JPH0136434B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、非衝撃式プリンタの帯状印字紙案内
装置にかかわるものであり、とくに帯状印字紙の
装填を確実にかつ容易に行なうことができる非衝
撃式プリンタの帯状印字紙案内装置に関するもの
である。

（従来の技術） 一般に、感熱式あるいは静電式等の非衝撃式プ
リンタにより帯状印字紙に印字を行なう場合、こ
の帯状印字紙を印字紙案内部材およびプラテン部
材により案内するようになつている。すなわち、
印字紙案内部材により帯状印字紙を移送通路上に
おいて確実に移送するように案内し、かつプラテ
ン部材により印字ヘツドに圧接するように案内す
る。そして、帯状印字紙の装填時においては、印
字紙案内部材を移送通路から離間させ、かつプラ
テン部材を印字ヘツドから離間させる操作をそれ
ぞれ別々に行ないながら帯状印字紙を所定の移送
通路に沿つて挿通するように構成してある。

従来の帯状印字紙案内装置は上述のように構成
してあるため、当該帯状印字紙を所定の移送通路
に沿つて挿通する場合、上記印字紙案内部材およ
びプラテン部材をそれぞれ別々に操作する必要が
あり、帯状印字紙の挿通作業が煩雑であるという
欠点を有している。

さらに、帯状印字紙を挿通して所定位置に位置
決めした後、印字紙案内部材およびプラテン部材
をセツトする場合に、印字紙案内部材およびプラ
テン部材を一度にセツトすることができないこと
から、操作者の指に帯状印字紙が接触してこの帯
状印字紙がその連続方向あるいは幅方向にずれて
しまうことがある。またあるいは、帯状印字紙が
上記印字紙案内部材およびプラテン部材に押し付
けられるときに、帯状印字紙がその連続方向およ
び幅方向に移動し、結果としていずれの場合も帯
状印字紙が移送ローラから外れたり、あるいは印
字位置が連続方向ないし幅方向にずれてしまうと
いう欠点をも有している。

尚、実開昭52−98514号および実開昭56−
110949号のように、印字ヘツド部分およびプラテ
ン部分を離間および圧接状態に切り換える機構を
開示しているものもあるが、これら印字ヘツド部
分およびプラテン部分を互いの押圧状態にセツト
したときに、帯状印字紙を所定位置に正確かつ確
実に位置決めした状態でセツトする機構について
は提案がないものである。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上記諸問題にかんがみて、帯状印字
紙の装填を確実にかつ容易に行なうことができ、
とくに帯状印字紙を装填したときにその位置決め
を確実に行なうことを可能とした非衝撃式プリン
タの帯状印字紙案内装置を提供することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） すなわち本発明は、操作部材の操作に連動して
帯状印字紙の移送通路に対し接近および離間状態
に変位する印字紙案内部材と、帯状印字紙を印字
ヘツドに圧接するプラテン部材と、このプラテン
部材は常時上記印字ヘツドから離間する方向に付
勢するスプリングとを設け、上記操作部材の操作
に連動するリンク機構により上記プラテン部材を
上記印字ヘツドに対し圧接および離間状態に変位
させ、かつ帯状印字紙を挾んで移送させるととも
に少なくとも一方が移送方向のみに回転する一対
の移送ローラと、該一対の移送ローラの一方の移
送ローラと上記プラテン部材とを回転自在かつ一
体的に結合するローラ支持部材とを備えた非衝撃
式プリンタの帯状印字紙案内装置である。

（作用） 本発明においては、操作部材を操作するだけで
印字紙案内部材を移送通路に対し接近および離間
状態に変位させることができるとともに、リンク
機構およびローラ支持機構を介してプラテン部材
を印字ヘツドに対し圧接および離間状態に変位さ
せることが可能であり、また帯状印字紙を挾んで
移送する一対の移送ローラのうち少なくとも一方
を移送方向にのみ回転するように構成することに
よつて帯状印字紙が印字紙案内部材やプラテン部
材のセツト時の押し付けにより移動しないように
したので、帯状印字紙を所定位置に確実に位置決
めした状態でセツトすることができるようにして
いる。

なお、帯状印字紙を挾んで移送する一対の移送
ローラの一方の移送ローラとプラテン部材とを、
ローラ支持部材により一体的に操作可能としたの
で、プラテン部材が前記印字ヘツドに押し付けら
れるときには一対の移送ローラも互いに所定圧力
で帯状印字紙を挾持し合い、プラテン部材が印字
ヘツドから離間するときには、一対の移送ローラ
の間には挾持し合う付勢力がないように構成して
いるものである。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の一実施例につい
て詳述する。

第１図には、本発明の装置に使用される帯状印
字紙１の一例として、多数枚分連つた連続状のタ
グを示してある。この連続状のタグからなる帯状
印字紙１の中程には、連続方向に沿つてミシン目
２を刻んであり、かつこのミシン目２上には等間
隔に検出孔３を穿設してある。また、各検出孔３
の部分においてはミシン目２を直交する仮想線
は、印字後においてそれぞれ独立した一枚分のタ
グになるように切断する切断位置４を示してい
る。切断された一枚分のタグはミシン目２によ
り、通常文字が印字された商品購入者用部分５
と、OCR文字が印字されたデータ処理部分６と
に分離することができるようになつている。

第２図は、本発明よりなる非衝撃式プリンタの
実施例としてリボン転写式のサーマルプリンタを
示すものであり、本体１０には、ヘツド支持部材
１１を枢軸１２により枢着してある。このヘツド
支持部材１１は上方に窪部１３を有していて、こ
の窪部１３位置にはサーマル式の印字ヘツド１４
を固定する。また、上記ヘツド支持部材１１の下
方には、アーム１５を一体的に設け、アーム１５
の先端には本体１０に形成した長孔１６内を移動
可能なピン１７を固定してある。そして、このピ
ン１７と本体１０に固定したピン１８との間には
スプリング１９を張設し、ヘツド支持部材１１を
第２図において常時時計方向に回動するように付
勢している。

第２図に示すような帯状印字紙１を巻回保持す
る印字紙供給ローラ２０は、本体１０に回転可能
にこれを取り付けてある。この印字紙供給ローラ
２０から供給される帯状印字紙１は、印字ヘツド
１４の上方を含む所定の移送通路２１を通つて固
定刃２３と回転刃２４とを有する切断機構２２に
至る。そして、切断機構２２に至つた帯状印字紙
１は、固定刃２３と、図示しない一回転クラツチ
を介してモータ２５に連結し間歇回転する回転刃
２４とにより第１図に示す切断位置４を適宜切断
されるようになつている。

前記本体１０の下方には感熱転写式の印字リボ
ン２６を巻回保持するリボン供給ローラ２７を回
転可能に取り付けてある。このリボン供給ローラ
２７から供給される印字リボン２６は、帯状印字
紙１と印字ヘツド１４との間を通り、本体１０に
回転可能に取り付けてあるリボン巻取ローラ２８
にこれを巻き取るように構成してある。

そして、本体１０の上方にはレバー状の操作部
材３０の一端を枢軸３１により枢着する。この操
作部材３０の他端には、ローラから構成した印字
紙案内部材３２を軸３３によつて回転可能に設け
る。

回動操作される上記操作部材３０の動作が、レ
バー３５，３６，３７，３８からなるリンク機構
３４を介してローラ支持部材４２に伝達されるよ
うに構成してある。具体的には、レバー３５を枢
軸３１付近において操作部材３０に固定し、この
操作部材３０と一体的に回動させるものとする。
またレバー３５には、ピン３９によりレバー３６
を回動可能に連結し、かつこのレバー３６は枢軸
４０において本体１０に枢着したレバー３７に対
しピン４１により回動可能に連結してある。さら
に、レバー３７には枢軸４０においてレバー３８
の一端を固定し、これらレバー３７およびレバー
３８を一体的に回動可能とする。そして、レバー
３８の他端には、コ字状に形成したローラ支持部
材４２の中央部分をピン４３により回動可能に取
り付けてある。

上述のようにリンク機構３４を介して操作部材
３０に連結したローラ支持部材４２にはピン４４
を設け、このピン４４と、本体１０に設けたピン
４５との間にスプリング４６を張設することによ
りローラ支持部材４２を第２図おいて常時反時計
方向に付勢している。また、ローラ支持部材４２
の一端には、ローラよりなるプラテン部材４７を
軸２９によつて回転可能に設けてあり、このプラ
テン部材４７には、スプリング１９により付勢し
たヘツド支持部材１１の印字ヘツド１４部分を、
帯状印字紙１および印字リボン２６を介して圧接
する。

この帯状印字紙１を移送する一対の移送ローラ
４８，４９は、本体１０に設けた軸５０とローラ
支持部材４２に設けた軸５１とによつてそれぞれ
回転可能にこれらを支持している。そして、駆動
用の移送ローラ４８と軸５０との間には図示しな
い一方向回転クラツチを介設し、移送ローラ４８
はこの一方向回転クラツチにより帯状印字紙１を
移送する方向すなわち第２図において反時計方向
にのみ回転するようにしてある。

上記駆動用の移送ローラ４８を支持する軸５０
には、さらにタイミングプーリ５２，５３を支持
してあり、これらのタイミングプーリ５２，５３
を、移送ローラ４８と一体に回転するように相互
に固定してある。そして、一方のタイミングプー
リ５２は、本体１０に取り付けたモータ５４に対
しタイミングベルト５４によりこれを連結し、か
つ他方のタイミングプーリ５３はタイミングベル
ト５６によりリボン巻取ローラ２８にこれを連結
してある。なお、参照番号の５７および５８は本
体１０に設けたストツパであつて、レバー３５の
回動範囲を規制するものである。また、参照番号
の５９は帯状印字紙１の検出孔３を検出する光電
検出器であつて、この光電検出器５９の出力信号
にもとづいて帯状印字紙１の移送制御を行なうも
のである。

つぎに、帯状印字紙１および印字リボン２６の
装填操作、およびプリンタ全体の動作について説
明する。

まず帯状印字紙１を装填する場合は、巻回した
帯状印字紙１を印字紙供給ローラ２０に装着する
とともに、操作部材３０を第２図に図示の状態か
ら第３図に図示の状態に反時計方向に回動させる
ように操作する。その結果、印字紙案内部材３２
は移送通路２１の位置から上方に充分離間する。
また、上記操作部材３０の回動はリンク機構３４
によつてローラ支持部材４２に伝達され、ローラ
支持部材４２はスプリング４６の作用によつて移
送ローラ４８に圧接している移送ローラ４９を中
心として第２図および第３図において反時計方向
に回動する。その結果、プラテン部材４７は印字
ヘツド１４から上方に充分離間する。

上記印字紙案内部材３２、およびプラテン部材
４７が、移送通路２１および印字ヘツド１４から
それぞれ離間した第３図に示す状態では、スプリ
ング４６の付勢力によつてレバー３５がストツパ
５８に圧接して全体が安定している。こうした状
態で帯状印字紙１を挿通するが、一対の移送ロー
ラ４８，４９間を通す場合には、上記ローラ支持
部材４２がスプリング４６からの付勢力をほんの
わずか、ないしは殆ど受けていないので、ローラ
支持部材４２を第３図に鎖線で示すように時計方
向に軽く回動操作することにより、従動用の移送
ローラ４９を駆動用の移送ローラ４８から離間さ
せた後、あるいは離間させながら挿通操作を行な
う。

かくして帯状印字紙１の挿通を完了した後、操
作部材３０を第３図に示す状態から第２図に示す
状態に時計方向に回動させるように操作する。そ
の結果、レバー３５とレバー３６とを連結するピ
ン３９の中心は枢軸３１とピン４１とを結ぶ線を
わずかにこえてスプリング４６の付勢力によりレ
バー３５がストツパ５７に圧接した状態で全体が
安定する。

また、上記操作部材３０の回動操作によつて、
印字紙案内部材３２は移送通路２１に接近して帯
状印字紙１を移送通路２１に案内し、かつプラテ
ン部材４７はヘツド支持部材１１をわずかに押し
下げる位置まで下降してスプリング１９の付勢力
により印字ヘツド１４に圧接する。この印字紙案
内部材３２およびプラテン部材４７の動作により
帯状印字紙１の先方部分が引張られるが、この動
作に連動して帯状印字紙１は前記一対の移送ロー
ラ４８，４９に挾持されるとともに、一方向回転
クラツチの作用により移送ローラ４８は時計方向
（第２図）には回転しないため、帯状印字紙１の
先方部分は一対の移送ローラ４８，４９に挾持さ
れた状態で位置決めされ、その連続方向および幅
方向に移動することはない。

以上は帯状印字紙１の装填時について説明した
が、帯状印字紙１の取外し時、あるいは印字リボ
ン２６の装填および取外し時においても、同様に
操作部材３０を操作することによつて印字紙案内
部材３２、プラテン部材４７をそれぞれ移送通路
２１、印字ヘツド１４から離間した後にこれを行
なう。

上述のようにして帯状印字紙１および印字リボ
ン２６を装填した後、これらの帯状印字紙１およ
び印字リボン２６は、モータ５４の間歇回転にと
もなつて適宜移送され、この移送中に印字ヘツド
１４において帯状印字紙１への印字がなされる。
そして、印字された帯状印字紙１の各切断位置４
は、切断機構２２によつて順次切断される。

なお、上述の実施例において、印字紙案内部材
３２は操作部材３０に取り付けた構成を例示した
が、操作部材３０の操作に連動する適宜の部材に
取り付けて、移送通路２１に対し接近、離間する
ように構成することもできる。

また、印字紙案内部材３２およびプラテン部材
４７は、帯状印字紙１との接触抵抗を少なくする
ためにローラにより構成するものを例示したが、
ピンあるいは板状のもので構成することも可能で
ある。

さらに、移送ローラ４８，４９のうち駆動用の
移送ローラ４８に一方向回転クラツチを設けた構
成を例示したが、この一方向回転クラツチはこれ
を従動用の移送ローラ４９に設けれても、あるい
は両移送ローラ４８，４９に設けてもよい。

（発明の効果） 上述のように本発明による装置は、操作部材と
いうひとつの部材の簡単な操作のみで、印字紙案
内部材が移送通路に対し接近および離間状態に変
位し、かつプラテン部材が印字ヘツドに対して圧
接および離間状態に変位し、かつまた一対の移送
ローラの一方の移送ローラがプラテン部材と一体
的に連動するので、帯状印字紙の装填をきわめて
容易に行なうことができ、操作部材とプラテン部
材とがリンク機構により連結してあるので、印字
ヘツドからプラテン部材を大きく離間させるよう
にしても離間動作にともなう各部材全体の動作範
囲は非常に狭いため、他の機構に影響を与えるこ
となく、かつ小型化が可能であるとともに、一対
の移送ローラのうち少なくも一方が移送方向にの
み回転するように構成されているため、帯状印字
紙は印字紙案内部材やプラテン部材のセツト時の
押付けにより連続方向あるいは幅方向に移動する
ことがないため、移送ローラから外れたり印字位
置が幅方向にずれるということがなく、正確にか
つ簡単に所定位置に帯状印字紙を位置決めするこ
とができるものである。

【図面の簡単な説明】

各図は本発明の実施例を示すもので、第１図は
帯状印字紙１の一部分を示す図、第２図および第
３図はプリンタ全体を示す一部切欠側面図であつ
て、第２図は印字状態を示す図、第３図は帯状印
字紙１の装填時の状態を示す図である。 １……帯状印字紙、２……ミシン目、３……検
出孔、４……切断位置、５……商品購入者用部
分、６……データ処理用部分、１０……本体、１
１……ヘツド支持部材、１２……枢軸、１３……
窪部、１４……印字ヘツド、１５……アーム、１
６……長孔、１７，１８……ピン、１９……スプ
リング、２０……印字紙供給ローラ、２１……移
送通路、２２……切断機構、２３……固定刃、２
４……回転刃、２５……モータ、２６……印字リ
ボン、２７……リボン供給ローラ、２８……リボ
ン巻取ローラ、２９……軸、３０……操作部材、
３１……枢軸、３２……印字紙案内部材、３３…
…軸、３４……リンク機構、３５，３６，３７，
３８……レバー、３９……ピン、４０……枢軸、
４１……ピン、４２……ローラ支持部材、４３，
４４，４５……ピン、４６……スプリング、４７
……プラテン部材、４８……移送ローラ（駆動
用）、４９……移送ローラ（従動用）、５０，５１
……軸、５２，５３……タイミングプーリ、５４
……モータ、５５，５６……タイミングベルト、
５７，５８……ストツパ、５９……光電検出器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 操作部材と、 この操作部材の操作に連動して帯状印字紙の移
   送通路に対し接近および離間状態に変位する印字
   紙案内部材と、 前記帯状印字紙を印字ヘツドに圧接するプラテ
   ン部材と、 このプラテン部材を常時前記印字ヘツドから離
   間する方向に付勢するスプリングと、 前記操作部材の操作に連動して前記プラテン部
   材を前記印字ヘツドに対し圧接および離間状態に
   変位させるリンク機構と、 前記帯状印字紙を挾んで移送すると共に少なく
   とも一方が移送方向にのみ回転する一対の移送ロ
   ーラと、 この一対の移送ローラの一方の移送ローラと前
   記プラテン部材とを回転自在かつ一体的に結合す
   るローラ支持部材とを備えた非衝撃式プリンタの
   帯状印字紙案内装置。