JPH0124635B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は印刷訂正を行なえる記録方法に係り、
さらに詳しくはインクジエツトプリンターによつ
て誤つて印字された文字や記号等を無色化させる
印刷訂正方法に関するものである。

最近においてインクジエツトプリンター、ワイ
ヤドツトプリンター等のマトリツクスプリンター
が文字種の選択自由度の大幅な向上、及びフアイ
ンパターン化による印字品質の向上、印字速度の
向上等種々の利点が注目されて大きな市場が期待
されている。

しかし、この種のドツトマトリツクスプリンタ
ーによる印刷部分の訂正は、砂消しゴミなどを利
用して訂正したい箇所をけずり取るか訂正用白色
塗料をブラシで重ね塗りするか、あるいは訂正用
の小片をはりつけて訂正箇所を被覆する等いずれ
も手作業か、それに近い方法で行なわており、印
字速度の向上とはうらはらに訂正能率は極めて悪
い。

一方、活字インパクト形式の普通のプリンター
ではいわゆる訂正リボン形式が採用されており、
訂正リボンを訂正箇所に自動的にあてがい、印刷
された文字と同一の文字活字を重ね打ちすること
により用紙に付着したインクを訂正リボンに転写
さて、物理的にはぎ取る方式も採用されている。
また同様にして訂正用の小片を自動的に訂正箇所
にはりつけたりする方式も採用されている。

ところが、このような方式を採用すると訂正用
の小片や、訂正リボンの補給手段、収納手段等が
必要であり、装置全体の大型化、大重量化を必然
的に招く結果となる。

本発明の目的は小型で、かつ軽量であり、しか
も誤つて印字された文字や記号等を無色化するこ
とができる訂正能率の極めて高い記録方法を提供
することにある。

本発明においては上記の目的を達成するため
に、被印字体上に記録を行なうために使用される
インクであつて、化学反応によつて無色化可能な
インクを記録用噴射ノズルで噴射して記録する記
録方法であつて、前記インクと化学反応して前記
インクを無色化する訂正液を訂正用噴射ノズル
で、訂正すべき前記記録の上に噴射することで前
記化学反応を生じさせて前記記録を無色化すると
共に、前記記録用噴射ノズルによる記録及び前記
訂正用噴射ノズルによる該記録の訂正を共通の制
御装置で行ない訂正すべき前記記録と前記訂正液
との一対一対応を達成する構成を採用した。

第１図は本発明の一実施例を説明する概略構成
図で、プリンターの例としてインクジエツトプリ
ンターを採用した例を示している。

図において符号１で示すものはプリンターのフ
レーム間に横架された２本の平行な案内ロツドを
示しこれら案内ロツド１間にはキヤリツジ２が摺
動自在に取り付けられている。符号３で示すもの
はモーターでその出力軸にはキヤリツジを駆動す
るタイミングプーリ４が固定されており、このタ
イミングプーリ４と離れてアイドラタイミングプ
ーリ５が回転自在に取り付けられており、両者間
にはタイミングベルト６が張架されている。この
タイミングベルト６にはねじ等の固定手段７によ
つてキヤリツジ２が固定されている。

キヤリツジ２には適当な固定手段により印刷イ
ンクの噴射ノズル８が固定されており、この噴射
ノズル８はフレキシブルなパイプ９を介して装置
固定部に設けられたインクタンク１０に連結され
ている。インクの噴射ノズル８の基部には噴射制
御手段１１が設けられており、この噴射制御手段
１１はフレキシブルなコントロールケーブル１２
を介して制御装置１３に接続されている。

一方、インクの噴射ノズル８と並んでこれから
所定距離ｌだけ離して、訂正液の噴射ノズル１４
がキヤリツジ２に固定されている。この訂正液噴
射ノズル１４に供給される訂正液は化学的にイン
クを無色化する液である。そして、この訂正液の
噴射ノズル１４はフレキシブルパイプ１５を介し
て訂正液タンク１６に接続されている。

訂正液の噴射ノズル１４の基部には噴射制御手
段１７が設けられており、フレキシブルなコント
ロールケーブル１２を介して前記制御装置１３に
接続されている。また、制御装置１３とモーター
３との間はコントロールケーブル１８によつて接
続されており、モーター３の回転を制御してい
る。

キヤリツジ２の前方で、かつインク及び訂正液
の噴射ノズル８，１４の先端から所定距離離れた
位置には印字用紙２０が配置されておりこの印字
用紙２０は図示していないプラテンに添接して案
内され、第１図の紙面に対して垂直方向に移動さ
れる。

次に、以上のように構成された本実施例の動作
につき説明する。

まず、印字指令が制御装置１３からコントロー
ルケーブル１２を介してインクの噴射ノズル８の
制御手段１１に伝達されると、印刷インク１９が
適切に制御され、噴射ノズル８の先端から噴射さ
れ印刷用紙２０上にドツト１９ａを形成する。

同時に、制御装置１３からの印字指令はコント
ロールケーブル１８を介してモーター３に入力さ
れ、モーター３が回転されて次の印字ドツト位置
にインクの噴射ノズル８が対応できるよう矢印方
向に順次送られて行き、ドツトマトリツクス印字
が行なわれる。

以上のようにして印字された文字や記号等の一
部に訂正の必要が生じた時には、制御装置１３に
訂正指令を入力し、訂正すべきドツト位置あるい
は文字や記号等に一対一対応した位置に訂正液の
噴射ノズル１４が対応するように、印刷用紙２０
の紙送り機構、モーター３等が制御され、訂正液
噴射手段１７を介して、訂正液２１が噴射ノズル
１４から噴射され、訂正すべきドツトあるいは文
字等に向かつて飛び、その上をおおいインクとの
間に化学変化を起こしてインクを無色化する。

また、訂正液の被膜２１ａが塗布される範囲は
１個のドツトだけでもよい。

他方、訂正液２１とその噴射ノズルの制御手段
１７との組合わせは種々考えられるが、訂正液２
１中に磁性体を含ませ、制御手段１７によりこの
磁性体を電磁的に制御してもよいし、訂正塗料２
１の噴射制御手段として電磁力あるいはピエゾ電
子とを利用したポンプを用いてもよい。

また、訂正液２１を圧縮気体と共に封入した訂
正液タンク１６と電磁バルブなどを用いた制御手
段１７との組合わせにより制御してもよい。

ところで、訂正液の噴射ノズル１４はインクの
噴射ノズル８から行方向に距離ｌだけずれて配置
されているため、印字された文字の目による確認
を妨げないように構成されている。また、この距
離ｌはドツトマトリツクスピツチの整数倍に設定
するのが望ましい。

第２図は、印字用紙２０上に印字されたドツト
１９ａを訂正液の被膜２１ａによつておおつた状
態を説明するもので、第２図ａは一個のドツト１
９ａを被膜２１ａでおおつた状態を示し、第２図
ｂは複数個のドツト１９ａを連続した被膜２１ａ
でおおつた状態を示し具体的な訂正方法はいずれ
の方法を採用してもよく、一対一対応して被膜２
１ａでおおわれている間にインクと訂正液との間
で化学反応を生じインクを無色化する。

ところで、第３図は訂正液の噴射ノズルユニツ
トの一例を説明するもので、本実施例にあつては
訂正液２１を圧縮気体によつて電磁バルブを介し
て噴射する構造の具体的な例を示している。

すなわち、フレキシブルパイプ１５の先端に設
けられた電磁訂正ノズルユニツト２２はその先端
にノズル２３を有し、このノズル２３内には前記
フレキシブルパイプ１５に連通するノズル室２４
が形成されている。そして、このノズル室２４内
にはプランジヤ２５が摺動自在に配置されてお
り、その先端に形成されたプランジヤチツプ２５
ａはノズル２３の開口部に摺動自在に、かつ気密
を保つて嵌合されている。プランジヤ２５の後端
は電磁訂正ノズルユニツト２２の後端の外方にの
びてつまみ２５ｂが設けられており、このつまみ
２５ｂの外側には復帰ばね２６の自由端が押圧さ
れている。そして、復帰ばね２６の基端は電磁訂
正ノズルユニツト２２の後端に固定されており、
プランジヤ２５に対してノズル２３の開口部を常
時閉塞するように力を及ぼしている。また、プラ
ンジヤ２５の周囲にはヨーク２７に対して電磁巻
線２８が巻装されており、この電磁巻線２８に通
電することによりプランジヤ２５を後退させノズ
ル２３の開口部を開き、圧縮された気体の圧力に
より訂正液２１を噴射する構成とされている。

以上のような構造を採用するとプランジヤ２５
の先端であるプランジヤチツプ２５ａはノズル２
３の開口部に嵌合しており、動作時にはその開口
部中を摺動するため、この開口部のクリーナーの
役目をも果たし、訂正液の目づまり防止の機能を
も持つている。

訂正液２１は速乾性のインク消し液等を用いる
と噴射ノズル１４の先端部において乾燥して目づ
まりを生じる傾向がある。

そこで非使用時において訂正液の乾燥による目
づまりを防止するために、第４図及び第５図に示
すような目づまり防止用のキヤツプを設けるとよ
い。

第４図に示す例においては、訂正液噴射ノズル
１４の先端にキヤツプ２９を嵌着させたもので、
キヤツプ２９はノズル１４の開口部に嵌合する突
起２９ａを有する。従つて、突起２９ａがノズル
１４の開口端に嵌合されている限り、訂正液２１
はこの部分に至らず、ノズル１４の開口端は訂正
液が乾燥しない状態を保つことができる。

第５図に示す例は訂正液の噴射ノズル１４の先
端の外側に嵌着されるキヤツプ３０を示し、この
キヤツプ３０の底部には訂正液２１の溶剤を含浸
させた溶剤含浸部材３１を設けてある。このよう
な構造を採用すれば訂正液２１は噴射ノズル１４
の先端において常に溶剤含浸部材３１と接触して
いるために、訂正液２１が乾燥し目づまりが生じ
る等の欠点が除去される。

なお、第４図及び第５図に示す例においてはキ
ヤツプ２９，３０はただ単に噴射ノズル１４の先
端に嵌着させ使用時においてこれを手動によつて
着脱する構造であるが、これらのキヤツプを例え
ばソレノイドなどを用いて訂正指令に応じて着脱
できるように構成してもよい。

一方、溶剤含浸部材３１に対して、その溶剤の
消費に応じて常に補充されるように溶剤供給装置
を設けることも可能である。

他方、第６図に示すものは本発明にとつての参
考技術としてのマスキング手段を用いて訂正液を
吹き付ける構造を説明するもので、例えば前述し
た電磁訂正ノズルユニツト２２と印字用紙２０と
の間にノズルの先端と対応した位置に開口部３２
ａを有するマスキング手段３２を配置したもの
で、このようなマスキング手段３２を設ければノ
ズルの先端から噴射された訂正液は、例えば隣接
して印字された文字３３〜３５の内中央部の文字
３４に対してのみ訂正液２１を塗布することがで
きる。余分な訂正液はマスキング手段３２によつ
て印字用紙２０側には到達せず所定位置にのみ訂
正液を塗布することができる。

ところで、訂正液２１を吹き付けられて化学反
応を起こし無色化された印刷インクと訂正液の合
成液は自然乾燥を待つまでの余分な時間を必要と
する。しかし現実には連続して印字を続けなけれ
ばならず自然乾燥を待つ時間はない。すなわち訂
正した箇所へ再度印字を行なうためにはこの合成
液を直ちに除去する必要がある。

そこで本発明においては第７図に示すようにキ
ヤリツジ２に不用液の吸取りローラー３６を設け
た。

この吸取りローラー３６はＬ字状に屈曲して形
成された、回動レバー３７の一端に回転自在にピ
ン３８を介して軸承されており、回動レバー３７
はその屈曲部をピン３９を介してキヤリツジ２に
対して回転自在に軸承されている。そして吸取り
ローラー３６が取り付けられていない側の回動レ
バーの屈曲部は上方に折り曲げられた折曲部４０
となつておりこの折曲部４０は接極子となつて電
磁石４１のポールピース４２と対向している。ポ
ールピース４２には電磁巻線４３が巻装されてお
り、これに通電されるとポールピース４２が励磁
され接極子である折曲部４０を吸着する。

また、回動レバー３７の吸取りローラー３６の
近傍とキヤリツジ２の側面に突設されたピン４４
との間にはスプリング４５が張架されており、回
動レバー３７に対して第７図中ピン３９を中心と
して時計方向の回動摺性を与えている。従つて電
磁巻線４３に通電が行なわれない時には、スプリ
ング４５の引張り力により吸取りローラー３６は
印字用紙２０から離れた状態にある。

キヤリツジ２はこのような吸取りローラー３６
を備えているため、訂正液の噴射ノズル１４から
訂正液が噴射されたのち制御装置１３からの信号
によつてキヤリツジ２が訂正した文字の方向へ、
第７図において矢印で示す方向へ移動され、同時
に電磁巻線４３に対して電流が供給され折曲部４
０がポールピース４２に対して吸着され、回動レ
バー３７は第７図中反時計方向に回動され、吸取
りローラー３６が印字用紙２０上に接して回転し
ながら不用液を直ちに吸取る。訂正箇所を吸取り
ローラー３６が通過したのち電磁巻線４３に対す
る電流を遮断すれば、吸取りローラー３６はスプ
リング４５の引張り力によりもとの状態に戻る。

以上の動作は全てあらかじめプログラムされた
命令を制御装置１３に送り込むことにより自動的
に行なうことができる。

なお、吸取りローラー３６は多孔質の弾性のあ
る合成ゴム、合成樹脂等でもよいし、通常のロー
ラーにインクの吸取り紙などの吸収性のよいもの
を巻き付けた構造としてもよい。また、吸取りロ
ーラーはローラーでなくともパツド形状の吸取り
機能を持つものや過熱ブロアなどにより乾燥時間
を短縮する形式のものでもよい。

以上の説明から明らかなように、本発明では、
インクと化学反応してインクを無色化する訂正液
を訂正用噴射ノズルで、訂正すべき記録の上に噴
射することで記録を無色化し、また制御装置を共
通として、訂正すべき記録に対して訂正インクを
一対一対応させるだけで確実にしかも不都合なく
訂正できるので、簡易な構成で他の記録を乱すこ
となくまた、余分な被印字体上への訂正材料の付
着を必要とせず、訂正後の記録を乱すことがない
という利点がある。また、吸取りローラーにより
不用な液は印字用紙から直ちに除去されるため、
訂正箇所への再印字は短時間で行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を説明する概略構成
図、第２図ａ，ｂはそれぞれ訂正液を付着させた
状態を説明する印字用紙の一部拡大断面図、第３
図は電磁訂正ノズルユニツトの一例の横断平面
図、第４図及び第５図は目づまり防止キヤツプの
それぞれ異なつた例を説明する一部拡大断面図、
第６図はマスキング手段を説明する斜視図、第７
図は吸取りローラーの取り付け構造を説明する平
面図である。 １……案内ロツド、２……キヤリツジ、６……
タイミングベルト、８……印刷インク噴射ノズ
ル、１３……制御装置、１４……訂正液噴射ノズ
ル、２０……印字用紙、２１……訂正液、２９，
３０……目づまり防止キヤツプ、３６……吸取り
ローラー、３７……回動レバー、４１……電磁
石、４５……スプリング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被印字体上に記録を行なうために使用される
   インクであつて、化学反応によつて無色化可能な
   インクを記録用噴射ノズルで噴射して記録する記
   録方法であつて、 前記インクと化学反応して前記インクを無色化
   する訂正液を訂正用噴射ノズルで、訂正すべき前
   記記録の上に噴射することで前記化学反応を生じ
   させて前記記録を無色化すると共に、前記記録用
   噴射ノズルによる記録及び前記訂正用噴射ノズル
   による該記録の訂正を共通の制御装置で行ない訂
   正すべき前記記録と前記訂正液との一対一対応を
   達成することを特徴とする記録方法。