
示す記号を用いて説明すれば、界面位置tBより5μ
以内に設けられるのが望ましいものである。 上記局在領域Aは、界面位置tBより5μ厚までの
全層領域LTとされる場合もあるし、又、層領域
LTの一部とされる場合もある。局在領域Aを層
領域LTの一部とするか又は全部とするかは、形
成される光受容層に要求される特性に従つて適宜
決められる。 局在領域Aはその中に含有されるゲルマニウム
原子の層厚方向の分布状態としてゲルマニウム原
子の分布濃度の最大値Cmaxがシリコン原子との
和に対して、好ましくは1000atomic ppm以上、
好適には5000atomic ppm以上、最適には1×
104atomic ppm以上とされる様な分布状態とな
り得る様に層形成されるのが望ましい。 即ち、本発明においては、ゲルマニウム原子の
含有される層領域Gは、支持体側からの層厚で
5μ以内(tBから5μ厚の層領域)に分布濃度の最大
値Cmaxが存在する様に形成されるのが好まし
い。 本発明において、第1の層領域G中に含有され
るゲルマニウム原子の含有量としては、本発明の
目的が効果的に達成される様に所望に従つて適宜
決められるが、シリコン原子との和に対して、好
ましくは1〜10×105atomic ppm、より好まし
くは100〜9.5×105atomic ppm、最適には500〜
8×105atomic ppmとされるのが望ましい。 本発明に於いて第1の層領域Gと第2の層領域
Sとの層厚は、本発明の目的を効果的に達成させ
る為の重要な因子の1つであるので形成される光
導電部材に所望の特性が充分与えられる様に、光
導電部材の設計の際に充分なる注意が払われる必
要がある。 本発明に於いて、第1の層領域Gの層厚TBは、
好ましくは、30Å〜50μ、より好ましくは40Å〜
40μ、最適には50Å〜30μとされるのが望ましい。 又、第2の層領域Sの層厚Tは、通常の場合、
0.5〜90μ、好ましくは1〜80μ、最適には2〜50μ
とされるのが望ましい。 第1の層領域Gの層厚TBと第2の層領域Sの
層厚Tの和(TB+T)としては、両層領域に要
求される特性と光受容層全体に要求される特性と
の相互間の有機的関連性に基いて、光導電部材の
層設計の際に所望に従つて、適宜決定される。 本発明の光導電部材に於いては、上記の(TB
の数値範囲としては、好ましくは1〜100μ、よ
り好適には1〜80μ、最適には2〜50μとされる
のが望ましい。 本発明のより好ましい実施態様例に於いては、
上記の層厚TB及び層厚Tとしては、好ましくは
TB/T≦1なる関係を満足する際に、夫々に対
して適宜適切な数値が選択されるのが望ましい。 上記の場合に於ける層厚TB及び層厚Tの数値
の選択に於いて、より好ましくは、TB/T≦0.9
最適にはTB/T≦0.8なる関係が満足される様に
層厚TB及び層厚Tの値が決定されるのが望まし
いものである。 本発明に於いて、第1の層領域G中に含有され
るゲルマニウム原子の含有量が1×105atomic
ppm以上の場合には、第1の層領域Gの層厚TB
としては、可成り薄くされるのが望ましく、好ま
しくは30μ以下、より好ましくは25μ以下、最適
には20μ以下とされるのが望ましいものである。 本発明に於いて、形成される光受容層を構成す
る第2の層領域S中に含有される水素原子Hの量
又はハロゲン原子Xの量又は水素原子とハロゲン
原子の量の和(H+X)は、好ましくは1〜
40atomic%、より好適には5〜30atomic%、最
適には5〜25atomic%とされるのが望ましい。 本発明において、必要に応じて光受容層を構成
する第1の層領域G又は/及び第2の層領域S中
に含有されるハロゲン原子Xとしては、具体的に
はフツ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、殊に
フツ素、塩素を好適なものとして挙げることが出
来る。 本発明の光導電部材に於いては、高光感度化と
高暗抵抗化、更には、支持体と光受容層との間の
密着性の改良を図る目的の為に、光受容層中に
は、酸素原子が含有される層領域Oが設けられ
る。光受容層中に含有される酸素原子は、光受容
層の全層領域に万遍なく含有されても良いし、或
いは、光受容層の一部の層領域のみに含有させて
遍在させても良い。 本発明に於いて酸素原子の分布状態は、光受容
層全体に於いては前記した様に、層厚方向に不均
一であるが、第1、第2、第3の各層領域に於い
ては層厚方向に均一である。第11図乃至第20
図には光受容層全体としての酸素原子の分布状態
の典型的例が示される。これ等の各図に於いて、
横軸は酸素原子の分布濃度C,Oを、縦軸は光受
容層の層厚を示す。縦軸に示されるTBは光受容
層の支持体側端面の位置を、tTは光受容層の支持
体とは反対側の端面の位置を示す。即ち、光受容
層はtB側よりtT側方向に向つて層形成がなされ
る。 第11図に示される例では、位置tBより位置t9
までは酸素原子の分布濃度C,Oは濃度C21とさ
れ、位置t9から位置t11までは酸素原子の分布濃度
C,Oは濃度C22とし、位置t11から位置tTまでは
濃度C21としている。 第12図に示される例では、酸素原子の分布濃
度C,Oは位置tBから位置t12までは濃度C23、位
置t12から位置t13までは濃度C24と階段状に増加さ
せ、位置t13から位置tTまでは濃度C25と減少させ
ている。 第13図の例では、酸素原子の分布濃度C,O
は、位置tBから位置t14までは濃度C26とし、位置
t14から位置t15までは濃度をC27と階段状に増加さ
せ、位置t15から位置tTまでは初期の濃度C26より
も低い濃度C28としている。 第14図に示される例では、分布濃度C,Oは
位置tBから位置t10までは濃度C29とし、位置t16
ら位置t17までは濃度C30に減少させ、位置t17から
位置t18までは濃度C31と階段状に増加させ、位置
t18から位置tBまでは濃度C30に減少させている。 第15図に示される例では、光受容層の支持体
側に酸素原子の分布濃度C,Oの高い層領域が設
けられている。この様な酸素原子の分布濃度C,
Oとすることで、帯電処理を受けた際に支持体側
からの電荷の注入を効果的に阻止出来ると同時に
支持体と光受容層との間の密着も強固にすること
が出来る。 又、t20とtTの間の層領域には、より低濃度に酸
素原子を含有させることで、光感度を低下させる
ことなく暗抵抗の一層の向上を計つている。 第16図乃至第20図の例では、光受容層の支
持体側又は、支持体と反対側に酸素原子の含有さ
れない層領域が光受容層中に設けられている。 本発明に於いて、光受容層に設けられる酸素原
子の含有されている層領域Oは、光感度と暗抵抗
の向上を主たる目的とする場合には、光受容層の
全層領域を占める様に設けられ、光受容層の自由
表面からの電荷の注入を防止するためには、自由
表面近傍に設けられ、支持体と光受容層との間の
密着性の強化を図るのを主たる目的とする場合に
は、光受容層の支持体側端部層領域を占める様に
設けられる。 上記の第1の場合、層領域O中に含有される酸
素原子の含有量は、高光感度を維持する為に比較
的少なくされ、2番目の場合光受容層の自由表面
からの電荷の注入を防ぐために比較的多くされ、
第3の場合には、支持体との密着性の強化を確実
に図る為に比較的多くされるのが望ましい。 又、上記三者を同時に達成する目的の為には、
支持体側に於いて比較的高濃度に分布させ、光受
容層の中央に於いて比較的低濃度に分布させ、光
受容層の自由表面側の表面層領域には、酸素原子
を多くした様な酸素原子の分布状態を層領域O中
に形成すれば良い。 自由表面からの電荷の注入を防止するために自
由表面側に酸素原子の分布濃度C,Oを高くした
層領域を形成する。しかし分布濃度C,Oの高い
層領域が大気と接すると、電子写真の場合空気中
の水分を吸着して画像流れの原因となる場合があ
るので自由表面のごく近傍は分布濃度C,Oが低
いことが望ましい。 本発明に於いて、光受容層に設けられる層領域
Oに含有される酸素原子の含有量は、層領域O自
体に要求される特性、或いは該層領域Oが支持体
に直に接触して設けられる場合には、該支持体と
の接触界面に於ける特性との関係等、有機的関連
性に於いて、適宜選択することが出来る。 又、前記層領域Oに直に接触して他の層領域が
設けられる場合には、該他の層領域の特性や、該
他の層領域との接触界面に於ける特性との関係も
考慮されて、酸素原子の含有量が適宜選択され
る。 層領域O中に含有される酸素原子の量は、形形
成される光導電部材に要求される特性に応じて所
望に従つて適宜決められるが、シリコン原子とゲ
ルマニウム原子と酸素原子の和(以後「T
(SiGeO)」と記す)に対して好ましくは、0.001
〜50atomic%、より好ましくは、0.002〜
40atomic%、最適には0.003〜30atomic%とされ
るのが望ましい。 本発明に於いて、層領域Oが光受容層の全域を
占めるか、或いは、光受容層の全域を占めなくと
も、層領域Oの層厚TOの光受容層の層厚Tに占
める割合が充分多い場合には、層領域(O)に含
有される酸素原子の含有量の上限は、前記の値よ
り充分少なくされるのが望ましい。 本発明の場合には、層領域Oの層厚TOが光受
容層の層厚Tに対して占める割合が5分の2以上
となる様な場合には、層領域O中に含有される酸
素原子の量の上限としては、好ましくは、
30atomic%以下、より好ましくは、20atomic%
以下、最適には10atomic%以下とされるのが望
ましい。 本発明において、光受容層を構成する酸素原子
の含有される層領域Oは、上記した様に支持体側
及び自由表面近傍の方に酸素原子が比較的高濃度
で含有されている局在領域Bを有するものとして
設けられるのが望ましく、この場合には、支持体
と光受容層との間の密着性をより一層向上させる
こと及び受容電位の向上を計ることが出来る。 上記局在領域Bは、第11図乃至第20図に示
す記号を用いて説明すれば、界面位置tBまたは自
由表面tTより5μ以内に設けられるのが望ましい。 本発明においては、上記局在領域Bは、界面位
置tBまたは自由表面tTより5μ厚までの全層領域LT
とされる場合もあるし、又、層領域LTの一部と
される場合もある。 局在領域Bを層領域LTの一部とするか又は全
部とするかは、形成される光受容層に要求される
特性に従つて適宜決められる。 局在領域Bはその中に含有される酸素原子の層
厚方向の分布状態として酸素原子の分布濃度C,
Oの最大値Cmaxが好ましくは500atomic ppm以
上、より好ましくは800atomic ppm以上、最適
には1000atomic ppm以上とされる様な分布状態
となり得る様に層形成されるのが望ましい。 即ち、本発明においては、酸素原子の含有され
る層領域Oは、支持体側または自由表面からの層
厚で5μ以内(tBまたはtTから5μ厚の層領域)に分
布濃度C,Oの最大値Cmaxが存在する様に形成
されるのが望ましい。 本発明において、a−Ge(Si,H,X)で構成
される第1の層領域Gを形成するには例えばグロ
ー放電法、スパツタリング法、或いはイオンプレ
ーテイング法等の放電現象を利用する真空堆積法
によつて成される。例えば、グロー放電法によつ
て、層領域Gを形成するには、基本的にはシリコ
ン原子Siを供給し得るSi供給用の原料ガスとゲル
マニウム原子Geを供給し得るGe供給用の原料ガ
スと、必要に応じて、シリコン原子Siを供給し得
るSi供給用の原料ガス、水素原子H導入用の原料
ガス、又は/及びハロゲン原子X導入用の原料ガ
スを、内部が減圧にし得る堆積室内に所望のガス
圧状態で導入して、該堆積室内にグロー放電を生
起させ、予め所定位置に設置されてある所定の支
持体表面上にa−Ge(Si,H,X)からなる層を
形成すれば良い。又、ゲルマニウム原子を不均一
な分布状態で含有させるには、ゲルマニウム原子
の分布濃度を所望の変化率曲線に従つて制御し乍
らa−Ge(Si,H,X)からなる層を形成させれ
ば良い。 本発明において使用されるSi供給用の原料ガス
と成り得る物質としては、SiH4,Si2H6,Si3H8
Si4H10等のガス状態の又はガス化し得る水素化硅
素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙
げられ、殊に、層作成作業時の取扱い易さ、Si供
給効率の良さ等の点でSiH4,Si2H6が好ましいも
のとして挙げられる。 Ge供給用の原料ガスと成り得る物質としては、
GeH4,Ge2H6,Ge3H8,Ge4H10,Ge5H12
Ge6H14,Ge7H16,Ge8H18,Ge9H20等のガス状
態の又はガス化し得る水素化ゲルマニウムが有効
に使用されるものとして挙げられ、殊に、層作成
作業時の取扱い易さ、Ge供給効率の良さ等の点
で、GeH4,Ge2H6,Ge3H8が好ましいものとし
て挙げられる。 本発明において使用されるハロゲン原子導入用
の原料ガスとして有効なのは、多くのハロゲン化
合物が挙げられ、例えばハロゲンガス、ハロゲン
化物、ハロゲン間化合物、ハロゲンで置換された
シラン誘導体等のガス状態の又はガス化し得るハ
ロゲン化合物が好ましく挙げられる。 又、更には、シリコン原子とハロゲン原子とを
構成要素とするガス状態の又はガス化し得る、ハ
ロゲン原子を含む水素化硅素化合物も有効なもの
として本発明においては挙げることが出来る。 本発明において好適に使用し得るハロゲン化合
物としては、具体的には、フツ素、塩素、臭素、
ヨウ素のハロゲンガス、BrF,ClF,ClF3
BrF5,BrF3,IF3,IF7,ICl,IBr等のハロゲン
間化合物を挙げることが出来る。 ハロゲン原子を含む硅素化合物、所謂、ハロゲ
ン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体
的には例えばSiF4,Si2F6,SiCl4,SiBr4等のハ
ロゲン化硅素が好ましいものとして挙げることが
出来る。 この様なハロゲン原子を含む硅素化合物を採用
してグロー放電法によつて本発明の特徴的な光導
電部材を形成する場合には、Ge供給用の原料ガ
スと共にSiを供給し得る原料ガスとしての水素化
硅素ガスを使用しなくとも、所望の支持体上にハ
ロゲン原子を含むa−SiGeから成る第1の層領
域Gを形成する事が出来る。 グロー放電法に従つて、ハロゲン原子を含む第
1の層領域Gを作成する場合、基本的には、例え
ばSi供給用の原料ガスとなるハロゲン化硅素と
Ge供給用の原料ガスとなる水素化ゲルマニウム
とAr,H2,He等のガス等を所定の混合比とガス
流量になる様にして第1の層領域Gを形成する堆
積室に導入し、グロー放電を生起してこれ等のガ
スのプラズマ雰囲気を形成することによつて、所
望の支持体上に第1の層領域Gを形成し得るもの
であるが、水素原子の導入割合の制御を一層容易
になる様に計る為にこれ等のガスに更に水素ガス
又は水素原子を含む硅素化合物のガスも所望混合
して層形成しても良い。 又、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で
複数種混合して使用しても差支えないものであ
る。 反応スパツタリング法或いはイオンプレーテイ
ング法に依つてa−SiGe(H,X)から成る第1
の層領域Gを形成するには、例えばスパツタリン
グ法の場合にはSiから成るターゲツトとGeから
成るターゲツトの二枚を、或いはSiとGeから成
るターゲツトを使用して、これを所望のガスプラ
ズマ雰囲気中でスパツタリングし、イオンプレー
テイング法の場合には、例えば多結晶シリコン又
は単結晶シリコンと多結晶ゲルマニウム又は単結
晶ゲルマニウムとを夫々蒸発源として蒸着ボート
に収容し、この蒸発源を抵抗加熱法、或いはエレ
クトロンビーム法(EB法)等によつて加熱蒸発
させ飛翔蒸発物を所望のガスプラズマ雰囲気中を
通過させる事で行う事が出来る。この他、Siで構
成されたターゲツトをスパツタリングする際Ge
供給用の原料ガスを導入して層領域Gを形成する
ことも出来る。ゲルマニウム原子の分布を不均一
にする場合には、例えば前記Ge供給用の原料ガ
スのガス流量を所望の変化率曲線に従つて制御し
乍ら、前記のターゲツトをスパツタリングしてや
れば良い。 スパツタリング法、イオンプレーテイング法の
何れの場合にも形成される層中にハロゲン原子を
導入するには、前記のハロゲン化合物又は前記の
ハロゲン原子を含む硅素化合物のガスを堆積室中
に導入して該ガスのプラズマ雰囲気を形成してや
れば良いものである。 又、水素原子を導入する場合には、水素原子導
入用の原料ガス、例えば、H2、或いは前記した
シラン類又は/及び水素化ゲルマニウム等のガス
類をスパツタリング用の堆積室中に導入して該ガ
ス類のプラズマ雰囲気を形成してやれば良い。 本発明においては、ハロゲン原子導入用の原料
ガスとして上記されたハロゲン化合物或いはハロ
ゲンを含む硅素化合物が有効なものとして使用さ
れるものであるが、その他に、HF,HCl,
HBr,HI等のハロゲン化水素、SiH2F2
SiH2I2,SiH2Cl2,SiHCl3,SiH2Br2,SiHBr3
のハロゲン置換水素化硅素、及びGeHF3
GeH2F2,GeH3F,GeHCl3,GeH2Cl2
GeH3Cl,GeHBr3,GeH2Br2,GeH3Br,
GeHI3,GeH2I2,GeH3I等の水素化ハロゲン化
ゲルマニウム、等の水素原子を構成要素の1つと
するハロゲン化物、GeF4,GeCl4,GeBr4
GeI4,GeF2,GeCl2,GeBr2,GeI2等のハロゲン
化ゲルマニウム、等々のガス状態の或いはガス化
し得る物質も有効な第1の層領域G形成用の出発
物質として挙げる事が出来る。 これ等の物質の中水素原子を含むハロゲン化物
は、第1の層領域G形成の際に層中にハロゲン原
子の導入と同時に電気的或いは光電的特性の制御
に極めて有効な水素原子も導入されるので、本発
明においては好適なハロゲン導入用の原料として
使用される。 水素原子を第1の層領域G中に構造的に導入す
るには、上記の他にH2、或いはSiH4,Si2H6
Si3H8,Si4H10等の水素化硅素をGeを供給する為
のゲルマニウム又はゲルマニウム化合物と、或い
は、GeH4,Ge2H6,Ge3H8,Ge4H10,Ge5H12
Ge6H14,Ge7H16,Ge8H18,Ge9H20等の水素化
ゲルマニウムとSiを供給する為のシリコン又はシ
リコン化合物と、を堆積室中に共存させて放電を
生起させる事でも行う事が出来る。 本発明の好ましい例において、形成される光受
容層を構成する第1の層領域G中に含有される水
素原子Hの量又はハロゲン原子Xの量又は水素原
子とハロゲン原子の量の和(H+X)は好ましく
は0.01〜40atomic%、より好適には0.05〜
30atomic%、最適には0.1〜25atomic%とされる
のが望ましい。 第1の層領域G中に含有される水素原子H又
は/及びハロゲン原子Xの量を制御するには、例
えば支持体温度又は/及び水素原子H、或いはハ
ロゲン原子Xを含有させる為に使用される出発物
質の堆積装置系内へ導入する量、放電々力等を制
御してやれば良い。 本発明に於いて、a−Si(H,X)で構成され
る第2の層領域Sを形成するには、前記した第1
の層領域G形成用の出発物質の中より、Ge供
給用の原料ガスとなる出発物質を除いた出発物質
〔第2の層領域S形成用の出発物質〕を使用し
て、第1の層領域Gを形成する場合と、同様の方
法と条件に従つて行う事が出来る。 即ち、本発明において、a−Si(H,X)で構
成される第2の層領域Sを形成するには例えばグ
ロー放電法、スパツタリング法、或いはイオンプ
レーテイング法等の放電現象を利用する真空堆積
法によつて成される。例えば、グロー放電法によ
つて、a−Si(H,X)で構成される第2の層領
域Sを形成するには、基本的には前記したシリコ
ン原子Siを供給し得るSi供給用の原料ガスと共
に、必要に応じて水素原子H導入用の又は/及び
ハロゲン原子X導入用の原料ガスを、内部が減圧
にし得る堆積室内に導入して、該堆積室内にグロ
ー放電を生起させ、予め所定位置に設置されてあ
る所定の支持体表面上にa−Si(H,X)からな
る層を形成させれば良い。又、スパツタリング法
で形成する場合には、例えばAr,He等の不活性
ガス又はこれ等のガスをベースとした混合ガスの
雰囲気中でSiで構成されたターゲツトをスパツタ
リングする際、水素原子H又は/及びハロゲン原
子X導入用のガスをスパツタリング用の堆積室に
導入しておけば良い。 本発明に於いて、光受容層に酸素原子の含有さ
れた層領域Oを設けるには、光受容層の形成の際
に酸素原子導入用の出発物質を前記した光受容層
形成用の出発物質と共に使用して、形成される層
中にその量を制御し乍ら含有してやれば良い。 層領域Oを形成するのにグロー放電法を用いる
場合には、前記した非晶質層形成用の出発物質の
中から所望に従つて選択されたものに酸素原子導
入用の出発物質が加えられる。その様な酸素原子
導入用の出発物質としては、少なくとも酸素原子
を構成原子とするガス状の物質又はガス化し得る
物質をガス化したものの中の大概のものが使用さ
れ得る。 例えばシリコン原子Siを構成原子とする原料ガ
スと、酸素原子Oを構成原子とする原料ガスと、
必要に応じて水素原子H又は及びハロゲン原子X
を構成原子とする原料ガスとを所望の混合比で混
合して使用するか、又は、シリコン原子Siを構成
原子とする原料ガスと、酸素原子O及び水素原子
Hを構成原子とする原料ガスとを、これも又所望
の混合比で混合するか、或いは、シリコン原子Si
を構成原子とする原料ガスと、シリコン原子Si、
酸素原子O及び水素原子Hの3つを構成原子とす
る原料ガスとを混合して使用することが出来る。 又、別には、シリコン原子Siと水素原子Hとを
構成原子とする原料ガスに酸素原子Oを構成原子
とする原料ガスを混合して使用しても良い。 具体的には、例えば酸素(O2)、オゾン(O3)、
一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、一二酸
化窒素(N2O)、三二酸化窒素(N2O3)、四二酸
化窒素(N2O4)、五二酸化窒素(N2O5)、三酸化
窒素(NO3)、シリコン原子(Si)と酸素原子
(O)と水素原子(H)とを構成原子とする、例
えば、ジシロキサン(H3SiOSiH3)、トリシロキ
サン(H3SiOSiH2OSiH3)等の低級シロキサン
等を挙げることが出来る。 スパツタリング法によつて、酸素原子を含有す
る層領域Oを形成するには、単結晶又は多結晶の
Siウエーハー又はSiO2ウエーハー、又はSiと
SiO2が混合されて含有されているウエーハーを
ターゲツトとして、これ等を種々のガス雰囲気中
でスパツタリングすることによつて行えば良い。 例えば、Siウエーハーをターゲツトとして使用
すれば、酸素原子と必要に応じて酸素原子又は/
及びハロゲン原子を導入する為の原料ガスを、必
要に応じて稀釈ガスで稀釈して、スパツター用の
堆積室中に導入し、そら等のガスのガスプラズマ
を形成して前記Siウエーハーをスパツタリングす
れば良い。 又、別には、SiとSiO2とは別のターゲツトと
して、又はSiとSiO2の混合した一枚のターゲツ
トを使用することによつて、スパツター用のガス
としての稀釈ガスの雰囲気中で又は少なくとも水
素原子H又は/及びハロゲン原子Xを構成原子と
して含有するガス雰囲気中でスパツタリングする
ことによつて成される。酸素原子導入用の原料ガ
スとしては、先述したグロー放電の例で示した原
料ガスの中の酸素原子導入用の原料ガスが、スパ
ツタリングの場合にも有効なガスとして使用され
得る。 本発明に於いて、光受容層の形成の際に、酸素
原子の含有される層領域Oを設ける場合、該層領
域Oに含有される酸素原子の分布濃度C,Oを層
厚方向に階段状に変化させて、所望の層厚方向の
分布状態(depth profile)を有する層領域Oを
形成するには、グロー放電の場合には、分布濃度
C,Oを変化させるべき酸素原子導入用の出発物
質のガスを、そのガス流量を所望の変化率線に従
つて適宜変化させ乍ら、堆積室内に導入すること
によつて成される。 例えば手動あるいは外部駆動モータ等の通常用
いられている何らかの方法により、ガス流路系の
途中に設けられた所定のニードルバルブの開口を
適宜変化させる操作を行えば良い。このとき、流
量の変化は、人為的に行う他に、例えばマイコン
等を用いて、あらかじめ設計された変化率線に従
つて流量を制御し、所望の含有分布濃度線を得る
こともできる。 層領域Oをスパツタリング法によつて形成する
場合、酸素原子の層厚方向の分布濃度C,Oを層
厚方向で変化させて、酸素原子の層厚方向の所望
の分布状態(depth profile)を形成するには、
第一には、グロー放電法による場合と同様に、酸
素原子導入用の出発物質をガス状態で使用し、該
ガスを堆積室中へ導入する際のガス流量を所望に
従つて適宜変化させることによつて成される。 第二には、スパツタリング用のターゲツトを、
例えばSiとSiO2との混合されたターゲツトを使
用するのであれば、SiとSiO2との混合比を、タ
ーゲツトの層厚方向に於いて、予め変化させてお
くことによつて成される。 本発明の光導電部材に於いて、ゲルマニウム原
子の含有される第1の層領域G又は/及びゲルマ
ニウム原子の含有されない第2の層領域Sには、
伝導特性を制御する物質Cを含有させることによ
り、各層領域の伝導特性を所望に従つて任意に制
御することが出来る。即ち、光受容層中に伝導特
性を制御する物質Cを含有する層領域PNを設け
ることで、該層領域PNの伝導特性を所望に従つ
て任意に制御することが出来る。 この様な物質としては、所謂、半導体分野で云
われる不純物を挙げることが出来、本発明に於い
ては、Si又はGeに対して、P型伝導特性を与え
るP型不純物、及びn型伝導特性を与えるn型不
純物を挙げることが出来る。 具体的には、P型不純物としては周期律表第
族に属する原子(第族原子)、例えば、B(硼
素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(イ
ンジウム)、Tl(タリウム)等があり、殊に好適
に用いられるのは、B,Gaである。 n型不純物としては、周期律表第族い属する
原子(第族原子)、例えば、P(燐)、As(砒
素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)等であり、
殊に、好適に用いられるのは、P,Asである。 本発明に於いて、層領域PNに含有される伝導
特性を制御する物質の含有量は、該層領域PNに
要求される伝導特性、或いは該層領域PNに直に
接触して設けられる他の層領域の特性や、該他の
層領域との接触界面に於ける特性との関係等、有
機的関連性に於いて、適宜選択することが出来
る。 又、前記の伝導特性を制御する物質Cを光受容
層中に含有させるのに、光受容層の所望される層
領域に局在的に含有させる場合、殊に、光受容層
の支持体側端部層領域Eに含有させる場合には、
該層層領域Eに直に接触して設けられる他の層領
域の特性や、該他の層領域との接触界面に於ける
特性との関係も考慮されて、伝導特性を制御する
物質の含有量が適宜選択される。 本発明に於いて、層領域PN中に含有される伝
導特性を制御する物質Cの含有量としては、好ま
しくは0.01〜5×104atomic ppm、より好適には
0.5〜1×104atomic ppm、最適には1〜5×
103atomic ppmとされるのが望ましい。 本発明に於いて、伝導特性を支配する物質Cが
含有される層領域PNに於ける該物質Cの含有量
が好ましくは30atomic ppm以上、より好適には
50atomic ppm以上、最適には、100atomic ppm
以上の場合には、前記物質Cは、光受容層の一部
の層領域に局所的に含有させるのが望ましく、殊
に光受容層の支持体側端部に層領域PNを偏在さ
せるのが望ましい。 本発明に於いては、層領域PNは、光受容層を
構成する層領域G又は層領域Sの一部又は全領域
に設けることが出来る。又、層領域PNは、層領
域Oの一部又は全領域に設けても良く、或いは層
領域Oをその一部として包含する様に設けても良
い。 光受容層の支持体側端部層領域Eに前記の数値
以上の含有量となる様に前記の伝導特性を支配す
る物質Cを含有させることによつて、例えば該含
有させる物質Cが前記のP型不純物の場合には、
光受容層の自由表面が極性に帯電処理を受けた
際に支持体側から光受容層中へ注入される電子の
移動を効果的に阻止することが出来、又、前記含
有させる物質が前記のn型不純物の場合には、光
受容層の自由表面が極性に帯電処理を受けた際
に、支持体側から光受容層中へ注入される正孔の
移動を効果的に阻止することが出来る。 この様に、前記端部層領域Eに一方の極性の伝
導特性を支配する物質を含有させる場合には、光
受容層の残りの層領域、即ち、前記端部層領域E
を除いた部分の層領域Zには、他の極性の伝導特
性を支配する物質を含有させても良いし、或い
は、同極性の伝導特性を支配する物質を、端部層
領域Eに含有される実際の量よりも一段と少ない
量にして含有させても良い。 この様な場合、前記層領域Z中に含有される前
記伝導特性を支配する物質の含有量としては、端
部層領域Eに含有される前記物質の極性や含有量
に応じて所望に従つて適宜決定されるものである
が、好ましくは0.001〜1000atomic ppm、より好
適には0.05〜500atomic ppm、最適には0.1〜
200atomic ppmとされるのが望ましい。 本発明に於いて、端部層領域E及び層領域Zに
同種の伝導性を支配する物質を含有させる場合に
は、層領域Zに於ける含有量としては、好ましく
は、30atomic ppm以下とするのが望ましい。上
記した場合の他に、本発明に於いては、光受容層
中に、一方の極性を有する伝導性を支配する物質
を含有させた層領域と、他方の極性を有する伝導
性を支配する物質を含有させた層領域とを直に接
触する様に設けて、該接触層領域に所謂空乏層を
設けることも出来る。詰り、例えば、光受容層中
に、前記のP型不純物を含有する層領域と前記の
n型不純物を含有する層領域とを直に接触する様
に設けて所謂p−n接合を形成して、空乏層を設
けることが出来る。 光受容層中に伝導特性を制御する物質、例えば
第族原子或いは第族原子を構造的に導入する
には、層形成の際に第族原子導入用の出発物質
或いは第族原子導入用の出発物質をガス状態で
堆積室中に、第2の層領域を形成する為の他の出
発物質と共に導入してやれば良い。この様な第
族原子導入用の出発物質と成り得るものとして
は、常温常圧でガス状の又は、少なくとも層形成
条件下で容易にガス化し得るものが採用されるの
が望ましい。その様な第族原子導入用の出発物
質として具体的には硼素原子導入用としては、
B2H6,B4H10,B5H9,B5H11,B6H10,B6H12
B6H14等の水素化硼素、BF3,BCl3,BBr3等の
ハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、
AlCl3,GaCl3,Ga(CH33,InCl3,TlCl3等も挙
げることが出来る。 第族原子導入用の出発物質として、本発明に
おいて有効に使用されるのは、燐原子導入用とし
ては、PH3,P2H4等の水素化燐、PH4I,PF3
PF5,PCl3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等のハロゲ
ン化燐が挙げられる。この他、AsH3,AsF3
AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3,SbF3,SbF5
SbCl3,SbCl5,BiH3,BiCl3,BiBr3等も第族
原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げる
ことが出来る。 本発明において使用される支持体としては、導
電性でも電気絶縁性であつても良い。導電性支持
体としては、例えば、NiCr、ステンレス、Al,
Cr,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pd等の
金属又はこれ等の合金が挙げられる。 電気絶縁性支持体としては、ポリエステル、ポ
リエチレン、ポリカーボネート、セルローズアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド等の
合成樹脂のフイルム又はシート、ガラス、セラミ
ツク、紙等が通常使用される。これ等の電気絶縁
性支持体は、好適には少なくともその一方の表面
を導電処理され、該導電処理された表面側に他の
層が設けられるのが望ましい。 例えば、ガラスであれば、その表面に、NiCr,
Al,Cr,Mo,Au,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt,
Pd,In2O3,SnO2,ITO(In2O3+SnO2)等から
成る薄膜を設けることによつて導電性が付与さ
れ、或いはポリエステルフイルム等の合成樹脂フ
イルムであれば、NiCr,Al,Ag,Pb,Zn,Ni,
Au,Cr,Mo,Ir,Nb,Ta,V,Ti,Pt等の金
属の薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパツタ
リング等でその表面に設け、又は前記金属でその
表面をラミネート処理して、その表面に導電性が
付与される。支持体の形状としては、円筒状、ベ
ルト状、板状等任意の形状とし得、所望によつ
て、その形状は決定されるが、例えば、第1図の
光導電部材100を電子写真用像形成部材として
使用するのであれば連続高速複写の場合には、無
端ベルト状又は円筒状とするのが望ましい。支持
体の厚さは、所望通りの光導電部材が形成される
様に適宜決定されるが、光導電部材として可撓性
が要求される場合には、支持体としての機能が充
分発揮される範囲内であれば可能な限り薄くされ
る。而乍ら、この様な場合支持体の製造上及び取
扱い上、機械的強度等の点から、通常は、10μ以
上とされる。 次に本発明の光導電部材の製造方法の一例の概
略について説明する。 第21図に光導電部材の製造装置の一例を示
す。 図中の1102〜1106のガスボンベには、
本発明の光導電部材を形成するための原料ガスが
密封されており、その1例としてたとえば110
2は、Heで稀釈されたSiH4ガス(純度99.999%、
以下SiH4/Heと略す)。ボンベ、1103はHe
で稀釈されたGeH4ガス(純度99.999%、以下
GeH4/Heと略す。)ボンベ、1104はNOガ
ス(純度99.99%)ボンベ、1105はHeガス
(純度99.999%)ボンベ、1106はH2ガス(純
度99.999%)ボンベである。 これらのガスを反応室1101に流入させるに
はガスボンベ1102〜1106のバルブ112
2〜1126、リークバルブ1135が閉じられ
ていることを確認し、又、流入バルブ1112〜
1116、流出バルブ1117〜1121、補助
バルブ1132,1133が開かれていることを
確認して、先ずメインバルブ1134を開いて反
応室1101、及び各ガス配管内を排気する。次
に真空計1136の読みが約5×10-6torrになつ
た時点で補助バルブ1132,1133、流出バ
ルブ1117〜1121を閉じる。 次にシリンダー状基体1137上に光受容層を
形成する場合に1例をあげると、ガスボンベ11
02よりSiH4/Heガス、ガスボンベ1103よ
りGeH4/Heガス、ガスボンベ1104よりNO
ガスをバルブ1122,1123,1124を開
いて出口圧ゲージ1127,1128,1129
の圧を1Kg/cm2に調整し、流入バルブ1112,
1113,1114を徐々に開けて、マスフロコ
ントローラ1107,1108,1109内に
夫々流入させる。引き続いて流出バルブ111
7,1118,1119、補助バルブ1132を
徐々に開いて夫々のガスを反応室1101に流入
させる。このときのSiH4/Heガス流量と
GeH4/Heガス流量とNOガス流量との比が所望
の値になるように流出バルブ1117,111
8,1119を調整し、又、反応室1101内の
圧力が所望の値になるように真空計1136の読
みを見ながらメインバルブ1134の開口を調整
する。そして基体1137の温度が加熱ヒーター
1138により50〜400℃の範囲の温度に設定さ
れていることを確認された後、電源1140を所
望の電力に設定して反応室1101内にグロー放
電を生起させ、同時にあらかじめ設計された変化
率線に従つてGeH4/HeガスおよびNOガスの流
量を手動あるいは外部駆動モータ等の方法によつ
てバルブ1118、バルブ1120の開口を適宜
変化させる操作を行つて形成される層中に含有さ
れるゲルマニウム原子及び酸素原子の分布濃度を
制御する。 上記の様にして、所望時間グロー放電を維持し
て、所望層厚に、基体1137上に第1の層領域
Gを形成する。所望層厚に第1の層領域Gが形成
された段階に於いて、流出バルブ1118を完全
に閉じること、及び必要に応じて放電条件を変え
る以外は、同様な条件とし手順に従つて、所望時
間グロー放電を維持することで第1の層領域G上
にゲルマニウム原子の実質的に含有されない第2
の層領域Sを形成することが出来る。 第1の層領域Gおよび第2の層領域S中に、伝
導性を支配する物質を含有させるには、第1の層
領域Gおよび第2の層領域Sの形成の際に例えば
B2H6,PH3等のガスを堆積室1101の中に導
入するガスに加えてやれば良い。 層形成を行つている間は層形成の均一化を図る
ため基体1137はモータ1139により一定速
度で回転させてやるのが望ましい。 以下実施例について説明する。 実施例 1 第21図に示した製造装置によりシリンダー状
のAl基体上に第1表に示す条件で電子写真用像
形成部材としての試料(試料No.11−1〜17−6)
を夫々作成した(第2表)。 各試料に於けるゲルマニウム原子の含有分布濃
度は第22図に、又、酸素原子の含有分布濃度は
第23図に示される。 こうして得られた各試料を、帯電露光実験装置
に設置し5.0kVで0.3sec間コロナ帯電を行い、
直ちに光像と照射した。光像はタングステンラン
プ光源を用い、2lux・secの光量を透過型のテス
トチヤートを通して照射させた。 その後直ちに、荷電性の現像剤(トナーとキ
ヤリアーを含む)を像形成部材表面をカスケード
することによつて、像形成部材表面上に良好なト
ナー画像を得た。像形成部材上のトナー画像を、
5.0kVのコロナ帯電で転写紙上に転写した所、
いずれの試料も解像力に優れ、階調再現性のよい
鮮明な高濃度の画像が得られた。 上記に於いて、光源をタングステンランプの代
りに810nmのGaAs系半導体レーザ(10mW)を
用いて、静電像の形成を行つた以外は、上記と同
様のトナー画像形成条件にして、各試料に就いて
トナー転写画像の画質評価を行つたところ、いず
れの試料も解像力に優れ、階調再現性の良い鮮明
な高品位の画像が得られた。 実施例 2 第21図に示した製造装置によりシリンダー状
のAl基体上に第3表に示す条件で電子写真用像
形成部材としての試料(試料No.21−1〜27−6)
を夫々作成した(第4表)。 各試料に於けるゲルマニウム原子の含有分布濃
度は第22図に、又、酸素原子の含有分布濃度は
第23図に示される。 これ等の試料の夫々に就て、実施例1と同様の
画像評価テストを行つたところ、いずれの試料も
高品質のトナー転写画像を与えた。又、各試料に
就て38℃,80%RHの環境に於いて20万回の繰返
し使用テストを行つたところ、いずれの試料も画
像品質の低下は見られなかつた。 実施例 3 第21図に示した製造装置によりシリンダー状
のAl基体上に第5表に示す条件で電子写真用像
形成部材としての試料(試料No.31−1〜37−6)
を夫々作成した(第6表)。 各試料に於けるゲルマニウム原子の含有分布濃
度は第22図に、又、酸素原子の含有分布濃度は
第23図に示される。 これ等の試料の夫々に就て、実施例1と同様の
画像評価テストを行つたところ、いずれの試料も
高品質のトナー転写画像を与えた。又、各試料に
就て38℃,80%RHの環境に於いて20万回の繰返
し使用テストを行つたところ、いずれの試料も画
像品質の低下は見られなかつた。 実施例 4 第21図に示した製造装置によりシリーダー状
のAl基体上に第7表に示す条件で電子写真用像
形成部材としての試料(試料No.41−1〜47−6)
を夫々作成した(第8表)。 各試料に於けるゲルマニウム原子の含有分布濃
度は第22図に、又、酸素原子の含有分布濃度は
第23図に示される。 これ等の試料の夫々に就て、実施例1と同様の
画像評価テストを行つたところ、いずれの試料も
高品質のトナー転写画像を与えた。又、各試料に
就て38℃,80%RHの環境に於いて20万回の繰返
し使用テストを行つたところ、いずれの試料も画
像品質の低下は見られなかつた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 以上の本発明の実施例に於ける共通の層作成条
件を以下に示す。 基体温度:ゲルマニウム原子Ge含有層
…約200℃ ゲルマニウム原子Ge非含有層
…約250℃ 放電周波数:13.56MHz 反応時反応室内圧:0.3Torr
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光導電部材の層構成を説明
する為の模式的層構成図、第2図乃至第10図は
夫々光受容層中のゲルマニウム原子の分布状態を
説明する為の説明図、第11図乃至第20図は
夫々光受容層中の酸素原子の分布状態を説明する
ための説明図、第21図は、本発明で使用された
装置の模式的説明図で、第22図、第23図は
夫々本発明の実施例に於ける各原子の含有分布状
態を示す分布状態図である。 100……光導電部材、101……支持体、1
02……光受容層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 電子写真用光導電部材用の支持体と、該支持
    体上に、ゲルマニウム原子と必要に応じてシリコ
    ン原子を含む非晶質材料で構成され、シリコン原
    子との和に対して1〜10×105atomic ppmのゲ
    ルマニウム原子を含み、層厚30Å〜50μの層領域
    Gとシリコン原子を含む(ゲルマニウム原子を含
    まない)非晶質材料で構成され、層厚0.5〜90μの
    層領域Sとが前記支持体側より順に設けられた層
    構成の光導電性を示す層厚1〜100μの光受容層
    とからなり、該光受容層は、シリコン原子とゲル
    マニウム原子と酸素原子の和に対して0.001〜
    50atmic%の酸素原子を含有し、その層厚方向に
    おける分布濃度が夫々C1,C3,C2である第
    1の層領域1、第3の層領域3、第2の層領域2
    をこの順で前記支持体より有するとともに、前記
    C1,C3,C2がC3>C1,C3>C2で且
    つC1,C2のいずれか一方は0ではないことを
    特徴とする電子写真用光導電部材。 2 層領域S及び層領域Gの少なくともいずれか
    一方に水素原子が含有されている特許請求の範囲
    第1項に記載の電子写真用光導電部材。 3 層領域S及び層領域Gの少なくともいずれか
    一方にハロゲン原子が含有されている特許請求の
    範囲第2項に記載の電子写真用光導電部材。 4 層領域G中に於けるゲルマニウム原子の分布
    状態が不均一である特許請求の範囲第1項に記載
    の電子写真用光導電部材。 5 層領域G中に於けるゲルマニウム原子の分布
    状態が均一である特許請求の範囲第1項に記載の
    電子写真用光導電部材。 6 光受容層中に伝導性を支配する物質が含有さ
    れている特許請求の範囲第1項に記載の電子写真
    用光導電部材。 7 伝導性を支配する物質が周期律表第族に属
    する原子である特許請求の範囲第6項に記載の電
    子写真用光導電部材。 8 伝導性を支配する物質が周期律表第族に属
    する原子である特許請求の範囲第6項に記載の電
    子写真用光導電部材。
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