JPH0137718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は手動式の小形噴霧器の改良に関する。

この種噴霧器は、周知のように噴霧ヘツドを復
帰用バネに抗し下方に押下げてシリンダー内の液
を加圧し、これにより吐出路を開通して噴霧させ
ているが、従来、押下げ当初の吐出路開通に至る
までの間、同時に液をも加圧しており、必要以上
の大きな押下げ力を要していた。

本考案は上記点にかんがみ、シリンダーの加圧
室に、吐出するに必要な液圧を超える圧分を逃が
す液圧逃がし用のピストンを設け、噴霧時におけ
る噴霧ヘツドの押下げ力を軽減できるようにした
小形噴霧器を提供しようとするものである。

以下添付図面を参照して本考案、実施例を説明
するに、図で、１は上半部を案内用周壁２に、下
半部を装着用周壁３とし、中間部内周から内向き
フランジ４を突出した装着部材であり、装着用周
壁３内周の螺溝により容器体５の口頸部６外面に
螺合装着され、この装着により、パツキング７を
介し口頂部に吊掛けして容器体５内に垂設したシ
リンダー８を押え固定している。尚、内向きフラ
ンジ４の内周端には案内筒９が形成してある。

前記シリンダー８の底部開口部に球状の吸込み
弁１０を内装し、この底部下端部に、容器体５内
底部に垂下される吸上げ管１１を連通固定する。
またこのシリンダー８の軸芯部には、下部から上
方に突抜ける棒部材１２が立設してある。この棒
部材１２は、下端部を図示しない放射状の取付け
部材でシリンダー８下部内周に固定され、また上
端は拡径した盃状の液洩れ防止用弁体１３に形成
してある。

前記案内用周壁２内周に、噴霧ヘツド１４をそ
の周縁から垂設した係合筒１５を摺接させて押下
げ可能に設ける。この噴霧ヘツド１４は一側にノ
ズル孔１６を開孔し、また下面から連結筒１７を
垂下しており、この連結筒１７には、前記案内筒
９を通し、かつ前記棒部材１２との間に適宜の間
隙を形成して下方に嵌合垂下するステム１８が嵌
挿固定してある。

前記ステム１８の下端は、段形に拡径して前記
シリンダー８に摺接する筒状ピストン１９に形成
してあり、またこのステム１８には、ピストン１
９の下方まで垂下し垂下端に短かい外向きフラン
ジ２０を設けた筒体２１がステム下端部材として
一体に内嵌固定してあり、この筒体２１外面に、
この外面及び前記シリンダー８内面に摺接してフ
ランジ２０とピストン１９間を昇降移動できる筒
状のフリーピストン２２が設けてある。またステ
ム１８の中途内周面には前記液洩れ防止用弁体１
３外面に接する弁座機能の狭径部２３があり、ま
たステム１８上端部には球状の吐出弁２４が設け
てある。

２５は復帰用バネで、前記筒体２１を介しステ
ム１８、噴霧ヘツド１４を常時上方に押上げてお
り、この状態で、ステム１８の弁座２３が液洩れ
防止用弁体１３外面に圧接し、液洩れを防ぐ。２
６はシリンダー８に明けた透孔である。

つぎに上記構造における作用を説明するに、い
ま便宜上、シリンダー８内には吸上げられた液が
充満しているものとすれば、噴霧ヘツド１４を復
帰用バネ２５に抗して下方に押下げ、弁座２３の
液洩れ防止用弁体１３への圧接を解放すると共に
シリンダー８内の液を加圧することにより、この
加圧液は弁体１３とステム１８間の間隙を通過し
吐出弁２４を開弁してノズル孔１６から噴出され
る。この噴出後、噴霧ヘツド１４の押下げを停止
すれば、噴霧ヘツド１４、ステム１８と筒体２１
は復帰用バネ２５により押上げられて図示状態に
復帰し、この復帰により吸込み弁１０が開弁しシ
リンダー８内には容器体５内の液が吸上げられ、
つぎの噴霧操作に備える。

ここで、本考案では、シリンダー８内にフリー
ピストン２２を設けており、このフリーピストン
２２が、噴霧ヘツド１４の押下げ当初、つまりス
テム１８の弁座２３が弁体１３から離れ切らず、
従つて未だ吐出路が開通するに至らず、このため
液圧が必要以上に高圧となると上方に押上げられ
移動し、その液圧を逃がし緩和するので、噴霧ヘ
ツド１４の押下げ力を軽減することができる。

上記実施例では、ノズル孔１６はストレートに
開口させた例を示しているが、射出液を開口部で
旋回させて噴出させる方式でもよい。

上記した如く、本考案ではシリンダー８内に昇
降可能なフリーピストン２２を設け、噴霧ヘツド
１４を下方に押下げる噴霧時、吐出路が開通する
に至らない押下げ当初、このフリーピストン２２
を、急上昇するシリンダー８内の液圧により上方
に移動させて該液圧を緩和させるようにしたの
で、噴霧ヘツド１４の押下げ力を軽減させること
ができる小形噴霧器が提供できる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案小形噴霧器の一実施例の半部
縦断正面図である。 １……装着部材、５……容器体、８……シリン
ダー、１４……噴霧ヘツド、１８……ステム、２
２……フリーピストン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部開口部に吸込み弁１０、吸上げ管１１を設
   け、内部軸芯部に、上端を拡径した液洩れ防止用
   弁体１３に形成して上方に突抜ける棒部材１２を
   立設固定して容器体５口部に内設されたシリンダ
   ー８と、下部をこのシリンダー８内の筒状ピスト
   ン１９に連通固定すると共に、前記棒部材１２外
   面に適宜の間隙を設け嵌合して上方に立設され、
   吐出弁２４を内設した上端にノズル孔１６を有す
   る噴霧ヘツド１４を連通固定し、かつ中途内周を
   狭径し弁座２３としたステム１８と、前記ピスト
   ン１９下方のステム１８下端部外面に設けられた
   昇降移動可能な筒状のフリーピストン２２と、前
   記シリンダー８内にあつて前記ステム１８を介し
   噴霧ヘツド１４を上方に押上げ、常時前記弁座２
   ３を弁体１３に圧接閉弁させている復帰用バネ２
   ５とからなる小形噴霧器。