JPH0125865Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は家庭用又は業務用のコンロバーナに関
するものである。

従来の技術 第４図〜第６図に従つて従来の技術を説明す
る。

１はバーナ本体であり、バーナボデー２の上面
３とバーナキヤツプ４を嵌合させて形成されてい
る。５はバーナボデー２及びバーナキヤツプ４に
形成された通路であり、混合管（図示なし）より
混合気が送られる。バーナキヤツプ４の多数の開
口部とバーナボデー２の上面３で形成されている
空間を炎孔通路６とし、混合気の下流側を炎孔通
路出口として炎孔７を形成させてある。８は炎孔
７に形成する火炎である。又、五徳（図示なし）
の五徳爪１２に対向して小炎孔通路９、小炎孔１
０を形成し、前記炎孔７と比較し、小炎孔１０の
開口面積は少なく、火炎は小火炎１１となる。１
３はバーナキヤツプ４のほぼ中心に設けられた二
次空気孔であり、燃焼用空気の一部を供給するも
のである。

さて、ガスコンロにおけるバーナと五徳の関係
は、主に燃焼性能（COとCO₂の比）から相互間
の位置保持がなされている。すなわちバーナに形
成された火炎が五徳に触れ、火炎が冷却されて燃
焼性能が悪化する現象を防止するためにバーナの
五徳爪に対応する炎孔を小さくし、火炎を短くし
ていた。

又、各火炎は鍋との熱交換効率の向上を図るた
め斜上方に向けてある。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような構成ではバーナの
総炎孔面積が少なくなり、燃焼量を増加すること
が困難となる。又、五徳爪に対応する小炎孔部で
は火炎がリフトしやすくなり、特に流量が多く燃
焼速度の小なるガスではこの傾向が顕著となる。
したがつて着火時、各炎孔への火炎の伝播が不十
分となり、瞬時に均一な火炎形成が困難であつ
た。さらに微風に対しても小火炎は不安定となり
部分的にリフトするという問題点があつた。

本考案はかかる従来の問題を解消するもので、
燃焼性能を良好に維持しつつ、燃焼量を増加する
ことも可能であり、流量が多く、燃焼速度の小な
るガスでも火炎のリフトを防止し、微風に対して
も火炎の安定化を図ることを目的としたものであ
る。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案のコンロバ
ーナは多数の開口部を有するバーナキヤツプとバ
ーナボデーを着脱嵌合してバーナキヤツプ周囲に
炎孔を形成し、前記炎孔の炎孔通路をバーナキヤ
ツプ上部に設置した複数個の五徳爪に対応する位
置の炎孔通路を前記バーナボデイーに五徳爪に対
して平行に設置し、五徳に対応しない他の炎孔通
路を斜上方に向けて設置し、五徳爪に対向する部
分およびそれ以外の各炎孔面積は同一にした構成
を備えたものである。

作 用 本考案は上記した構成によつて、五徳爪に対応
する火炎は五徳爪に対して平行に形成されるので
火炎は五徳爪に接触しにくくなり火炎の冷却がな
いのでCOの発生が少ない。又、五徳爪に対応す
る炎孔は他の炎孔と同一の開口面積なので従来と
比較し、燃焼量を増加させることができる。さら
に炎孔の開口面積が増すことにより供給ガス圧が
高く、燃焼速度の小なるガスの場合でも火炎のリ
フトがしにくくなり、火炎の安定化が図れるとと
もに炎孔の詰り、腐食に対しても長寿命化が期待
できる。

実施例 以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。なお、従来例と同一番号は同一名称、同
一部品であり、詳細な説明は略す。第１図〜第３
図において五徳（図示なし）の五徳爪１２に対応
したバーナ本体１の部分には前記五徳爪１２に平
行して炎孔通路９′を設け、炎孔通路出口として
炎孔１０′を形成してある。そしてこの炎孔通路
９′及び炎孔１０′はバーナボデー２側へ設けてあ
り、炎孔１０′の開口面積は他の炎孔７の開口面
積と同等に設置してある。１１′は炎孔１０′で形
成される水平火炎である。なお、五徳爪１２に対
応しないバーナ本体１の炎孔通路６、炎孔７は上
記従来例と同様に斜上方（上向き）に向けて形成
してある。

上記構成において、五徳爪１２に対応する水平
火炎１１′は五徳爪１２に対して平行で、しかも
バーナボデー２側から形成されるので、五徳爪１
２に接触しにくくなり、火炎の冷却によるCOの
発生が少なくなる。又、五徳爪１２の温度上昇値
も低下するため熱歪みによる劣化も少なく五徳の
長寿命化が図れる。さらに五徳爪に対応する炎孔
１０′は他の炎孔７と比較し、ほぼ同一の開口面
積に設定できるので従来と比較し、燃焼量を増加
させることができる。次に五徳爪１２に対応する
炎孔１０′は従来と比較し、開口面積が増加し、
しかも火炎１１′が水平方向に形成されるため火
炎はリフトあるいはブローオフしにくくなり、供
給ガス圧が高く、燃焼速度の小なるガスの場合で
も火炎の安定化が図れる。又、微風に対しても火
炎の変動は少なくなる。

考案の効果 以上のように本考案コンロバーナによれば次の
効果が得られる。

(1) 五徳爪に対応する炎孔通路を五徳爪に対して
平行に設置することによつて、火炎と五徳爪と
に接触を少なくし、COの発生を低減すること
ができる。

(2) 五徳爪に対応する炎孔面積をこれ以外の他の
炎孔面積と同等にすることによつて、従来と比
較し、炎孔面積が増加し、燃焼量を増加するこ
とができる。そしてさらにリフト、ブローオフ
がしにくくなるので火炎が安定し、着火時の火
移りが容易となる。

(3) 各炎孔面積が同等のため加工性が良好にな
る。また、煮こぼれ等による炎孔の詰り、腐食
に対しても長寿命化が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案コンロバーナの一実施例を示す
概略断面図、第２図は同平面図、第３図は同炎孔
部の部分拡大断面図、第４図は従来例コンロバー
ナの概略断面図、第５図は同平面図、第６図は同
炎孔部の部分拡大断面図である。 ２……バーナボデー、４……バーナキヤツプ、
９′……炎孔通路、１０′……炎孔、１１……小火
炎、１１′……水平火炎、１２……五徳。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周下面に多数の溝状の開口部を有するバーナ
   キヤツプとこのバーナキヤツプを着脱自在に嵌合
   してバーナキヤツプの外周囲に多数の炎口を形成
   したバーナボデイーと、バーナキヤツプ上部に設
   置した五徳の複数個の五徳爪に対応する位置の炎
   孔通路をバーナボデイー側に設置し、前記炎孔通
   路を五徳爪に対し、平行に設置し、五徳爪に対応
   しない他の炎孔通路をバーナキヤツプ側へ斜め上
   方に向けて設置し、かつ各炎孔面積を同一に形成
   したコンロバーナ。