JPH0157677B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は両端がシヤーシに取着されたプラテン
を有し、印字用紙をドツト印字ワイヤ、活字等の
印字素子により印打して印字を行なうインパクト
プリンタに関する。

〔従来技術〕

この種のインパクトプリンタにおいて、インク
リボン及び印字用紙を介して印字素子により印打
されるプラテンは、一般にゴム系の材質より成る
ラウンドプラテン回転型と金属或いは硬質合成樹
脂系の材質より成るフラツト面固定型との２種類
に大別できる。プラテンが印字素子による印打を
受けた際発生する衝撃は、プラテンがゴム系の材
質より成る場合の方が金属及び硬質合成樹脂系の
材質より成る場合よりもよく吸収されるため、そ
れだけ印字時における衝撃音が小さく騒音防止に
対して有利である。

しかし、ゴム系の材質のプラテンは金属或いは
硬質合成樹脂系の材質のプラテンに比較して硬度
が低いため、印字素子がプラテンに装着された印
字用紙へ印字リボンを介して印打された際、プラ
テン面の弾性により印字素子のキヤラクタが印字
用紙上に正確に再現されず印字品質の低下を招い
ている。よつて、印字品質については金属或いは
硬質合成樹脂系の材質のプラテンの方が有利であ
る。

また、フラツト面固定型のプラテンにおいて
は、ラウンドプラテン回転型のプラテンに比べ印
字素子の印打が集中するため、ゴム系の材質では
耐久性に難があり、金属或いは硬質合成樹脂系の
材質にする必要があり、印字時の騒音が特に問題
となる。

従つて、高印字品質を必要とするフラツト面固
定型のプラテンの場合の騒音対策には防音カバー
の設置やプリンタの使用場所の防音設計などが必
要になり、経費の増大に結びついていた。

印字時の騒音を減らすため、例えば特開昭52−
20122号公報に記載されているように、印字時に
発生する活字搬送体の振動を防振片により消勢す
ることにより騒音を抑えるものがあつた。しか
し、防振片は常にバネ１６により活字搬送体に押
しつけられているため、この防振片が騒音の別の
原因になつたり、防振片や活字搬送体が摩耗する
ため耐久性などの点で問題がある。

〔発明の目的〕

本発明の目的は上記従来の難点を改良し、低コ
ストにて印字時の低騒音化を図り、かつプラテン
の位置決め精度を向上するとともに所期の印打力
を確保し、印字品質に優れるインパクトプリンタ
を提供しようとするにある。

〔実施例の構成〕

以下、第１図乃至第３図を参照して本発明の一
実施例の構成を説明する。

第１図において、ワイヤドツト型の印字ヘツド
１が装着された第１のガイドバー２及び第２のガ
イドバー３の両端が夫々プリンタの一対のシヤー
シ４，５に固着されている。また、プラテン６
は、印字素子によつて印打される面が平坦な所謂
フラツト面固定型のもので、鉄材によつて製作さ
れ、その両端において、第２図及び第３図（印字
用紙７と印字リボン８を省略してある）に示すよ
うにシヤーシ４，５に取り付けられている。即
ち、第２図及び第３図において、プラテン６はそ
の端面に、長手方向外方へ突出した突起９，１０
を有し、その一方の突起１０の印打面と反対側に
印打方向とほぼ直交する面２３を有している。シ
ヤーシ４は、突起９，１０よりも十分大きいプラ
テン取り付け穴１１，１２を有し、一方の穴１２
の一側に印打方向と対向する支持面２４を有して
いる。

プラテン６は、突起９，１０を取り付け穴１
１，１２に夫々間〓を有して嵌合して、シヤーシ
４に支持されているとともに、プラテン６取り付
け用の段ねじ１３によりシヤーシ４の穴１４ａを
介して取着されている。前記穴１４ａの径は段ね
じ１３の段部１５の径よりも大きく、頭部１６の
径よりは小さくなつており、また、段部１５の長
さはシヤーシ４の厚さよりも長くなつている。こ
のため、前記段ねじ１３はプラテン６がシヤーシ
４から外れないようにする効果があるだけであ
り、プラテン６をシヤーシ４に強く締めつけるた
めのものではない。

また、段ねじ１７は、ばね１８の中央部分を支
持している一方、シヤーシ４の穴１４ｂを通して
プラテン６へ取り付けられている。ばね１８は、
両端１９，２０がシヤーシ４のばね取り付け穴２
１，２２に挿入され、その弾性力をプラテン６へ
段ねじ１７を介して伝え、プラテン６を印字ヘツ
ド１が印打する方向（第２図及び第３図にて矢印
で示す）に付勢して突起１０の面２３がプラテン
取り付け穴１２の支持面２４と確実に接して不要
ながたがプラテン６に生じないようにしている。
突起１０は支持面２４から離れる方向には自由に
動くことができる。尚、この段ねじ１７の段部の
径はシヤーシ４に設けられた穴１４ｂの径よりも
小さくなつている。プラテン６の前記とは反対側
（第１図にて左側）の端部も同様にしてシヤーシ
５に取り付けられている。また、プラテン６にお
いて印字ヘツド１による印打を受ける面以外に
は、プラテン６の振動を抑えるための塩化ビニー
ル製の制振材２５が固着されている。

〔実施例の動作〕

上記構成において、次に第１図乃至第３図を参
照してその動作を説明する。

まず、外部から入力された印字データに基づい
て印字ヘツド１が駆動され印字リボン８及び印字
用紙７を介してプラテン６が印打される。このプ
ラテン６は両端をシヤーシ４，５に取り付けられ
てはいるものの、取り付け部分に間〓を有してお
り完全には固着されていない。このため、印字ヘ
ツド１の印打の際の振動のエネルギーはプラテン
６には伝達して行くが、その内の一部はプラテン
６とシヤーシ４，５との間の接合部のがたのため
に消費されシヤーシ４，５に伝達して行く振動の
エネルギーは減少する。また、プラテン６自身の
振動はプラテン６に固着された塩化ビニール製の
制振材２５のために更に低下する。本実施例にお
いては、印字時の騒音は従来のインパクトプリン
タに比べ３〜５デシベル低下した。

また、プラテン６はシヤーシ４の支持面２４に
接していることにより、印字ヘツド１に対する印
打面の位置を精度よく決めることができ、さらに
印打の瞬間において、プラテン６が後退すること
がないため、所期の印打力を確保できるととも
に、印字ムラ等がなく、優れた印字品質を達成で
きる。尚、プラテン６の材質が硬質合成樹脂であ
つても、また制振材は鉛であつても騒音を低下さ
せることができる。また、本実施例ではプラテン
６の突起１０の面２３とプラテン取り付け穴１２
の支持面２４とが確実に接するようにしたが、プ
ラテンを付勢する方向は変えずに、突起９の外側
（図面にて右側）の面とプラテン取り付け穴１１
内の右側の面とが確実に接するようにしても同様
な効果が得られる。

〔発明の効果〕

以上に詳述した通り、本発明に係るインパクト
プリンタは、金属或いは硬質合成樹脂径のプラテ
ンを使用しても、印字素子の印打によるプラテン
の振動がプラテンを支持しているシヤーシにその
まま伝達してしまうことを抑制するため、プリン
タ全体から生じるビビリ音等を含む印字時の騒音
を低減することができる。

また、印打方向と対向する支持面にプラテンが
当接するように弾性部材により常時押圧している
ため、プラテンの位置が精度よく決められ、かつ
所期の印打力を確保できるとともに印字ムラのな
い優れたプリンタを提供することができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はインパクトプリンタの主要な部分を示
す概略斜視図、第２図は本発明の一実施例のプラ
テン支持部を分解して示す部分拡大斜視図、第３
図はプラテンとシヤーシとの組付状態を一部破断
して示す拡大平面図である。 図中、１は印字ヘツド、４，５はシヤーシ、６
はプラテン、１３，１７は段ねじ、１８はばね、
２４は支持面である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両端が一対のシヤーシに取着されたプラテン
   に装着された印字用紙を印字素子によつて印打す
   ることにより印字を行なうインパクトプリンタに
   おいて、 前記一対のシヤーシに、印字素子を印打する方
   向と対向する支持面２４をそれぞれ設け、前記プ
   ラテンの両端を、前記支持面に当接させるととも
   にその支持面から離れる方向には自由になるよう
   に、前記プラテンを支持面に向けて常時押しつけ
   る弾性部材を設けたことを特徴とするインパクト
   プリンタ。 ２ 前記プラテンは、印字素子によつて印打され
   る面が平坦な金属性材料にて形成されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載のインパ
   クトプリンタ。