JPH01502984A - 硫黄含有ホウ酸エステル - Google Patents

Abstract

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Description

【発明の詳細な説明】 ６３　含　ホウ　エステル 本発明は硫黄含有ホウ酸エステル、及び潤滑組成物、特に自動車及びトランク用 のクランクケース潤滑剤に於けるそれらの使用に関する。

本発明のエステルは広範囲の油性組成物に於いて酸化防止剤及び／または些蝕抑 制剤及び／または耐摩耗添加剤及び／または摩擦改質剤として使用し得る。米国 特許第４４４０６５６号、同第３０３０１９６号、同第３７１１４１２号、同第 ２８６６８１１号及び国際特許出願公開第８６０６０９２号に開示されるように 、種々のホウ酸エステルが腐蝕抑制剤及び／または耐摩耗添加剤の如き潤滑剤添 加剤として使用されてきたが、これらのホウ酸エステルの幾つかはそれらの加水 分解する傾向のため取り扱い難い、リンの量は典型的には０．１％程度であった が、幾つかの用途についてはリンの量を０．０５重量％未満にするか、あるいは リンを全く除去することが望ましい、しかしながら、亜鉛ジアルキルジチオホス フェート（ＺＤＤＰと称される）及びその他のリン含有添加剤が耐摩耗添加剤及 び／または酸化防止剤添加剤として広く使用されており、このような成分を単に 減少または除去することは貧弱なエンジン性能をもつ潤滑剤をもたらす。

本発明のエステルはＺＤＤＰの全部または一部を置換するためにこのような低リ ン潤滑剤に有用であり得る。

欧州特許出願公開第２４１４６号は無灰分散剤及び／またはポリマーの粘度指数 向上剤分散剤及びジチオカルバメートの形態であってもよい銅を含有する潤滑剤 組成物を開示するが、この特許は亜鉛及び０．０１〜０．５重量％のリンの存在 を必要とする。ホウ酸エステルは任意成分である。

欧州特許出願公開第８９８４４号は４．４′−メチレンビス（２゜６−ジーｔ− ブチルフェノール）とトリー５ｅｃ−Ｃａ−１ｔアルキルオルトボレートとの反 応生成物及び潤滑剤に於けるそれらの使用を記載している。

米国特許第４４９０２６５号、同第４６２７９３０号及び同第４６２３４７４号 は、金属塩の形態であり得るホウ素含を複素環式化合物を含む潤滑油を記載して いる。

スウェーデン特許第４９７２９１号はダーウェント・アブストラクト（Ｄｅｒｗ ｅｎｔ　Ａｂｓｔｒａｃｔ）　ｍ３７５９２Ｙ／２１に於いて式Ｒ＋５ＣＨｚＯ Ｂ（ＯＲｚ）　！（式中、Ｒ８はアルキルまたはアリールでありＲ２はアルキル である）の混合された硫黄含有オルトホウ酸エステルを潤滑剤添加剤として記載 すると報告されている。

米国特許第４４６５６０５号は摩擦減少添加剤または酸化防止剤添加剤としてホ ウ素化合物で処理されたトリヒドロキシヒドロカルビルスルフィドを記載してい る。米国特許第４４９２６４０号はエンジンの摩擦及び燃料消費を減少するため の長鎖アルコールとトリヒドロキシヒドロカルビルスルフィドとのホウ素化合物 で処理された混合物を記載している。

ホウ素を含有するが硫黄を含まない化合物を生成するための、潤滑剤添加剤とし てのホウ素化合物で処理されたヒドロキシ−置換芳香族化合物が米国特許第４３ ７０２４８号、同第４３７４０３２号、同第４４０６８０２号及び同第４４７８ ７３２号に記載されている。

本発明は、最新の油要求に適し減少量または零量のリンを含み多量及び／または 高価な形態の酸化防止剤及び付加的な耐摩耗剤添加剤を必要としない潤滑剤用の 硫黄含有ホウ酸エステルを提供することを目的とする。

一面に於いて、本発明は次式の硫黄含有ホウ酸エステル、及びそれらの混合物及 びポリマー形態を提供する。

（式中、夫々のＲは必要により一種以上のＸＲ’基で置換されたヒドロカルビル 基であり、または一つのホウ素に結合された２個のＲ基が基−（Ｒ’　、Ｃ）、 −を表わし、Ｘは１〜４であり、夫々のｎは１〜６であり、夫々のｍは２〜４で あり、夫々のＲ′は水素、−ＸＲ’基または必要により一個以上の−ＸＲ’基で 置換されたヒドロカルビル基であり、Ｘはｏ、ｓまたはＮＲ’であり、または２ 個のＲ′基が一緒に脂環式若しくは複素環式の環を形成し、Ｒ’　ハ水素、Ｉ＝ 　ｌ’ロカルビル基またはヒドロカルビルカルボニル基である） ヒドロカルビル基はアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルカリール基ま たはアラルキル基であってもよい。オレオイル基及び線状の長鎖アルキル基のよ うな基の存在は、改良された摩擦性能を与え得るので幾つかの用途には望ましい 。

好ましい面に於いて、置換基Ｒの夫々の対は−（Ｒ’　１−ｃ）、−基を表わし Ｒ′は水素、アルキル基、またはエステル化ヒドロキシ基、即ちヒドロカルビル カルボキシ基（Ｘ＝Ｏ；　Ｒ’　＝ヒドロカルビルカルボニル）、好ましくはア ルキルカルボキシ基である。２個のＲ′基が一緒に脂環式または複Ｓ環式の環を 形成する場合には、これはそれ自体が例えばヒドロカルビル基で置換されてもよ いオキサゾリンまたはイミダシリンであることが好ましい。

整数ｎは好ましくは２〜４であり最も好ましくは２である。整数Ｘは２であるこ とが非常に好ましく、その結果化合物はジスルフィド誘導体である。Ｒが−（Ｒ ’　ＣＩ＋）、−基を表わす場合には、整数ｍは３であることが非常に好ましい 。かくして、極めて好ましい類の化合物は次式の化合物である。

（ｎ） （式中、夫々のＲ′は水素、アルキル基、ヒドロキシ基及びアルキルカルボキシ 基から独立に選ばれることが好ましい）特に好ましい化合物は次式の化合物であ る。

（式中、Ｒａはオレオイル基である） 別の好ましい群の化合物は夫々のＲが好ましくは１〜２０個の炭素原子を有する アルキル基である化合物である。

本発明の化合物は、望ましくない加水分解の危険性を減少するために分散剤（後 述される）と−緒に濃厚物として貯蔵されるのが便利である。

一般式Ｉの化合物は、 一般式＋１０（ＣＩ＋、）、−Ｓ、−（ＣＨ，）、０１１　（Ｖｌ）のジヒドロ キシアルキルスルフィドを一種以上の適当なアルコールＲＯＨまたは式１１０　 （Ｒ’　−ＣＩ＋）　、０１１のジオール及びホウ酸と反応させることにより調 製し得る。この反応は一般に２０℃から反応混合物の沸点までの温度に加熱する ことを必要とする。通常の沸点よりも高い温度が必要とされる場合には、反応容 器が加圧されてもよい。好ましくは、トルエンが反応混合物中に使用されて共沸 混合物として水を除去し、次いで反応温度は典型的には１２０℃〜１４０℃に達 する。

かくして、一般式■の好ましい化合物を調製するために、ジヒドロキシジエチル ジスルフィド（ＤＨＤＳと称される）がホウ酸及びブタン−１，３−ジオールと 反応させられる。同様に、一般式■の化合物を調製するためには、ジオールは２ −メチル−ペンタン−２，４−ジオールであり、一方一般式■の化合物を調製す るために２−メチル−ペンタン−２，４−ジオール及びグリセリルモノオレエー トがそれぞれホウ酸及びＤＨＤＳとの反応に於いて使用される。この後者の調製 は摩擦改質剤の性質を分子中に導入するのに有利である。

上記の方法に使用するための−ＸＲ’Ｗ換基を含むアルコール及びジオールの例 はヒドロキシアルキルスルフィド及びチオグリセロールである。

複素環を含むジオールの例は、トリス（ヒドロキシメチル）−アミノメタンをカ ルボン酸と反応させることにより調製されるような置換オキサゾリンまたはヒド ロキシアルキルもしくはヒドロキシアルケニルヒドロカルビルイミダシリンであ る。

また本発明は潤滑剤、動力伝達装置用流体または燃料として使用するための油性 組成物に於ける新規な硫黄含有ホウ酸エステルの使用に関し、かくして多量の油 及び少量の本発明の化合物を含む上記の組成物を提供する。特に本発明は本発明 の化合物を含む潤滑組成物に関する。このような組成物は好ましくは一般式Ｉの 化合物を０．０１〜ｌＯ重量％、更に好ましくは０．１〜５重量％含有する。

別の面に於いて、本発明は多量の潤滑油、５〜５００ｐｐｍ（重量基準）の油溶 性形態で存在する添加鋼、一種以上の一般式Ｉの化合物を含む低リン潤滑剤組成 物を提供し、上記の低リン組成物は好ましくは０．０５重量％未満のリンを含有 し、更に好ましくは０．０１重量％未満のリンを含をし、最も好ましくは実質的 にリンを含まない。

本発明の特に好ましいＢ様に於いて、潤滑剤組成物はまた油溶性硫黄含有化合物 及び／または一種以上の無灰分散剤及び／または一種以上の支持（ｂｅａｒｉｎ ｇ）腐蝕抑制剤及び／または一種以上の粘度指数向上剤分散剤及び／または過塩 基のカルシウムもしくはマグネシウムスルホネートもしくはフェネートの如き耐 酸剤及び防錆剤として作用する一種以上の過塩基添加剤を含む。

銅は上記の特定量で酸化防止剤として作用する。不当に低い濃度では酸化防止効 果が或種の用途に充分ではないことがあり、一方不当に高い濃度では灰の量が増 加される０組成物中の添加鋼の量は１０〜２００ｐｐｍ、例えば６０〜２００ｐ Ｈｍであることが好ましい。

本発明の化合物、少量の油溶性銅化合物及び極めて少量または重量のリンを含む 本発明の組成物が最新のエンジン試験の厳しい要求につき充分な酸化防止及び耐 摩耗性能を与える能力は驚くべきものである。銅は多くの状況で酸化促進削また は触媒として作用することが知られており、コバルト及びクロムのような密に関 連する金属は有効な潤滑剤酸化防止剤ではない、欧州特許出願公開第２４１４６ 号は夫々少なくとも０．０１重量％のリン及び亜鉛の存在を教示している。

また、銅化合物が、固有の酸化促進活性を有する亜鉛化合物及びカルシウムもし くはマグネシウム過塩基添加剤の如きその他の金属化合物を含み得る組成物中で 、有効に作用することは驚くべきことである。

本発明に於いて酸化防止剤として使用される銅化合物は、銅化合物が実質的にリ ンを含まないことを条件として欧州特許出願公開第２４１４６号に潤滑剤に好適 なものとして記載されたものがら選、ばれてもよい。

かくして、銅は合成または天然のカルボン酸の油溶性銅塩として油中にブレンド されてもよい、好適なカルボン酸の例はステアリン酸またはパルミチン酸の如き Ｃ１゜〜Ｃ１ｌ脂肪酸、オレイン酸の如き不飽和酸、分子量２００〜５００のナ フテン酸、ネオデカン酸または２−エチルヘキサン酸の如き分岐カルボン酸、及 びポリアルケン置換コハク酸、例えばオクタデセニルコハク酸、ドデセニルコハ ク酸及びポリイソブテニルコハク酸の如きアルキルもしくはアルケニル置換ジカ ルボン酸を含む。

銅は一般式（ＲＯ（Ｒ’　０）ＰＳＳ）　＊Ｃｕの油溶性銅ジチオホスフェート または一般式（ＲＲ’　ＮＣ５５）　、Ｃｕの銅ジチオカーバメートとして油中 にブレンドされてもよく、ここでれは１または２であり、Ｒ及びＲ′はアルキル 基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルカリール基及びシクロアル キル基の如き１〜１８個、好ましくは２〜１２個の炭素原子を含有する同種もし くは異種のヒドロカルビル基である。また銅のスルホネート、フェネート及びア セチルアセトネートが使用されてもよい。

また、銅は最終の潤滑剤組成物中で銅が油溶性化合物の形態であることを条件と して油不溶性形態で油中に導入されてもよい。

“添加鋼（ａｄｄｅｄ　ｃｏｐｐｅｒ）　”という用語は使用中に例えば銅含有 成分の摩耗または腐蝕により油中の銅の蓄積の結果として油中に存在する銅を排 除することが意図される。

また、本発明の潤滑剤組成物は付加的な油溶性硫黄化合物を含有してもよい、こ のような化合物の一つの好ましい類は、好ましくは式（Ｒ１１’ＮＣ５５）、、 Ｍ　（式中、Ｒ，Ｒ’及びｎは前記のとおりであり、Ｍは亜鉛、モリブデンまた は（上記の）銅の如き好適な金属またはヒドロカルビル基である）のジチオカー バメートである。

好ましいジチオカーバメートはシアミルジチオカーバメートの如く好ましくは２ 〜１２個の炭素原子を含有するジアルキルジチオカーバメートである。特に好ま しい化合物は亜鉛シアミルジチオカーバメートである。

また硫黄はメルカプチド、特に脂肪族メルカプタンのメルカプチド、硫化オレフ ィン、硫化ディールス−アルダ−付加物（例えば米国特許第３６３２５６６号、 同第３４９８９１９号及び米国特許Ｅ−２７３３１号）及び特に硫化不飽和アル コール及び鯨油代替物の如きエステルを含む硫化不飽和有機化合物、ジー及びポ リスルフィドを含むスルフィド、チオエーテル、チオフェノール、キサンテート 、硫化エステル、チオエステル、チオアミド、ベンゾチアゾール及び特にメルカ プトベンゾチアゾールの如きチアゾール及びチアジアゾールとして導入されても よい。

潤滑鉱油は硫黄を含有し、一方合成油は硫黄を含まなくてもよく、その結果硫黄 含有化合物として添加される硫黄の量は基油、潤滑組成物中のその他の成分の硫 黄含量、及び所望される硫黄の合計量（これは好ましくは合計硫黄として０．５ 〜１．０重量％より大きい）に応じて変化する。本発明の潤滑剤組成物は好まし くは０．５〜０．７重量％の合計硫黄、最も好ましくは０．１〜０．５重量％の 、油溶性硫黄含有化合物として添加される硫黄を含む。また、それらは亜鉛を含 有してもよく、その場合には好ましくは０．０１〜０．５重量％の亜鉛、さらに 好ましくは０．０５〜０．２重量％の亜鉛を含む。

付加的な支持（ｂｅａｒ　ｉｎｇ）腐蝕抑制剤が存在してもよい。これはＣＩ／ ｒ’ｂ支持物の如き支持物の腐蝕抑制作用で有効な腐蝕抑制剤である。支持腐蝕 抑制剤の例はホウ酸エステル、特に式ＩＩ　（ＯＲ＞、、（１口）２Ｂ−０−Ｂ （口Ｒ）２または（Ｒ口Ｂ口）、（式中、Ｒは置換もしくは無置換のアルキル基 、アリール基またはアラルキル基である）のホウ酸エステル及びこれらの混合物 である。

代替物として、チアジアゾールメルカプタン、特に５〜５０個の炭素原子を含む チアジアゾールポリスルフィド、その誘導体またはポリマーが支持腐蝕抑制剤と して使用されてもよい。好ましい物質は米国特許第２７１９１２５号、同第２７ １９１２６号及び同第３０８７９３２号に記載されたような１．３．４−チアジ アゾールポリスルフィドである。アモコ（八ｃｏｃｏ）　１５０として市販され る化合物２．５−ビス（ｔ−オクタジチオ）−１，３，４−チアジアゾールまた はアモコ１５８として入手し得る２、５−ビス（ノニルジチオ）−１，３，４− チアジアゾールが特に好ましい。また、好適なその他の同様の物質が米国特許第 ３８２１２３６号、同第３９０４５３７号、同第４０９７３８７号、同第４１０ ７０５９号、同第４１３６０４３号、同第４１８８２９９号及び同第４１９３８ ８２号に記載されている。エステル、ハロゲン化カルボン酸との縮合生成物、ア ルデヒド及びアミンとの反応生成物、アルコールまたはメルカプタン、アミン塩 、ジチオカーバメート、無灰分散剤との反応生成物（例えば米国特許第４１４０ ６４３号及び同第４１３６０４３号）及びハロゲン化硫黄及びオレフィンとの反 応生成物の如き１，３．４−チアジアゾールメルカプタンの誘導体が使用されて もよい。

これらの物質は潤滑剤組成物の０．０１〜１０重量％、更に好ましくは０．１〜 ５．０重量％の量で存在してもよい。

好ましい面に於いて、潤滑組成物は更に（Ａ）（ｉ）長鎖炭化水素置換モノ及び ジカルボン酸またはそれらの酸無水物の油溶性塩、アミド、イミド、オキサジノ ン及びエステルまたはこれらの混合物、 （ｉｉ）直接結合されたポリアミンを有する長鎖脂肪族炭化水素、及び （ｉｎ　）モル比率の長鎖炭化水素置換フェノールを１〜２．５モルのホルムア ルデヒド及び０．５〜２モルのポリアルキレンポリアミンと縮合することにより 生成されたマンニッヒ縮合生成物であって、上記の長鎖炭化水素基がＣ２〜Ｃ， モノオレフィンのポリマーであり、そのポリマーが７００〜５０００の分子量を 有するマンニッヒ縮合生成物 から好ましくは選ばれた無灰の窒素またはエステル含有分散剤化合物である無灰 分散剤化合物１〜１０重量％、及び／または（Ｂ）＋ａ）ビニルアルコールの０ ４〜Ｃ１，不飽和エステＪＬ４）’、：ハＣ＝〜Ｃ１１１不飽和モノ−またはジ −カルボン酸と４〜２０個の炭素を有する不飽和窒素含有モノマーとを含むポリ マー、（ｂｌｃよ〜Ｃ３゜オレフィンと、アミン、ヒドロキシアミンまたはアル コールで中和された不飽和Ｃ３〜Ｃ９゜モノ−またはジ−カルボン酸とのポリマ ー、及び （Ｃ）エチレンとＣ１〜Ｃ１゜オレフィンとのポリマーであって、それに０４〜 Ｃよ。不飽和窒素含有モノマーをグラフト化するか、あるいはポリマー主鎖に不 飽和酸をグラフト化しついで該カルボン酸基をアミン、ヒドロキシアミンまたは アルコールと反応させることにより更に反応させられた上記ポリマーを含み得る 窒素またはエステル含有ポリマーの粘度指数向上剤分散剤０．３〜１０重量％を 含む。

窒素含有分散剤添加側はクランクケースモーター油用スランジ分散剤として当業 界で知られるもの、例えば米国特許第３２７５５５４号、同第３５６５８０４号 、同第３４４２８０８号、同第３４４２８０８号、英国特許第９８３０４０号ま たはベルギー特許第６５８２３６号に示されたものである。

最も普通に使用される分散剤は、米国特許第３２０２６７８号、同第３１５４５ ６０号、同第３１７２８９２号、同第３０２４１９５号、同第３０２４２３７号 、同第３２１９６６６号、同第３２１６９３６号及びベルギー特許第６６２８７ ５号に記載された、アルケニル無水コハク酸、例えばポリイソブテニル無水コハ ク酸とアミンとを反応させることにより生成されたものである。

また無灰分散剤は、例えば米国特許第３５２２１７９号に調製されたような、長 鎖炭化水素置換カルボン酸と一価及び多価アルコールまたはフェノール及びナフ トールの如き芳香族化合物のようなヒドロキシ化合物とから誘導されたエステル であってもよい。

上記の長鎖炭化水素置換カルボン酸のいずれかと反応させて分散剤を生成し得る ヒドロキシアミンは、２−アミノ−１−ブタノール、２−アミノ−２−メチル− １−プロパツール、ｐ−＜β−ヒドロキシエチル）−アニリン、２−アミノ−１ −プロパツール、３−アミノ−１−プロパツール、２−アミノ−２−メチル−１ ゜３−プロパンジオール、２−アミノ−２−エチル−１，３−プロパンジオール 、Ｎ−（β−ヒドロキシ−プロピル）−Ｎ’−（β−アミノエチル）−ピペラジ ン、トリス（ヒドロキシメチル）アミノ−メタン（またはトリスメチロールアミ ノメタンとして知られる）、２−アミノ−１−ブタノール、エタノールアミン、 β−（β−ヒドロキシエトキシ）−エチルアミン等を含む、これらのアミンの混 合物または同様のアミンがまた使用されてもよい。

好ましい分散剤はポリイソブテニル無水コハク酸とポリエチレンアミン、例えば テトラエチレンペンタミン、ポリオキシエチレンアミン、及びポリオキシプロピ レンアミン、例えばポリオキシプロピレンジアミン、トリスメチロールアミノメ タン及びペンタエリスリトール、及びこれらの組合せとから誘導されたものであ る。一つの特に好ましい分散剤の組合せは、米国特許第３８９４７６３号に記載 されているように（Ａ）ポリイソブテニル無水コハク酸と（Ｂ）ヒドロキシ化合 物、例えばペンタエリスリトール、（Ｃ）ポリオキシアルキレンポリアミン、例 えばポリオキシプロピレンジアミン、及び（Ｄ）ポリアルキレンポリアミン、例 えばポリエチレンジアミン及びテトラエチレンペンタミンとの組合せであって（ Ａ）１当量当り約０．０１〜約４当量の（Ｂ）及び（Ｄ）、及び約０．０１〜約 ２当量の（Ｃ）を使用する組合せを伴なう、別の好ましい分散剤組合せは米国特 許第３６３２５１１号に記載されているように（Ａ）ポリイソブテニル無水コハ ク酸と（Ｂ）ポリアルキレンポリアミン、例えばテトラエチレンペンタミン及び （Ｃ）多価アルコールまたはポリヒドロキシ置換脂肪族−級アミン、例えばペン タエリスリトールまたはトリスメチロールアミノメタンとの組合せを伴なう。

アルケニルコハク酸のポリアミン型分散剤は、一般に米国特許第３０８７９３６ 号及び同第３２５４０２５号に教示されているように、アシル化窒素化合物１モ ル当り０．１〜１０原子比のホウ素を与える量の酸化ホウ素、ハロゲン化ホウ素 、ホウ酸及びホウ酸のエステルの如きホウ素化合物で更に変性されてもよい。ま た米国特許第４１１３６３９号に記載されたもののような分散剤の混合物が使用 し得る。

油はこれらの分散剤を１．０〜１０重量％、更に好ましくは２．０〜７．０重量 ％含有してもよい。

分散性は０．３〜１０％のポリマーの粘度指数向上剤、例えばアルキルメタクリ レートとＮ−ビニルピロリドンまたはジメチルアミノアルキルメタクリレートと のコポリマー、アルキルフマレート−酢酸ビニルＮ−ビニルピロリジンコポリマ ー、米国特許第４１４９９８４号に記載されるような無水マレイン酸の如き活性 モノマーで後グラフト化されたエチレン−プロピレンのインターポリマー（これ はアルコールまたはアルキレンポリアミンで更に反応させられてもよい）、また はアルコール及びアミンと後反応させられたスチレン／無水マレイン酸ポリマー 、米国特許第３７０２３００号に記載されるようなアクリレートポリマーのエト キシル化誘導体により与えられてもよい。

マグネシウム及び／またはカルシウムを含有する添加剤がしばしば単独で、ある いはナトリウム添加剤の如きその他の金属添加剤と組合せて潤滑組成物中に含ま れる。これらは例えばスルホン酸、アルキルフェノール、硫化アルキルフェノー ル、アルキルサリチレート、ナフチネート、及びその他の油溶性モノ−及びジ− カルボン酸の金属塩として存在してもよい。

高度に塩基性のアルカリ土類金属アルカリールスルホネートが、一般に、例えば 米国特許第３１５００８８号及び同第３１５００８９号に於いて知られている。

本発明の目的には、好ましいアルカリ土類金属スルホネートは３００〜４００の 範囲の総塩基価（ｔｏｔａｌ　ｂａｓｅｎｕｍｂｅｒｌＡＳＴＭ　Ｄ　２８９６ の操作により測定され、ＴＢＮと称される）を有するマグネシウムまたはカルシ ウムアルキル芳香族スルホネートである。

またアルキル置換サリチル酸もしくはナフテン酸またはこれらのいずれかもしく は両者とアルキル置換フェノールとの混合物から容易に誘導されるメチレン及び 硫黄架橋物質の如き多価金属アルキルサリチレート及びナフチネート物質が使用 されてもよい。

塩基性硫化サリチレート及びそれらの調製法が米国特許第３５９５７９１号に示 されている。

硫化金属フェネートは１フエノールスルフイドの金属塩”と考えることができ、 かくしてこれは 一般式 （式中、ｘ＝１または２、ｎ＝０．１または２）により代表される化合物または Ｒがアルキル基でありｎ及びＸが夫々１〜４の整数であり全てのＲ基中の炭素原 子の平均数が油中の充分な溶解性を確保するために少なくとも約９であるポリマ ー形態の上記化合物の中性または塩基性の金属塩を云う０個々のＲ基は夫々５〜 ４０個、好ましくは８〜２０個の炭素原子を含んでもよい、その金属塩は、硫化 金属フェネートに所望の塩基度を付与するのに充分な量の金属含有物質とアルキ ルフェノールスルフィドとを反応させることにより調製される。

硫化アルキルフェノールは、該フェノールを中和するのに充分な量、所望により 当業界で公知の操作により所望の塩基度にその生成物を過塩基化するのに充分な 量の酸化物、水酸化物及び錯体を含む金属含有物質との反応により変換されても よい、金属のグリコールエーテル溶液を用いる中和方法が好ましい。

上記の如きマグネシウム及びカルシウム含有添加剤は、その他の点で有益である が、潤滑油が酸化する傾向を増大することがある。これは特に高度に塩基性のス ルホネートにあてはまる。

それ故、好ましい態様に従って本発明は２〜８０００ｐｐｍのカルシウム及び／ またはマグネシウムを更に含むクランクケース潤滑組成物を提供する。

マグネシウム及び／またはカルシウムは一般にスルホネート及びフェネートの如 き塩基性または中性の洗浄剤として存在し、好ましい添加剤は塩基性のマグネシ ウムもしくはカルシウムのスルホネートである。油はこのような添加剤から５０ ０〜５０００ｐｐｍのカルシウム及び／またはマグネシウムを含むことが好まし い。

本発明のこれらの組成物は代替物としてまたはその他の成分としてその他の同様 な金属含有洗浄剤添加剤、例えばバリウム、ナトリウム、カリウムまたはリチウ ムを含有する洗浄剤添加剤を含んでもよい。

潤滑剤組成物に使用される潤滑油は、潤滑鉱油もしくは合成潤滑油またはこれら の混合物であってもよい、好適な合成油はジ（２−エチル−ヘキシル）セバケー ト、アゼレート及びアジペートの如きジエステル油ニジカルボン酸、グリコール 及び−塩基酸またはｍ個アルコールから生成されたもののような複雑なエステル 油；シリコーン油；スルフィドエステル；有機カーボネート；炭化水素油及び当 業界で公知のその他の合成油を含む０本発明は特に潤滑鉱油に有用であり、現在 使用されている原料基油より劣る酸化防止性を有する原料基油の使用を可能にす ることができるという追加の利点を有している。

本発明の潤滑組成物は、その他の伝統的な潤滑剤添加剤、例えばオレイン酸及び その誘導体、例えばＮ−オレイルサルコシン及びオレイン酸二量体及び二量体、 レシチン、ソルビタンモノオレエート、ドデシル無水コハク酸またはエトキシル 化アルキルフェノールの如き防錆剤、酢酸ビニルとヤシ油アルコールのフマル酸 エステルとのコポリマーの如き流動点降下剤、ホスファイト、及びオレフィンコ ポリマーまたはポリメタクリレートの如き粘度指数向上剤を含有してもよく、通 常は含有する。

銅を含まない油に於いて、亜鉛ジアルキルジチオホスフェートの他にその他の酸 化防止剤が、油の酸化安定性を改良するために時々必要とされる。これらの補充 の酸化防止剤は特に原料基油が貧弱な酸化安定性を有している時に含まれ、補充 酸化防止剤は典型的には０．５〜２，５重量％の量で油に添加される。使用され る補充酸化防止剤はフェノール、ヒンダードフェノール、ビス−フェノール、及 び硫化フェノール、カテコール、アルキル化カテコール、及び硫化アルキルカテ コール、ジフェニルアミン及びアルキルジフェニルアミン及びフェニル−１−ナ フチルアミン及びそのアルキル化誘導体を含む。

少量の銅の含をは一般にこれらの補充酸化防止剤に対する要求を除り、シかしな がら、実質的にリンが補充酸化防止剤により導入されないことを条件として、補 充酸化防止剤が特にその存在が有利であり得る苛酷な条件下で作用する油に含ま れることは本発明の範囲内にある。

潤滑油用添加剤は一般に正味（ｂｕｌｋ）潤滑剤への混入のため油に濃厚物とし て供給される。それ故、本発明は１〜１０重量％の一般式■の化合物、及び好ま しくはまた＋１１０．００５〜２重量％の銅、及び必要により（２）１〜５０重 量％の付加的な油溶性硫黄含有化合物、及び／または ＋３１　０．１〜２０重量％の付加的な支持腐蝕抑制剤、及び／または１４）　 （ａ）　０〜６０重量％、例えば１０〜６０重量％の無天分散剤化合物、 （ｂｌｏ〜４０重量％、例えば３〜４０重量％のポリマーの粘度指数向上剤分散 剤（粘度指数向上剤を別個に添加することが通常であるが） からなる群から選ばれた分散剤 を含有する油溶液を含む濃厚物を提供する。

また該濃厚物は前記の洗浄剤及び粘度指数向上剤の如きその他の添加剤を含んで もよい、また特に好ましい濃厚物はマグネシウム及び／またはカルシウムを含有 する添加剤を含み、従って本発明は更に０．００２〜８重量％のカルシウム及び ／またはマグネシウムを含む濃厚物を提供する。

以下に実施例を挙げて本発明の成る面を更に詳細に示す、これらの実施例は説明 のためのみに示されるものである。

１び虻ｌ 以下の比較例及び本発明の実施例に於いて、表１に示された組合せ及び添加剤の 量を用い潤滑組成物に好適な０．３重量％の硫黄を含む希釈油である残部を用い て配合物を調製する。使用される添加剤は以下のとおりである。

Ａは２１％の多官能性エチレン−プロピレンコポリマーを含み０．２９重量％の 窒素含量を含む油溶液を含む分散剤ν、■、添加剤である。

Ｂは約９５０の分子量をもつポリイソブテニル基を有し１．６重量％の窒素含量 及び０．３５重量％のホウ素含量を含むホウ素化合物で処理されたポリイソブテ ニルスクシンイミドの５０重量％の油溶液を含む無灰分散剤である。

ＣはＴＢＮ４００及び９．２重量％のマグネシウム含量を有する過塩基のマグネ シウムスルホネートの油溶液である。

Ｄは４重量％の銅を含有するオレイン酸銅の油溶液である。

本発明の配合物に於いて、式■の化合物が使用される。

配合物は下記の標準試験で試験された。

カム及びリフターの重量損失（■）に関するＣＥＣリグ試験（ＣＥＣＲ４ｇ　ｔ ｅｓｔ）は、標ｍｃＥｃかき傷試験操作ＣＥＣＬ、３ｌ−Ｔ８１に従ってペグ付 （ｐｅｇｇｅｄ）　Ｅ　Ｎ　３２　Ｂ　ＭＡタペット及び高周波焼入れ鋳鉄カム を用いて行なわれる。

これらの結果は本発明が実質的にリンの不在下であっても耐摩耗性能に於いて驚 くべき利点を与えることを示す。

ｌ−工 実施例：　比較例１　実施例１ 添加剤（重量％） Ａ　８．５　８．５ Ｂ　３．０　３．０ ＣＥＣリグ−カム及びリフター の重量損失（■）　６２２９　３９ 硫黄含量（％）　０．３３　０．６７ 銅　含量（％）　０．０１２　０．０１２リン含量（％）００ ホウ素含量（％）　０．０１　０．１２調製１ ２−メチル−ベンクン−２，４−ジオール１１８ｇ、ホウ酸６１．８ｇ、ジヒド ロキシ−ジエチルジスルフィド７７．２　ｇ及びトルエン１３７ｇをディーン・ アンド・スターク（Ｄｅａｎ　ａｎｄ　５ｔａｒｋ）トラップを用いて還流し水 ６１ｍｊ！を除去し、その間温度は９０℃から１３０℃に上昇した。ついでトル エンを留去し、式■の生成物を減圧下でストリフピングにより華離した。

去叉孤　肚夏至 分析　ホウ素（％）　５．３　５．５ 里髪主 同様の操作を用いて、ブタン−１，３−ジオール１２１．３ｇ、ホウ１１２８２ ．４　ｇ、ジヒドロキシエチルジスルフィド１０２．６ｇ及びトルエン１０７ｇ をディーン・アンド・スターク装置を用いて還流下に加熱し水（８３ｍｌ、計算 値？２＋４りを除去した。トルエンをストリッピングで除去し弐■の生成物をろ 過した。

尖叉使　肚夏菫 分析　ホウ素（％）　６．３　６．１ 硫黄（％）　１４．７　１８．０ 里翌１ 同様の操作を用いて、ブタン−１，３−ジオール１２２．９　ｇ、グリセリルモ ノオレエート５５．２　ｇ、ホウ酸９２．７　ｇ　、ジヒドロキシエチルジスル フィド１１１．５ｇ及びトルエン１１０ｇを還流下に加熱して水８５＋ｍｊ！（ 計算値８１＋ｓ１）を除去した。トルエンをストリンピングで除去し生成物をろ 過した。

１皿菫　肚！菫 分析　ホウ素（％）　５．４　５．２ 硫黄（％）　１５．５　１６．９ 生成物は式■の生成物及び式Ｖの生成物の混合物である。

廻製土 調製１．２及び３は、ジヒドロキシエチルジスルフィドの使用に基づ＜、以下の 調製はジヒドロキシエチルモノスルフィドを使用する。

２−メチルペンタン−２，４−ジオール１１８ｇ、ホウ酸６２ｇ１ジヒドロキシ エチルモノスルフィド６１ｇ及びトルエン１００Ｉ１１を還流下に加熱して水５ ４ｍ１を除去した。トルエンをストリッピングで除去し、生成物をろ過した。ホ ウ素含量は５．３％（計算値５．８％）であることがわかった。

比較試験 弐ｍの生成物の酸化防止剤としての挙動を、油組成物の試料３００ｇがその試料 中に１６５℃で１分当り１．７１の空気を通すことにより酸化される酸化試験を 用い、ハアケ・コーン・オン・プレート（Ｈａａｋｅ　ｃｏｎｅ−ｏｎ−ｐｌａ ｔｅ）粘度計で所定間隔で６４時間まで粘度を測定して、ポリα−オレフィン（ ＰＡＯと称される）原料基油を用いて配合された潤滑剤中で次式の硫黄を含まな いホウ酸エステルと比較した。

更にホウ酸エステルを含まない同様の配合物により別の比較を行なった。

試験された配合物はその他に下記の成分を用いた。

ＰＡＯ＝動粘度（Ｋｖ）　５．５０センチストーク（１００℃）、粘度指数（Ｖ 、！、）　１３２をもつポリアルファオレフィンを含む合成潤滑剤原料基油 Ｅ−エチレン−プロピレンコポリマーの油溶液を含むオレフィンコポリマー粘度 指数向上剤添加剤 Ｆ−分子量約１３００をもつポリイソブテニル基を有し窒素含量１．５重量％及 びホウ素含量０．３２重量％を含む、ホウ素化合物で処理されたポリイソブテニ ルスクシンイミドの５０重量％の油溶液を含む無灰分散剤 Ｇ−ＴＢＮ４００、マグネシウム含！９．２重量％及び硫黄含量１．７重量％を 存する過塩基のマグネシウムスルホネートの油溶液底−分　ル較貫　主λ里　比 較■ ＰＡＯ８６，６８５，６８５，６ Ｅ　７．９　７．９　７．９ Ｆ　４．５　４．５　４．５ Ｃ１，０１，０１，０ 化合物ｌｆｆ−１，０− 化合物Ｖｌ　−１，０ 粘度（ｃＰ） ０時間　５１　５１　５０ １６時間　１０９　６８　１２２ ２４時間　１８３　９８　２０７ ４０時間　３００”　１５０　３００”４８時間　１７６ ６４時間　２５１ これらの結果は、化合物■は酸化安定性を全く与えない（どちらかといえば一層 低い安定性を与える）が、本発明の化合物は大巾に改良された酸化安定性を与え ることを示す。

手続補正書（方式） ％式％ ２、発明の名称　硫黄含有ホウ酸エステル３、補正をする者 事件との関係　出願人 国際調査報告 国際調査報告 ＧＢ８８００２５８ 国際調査報告 ＧＢ　８ａＯ０２Ｓａ ＳＡ　２１５３４

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. １．式 ▲数式、化学式、表等があります▼（Ｉ）（式中、夫々のＲは必要により１個以 上の−ＸＲ′′基で置換されたヒドロカルビル基であり、または一つのホウ素に 結合された２個のＲ基が−（Ｒ′２Ｃ）ｍ−基を表わし、ｘは１〜４であり、夫 々のｎは１〜６であり、夫々のｍは２〜４であり、夫々のＲ′は水素、−ＸＲ′ ′基または必要により１個以上の−ＸＲ′′で置換されたヒドロカルビル基であ り、ＸはＯ，ＳまたはＮＲ′′であり、または２個のＲ′基は一緒に脂環式もし くは複素環式の環を形成し、Ｒ′′は水素、ヒドロカルビル基またはヒドロカル ビルカルボニル基である）の硫黄含有ホウ酸エステル、及びそれらの混合物及び ポリマー形態。
2. ２．置換基Ｒの夫々の対が−（Ｒ′−ＣＨ２）ｍ−基を表わし、Ｒ′が水素、ア ルキル基、またはエステル化ヒドロキシ基である請求の範囲第１項記載のエステ ル。
3. ３．整数ｎが２〜４であり整数ｘが２である請求の範囲第１項または第２項記載 のエステル。
4. ４．下記の式の一つで表わされるエステル。 ▲数式、化学式、表等があります▼（ＩＩ）（式中、夫々のＲ′は水素、アルキ ル基、ヒドロキシ基及びアルキルカルボキシ基から独立に選ばれる）▲数式、化 学式、表等があります▼（ＩＩＩ）▲数式、化学式、表等があります▼（ＩＶ） ▲数式、化学式、表等があります▼（Ｖ）（式中、Ｒａはオレオイル基である）
5. ５．一般式ＨＯ（ＣＨ２）ｎ−Ｓｘ−（ＣＨ２）ｎ−ＯＨ（ＶＩ）のジヒドロキ シアルキルスルフィドを一種以上の適当なアルコールＲＯＨまたは式ＨＯ（Ｒ′ −ＣＨ）ｍＯＨのジオール及びホウ酸と反応させることを特徴とする一般式Ｉの 化合物の製造方法。
6. ６．多量の油及び一般式Ｉの化合物を含むことを特徴とする潤滑組成物。
7. ７．０．０１〜１０重量％の一般式Ｉの化合物を含む、請求の範囲第６項記載の 組成物。
8. ８．多量の潤滑油、油溶性形態で存在する添加銅５〜５００ｐｐｍ（重量基準） 及び一種以上の一般式Ｉの化合物を含むことを特徴とする潤滑剤組成物。
9. ９．０．０５重量％未満のリンを含有する、請求の範囲第８項記載の組成物。
10. １０．１〜１０重量％の無灰分散剤化合物及び／または０．３〜１０重量％の窒 素もしくはエステルを含有するポリマーの粘度指数向上剤分散剤を更に含む、請 求の範囲第６項〜第９項記載のいずれか１項に記載の組成物。
11. １１．２〜８０００ｐｐｍのカルシウムまたはマグネシウムを含有する、請求の 範囲第６項〜第１０項のいずれか１項に記載の組成物。
12. １２．１〜１０重量％の一般式Ｉの化合物を含有する油溶液を含むことを特徴と する濃厚物。
13. １３．０．００５〜２重量％の鋼を更に含む、請求の範囲第１２項記載の濃厚物 。
14. １４．（ａ）１〜５０重量％の付加的な油溶性硫黄含有化合物、及び／または （ｂ）０．１〜２０重量％の付加的な支持腐蝕抑制剤、及び／または （ｃ）１０〜６０重量％の無灰分散剤化合物を更に含む、請求の範囲第１３項記 載の組成物。
15. １５．０．００２〜８重量％のカルシウム及び／またはマグネシウムを更に含む 、請求の範囲第１３項または第１４項記載の濃厚物。