JPH0141206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶のマスト頂上に装備される衛星通
信用アンテナとレドームを支持するアンテナ支持
台に関する。

船舶のマスト頂上に装備される衛星用通信アン
テナにおいては船のエンジン等による振動、波に
よる衝撃、風など、その使用条件は非常に厳し
く、アンテナを支持するアンテナ支持台は前記の
様な厳しい条件に耐えうる構造体でなければなら
ない。そのため従来のアンテナ支持台は、板金曲
げ加工による溶接構造体にしていたが、溶接工事
の際熱歪が発生するため、その歪の修正および溶
接工事に非常に多くの工数を要していた。また、
製品の寸法精度等、品質が不安定であるとか、量
産に適していないので、高価になる等の欠点があ
つた。

第３，４図はこのような従来のアンテナ支持台
の一例を示す正面図および底面図である床板部に
なる部分は外周部にレドームを固定するための孔
１１ａを有する板１１に円筒１２を溶接して構成
される。円筒１２内には補強部材１２ａ〜１２ｈ
が当てられ溶接固定される。

一方、両面にそれぞれ、アンテナとマストに取
付けためのタップ孔を有する取付部１３ａ〜１３
ｄが板１４ａ〜１４ｂで連結され、一体化され、
この一体化された部分が補強部材１２ａ，１２
ｂ，１２ｄ，１２ｇで囲まれた部分に差込まれ、
補強部材１２ａ，１２ｂ，１２ｄ，１２ｇに溶接
固定される。この取付部の上からさらに４ケ所取
付部の逃げ孔を有する当て板１５が当てられ溶接
される。

本考案の目的は前述した厳しい使用条件下に充
分耐得る強度を持ち、かつ量産性、品質にも優れ
た、安価で軽量なアンテナ支持台を提供すること
にある。

前記目的を達成するために本考案によるアンテ
ナ支持台は船舶のマスト頂上に装備される衛星通
信用アンテナとレドームを支持するアンテナ支持
台において、円形帽子形になるように絞り加工
し、円周部のフランジ部に前記レドームを取付け
る手段を設けた床板部と、前記床板部側の面の４
角にアンテナを固定するためのタツプ孔、前記床
板部側の面の反対面の４角にマストにネジ止めす
るためのタップ孔を有する、鋳造による一体箱形
構造の取付部と、断面が略コの字であるチヤンネ
ル材形状の第１と第２の補強部材とからなり、前
記床板部内側においてフランジ部間に前記第１の
補強部材２ケを平行に、かつ左右対称形になるよ
うに掛け渡たし、さらに前記２ケの第１の補強部
材間に２ケの第２の補強部材を平行に、かつ左右
対称形になるように掛け渡たし、前記第１と第２
の補強部材の前記床板部側の面と前記床板部を直
接リベツト止めするとともに前記２ケの第１の補
強部材と床板部円周部のフランジ部をガゼツト板
を介してリベツト止めし、さらに前記２ケの第１
の補強部材と２ケの第２の補強部材間を当て板を
介してリベツト止めし、前記２ケの第２の補強部
材の中央部に前記取付部を固定して構成してあ
る。

前記構成によれば、前述した問題はすべて解決
され、本考案の目的は完全に達成される。

以下、図面を参照して本考案をさらに詳しく説
明する。第１，２図は本考案によるアンテナ支持
台の一実施例を示す正面図および底面図である。
絞り加工で円形帽子形にした床板部１は充分な強
度を持ち、その円周部にはレドームを固定するた
めの孔１ａを多数設けてある。また中央部には取
付部３の背面の４つのタップ孔（アンテナを取付
けるためタップ孔）を床板部上面に露出するため
の逃げ孔１ｂを設けてある。さらにアンテナ内部
に通ずるための開口部１ｅを設けてある。チヤン
ネル材を使用した補強部材２ａ，２ｂは床板部１
の中心線１ｃの左右に配置され、対称形になるよ
うに床板部１の立ち上がり部間に組み込まれる。
同様にチヤンネル材を使用した補強部材２ｃ，２
ｄも床板部１の中心線１ｄの左右に配置され、対
称形になるように補強部材２ａ，２ｂ間に組込ま
れる。床板部１と補強部材２ａ，２ｂ間はそれぞ
れの接合部にガゼツト板５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ
が当てられ、リベツトによつて接合される（黒点
部）。同様に補強部材２ａ，２ｂと２ｃ，２ｄ間
もそれぞれの接合部に当て板４ａ，４ｂが押し当
てられ、リベツトによつて接合される（黒点部）。
取付板３は鋳造により一体箱形構造をしており、
底面側の４角にはマスト取付のためのタップ孔３
ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄを、肯面側の４角にはアン
テナ取付のためのタップ孔３a′，３b′，３c′，３
d′をそれぞれ設けてある。取付部３の貫通孔３ｅ
内は強度保持のため４角が対角線上で結合させら
れた構造となつている。取付部３と補強部材２
ｃ，２ｄとはネジ３ｆによつて固定される。

第５図はこのアンテナ支持台を実装した状態を
示す図である。マスト８とは取付部３の底面でネ
ジ止めで固定され、アンテナ７は取付部３の上面
にネジ止めで固定されている。９はレドームであ
る。

本考案によるアンテナ支持台は以上詳しく説明
したように床板部は絞り加工、補強部材は市販の
チヤンネル材、取付部は鋳造による一体箱形構造
としてあるので、各部品の製作が簡単で量産にも
適している。またリベツト止めの構造としてある
ので、組立工程では溶接工事に比較し、大幅にそ
の工数が減少し、安価で量産性のある安定した品
質の製品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本考案によるアンテナ支持台の一
実施例を示す正面図および底面図である。第３，
４図は従来のアンテナ支持台の一実施例を示す正
面図および底面図である。第５図は第３，４図の
アンテナ支持台の実装状態を示す概略図である。
第６図は第２図におけるＡ−Ａ断面図である。 １……床板部、１ａ，１ｂ，１１ａ，１１ｂ…
…孔、１ｃ，１ｄ……中心線、２ａ，２ｂ……第
１の補強部材（チヤンネル材）、２ｃ，２ｄ……
第２の補強部材（チヤンネル材）、３……取付部、
３ａ，３a′，３ｂ，３b′，３ｃ，３c′，３ｄ，３
d′……タップ孔、３ｅ……貫通孔、３ｆ……ビ
ス、４ａ，４ｂ……当て板、５ａ，５ｂ，５ｃ，
５ｄ……ガゼツト板、６……アンテナ支持台、７
……アンテナ、８……マスト、９……レドーム、
１１……板、１２……円筒、１２ａ，１２ｂ，１
２ｃ，１２ｄ，１２ｅ，１２ｆ，１２ｇ，１２ｈ
……補強部材、１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ
……取付部、１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄ…
…補強部、１５……当て板、１６……フランジ
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船舶のマスト頂上に装備される衛星通信用アン
   テナとレドームを支持するアンテナ支持台におい
   て、円形帽子形になるように絞り加工し、円周部
   のフランジ部に前記レドームを取付ける手段を設
   けた床板部と、前記床板部側の面の４角にアンテ
   ナを固定するためのタツプ孔、前記床板部側の面
   の反対面の４角にマストにネジ止めするためのタ
   ップ孔を有する、鋳造による一体箱形構造の取付
   部と、断面が略コの字であるチヤンネル材形状の
   第１と第２の補強部材とからなり、前記床板部内
   側においてフランジ部間に前記第１の補強部材２
   ケを平行に、かつ左右対称形になるように掛け渡
   たし、さらに前記２ケの第１の補強部材間に２ケ
   の第２の補強部材を平行に、かつ左右対称形にな
   るように掛け渡たし、前記第１と第２の補強部材
   の前記床板部側の面と前記床板部を直接リベツト
   止めするとともに前記２ケの第１の補強部材と床
   板部円周部のフランジ部をガゼツト板を介してリ
   ベツト止めし、さらに前記２ケの第１の補強部材
   と２ケの第２の補強部材間を当て板を介してリベ
   ツト止めし、前記２ケの第２の補強部材の中央部
   に前記取付部を固定したことを特徴とするアンテ
   ナ支持台。