JPH019224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は埋込用配線ボツクス仮止支持金具に
係り、コンクリート躯体中に各種の配線ボツクス
を埋設固定する際、撓性に富む直埋ケーブルある
いは可橈電線管等と接続された配線ボツクスをぶ
れたり、がたつかせずに鉄筋部材に仮止支持さ
せ、また、これをコンクリート仮枠面に当接状に
しつかりと固定支持しておくことができる埋込用
配線ボツクス仮止支持金具に関する。

従来、コンクリート躯体中に埋設固定されるコ
ンセントボツクス、スイツチボツクス、アウトレ
ツトボツクスの如き各種の配線ボツクスは、これ
に接続される電線管等が剛性である場合、電線管
等によつて自立されるからその位置決めに何らの
問題もなかつた。ところが、近時に至り、建物の
耐用年数、電線資材の耐久性の向上等の関係から
多用されつつある直埋ケーブルや、位置決めの調
整が可能となる可橈電線管に接続されるようにな
ると、位置決めのための自立は実質上不可能であ
り、その結果、ぶれたり、がたついたりして、立
枠されるコンクリート仮枠に取付けられるまでは
各種作業の邪魔になり、作業能率の向上を図るに
はこれを阻害する一因ともなつていた。

そこで、この考案は如上の点に鑑み案出された
もので、弾撥性に富んだバネ鋼の如き素材にて形
成された略矩形状の主鈑の長手方向両端近傍に、
主鈑の弾性に抗して彎曲させたときに鉄筋部材が
貫挿され、主鈑が原状に復原しようとするときに
生じる弾性復帰力にて前記鉄筋部材に圧接する内
周縁面を有する取付部を設けた金具主体と、コン
クリート躯体中に埋設される配線ボツクスをその
底壁にて支持して金具主体に取付けると共に、コ
ンクリート仮枠を貫挿させた固着ボルトがねじ込
まれるネジ孔を備えた支持体とから成ることによ
り、コンクリート躯体中に配筋される鉄筋部材を
利用することで、これに仮止支持させ、コンクリ
ート仮枠の立枠時までの確実な固定、また、コン
クリート仮枠への取付時での作業性の向上等が図
れるようにしたものである。

以下、図面を参照してこの考案の実施例を説明
すると次の通りである。

図において示される符号１は、バネ鋼のような
弾撥性に富んだ鈑材の如き素材にて形成された略
矩形状の主鈑２にて得られた金具主体であり、主
鈑２の長手方向両端近傍部に、主鈑２の弾性に抗
して彎曲させたときに、コンクリート躯体Ｃ中に
埋込配筋される適宜径の鉄筋部材Ｓが貫挿され、
主鈑２が原状に復原しようとするときに生じる弾
性復帰力にて前記鉄筋部材Ｓに圧接する内周縁面
３Ａを有する取付部３を設けてある。

しかして、金具主体１を側面からみると第１図
乃至第５図、第８図に示すように中央部が平板状
で全体が略〕状の弓形を呈する場合に限らず、後
述する支持体１０，２０との結合が可能であれ
ば、側面略く字形を呈する場合でもよく、更に
は、第６図、第７図に示すように中央部が彎曲さ
れて全体が扁平姿勢に付勢された側面略一文字形
でもよく、いずれにしても両端から相対向する方
向へ押圧すると彎曲し、その押圧力を解放すると
原状に復帰する撓み弾性力を保有すればよく、そ
の形状は任意である。

なお、図示にあつての金具主体１には、中央部
と両翼部分との折曲部位、両翼部分自体等にビー
ド５を施すことで、付与される押圧力に対する耐
歪性を高める補強手段とし、また、主鈑２の両端
縁部には、両翼部分に対して付与させる押圧力の
方向に合致して折曲させた摘み操作片６を形成し
てある。

取付部３は、鉄筋部材Ｓの所定位置に直接取付
けられるように、主鈑２の両端近傍部の側縁から
形成されている切欠部を介して外部と連通させて
あり、そうすることで、鉄筋部材Ｓの所定支持位
置に直接取付けることができる。もとより、予め
鉄筋部材Ｓに取付けておくべく、鉄筋部材Ｓが貫
挿されるのに充分な大きさを有する孔状に形成さ
れるもよく、この場合は、一旦仮止支持後は、外
部からの衝撃、振動その他によつて微動も、外れ
ることも全くなく、仮止安定性を一層向上させる
ことができる。また、図示のように、大きさを異
ならしめるか、主鈑２中央部からの距離を異なら
しめた取付部３を配しておくと、径が異なる鉄筋
部材Ｓに選択的に取付けられ、金具主体１自体の
弾性復帰力の作用範囲内での使用を可能とする。

そして、金具主体１の略中央部には、コンクリ
ート躯体Ｃ中に埋設されるコンセントボツクス、
スイツチボツクス、アウトレツトボツクスの如き
各種の配線ボツクスＢをその底壁３０にて支持す
る支持体１０，２０が結合されるようになつてい
る。

第１図乃至第４図に示された第１の実施例にお
ける支持体１０は、収納窯部１１がある基盤１２
に、ネジ孔１３が開穿された連繋盤１４を接合
し、基盤１２に起設した１対の連繋爪片１５を金
具主体１の中央部に貫挿させ、かつ配線ボツクス
Ｂの底壁３０外側から係合折曲させるようにした
ものである。図示にあつての支持体１０は、円盤
状を呈するもこれに限定されないことは勿論であ
り、基盤１２と連繋盤１４との接合は、連繋盤１
４に突設した接合突起１６を基盤１２に開穿して
ある接合孔１７に嵌合し、接合突起１６を圧潰す
ることで行なつてある。この実施例による支持体
１０の金具主体１への結合は、金具主体１の中央
部両端に開穿した１対の結合小孔７に前記連繋爪
片１５を貫挿させ、これ１５をそのまま底壁３０
に開穿した小透孔３１に貫挿し、折曲係合させる
ことで、配線ボツクスＢとも一体化されるものと
してある。

第５図に示された第２の実施例は、第１の実施
例における支持体１０と金具主体１との予じめの
結合が得られるようにしておくもので、金具主体
１の中央部両端に形成したコ字形の切込によつて
Ｌ字形の取付爪片８を起設し、起設後に得られた
孔を連繋爪片１５の貫挿に供するようにしたもの
である。

第６図及び第７図に示された第３の実施例にお
ける支持体１０は、第１の実施例におけるそれと
同構造とし、金具主体１との結合において、金具
主体１の中央部を彎曲させておき、この中央部自
体の反り返り状の弾撥復原力によつて、中央部彎
曲面外側に対向起設した１対のＬ字形の取付爪片
８にて挟持されているようにしたものである。す
なわち、中央部における彎曲面が更に彎曲される
ような押圧力を付与することで、取付爪片８相互
間を離反、拡開させ、その状態で支持体１０を取
付爪片８相互間に配置した後、押圧力を解放する
と、原状に復帰する中央部における反り返り状の
弾撥復原力によつて取付爪片８相互にて挟持する
ようにしたものである。このとき、金具主体１は
その中央部が彎曲していれば足り、両翼部分は同
一直線状に位置されていてもよく、また、第７図
に示すように、支持体１０結合後の中央部が直線
状を呈することで両翼部分は互いに近接されるよ
うに傾斜状態で対向されるものとなる。したがつ
て、これによれば、金具主体１に対して二つ折り
状とさせる押圧彎曲力の付与及びその解放によつ
て支持体１０をワンタツチで結合でき、しかも、
容易には離反しない結合安定性が得られる。

このように、第１乃至第３の実施例における支
持体１０は、いずれも金具主体１の中央部を配線
ボツクスＢの底壁３０外側面に当接せしめるもの
としてあり、後述するようにコンクリート仮枠Ｐ
に貫挿した固着ボルト３５によつて引寄せられる
ときは、それ３５と離脱されることはなく、配線
ボツクスＢの安定した当接状態を維持することが
できる。

第８図に示される第４の実施例における支持体
２０は、配線ボツクスＢの底壁３０内側面に当接
される縁面を有する互いに対向された１対の側壁
２１と、ネジ孔２２が開穿された奥壁２３とから
断面溝形状に形成されていて、奥壁２３及び前記
底壁３０を貫挿させた連繋小ネジ２４を金具主体
１の中央部にねじ止めさせるようにしたものであ
る。すなわち、底壁３０外側に配する金具主体１
と内側に配する支持体２０とにて底壁３０を挟持
し、奥壁２３に開穿した貫挿孔２５及び底壁３０
の前記小透孔３１に貫挿させた連繋小ネジ２４に
て両者１，２０をねじ止めさせることで、全体
１，２０，Ｂが一体化されるものである。したが
つて、ねじ止め手段にて結合されるが故に、鉄筋
部材Ｓへの取付、固着ボルト３５によるコンクリ
ート仮枠Ｐへの当接固定のいずれも極めて安定し
ており、固着ボルト３５のねじ止め固着作用によ
つて離反されることはない。

次に、この考案支持金具の使用を説明すると、
基礎その他の上に直立される直埋ケーブルや可橈
電線管の如き配線資材Ｗが所定の方法にて接続さ
れている配線ボツクスＢに金具主体１及び支持体
１０あるいは２０を取付セツトしておく。次い
で、第２図に示すように、金具主体１を長手方向
両端から強く押圧彎曲させ、その状態で取付部３
内に鉄筋部材Ｓを位置せしめ、鉄筋部材Ｓの所定
位置にて押圧力を解放させ、そのときに生じる弾
性復帰力にて金具主体１を鉄筋部材Ｓに取付け
る。このときの配線ボツクスＢの仮止支持位置
は、既定の設計に従つて位置決めされているコン
クリート躯体Ｃへの埋設位置に対応させた位置で
の鉄筋部材Ｓに取付けられるのは勿論である。然
る後、第３図及び第４図に示すように、立枠させ
たコンクリート仮枠Ｐ表面から、開穿させた固着
孔に貫挿させた固着ボルト３５を、第１乃至第３
の実施例における支持体１０にあつては配線ボツ
クスＢの底壁３０にあるノツクアウトに貫挿させ
てネジ孔１３にねじ込むことで、第４の実施例に
おける支持体２０にあつては直接にそのネジ孔２
２にねじ込むことで、配線ボツクスＢを支持固定
するものである。尚、図中３６は、配線ボツクス
Ｂ及び固着ボルト３５のコンクリート仮枠Ｐへの
固持を図るため、コンクリート仮枠Ｐ面に圧接さ
せるよう固着ボルト３５にねじ込まれるナツトで
ある。

したがつて、撓性に富む直埋ケーブルや可橈電
線管の如き配線資材Ｗが接続されたことで自立維
持が全く困難な配線ボツクスＢであつても、鉄筋
部材Ｓに極めて簡単に仮止め状に取付けておくこ
とができ、立枠されるコンクリート仮枠Ｐとの固
定までの間の各種作業、例えば鉄筋部材Ｓの組み
上げ、コンクリート仮枠Ｐのセツト等に邪魔にな
ることが全くない。

すなわち、金具主体１自体を二つ折状に押圧す
るとき、主鈑２に存する弾撥力によつて原状に復
原しようとする弾性復帰力が作用し、そのため、
取付部３の内周縁面３Ａが鉄筋部材Ｓに圧着し、
その際、内周縁面３Ａは鉄筋部材Ｓ面に喰い込み
状に圧入するから、金具主体１は鉄筋部材Ｓにし
つかりと固定される。また、その取付位置は任意
に選定できるばかりでなく、一旦取付後にあつて
も弾性復帰力を制限すれば、支持体１０，２０が
金具主体１に結合されて金具主体１の彎曲操作に
は邪魔にならないようになつていることと相俟つ
て取付位置の変更も自由であり、取付作業は簡易
で高所においても安全に施工することができる。

そして、支持体１０，２０は、配線ボツクスＢ
をその底壁３０にて支持して金具主体１に取付け
るとき、連繋爪片１５の折曲係合、あるいは連繋
小ネジ２４のねじ込みによつて簡単に結合するこ
とができ、しかも、連繋爪片１５の係合、連繋小
ネジ２４を貫挿させる小透孔３１は底壁３０にお
ける上下方向、左右方向で各１対ずつ開穿され、
一方、鉄筋部材Ｓは通常格子状に組まれるから、
取付状態は現場においての状況に応じての相対的
な変更が可能で、便利である。

更に、支持体１０，２０には、コンクリート仮
枠Ｐ、配線ボツクスＢの底壁３０を貫挿させた固
着ボルト３５がねじ込まれるネジ孔１３，２２が
設けられているから、固着ボルト３５と結合され
ると、配線ボツクスＢは微動もせずしつかりとコ
ンクリート仮枠Ｐ裏面に当接状に固定されるもの
である。

以上説明したように、この考案によれば、コン
クリート躯体中に各種の配線ボツクスを埋設固定
する際、撓性に富む直埋ケーブルあるいは可橈電
線管等と接続された配線ボツクスを、ぶれたり、
がたつかせたりさせずに鉄筋部材に仮止支持さ
せ、また、これをコンクリート仮枠との間にしつ
かりと固定支持しておくことができ、特に、鉄筋
部材への取付けは極めて簡単で容易に実施できる
と共に、一旦取付後の仮止支持位置の変更も自由
に行なえ、打ち込まれるコンクリート材の衝撃、
荷重によつても簡単に脱離せず、また、構成簡単
で安価に提供できる等の実用上極めて有益な効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は第１の実施例における分解斜視図、第２図は取
付状態の横断面図、第３図は取付後の側面図、第
４図はコンクリート仮枠との固定を表わす一部切
欠側面図、第５図は第２の実施例における分解斜
視図、第６図は第３の実施例における分解斜視
図、第７図はその取付状態の横断面図、第８図は
第４の実施例における分解斜視図である。 Ｂ……配線ボツクス、Ｃ……コンクリート躯
体、Ｐ……コンクリート仮枠、Ｓ……鉄筋部材、
Ｗ……配線資材、１……金具主体、２……主鈑、
３……取付部、３Ａ……内周縁面、５……ビー
ド、６……摘み操作片、７……結合小孔、８……
取付爪片、１０……支持体、１１……収納窪部、
１２……基盤、１３……ネジ孔、１４……連繋
盤、１５……連繋爪片、１６……接合突起、１７
……接合孔、２０……支持体、２１……側壁、２
２……ネジ孔、２３……奥壁、２４……連繋小ネ
ジ、３０……底壁、３１……小透孔、３５……固
着ボルト、３６……ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 弾撥性に富んだバネ鋼の如き素材にて形成さ
   れた略矩形状の主鈑の長手方向両端近傍に、主
   鈑の弾性に抗して彎曲させたときに鉄筋部材が
   貫挿され、主鈑が原状に復原しようとするとき
   に生じる弾性復帰力にて前記鉄筋部材に圧接す
   る内周縁面を有する取付部を設けた金具主体
   と、コンクリート躯体中に埋設される配線ボツ
   クスをその底壁にて支持して金具主体に取付け
   ると共に、コンクリート仮枠を貫挿させた固着
   ボルトがねじ込まれるネジ孔を備えた支持体と
   から成ることを特徴とする埋込用配線ボツクス
   仮止支持金具。 ２ 支持体は、収納窪部がある基盤に、ネジ孔が
   開穿された連繋盤を接合し、基盤に起設した１
   対の連繋爪片を金具主体の中央部に貫挿させ、
   かつ配線ボツクスの底壁外側から係合折曲させ
   るようにした実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の埋込用配線ボツクス仮止支持金具。 ３ 支持体は、金具主体の中央部を彎曲させてお
   き、この中央部自体の反り返り状の弾撥復原力
   によつて、中央部彎曲面外側に対向起設した１
   対のＬ字形の取付爪片にて挟持されている実用
   新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   埋込用配線ボツクス仮止支持金具。 ４ 支持体は、配線ボツクスの底壁内側面に当接
   される縁面を有する互いに対向された１対の側
   壁と、ネジ孔が開穿された奥壁とから断面略溝
   形状に形成されていて、奥壁及び前記底壁を貫
   挿させた連繋小ネジを金具主体の中央部にネジ
   止めさせるようにした実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の埋込用配線ボツクス仮止支持金
   具。