JPH0213062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主として集塵機の集塵ダクト（エア
ーダクト）部分に実施して好適な火花検知装置に
関する。

〔従来の技術〕

羽布研磨機とかベルトサンダといつた各種の研
磨機、或は研削機を用いて行なう研磨及び研削の
各作業は、作業時に研磨材の結合材、基布或は基
紙等が可燃性の微粉塵となつて飛散し、合せて火
花も大量に発生する関係上、これ等の微粉塵をそ
の発生源でフード等を用いて直接乾式集塵機（フ
イルター式集塵機）に集塵させると、微粉塵と一
緒に火花も吸引されてしまつて、バケツト内に堆
積した微粉塵に引火して火災を引き起こす原因に
成つていた。

そこで従来は、第５図に示す如く研磨機１の加
工部を覆う様に配設した集塵用フード２と、集塵
機３の間を結ぶエアーダクト４の途中に、温度溶
断ヒユーズ式の防火ダンパ４Ｄを設けたり、内部
に複数枚の衝突板６ａ…から成る消火用の衝突通
路６を有するプレダストボツクス５を接続した
り、或は、内部に液体（水）を収容したウエツト
式集塵機（図示せず）を接続するといつた種々の
対策を講じることによつて、火花の進入を防止し
ていた。

しかし、上述した温度溶断ヒユーズ式の防火ダ
ンパ４Ｄは、エアーダクト４内を流れるエアーの
温度を検知して、温度が一定値以上に上昇した場
合にヒユーズが溶断して防火ダンパ４Ｄを閉じる
構成であるため、少量の火花の通過を防止するこ
とは構造的に不可能であつた。また、プレダスト
ボツクス５による場合も、内部に付着、堆積した
ダストに進入して来た火花が引火する虞れがあつ
て、安全な対策とは云えなかつた。更に、ウエツ
ト式集塵機の場合は、進入して来た火花を完全に
消すことはできるが、水量を常時一定に保つ給水
弁装置の様な複雑な装置が必要であるとか、エア
ーを水中に通す点で圧力損失が大きく、吸引用フ
アンの動力（モータ）を大型化しなくてはならな
いと云つた不経済性がある等、種々の問題があつ
た。

そこで考えられたのが、火花検知用の受光セン
サを用いて火花の存否を検出する火花検知装置で
ある。この装置によると、受光センサは前記エア
ーダクトの途中に取付けられていて、吸引される
エアー（含塵空気）中に火花、或は、火の粉が存
在すると、この光を検知して火花、火の粉の発生
を確認することができる。従つて、この火花検知
装置に各種の消火設備、防火ダンパ、警報器とい
つた防火装置を連結しておけば、火花及び火の粉
の発生を上記火花検知装置が検知すると、上記エ
アーダクト４内に消火用の水とか消火液を噴出し
たり、防火ダンパを閉じてエアーダクト４を塞い
だり、或は、警報器を作動して警告するといつた
各種の防火手段を自動的に講じて、集塵機３を火
災から守ることができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところろが、上述した従来の火花検知装置は、
いずれも受光センサ（検知器）をエアーダクト４
に対して直角、即ち、エアーの流れる方向に対し
て直角にその受光面を向けて取付けられているた
め、受光センサの検知範囲（受光範囲）がエアー
ダクト４の直径方向にのみ限られて非常に狭く、
充分な検知を行なえずに検知漏れが生じる問題が
あり、特に、火花の量が少ない時に比較的検知漏
れが起き易くて、この検知漏れが原因で集塵機３
が火災を起す場合があつた。

また、エアーダクト４内に向けて取付けた受光
センサの前面は、通常、受光センサを保護するた
めに透明なガラス板で覆われているが、このガラ
ス板が時間の経過と共にダクト４内を流れるエア
ーによつて汚されてしまうため、受光センサの感
度を保つためにはこのよごれたガラス板を定期的
にクリーニングする必要があり、その作業が意外
と面倒で、クリーニングを忘れた結果、受光セン
サが火花を正確に捕捉できず、検知漏れによる集
塵機３の火災発生といつた場合もあつた。更に、
エアーダクト４内を流れる火花を含んだ高温ガス
流によつて受光センサが加熱され、受光センサの
検知に誤作動等の悪影響が生じるといつた問題も
あつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上述した各問題点を解決するために
提案されたものであつて、その目的は、火花検知
用受光センサの検知範囲を、エアーの流れる方向
に沿つて可及的に広く取ることによつて、検知漏
れの無い優れた検知効果を発揮することができる
と共に、透明な保護ガラス板のクリーニングを自
動化し、また、受光センサ部の冷却も行なうこと
によつて、受光センサを常時正確に検知作動する
様に保護することができる火花検知装置を提供す
る点にあり、本考案では上述した考案の各目的を
達成するために、前面に入光穴を穿設し、この入
光穴の内側部に火花検知用の受光センサを取付
け、これ等入光穴と受光センサの間隔には、透明
な保護ガラス板を回転自在に介在し、且つ、内部
には回転中の保護ガラス板を清掃するクリーニン
グブラシを備えて成る火花検知器を、エアーダク
トの途中に設けた取付部内に、少くともその前面
をエアーの流れ方向に向けて取付けると共に、上
記火花検知器の内部に外気を注入自在に構成し
て、この注入された外気を、上記受光センサと保
護ガラスに接触させながら、これ等各受光センサ
及び保護ガラスの隙間を通して上記入光穴よりエ
アーダクト内に排気する様に構成している。

〔作用〕

以上の如く構成した本考案に係る火花検知装置
によれば、エアーダクト内部に対する火花検知用
受光センサの検知可能な範囲が、エアーの流れる
方向に沿つて広く設定できるため微量な火花（火
量）でもこの検知範囲を通過すると、受光センサ
がその光を捕捉して火花の通過を検知する。ま
た、この受光センサの前面を保護する透明なガラ
ス板は間欠的、又は、定期的に回転されて、クリ
ーニングブラシが表面の汚れを清掃する。更に、
火花検知器内に供給された外気は、受光センサに
接触して冷却を行ない、且つ、受光センサの受光
レンズ及びガラス板に接触してクリーニングを行
ないながら、これ等受光センサとガラス板の各通
風用の隙間を通つて、火花入光用の入光穴よりエ
アーダクト側に吸引排気される。

〔実施例〕

以下に、本考案に係る火花検知装置の好適な一
実施例を添付した図面と共に詳細に説明する。

第１図は、第５図に示したフード２と集塵機３
の間を結ぶエアーダクト４と同様なエアーダクト
１０の途中に本考案の火花検知装置を取付けた実
施例を示すものであつて、このエアーダクト１０
の途中、具体的には略Ｌ字形に曲がつた屈曲部１
０Ａには取付部１１が突設されている。取付部１
１は上記屈曲部１０Ａの部分に図示の如くエアー
の流れる方向とは逆向きに突設されており、この
取付部１１には検知器１２が前面１２ａをエアー
ダクト１０の内部に向けた状態で、而も、エアー
が流れる方向に向けて取付けてある。

検知器１２には、第１図乃至第４図の如くその
中央に取付円板１３が構成されており、検知器１
２の取付けに当つては、検知器１２の前面１２ａ
側を取付部１１内に差し込み、且つ、上記取付円
板１３を間にパツキン（図示せず）を介在して取
付部１１のステー１１ａに接合し、両者をネジ止
め１４して取付ける。また、第１図に於いて１５
は取付様ステー１６によつてエアーダクト１０に
取付けた上記検知器１２用の制御装置を収容した
電装箱で、内部には電源トランスとかセンサ基
板、或は、リレー等（図示せず）が収められてい
て、検知器１２との間はリード線１７によつて結
ばれている。

１８は前記検知器１２の前面１２ａに穿設した
入光穴で、口が次第に広がるテーパー穴としたこ
の入光穴１８の丁度内側には、受光センサ１９が
取付けられている。受光センサ１９は周面に空冷
用のフイン２０ａを形成した保護ケース２０内に
収められている。また、２１は検知器１の内部中
央に回転自在に架設した回転軸で、ギヤ機構２２
を回転してモータ２３によつて間欠的、又は、定
期的に回転されるこの回転軸２１の先端部には、
円板状に形成した透明な保護ガラス板２４が取付
けられている。受光センサ１９の受光レンズ１９
ａをエアーダクト１０内を流れる含塵エアーから
守るために設けたこの保護ガラス板２４は、図示
の如く入光穴１８と受光センサ１９との間に介在
され、受光レンズ１９ａが含塵エアーによつて汚
されたり、塵埃によつて傷付けられない様に保護
している。受光レンズ１９ａの前とガラス板２４
の間、及び、ガラス板２４と入光穴１８の内端口
の間には、第４図に示した如く夫々通風用の隙間
Ｔが形成されている。

２５は上記回転するガラス板２４の表裏に接触
して、表裏面に付着したダストをクリーニングす
るために検知器１２の内部に取付けたクリーニン
グブラシで、２６はエアーチユーブ２７を通して
検知器１２内に冷却用とクリーニング用の外気を
注入する注入口である。

第１図の如くエアーダクト１０の取付部１１に
取付けて使用する本考案の火花検知器１２は、前
面１２ａをエアーが流れる方向に向けて取付けら
れている関係で、第１図に於いて網目線で示した
範囲の受光範囲Ｘを備え、エアーダクト１０内を
矢印Ｙ方向に流れる（吸引される）含塵エアーの
中に火花等が含まれていて、これ等火花等が上記
の受光範囲Ｘ内を通過すると、受光センサ１９が
入光穴１８を通してその光を検知する。この様に
して受光センサ１９が検知した検知信号はリード
線１７を通して電装箱１５内の制御装置に送ら
れ、制御装置はエアーダクト１０内に設けた消火
用の水或は液を噴出する消火栓とか、ダンパ、或
は、警報器といつた各種の防火装置３０を作動す
る。

また、受光センサ１９のレンズ１９ａの部分を
保護するガラス板２４は、モータ２３を介して回
転軸２１によつて間欠的、又は、定期的に回転
し、その回転時にクリーニングブラシ２５によつ
て付着したダストを清掃して、ガラス板２４の光
透過性を常時良好に保守する。

更に、注入口２６から検知器１２の内部に注入
された外気は、コンプレツサ等の圧力と、第５図
に示した集塵機３の吸引作用によつてエアーダク
ト１０内に生じる負圧の吸引作用をうけて、第４
図に示した各矢印の如く受光センサ１９のフイン
２０ａに接触して受光センサ１９を冷却し、且
つ、受光センサ１９のレンズ１９ａ及び保護ガラ
ス２４に接触して付着ダストを除塵しながら、入
光穴１８よりエアーダクト１０側に吸引排気され
る。

尚、上述した注入口２６から行なう外気の注入
は、コンプレツサ等を用いて常時強制的にこれを
行なう必要はなく、通常時は、エアーダクト１０
側の負圧による吸引作用によつて外気を注入口２
６より検知器１２内に導入し、この導入した外気
によつて上述した冷却とクリーニングを行なえば
よい。

〔効果〕 本考案に係る火花検知装置は以上述べてきた如
くであるから、これを集塵機の吸引用エアーダク
トの途中に取付ければ、ダストに混じつて吸引さ
れる火花、又は、火の粉を受光センサが検知し
て、火災防止の各手段を講じることができるので
あるが、本考案では特に、検知器の全体をエアー
が流れる方向に向けた状態でエアーダクトに取付
けた関係上、エアーダクトに対して直角（直径方
向）に取付けていた従来のこの種検知装置に比較
して、エアーダクト内に於ける受光センサの検知
可能範囲がエアーが流れる方向に長く広がつて、
火花及び火の粉がこの検知可能範囲を通過する時
間が追従的に長く成るから、仮令火花及び火の粉
の量が微小で光量が少なくてもこれを漏れなく確
実に捕捉して、防火手段を速やかに講じることが
できる。

また、受光センサのレンズは透明なガラス板に
よつて保護され、エアーダクト内にを流れる含塵
エアーが入光穴から入つてレンズ面に直接触れな
い様に配慮されているため、レンズ面がダストに
よつて傷付けられたり、汚される心配がなく、常
時正確な検知機能を発揮できると共に、保護ガラ
スは間欠的又は定期的に回転しながら、クリーニ
ングブラシによつてその表裏に付着したダストを
クリーニングするため、入光穴より入つたダスト
によつてガラス面が汚されて、受光センサの検知
に支障を与える心配がない。

更に本考案では、検知器の内部に注入口より外
気を取入れる様に構成すると共に、上述した入光
穴を保護ガラス板、及び、受光センサの各間に隙
間を造つて、エアーダクト内の負圧による吸引作
用を入光穴を通して検知器内に及ぼす様に構成し
ているため、注入口より導入された外気は検知器
内部、及び、上記の各隙間を通つて入光穴よりエ
アーダクト内に流れ込む通気路が構成され、従つ
て、エアーダクト内を流れる含塵エアーが検知器
内部の受光センサ等を汚すこともなく、而も、上
記通気路に沿つて流れる外気は受光センサを冷却
して加熱による能力低下を防止すると共に、受光
センサのレンズ及び保護ガラス板に接触して、付
着したダストを払い落とす除塵効果も合せて発揮
するから、検知器内部は常に奇麗に、且つ、定温
に守られて優れた検知効果を発揮できるものであ
つて、特に、図示した如き研磨機とか研削機用の
集塵装置のエアーダクトに実施して洵に好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る火花検知装置の実施状態
を示した正断面図で、第２図は検知器の拡大正面
図、第３図は第２図Ａ−Ａ線の断面図で、第４図
は検知器の内部を更に拡大して示した断面図、第
５図はプレダストボツクスを用いた研磨機用集塵
装置の一例を示した構成図である。 １０はエアーダクト、１２は検知器、１２ａは
前面、１８は入光穴、１９は受光センサ、２４は
保護ガラス、２５はクリーニングブラシ、２６は
注入口、Ｔは隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に入光穴を穿設し、この入光穴の内側部に
   火花検知用の受光センサを取付け、これ等入光穴
   と受光センサの間隔には透明な保護ガラス板を回
   転自在に介在し、且つ、内部には回転中の保護ガ
   ラス板を清掃するクリーニングブラシを備えてな
   る火花検知器を、エアーダクトの途中に設けた取
   付部内に、その前面をエアーの流れ方向に向けて
   取付けると共に、上記火花検知器の内部に外気を
   注入自在に構成して、この注入された外気を、上
   記受光センサと保護ガラスに接触させながら、こ
   れ等各受光センサ及び保護ガラスの隙間を通して
   上記入光穴よりエアーダクト内に排気する様に構
   成したことを特徴とする火花検知装置。