JPH0216205Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、半導体製造工場、病院などのクリー
ンルームなどに使用されるフイルタ・ユニツトに
関するものである。

〔従来の技術〕

一般にフイルタ・ユニツトは建屋の天井面或い
はクリーンベンチなどの諸機器上部に据付けら
れ、清浄空気を室又は器内に吹出し、室内或いは
上記諸機器内の清浄度を保つために使用されてい
る。従来のフイルタ・ユニツトは除じんするため
のフイルタと、このフイルタを介して空気を圧送
するための送風用フアン及びこれらを収納するケ
ーシングボツクスとから構成され、ケーシングボ
ツクスに形成した吸込口より除塵すべき空気を取
入れフイルタを経て吹出口から清浄空気をクリー
ンルームに吹出すものである。

しかし、このフイルタ・ユニツトは天井面或い
はクリーンベンチなどの諸機器上部に設置される
のでフイルタ・ユニツトの高さが小さいものが要
望されている。これは、フイルタ・ユニツトの高
さが小であれば、天井面設置の場合天井部空間の
高さを低くすることが出来るので建屋の建設費を
低減できるからであり、また、例えばクリーンベ
ンチに設置する場合も、フイルタ・ユニツトの高
さが小であればクリーンベンチ全体の高さを低く
でき、床面から天井面までの高さがクリーンベン
チ全体の高さで制約を受けている場合には、クリ
ーンベンチ全体の高さが低くなる分だけ建屋の高
さを低くできるので、建屋の建設費の大幅な低減
化をはかることができるからである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、従来のフイルタ・ユニツトでは、そ
の送風装置に多翼送風機を用いた場合には知翼送
風機のケーシングの外形寸法はその羽根車の外径
寸法より大きいため、多翼送風機をフイルタ・ユ
ニツト内に収納するにはフイルタ・ユニツトの高
さ寸法を大きくしなければならず、建屋の高さが
それだけ高くなつて設備的に不経済であるばかり
でなく、殊に広範囲の室内の清浄度を維持するに
は大容量の送風装置を用いる必要ができて、ます
ます大規模の設備とならざるを得ないし送風機性
能低下や送風騒音が大きくなるなど問題がまだあ
つた。

本考案は、これら従来のものの欠点を除き、高
さの低いコンパクトなフイルタ・ユニツトとし複
数台ある送風機相互に干渉がなく送風機性能低下
をなくし送風機の昇圧をより有効に使用し損失圧
力も大幅に減少させて著しく効率よい運転が可能
な経済的な装置として提供することを目的とする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、空気の吸込口１９と吐出口２０のあ
るケーシングボツクス４にフイルタ１０を有し、
該フイルタ１０により除塵される清掃空気を圧送
するためのフアンを備えた送風装置において、前
記フアンとして羽根車１５を電動機回転軸１６に
取付けた遠心送風機１１がケーシングボツクス４
内で同一平面上に複数台収納されていると共に、
複数の送風機吐出口を結ぶ仕切板１７を備えて送
風領域を区分し、前記電動機回転軸１６の軸方向
をフイルタへの空気流れ方向に沿つた流過方向と
平行に配置してフアン駆動用電動機１３をフアン
ケーシング１２に形成したフアン吸込口１４に設
置し、各遠心送風機１１の吸込口１４に臨んでケ
ーシングボツクス内を区画する空気誘導用のガイ
ドベーン２６を複数配備したことを特徴とするフ
イルタ・ユニツトである。

〔実施例〕

本考案の実施例を説明すると、第１図において
フイルタ１０のあるケーシングボツクス４は床面
２と天井面３とで囲成されるクリーンルーム１に
吐出口と吸込口とを開口して天井用額縁８に吊り
金具７で建屋等に取付けられるか建屋側面外に空
調装置５として設ける形態とするものであるのは
従来例と同じであるが、第２図及び第３図に示す
ようにケーシングボツクス４には遠心送風機１１
を複数台同一平面上に並列配列或いは直列配列或
いは両者組合せて使用し、ケーシングボツクス４
の下部にフイルタ１０を各遠心送風機１１に対応
して備え、このフイルタ１０により除塵されるべ
き空気を圧送できるようにしてある。前記遠心送
風機１１は、半径方向寸法より軸線方向寸法が小
さいフアンケーシング１２を有するものを用い、
フアン駆動用の電動機１３をフアン吸込口１４に
設置し、電動機回転軸１６の軸方向をフイルタへ
の空気流れ方向に沿つた流過方向と平行（同一）
にし、即ち電動機１３を送風機吸込側に取付け、
前記フアンとしての羽根車１５を電動機回転軸１
６に直接取付けた回転軸方向の外形寸法を小さく
したものを用い、該遠心送風機１１の電動機回転
軸１６をフイルタ１０の高さ方向に設置してケー
シングボツクス４内に収納されていると共に、各
遠心送風機１１間の送風領域を区分する仕切部材
例えば仕切板１７を遠心送風機１１の吐出口１８
の開口縁を結んで配備してある。この仕切板１７
は平板でもよいが流れを誘導しうる波板又は湾曲
板を遠心送風機１１の配置に関連して選んで用い
ケーシングボツクス４内を区画するように設けら
れるし、必要に応じ遮音板若しくはフイルタ又は
パンチングメタルなどを用いてもよい。

これらの場合フイルタ・ユニツトに複数台の遠
心送風機１１を並列配列する場合、各々の送風機
から吐出される気流が相互に衝突し、干渉し合つ
て気流の有する圧力エネルギーの損失を生じない
ように一方の送風機吐出口と他方の吐出口を仕切
板１７（送風機吐出口巾B₁″と同じあるいはそれ
以上の高さの仕切板）で連結し、圧力の損失を生
ずることを防止し、送風機の昇圧をより有効に使
用することができフイルタ・ユニツトの風量が増
大するように考慮してある。

この仕切板１７が直接状でもよいが波板例えば
Ｓ自状の曲板であると、送風機吐出口近くの流速
の早い部分での拡大角度が小さくなるため、拡大
による損失圧力が小さくなる利益がある。

またこのケーシングボツクス４は除塵すべき空
気を取入れられる吸込口１９とフイルタ１０を経
た清浄空気を吹き出す吐出口２０を形成した外
板、側板とから箱形に形成され、内部を内板２１
で区画し吸込口１９から吸込まれた空気を遠心送
風機１１のフアン吸込口１４に導くダクト部２２
を備えており、必要に応じ内板でフアンケーシン
グ１２を併用してもよく該内板２１とケーシング
ボツクス４の外板との間に補強用の連絡板２３を
介在配備してあるが、この連絡板２３を兼ねて前
記仕切板１７を構成することもできる。前記遠心
送風機１１は送風機取付座２４にボルト締めで設
けてあり、この取付座２４が内板２１に固定され
てケーシングボツクス４内に固定収納されるよう
にするのが便利であり、さらに前記連絡板２３を
第３図に示すように区画した仕切壁として活用し
空気導入用ダクトを形成するように構成するも効
果である。

なお、この連絡板２３は外板と内板２１とを連
絡してあるが、フアン吸込口１４の周囲に閉じら
れた状態で囲成しケーシングボツクス４の吸込口
１９から吸込まれた空気をすべて遠心送風機１１
に吸込んで別の送風機には流入しないようにする
のが送風機吸込口で干渉がなく吸込まれる気流が
乱れないで送風機の性能低下がなくて望ましい
が、両サイドだけでガイドするのもよく、いずれ
にしてもケーシングボツクス４と内板２１とを連
絡しハニカム構造として剛性を増加させ板厚も薄
くても送風機を十分支持することができ送風機運
転による振動防止構造とすることができる。

さらに前記遠心送風機１１を複数台設けている
ので送風機相互の干渉を防ぐために複数のベーン
２６をフアン吸込口１４に臨んで放射状に配備し
てある。このベーン２６はケーシングボツクス外
板と内板２１とを接続するように備え翼形のガイ
ドベーンを支軸２７で回動自在に設けた可動ベー
ンとするか固定ベーンとするか或いは平板形状の
固定ベーンを選んで用いられ、該ベーンによつて
気流はベーン２６の向きにガイドされて送風機吸
込口１４に流入されるようになつている。そして
ベーン２６は図示例では吸込口中心を向いている
が、角度θを有して取付けるときには気流は旋回
しながら送風機吸込口に流入するため、いわゆる
ガイドベーンコントロールされることとなる。す
なわち、角度θを変えれば風量可変とすることが
できる。ベーン２６は中空翼としてもよいしベー
ンの取付けは内板、外板に溶接してもよいし、ボ
ルト締めでもよい。

第４図の具体例では前記遠心送風機１１をケー
シングボツクス４内に３台並列配備したものでそ
れぞれに吸込口１９と吹出口２０とを有し各遠心
送風機間を仕切板１７，１７で区画仕切つてあ
る。なお前記ケーシングボツクス４内には消音材
（図示せず）を内装してもよいし、吹出口２０並
びにフイルタ１０や吸込口１９などもその数を適
宜選んで内部を区画するように構成することが考
慮されている。

図中２５は電動機取付脚である。２７はベーン
支軸であるが可動ベーンとする場合、アーム（図
示せず）などの連動機構を介して駆動部で自動調
整できるようにするのが便利である。

なおクリーンルーム全体の清浄度を高めるため
には、清浄空気をクリーンルーム全体に一様に送
気するようにフイルタ・ユニツトを通常複数台設
置する。

例えば病院の手術室に使用するクリーンルーム
においては、手術時には高度の清浄度が要求され
るが、クリーニングルーム内で手術を行わない期
間は手術室内の清浄度は高度でなくてよい。この
ようにクリーンルーム内の要求される清浄度が変
化する場合においてはクリーンルームに送風する
清浄空気量（換気回数）を必要に応じて変えるこ
とにより省エネルギをはかるようにしてあるし、
１台のフイルタ・ユニツトに複数の送風装置を並
列に設置し互に送風機相互の干渉しないように設
けられているので、フイルタ・ユニツト内の送風
装置の台数制御を行うことにより、必要に応じて
清浄空気の送風量を調節でき清浄空気の流れの分
布が片寄ることなく一様に保ちつつ送風量を調整
可能となる。

〔考案の効果〕

本考案は、半径方向寸法より軸線方向寸法が小
さなケーシングを有する遠心送風機を複数用い、
その軸線方向がフイルタの流過方向と同一になる
ように設置し、さらに複数の送風機吐出口を結ぶ
仕切板を備えて送風領域を区分し、送風機吸込口
内に電動機を位置させ、各遠心送風機吸込口に臨
んで空気誘導用のガイドベーンを備えたことによ
りケーシングボツクス内の複数台の送風機相互の
干渉がなく、従来のものに比べて著しくコンパク
トで高さ寸法の小なるフイルタ・ユニツトを提供
することができ、設置スペースの縮少、建屋の小
型化、建設費の低減をもたらし得ると共に、複数
台ある送風機相互に干渉がなく送風機性能低下を
なくし送風機の昇圧をより有効に使用し損失圧力
も大幅に減少させて著しく効率よい運転が可能で
あり、しかもフイルタ・ユニツト内の送風機の台
数制御も簡易にできクリーンルームに送風する清
浄空気も省エネルギ下で供給運転できるし清浄空
気の流れの分布も一様に保ちつつ効率よく配分使
用できるなど実用上極めて大なる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフイルタ・ユニツトの使用状態
の配置図、第２図は本考案の実施例を示す平面
図、第３図は第２図線における拡大縦断面
図、第４図は他の実施例の平面図である。 ４……ケーシングボツクス、１０……フイル
タ、１１……遠心送風機、１２……フアンケーシ
ング、１３……電動機、１４……フアン吸込口、
１５……羽根車、１６……回転軸、１７……仕切
板、１８，２０……吐出口、１９……吸込口、２
１……内板、２２……ダクト部、２３……連絡
板、２６……ベーン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 空気の吸込口１９と吐出口２０のあるケーシ
   ングボツクス４にフイルタ１０を有し、該フイ
   ルタ１０により除塵される清掃空気を圧送する
   ためのフアンを備えた送風装置において、前記
   フアンとして羽根車１５を電動機回転軸１６に
   取付けた遠心送風機１１がケーシングボツクス
   ４内で同一平面上に複数台収納されていると共
   に、複数の送風機吐出口を結ぶ仕切板１７を備
   えて送風領域を区分し、前記電動機回転軸１６
   の軸方向をフイルタへの空気流れ方向に沿つた
   流過方向と平行に配置してフアン駆動用電動機
   １３をフアンケーシング１２に形成したフアン
   吸込口１４に設置し、各遠心送風機１１の吸込
   口１４に臨んでケーシングボツクス内を区画す
   る空気誘導用のガイドベーン２６を複数配備し
   たことを特徴とするフイルタ・ユニツト。 (2) 前記ベーンが、前記遠心送風機のフアンケー
   シングにおける吸込口に放射状に設けられた板
   状の固定ガイドベーンである実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のフイルタ・ユニツト。 (3) 前記ケーシングボツクスが、前記吸込口に連
   通する吸込ダクト部を連絡板で区画形成したも
   のである実用新案登録請求の範囲第２項記載の
   フイルタ・ユニツト。 (4) 前記ケーシングボツクスが、外板と側板とか
   ら囲成され内部に内板を備えたものであつて、
   前記遠心送風機の送風機取付座を固定しうる内
   板を備えているものであつて、該内板とケーシ
   ングボツクス板との間に補強用の連絡板を介在
   配備したものである実用新案登録請求の範囲第
   ２項又は第３項記載のフイルタ・ユニツト。