JPH0127945Y2

JPH0127945Y2 -

Info

Publication number: JPH0127945Y2
Application number: JP6462782U
Authority: JP
Priority date: 1982-04-30
Filing date: 1982-04-30
Publication date: 1989-08-25
Also published as: JPS58164937U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、サイリスタ整流装置と架線側との接
続を力行、回生運転状態に応じて切替える電鉄用
回生変電所のサイリスタスイツチの制御装置に関
するものである。

第１図に電鉄用回生変電所の給電回路を示す。
図において、１はサイリスタ整流装置、２及び３
はカツトオフ用ダイオードで、ダイオード２は整
流装置１と架線の間に、またダイオード３は整流
装置１とレールの間にそれぞれ接続されている。
４及び５はサイリスタスイツチで、架線側給電路
とレール側給電路の間にダイオード２，３のアノ
ード側同士、カソード側同士を結ぶように、いわ
ゆるたすき掛となるように接続されている。６は
転流リアクトル、７は電車、８及び９は前記サイ
リスタスイツチ４，５の消弧回路であり、例えば
第２図に示すようにダイオードD₁，D₂、補助サ
イリスタTH、転流リアクトルＬ、転流コンデン
サＣ、予備充電用の整流器RF、抵抗Ｒ、変圧器
TR等により構成されている。

そして、力行運転時には整流装置１→ダイオー
ド２→電車７→ダイオード３→整流装置１の経路
で電力が電車７に供給される。このとき、整流装
置１はコンバータ運転、サイリスタスイツチ４，
５はオフ状態にある。

また、回生時には電車７→サイリスタスイツチ
４→整流装置１→サイリスタスイツチ５→電車７
の経路で回生電力が電源側に回収される。このと
き、整流装置１はインバータ運転、サイリスタス
イツチ４，５はオン状態にある。

上述の回生運転から力行運転に切替えるには消
弧回路８，９の転流動作によりサイリスタスイツ
チ４，５をオフさせ、この後サイリスタ整流装置
１をインバータ運転からコンバータ運転に切替え
ることになる。

しかし、このようにサイリスタスイツチ４，５
に個々に消弧回路８，９を付設したのでは、消弧
回路８，９の回路構成が第２図に示すように比較
的複雑であるため、高価なものとなる。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、回
生から力行への切替時にサイリスタスイツチをサ
イリスタ整流装置の整流出力で逆バイアスしてオ
フさせることにより、個々に消弧回路を付設する
ことなく的確にサイリスタスイツチをオフできる
電鉄用回生変電所のサイリスタスイツチ制御装置
を提供することを目的とする。

以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第３図及び第４図は本考案の一実施例を示すも
のである。第３図において、１はサイリスタ整流
装置、２及び３はカツトオフ用ダイオード、４及
び５はサイリスタスイツチ、６は転流リアクト
ル、７は電車、１０は架線電圧検出器、１１はイ
ンバータ運転時のサイリスタ整流装置の直流逆起
電圧を検出する電圧検出器、１２はコンバータ運
転時のサイリスタ整流装置１の出力電圧（直流出
力電圧）を検出する電圧検出器、２０は制御装置
であり、この制御装置２０は第４図に示すように
構成している。

第４図において、２１は架線電圧Vtとインバ
ータ直流逆起電圧Viを比較して直流逆起電圧が
架線電圧より高いことを確認する第１の比較器、
２２は架線電圧Vtと力行−回生設定器２３の設
定値を比較する第２の比較器、２４は第１、第２
の比較器２１，２２の出力の論理積をとり、条件
成立時にその出力をコンバータ、インバータ運転
指令の切替信号とするアンド回路、２５はコンバ
ータ設定値とインバータ設定値を切換える切換回
路、２６は直流出力電圧検出値Vcとインバータ
直流逆起電圧検出値Viを切換える切換回路で、
両切換回路２５，２６は前記アンド回路２４の出
力でコンバータ側に切換えるようにしている。２
７は前記両切換回路２５，２６の出力の偏差、つ
まりコンバータ設定値と直流出力電圧検出値との
偏差またはインバータ設定値とインバータ直流逆
起電圧検出値との偏差を増幅する電圧制御用増幅
器、２８はこの増幅器２７から信号を受けて整流
装置用ゲート回路２９に位相制御信号を供給する
位相制御器、３０は前記第２の比較器２２の出力
を受けて作動し、サイリスタ整流装置１の直流逆
起電圧を一定時間上昇させるための割込み信号を
位相制御器２８に付与する単安定マルチバイブレ
ータである。前記ゲート回路２９の出力はサイリ
スタ整流装置１のゲート信号となつた。

次に、動作について述べる。力行運転はサイリ
スタスイツチ４，５がオフの状態で行われ、また
力行から回生への切替え時にはサイリスタ整流装
置の運転をまずインバータ運転に切替え、次にサ
イリスタスイツチにゲート信号を与え、オンさせ
ると回生運転となり、回生電力が電源側に回収さ
れる。

この回生運転から元の力行運転に戻る場合には
次の動作となる。即ち、架線電圧Vtが力行−回
生設定器２３の基準レベルより低下すると、これ
が第２の比較器２２で検出される。この時点で単
安定マルチバイブレータ３０の出力により位相制
御器２８において割込み制御が行われ、整流装置
１の直流逆起電圧がさらに一定時間上昇する。

また、架線電圧Vtとインバータ直流逆起電圧
Viが第１の比較器２１で比較され、インバータ
直流逆起電圧Viが架線電圧Vtより高いときその
出力がアンド回路２４に付与され、ここで第２の
比較器２２の出力との論理積がとられる。このア
ンド回路２４の出力により切換回路２５，２６が
コンバータ運転指令側に切換わり、コンバータ運
転指令が増幅器２７を経て位相制御器２８に加わ
る。この制御器２８の出力に応じてゲート回路２
９にゲート制御信号が生じ、サイリスタ整流装置
１に供給されてコンバータ運転、つまり力行運転
となる。この場合、切替えは架線電圧がインバー
タ直流逆起電圧より低くなつてから行われてお
り、サイリスタスイツチ４，５は架線電圧とイン
バータ直流逆起電圧の電位差により逆バイアスさ
れ、オフ状態となる。従つて本考案によれば特別
な消弧回路は不要となる。

以上のように本考案によれば、電鉄用回生変電
所の運転に際し、回生から力行への切替時に割り
込み回路の機能によつて、強制的にインバータ直
流逆起電圧を架線電圧よりも高くすることによつ
て、差電圧を大きくしている。これによつてサイ
リスタスイツチは逆バイアスされてオフするよう
になる。従つて、予備充電を要する消弧回路が不
要となつて回路構成が簡単化され、安価に製作す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は電鉄用回生変電所の給電回路の従来例
を示す接続図、第２図はサイリスタスイツチの消
弧回路の一例を示す接続図、第３図は本考案の一
実施例を示す接続図、第４図は同実施例の要部の
詳細なブロツク回路図である。１……サイリスタ整流装置、２及び３……カツ
トオフ用ダイオード、４及び５……サイリスタス
イツチ、７……電車、１０……架線電圧検出器、
１１……インバータ直流逆起電圧検出器、１２…
…整流出力電圧検出器、２０……制御装置、２１
……第１の比較器、２２……第２の比較器、２４
……アンド回路、２５及び２６……切換回路、２
８……位相制御器、２９……ゲート回路、３０…
…単安定マルチバイブレータ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

交流電力をインバータ機能を備えたサイリスタ
整流装置で直流電力に変換して電車の力行運転を
行う一方、回生運転時にサイリスタ整流装置と架
線側との接続をサイリスタスイツチで切替え、サ
イリスタ整流装置のインバータ運転で回生電力を
電源側に回収する電鉄用回生変電所において、架
線電圧とインバータ直流逆起電圧を比較してイン
バータ直流逆起電圧が架線電圧より高いことを確
認する第１の比較器と、架線電圧と力行−回生設
定器の基準レベルとを比較し、架線電圧＜基準レ
ベルの条件で所定の信号を出力する第２の比較器
と、この第２の比較器の出力を受けて作動しサイ
リスタ整流装置の直流逆起電圧を一定時間上昇す
べく、前記サイリスタ整流装置の位相制御部に割
込み信号を付与する単安定マルチバイブレータ
と、第１，第２の比較器の出力の論理積をとり、
条件成立時に整流装置をインバータ運転からコン
バータ運転に切替える論理回路と、サイリスタ整
流装置のコンバータ運転指令、インバータ運転指
令の切換えを行い、電圧設定値とサイリスタ整流
装置の直流側電圧の検出値の偏差より位相制御信
号を作成する回路とを備え、回生運転から力行運
転へ切替える前にサイリスタ整流装置の出力電圧
と架線電圧の差電圧でサイリスタスイツチを逆バ
イアスしてオフさせるようにしたことを特徴とす
る電鉄用回生変電所のサイリスタスイツチ制御装
置。