JPH0133351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フイルム被覆された重ね合せ伝票に
関するものである。

百貨店、運送業、各種工場等では、複数枚の重
ねられた伝票を用い、最上部の伝票に書き込めば
伝票間のカーボンまたは裏カーボンにより上ら２
枚目以下の伝票に同時に記載され、そのうちの１
枚の伝票を届け品に貼着し、残りの伝票を配送伝
票、配達証明伝票、作業伝票その他に利用する方
式の伝票が用いられている。

この種の伝票は、従来、複数枚重ね合せられた
紙製の伝票を露出した状態で用い、フイルムによ
り被覆されていない段階で文字を記入する。そし
て商品に貼着されるお届け伝票は、雨のかかりや
汚れを防ぐために、商品貼着時にフイルムで覆わ
れる。フイルムの被覆は、商品上に届先を表示し
たお届け伝票を置いて、その上から伝票とは別に
作製された片面にのりが塗布されこののり塗布面
に離型紙をとりつけた袋状ビニールフイルムを用
いて、離型紙をのり塗布面からはがしつつ、フイ
ルムののり塗布面で伝票を商品上に押えて固定す
ることにより行なつていた。しかし、このような
伝票ののり付きフイルムによる商品上への貼着作
業は、作業能率が悪く、改善が望まれていた。

このような問題を解消するために、本出願人に
より、始めからフイルムで覆われた形式の伝票を
用い、このフイルムで覆われた伝票を商品に貼着
して、作業性を向上させるようにした種々の提案
がなされている。たとえば、出願公開前の段階に
あるものではあるが、特開昭59−43000号、特開
昭59−143691号の提案がそれに属する。

本考案は、これらの提案と同様の目的、すなわ
ち、伝票をフイルムで覆つて保護するとともに商
品への貼着の作業性を良好にし、しかも伝票の取
扱いも容易なフイルム被覆形式の伝票を提供する
ことを目的とするものである。

この目的に沿う本考案のフイルム被覆伝票は、
三方ヒートシールされた樹脂製の袋の中に、最上
層にお届け伝票を配置すると共に最下層に非常抜
取りタイプの伝票を配置して伝票をのり付けしな
い状態で重ね合せた重ね合せ伝票を前記袋に固定
しない状態で収納し、最上層のお届け伝票を袋の
上フイルムにのり付けすると共に、最下層の非抜
取り伝票の袋奥側の端部を袋の下フイルムにのり
付けしかつ該非抜取り伝票にのり付け部に沿つて
ミシン線を施し、袋の下フイルム下面にのりを塗
布して該のり塗布面を離けい紙で着脱自在に覆つ
たものから成る。

このように構成された伝票においては、商品へ
の貼着前にあらかじめ重ね合せの伝票を機械によ
りフイルム袋により被覆でき、それを商品への貼
着時に離型紙を取除いて貼着する作業だけで済む
ので、伝票の商品への貼着が従来に比べて容易と
なり、作業性が向上される。

また、上記の本考案によるフイルム被覆伝票
は、フイルムの袋の中で、伝票とカーボン紙との
のり付けを除いて、互にばらばらの状態にあり、
伝票のフイルムの袋からの取出しが容易である。
すなわち、既に提案されたフイルム被覆伝票で
は、重ね合せ伝票は全てがその左端においてフイ
ルムにのり付けされていたため、左端のり付け部
に沿つて伝票にはミシン線が入れられ、該ミシン
線において切離しできるようになつていた。しか
し、ミシン線の存在にもかかわらず袋からの伝票
の取出しが必ずしも容易でない場合が生じること
も予想され、伝票の引出し時に伝票がミシン線以
外の部分で裂けるおそれもあつたが、本考案では
伝票が最上層のお届け伝票と最下層の非抜取り伝
票を除いて左端においてフイルムにとめられてい
ないので、従来に比べて取出しは容易である。

また、伝票の右端を袋より露出させることによ
り、その部分に指により引出し力を加えることが
でき、伝票の取出しが極めて容易なものとなる。

以下に本考案のフイルム被覆伝票の望ましい実
施例を図面を参照して説明する。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示し
ている。図中１０は伝票の重ね合せ体である。伝
票１１にはカーボン紙がのり付けされている場合
もあり、カーボン紙が無い場合もある。伝票１１
の最上層には届け先迄配送されるお届け伝票１２
があり、最下層には届け先で切り取られる非抜取
り伝票１３がある。

重ね合せ伝票１０は上下から上フイルム１４、
下フイルム１５とで覆われる。上フイルム１４と
下フイルム１５とは、重ね合せ伝票１０の左端お
よび天地に沿う位置で、熱融着され、３方シール
された袋に形成される。１６は上、下フイルム１
４，１５の熱融着部を示している。袋の熱融着部
１６と重ね合せ伝票１０は互に固定されておら
ず、伝票は３方シールされた袋の右側より取り出
し可能である。

上フイルム１４は重ね合せ伝票１０の最上層に
位置するお届け伝票１２に、伝票１１の天地の方
向に延びるのり付け部１７により、伝票１１の左
右の位置でのり付けされる。したがつて、お届け
伝票１２は上下フイルム１４，１５から成る袋か
ら取出し不能である。

最下層の伝票１３は、下フイルム１５に伝票左
側の位置でのり付け部１８においてのり付けされ
る。最下層の伝票１３には、のり付け部１８に沿
う位置にミシン線１９がいれられており、ミシン
線１９より右側はミシン線１９で切ることにより
袋から取出しができるようになつている。しか
し、この取出しは通常届け先に配送された後の段
階で行なわれる。

最下層の伝票１３は振替用紙と挨拶文または説
明文が記載されたものを２つ折りまたは４つ折り
したものから成つていてもよく、このようなもの
も本考案の伝票の概念に含む。

重ね合せ伝票１０は、最上層の伝票１２を除
き、その右端部が上フイルム１４から右側に露出
している。一方下フイルム１５は重ね合せ伝票１
０の全体の下部を伝票の右端も含めて覆つてい
る。

下フイルム１５の下面にはのり２０が塗布さ
れ、のり２０が塗布された部分は離型紙２１が着
脱可能に貼着される。

上記のように互にばらばらの重ね合せ伝票１０
を機械的にフイルム被覆する場合、重ね合せ伝票
１０は、いつたん第３図のように形成される。第
３図では、伝票１１は当初ミシン線２２より右側
に延ばされており、この延ばされた部分の右端で
のり２３によりのり付けされている。のり付けは
ホツチキス綴りで代替りされてもよい。このよう
に重ね合せられるべき伝票１１の１単位を綴り合
せて上下から上フイルム１４、下フイルム１５を
あて、上、下フイルム１４，１５を熱融着すると
共に最上層、最下層伝票と上、下フイルム１４，
１５をのり固定し、然る後ミシン線２２で伝票１
１を切り離し、第２図のフイルム被覆伝票とす
る。

上記のように構成されたフイルム被覆伝票の商
品への貼着は、まず、離型紙２１が下フイルム１
５から取除けられ、のり２０塗布面を商品に向け
て該のり塗布面を商品にあてることにより行な
う。したがつて、伝票１１は商品の貼着前に既に
上下フイルム１４，１５間に被覆された状態にあ
り、商品貼着時に伝票をフイルムにて覆うもので
はないので、伝票の商品への貼着およびフイルム
での被覆が従来に比べ大幅に容易となり、作業性
が向上される。すなわち、伝票のフイルム被覆
が、伝票の商品への貼着の前に予じめ行なわれ、
しかもフイルム被覆が機械化できるので、作業性
が向上される。また、一たんフイルム１４，１５
で被覆された伝票１１のフイルム１４，１５内か
らの取出しは、各々の伝票１１が、取り出す必要
のないお届け伝票１２および非抜取り伝票１３を
除きフイルム１４，１５にのり固定されていない
ので、容易にフイルム袋から取出すことができ、
取出す時に伝票１１が離れたりすることはない。
さらに、伝票１１のフイルム１４，１５内からの
取出しにおいて、伝票１１の右端が上フイルム１
４から露出しているので、該部分で容易に伝票１
１に引出力を指にて加えることができ、引出しが
容易になつている。

以上の通りであるから本考案のフイルム被覆伝
票によるときは、商品への伝票貼着作業が容易化
できるとともに、お届け伝票および非抜取り伝票
以外の伝票の上下フイルムから成る袋からの取出
しが容易になる。この場合、伝票の右端を袋右方
にはみださせると、伝票の取出しは更に容易化さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るフイルム被覆
伝票の平面図、第２図は第１図の断面図、第３図
は本考案の第１図のフイルム被覆伝票の製造途中
の段階の断面図、である。 １０……重ね合せ伝票、１１……伝票、１２…
…お届け伝票、１３……非常抜取り伝票、１４…
…上フイルム、１５……下フイルム、１６……熱
融着部、１７，１８……のり付け部、１９……ミ
シン線、２０……のり、２１……離型紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 三方ヒートシールされた樹脂製の袋の中に、最
   上層にお届け伝票を配置すると共に最下層に非抜
   取りタイプの伝票を配置して伝票をのり付けしな
   い状態で重ね合せた重ね合せ伝票を前記袋に固定
   しない状態で収納し、最上層のお届け伝票を袋の
   上フイルムにのり付けすると共に、最下層の非抜
   取り伝票の袋奥側の端部を袋の下フイルムにのり
   付けしかつ該非抜取り伝票にのり付け部に沿つて
   ミシン線を施し、袋の下フイルム下面にのりを塗
   布して該のり塗布面を離けい紙で着脱自在に覆つ
   たことを特徴とするフイルム被覆伝票。