JPH0131491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の技術分野 この考案は、情報処理装置のプリンタに印刷用
紙を給送する用紙給送装置に設けられる張力付与
装置に関するもので、用紙に付与される張力を用
紙の厚さ、枚数、表面性状等に応じて静的ないし
動的に制御可能にするための構造に関するもので
ある。

(2) 技術の背景 プラテンと印刷ヘツドとで形成される印字部の
下流側に用紙駆動装置を設けたいわゆる引張り型
の用紙給送装置においては、印字部の上流側で用
紙に負荷を与えて印字部を通過する用紙に適当な
張力を与えてやることにより、用紙の改行精度や
印刷品質をあげることができる。この場合に用紙
に付与される張力は、用紙の性状に応じた最適な
値に設定してやることが望ましく、張力が適当で
なかつたり用紙給送中に張力の変動が生じたりす
ると改行精度が悪化したり、ピン駆動を利用した
用紙給送装置では、用紙のマージナルパンチ孔の
孔ガレが発生したりする。

(3) 従来技術の問題点 印字部を通過する用紙に張力を付与する装置と
しては、用紙面に板バネ等の弾圧部材を当接させ
てその摩擦負荷を利用するものが一般に用いられ
ている。

第１図及び第２図はこの従来の張力付与装置の
一例を示したもので、１はプラテン、２は印刷ヘ
ツド、３は印字部、４はトラクタ、５は案内板、
６は印刷用紙、７は張力付与装置である。張力付
与装置７は、第２図に示すように、プリンタのフ
レームに架設した不動部材８に板バネ９，９を固
装したもので、この板バネ９をそれ自体の弾力に
よつて用紙６に当接させて案内板５との間で用紙
６を挾持し、用紙６に摩擦給送負荷を与えて印字
部３を通過する用紙に張力を付与するものであ
る。ところが不動部材に固装した弾圧部材を用紙
面に当接させるだけの従来装置では、用紙の厚さ
や複写をとる為に同時に給送される用紙の枚数、
用紙の表面性状等によつて用紙に付与される張力
が変化して適当な張力を付与することができず、
また、給送される用紙に凹凸（例えば連帳用紙の
折目部分に生ずる凹凸）があるとこの凹凸部が弾
圧部材の当接位置を通過する際に用紙の張力変動
が生じ、改行精度が乱れたり用紙のマージナルパ
ンチ孔の孔ガレが発生するという問題があつた。

(4) 考案の目的 この考案は、上述の従来装置の問題点を解決す
る為になされたもので、供給される用紙の性状に
応じてその張力を最適値に設定することが可能で
あり、必要に応じて用紙の張力を動的に制御する
ことも容易に可能な弾圧部材の取付構造を得るこ
とを目的的としてなされたものである。

(5) 目的を達成するための手段 この考案では、板バネ９その他の弾圧部材を給
送される用紙６の表面に当接させてその摩擦負荷
により該用紙６に張力を付与する張力付与装置７
において、前記弾圧部材９をバイモルフ型電歪振
動子１０を介して不動部材８に固装する構造を採
用している。

(5)′ 作用 バイモルフ型電歪振動子１０は、電圧を印加す
ることにより変位する。バイモルフ型電歪振動子
１０が変位すれば、これを介して装着された弾性
部材９が変位し、用紙６の表面への当接力が変化
する。従つてバイモルフ型電歪振動子１０に設定
された一定の電圧を印加する制御装置を設け、用
紙の種類の応じて設定値を変更してやれば、用紙
に付与される張力を静的に制御することが可能で
あり、また弾性部材９の変位や用紙６の張力を検
出して上記電圧値をフイードバツク制御する制御
装置を設けてやれば、用紙張力を動的に制御する
ことが可能になる。

(6) 考案の実施例 この考案の第１実施例を第３図に示す。図にお
いて、７ま張力付与装置、８は不動部材、９は用
紙面に当接される板バネで、板バネ９はバイモル
フ型電歪振動子１０を介して不動部材８に固装さ
れている。バイモルフ型電歪振動子は、圧電変換
素子の極性を反対にしたものを２枚以上接合した
ものをいい、その電極に電圧を加えるとバイメタ
ルが熱に応動する如く応動して変位する。高変位
用としては、圧電変換素子の接合部に金属板を使
用したものが用いられる。

図示実施例のバイモルフ型電歪振動子１０は、
第３図に示すように、２枚の圧電変換素子１１，
１１の接合部に金属板１２を設けた高変位用のも
ので、この金属板１２の先端に板バネ９が固設さ
れ、電歪振動子１０の基端が不動部材８に固設さ
れている。１３，１３は電歪振動子１０の電極、
１４は固定金具である。用紙面に当接される板バ
ネ９その他の弾圧部材をこのようなバイモルフ型
電歪振動子１０を介して不動部材８に固装してや
れば、当該電歪振動子１０の電極に印加する電圧
を変化させることによつて当該電歪振動子１０の
変位量を制御することができ、板バネ９の用紙面
への当接力を変化させて用紙に付与される張力を
自由に調整することができる。

第４図は、この考案の第２実施例の構造を弾圧
部材９を動的に制御するための制御ブロツク図と
共に示したもので、金属板１２の両面に接合され
た圧電変換素子１１を制御駆動用の部分１１ａと
変位検出用の部分１１ｂとに分割して設け、金属
板１２の変位量を変位検出部分１１ｂの圧電効果
によつて検出し、この検出信号に基づいて制御駆
動部分１１ａに印加される電圧を制御するフイー
ドバツク制御を行わせるようにしたものである。
ここで第４図の１５は増巾回路、１６は演算回
路、１７はサーボ回路、１８は帳力設定器であ
る。このようなフイードバツク制御を行つてやれ
ば、例えば板バネ９の当接部を連帳用紙の折目部
分が通過して電歪振動子１０の変位量が変化した
ときにこの変化を検出して電歪振動子１０に印加
される電圧を制御することにより、当該折目部分
の通過による張力の変動を防ぐことができ、用紙
の張力を動的に制御することも可能になる。

(7) 考案の効果 以上の説明より理解されるように、この考案の
弾圧部材の取付構造によれば、バイモルフ型電歪
振動子の電極に制御電圧を印加することにより、
簡単に用紙張力の制御が可能となり、また種々の
外乱によつて用紙張力に変動が生じた場合にもこ
れを直ちに補正して用紙張力を設定値に維持する
ことも容易に可能であるから、改行精度の高高い
品質の印刷処理を行うことができる。また、バイ
モルフ型電歪振動子は薄い板状であり、圧電効果
によつてそれ自体を変形させて張力の調整を行う
ものであるから、装置の取付けスペースも小さ
く、従来装置と同様な装着構造を採用することが
できるという優れた特徴を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はプリンタにおける従来の張
力付与装置を示したもので、第１図はプリンタ及
び用紙給送装置の要部と共に示す側面図、第２図
は張力付与装置の斜視図である。第３図はこの考
案の第１実施例を示す側面図、第４図は制御ブロ
ツク図を並記して示した第２実施例の斜視図であ
る。 図中、３は印字部、４はトラクタ、５は案内
板、６は印刷用紙、７は張力付与装置、８は不動
部材、９は板バネ、１０はバイモルフ型電歪振動
子、１４は圧電変換素子、１１ａは制御駆動部
分、１１ｂは変位検出部分、１２は金属板、１３
は電極、１５は増巾回路、１６は演算回路、１７
はサーボ回路、１８は張力設定器である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板バネその他の弾圧部材９を用紙面に当接させ
   てその摩擦負荷により給送される用紙に張力を付
   与する張力付与装置において、前記弾圧部材をバ
   イモルフ型電歪振動子１０を介して不動部材８に
   固装したことを特徴とする、張力付与装置の弾圧
   部材の取付構造。