JPH0132673Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0132673Y2
JPH0132673Y2 JP1982165391U JP16539182U JPH0132673Y2 JP H0132673 Y2 JPH0132673 Y2 JP H0132673Y2 JP 1982165391 U JP1982165391 U JP 1982165391U JP 16539182 U JP16539182 U JP 16539182U JP H0132673 Y2 JPH0132673 Y2 JP H0132673Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arc
light
inorganic
container
absorber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP1982165391U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5969468U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP16539182U priority Critical patent/JPS5969468U/ja
Publication of JPS5969468U publication Critical patent/JPS5969468U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0132673Y2 publication Critical patent/JPH0132673Y2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc-Extinguishing Devices That Are Switches (AREA)
  • Breakers (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は開閉器の容器内の圧力の抑制に関す
るものである。なおこの考案でいう開閉器とは、
特に回路しや断器、限流器、電磁開閉器などの容
器、通常は小型容器内でアークを生じるものを示
している。
以下においては、回路しや断器を例に説明す
る。
第1図〜第3図は従来の回路しや断器を示す断
面図で、それぞれ異なつた動作状態を示してい
る。
1はカバー、2はベースで、カバー1とベース
2とで容器3を構成している。4は固定接触子
で、固定導体5の一端に固定接点6を有し、他端
は外部導体(図示せず)に接続されるように端子
部になつている。7は可動接触子で、可動導体8
の一端に固定接点6に対向した可動接点9を有し
ている。10は可動接触子装置、11は可動子腕
で、クロスバー12に固定され、各極同時に開閉
されるように構成されている。13は消弧室で、
複数枚の消弧板14とその両側部を支持した側板
15とにより形成されている。16はトグルリン
ク機構で、上リンク17と下リンク18より構成
されている。上リンク17の一端はクレドル19
に、また他端は下リンク18の一端にそれぞれ軸
20,21により連結されている。なお下リンク
18の他端は上記可動接触子装置10の可動子腕
11に連結されている。22は起倒形操作ハンド
ル、23は作動ばねで、トグルリンク機構16の
軸21と上記操作ハンドル22との間に架張され
ている。24,25はそれぞれ熱動および電磁引
きはずし機構で、作動時には、それぞれバイメタ
ル26および可動鉄心27によりトリツプバー2
8を反時計方向に回動させるようになつている。
29は一端が上記トリツプバー28に係止され他
端がクレドル19と係止しているラツチである。
クレドル19がラツチ29に係止した状態で操
作ハンドル22を閉路位置に倒せば、トグルリン
ク機構16が伸長して軸21がクレドル19に係
止され、可動接点9は固定接点6に接合させる。
この状態が第1図である。ついで操作ハンドル2
2を開路位置に倒せば、トグルリンク機構16は
屈曲して可動接点9を固定接点6より開離させ、
可動子腕11がクレドル軸30に係止される。こ
の状態が第2図である。また前記第1図に示す閉
路状態で回路に過電流が流れると、熱動引きはず
し機構24あるいは電磁引きはずし機構25が作
動してクレドル19とラツチ29の係合が解除さ
れ、クレドル軸30を中心に時計方向にクレドル
19が回転し、ストツパー軸31に係止される。
このとき、クレドル19と上リンク17の連結点
が上記作動ばね23の作用線を越えるため、作動
ばね23のばね力によつてトグルリンク機構16
が屈曲してクロスバー12により各極連動して自
動しや断を行なう。この状態が第3図である。
つぎに、回路しや断器が電流しや断時に発生す
るアークの振舞いについて説明する。
いま、可動接点9と固定接点6とが接触してい
る場合においては、その電力は電源側より固定導
体5、固定接点6、可動接点9および可動導体8
を順次経由して負荷側へ供給される。この状態に
おいて、短絡電流などの大電流がこの回路に流れ
ると、前述したように、可動接点9が固定接点6
から開離される。この際、上記固定および可動接
点6,9間にはアーク(第3図)Aが発生し、固
定および可動接点6,9間にはアーク電圧が発生
する。このアーク電圧は、固定接点6からの可動
接点9の開離距離が増大するにしたがつて上昇
し、また、同時にアークAが消弧板14の方向へ
磁気力によつて引き付けられ伸長するために、さ
らに上昇する。このようにして、アーク電流は電
流零点を迎えてアークを消弧し、しや断が完結す
る。しかし、この注入された莫大なアークエネル
ギーは最終的には熱エネルギーの形になり完全に
容器外に逃げ去るが、過渡的には限られた容器内
のガスの温度を上昇させ、延いてはガス圧力を急
激に上昇させることになる。これにより回路しや
断器内部の絶縁劣化、回路しや断器外部への放出
火花量の増大による電源短絡事故や回路しや断器
本体の破壊などを招くおそれがあつた。
つぎに、この考案を創作する基になつたアーク
のエネルギー消費のメカニズムに関して述べる。
第4図は、接触子4,7間にアークAが生じた
図である。図中TはアークAから接触子に伝導し
て逃げる熱エネルギーの流れ、mはアーク空間か
ら逃げる金属粒子のエネルギーの流れ、Rはアー
ク空間から逃げる光によるエネルギーの流れをそ
れぞれ示している。第4図において、アークAに
注入されたエネルギーは、上記の三つのエネルギ
ーの流れ、T,m,Rによつて概ね消費されてし
まう。この内、接触子への熱の逃げTは微小であ
り、大半のエネルギーはmとRにて持ち去られて
しまう。さて、従来、アークAのエネルギーの消
費のメカニズムにおいては、図中のmが圧倒的で
あり、Rのエネルギーはほとんど無視されていた
が、考案者などの最近の研究により、Rのエネル
ギーすなわち、光によるエネルギーの消費がアー
クAに注入されたエネルギーの約70%にも達する
程莫大であることが解明されるに至つた。
すなわち、アークに注入されたエネルギーの消
費はつぎのように解析できる。
PW=V・I=PK+Pth+PR PK=1/2mV2+m・Cp・T 但し、 PW:瞬時注入エネルギー V :アーク電圧 I :電流 V・I:アークに注入される瞬時電気エネルギ
ー PK:金属粒子が持ち去る瞬時エネルギー消費量 1/2mV2:mgの金属粒子が速度Vで飛び去る時
持ち去る瞬時エネルギー消費量 m・Cp・T:定圧比熱Cpのガス(金属粒子の
ガス)が温度Tにて逃げたときに持ち去る瞬
時エネルギー消費量 Pth:アーク空間から、電極へ熱伝導にて逃げ
去る瞬時エネルギー消費量 PR:光により、アークから直接放射される瞬
時エネルギー消費量 上記の消費量は接触子形状やアーク長によつて
変化するが、10〜20mmのアークに対してはそれぞ
れPK=10〜20%、Pth=5%、PR=75〜85%であ
る。
つぎに、アークAを容器3に閉じ込めたときの
状況を第5図に示す。アークAを容器3に閉じ込
めると、容器3内空間は、金属粒子が充満しかつ
高温の状態となる。特に、アーク陽光柱Aの周辺
ガス空間Q(図中斜線で示した空間Q)は、上記
の状態が強い。さて、アークAを発した光は、ア
ーク陽光柱Aから放出され、容器3の壁に照射さ
れ反射する。反射された光は散乱され、再度、金
属粒子の充満した高温空間を通過し、再度、壁面
に照射される、このような過程を光量が零になる
まで繰り返すのである。この間の、光の経路を図
中Ra→Rb→Rc→Rdにて示している。
上記の過程において、アークAから発した光の
消費はつぎの2点である。
(1) 壁面での吸収 (2) アーク空間および周辺(高温)ガス空間によ
る吸収、すなわちガス空間による吸収 また、アークAから発する光は、2000Å以下の
遠紫外から、1μm以上の遠赤外までのすべての波
長領域に渡り、連続スペクトルおよび線スペクト
ルからなる。一般の容器壁面は、たとえ表面が黒
色をしている場合でも、4000Å〜5500Å程度の範
囲においてのみ、光の吸収能力を有するのみで、
その他の範囲においては、一部を吸収するにとど
まりほとんど反射してしまうものである。ところ
が、アーク空間および周辺高温ガス空間での吸収
はつぎのようになる。
長さLの一様な組成・温度を有するガス空間に
波長λの光を照射した時ガス空間による光の吸収
量は、つぎのように算定できる。
Ia=Ae・n・LIin ………(1) Ia :ガスによる吸収エネルギー Ae :吸収確率 Iin:照射する光エネルギー n :粒子密度 L :光が通過する光路長 但し、(1)式は、特定波長λに対する吸収エネル
ギー量を示す。Aは特定波長λに対する吸収確率
であり、波長λ、ガス温度、粒子の種類の関数で
ある。
(1)式について、量子力学の教えにしたがえば、
吸収係数Aは、連続・線スペクトルともに、光を
発する光源ガスと同一状態のガス(すなわち、粒
子の種類、温度が同一)が最も大きな値を有する
ことになる。すなわち、アーク空間から発する光
は、アーク空間およびその周辺ガス空間で最も多
く吸収されるわけである。
(1)式において、光の吸収エネルギー量Iaは、光
路長Lに比例する。第5図に示すように、アーク
空間からの光が壁面にて反射されると、(1)式中の
Lは、その反射回数倍だけ増大することになり、
アーク空間の高温部で吸収される光エネルギー量
が増大することになる。
これは、すなわち、アークAの発する光のエネ
ルギーが結局、容器3内のガスに吸収され、これ
によつてガスの温度が上昇し、ガスの圧力が上昇
することを意味している。
そこでこの考案の前提としては、アークに注入
されたエネルギーの約70%にも達する光のエネル
ギーを効果的に吸収するために、特定の材料を使
用するもので、開閉器の容器内で、アークの光の
エネルギーを受ける特定位置に、アークの発する
光を効果的に吸収する繊維、網および見掛け気孔
率35%以上の高多孔質材料のうちの1種または2
種以上の複合材を選択的に配置することによつ
て、容器内の光を多量に吸収させてガス空間の温
度を低下させ、それにより圧力を低下させるもの
である。
一般的には、上記繊維としては無機系、有機
系、無機系と有機系との複合材、金属、織材およ
び不織布などのうちから選択されるが、高温アー
クにさらされる空間に設置する関係上、熱的強度
を有するものが必要である。
また、網としては無機系、有機系、無機系と有
機系との複合材、金属などのほか、細線金網を多
層に重ねたものや編素線などもその選択の対象と
なり得るものである。この網の場合も、熱的強度
を有するものが必要である。
上記繊維および網の材料のうち、無機系ではセ
ラミツク、カーボン、アスベストなどが好適であ
り、金属ではFe,Cuが最適であり、Zn,Niなど
にメツキを施こしたものも適用可能である。
多孔質素材は、一般には固体構造内に多数の細
孔を持つ材料で、金属、無機質、有機質などの多
くの範囲における材料に存在するもので、材質と
細孔との関係において、一つは固体粒子相互の接
点で焼結固化したもの、他の一つは孔が主体で孔
を形成する隔壁が固体物質であるものに区別され
ている。なおこの考案で素材とは、形状にとらわ
れない、形状加工前のもとの材料をいう。
さらに細かく分類すると粒子間の隙間が細孔と
して存在するもの、粒子間の隙間と粒子内の孔の
細孔を共有するもの、発泡性の孔を内部に包含す
るものなどに分けることができる。また通気性・
通水性のあるものと、気孔が内部に独立し通気性
のないものとに大別することもできる。
上記の細孔の形状は非常に複雑で、大きくは開
孔と閉孔に類別され、その構造は、細孔容積また
は気孔率、細孔径および細孔径分布、比表面積な
どで表示する。
気孔率は多孔質素材に含まれる開孔と閉孔のす
べての細孔容積の割合を素材の全容積(カサ容
積)に対する空隙比すなわち百分率で示したもの
を真の気孔率とし、測定方法は液体または気体に
よる置換法および吸収法などによるが、簡便法と
してJISR2614の耐火断熱レンガの比重および気
孔率の測定方法に定義されるとおり、つぎのよう
に計算される。
真の気孔率=(1−カサ比重/真比重)×100% また開孔の容積の割合を素材の全容積(カサ容
積)に対する空隙比すなわち百分率で示したもの
を見掛けの気孔率とし、JISR2205耐火レンガの
見掛気孔率、吸収率および比重の測定方法に定義
されるとおり、つぎのようにして計算される。な
お見掛け気孔率は有効気孔率ともいう。
見掛けの気孔率=飽水重量−乾燥重量/飽水重量−水
中重量×100% 細孔径は細孔容積および比表面積の測定値より
求められるが、原子やイオンの大きさに近いもの
から粒子団の界面間隙まで数Å(オングストロー
ム)から数mmまで分布するが、一般に、その分布
の平均値として定義される。多孔質素材では顕微
鏡による方法や水銀圧入法で気孔の形状、大きさ
およびその分布を測定することができる。一般に
は複雑な気孔の形状や分布の状態を正確に知るた
めには顕微鏡を用いるのが直接的で好ましい。
比表面積の測定は各種吸着ガス質の各温度にお
ける吸着等温線を利用して求められるBET法が
多く用いられ、特に窒素ガスが多く用いられる。
つぎに、この考案の前提である、特定の材料に
よる光のエネルギーの吸収とそれによるガスの圧
力低下の模様を、無機質高多孔材料を例に説明す
る。
第6図は無機質高多孔素材を示した斜視図、第
7図は第6図の部分拡大断面図である。同図にお
いて33は無機質高多孔素材、34は無機物表面
に通じる開孔を示している。開孔34の細孔径は
数μから数mmまで大小さまざなま分布を示してい
るものである。
さて、この多孔素材33に第7図のRにて示す
ように、光が入射した場合に光が開孔34に入射
すると、光は無機物の壁面に当り、反射され、そ
の細孔の内部で多重反射され、ついには壁面に
100%吸収されてしまう。すなわち、開孔34に
入射した光は、無機物表面に直接吸収され、細孔
内で熱になるのである。
第8図は無機質高多孔材料をモデル容器内に入
れたものにおいて、その無機質高多孔材料の見掛
けの気孔率を変化させたときのモデル容器内圧力
変化の曲線図を示している。第8図で横軸は見掛
けの気孔率、縦軸は容器内壁をCu,Fe,Alなど
の金属で構成したときの圧力を1として規格化し
てある。実験条件としては、一辺10cmの立方体の
密閉容器内にAgW接点を10mmの定ギヤツプに設
置しピーク10KAの正弦波電流のアークを8mS
(ミリ秒)発生させ、このときのエネルギーで生
じる容器内圧力を測定している。
上記実施例に使用した無機質高多孔材料として
は、コージライト材質の陶磁器原料を可燃性もし
くは発泡剤を加えるなどの方法で成形し焼結し
て、多気孔にした多孔質陶磁器で、平均細孔径範
囲10〜300μ、多孔質素材の見掛け気孔率20%、
30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80
%、85%のもので、50mm×50mm×4mmtの各種サ
ンプルを使用し、これを容器壁面に配置し、容器
内面の表面積の50%を覆うようにした。
細孔径としては、吸収される光の波長領域を若
干越える程度の平均細孔径とその細孔が表面に占
める割合すなわち細孔の比表面積の多少が問題と
なる。また、光の細孔内吸収においては、細孔の
深いものが効果があり、連通気孔が好ましい。開
閉器でアークAから発生する光は数百Å〜10000
Å(1μm)に分布するので、これを若干越える程
度、すなわち、数千Å〜数1000μmの平均細孔径
のものが適しており、表面に占める孔の面積が、
見掛け気孔率35%以上となる高多孔質材料がアー
クAの発する光の吸収に適している。特に細孔径
上限が1000μm以下の範囲にあり、細孔の比表面
積が大きい程効果がある。実験では平均細孔径
5μ〜1mmでアークの発する光に対して、良好な
吸収特性を示すことを確認した。また、材質がガ
ラスで、平均細孔径が5μ,20μでアークの発する
光に対して良好な光の吸収を観測した。
第8図の特性曲線aからわかるように、無機質
高多孔材料の気孔は光エネルギーを吸収し、開閉
器内部の圧力を低下する効果があり、これは多孔
質素材の見掛け気孔率の増大とともに大きくな
り、特に気孔率が35%以上から顕著になり、85%
までの範囲で効果が確認された。気孔率がさらに
増大すれば、高多孔材料の厚さを一層増加させる
ことにより対応させる必要がある。
ただし多孔質素材の見掛け気孔率と機械的強度
の関係において、気孔率が大きくなると、もろく
なつたり熱伝導性が低下し高熱により溶融し易
く、また、気孔率が小さい場合には、開閉器内減
圧の効果が薄い。したがつて、実用的には多孔質
素材の見掛け気孔率が40〜70%の範囲の高多孔質
材料が最適である。
第8図の特性傾向は無機質多孔材料全般につい
て言えることであつて、これは光の吸収に関する
以上の説明からも推察できるところである。
従来の開閉器には無機質材料が使用されている
ものがあるが、その使用目的は、特に有機物容器
のアークからの保護が主であつて、その特性は耐
アーク性、寿命、熱伝導、機械的強度、絶縁性、
炭化対策が求められており、これらを満す無機質
材料は必然的にち密化指向で構成され、目的を異
にするもので、その見掛け気孔率は20%前後とな
つている。
高多孔質素材としては無機、金属、有機系など
があるが、中でも無機系は、絶縁物でかつ高融点
材料として特徴ずけられる。この2つの性質は、
開閉器の容器内部に設置する材料としては格好で
あり、電気的に絶縁物なので、しや断に対し悪影
響が少なく、また、高温にさらされても、融けた
り、ガスを放出しにくいので、圧力抑制材料とし
ては最適である。
無機質多孔材料としては、多孔質の陶磁器、耐
火物、ガラス、セメント硬化体などがありいずれ
も開閉器内のガスの圧力の低下をさせるために使
用できる。
以下、この考案の実施例を図面にもとづいて説
明する。
第9図はこの考案の第1実施例にかかる回路し
や断器の一部切欠側面図、第10図は要部の斜視
図である。これらの図において、4は固定接触子
で、固定導体5の先端上面に固定接点6を固着し
てなる。7は可動接触子で、上記固定接点6に接
離する可動接点9を可動導体8の先端下面に固着
してなる。35,35は一対の光吸収体であり、
無機質、有機質、無機質と有機質との複合材のう
ちから選定され、かつ繊維、網および見掛け気孔
率35%以上の多孔質材料のうちの1種または2種
以上の複合材で構成されている。この両光吸収体
35,35は、可動接触子7を固定接触子4から
開離したときに可動接点9と固定接点6との間で
発生するアークAを両側から挟むように、上記両
電気接触子4,7の近傍両側に所定の間隔をあけ
て配置されている。36はL字形の熱吸収体であ
り、可動接触子7の移動軌跡部分を除いて、上記
両光吸収体35,35間に形成された上方開口部
37aと後方開口部37bの一部または全部に対
向してこれの近傍に配置されている。熱吸収体3
6は銅、鉄、ステンレス、アルミニウム、ニツケ
ルなどの金属あるいは合金などを素材とする金属
細線の集合体、多孔質金属、多数の小孔を有する
金属板のうちの1種または2種以上の複合材によ
り構成されている。その他の構成については従来
のものと同様であるので、その説明は省略する。
つぎに上記構成の動作を説明する。可動接触子
7を固定接触子4から開離すると、可動接点9と
固定接点6間にアークAが発生する。光吸収体3
5,35はアークAの最も近くに位置しているの
で、接点側面設置とはいえ、アークAの放出する
光のエネルギーを受ける立体角が非常に大きく
て、圧力発生源である光のエネルギーを吸収する
という前述の作用効果が非常に効率よく行なわ
れ、しや断時の容器内圧が著しく低下する。その
結果、従来ありがちであつたしや断時のモールド
容器破壊がなくなつて、カバー1、ベース2から
なる容器3の機械的強度を軽減させることが可能
となり、カバー1、ベース2を形成するモールド
素材量を大幅に低減させたり、カバー1、ベース
2の素材として機械的強度の低いより安価なグレ
ード材を用いて、カバー1、ベース2のコストダ
ウンを図ることができる。さらに上記容器内圧の
低下により、しや断時の容器3からのアーク放出
火花量が低減して、電気しや断時の電源側での短
絡事故などの2次災害が予防されるほか、上記容
器内圧の低下とともにアーク温度が低下し、かつ
アークAを両側から光吸収体35,35で挾んで
いることにより、従来そうであつたようなアーク
A近傍の金属物、絶縁物の溶融蒸発に起因する電
源負荷間のメグオームおよび相間のメグオームの
低下が防止され、安全性および信頼性が向上す
る。
また、熱吸収体36は前述のように光吸収体3
5,35間の開口部37a,37bに対向してこ
れの近傍に配置されているので、この開口部37
a,37bに向かつて排出される接点6,9およ
び導体5,8の溶融物が熱吸収体36に付着し、
しや断後の接点間および相間のメグオームが向上
する。
また、熱吸収体36は光吸収体35,35を経
たのちの高温気体を作用させるので、熱吸収体3
6上に直接アークAの足が形成され難く、アーク
の足が形成されることで生じる不具合、すなわ
ち、熱吸収体36の溶融蒸発によるアーク電圧の
低下、メグオームの低下などがなく、熱伝導率の
高い表面積の大きい熱吸収体36によつて、光吸
収体35,35で吸収しきれなかつた光エネルギ
ーの吸収および熱エネルギーの吸収を補なつて、
容器内圧の低下を促進する効果がある。
第11図はこの考案の第2実施例であり、光吸
収体35,35間の背部のみに熱吸収体36を設
置したものを示す。
なお、光吸収体35,35の素材として、マグ
ネシアあるいはジルコニアなどを主成分とする無
機質多孔物質を使用すると、光吸収体表面がアー
クに直射されて高温化してもガラス化することな
く結晶化するので、アーク期間中、光吸収体表面
のメグオームが低下せず、良好なしや断性能を得
ることができる。さらに、上記無機質多孔質材料
の表面を熱処理によつて硬化したり、無機質多孔
物質に有機材を適当に複合させると、内圧低下の
作用に大きな妨げになることなく、開閉器の振動
衝撃による光吸収体35,35からの粉の析出を
防止することができる。
以上のように、この考案によれば、電気接触子
の近傍に設けた光吸収体と、この光吸収体の開口
部の近傍に設けた熱吸収体との組合わせによる相
乗効果により、開閉器容器内のガス温度およびガ
ス圧力を効果的に低下させることができるため、
容器内部の絶縁劣化防止および外部への放電火花
量の減少に伴なう電源側短絡事故の防止を図るこ
とができる。また、この考案によれば、上記光吸
収体と熱吸収体とを併用することによつて高温の
アークガスを効率よく冷却することができるた
め、接点間で発生したアークの消弧効果がきわめ
て大きくなる。したがつて、従来、この種開閉器
に設けられている複数の消弧板からなる消弧装置
を省略することが可能となり、内圧低下による容
器の機械的強度の軽減(軽量化)と相まつて大巾
なコストダウンを図ることができる効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は従来の回路しや断器の断面図
で、それぞれ異なつた動作状態を示す。第4図は
接触子間にアークが発生した様子を示す説明図、
第5図は容器内の接触子間にアークが発生した様
子を示す説明図、第6図は無機質高多孔素材を示
す斜視図、第7図は第6図の部分拡大断面図、第
8図はアークを発生させたときの、見掛けの気孔
率に対する容器内圧力変化を示す曲線図、第9図
はこの考案の第1実施例にかかる回路しや断器の
一部切欠側面図、第10図は要部の斜視図、第1
1図は第2実施例にかかる要部の斜視図である。 3……容器、4,7……電気接触子、5,8…
…導体、6,9……接点、35……光吸収体、3
6……熱吸収体、37……開口部、A……アー
ク。なお、図中同一符号は同一または相当部分を
示す。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 導体およびこれに固着された接点により構成
    され容器内で開閉動作を行う少なくとも1対の
    電気接触子と、この両電気接触子を挟んでこれ
    の近傍両側に所定の間隔をあけて配置され上記
    接点間で発生したアークの光エネルギーを吸収
    する一対の光吸収体と、上記電気接触子の運動
    軌跡部を除いて上記両光吸収体間に形成された
    開口部の一部または全部に対向してこれの近傍
    に配置されこの開口部に向つて排出されたアー
    クガスの熱エネルギーを吸収する熱吸収体とを
    具備し、上記光吸収体は無機系、有機系、無機
    系と有機系との複合材のうちから選定されかつ
    繊維、網および見掛け気孔率35%以上の多孔質
    材料のうちの1種または2種以上の複合材で構
    成され、また上記熱吸収体は金属細線の集合
    体、多孔質金属、多数の小孔を有する金属板の
    うちの1種または2種以上の複合材で構成され
    た開閉器。 (2) 光吸収体の表面を熱処理によつて硬化させた
    実用新案登録請求の範囲第1項記載の開閉器。 (3) 光吸収体はマグネシアあるいはジルコニアを
    主成分として形成した実用新案登録請求の範囲
    第1項または第2項記載の開閉器。
JP16539182U 1982-10-29 1982-10-29 開閉器 Granted JPS5969468U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16539182U JPS5969468U (ja) 1982-10-29 1982-10-29 開閉器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16539182U JPS5969468U (ja) 1982-10-29 1982-10-29 開閉器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5969468U JPS5969468U (ja) 1984-05-11
JPH0132673Y2 true JPH0132673Y2 (ja) 1989-10-05

Family

ID=30362362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16539182U Granted JPS5969468U (ja) 1982-10-29 1982-10-29 開閉器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5969468U (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014223529A1 (de) * 2014-11-18 2016-05-19 Volkswagen Aktiengesellschaft Gleichspannungsschalter für Hochvolt-Bordnetze
US9478951B2 (en) * 2014-12-30 2016-10-25 Schneider Electric USA, Inc. Method for treating internal arcs

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5652841B2 (ja) * 1979-07-19 1981-12-15

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS594536Y2 (ja) * 1979-04-23 1984-02-09 松下電工株式会社 配線用遮断器の消弧装置
JPS5652841U (ja) * 1979-09-30 1981-05-09
JPS5685340U (ja) * 1979-12-06 1981-07-09
JPS56176447U (ja) * 1980-05-30 1981-12-26

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5652841B2 (ja) * 1979-07-19 1981-12-15

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5969468U (ja) 1984-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4575598A (en) Circuit breaker
US4521653A (en) Circuit breaker with arc light absorber
JPH0132673Y2 (ja)
US4516002A (en) Circuit breaker with arc light absorber
US4516003A (en) Circuit breaker with arc light absorber
JPH029480Y2 (ja)
JPH0335769B2 (ja)
KR890001334Y1 (ko) 개 폐 기
JPS5979933A (ja) 開閉器
JPH03734B2 (ja)
JPH0451926B2 (ja)
JPS58181240A (ja) 開閉器
JPS58181246A (ja) 開閉器
JPS58181234A (ja) 開閉器
JPS58181231A (ja) 開閉器
JPS58181233A (ja) 開閉器
JPS58181241A (ja) 開閉器
JPS58181228A (ja) 開閉器
JPS58181238A (ja) 開閉器
JPS5983321A (ja) 開閉器
JPS58181232A (ja) 開閉器
JPS58181244A (ja) 開閉器
JPS5935336A (ja) 開閉器
JPS58181229A (ja) 開閉器
JPS5937626A (ja) 開閉器