JPH0137144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として車両に塔載されるＶ型エンジ
ンの排気系の２次空気供給路に介設される吸入音
防止用のサイレンサチヤンバ装置に関する。

（従来の技術） 従来、Ｖ形に配置される前後１対のバンクに
夫々複数の気筒を備え、且つ該両バンク間のＶ形
空間内に、横方向に長手の吸気室部の上面の前側
部から後側のバンクの該各気筒の吸気ポートに連
なる吸気管と、その後側部から前側のバンクの該
各気筒の吸気ポートに連なる吸気管とを各延出し
て成る吸気マニホルドを配置したＶ型エンジンは
特公昭51−42272号公報及び特公昭52−33525号公
報により知られる。

又、エンジンの排気系に２次空気を供給する２
次空気供給路を設けるものは実公昭57−47370号
公報により知られ、この場合該２次空気供給路に
吸入音等の外部への漏れを防止するサイレンサチ
ヤンバを設けることが望まれる。

（考案が解決しようとする問題点） ここで、サイレンサチヤンバはある程度大きな
容積が必要であり、かかるサイレンサチヤンバの
配置空間をエンジン回りに他の部品と干渉しない
ようにして如何に確保するかが問題となる。

本考案は、上記Ｖ型エンジンでは吸気マニホル
ドの吸気室部の上面にその前後の吸気管で囲まれ
るデツドスペースができることに着目し、このス
ペースをサイレンサチヤンバの配置空間に利用し
て上記問題点を解決した装置を提供することをそ
の目的とする。

（問題点を解決るための手段） 本考案は、かかる目的を達成すべく、Ｖ形に配
置される前後１対のバンクに夫々複数の気筒を備
え、且つ該両バンク間のＶ形空間内に、横方向に
長手の吸気室部の上面の前側部から後側のバンク
の該各気筒の吸気ポートに連なる吸気管と、その
後側部から前側のバンクの該各気筒の吸気ポート
に連なる吸気管とを各延出して成る吸気マニホル
ドを配置したＶ型エンジンであつて、該エンジン
の排気系の２次空気供給路にサイレンサチヤンバ
を介設するものにおいて、該吸気室部の上面とそ
れら吸気管とで囲まれる空間に該サイレンサチヤ
ンバを設けたことを特徴とする。

（実施例） 本考案を図示の実施例につき説明する。

第１図及び第２図を参照して、１はエンジン本
体を示し、該エンジン本体１の上部にＶ形に前後
１対のバンク２，２を配置し、該各バンク２に複
数、例えば３個の気筒３を設けて全体としてＶ型
６気筒エンジンを構成し、該両バンク２，２間の
Ｖ形空間内に、横方向に長手の吸気室部４の上面
の前側部から後側のバンク２の各気筒３の給気ポ
ート３ａに連なる図示Ａで示す給気管５と、その
後側部から前側のバンク２の各気筒３の給気ポー
ト３ａに連なる図中Ｂで示す吸気管５とを各延出
して成る吸気マニホルド６を配置するものとし
た。

更に、該エンジンの排気系、例えば排気マニホ
ルドにリードバルブその他のコントロールバルブ
７を介設した２次空気供給路８を連通させると共
に、該供給路８に該バルブ７の上流側に位置させ
てサイレンサチヤンバ９を設け該供給路８の吸入
音や該バルブ７の音を低減するものとした。

そして、本考案の特徴とするところに従い、上
記吸気室部４の上面とその前後の吸気管５，５…
…とで囲まれる空間１０に該サイレンサチヤンバ
９を設けるもので、これを詳述するに図示のもの
では、該空間１０をそのままサイレンサチヤンバ
９に構成するものとした。

即ち、前記Ａの吸気管５とＢの吸気管５とをエ
ンジンの横方向即ち気筒列方向に交互に各３本づ
つ配置して一体に鋳造成形し、更に第２図及び第
３図に明示する如くＡの吸気管５の後端部下側に
Ｂの各吸気管５間を閉塞する側壁部１１と、Ｂの
吸気管５の前端下側にＡの各吸気管５間を閉塞す
る側壁部１１とを形成すると共に、横方向最外側
のＡ，Ｂ両吸気管５，５間を閉塞する端壁１２，
１２を形成し、該吸気室部４の上面とこれらＡ，
Ｂ両吸気管５，５……と更にこれら側壁部１１，
１１……及び該両端壁１２，１２とで該空間１０
を密閉してこれをそのまま該サイレンサチヤンバ
９に構成した。

そして、一方の端壁１２に流入口１３と流出口
１４とを設け、該流入口１３にチユーブ１５を介
して新気を導入自在とし、該流出口１４をチユー
ブ１５を介して前記２次空気供給路８のコントロ
ールバルブ７の上流側に接続した。

この場合、第４図示の如く、新気導入路１３′
と該２次空気供給路８の該バルブ７の上流側に連
なる通路１４′とを一方の端壁１２から一体に延
出するようにしても良く、又図示しないが、該新
気導入路１３′と該通路１４′との一方のみを一体
に成形するようにして、その他方は上記のように
チユーブを用いるようにすることも可能である。

尚、上記のように吸気室部４の上面とＡ，Ｂ両
吸気管５とで囲まれる空間１０をそのままサイレ
ンサチヤンバ９に構成した場合、サイレンサチヤ
ンバを構成する別個ケーシングを用意する必要が
なく部品数の削減に有利である。

（作用） サイレンサチヤンバ９により２次空気供給路８
からの外部への吸入音等の伝播が阻止されるもの
で、この場合本考案では、該チヤンバ９を吸気マ
ニホルド６の吸気室部４の上面とこれから導出す
る前後の吸気管５とで囲まれる本来デツドスペー
スとなる空間に配置するため、該チヤンバ９の配
置によりエンジン回りの他の部品の配置に支障を
来たすようなことはない。又、Ｖ型エンジンの両
バンク２，２間のＶ形空間内に吸気マニホルド６
を配置すると該各バンク２の各気筒３の吸気ポー
ト３ａと該吸気マニホルド６との間の距離が比較
的近くなり該各気筒３間の吸気脈動の干渉により
吸入効率が低下し勝ちとなるが、各吸気管５を本
案の如く配置すれば限られたスペース内で吸気管
長を長く取ることができ、吸入率の低下を可及的
に防止でき有利である。

（考案の効果） このように本考案によるときは、Ｖ型エンジン
の両バンク間のＶ形空間内に配置される吸気マニ
ホルドの吸気室部の上面とその前後の吸気管とで
囲まれる空間にサイレンサチヤンバを設けるもの
で、Ｖ形空間内にスペース効率良くサイレンサチ
ヤンバを配置することができ、全体としてエンジ
ン回りをコンパクトにできる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の１例を具備したＶ型エン
ジンの平面図、第２図はその−線截断面図、
第３図は第２図の−線截断面図、第４図は変
形例の要部の平面図である。 ２，２…バンク、３…気筒、３ａ…吸気ポー
ト、４…吸気室部、５…吸気管、６…吸気マニホ
ルド、７…２次空気供給路、９…サイレンサチヤ
ンバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｖ形に配置される前後１対のバンクに夫々複数
   の気筒を備え、且つ該両バンク間のＶ形空間内
   に、横方向に長手の吸気室部の上面の前側部から
   後側のバンクの該各気筒の吸気ポートに連なる吸
   気管と、その後側部から前側のバンクの該各気筒
   の吸気ポートに連なる吸気管とを各延出して成る
   吸気マニホルドを配置したＶ型エンジンであつ
   て、該エンジンの排気系の２次空気供給路にサイ
   レンサチヤンバを介設するものにおいて、該吸気
   室部の上面とそれら吸気管とで囲まれる空間に該
   サイレンサチヤンバを設けたことを特徴とするＶ
   型エンジンにおける２次空気供給路のサイレンサ
   チヤンバ装置。