JPH018175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は身体の腹圧によつて簡単にベルト止め
を行なうことができるバツクルに関するものであ
る。

従来のバツクルには、例えばベルト基端部を固
定する固定部材とベルト挾圧歯とをベルトを挿通
するバツクル本体に旋回自在に軸着したものや、
バツクル本体自体にベルト基端部の固定部材を設
けると共に該本体背面の先端に寄せて突子を固設
してベルト剣先部に適宜の間隔を置いて穿孔した
係合孔に上記突子を嵌合係止するもの（いわゆる
ボツクストツプ型）などがあるが、前者のものは
構造が複雑で部品点数が多くなるばかりか、バツ
クル全体が厚くなり体裁も良好とはいえない。ま
た後者のものは旧来の旋回ピン式のものと同様に
ベルト剣先部の係合孔を穿設するので、該孔が使
用により次第に損傷拡大してしまうなど耐用性に
欠ける欠点があつた。

本考案は上記のような従来の欠点に鑑み、ベル
ト孔を穿設する必要がなく、バツクル全体も極め
て扁平に成形することができて体裁も良好であ
り、しかもベルト止めに際しては自分の腹を押圧
すだけで簡単に止着することができるバツクルを
提供するものである。

即ち、本考案のバツクルはベルト剣先挿入口と
反対側に寄せてベルト基端部固定部材を旋回自在
に軸着した断面略コ字形のバツクル本体の両側壁
対向面に上記挿入口に寄せてガイド溝を形成し、
円弧形に湾曲した接触板の基部端面を固定した棒
状体の両端に該棒状体より小径のピンを突出させ
て該ピンを上記両ガイド溝内に摺動自在に嵌合せ
しめ、上記ガイド溝はベルト剣先挿入口へ向かつ
て次第にバツクル本体背面に近付いて行くよう傾
斜させ、上記接触板は上記ピンがガイド溝内のベ
ルト剣先挿入口と反対側端に位置するときにバツ
クル本体の後方へその一部が突出するよう構成し
てなるものである。

次に、本考案の実施例を図によつて説明する。

１は断面略コ字形の扁平なバツクル本体で、身
体腹部にならつて全体をやや湾曲形成してあり、
該本体１内のベルト剣先４ａ挿入口Ａと反対側に
寄せてベルト噛み歯３を基部に連設した旋回自在
のベルト基端部４ｂの固定部材２が設けられてい
る。該固定部材２は板状体であり、その基部両側
が本体両側壁１ａに軸着されていて、該部材２を
本体１背面に向けて旋回させることにより上記ベ
ルト噛み歯３を旋回させてベルト基端部４ｂに噛
み込んで固定するようになつている。

５は一半周面においてその長さ方向に複数条の
凹凸を一様に形成したすべり止め６を設けた棒状
体で、該棒状体５のすべり止め６と反対側面には
棒状体５の長さより細幅の円弧形に湾曲した接触
板７の基部端面を取付固定してある。接触板７の
先端部左右両側には外側に向けて小さな係合片８
が一体に突出形成されており、該係合片８はバツ
クル本体１の両側壁１ａ端縁をさらに内側に折曲
して形成された折曲部１ｂ内側にそれぞれ係合可
能に構成されて該折曲部１ｂから接触板７先端部
がバツクル本体後方外側へ離脱しないようになつ
ている。

９は上記棒状体５の両端に少しく突出した該棒
状体５より小径のピンで、該ピン９はバツクル本
体１の両側壁１ａ対向面のベルト剣先挿入口Ａに
寄せて削設形成したガイド溝１０内に嵌合して該
溝１０内を摺動自在に構成されている。

上記両ガイド溝１０はベルト剣先挿入口Ａへ向
かつて次第にバツクル本体１背面に近付いて行く
よう傾斜し、しかも該溝１０の挿入口Ａと反対部
分はかなり急角度で中間部まで傾斜させてピン９
のバツクル本体１背面へ向けての落込みを容易と
し、その先は挿入口Ａへ向けて次第にゆるやかに
傾斜して行くよう形成されている。

しかして、第３図イに示すようにピン９がガイ
ド溝１０内のベルト剣先挿入口Ａと反対側端に位
置しているときに前記接触板７の中間部がバツク
ル本体折曲部１ｂより外側に突出するよう構成し
ておき、ベルト４の基端部４ｂは前記固定部材２
により固定して、ベルト４を身体に巻付け、その
剣先４ａをバツクル本体１の挿入口Ａから入れ出
口Ｂから出して任意の長さに調節した後、接触板
７と接している身体腹部を押出せば、接触板７が
その腹圧により押圧されることによつてピン９は
傾斜ガイド溝１０内を挿入口Ａ方向へ摺動しなが
ら落込んで行き、これにより棒状体５とバツクル
本体１背面との間隔が狭くなつて行つて棒状体５
のすべり止め部６がベルト４面に圧着することと
なり、該ベルト４が確実に固定されるのである
（第３図ロ）。

本考案のバツクルは以上のように構成され、ベ
ルトを身体に締付けるときに、バツクル本体背部
から突出している接触板を腹圧によつて押圧する
だけで無段階的に所望の長さで簡単にベルトを圧
着固定することができるので操作が極めて簡単で
あり、バツクル全体も従来のものより扁平に成形
することができ、しかもベルト剣先部はベルト基
端部より内側を通つて外側には露出しないので体
裁も良好である等、構造簡単，製作容易にして
種々の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバツクルにおける接触板
部分の斜視図、第２図はバツクル本体部分の斜視
図、第３図イ〜ロは作用説明図である。 符号説明１……バツクル本体、２……固定部
材、３……ベルト噛み歯、４……ベルト、５……
棒状体、６……すべり止め、７……接触板、８…
…係合片、９……ピン、１０……ガイド溝、Ａ…
…ベルト剣先部挿入口、Ｂ……ベルト剣先部出
口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ベルト剣先挿入口と反対側に寄せてベルト基
   端部固定部材を旋回自在に軸着した断面略コ字
   形のバツクル本体の両側壁対向面に上記挿入口
   に寄せてガイド溝を形成し、 円弧形に湾曲した接触板の基部端面を固定し
   た棒状体の両端に突設した小径のピンを上記両
   ガイド溝内に摺動自在に嵌合せしめ、 上記ガイド溝はベルト剣先挿入口へ向かつて
   中間部までは急角度に、その先はゆるやかに次
   第にバツクル本体背面に近付いて行くよう傾斜
   させ、 上記接触板は上記ピンがガイド溝内のベルト
   剣先挿入口と反対側端に位置するときにバツク
   ル本体より内側へその中間部が突出するように
   構成されてなることを特徴とするバツクル。 (2) 前記棒状体の接触板取付面と反対側面は凹凸
   を一様に形成したすべり止めとしてある実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のバツクル。 (3) 前記接触板の先端部左右両側には係合片が一
   体に突出形成され、該係合片は前記バツクル本
   体の両側壁端縁を内側に折曲して形成された折
   曲部内側に係合可能に構成されて上記接触板先
   端部がバツクル本体外側へ離脱しないようにし
   てなる実用新案登録請求の範囲第１項又は第２
   項記載のバツクル。 (4) 前記ベルト基端部固定部材はベルト噛み歯を
   基部に連設した板状体であり、その基部両側は
   バツクル本体両側壁に軸着され、該部材を上記
   バツクル本体背面へ向けて旋回させることによ
   り上記噛み歯がベルト基端部に噛み込んで固定
   するように構成してなる実用新案登録請求の範
   囲第１項、第２項又は第３項のいずれかに記載
   のバツクル。