JPH02140510A - 加熱調理器用窓材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加熱調理器用窓材に関する。更に詳しくは、
加熱調理器の窓に用いられる透明、かつ耐熱寸法安定性
に優れ、加工性良好な新規なプラスチックフィルムによ
る加熱調理器用窓材に関する。

〔従来の技術〕

近年、高周波による物質の電気的誘電損失を利用した調
理方法、あるいは、抵抗加熱を利用した調理方法の普及
には著しいものがある。特に、両者を備えた加熱調理器
は一般家庭で広く使われている。これらの調理器におい
ては調理物質の泣面や調理の程度が判別できるように窓
が設けられている。

従来、窓材としてガラスが使用されていた。ガラスは無
色透明であり、耐熱性に優れており、窓材としての充分
な機能を有する材料である。しかし、ガラスを所定の形
状に加工する時にその工程が連続してできないためにコ
スト高となる。また、ガラスは割れやすく重いために製
品の組み立て時に取扱に注意をはられねばならない。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、上記ガラスに代わる新規の窓材を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した
結果、少なくとも一軸に配向したポリエ−チルケトン系
フィルムが透明性に優れしかも耐熱寸法安定性に優れる
ことを見出し本発明に至った。

即ち、本発明は、抵抗加熱を持つ加熱調理器において、
窓材がポリエーテルケトン系フィルムであることを特徴
とする加熱調理器用窓材である。

また、該ポリエーテルケトン系フィルムが少なくとも一
軸方向に配向したフィルムであり、かつ該フィルムの光
線透過率が６０％以上、２６０’Ｃにおける加熱収縮率
が３％未満であることを特徴とする加熱調理器用窓材で
ある。

以下本発明の構成について詳細に説明する。

本発明における抵抗加熱とは発熱体に電気エネルギーを
与えてそのジュール熱により発熱するものをいう０発熱
体は電気比抵抗が５Ｘ１０−’Ωｃｆｌ１以上であり、
例えばタングステン、モリブデン、タンタル、白金など
の金属元素単体、またニッケルークロム合金、鉄−クロ
ム系合金なとの合金、さらにまた黒鉛、炭化ケイ素、ケ
イ化モリブデン、ジルコニアなどがある。これらの中で
電気比抵抗が１００　Ｘ　ｔＯ−’Ωｃ＋＋＋と高く、
高温下で酸化劣化を起こし難く、さらに加工性に富むニ
ッケルークロム系合金、鉄ニクロム系合金が特に好まし
く用いられる。また、発熱体は上記発熱体をアルミナ、
マグネシア等の熱伝導性の高い絶縁体を介し保護管中に
封入したものであってもかまわない。

本発明における加熱調理器とは、上記抵抗加熱体を備え
、調理器内の温度を一定に保つように抵抗加熱体の発熱
量を調整する方法によって調理する、あるいは、一定の
発熱量を維持する方法によって調理するものである。更
に、上記抵抗加熱体以外に、高周波利用加熱設備を有す
る加熱調理器でもかまわない。

加熱調理器の内部雰囲気温度は、一般に１００°Ｃ〜３
００°Ｃであり、好ましくは１５０″ｃ〜２６０°Ｃで
ある。１００°Ｃ未満では、水を媒体とした調理と同様
であり、加熱調理器を使用する意味がなくなる。

また３００°Ｃを越えると、調理物質の分解及び炭化が
著しくなり、好ましくない。

本発明における窓材とは、支持板とポリエーテルケトン
系フィルムとを貼り合わせた構造をもつものである。

支持板は空孔を有する金属、セラミックからなる板が使
用される。金属としては例えば鉄、ステンレススチール
、真鍮、アルミニウムが一般に用いられ、ステンレスス
チール、アルミニウムが好ましい、空孔を有するとは、
調理物質の調理具合が確認できるように支持板に穴を施
したものであり、例えば金網、パンチングメタルが好ま
しい。

支持板の空隙率は４０〜９０％が好ましい。支持板の空
隙率が４０％未満では調理物質の調理具合の確認が困難
である。また、空隙率が９０％を越えると調理具合の確
認は非常に良いがフィルムの支持が困難となり好ましく
ない。

支持板は上記の支持板の最外袋に他の合成樹脂シートを
貼り合わせた構造でもかまわない。かかる合成樹脂シー
トは透明性、耐熱性に優れたものであり、例えばポリエ
ーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、
ポリカーボネートが好ましい。

本発明におけるフィルムと支持板の貼り合わせはエポキ
シ系接着剤、シリコン系接着剤等の透明性、耐熱性に優
れた接着剤を使用することが好ましい。

本発明におけるポリエーテルケトン系樹脂とはフェニレ
ン骨格を主体とし、エーテル結合とカルボニル結合をも
つ結晶性の熱可型性芳香族系樹脂である。例えば、ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリチ
オエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトンがある。

これらの樹脂の中でポリエーテルケトン、ポリエーテル
エーテルケトンが好ましい。

本発明におけるポリエーテルケトン系フィルムは少なく
とも一軸に配向したものである。ポリエーテルケトン系
樹脂から溶融押出法によって製造されたフィルムは非結
晶性であり、このフィルムはガラス転移点までの温度で
は透明性は良好であるが、本発明における高温下では結
晶化が起こり、球晶が成長するため不透明となり好まし
くない。

しかし、非結晶性フィルムを少なくとも−軸方向に延伸
し配向結晶化を行うことにより本発明における高温下で
の透明性を保持できる。

本発明におけるポリエーテルケトン系フィルムの製造方
法は周知の押出成形温度より非結晶性角、冷原反を得、
続いて機械方向あるいはその垂直方向へ延伸し一軸配向
させ、熱処理する方法、あるいは、非結晶性急冷原反を
機械方向、続いてその垂直方向へ延伸し熱処理した二軸
配向フィルムとする方法がとられる。押出成形温度は樹
脂融点〜融点＋１００℃が望ましい、非結晶性２．冷原
反は熔融フィルムをガラス転移温度−１００℃〜ガラス
転移温度−１０°Ｃの範囲で急冷することが望ましい。

延伸方法としては、ガラス転移温度〜融点迄の温度で機
械方向、あるいは引き続きその垂直方向へ一軸、あるい
は二輪配向させ、ガラス転移温度〜融点迄の温度におけ
る緊張下での熱処理があげられる。

上記方法で得られるフィルムに要求される物性は光線透
過率と加熱収縮率である。光線透過率はＪＩＳ　Ｋ−７
１０５に規定された積分球式光線透過率において６０％
以上が望ましい、　６０％未満では加熱調理器内部の調
理具合が確認できない。一方、加熱収縮率はＪＩＳ　Ｃ
−２３１８に規定された方法で試験温度を２６０℃で試
験した時、３％以下が望ましい。３％を越えると窓枠と
の寸法変化が大きくなり、窓材としての見栄えが悪くな
る。

〔実施例〕

以下、実施例により本発明を説明する。

実施例１ ポリエーテルエーテルケトン樹脂（ＩＣ１社製ＶＩＣＴ
ＲＥＸ　ＰＥＥＫ　３８０Ｇ　）を４０ｍｍ押出機によ
り、３５０〜４００″Ｃで溶融させ、コートハンガーダ
イから押出し、１１０℃の回転冷却ドラムへ密着させ、
厚さ３１０μｍの非結晶急冷原反を得た。この原反をバ
ッチ式二輪延伸機を用いて、延伸温度１６５°Ｃ１変形
速度１５００χ／ｌｌ１ｎで、機械方向及びその垂直方
向に各々２．５倍延伸し、更に３３０°Ｃで４５ｓｅｃ
熱処理を行い、厚さ５０ａｍの二輪延伸フィルムを得た
。

得られたフィルムの光線透過率は７８％であり、加熱収
縮率は機械方向で１．３％、幅方向で１．８％であった
。

次に、シリコン接着剤（信越シリコーン■製ＫＲ１０１
−１０固形分６０重量％）　　１００ｇと、ベンゾイル
パーオキサイド１．２ｇをトルエン５０ｃｃに溶かした
溶液を混ぜて均一な接着剤溶液としたものを約２０ｃＩ
１１角の大きさの上記フィルムにバーコードし、室温で
２０分間、更に８０°Ｃで３０分間乾燥し、塗布厚さ約
３０μｍの粘着フィルムを得た。これを、脱脂処理した
厚さ０．５ｍｍ、広さ１０ｃｍ角、外径８ｆｉｌ＋の穴
が規則正しくあけられた空隙率７０％のステンレススチ
ール板にゴム類のローラーにより、皺なく貼り合わせ、
（Ｌ　１ｋｇ／ｃｄの圧力で１５０’ｃで３０分間加熱
処理した。

これを２２０℃、２６０℃の雰囲気中にそれぞれ１時間
放置した。その結果いずれの温度でも色調、寸法とも変
化がなく良好であった。

実施例２ ステンレススチール板の広さを３０ｃｍ角とした以外は
実施例１と同様な手順により試験した。その結果色調、
寸法とも変化がなく良好であった。

比較例１ 実施例１と同様な方法でポリエーテルエーテルケトンの
溶融押出成形法にて未配向の非結晶フィルム（５０ｔｔ
　ｍ’）を得た。このフィルムは加熱収縮試験において
結晶化してしまい、光線透過率が５５％と低く、加熱収
縮率が１０％以上もあり透明性、寸法安定性に著しい欠
陥があった。

比較例２ プラスチックフィルムとしてポリイミドフィルム（デュ
ポン社製　商標カプトン）５０μｍを使用し実施例１と
同様な手順で支持板と貼り合わせ試験した。その結果寸
法変化はなかったが、フィルム単体の光線光線透過率が
４９％と低く、しかも褐色のためフィルムを通して物体
を見た場合確認し難かった。

〔発明の効果］ 本発明によるポリエーテルケトン系フィルムはつぎのよ
うな効果があり加熱調理器の窓材として極めて有用であ
る。

ポリエーテルケトン系フィルムは透明性に優れかつ耐熱
寸法安定性に優れるため加熱調理器の窓材としての機能
を充分に発揮出来、しかも従来のガラスに比較、フィル
ムであるため軽量化でき、所定の形状に加工するのに連
続工程が可能でコスト低減ができるという効果もある。

特許出願人　　三井東圧化学株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、抵抗加熱を持つ加熱調理器において、窓材がポリエ
   ーテルケトン系フィルムであることを特徴とする加熱調
   理器用窓材。 ２、ポリエーテルケトン系フィルムが少なくとも一軸方
   向に配向したフィルムであり、かつ該フィルムの光線透
   過率が６０％以上、２６０℃における加熱収縮率が３％
   未満であることを特徴とする請求項１記載の加熱調理器
   用窓材