JPH0143345Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は前後２つのピストンが同一シリンダー
に嵌置されるところの自動車のタンデムマスタシ
リンダーにおいて、セカンダリーピストンの所定
以上の後退を阻止するピストン制止機構に関する
ものである。

第１図に基いて従来の一例を説明するが、後述
する第３図と同一又は略同一のものについては同
一の符号がつけてある。セカンダリーピストン１
３の必要以上な後退を阻止する手段として、リザ
ーブタンク５の存しない下側にあつてシリンダー
本体４の外側からセツトボルト８を螺入し、その
先端をシリンダー本体４内に臨ませていた。この
場合セツトボルト８の螺入部にけけるパツキン１
２が必要であり、パツキン１２を要することはリ
ークの不安を潜在せしめるものであつた。

第２図に基いて、従来の別例を説明するが、第
１図及び後述する第３図と同一又は略同一のもの
については同一の符号を付けてある。第１図にお
けるリークの不安を除く手段として、セツトボル
ト８に代わるストツパー９をリザーブタンク５へ
内通する側に設けたものもある。しかしそのスト
ツパー９はシリンダー本体４周壁に固着するもの
であつたため、シリンダー本体４の分解時にはリ
ザーブタンク５の取外しを要し、リザーブタンク
５には取外し不能な嵌殺し型のものもあつて整備
上の扱いに不便な制限を生じていた。

第３図は本考案の実施例を示すもので、以下同
図に基いて説明するが、第１図又は第２図と同一
又は略同一のものについては同一の符号をつけて
ある。

シリンダー本体４の外側に形成した凹部１とリ
ザーブタンク５の下側に設けた凸部２とが、ゴム
等の弾力的ブツシユ３を介して嵌合するところの
シリンダー本体４とリザーブタンク５の連続部に
おいて、凸部２へノツク孔１４を設けてピン６を
圧入し、ピン６の先端をシリンダー本体４内に突
出せしめると共に該ピン６のシリンダー本体４貫
通部分はピン６よりも大径孔としてセカンダリー
ピストン１３周側への給油孔７を形成したもので
ある。なお、シリンダー孔の孔底１９とセカンダ
リーピストン１３の間にはリターンスプリング１
８が縮装されている。また、この連結部において
リザーブタンク５からシリンダー本体４への補給
油路１０及び補油孔１１が存することは既成の構
造であり、更にセカンダリーピストン１３の周側
への給油孔も要するが本考案によればピン６の外
側に給油孔７が形成されたため、別に給油孔の穿
設は不要である。又リザーブタンク５を取外さな
いでピン６の脱着が可能となつて、マスターシリ
ンダーの分解整備にも便利を生み、ブツシユ３等
連結部の損傷もなくなり、且つシリンダー本体４
壁を貫くピン６がリザーブタンク５への内通部に
設置される為、油洩れの心配もない。

第４図イ〜リは、ピン６の種々な形状を示すも
のである。また、第５図に示す如くノツク孔１４
を錠孔型とし、ピン６の上下に撮み片１５と掛止
片１６を設け、ピン６をノツク孔１４に挿入後強
い力で無理に回動させると、凸部２の下面に設け
た半球状突子１７及びピン６が弾性変形して掛止
片１６が突子１７を乗り越え、２個の半球状突子
１７，１７間に掛止片１６が嵌まり込み、第６図
の状態となり、ピン６の盲回動を阻止するように
構成することも出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来構造を示す断面図、
第３図は本考案の実施例断面図、第４図イ〜リは
ピンの各種形状例を示す図である。第５図は一部
変形例の分解斜視図、第６図は同上の組立てた状
態の下面図である。 １……凹部、２……凸部、３……ブツシユ、４
……シリンダー本体、５……リザーブタンク、６
……ピン、７……給油孔、８……セツトボルト、
９……ストツパー、１０……補給油路、１１……
補給孔、１２……パツキン、１３……セカンダリ
ーピストン、１４……ノツク孔、１５……撮み
片、１６……掛止片、１７，１７……突子、１８
……リターンスプリング、１９……シリンダー孔
の孔底。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダー本体４外側に形成した凹部１とリザ
   ーブタンク５下側に設けた凸部２とが弾力的ブツ
   シユ３を介て嵌合するところのシリンダー本体４
   とリザーブタンク５の連結部において、凸部２へ
   ノツク孔１４を設けてピン６を圧入し、ピン６の
   先端をシリンダー本体４内に突出せしめると共に
   該ピン６のシリンダー本体４貫通部分はピン６よ
   りも大径孔としてピストン周側への給油孔７を形
   成したことを特徴とするタンデムマスタシリンダ
   ーにおけるピストン制止機構。