JPH018181Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ジーンズ等のズボン吊用の肩紐など
をその長さを調整できるようにした合成樹脂製の
バツクルであつて、さらに詳しくは、中央部に押
圧部を突設した挿入板を、ベルト取付孔を有する
取付環に連設した雄部材と、挿入口を設けた囲匣
部の表板に、雄部材の押圧部と嵌合係止する係止
窓を穿設し、該囲匣部の下端にベルト取付孔を有
する取付環を連設した雌部材とを、挿入板を囲匣
部に挿入して押圧部を係止窓に係脱自在として嵌
合係止するようにした合成樹脂製のバツクルの改
良に関するものである。

（従来の技術） この種の従来の合成樹脂製バツクルとしては、
特開昭57−164005号公報に開示されているよう
に、雌部材の係止窓に対向する底壁を弾発底とし
て、この弾発底の弾発力で挿入された挿入板の押
圧部を係止窓に嵌合係止する構成としたものが知
られている。

（考案が解決しようとする課題） 上記のように弾発底の弾発力を利用する構成の
バツクルの場合、底面が平滑とならず周枠が形成
され、かつ弾発底は傾斜状態となり、外部に露出
するようになる。

この周枠の形成は、周枠底面が身体に接するた
めに、身体に違和感を与えるだけでなく、痛みを
付与する原因となり、また、弾発底が露出してい
る場合には、これの作用が衣服の一部の潜り込み
等によつて阻害されてバツクルの脱着操作を困難
にし、押圧部に加わる力が傾斜した弾発底に対し
て作用して挿入板に離脱方向の分力を生じ、不用
意に加わる押圧力によつても挿入板が簡単に離脱
する等の欠点がある。

本考案は上記従来の欠点を解消して、使用に際
して違和感や痛みを生ずることなく、不用意に離
脱せず、脱着操作も円滑に実施でき、また衣服等
への角部の引掛りによつて生地に損傷を与えない
ところの合成樹脂製のバツクルを安価に提供する
ことを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、中央部に押圧部５を突設した挿入板
３を、ベルト取付孔２を有する取付環１に連設し
た雄部材Ａと、挿入口８を設けた囲匣部９の表板
１１に、雄部材Ａの押圧部５と嵌合係止する係止
窓１０を穿設し、該囲匣部９の下端にベルト取付
孔１３を有する取付環１２を連設した雌部材Ｂと
を、挿入板３を囲匣部９に挿入して押圧部５を係
止窓１０に係脱自在として嵌合係止するようにし
た合成樹脂製のバツクルにおいて、雄部材Ａの挿
入板３が、押圧部５の挿入方向前後を、押圧部５
の押圧方向に抗して弾発力を有する弾発脚で支持
した形態に一体に形成され、挿入板３自体に弾発
力を具備させたことを特徴とするバツクルを要旨
とするものである。

（実施例） 次に本考案に係るバツクルを実施例に基づいて
説明すると、本考案のバツクルは、第１図乃至第
６図に示したように、ベルト取付孔２を有する取
付環１に挿入板３を連設した雄部材Ａと、該挿入
板３を係脱自在に係止する囲匣部９をベルト取付
孔１３を有する取付環１２に連設した雌部材Ｂよ
りなり、雄雌部材Ａ，Ｂを何れも強靭性の合成樹
脂で一体的に成形してなるものである。

雄部材Ａは、第１図及び第２図に示すように、
ベルト取付孔２を有する取付環１の下端（以下、
上下左右は図面を基準としたものをいう）に、側
面視上略く字状の合成樹脂製薄板からなる挿入板
３を連設し、この連設部を少許厚肉とし、該挿入
板３は、先端部４を少許丸味をもたせ、略矩形の
押圧部５を中央に突設し、この押圧部５の上下に
孔６，６，６，６を穿設した弾発脚を形成してな
るものである。

雌部材Ｂは、第３図及び第４図に示すように、
雄部材Ａの挿入板３を挿入する挿入口８を上部に
設けた囲匣部９の表板１１に、雄部材Ａの押圧部
５と嵌合係止する略矩形の係止窓１０を穿設し、
該囲匣部９の下端にベルト取付孔１３を有する取
付環１２を連設してなるものである。

そして、雄雌部材Ａ，Ｂを何れも強靭性の合成
樹脂で一体的に成形したものである。

なお、雄部材Ａの押圧部５の上下に孔６，６，
６，６を穿設するのは、側面視上略く字状の挿入
板３の弾発脚の弾性力を調整するためである。

次に本考案のバツクルの使用方法について説明
すると、雄部材Ａの挿入板３を雌部材Ｂの挿入口
８に挿入して押込むと、側面視上略く字状の挿入
板(3)の弾発脚は囲匣部９の表板１１と裏板１５に
挟まれた状態となつて、少許弾性変形し、挿入板
３の先端部４は雌部材Ｂの囲匣部９の裏板１５に
沿つて滑動し、同時に、挿入板３の押圧部５の上
面は囲匣部９の表板１１に沿つて滑動し、該押圧
部５の段部７が囲匣部９の端面１４を通過すると
同時に、弾性変形していた弾発脚がその弾性力に
より復元し、押圧部５が係止窓１０に嵌合係止さ
れることにより、雄雌部材Ａ，Ｂが嵌合係止さ
れ、第５図及び第６図に示した状態となる。

この状態から雄雌部材Ａ，ＢのKm³合係止を解除
するには、雄部材Ａの押圧部５を押圧して上方に
ずらすと、押圧部５の段部７と係止部１０の端面
１４との嵌合係止が解除され、同時に、少許挿入
板３が上方にずれ、該押圧部５の上面が表板１１
に接当した状態で静止し、この後、雄部材Ａの取
付環１を引つ張れば、雄部材Ａと雌部材Ｂとは離
れ、雄部材Ａと雌部材Ｂとの嵌合係止は解除され
る。

（考案の作用効果） このように本考案のバツクルは、中央部に押圧
部を突設した挿入板を、ベルト取付孔を有する取
付環に連設した雄部材と、挿入口を設けた囲匣部
の表板に、雄部材の押圧部と嵌合係止する係止窓
を穿設し、該囲匣部の下端にベルト取付孔を有す
る取付環を連設した雌部材とを、挿入板を囲匣部
に挿入して押圧部を係止窓に係脱自在として嵌合
係止するようにした合成樹脂製のバツクルにおい
て、特に雄部材の挿入板が、押圧部の挿入方向前
後を、押圧部の押圧方向に抗して弾発力を有する
弾発脚で支持した形態に一体に形成され、挿入板
自体に弾発力を具備させたから、押圧部が弾発脚
によつて雌部材内で平均的に支持された状態とな
る。このため、押圧部を単に押すだけでは、押し
た方向に変形するだけで離脱方向の力が作用しな
いから、不用意に押圧力が押圧部に作用しても雄
雌部材Ａ，Ｂの嵌合係止が解除できず、使用中に
不用意に雄雌部材が外れることがない。

また雌部材は扁平筒形の単純でスマートな構成
となるため、金型の構造を簡単なものとなつて、
その製作が容易となり、安価なバツクルが提供で
きるとともに、該バツクルは、雌部材材の身体等
に接する部分が平滑となり、使用に際しての接当
状態の違和感や痛みを生ずることがなく、また衣
服等への雌部材角部の引掛りによつて生地に損傷
を与えないものとすることができる。

さらに弾発脚を挿入板自体に形成したから、雄
部材と雌部材の結合状態において弾発脚が外面に
露出せず、従つて、弾発脚の弾力が衣服等の介入
による抵抗によつて阻害されず、嵌合係止操作時
の脱着操作も円滑に実施できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバツクルの雄部材の正面
図、第２図は第１図のＩ−Ｉ線における断面図、
第３図は本考案のバツクルの雌部材の正面図、第
４図は第３図の−線における断面図、第５図
は本考案に係るバツクルの雄雌部材の嵌合係止状
態の正面図、第６図は第５図の−線における
断面図、第７図は本考案のバツクルの使用状態を
示す説明図である。 Ａ……雄部材、Ｂ……雌部材、１……取付環、
２……ベルト取付孔、３……挿入板、４……先端
部、５……押圧部、６……孔、７……段部、８…
…挿入口、９……囲匣部、１０……係止窓、１１
……表板、１２……取付環、１３……ベルト取付
孔、１４……端面、１５……裏板、１６……肩
紐。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に押圧部５を突設した挿入板３を、ベル
   ト取付孔２を有する取付環１に連設した雄部材Ａ
   と、挿入口８を設けた囲匣部９の表板１１に、雄
   部材Ａの押圧部５と嵌合係止する係止窓１０を穿
   設し、該囲匣部９にベルト取付孔１３を有する取
   付環１２を連設した雌部材Ｂとを、挿入板３を囲
   匣部９に挿入して押圧部５を係止窓１０に係脱自
   在として嵌合係止するようにした合成樹脂製のバ
   ツクルにおいて、雄部材Ａの挿入板３が、押圧部
   ５の挿入方向前後を、押圧部５の押圧方向に抗し
   て弾発力を有する弾発脚で支持した形態に一体に
   形成され、挿入板３自体に弾発力を具備させたこ
   とを特徴とするバツクル。