JPH01288253A - 精密鋳造機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、比較的小型の精密鋳造機に係り、例えば、チ
タン及びチタン合金等の高温活性が極めて高い歯科用の
精密鋳造物を製作するための精密鋳造機に関するもので
ある。

「従来の技術」 最近、歯科用材料や成形外科材料として、生体との親和
性や耐食性に優れ、かつ比重の小さいチタンやチタン合
金が用いられるようになっている。

そして、従来のこの種のチタン合金等の歯科用材料の精
密鋳造機としては、第４図に示すものが知られている。

図中符号ｌは精密鋳造機であり、この精密鋳造機ｌは密
閉容器１ａの側面に扉式の蓋ｉｂが取り付けられてなる
ものであり、密閉容器１ａの内部は上部の加圧溶解室２
と下部の減圧鋳造室３とから構成されている。加圧溶解
室２の天井部分には、先端部が加圧溶解室２内に露出す
ると共に、基端部が電源端子２ａに接続された非消耗性
電極２ｂが固定され、加圧溶解室２と減圧鋳造室３とを
区画する隔壁４には連通孔５が形成され、隔壁４の連通
孔５の加圧溶解室側（上側）の周縁部は、リング状の膨
出部６が形成されることにより、その上部に載置される
るっぽ７の受台となっており、隔壁４の減圧鋳造室３側
（下側）の連通孔５の周縁部に形成されたリング状の膨
出部８は、その下方に配置される鋳型９の接触部分とな
っている。また、加圧溶解室２の側面には、蓋１ｂに覗
き窓２ｃが取り付けられており、これによって内部を目
視することができるようになっている。　前記るっぽ７
は短円柱状の銅製の容器であり、内部がすり林状に形成
され、さらに底部中央には円形の流出孔７ａが形成され
ている。そして、るっぽ７の内部には、流出孔７ａの直
径より大きな直径の、合金によって製作された円柱状の
鋳物材料７ｂが載置されており、前記流出孔７ａは鋳物
材料７ｂの底面によって塞がれた状態となっている。ま
た、鋳型９は円筒型枠１０の内部に通気性の埋没材１１
を鋳込んだものであり、埋没材１１には湯口１２と造形
空洞１３とが形成されている。

そして、鋳型９の底部には鋳型の受台１４が設けられて
おり、この受台１４はハンドル１５を回すことにより、
周面カム式のジヤツキ１６でロッドＩ７を介して上下動
自在とされており、前記ハンドル１５を締回すことによ
り、上方に移動して前記鋳型９を膨出部８に気密当接さ
せるようになっている。さらに、電源端子２ａと減圧鋳
造室３の底部との間は電源１８によって接続されており
、加圧溶解室２にはアルゴンガスのボンベ１９からアル
ゴンガスを供給するための配管２０が接続され、また減
圧鋳造室３には内部を真空にするための真空ポンプ２１
が配管２２によって接続され、この配管２２は前記配管
２０と三方弁２３を介して配管２４によって接続された
構成となっている。

そして、前記精密鋳造機Ｉの蓋１ｂを明けて、加圧溶解
室２のるつぼ７の内部に流出孔７ａを覆うように鋳物材
料７ｂを載置すると共に、減圧鋳造機３の内部に鋳型９
を所定の位置にセットした後蓋１ｂを閉じる。ついで、
真空ポンプ２Ｉによって加圧溶解室２と減圧鋳造室３と
から空気を抜くことにより内部を真空状態とした後、三
方弁２３を切り換えて加圧溶解室２内へアルゴンガス１
９を供給し室内をアルゴンガスの雰囲気とすると共に、
加圧溶解室２と減圧鋳造室３との間に一定のの差圧を設
ける。そして、非消耗性電極２ｂへ通電することにより
、鋳物材料７ｂとの間にアークを発生させて鋳物材料７
ｂを上部から溶解させる。

鋳物材料７ｂが底部まで溶解すると、該鋳物材料７ｂは
加圧溶解室２と減圧鋳造室３との圧力差、および自重に
よってるつぼ７の流出孔７ａから自然落下し、鋳型の造
形空洞へ鋳込まれるようになっている。

「発明が解決しようとする問題点」 ところが、前記従来の精密鋳造機においては、鋳物を鋳
込む際に、鋳物材料を溶解させてるつぼの底部中央に形
成された円形の流出孔から自然落下させるようにしたも
のであるので、材料の溶解温度の制御が不可能であり、
るつぼと接触している低温部側の溶解材料から先に落下
すること、また、アークを発生させて材料を溶解する際
に、材料の溶けかたが上部から下部へ向って均一に溶解
するのではなく、時折偏って溶けるような場合が生じる
が、このような場合に部分的に溶解した材料が先に落下
してしまい、るつぼの内部に相当量の材料が残ってしま
う現象が起こること等の問題点があった。

本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、材
料をるつぼの上で十分に溶解させることができると共に
、るつぼと接触している低温部側の溶解材料からではな
く、アークに近い高温部側の溶解材料から速やかに落下
させることのできる精密鋳造機の提供を目的としている
。

［問題点を解決するための手段」 本発明は、前記問題点を解決するために、るつぼに鋳物
材料の注湯口を形成すると共に、該注湯口が前記鋳型に
形成された湯口の上方に位置するようにるつぼを配設し
、さらに、注湯口の形成された側がるつぼの自重によっ
て傾倒するように該るつぼを支持ピンによって支持する
と共に、るつぼを着脱自在な係止手段によって水平状態
に保持するような構成とした。

「作用」 本発明では、鋳物材料がるつぼの内部で十分に溶解され
ると共に最適な鋳造温度となった後、るつぼから係止手
段を解除することにより、るつぼは自重によって支持ピ
ンを軸として注湯口側に傾倒し、るつぼ内の溶解した鋳
物材料が注湯口から速やかに流出し、鋳型の内部に鋳込
まれる。その際、るつぼ内の鋳物金属の最も温度の高い
上層部から鋳型の内部へ落下していくと共に、るつぼと
接触している温度の低い溶融金属程最後に落下するか、
又はるつぼの内部に凝固して残ることとなる。また、る
つぼが傾倒するために、るつぼの内部に溶融金属が多量
に残留することがない。

「実施例」 以下、本発明を図面を参照しながら説明する。

第１図ないし第３図は本発明の精密鋳造機の一実施例を
示すものである。これらの図において、前記従来の技術
に示す構成要素と同一の要素については、同一符号を付
してその説明を省略する。

図中、符号ｌは精密鋳造機であり、この精密鋳造機ｌは
、上部の加圧溶解室２と下部の減圧鋳造室３とによって
密閉容器を構成している。加圧溶解室２は上部が略半球
状に形成されると共に下端縁にはフランジ２ｆが形成さ
れ、天井部分には非消耗性電極２ｂが取り付けられてい
る。減圧鋳造室３は、有底円筒状に形成された容器であ
り、その上部には前記加圧溶解室２との間を区画する隔
壁４が固定され、隔壁４の外周端は前記フランジ２ｆと
当接されるフランジ４ｆを構成している。そして、前記
加圧溶解室２と減圧鋳造室３とは、蝶番い（図示せず）
によって開閉自在に接続されており、加圧溶解室２と減
圧鋳造室３とが閉じた状態で、フランジ２ｆと４ｆの間
は０リング３！によってシールされるようになっている
。

前記、隔壁４には貫通孔５が形成されており、貫通孔５
の周縁部には減圧鋳造室３側へ突出し、その内部に逆円
錐台状の空間が形成された筒体が固定されることにより
、鋳型９の収納部４ａとなっている。鋳型９は通気性の
埋没材１１を、前記収納部４ａの内部空間に嵌まり合う
ように逆円錐台状に鋳込んで形成されており、埋没材１
１には湯口１２と造形空洞１３とが形成されている。そ
して、隔壁４の上部には、チタンまたはチタン合金等の
鋳物材料７ｂを溶解させるための容器であるるつぼ７が
配設されている。

るつぼ７は、チタン等の高温活性の高い鋳物材料７ｂと
反応しないように、熱伝導性の高い銅によって製作され
ており、内部にすり林状の空間を形成したものであり、
該るつぼ７の前部には溶解した鋳物材料７ｂの注湯ロア
Ｉ＋１が形成されている。

さらに、るつぼ７は注湯ロアｍが鋳型９の湯ロアＩ１１
の上方に位置するように配設されていると共に、第２図
に示すように、るつぼ７に形成された注湯ロアｍから離
れたるつぼ７の両側部には、自重によって注湯ロアｍ側
に傾倒するように、該るつぼを支持するための支持ピン
７ｎが、水平状態に固定されている。そして、支持ピン
７ｎは、るつぼ７の両側部に平行に立設された銅製のる
つぼ支持枠７ｏによって、その上部に形成されたＵ溝７
ｐ内で回転自在に支持されている。さらに、脚部７０は
、るつぼ台７ｑを介して隔壁４の上部に固定されている
。るつぼ台７ｑは箱状に形成されており、上部の天井板
には、るつぼの回転の邪魔にならないように開口部７ｒ
が形成されていると共に、るつぼ７を間接的に冷却する
ための冷却水の注入ロアｓ及び排出ロアｔか取り付けら
れており、該注入ロアｓから入った冷却水は、るつぼ台
７ｑの内側に所定の形状に配設されたチューブ７ｕを通
って前記排出ロアｔから排出されるようになっている。

なお、るつぼ台７ｑの形状は、箱状に限られることなく
、円筒形等任意に設定することができると共に、るつぼ
台７ｑ内に設置されるチューブ７ｕの断面積は四角形等
熱伝達率の良好な形状とすればよい。

また、るつぼ７には、鋳物材料７ｂを溶解する間に該鋳
物材料７ｂがるつぼから流出しないように、該るつぼ７
を水平状態に保持しておくための係止手段７ｖが設けら
れている。係止手段７ｖは、第２図に示すように、るっ
ぽ７の背面（注湯ロアｓと反対側）に水平状に固定され
た保持ビン７ｗと、この保持ビン７ｗの自由端上面を係
止するためのフック７Ｋを上部に備えたロータリーソレ
ノイド７ｙとからなっており、該ロータリーソレノイド
７ｙは、頭部を加圧室内に突出させた状態で、隔壁４に
固定された構成となっている。

つぎに、前記のように構成された本実施例の精密鋳造機
の作用について、その使用方法と共に説明する。

まず、加圧溶解室２を開けて、鋳型９の収納部４ａに鋳
型９を収納すると共に、水平に保持されたるつぼ７の内
部に鋳物材料７ｂを載置した後、第１図に示すように、
加圧溶解室２を閉じて、フランジ２ｆ、４ｆを密着させ
る。そして、内部の空気を抜くことにより、精密鋳造機
！内を真空とし、ついで加圧溶解室２側にアルゴンガス
等の不活性ガスを注入して所定の圧力に加圧し、加圧溶
解室２と減圧鋳造室３との間に所定の差圧を設けると同
時に、非消耗性電極２ｂと鋳物材料７ｂとの間にアーク
を発生させることにより、鋳物材料７ｂをるつぼ７の内
部で溶解させる。

鋳物材料７ｂがるつぼ７の内部で溶解されて、最適な鋳
込み温度となると、ロータリーソレノイド７ｙを作動さ
せてフック７Ｘを回転させることにより、フック７Ｘか
らるつぼ７の背部に固定された保持ビン７ｗが外れ、第
３図に示すように、るつぼ７は自重によって、注湯ロア
ｍ側へ傾倒する。

るつぼ７が傾くと、るっぽ７内の溶解した鋳物材料は、
傾いたるつぼ７の内部で場面が水平面を形成すると共に
、注湯ロアｍを介して流出し、鋳型９の湯口１２から内
部の造形空洞Ｉ３へ鋳込まれる。その際、るつぼ７内の
溶解した鋳物材料７ｂは温度の高い上層部から鋳型９の
内部へ落下していくと共に、るつぼ７と接触している温
度の低い鋳物材料程、最後に落下するか、又は落下しな
いでるつぼ７の内部に凝固して残ることとなるが、るつ
ぼが傾動するために、るつぼの内部に溶融金属が多量に
残留することはない。

したがって、本実施例の精密鋳造機においては、鋳物材
料７ｂを一旦るっぽ７で溶解した後、るっぽ７を傾動さ
せて、鋳型９の内部に鋳込むようにしたものであるので
、鋳物材料を十分に溶解させることができると共に、材
料の溶解温度を制御することが可能となり、溶解温度に
幅のある合金等の鋳物材料においても、適切な鋳造温度
（溶解温度＋５０℃〜１００℃）とすることができる。

したがって、従来のように、鋳物材料が偏って溶けて、
部分的に溶解した材料が先に落下してしまい、るつぼの
内部に相当量の材料が残ってしまうとう現象が起こるこ
となく、鋳物材料を効率良く使用することが可能となる
。

また、本実施例においては、るっぽ７が熱伝導性の高い
銅製であり、かつるつぼ台７ｑ内を冷却水で冷却するこ
とによって間接的にるっぽ７を冷却するようにしており
、鋳物材料７ｂを溶解する際の熱をるつぼ７から奪うよ
うにしているため、るつぼ７が高温活性の高いチタンや
チタン合金等の鋳物材料と反応することがなく、るっぽ
７の形状を小型化することができる。

なお、上記以外の技術的事項、あるいは他の実施例につ
いて、以下に記載する。

（１）前記実施例においては、鋳物材料にチタン及びチ
タン合金を使用したが、これに限られることなく、鋳物
材料が他の貴金属合金や非貴金属合金等の場合にも適用
することができるのは勿論である。

（ｉｉ）　　前記実施例においては、るつぼの係止手段
を、るつぼ７の背面に固定された保持ビン７ｗと、これ
を係止するためのフック７Ｘと、フック７Ｘを回動させ
るためのロータリーソレノイド７ｙとから構成したが、
これに限定されることなく、所定の時間にるつぼを傾倒
させることのできるような手段であればよい。たとえば
、前記ロータリーソレノイドの部分を手動に変えて、操
作するようにしてもよい。

（ｉｉｉ）　　本発明は、鋳物材料がチタン等の高温活
性の高いものではない場合には、るつぼの材料を銅製以
外のものとすることも可能である。

「発明の効果」 以上詳細に説明したように、本発明の精密鋳造機は、注
湯口が鋳型の上部に形成された湯口の上方に位置するよ
うにるつぼを配設し、自重によって傾倒するように該る
つぼを支持ピンによって支持すると共に着脱自在な係止
手段によって水平状態に支持したので、鋳物材料がるつ
ぼの内部で十分に溶解されると共に最適な鋳造温度とな
った状態で、係止手段を解除することにより、るつぼは
自重によって支持ピンを軸として注湯口側に傾倒し、る
つぼ内の溶解した鋳物材料の最も温度の高い上層部から
速やかに流出し、鋳型の内部に鋳込まれることとなる。

そのため、鋳物材料をるつぼの内部で十分に溶解させる
ことができると共に、該鋳物材料がるつぼの内部で適切
な鋳造温度になるように溶解温度を制御することができ
、また、溶解した材料がるつぼの内部に大量に残留する
ことのないという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１ないし第３図は本発明の一実施例を示すものであり
、第１図は精密鋳造機の側断面図、第２図は隔壁の上方
に配設されたるつぼの斜視図、第３図はるつぼを傾動さ
せることにより、内部の溶解した鋳物材料を鋳型に流し
込むところを説明するための説明図、第４図は従来の精
密鋳造機の側断面図である。 １・・・・・・精密鋳造機、２・・・・・・加圧溶解室
、２ｂ・・・・・・非消耗性電極、３・・・・・・減圧
鋳造室、４・・・・・・隔壁、５・・・・・・連通孔、
７・・・・・・るつぼ、７ｂ・・・・・・鋳物材料、７
ｍ・・・・・・注湯口、７ｎ・・・・・・支持ピン、７
ｖ・・・・・・係止手段、７ｗ・・・・・・保持ピン、
７Ｘ・・・・・・フック。 出願人　株式会社帝国デンタル製作所

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 上部に非消耗性電極が取り付けられた加圧溶解室と、こ
   の加圧溶解室の下方に隔壁で仕切られた減圧鋳造室とを
   備えてなり、前記隔壁には加圧溶解室と減圧鋳造室とを
   連通させる連通孔が形成されると共に、該連通孔の内部
   には鋳型が配置され、さらに、隔壁の上方には前記非消
   耗性電極からのアークによって溶解される鋳物材料を前
   記鋳型の内部に流し込むためのるつぼが設けられた精密
   鋳造機において、前記るつぼに鋳物材料の注湯口を形成
   すると共に、該注湯口が前記鋳型の上部に形成された湯
   口の上方に位置するようにるつぼを配設し、さらに、注
   湯口の形成された側がるつぼの自重によって傾倒するよ
   うに該るつぼを支持ピンによって支持すると共に、該る
   つぼを着脱自在な係止手段によって水平状態に保持する
   ようにしたことを特徴とする精密鋳造機。