JPH0126833Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、新耐震設計による鉄筋コンクリー
ト造あるいは鉄骨鉄筋コンクリート造のスリツト
壁構築において、特に柱際部にスリツト材を装着
して柱と壁の縁切りを合理的、かつ確実に施工せ
んとするための構造用スリツト材の支持具に関す
るものである。

従来、スリツト壁の設計、施工に当つては新耐
震設計法の導入によつて諸々の方法、手段が研究
され、一部に開示されているが、施工性あるいは
機能性については今だ実用性の面で問題がある。

特に、コンクリートの打設工程については従来
から柱部、下り壁及び腰壁等の順に施工されるた
め、柱部におけるコンクリート打設時の強い側圧
力により、弾力性のあるスリツト材を壁型枠間に
介装して施工する場合はスリツト材の変形ないし
移動を生ずる欠点があつた。

また、スリツト材の壁側に接近してセパレータ
ーを配置し、これを利用してスリツト材を支持す
る方法もあるが、柱際部での施工性が悪く、作業
能率を著しく低下させる等の欠点がある。

この考案は従来の上記のような欠点に鑑み、そ
れを解消するためになされたもので、次にその考
案の構成を、実施例の図面に従つて説明する。

第１図は第１実施例を示す支持具の斜視図、１
は上部に鉤形のフツク部２を形成して上下方向に
帯状に延長した係止片で、３，３はその係止片１
の背面におけるその上下付近からそれぞれ水平方
向に並行して突設した支持杆で、先端部に雄ねじ
部３ａ，３ａを形成する。

４，４は、この支持杆３，３の雄ねじ部３ａ，
３ａに螺入した調節用雌ねじ体で、上下を連結杆
５により一体に連結してある。

６，６はスリツト支持体で、前記調節用雌ねじ
体４，４に螺入する雄ねじ軸６ａの先端に適宜面
積を有する受板６ｂを固着してあり、上記雄ねじ
軸６ａに対して進退自在に構成してなる。

上記構造による第１実施例の支持具は、第２図
の使用状態の平面図に示すように、例えば外側の
壁型枠Ｐ１の所定位置（柱型枠Ｐ３から所定寸法
程、壁型枠側に寄つた個所）に型枠用セパレータ
ーＳを取付けて外側から締付金具で仮締めする。

一方、柱部の際部における外側及び内側の壁型
枠Ｐ１，Ｐ２の相互に釘止めした支持片Ａ，Ａ間
に弾性スリツト材Ｂ（エラスタイト、スポンジ、
発泡スチロール等を主体とする弾性目地材）を挿
入、支持し、さらに支持具は係止片１の上部のフ
ツク部２を上段のセパレーターＳに引掛けて取付
けると共に下部を下段のセパレーターＳに当接、
係止した後、スリツト支持体６，６を任意に調節
してスリツト材Ｂの片面に当接して支持すること
ができる。

なお、コンクリートの打設は通常のように柱部
から施工し、続いて下り壁、腰壁等の順に行い、
養生後は型枠解体し、さらにスリツト材施工個所
の支持片Ａ，Ａ表面は目地材としてそのまま利用
し、セパレーターＳの端末はコーキング処理、あ
るいは打放しによつて処理されるものである。

上記のようなこの考案の第１実施例によれば、
スリツト材の柱際部への取付けが簡単、容易にで
きると共に、この柱際部から壁部側に寄つた適宜
位置にセパレーターを取付けることによつて型枠
組立時の施工性がよく、同時にこのセパレーター
を利用してスリツト材の支持が簡単、容易にで
き、しかもそのスリツト材との間隔調整が簡単な
操作によつて能率良く、任意、自在にできる等、
の効果がある。

第３図はこの考案に係る第２実施例の斜視図を
示すもので、セパレーターに対する係止片２１，
２１をそのセパレーターの軸心に沿つて左右方向
に一対を配設すると共に、この係止片２１，２１
の背面に支持杆２３，２３を設けて調節用雌ねじ
体２４，２４に進退自在に螺入した形態である。

さらにこの雌ねじ体２４，２４の他端にはコの
字形の雄ねじ軸２６ａの先端に適宜面積を有する
受板２６ｂを固着したスリツト支持体２６を固着
してある。

第４図はこの考案に係る第３実施例の一部側面
図で、係止片３１の鉤形のフツク部３２の正面側
から背面側に向つてセパレーター締付用の雄ねじ
７を螺設した形態で、セパレーターに対する取付
けがより確実にできる効果がある。

また、同図鎖線で示すように正面側を内向きに
すぼめておくことにより、比較的、簡単に、確実
にセパレーターに取付けられる効果がある。

なお、第１実施例における連結杆５は、別の補
強手段を選択すれば省略することもでき、第２実
施例においては水平方向に調節用雌ねじ体２４，
２４を連結する連結杆２５を設けることも容易に
実施できる。

さらにまた、第１実施例にあつては上下に延長
する係止片１の下部にも上部のフツク部２のよう
なフツク部を一体的に設けて取付けをさらに確実
強固にすることも容易に推考し得る。

以上のようなこの考案によれば、鉄筋コンクリ
ート造あるいは鉄骨鉄筋コンクリート造の構築に
おける柱際部へのスリツト材の取付けが容易にで
きるばかりでなく、柱際部から任意に間隔を置い
て配置したセパレーターを利用してスリツト材を
確実に支持すると共に、そのスリツト材との間隔
を自由に、かつ任意に調節することができ、施工
性に優れた支持具として提供でき、実用上の効果
が著しく大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る第１実施例の斜視図、
第２図は第１実施例の使用状態を示す平面図、第
３図は第２実施例の斜視図、第４図は第３実施例
の要部側面図である。 １……係止片、４……調節用雌ねじ体、６……
スリツト支持体、Ｓ……セパレータ、Ｐ１，Ｐ２
……壁型枠、Ｐ３……柱型枠、Ａ……支持片、Ｂ
……スリツト材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁型枠用のセパレーターに引掛ける係止片を設
   けると共に、その係止片の背面から水平方向に並
   行して突出する支持杆を設け、この支持杆の他端
   には調節用雌ねじ体を介装してその先端にスリツ
   ト材支持体を突設してなることを特徴とする構造
   用スリツト材の支持具。