JPH0212220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はストレツチ包装体に関し、さらに詳し
くは、包装作業が容易で見栄えの良い包装体に係
る。

［従来の技術］ 従来、受皿に内容物を入れ、ストレツチフイル
ムで被包したストレツチ包装体は、四周側壁の開
口縁を一定の高さのフラツトな面に形成した受皿
を用いたものであつた。ストレツチ包装体はフイ
ルム面にしわが無く、隅々までフイルムが張つた
状態の方が見栄えが良く、包装時にはなるべくし
わが入らない様にストレツチフイルムを強く引張
りすばやく包装する必要があつた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、包装を簡便化するため接着剤や
接着テープを用いずとも包装できる様に、ストレ
ツチフイルムは密着性の良い材質でできている。
そのためフイルム同士やフイルムと受皿が容易に
密着し、しわやたるみを作り易い。１度フイルム
が密着すると、密着面と平行な方向にフイルムを
すべらせることはほとんど不可能なため、一旦フ
イルムを受皿からはがす様にして取りはずし、包
装し直さなければならない。従つて見栄え良く包
装しにくく、かつフイルム面を整えるのに手間が
かかるという問題が有つた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上記の問題を解決するためになされた
ものである。しかして、本考案は、底壁とこれに
一体的に連なる四周側壁よりなり、側壁の上縁部
を、開口縁のコーナー部より下り傾斜させ、かつ
上縁部の中央部をコーナー部と同じ高さにまで立
ち上らせ、さらに上縁部の端部を外方に折り返
し、上縁部の下方に底壁より一定高さの段を受皿
内方に突出させて形成したプラスチツク製受皿に
内容物を収納し、ストレツチフイルムにて開口縁
を閉塞被包してなることを特徴とするストレツチ
包装体である。

本考案の包装体の受皿を形成するプラスチツク
としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル等のシートあるいは発泡
体を用いるのが好ましい。受皿の大きさや深さは
内容物にあわせて用いれば良い。

本考案の包装体の受皿の側壁上縁部の傾斜部分
は曲線でも直線でも良い。

［作用］ 本考案の包装体は側壁の上縁部が、コーナー部
及びコーナー間の中央部が高く、コーナー部と中
央部との間が低い形状であるため、ストレツチ包
装する際、各コーナー部及び中央部とフイルムと
が点接触する。前述した様に、フラツトな上縁部
を有する受皿を用いた場合、フラツトな上縁部と
フイルムとが線接触し、密着してフイルムが滑ら
ずしわやたるみが入り易い。本考案では点接触で
あるから、フイルムと受皿の密着度がひじように
弱く、容易にフイルムを滑らせることができる。
従つてフイルム面を整えながら包装することがで
き、また、しわやたるみもフイルムを滑らせるこ
とにより容易に取り除けるため、包装作業がひじ
ように楽である。

また、ストレツチ包装では通常強く緊張したス
トレツチフイルムで受皿全体を包み込むため、受
皿の開口縁はフイルムによつて内側に引つ張られ
る。本考案の包装体の上縁部はコーナー部と中央
部が高く、丁度上縁部に凹部を設けた形状を有す
るため、このコーナー部と中央部が良好な弾性を
有し、ストレツチ包装後にフイルムを上縁部外方
に引つ張り、フイルムのたるみを防止する。

一方、上記上縁部はその端部が外側に折り返さ
れており、この折り返し部が補強リブとして働
き、受皿の強度を増大させる。同様に、受皿の補
強に、四周側壁の上縁部の下方に底壁より一定高
さで受皿内方に向かつて段が突出させてある。こ
の段は受皿の補強以外に、収納物の量の目安にな
り、また、内容物収納後に受皿内に落し蓋を入れ
る際の落し蓋のストツパーとしても役立つ。

［実施例］ 以下、本考案の具体例を図面を用いて示す。

第１図は本考案の包装体に用いる受皿の一例を
示す斜視図である。上縁部３のコーナー部４及び
中央部５からの下り傾斜は曲線である。６は受皿
内方に突出した段である。この受皿をストレツチ
包装した後の、相対向する側壁の中央部を通る垂
直面で切断した場合の断面図が第２図である。上
縁部３の折返し部９及び段６がフイルム８により
受皿が変形するのを防いでいる。

第３図は直線で下り傾斜を構成した場合の受皿
の側面図である。この受皿の断面は第２図とほぼ
同じである。

［考案の効果］ 本考案の包装体は、ストレツチ包装時にストレ
ツチフイルムと受皿の上縁部とが点接触するた
め、フイルムがすべり易く、しわやたるみの無い
見栄えの良い丈夫な包装体であり、しかも包装作
業がひじように容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る包装体に用いるプラスチ
ツク製受皿の一例を示す斜視図、第２図は第１図
のプラスチツク製受皿に内容物を収納し、透明フ
イルムで被包した包装物を相対向する側壁の中央
部を通る垂直面で切断した場合の断面図、第３図
は第１図とは異なるプラスチツク製受皿の一例を
示す側面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底壁とこれに一体的に連なる四周側壁よりな
   り、側壁の上縁部を、開口縁のコーナー部より下
   り傾斜させ、かつ上縁部の中央部をコーナー部と
   同じ高さにまで立ち上らせ、さらに、上縁部の端
   部を外方に折り返し、上縁部の下方に底壁より一
   定高さの段を受皿内方に突出させて形成したプラ
   スチツク製受皿に内容物を収納し、ストレツチフ
   イルムにて開口縁を閉塞被包してなることを特徴
   とするストレツチ包装体。