JPH0124200B2 - - Google Patents

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JPH0124200B2
JPH0124200B2 JP55159688A JP15968880A JPH0124200B2 JP H0124200 B2 JPH0124200 B2 JP H0124200B2 JP 55159688 A JP55159688 A JP 55159688A JP 15968880 A JP15968880 A JP 15968880A JP H0124200 B2 JPH0124200 B2 JP H0124200B2
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catalyst
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carbon
weight
oil
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JP55159688A
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Deibido Maiyaazu Jooji
Ii Butsushu Roido
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Original Assignee
Ashland Oil Inc
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Publication date
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Publication of JPH0124200B2 publication Critical patent/JPH0124200B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J29/00Catalysts comprising molecular sieves
    • B01J29/90Regeneration or reactivation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J29/00Catalysts comprising molecular sieves
    • B01J29/04Catalysts comprising molecular sieves having base-exchange properties, e.g. crystalline zeolites
    • B01J29/06Crystalline aluminosilicate zeolites; Isomorphous compounds thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G11/00Catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils
    • C10G11/14Catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils with preheated moving solid catalysts
    • C10G11/18Catalytic cracking, in the absence of hydrogen, of hydrocarbon oils with preheated moving solid catalysts according to the "fluidised-bed" technique
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P30/00Technologies relating to oil refining and petrochemical industry
    • Y02P30/40Ethylene production

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
一般に、ガソリン及び他の液体炭化水素燃料は
約38〜約343℃(約100〜約650〓)の範囲の温度
で沸騰する。しかし、これら燃料が製造される原
油は、広範囲の分子量を有し従つて広範囲で沸騰
する炭化水素及び他の化合物を含有する。例え
ば、油の全容量の30〜60%以上が343℃(650〓)
以上の温度で沸騰する化合物から構成されている
原油が知られている。これらのうちには、全容量
の約10%〜約30%又はこれ以上が分子量が大きい
ので大気圧下550℃(1025〓)以上で沸騰するか
又は少なくとも550℃(1025〓)以下で沸騰しな
い化合物から成る原料がある。 原油のこれら比較的豊富な高沸点成分がガソリ
ン及び他の液体炭化水素燃料に含有されるのは適
当でないので、製油工業では高分子量、高沸点化
合物の分子を適当な沸点範囲で沸騰する小さな分
子にクラツキング又は破壊する方法が開発され
た。この目的のために最も広く用いられているク
ラツキング法は、流動床接触クラツキング
(FCC)として知られている。FCC法は高度に進
歩した状態に達し種々の変形が開発されたが、そ
れらの統一因子は、気化した炭化水素供給原料を
供給原料蒸気に浮遊させたクラツキング触媒と接
触させて高温で分解させることである。所望程度
の分子量及び沸点低下を達成するに際し、触媒は
所望生成物から分離する。 天然状態の原油はFCC法に極めて厄介な作用
を生ずる傾向のある物質を含有し、これら厄介な
物質の一部分のみを原油から経済的に除去するこ
とができる。これら厄介な物質のうちには、コー
クス前駆物質(例えば、アスフアルテン、多核性
芳香族炭化水素等)、重金属(例えばニツケル、
バナジウム、鉄、銅等)、軽金属(例えば、ナト
リウム、カリウム等)、硫黄、窒素等がある。こ
れらのうちのある種のもの、例えば軽金属は、原
油を流動接触クラツキング用に予備処理する通常
の工程の一部分である脱塩工程で経済的に除去す
ることができる。他の物質、例えばコークス前駆
物質のアスフアルテン等はクラツキング工程の間
にコークスに破砕され、該コークスは触媒上に堆
積し、炭化水素供給原料と触媒との接触を減じ、
一般に触媒の有効性又は活性水準を減少する傾向
にある。重金属は供給原料から触媒表面にほぼ定
量的に移動する。 触媒が追加の供給原料を処理するのに幾度も再
利用される場合、これは通常の場合であるが、重
金属は、触媒の組成及び/又は供給原料に対する
効果の性質を有利でなく変化させると言つてもよ
い程度まで触媒上に堆積し得る。例えば、バナジ
ウムは通常使用されるFCC触媒のある種の成分
と融剤物質を形成し、触媒粒子の一部分の融点を
触媒粒子が燃焼し不活性なクラツキング触媒とな
り始めるに十分な温度に低下させる傾向にある。
また、バナジウム及び他の重金属、特にニツケル
は触媒を「失活」させる。これらは、過度の脱水
素化及び芳香族炭化水素の縮合を種々の程度に促
進する傾向にあり、炭素及びガスの過多の生成を
生じ、その結果液体燃料の収率を減少する。本明
細書においては、ニツケル及び/又は同様の挙動
を示す他の金属を豊富に含有すると同時に比較的
多量のコークス前駆物質を含有する如き原油若し
くは原油留分又は他の油を炭素−金属油(carbo
−metallic oil)と称し、これは石油精製業者に
対する特定の課題を提起している。 一般に、油のコークス前駆物質含有量又はコー
クス生成の傾向は、試料油を熱分解した後に残留
する炭素分の重量%を測定することにより確認す
ることができる。製油工業において、この値は、
所定の油が接触分解装置中で供給原料として用い
られた場合に無触媒コークスを生成する範囲の尺
度として受け入れられている。コンラドソン炭素
及びラムスボトム炭素試験の2種の確立された試
験が認められており、後者はASTM試験No.D524
−76に記載されている。従来のFCCの実施にお
いては、約0.1〜約1.0程度のラムスボトム炭素値
が許容し得る供給原料の表示とみなされている。
本発明は、高いラムスボトム炭素値を有し従つて
通常の油よりコークス生成の可能性が著しく高い
炭化水素供給原料の使用に関するものである。 種々の重金属の触媒失活作用は等しくないの
で、所定の失活性金属を含有する油の失活作用
を、等価の失活作用を有すると評価される一種の
金属の量により表わすのが便利である。即ち、油
の重金属含有量は次式 ニツケル当量=Ni+V/4.8+Fc/7.1+Cu/1.23 (式中、存在する各金属の含有量は供給原料に対
する重量ppmで示す。)で表すことができる〔ダ
ブリユ・エル・ネルソン(W.L.Nelson)オイル
アンド ガス ジヤーナル(Oil and Gas
Journal)、第143頁、1961年10月23日参照)。従来
のFCCの実施においては、FCC処理用供給原料
の重金属含有量は比較的低水準、例えば0.25重量
ppm以下のニツケル当量に制御されていた。本発
明は、この値より著しく過剰の金属を含有し従つ
て著しく大きな堆積及び触媒を失活させる可能性
を有する供給原料の処理に関するものである。 また、上記の式は重金属がクラツキング触媒上
に堆積する尺度として用いることができる。但
し、式中に用いる金属の量は供給原料の重量の代
わりに触媒の重量(非湿潤基準)を基準とする。
従来のFCCの実施では、触媒の循環性残留分は、
新鮮な供給原料を処理するのに新鮮な及び古い触
媒(spent catalyst)を周期的又は連続的に少量
添加及び取出して幾度も使用され、触媒の金属含
有量は例えば約200〜600ppmの範囲のニツケル当
量となり得る水準に維持される。本発明の方法は
著し大きな金属含有率を有し従つて脱水素化、芳
香族炭化水素の縮合、ガス生成又はコークス生成
を通常より著しく大きく促進する傾向を有する触
媒の使用に関するものである。従つて、通常かか
る高度の金属堆積はFCC処理には極めて望まし
くないと認識されている。 炭素−金属油をガソリン及び他の液体燃料に転
化することに長い間関心が寄せられていた。例え
ば、1950年代には種々の炭素−金属油がフードレ
シツド法でガソリン及び他の生成物に良好に転化
されることが提案されている。FCC方式の処理
と異なり、フードレシツド法では、「粒子寸法」
(従来のFCC触媒粒度より著しく大きい)の触媒
粒が、触媒粒を流動床において供給原料及び生成
物蒸気に浮遊させるのではなくコンパクトな下降
床で用いられる。 フードレシツド法は、金属汚染及びコークス生
成が触媒能力に作用するのを処理することにおい
て明らかに進歩を示したが、その生産性は限定さ
れたものであつた。フードレシツド法の処理には
費用がかかるので、最初のフードレシツド装置は
もはや作動されていない。即ち、フードレシツド
法が最初に商業的に導入されて以来25年間、この
技術では、常圧蒸留残油を商業的に良好に処理す
るのを許容するFCC法に適する変形に対して熱
心な研究が続けられている。この間、若干の提案
がなされ、ある程度商業的に用いられるものもあ
つた。 若干の提案では、重質油原料を、例えば、水素
化処理、溶媒抽出及びフリーデルクラフツ触媒で
錯体形成することにより処理して金属をクラツキ
ングする前に除去することを包含するが、これら
の技術は経済的に合わないと批評されていた。他
の提案では、「黒油(dirty oil)」と「白油
(clean oil)」装置を有する結合クラツキング処
理が用いられる。他の提案においては、残油を軽
油とブレンドし、混合物中の残油の量は処理に用
いられる上昇管型クラツキング装置の底部におけ
る平衡引火揮発温度に対して制御される。更に他
の提案では、供給原料は、クラツキング装置に導
入する前に穏やかな予備水素化分解又は予備水素
化で処理される。また、常圧蒸留残油の如き炭素
−金属質油を熱タコナイトペレツトと接触させて
ガソリンを製造することも提案されている。これ
は、特許文献及び技術文献に記載されている種々
の提案のうちの若干の例である。 費やされた多大の努力及びこれら提案の各々が
包含する若干の困難を克服したにも拘らず、今
日、従来のFCCの実施は技術的適正において経
済的で高度に実際的な炭素−金属油クラツキング
技術の欠如を生じている。若干の原油はコークス
前駆物質又は重金属或いは双方を比較的含まず、
原油の厄介な成分は大部分最も高い沸点留分に集
中している。従つて、コークス前駆物質及び重金
属の問題は、最高沸点留分から潜在的に得られる
液体燃料収量を犠牲にすることにより大部分回避
できた。更に特に、従来のFCCの実施では約343
℃〜約538℃(約650〓〜約1000〓)の温度で沸騰
する原油の留分を用い、かかる留分はコークス前
駆物質及び重金属汚染が比較的小である。かかる
供給原料は「減圧軽油」(VGO)として知られて
おり、一般に、約343℃(約650〓)以下の温度で
沸騰する留分を常圧で留去し、次いで約343℃と
約482℃〜約550℃(約650〓と約900〓〜約1025
〓)との間で沸騰する留分を更に減圧蒸留するこ
とにより重い留分から分離して原油から製造され
る。 減圧軽油は従来のFCC処理用の供給原料とし
て用いられる。通常、重い留分は種々の他の目
的、例えばアスフアルト、残留重油、#6重油又
はマリンバンカーC重油の製造に使用されるが、
このことは原油のこの部分の潜在的価値の多大な
浪費、特に業界が一般に石炭及び頁岩油から同様
の物質を製造するのに自然に費やす努力及び費用
に鑑みて多大な浪費を示す。本発明は、コークス
前駆物質及び重金属並びに存在する場合の厄介な
物質を多量に含有するこれら重質留分を、軽質油
とともに同時にクラツキングし、これにより所定
量の原油によるガソリン及び他の炭化水素液体燃
料の全収率を向上させることを目的とする。上述
の如く、本発明は、かかる方法を開発する最初の
試みをなすものではないが、炭素−金属油のクラ
ツキングが望ましいことの長く持続している認識
を工業のその方向への緩やかな進歩と一緒に構成
するものであり、かかる方法に対して持続してい
る要求を示すものである。本発明の方法は、かか
る炭素−金属油を経済的及び技術的に有効に処理
するのに著しく有利なものである。 本発明は、常圧蒸留残油等の如き炭素−金属油
をガソリンの如き種々の軽質生成物に転化するた
めの簡易で比較的直接的で生産性の高い方法を提
供することにおいて注目に値する。炭素−金属油
供給原料は、約343℃(約650〓)以上で沸騰する
油を含有するか又は該油から成る。かかる油又は
その少なくとも約343℃(650〓)以上で沸騰する
部分は、少なくとも約4、好ましくは約5以上、
最も好ましくは少なくとも約5.5重量ppmのニツ
ケル当量の重金属含有量及び少なくとも約1重量
%、更に好ましくは少なくとも約2重量%の熱分
解による残留炭素分を特徴とする。本発明におい
ては、炭素−金属油を圧送可能な液体の形態で約
3〜約18、好ましくは約6〜約18の触媒対供給原
料の重量比にて熱転化触媒と接触させる。 また、本発明においては、炭素−金属供給原料
を、供給原料に対して約0.04〜約0.15、好ましく
は約0.04〜約0.1、更に好ましくは約0.05〜約0.1
の範囲の重量比で特に液体の水を包含する1種以
上の添加物質と接触させる。液体の水を包含する
かかる添加物質は、供給原料と前記触媒を混合す
る前、混合する間又は混合した後で供給原料が気
化した後か又は好ましくは気化する前に、供給原
料と混合することができる。 供給原料、触媒及び水(例えば、液体の水又は
液体の水を供給原料と接触させて気化することに
より得られる水蒸気の形態)は、漸進的流動型反
応器に1箇所以上で導入する。供給原料、触媒及
び液体の水の気化により得られた水蒸気の混合物
を、反応器を介して流す間に、供給原料はクラツ
キングを含む転化工程で処理される。反応器は、
少なくとも部分的に垂直か又は傾斜した細長い反
応室を有し、この反応室において、供給原料物
質、生成物及び触媒の相互の接触を、希釈相又は
流として約0.5〜約10秒間の予備決定した上昇管
滞留時間流す間に維持する。 反応は、パス(pass)当たり約50%以上の転化
及び約0.3〜約3重量%、好ましくは少なくとも
約0.5重量%〜約3重量%の範囲の量の触媒上へ
のコークスの堆積を提供するに十分に厳格な条件
下で約0.7〜3.5Kg/cm2(絶対圧力)(約10〜約
50psia)の全圧下、反応室出口で測定した約482
℃〜約760℃(約900〓〜約1400〓)の温度で行
う。新鮮な供給原料の重量を基準とするコークス
生成の全体の割合は、約4〜約14重量%の範囲に
ある。 予備決定した滞留時間終了の際、触媒を生成物
から分離しストリツプして高沸点成分及び他の同
伴又は吸着した炭化水素を除去し、次いで再生触
媒上の炭素分を約0.25重量%以下好ましくは約
0.05重量%以下に低減するに十分な時間、温度及
び雰囲気の条件下酸素を含有する燃焼支持ガスを
用いて触媒を再生する。 再生した触媒は新鮮な供給原料と接触させるた
めの反応器に再循環する。 本発明の方法を如何に行うかに応じて、以下の
1個以上の利点を実現させることができる。所要
に応じて、また好ましくは、本方法を反応室に水
素を添加することなく行うことができる。所要に
応じて、また好ましくは、本方法を、供給原料の
前水素化処理及び/又はアスフアルテン若しくは
金属を供給原料から除去する他の処理なく行うこ
とができ、このことは、炭素−金属油が全体とし
て約4重量ppm以上若しくは約5重量ppm以上又
は約5.5重量ppm以上のニツケル当量の重金属を
含み約1重量%以上、約1.4重量%又は約2重量
%の熱分解による残留炭素を有する場合でさえ変
わらない。更に、前述の如く転化器供給原料の全
てを全く同一の転化室で分解することができる。 クラツキング反応は、前述の条件下で炭素−金
属油供給原料を分解するのに予め使用した(再循
環した、通常の損失及び失活を補償するのに要す
るような交換を除く。)触媒を用いて行うことが
できる。第1パスでガソリンに分解しなかつた重
質炭化水素は、同様の種類の供給原料と接触させ
る他の分解のための水素化処理を行うか又は行わ
ずに再循環させることができるが、この場合、最
初この重質炭化水素を同様の条件下でクラツキン
グ処理し、実質的に一回通し(once−through)
又は単一パス型式(例えば、新鮮な供給原料に対
して約15容量%以下の再循環)で行うのが好まし
い。 上述の方法は、他の好適変形例、精製又は常用
する条件とともに行うことができるが、これらの
うちの若干のものを以下の記載により説明する。 本発明は、種々の炭素−金属油を低分子量生成
物に転化すると同時に価値の高い液体生成物の製
造を最大限に向上し、所要に応じて、減圧蒸留及
び水素化処理の如き他の費用のかかる処理を回避
することのできる方法を提供する。「油」と称す
るは、室温〔即ち、20℃(68〓)〕で液体である
炭化水素組成物が主であるもののみならず、周囲
温度ではアスフアルト又はタールであるが、約
427℃(約800〓)までの範囲の温度に加熱すると
液化する炭化水素組成物が主であるものをも意味
するものとする。本発明は、石油に起因するか否
かに拘らず炭素−金属油に適用することができ
る。例えば、これらが必須の沸点範囲、熱分解に
よる残留炭素分及び重金属含有量を有する場合に
は、本発明は、原油からの重質残油、常圧蒸留残
油の性質と近似する「重質原料」として知られて
いる重質ビチユーメン原油、頁炭油、タールサン
ド抽出物、石炭液化及び溶媒和石炭からの生成
物、常圧及び減圧蒸留残油、溶媒脱アスフアルト
化による抽出物及び/又は残油(ラフイネート)、
潤滑油精製による芳香族抽出物、タール残油、重
質循環油、スロツプ油、他の製油所廃流及びこれ
らの混合物の如き種々の物質を処理するのに用い
ることができる。かかる混合物は、例えば、油、
タール、ピツチ等を包含する入手し得る炭化水素
留分を混合することにより製造することができ
る。また、粉末石炭を炭素−金属油に懸濁させる
ことができる。当業者には炭素−金属油を脱金属
化する技術は公知のことであり、脱金属化油を本
発明を用いて転化することができるが、本発明の
利点は前脱金属処理を行わなかつた炭素−金属油
を供給原料として使用できることにある。同様
に、本発明を水素化処理した供給原料に適用する
ことができるが、本発明の利点は実質的に前水素
化処理を行つていない炭素−金属油を首尾よく転
化することができることにある。しかし、本方法
は、常圧蒸留残油、即ち343℃(650〓)以上で沸
騰する原油留分単独又は直留軽油との混合物に適
用するのが好ましい。前に減圧蒸留処理した物質
を使用するのを排除しないのと同時に、本発明の
利点は前に減圧蒸留していない物質を適当に処理
し、かくして投資及び作業コストを、減圧蒸留装
置を必要とする従来のFCCに比して節約するこ
とができることにある。 以下の第1表に、従来の流動接触クラツキング
に使用されていた代表的な減圧軽油(VGO)と
本発明の方法に使用することができる種々の常圧
蒸留残油の若干の例を構成する種々の常圧蒸留残
油との比較を示す。
【表】 ー
(1) メキシコ及びクルク原油の精製混油
(2) 表中、343(650)及び550(1025)はそれぞれ343
℃(650〓)及び550℃(1025〓)を表し、343+(650+)は34
3℃以上で沸騰する (650〓以上で
沸騰する)物質を指す。
(3) 銅水準はメキシコクルクの0.6%を除いて0.5
%以下である。 金属はすべてppmで表し、 343℃+(6
50〓)留分の重量で表した。
(4) 計算値。
第1表から明らかなように、重質又は高沸点供
給原料は例示した減圧軽油(VGO)より比較的
低いAPI比重を特徴とする。一般に低沸点及び/
又は高いAPI比重を有するこれら接触分解法供給
原料は、高沸点及び/又は低いAPI比重を有する
供給原料より著しく優れていると考えられてい
た。高沸点供給原料のガソリン収率を中沸点供給
原料に対して一定のコークス収率において比較す
ると、中沸点供給原料が所定のコークス収率に対
して優れたガソリン収率を提供することが示され
た。 本発明においては、少なくとも約70容量%、好
ましくは少なくとも約85容量%、更に好ましくは
約100容量%が約343℃(約650〓)以上で沸騰す
る炭素−金属油を供給する。ここで、全ての沸点
は標準大気圧状態に基づくものである。約343℃
(約650〓)以上で沸騰する物質から部分的に又は
全体的に成る炭素−金属油において、かかる物質
を本明細書においては343℃+(650〓+)物質と
称し、また、343℃(650〓)以上及び以下で沸騰
する成分を含有する油から分離されたか又は該油
の一部分である343℃+(650〓+)物質は、343℃
+(650〓+)留分と称することができる。しか
し、「以上で沸騰する」及び「343℃+(650〓+)
と称するは、これらの語により特徴づけられる物
質の全てが沸騰する可能性を有することを意味す
ることを意図するものではない。本発明により考
慮される炭素−金属油は、いかなる条件下でも沸
騰しない物質、例えば蒸留中には沸騰することな
く明らかに熱分解し得るある種のアスフアルト及
びアスフアルテンを含有する場合がある。即ち、
例えば供給原料が約343℃(約650〓)以上で沸騰
する物質を少なくとも約70容量%含有するという
場合、該70容量%にはいかなる温度でも沸騰又は
揮発しない若干の物質が含まれ得ると理解すべき
である。これら非沸騰性物質は、存在する場合に
は約538℃(1000〓)以下、550℃(1025〓)又は
これ以上の温度以下で沸騰しない供給原料の部分
にしばしば又は主として集中しているとすること
ができる。従つて、343℃+(650〓+)留分の少
なくとも約10容量%、好ましくは約15容量%、更
に好ましくは約20容量%が、約538℃(約1000〓)
又は約550℃(約1025〓)以下で沸騰しないとい
う場合、約538℃(約1000〓)又は約550℃(約
1025〓)以下で沸騰しない物質の全部又は任意の
部分が上記の温度以上で揮発し得るか又はし得な
いと理解すべきである。 考慮する供給原料又は少なくともその343℃+
(650〓+)物質は、少なくとも約2重量%以上の
熱分解による残留炭素分を有するのが好ましい。
例えば、ラムスボトム炭素含有量は約2〜約12の
範囲に存在し、最もしばしば少なくとも約4以下
とすることができる。特に通常の範囲としては約
4〜約8である。第1表に示したVGOが0.38の
ラムスボトム残留炭素値を有し、種々の常圧蒸留
残油の343〜550℃(650〜1025〓)留分が約0.3〜
約0.5のラムスボトム炭素値を有するのに対して、
種々の常圧蒸留残油全体〔343+(650+)全量〕
としてはラムスボトム炭素値が約4〜約16.8に増
加し、更に高い値が考えられることに注意する。 供給原料は、水素原子対炭素原子の割合が好ま
しくは約1.2〜約1.9、更に好ましくは約1.3〜約
1.8の範囲にあることを特徴とする平均組成を有
する。 本発明において使用する炭素−金属油供給原料
又は少なくともその343℃+(650〓+)物質は、
上記で規定した少なくとも約4重量ppmのニツケ
ル当量を有し、このうちの少なくとも約2重量
ppm(金属基準)はニツケルである。上記の範囲
の炭素−金属油は、そのうちの若干のものが上述
の量のニツケル当量又はニツケルを含有するか又
はしない1種以上の油の混合物から製造すること
ができる。また、ニツケル当量及びニツケルに対
する上記の値が転化装置の実質的な作動時間、例
えば1ケ月に対する時間−重み付き平均を示すこ
とに注意すべきである。重金属が、ある環境下に
おいて触媒上で酸化と還元を繰返された後に失活
の傾向を若干減少することを示し、文献には「有
効金属(effective metal)」値を確認するための
基準が記載されていることに注意すべきである。
例えば、シンバロら(Cimbalo、et al)の「デ
イポジツテイド メタルズ ポイズン エフシー
シー キヤタリスト(Deposited Metals
Pouson FCC Catalyst)」と題した文献、オイル
アンド ガス ジヤーナル、1972年5月15日、
第112〜122頁参照。参考のためこの文献の内容を
記載する。本発明において処理する炭素−金属油
のニツケル当量及びニツケルの含有量は、所要に
応じて「有効金属」値により表すことができる。
シンバロらにより記載されている失活作用の徐々
の減少にも拘らず、通常のFCC再生条件下にお
ける触媒の再生により、クラツキング触媒上に堆
積した重金属の脱水素化、脱メタン化及び芳香族
縮合作用を著しく減少させることはできない。 約0.2〜約5重量%の硫黄元素及び/又は硫黄
化合物(但し、供給原料の重量を基準とする硫黄
元素として報告されている。)の形態の「硫黄」
がFCC供給原料中に存在し、硫黄及び硫黄の変
態が生成したガソリン生成物中に入込み、鉛を添
加されるが、オクタンの増大に対するガソリンの
感受性を低減し得る傾向にあることが知られてい
る。硫黄を多く含む原油を処理する場合、ガソリ
ン生成物中の硫黄にはしばしばスウイートニング
を必要とする。再生器で硫黄をSO2とSO3に燃焼
するので、硫黄がコークス中に存在する限り、硫
黄は潜在的な空気汚染物を意味する。しかし、本
発明者等は、これに反して本発明の方法におい
て、供給原料中の硫黄を、Ni、V、Cu及びFeを
硫化物の形態で反応器中に保持することにより重
金属の作用を抑制できることを見出した。これら
硫化物は、脱水素化及びコークス化反応を促進す
ることにおいては金属自体より著しく不活性であ
る。従つて、本発明の方法を、少なくとも約0.3
重量%、好ましくは約0.8重量%以上、更に好ま
しくは少なくとも約1.5重量%の硫黄を343℃+
(650〓+)留分中に含む炭素−金属油を用いて行
うことができる。 通常本発明に有用な炭素−金属油には、ほとん
どの部分が塩基性窒素である窒素を含有する化合
物のかなりの量が含まれ得る。例えば、炭素−金
属油の全窒素含有量は少なくとも約0.05重量%と
することができる。クラツキング触媒はクラツキ
ング活性を触媒表面上の酸性部位又は表面中の細
孔に帰するので、塩基性窒素を含有する化合物は
これら部分を一時的に中和し、触媒を失活させ
る。しかしながら、触媒は、窒素を再生中に触媒
から焼き取ることができるので永久的には阻害さ
れることはなく、その結果として活性部位の酸性
度は復元する。 また、炭素−金属油にはかなりの量、例えば少
なくとも約0.5重量%、代表的には約2重量%以
上、更に代表的には約4重量%以上のペンタン不
溶分が含まれ得る。これらには、例えばアスフア
ルテン及び他の物質が含まれる。 一般に、アルカリ及びアルカリ土類金属は、原
油を蒸留して通常FCC供給原料として使用する
減圧軽油を製造するのに用いられる蒸留条件下に
おいては多量には蒸発する傾向にない。むしろ、
これら金属は、例えばアスフアルト又は他の副産
物の製造に使用され得る「残油(bottoms)」留
分(不揮発性高沸点留分)に主として残存する。
しかし、常圧蒸留残油及び他の炭素−金属油は多
くの場合において残油生成物であり、従つて著し
く多量のアルカリ及びアルカリ土類、例えばナト
リウムを含有する場合がある。これら金属はクラ
ツキングの間に触媒上に堆積する。触媒組成及び
さらされる再生温度の高さに依存して、これら金
属は従来のFCC処理条件下におけるVGOの処理
では通常経験することのない触媒(触媒担体を含
む。)との反応及び相互作用を被り得る。触媒特
性及び再生条件が必要とする場合には、勿論必要
な予防措置を採つて供給原料中のアルカリ及びア
ルカリ土類金属の量を制限するが、該金属は、天
然状態において原油に同伴する塩水としてのみな
らずクラツキング装置に供給される流又は水の成
分として供給原料中に入り込む場合がある。従つ
て、炭素−金属油供給原料に製造するのに使用す
る原油を注意深く脱塩することは、触媒がアルカ
リ及びアルカリ土類金属に特に敏感な場合に重要
であるとすることができる。かかる環境下におい
ては、供給原料中のかかる金属(以下、ひとまと
めにして「ナトリウム」と称する。)の含有量は
供給原料に対して約1重量ppm以下に維持するの
がよい。あるいはまた、供給原料のナトリウム水
準を触媒のナトリウム水準に調整して、装置に充
填する交換触媒のナトリウム水準とほぼ同じか又
はそれ以下で使用されている触媒のナトリウム水
準を維持することができる。 本発明の特定好適例において、炭素−金属油供
給原料は少なくとも約70容量%の約343℃(約650
〓)以上で沸騰する物質を含み、約343℃(約650
〓)以上で沸騰する物質の少なくとも約10%は約
550℃(約1025〓)以下で沸騰しない。更に、こ
の343℃+(650〓+)物質の平均組成は、:(a)約
1.3〜約1.8の範囲の水素原子対炭素原子の原子
比:(b)少なくとも約2のラムスボトム炭素値;(c)
少なくとも約4重量ppmの前記ニツケル当量、こ
のうちの少なくとも約2重量ppmはニツケルであ
る(金属基準)ことを特徴とし;また(d)(i)少なく
とも約0.3重量%の硫黄分、(ii)少なくとも約0.05
重量%の窒素分、(iii)少なくとも約0.5重量%のペ
ンタン不溶分のうちの少なくとも1つを特徴とす
ることができる。極めて一般的に、好適供給原料
は(i)、(ii)及び(iii)の全てを包含し、石油及び非石油
給源において見出される他の成分は処理の操作を
妨げない場合には様々の量で存在することができ
る。 予備的に若干のクラツキング処理を行つた供給
原料を使用する可能性を排除するわけではない
が、本発明は、何ら実質的な量のクラツキング処
理を行わなかつた炭素−金属油から液体炭化水素
供給原料を大きな転化率及び大きな収率で首尾よ
く製造できるという明らかな利点を有する。即
ち、例えば本発明の方法に導入する好ましくは少
なくとも約85%、更に好ましくは少なくとも約90
%最も好ましくはほぼ全ての炭素−金属油は、ク
ラツキング条件下でクラツキング触媒と予備的に
接触させなかつた油である。更に、本発明の方法
は、実質的に1回通過又は単一パス型式の操作に
適している。新鮮な供給原料の容量を基準として
も、再循環容量は約15容量%以下が好ましく、更
に好ましくは約10容量%以下である。 一般に本方法に用いる触媒対新鮮な供給原料
(クラツキング条件下でクラツキング触媒に予め
さらしていない供給原料)の重量比は、約3〜約
18の範囲にある。好ましい比率は約4〜約12であ
り、更に好ましくは約5〜10であり、現在ほぼ最
適と考えられるのは約6〜約10である。要求され
る生成物の質の制限内において、触媒対油の割合
を上記の範囲内の比較的低水準に制御すること
は、新鮮な供給原料を基準とする本方法のコーク
ス収率を低減する傾向にある。 従来のVGOのFCC処理においては、1日のプ
ラント処理量当りのバーレル数と処理の全段階に
亘つて循環している触媒の全トン数との割合は、
著しく広く変化し得る。このため、1日のプラン
ト処理量を、プラントにより平均1日の操作当り
約343℃(650〓)以上で沸騰する新鮮な供給原料
が約221℃(430〓)以下で沸騰する液体生成物に
処理されるこの供給原料のリツトル(バーレル)
数として規定する。例えば、FCC−VGO処理の
商業的に成功した型の1つにおいては、約8〜約
12トンの触媒は1日のプラント処理量が159×103
(1000バーレル)の処理において循環下にあ
る。他の商業的に成功した処理においては、この
割合は約2〜3の範囲にある。本発明は、1日の
プラント処理量159×103(1000バーレル)当り
約2〜約30、更に代表的に約2〜約12トンの触媒
残留量で行うことができるが、本発明の方法は著
しく小さな触媒重量対1日のプラント処理量で行
うのが好ましい。更に特に、本発明の方法は、供
給原料と上述の触媒対油の割合で所望滞留時間接
触するに十分な触媒残留量を用いて行うが、循環
させているか又は例えばストリツピング、再生等
の如き工程の他の段階で処理するのに保持されて
いる触媒残留量をプラント処理量に対して最小に
するのが好ましい。即ち、更に特に、本発明の方
法は159×103(1000バーレル)の1日のプラン
ト処理量当り約2〜約5、更に好ましくは約2ト
ン以下の触媒残留量を用いて行うのが好ましい。 本発明を行う場合、触媒を連続的又は周期的に
添加して例えば系からの触媒の標準損失を補償す
るのがよい。更に、触媒の添加を、触媒の取出し
と一緒に行つて例えば装置中の触媒の平均活性水
準を維持するか又は増加させることができる。例
えば、装置に添加する新鮮な触媒の割合は、159
(1バーレル)当り約0.045〜約1.33Kg(約0.1
〜約3lb)、更に好ましくは約0.067〜約0.9Kg(約
0.15〜約2lb)、最も好ましくは約0.09〜約0.675Kg
(約0.2〜約1.5lb)の範囲にあるとすることができ
る。他方FCC処理からの平衡触媒を使用すべき
場合には、159(1バーレル)当り約2.25Kg
(約5lb)程度の交換割合を用いることができる。
環境が、装置に用いる触媒が失活に対する抵抗性
の平均以下及び/又は装置を占める条件が一層迅
速な失活を促進する傾向にあるようなものである
場合、上記添加割合より大きな添加割合を使用す
るのがよいが、反対の環境においては低い添加割
合を使用するのがよい。 いかなる理論にも束縛されるものではないが、
以下に詳細に記載する本方法の若干の特徴、例え
ば滞留時間及び水の混合物と供給原料との随意の
混合は、クラツキング条件が、炭素−金属油供給
原料及び再生条件に予めさらされることにより触
媒粒子上に堆積した重金属の硫化物、硫酸塩又は
酸化物から金属を還元状態で触媒上に生成する範
囲を制限する傾向にある。即ち、本方法では、触
媒上の重金属の堆積物が多量の場合でさえかかる
金属の失活作用を著しく制御することができる。 従つて、本方法は、従来のFCC−VGO処理で
は全く許容できないと考えられていた重金属の堆
積物を含有する触媒を用いて行うことができる。
この理由のため、本方法の処理は、平均して約
3000〜約70000ppmの範囲のニツケル当量の重金
属堆積物を含有する触媒を用いて行うことができ
ると考えられる。更に特に、堆積物は約4000〜約
50000ppm、特に約5000〜30000ppmの範囲にある
のがよい。上記範囲はニツケル当量のppmに基づ
くものであり、このニツケル当量においては金属
は再生した平衡な触媒を基準として測定した金属
基準(重量による)で表される。しかし、適当な
活性を有する触媒を極めて低費用で入手し得る場
合、著しく高い割合の触媒交換を行うことがで
き、炭素−金属油を3000ppm以下のニツケル当量
の重金属含有触媒を用いて低沸点液体生成物に転
化することができる。例えば、1重量%以下の熱
分解による残留炭素分を有し約4ppm以下のニツ
ケル当量の重金属を含有する減圧軽油の如き供給
原料をクラツキングするのに用いられている
FCC装置の如き他の装置からの平衡触媒を使用
することができる。 とにかく、循環している触媒の残留量の平衡濃
度は、上述の触媒転化の割合を操作することによ
り制御(望むように又は必要とするように維持す
るか又は変化させることを含む。)することがで
きる。かくして、例えば、触媒の添加を、重金属
の触媒上での堆積を上記範囲の1つに制御する割
合で維持することができる。 一般に、高水準の転化率及び生産性を短い滞留
時間で提供する比較的水準のクラツキング活性を
有する触媒を使用するのが好ましい。触媒の転化
能力は、処理の実際の操作の間に生じた転化率及
び/又は標準触媒活性試験で生じた転化率により
表すことができる。例えば、少なくとも約50%の
転化率水準、好ましくは少なくとも約60%の転化
率水準を処理の長期操作の間に維持するに十分活
性な触媒を使用するのが好ましい。この点につい
て、転化率は新鮮な供給原料に基づく液体容量%
で示す。また、例えば、好適触媒は、未使用又は
平衡状態においてMAT(ミクロ活性試験)によ
り誘導される容量%として示される特定の活性を
示すものと規定することができる。本発明のため
に、上記%は、適当な標準供給原料、例えばダビ
ソン(Davison)WHPS−12第1軽油を用いて、
482℃(900〓)、WHSV(重量空間速度)16〔594
℃(1100〓)で乾燥させた触媒を基準にして換算
した〕及び3C/O(触媒対油の割合)にて暫定
ASTM MAT試験D−32により221℃(430〓)
終点ガソリン及び軽質生成物に転化される標準供
給原料の容量%である。ダビソンWHPS−12第
1軽油の分析値と性質を以下に示す。 15.6℃(60〓)でのAPI比重 31.0 15.6℃(60〓)での比重g/c.c. 0.8708 ラムスボトム炭素分、重量% 0.09 コンラドソン炭素分、重量% 0.04 炭素、重量% 84.92 水素、重量% 12.94 硫黄、重量% 0.68 窒素、ppm 305 37.8℃(10〓)の粘度、センチストークス 10.36 ワトソンKフアクター 11.93 アニリン点 182 臭素価 2.2 パラフイン、容量% 31.7 オレフイン、容量% 1.8 ナフテン、容量% 44.0 芳香族、容量% 22.7 平均分子量 284 ニツケル 痕跡 バナジウム 〃 鉄 〃 ナトリウム 〃 塩化物 〃 水でい分 〃 蒸留℃(〓) ASTM D−1160 IBP 229(445) 10% 316(601) 30% 351(664) 50% 372(701) 70% 390(734) 90% 419(787) FBP 446(834) MAT試験で得られるガソリンの終点は、しば
しば標準実験室蒸留である221℃(430〓)tbp(真
の沸点)として規定されるが、他の終点がこの目
的のために同様に取扱われる。転化率は、100か
ら回収した生成物に残存するガソリンより重い生
成物の容量%(新鮮な供給原料を基準)を減ずる
ことににより算出する。 触媒は新鮮な形態か又は前述の如く新鮮な形態
以外で処理に導入することができ、例えば、他の
装置から回収した平衡触媒、例えば異なる供給原
料のクラツキングに使用した触媒を使用すること
ができる。MAT活性を基礎として特定する場
合、好適触媒は、本発明の方法の処理に「導入し
た際」のこれら触媒のMAT活性又は本発明の処
理における「回収した際」若しくは平衡MAT活
性、或いはこれら双方を基礎として表すことがで
きる。本発明の方法の処理に「導入した際」の新
鮮又は新鮮でない触媒の好適MAT活性は少なく
とも約60%であるが、特に新鮮でない触媒を高添
加率で供給する場合には低いMAT活性が許容さ
れ得ると認められる。本発明の方法の処理におい
て使用された触媒の許容され得る「回収した際」
又は平衡MAT活性水準は、約20%以上である
が、約40%以上、好ましくは約60%以上が好適な
値である。 上述の転化能力を有する任意の触媒を使用する
ことができる。特に好適な等級の触媒には、供給
原料物質の分子が細孔内又は細孔近傍の活性触媒
部位に吸着及び/又は接触するために入込むこと
のできる細孔構造を有するものが含まれる。例え
ばモンモリロ群鉱物の如き層状シリケートを包含
するこの等級内の種々の触媒は有用である。この
等級内で最も広く有用な触媒は、よく知られてい
るゼオライト含有触媒であるが、非ゼオライト触
媒も考慮することができる。 好ましいゼオライト含有触媒には、天然、半合
成又は合成、単独或いは触媒の適性を著しくは損
なわない他の物質と混合した任意のゼオライトが
含まれるが、得られた触媒は上述の活性及び細孔
構造を有することを要する。例えば、触媒が混合
物である場合には、触媒は多孔質耐火性無機酸化
物担体と組合せたか又は該担体に分散したゼオラ
イト成分を含有することができ、かかる場合、触
媒はゼオライトの触媒の全重量(無水基準)を基
礎として例えば、約1〜約60%、好ましくは約1
〜約40%、最も代表的には約5〜約25%のゼオラ
イト成分を含有するのがよく、触媒の残量は多孔
質耐火性無機酸化物単独又は種々の所望若しくは
不所望反応を促進又は抑制するための任意の既知
助剤との組合せである。本発明に有用なゼオライ
ト種、分子篩触媒の一般的説明としては、ケミカ
ル ウイーク マガジン(Chemical Week
Magazine)社発行、夫々1978年7月26日、1978
年9月13日に掲載されている「リフアイナリー
キヤタリスツ アー ア フルイド ビジネス
(Refinery Catalysts Are a Fluid
Business)」及び「メーキング キヤツト クラ
ツカーズ ワーク オン ヴアライド ダイイト
(Making Cat Crackers Work on Varied
Diet)」と題した文献の開示に注意すべきである。
参考のため、上記文献の記載を引用する。 大部分は、FCCクラツキング処理に有用であ
ると知られているゼオライト含有触媒のゼオライ
ト成分である。一般に、これらは、結晶構造にお
いて代表的に酸素原子を介して隣接したケイ素原
子と連結した4配位アルミニウム原子から成る結
晶性アルミノシリケートである。しかし、ここで
使用する「ゼオイト」の語はアルミノシリケート
だけでなく、例えばガリウム及び/又は他の金属
によりアルミニウムが部分的に又は全体的に置換
された物質を意味し、更に例えばゲルマニウムに
よりケイ素が部分的に又は全体的に置換された物
質をも意味するものとする。また、チタン及びジ
ルコニウム置換を行うこともできる。 多数のゼオライトはナトリウムの形態で製造さ
れるか又は天然に産出し、ナトリウム陽イオンは
結晶構造の電気的に陰性の部位と結合する。ナト
リウム陽イオンは、炭化水素転化条件、特に高温
にさらした場合にはゼオライトを不活性にし著し
く安定でないものとする傾向がある。従つて、ゼ
オライトをイオン交換するのがよく、ゼオライト
が触媒組成物の成分である場合、かかるイオン交
換はゼオライトを組成物の成分として混入する前
又は後に行うことができる。ゼオライト結晶構造
におけるナトリウムの交換に適する陽イオンに
は、アンモニウム(水素に分解可能)、水素、希
土類金属、アルカリ土類金属イオン等がある。
種々適当なイオン交換処理及びゼオライト結晶構
造中に交換することのできる陽イオンは、当該技
術分野においてよく知られている。 本発明に用いる触媒として使用できるか又は触
媒に含有される天然に産出する結晶性アルミノシ
リケート触媒の例には、ホージヤサイト、モルデ
ン沸石、クリンプチロート、チヤバザイト、アナ
ルサイト、エリオナイト並びにレビーナイト、ダ
チアルダイト、ポーリンジヤイト、ノゼアン
(noselite)、フエリオライト、輝沸石、軽沸石、
輝安鉱、十字沸石、灰十字沸石、ブルーステライ
ト、フラライト、ダトー石、グメリン沸石、カウ
ムナイト、リユーサイト、ラズライト、スカポラ
イト、メソ沸石、プソライト(ptholite)、ネフ
エライト、マトロライト、オフレタイト、ソーダ
ライトがある。 本発明を行うための触媒として又は触媒におい
て有用な合成結晶性アルミノシリケートの例とし
ては、米国特許第2882244号のゼオライトX、米
国特許第3130007号のゼオライトY、米国特許第
2882243号のゼオライトA、米国特許第3008803号
のゼオライトB、カナダ国特許第661981号のゼオ
ライトD、カナダ国特許第614495号のゼオライト
E、米国特許第2996358号のゼオライトF、米国
特許第3010789号のゼオライトH、米国特許第
3011869号のゼオライトJ、ベルギー国特許第
575177号のゼオライトL、米国特許第2995423号
のゼオライトM、米国特許第3140252号のゼオラ
イトO、米国特許第2991151号のゼオライトQ、
米国特許第3054657号のゼオライトS、米国特許
第2950952号のゼオライトT、米国特許第3012853
号のゼオライトW、カナダ国特許第614495号のゼ
オライトZ、カナダ国特許第817915号のゼオライ
トωがあり、また、ZK−4HJ、α、β及びZSM
型ゼオライトが有用である。更に、米国特許第
3140249、3140253、399448及び4137151号明細書
に記載されているゼオライトも有用であり、参考
のため上記特許明細書の開示を記載する。 ホージヤサイト型結晶構造を有する結晶性アル
ミノンシリケートゼオライトは、本発明に使用す
るのに特に好ましい。特に、これには天然ホージ
ヤーサイト及びゼオライトX並びにゼオライトY
が含まれる。 合成ホージヤサイトの如き結晶性アルミノシリ
ケートゼオライトは通常の条件下では約1〜約
10μm寸法の規則正しい形状をした離散粒子とし
て結晶化する。従つて、この範囲の寸法は、本発
明に使用することができる市販の触媒においてし
ばしば見出すことのできるものである。ゼオライ
トの粒度は、約0.5〜約10μmが好ましく、約0.1
〜約2μmが更に好ましい。例えば、焼成カオリ
ンからそのまま調製したゼオライトは、更に小さ
な微結晶を特徴とする。結晶性ゼオライトは、
「出入口(portal)」表面領域と規定した内部及び
外部表面領域の双方を有し、全表面領域の大部分
は内部にある。出入口表面領域により、反応体が
通過して低沸点生成物に転化すると考えられるゼ
オライト結晶の外部表面に言及する。例えばコー
クス生成による内部流路(channel)の封鎖、コ
ークスが出入口表面領域に堆積することによる内
部流路への入口の封鎖及び金属失活による汚染
は、全ゼオライト表面領域を著しく低減する。従
つて、汚染及び細孔封鎖の作用を最小にするため
に、上記通常の寸法より大きな結晶は、本発明の
触媒に使用するのは好ましくない。 市販のゼオライト含有触媒は、種々の金属酸化
物及びこれらの混合物を含有する担体、例えばシ
リカ、アルミナ、マグネシア及びこれらの混合物
及び米国特許第3048948号明細書に記載されてい
るようなかかる酸化物とクレーの混合物とともに
入手し得る。例えば、減圧軽油からガソリンを製
造するのに適する任意のゼオライト含有分子篩流
動クラツキング触媒を選定することができる。し
かし、金属に対して著しく抵抗性のある触媒を適
当に選定することにより、ある利点を達成するこ
とができる。耐金属性ゼオライトは例えば米国特
許第3944482号明細書に記載されており、この場
合触媒は1〜40重量%の希土類で交換されたゼオ
ライトを含有し、残量は特定の細孔容積及び粒度
分布を有する耐火性金属酸化物である。「耐金属
性」として記載されている他の触媒は、上記シン
バロらの文献に開示されている。 一般に、約5〜約160μm、好ましくは約40〜
約120μm、更に好ましくは約40〜約80μmの範囲
の全粒度を有する触媒を使用する。 また、触媒組成物は、後の触媒再生工程に有用
な1種以上の燃焼促進剤を含有することができ
る。炭素−金属油をクラツキングすると、触媒活
性を低減するコークスが触媒上に多量に堆積す
る。従つて、触媒活性を回復させるために、コー
クスを再生工程において焼き去り、この工程にお
いてコークスは一酸化炭素及び/又は二酸化炭素
を含有する燃焼ガスに転化される。クラツキング
触媒に少量混入すると、コークスが一酸化炭素及
び/又は二酸化炭素に転化するのを促進する傾向
のある種々の物質が知られている。一酸化炭素に
対する燃焼の促進剤は、温度を所定のコークス除
去を達成することのできる温度に低下させる傾向
にあり、従つて、触媒が熱失活する可能性を減少
する。かかる促進剤は通常痕跡量から触媒の約10
又は約20重量%までの有効量で使用し、この促進
剤は、一般に再生条件下で炭素の燃焼を促進し、
COの燃焼を完結することに対して選択的であり、
又は最も好ましくは、以下に説明する理由のため
に炭素分を二酸化炭素よりむしろ一酸化炭素に燃
焼する傾向のある任意の型のものとすることがで
きる。 ゼオライト含有及び非ゼオライト含有の種々の
他の触媒を本発明の実施に用いることができる
が、以下に本発明の実施に用いる市場で入手し得
る触媒の例を示す。
【表】 上記AGZ−290、CCZ−220及びスーパーDX触
媒はW.R.グレース(Grace)アンド コンパニ
ーの製品である。F−87及びFOC−90はフイル
トロール(Filtrol)の製品であり、HFZ−20及
びHEZ−55はエンゲルハード/フードリー
(Engelhard/Howdry)の製品である。上記性
質は未使用触媒のものである。但し、ゼオライト
含有量の場合、性質は無水基準に調整、即ち955
℃(1750〓)で加熱した物質を基準とする。ゼオ
ライト含有量は、触媒試料のX線強度と高純度ナ
トリウムYゼオライトから成る標準物質のX線強
度を、「触媒のホージヤサイト含有量の測定
(Determination of the Faujasite Content of
a Catalyst)」と題した提案されたASTM標準
法の草案No.6に従つて比較することにより求め
た。 本発明の方法は、錫及び/又はアンチモンの実
質的不存在下或いはこれら金属の一方又は双方を
ほとんど含まない触媒の存在下で行うことができ
ることを利点とする。 本発明の方法は、前記炭素−金属油及び触媒並
びに反応帯域に充填する実質的に唯一の添加物質
としての水を用いて行うことができる。しかし、
他の添加物質の充填を排除するものではない。反
応帯域に再準環油を充填することは既に記載し
た。以下に詳細に記載するように、種々の作用を
発揮し得る更に他の添加物質を充填することがで
きる。 一般に、水及び使用し得る他の添加物質の夫々
は、炭素−金属油及び触媒のみを用いて行うよう
な処理を超える著しい利点を提供する以下の1個
以上の作用を果たす。これら作用のうちには、重
金属及び他の触媒汚染の作用を制御し、触媒活性
を増大し、再生器から生ずる如き触媒の過剰の熱
を吸収し、汚染物質を処理し、或いは汚染物質を
生成物から一層容易に分離し処理するか又は一層
容易に分離するか若しくは処理することのできる
形態に転化し、触媒温度を制御し、炭素−金属油
蒸気を希釈してこれらの分圧を低減し、所望生成
物の収率を増大し、供給原料/触媒接触時間を調
整し、水素を水素欠乏炭素−金属油供給原料に付
与し、供給原料の分散を補助し、場合によつては
生成物の蒸留を補助することが含まれる。触媒上
への重金属中のある種の金属の堆積は、これら金
属が触媒再生器中で酸素と接触することにより生
ずる酸化形態の場合より金属原子の形態の場合
に、望ましくない反応を促進することにおいて更
に活発である。しかし、従来の接触クラツキング
における触媒と供給原料及び生成物の蒸気との接
触時間は、クラツキング反応での水素放出が有害
性の少ない酸化物の大部分を有害性の高い重金属
元素に逆転化させるのを可能にするに十分であつ
た。ガス状(蒸気を含む)形態の添加物質を触媒
並びに供給原料及び生成物の蒸気と混合して反応
帯域に導入することにより、この状態を利用する
ことができる。かかる添加物質の存在に起因する
反応帯域中における物質容量の増大は、反応帯域
を介する流の速度を増大し、これに対応して触媒
及びこれにより生ずる酸化された重金属の滞留時
間を減少させる。この減少した滞留時間のため
に、酸化された重金属を元素形態に還元する機会
は少なくなり、従つて、少量の有害な金属元素は
供給原料及び生成物を接触するのに利用できる。 添加物質は任意適当な方法で処理に導入するこ
とができ、このうちの若干の例を以下に示す。例
えば、これら物質は、炭素−金属油供給原料と触
媒を接触させる前に炭素−金属油供給原料と混合
することができる。あるいはまた、添加物質は、
所要に応じて触媒と供給原料を接触させる前に触
媒と混合することができる。添加物質の別々の部
分を、触媒及び炭素−金属油の双方と別個に混合
することができる。更に、供給原料、触媒及び添
加物質は、所要に応じてほぼ同時に導入すること
ができる。添加物質の一部分を触媒及び/又は炭
素−金属油と上記任意の方法で混合し、次いで他
の部分を混合物に導入することができる。例え
ば、添加物質の一部分をこれらが反応帯域に到達
する前に炭素−金属油及び/又は触媒に添加し、
添加物質の他の部分を反応帯域に直接導入するこ
とができる。添加物質は、反応帯域の複数の離間
した位置又は反応帯域が細長い場合には長さ方向
に沿つて導入することができる。 供給原料、触媒又は上述及び他の作用を行うた
めに反応帯域に存在させることができる添加物質
の量は、所要に応じて変化させることができる
が、この量は処理を実質的に熱平衡させるに十分
であるのが好ましい。例えば、これら物質は、供
給原料に対して約0.4まで、好ましくは約0.02〜
約0.4、更に好ましくは約0.03〜約0.3、最も好ま
しくは約0.05〜約0.25の範囲の重量比で反応帯域
に導入することができる。 上記望ましい作用の多く又は全てを、H2Oを
液体の水単独又は水蒸気との組合せの形態で反応
帯域に導入することにより達成することができ
る。いかなる理論にも拘束されるものではない
が、H2Oの使用が触媒から生ずる酸化物、亜硫
酸塩及び硫化物が遊離金属形態に還元されるのを
抑制する傾向にあることは明らかであり、遊離金
属形態は縮合−脱水素化を促進し、従つてコーク
ス及び水素収率を増大し、生成物の損失を助長す
ると考えられている。更に、H2Oは金属が触媒
表面上に堆積するのをある程度低減する。また、
窒素含有及び他の重質汚染物質含有分子を触媒粒
子表面から脱着する傾向があり、又は少なくとも
これらが触媒に吸着するのを抑制する傾向がある
とすることができる。また、添加したH2Oは、
順次触媒活性を増大するブレンステツド酸の生成
により触媒の酸性度を増大する傾向にあると考え
られている。供給するH2Oが再生した触媒及
び/又は反応帯域の温度より低い場合には、触媒
を反応帯域又は他の所で接触させる際のH2Oの
温度上昇に伴う顕熱により、触媒から過剰の熱を
吸収することができる。液体の又は蒸気のH2O
は、約100ppm以下のナトリウムと夫々約500ppm
以下のカルシウム及びマグネシウムを含有するの
が好ましい。H2Oの全部又は一部は、炭素−金
属油の予備触媒転化による生成物から凝縮するの
が好ましい。H2O又は再循環水が例えば約500〜
約5000ppmの溶解したH2Oを含有する場合、若
干の付加的利点が生ずる。生態学的に好ましくな
いH2Sを大気に放出する必要がなく、再循環水に
は更にH2Sを除去する処理が必要でなく、H2S
は、重金属を不動態化、即ち重金属が遊離金属よ
りコークス及び水素生成を増大する傾向の小さい
硫化物形態に転化することにより、触媒のコーク
ス生成の低減を補助することができる。反応帯域
において、H2Oの存在は炭素−金属油蒸気を希
釈し、即ちこれらの分圧を低減することができ、
所望生成物の収率を向上する傾向にある。H2O
はクラツキングの間に水素を発生する他の物質と
組合せると有用であり、従つて、H2Oは水素欠
乏炭素−金属油供給原料に対して水素供与体とし
て挙動することができることが報告されている。
また、H2Oは、ある種の純粋機械的作用、例え
ば、供給原料の噴霧化又は分散、高分子量分子に
匹敵する触媒表面への吸着、即ちコークス生成の
阻止、不揮発性供給原料からの揮発性生成物の水
蒸気蒸留及びクラツキング反応終結の際における
生成物の触媒からの分離を提供する。特に、
H2Oと一緒に、触媒及び炭素−金属油をほぼ同
時に導入するのが好ましい。例えば、H2Oと供
給原料を噴霧ノズル中で混合し、生成した霧を反
応帯域の下流端部で触媒と接触させることができ
る。 蒸気を反応帯域に添加することは、しばしば流
動接触クラツキングの文献に記載されている。液
体の水を供給原料に添加することは、蒸気を反応
帯域に直接導入することに比し比較的議論されて
いない。しかしながら、本発明においては、液体
の水を、炭素−金属油を反応帯域に導入する際又
はその前に約0.4〜約0.15の重量比で炭素−金属
油と初期混合し、これにより水(例えば、液体の
水の形態又は液体の水を油と接触させて気化させ
ることにより生成した蒸気の形態)が反応帯域に
入る供給原料の流の一部として反応帯域に入るの
が特に好ましい。いかなる理論にも拘束されるも
のではないが、上述のことは供給原料の分散を促
進するのに有利であると考えられる。また、触
媒、供給原料又はこれらの双方から吸収される水
の気化熱は、水を蒸気単独より一層効率的な放熱
子にする。液体の水対供給原料の重量比は約0.04
〜約0.1が好ましく、更に好ましくは約0.05〜約
0.1である。 勿論、液体の水は上述の方法又は他の方法で処
理に導入することができ、いずれにしても液体の
水の導入は、付加的量の水を蒸気として反応帯域
の同じか若しくは異なる部分又は触媒及び/又は
供給原料に導入することと一緒に行うことができ
る。例えば、付加的蒸気の量は、供給原料に対し
て約0.01〜約0.25とすることができ、全H2O(蒸
気及び液体の水として)対供給原料の重量比は約
0.3以下とすることができる。従つて、液体の水
と蒸気のかかる混合使用において、液体の水対蒸
気の充填重量比は約5〜約0.2の範囲にあるとす
ることができる。かかる重量比は、かかる範囲内
の予備決定した水準に維持するか若しくは所要に
応じて変化させることができ、又は反応の熱収支
を調整するか若しくは維持するようにするのが望
ましい。 1以上の上記作用を行うために、他の物質を反
応帯域に添加することができる。例えば、重金属
の脱水素化−縮合作用を、硫化水素ガスを反応帯
域に導入することにより抑制することができる。
水素は、従来の水素供与体希釈剤例えば重質ナフ
サ又は比較的低分子量の炭素−水素断片寄与体
(fragment contributor)を反応帯域に導入する
ことにより水素欠乏炭素−金属油供給原料に利用
することができ、上記断片寄与体には、例えば軽
質パラフイン、分子間水素移動を許容するか又は
補助する低分子量アルコール及び他の化合物及び
例えば、一酸化炭素と水、アルコール、オレフイ
ン、他の物質又はこれらの混合物との反応により
化学的に結合して反応帯域で水素を発生する化合
物が含まれる。 全ての上記添加物質(水を含む)単独又はこれ
ら物質相互の組合せ或いは他の物質、例えば窒素
又は他の不活性ガス、軽質炭化水素等との組合せ
により、限定するわけではないが、これらが希釈
剤として作用して供給原料分圧を低減し放熱子と
して作用するか又は希釈剤として作用して供給原
料分圧を低減するか若しくは放熱子として作用し
て再生工程から受取つた触媒の過剰の熱を吸収す
るのに適する上述の任意の作用を行うことができ
る。上述のことは触媒及び炭素−金属油供給原料
以外の物質を反応帯域に導入することにより行う
ことができるが、本発明の見地を逸脱することな
く他の物質を添加するか又は他の作用を行うこと
ができる。 本発明は、種々の装置において実施することが
できる。しかし、本発明の好適装置は可能な限り
多くの供給原料を迅速に気化する手段及び供給原
料、水及び触媒(必ずしもこの順番ではない)を
効率よく混合する手段を備え、これら手段によ
り、生成した混合物を希釈浮遊体として漸進的流
動型式で流し予備決定した滞留時間の終期におい
て触媒を分解生成物及び任意の未分解又は部分的
にのみ分解された供給原料から分離するが、生成
物の全部又は少なくとも大部分は少なくとも一部
分の触媒から急激に分離するのが好ましい。 例えば、装置は、細長い反応室に沿つて、1個
以上の炭素−金属供給原料導入点、1個以上の触
媒導入点、1個以上の水を包含する添加物質の導
入点、1個以上の生成物取出し点及び1個以上の
触媒取出し点を備えることができる。供給原料、
触媒及び他の物質を導入するための手段は開放管
から精巧な噴出器又は噴霧ノズルに亘ることがで
きるが、液体供給原料を微細な液滴に破砕するこ
とのできる手段を用いるのが好ましい。 反応室又は少なくともその主要部分は、水平よ
りはほぼ垂直であり少なくとも約10、好ましくは
約20又は約25以上の長さ対直径の比を有するのが
好ましい。垂直上昇型反応器を使用するのが好ま
しい。管状の場合には、流路に沿つた速度を維持
するか又は変化させるために、反応器は全体に亘
り均一な直径とすることができるか又は直径を反
応路に沿つて連続的若しくは段階的に増大させて
設けることができる。 一般に、充填手段(触媒、水及び供給原料用)
及び反応器の配置は、比較的高速度の流及び触媒
の希釈浮遊体を供給するような配置とする。例え
ば、上昇管中の蒸気又は触媒の速度は、通常少な
くとも約7.5m/sec(約25ft/sec)、代表的には
少なくとも約10.5m/sec(約35ft/sec)である。
この速度は、約16.5m/sec(約55ft/sec)まで
又は約22.5m/sec(約75ft/sec)以上とするこ
とができる。一般に、反応器の速度能力は上昇管
の底部又は他の部分に触媒床が実質的に形成され
るのを回避するに十分なものとし、これにより上
昇管への触媒充填を、上昇管の上流端部(例え
ば、底部)及び下流端部(例えば、頂部)におい
て夫々約64Kg/m3(約4lb/ft3)又は約80Kg/m3
(約5lb/ft3)以下に維持することができる。 漸進的流動型式には、例えば触媒、供給原料、
水蒸気及び生成物を、明確に制御し反応帯域の細
長い性質により規定された方向に維持した流とし
て流すことが含まれる。しかし、このことは、厳
密に線状の流でなければならないことを示すもの
ではない。よく知られているように、触媒の「ズ
レ(slippage)」及び逆混合(back−mixing)を
制限するに十分低い触媒の充填を行うことが推奨
されているが、触媒のズレ及び乱流が特にある範
囲の蒸気速度及び若干の触媒充填において生ずる
場合がある。 反応器としては、気化した分解生成物の大部分
又は全部を上昇管に沿つた1個以上の点において
触媒から急激に分離するものが最も好ましく、気
化した分解生成物の全部を上昇管の下流端部にお
いて触媒から実質的に分離するものが好ましい。
好ましい型の反応器は、触媒と生成物の弾道分
離、即ち触媒を上昇管により規定された方向に放
出しそのように規定された一般的方向に触媒の運
動を続行させ、この間小さな運動量を有する生成
物に急激な方向変換を生じさせて生成物を触媒か
ら急激にほぼ瞬間的に分離することを実現する。
ベント式上昇管と称される好適例においては上昇
管は触媒充填用のほとんど遮断されていない排出
開口を下流端部に備える。下流端部に隣接する管
の側面における出口は、生成物を受取る。排出開
口は通常のストリツパーと再生器に伸びている触
媒流路と連通し、一方出口は生成物流路に連通し
ており、この生成物流路は触媒流路から実質的に
又は完全に分離されており生成物を触媒の比較的
少量部分から分離するための分離手段に通じてお
り所要に応じて生成物出口に対する入口に到達す
るように処理されている。 上述の弾道分離装置及び技術はマイヤーらの米
国特許第4066533及び4070159号明細書に記載され
ており、参考のためその内容を記載する。 本方法の処理に好ましい条件を以下に記載す
る。これらのうちには、触媒及び反応温度、反応
及び供給原料圧力、滞留時間及び転化率水準、触
媒上でのコークス生成及びコークス堆積がある。 VGOを用いる従来のFCC処理において、通例
供給原料は、しばしば供給原料を反応器に圧送及
び導入するに十分流動性にするのに必要とされる
温度より著しく高い温度に予熱される。例えば、
予熱温度は約700℃又は約800℃程度と報告されて
いる。しかし、本発明の方法においては、供給原
料の予熱を制限して、供給原料が触媒からの大量
の熱を吸収する一方で触媒が供給原料を転化温度
に上昇し、同時に供給原料を加熱するための外部
燃料の使用を最小にするようにする。即ち、供給
原料の性質が許容する場合には、供給原料を周囲
温度で供給することができる。重質の供給原料
は、約315℃(約600〓)、代表的には約93℃〜約
260℃(約200〓〜約500〓)の温度に予熱するの
が好ましいが、必ずしも高い予熱温度を排除する
ものではない。 触媒を反応器に供給する温度は、例えば約594
℃〜約871℃(約1100〓〜約1600〓)、好ましくは
約648℃〜約816℃(約1200〓〜約1500〓)、更に
好ましくは約704℃〜約760℃(約1300〓〜約1400
〓)の広い範囲で変化させることができるが、約
717℃〜約747℃(約1325〓〜約1375〓)の温度が
現在最良と考えられる。 上述の如く、炭素−金属油の低分子量生成物へ
の転化は反応室出口で測定して約482℃〜約760℃
(約900〓〜約1400〓)の温度で行うことができ
る。上記出口で測定した反応温度は、好ましくは
約523℃〜約704℃(約975〓〜約1300〓)、更に好
ましくは約529℃〜約649℃(約985〓〜約1200
〓)、最も好ましくは約537℃〜約622℃(約1000
〓〜約1150〓)の範囲に維持する。選定した温度
及び供給原料の特性に応じて、全ての供給原料は
上昇管で気化するか又は気化しないとすることが
できる。 上述の如く、反応器内の圧力は約0.7〜約3.5
Kg/cm2(絶対圧力)(約10〜約50psia)とするこ
とができるが、好ましくは約1〜約2.5Kg/cm2
(絶対圧力)(約15〜約35psia)、更に好ましくは
約1.4〜約2.5Kg/cm2(絶対圧力)(約20〜約
35psia)の圧力である。一般に、供給原料の分圧
(又は全圧)は、約0.2〜約2.1Kg/cm2(絶対圧力)
(約3〜約30psia)、好ましくは約0.5〜約1.8Kg/
cm2(絶対圧力)(約7〜約35psia)、更に好ましく
は約0.7〜約1.2Kg/cm2(絶対圧力)(約10〜約
17psia)の範囲にあるとすることができる。供給
原料分圧は、ガス状(蒸気状を含む)物質例えば
水蒸気、水及び上述の他の添加物質を反応器に導
入することにより制御又は抑制することができ
る。本方法は、約0.2〜約0.8、代表的には約0.3〜
約0.7、更に代表的には約0.4〜0.6の範囲の上昇管
における供給原料分圧対全圧の比を用いて行うこ
とができ、また、これに対応する約0.8〜約0.2、
代表的には約0.7〜約0.3、更に代表的には約0.6〜
約0.4の範囲の上昇管におけるガス状添加物質
(H2Oを導入することにより生ずる水蒸気及び再
循環ガスを含む)対全圧の比を用いて行うことが
できる。上述の操作例においては、ガス状添加物
質の分圧対供給原料の分圧の比は、約0.25〜約
2.5、代表的には約0.4〜約2、更に代表的には約
0.7〜約1.7の範囲にある。 上述の如く、上昇管中における供給原料及び生
成物蒸気の滞留時間は、約0.5〜約10秒の範囲の
時間とすることができるが、好ましくは約0.5〜
約6秒、更に好ましくは約1〜約4秒とすること
ができ、約1.5〜約3.0秒が現在最良と考えられ
る。例えば、本方法は多量のガス状物質を上昇管
に導入することにより約2.5秒以下の上昇管蒸気
滞留時間を用いて行うことができ、かかる量は例
えば約0.8以上のガス状添加物質対炭化水素供給
原料の分圧比を供給するに十分な量である。他の
例として、本方法を、約2秒以下である上記滞留
時間を用い、約1〜約2の範囲の上記の比を用い
て行つた。低い供給原料分圧、著しく短い滞留時
間及び生成物の触媒からの弾道分離を組合せるこ
とは、炭素−金属油を転化するために特に有利で
あると考えられる。上述の如く、ガス状添加物
質、特にH2Oの分圧が大きい場合、上述の組合
せにより他の利点を得ることができる。 触媒と炭化水素蒸気とのズレが上昇管内に存在
するか否かに応じて、触媒の上昇管滞留時間を蒸
気の滞留時間と同じか又は同じでなくすることが
できる。平均の触媒の反応器滞留時間対蒸気の反
応器滞留時間の比、即ちズレは、約1〜約5の範
囲、好ましくは約1〜約4の範囲、更に好ましく
は約1.2〜約3の範囲にあるが、約1.2〜約2が現
在最良と考えられる。 ある種の型の既知FCC装置においては、触媒
及び生成物蒸気は通常反応器の一部と考えられる
大きな室に一緒に排出され、この室において触媒
は生成物から分離され、収集される。触媒、未分
解供給原料(存在する場合)及び分解生成物の接
触がかかる大きな室内で続行して、蒸気及び触媒
の上昇管滞留時間を幾分越える全触媒供給原料接
触時間が生ずる。本発明の方法を、上述のマイヤ
ーらの特許明細書に教示されている如く触媒と蒸
気の上昇管の下流(例えば、上部)端部における
弾道分離を用いて行う場合、上昇管滞留時間と触
媒接触時間は供給原料と生成物蒸気の主要部分に
対してほぼ同じである。蒸気の上昇管滞留時間と
蒸気触媒接触時間が上昇管を通過する全供給原料
及び生成物蒸気の少なくとも約80容量%、好まし
くは少なくとも約90容量%、更に好ましくは少な
くとも約95容量%に対してほぼ同じである場合に
は、有利であると考えられる。触媒分離及び収集
室においてこのように蒸気と触媒の接触が続行す
るのを防ぐことにより、再分解及び選択性低下の
傾向を回避することができる。 一般に、触媒対油の比、温度、圧力及び滞留時
間の組合せは、炭素−金属油供給原料の著しい転
化を行うようなものとすべきである。本方法の利
点は、著しく高水準の転化率、例えば50%を越え
約90%以上となる場合がある転化率を、1回のパ
スで達成することができることにある。上述の条
件は、好ましくは約60〜約90%、更に好ましくは
約70〜約85%の範囲の転化率水準を維持するに十
分な水準に維持する。上記転化率水準は、221℃
(430〓)〔tbp、標準大気圧下〕以上で沸騰する液
体生成物の容量を新鮮な供給原料の液体容量で割
つてこれに100を乗じて得られるパーセントを、
100%から減ずることにより算出される。 これら転化率の実質的水準は、比較的高いコー
クス収率例えば新鮮な供給原料を基準として約4
〜14重量%、通常約6〜約12重量%、しばしば約
6〜約10重量%のコークス収率を生ずることがで
きる。コークスの収量は幾分触媒上に定量的に堆
積することができる。意図する触媒対油の比にお
いて、生ずるコークス堆積は、無水分の再生触媒
を基準として約0.3重量%、通常約0.5重量%、し
ばしば1重量%を越える場合がある。かかるコー
クス堆積は約2%又は約3%或いは更に大きい範
囲に亘る場合がある。 従来のVGOにおけるFCC処理と同様に、本発
明の方法は触媒を生成物蒸気から分離した後の古
触媒(spent catalyst)をストリツピングするこ
とを包含する。当業者は古触媒をストリツプする
ためのストリツピング剤及び条件を熟知している
が、若干の場合においては、本発明の方法には通
常使用されるより一層厳しい条件が必要とされ得
る。このことは、例えば反応器に広く行われる条
件下で揮発せずそれ自体少なくとも部分的に触媒
上に堆積する成分を含む炭素−金属油を使用する
ことに起因するとすることができる。かかる吸着
する不揮発性物質は、少なくとも2つの見地によ
り厄介なものになり得る。第1に、触媒をストリ
ツプするのに使用するガス(蒸気を含む)が上昇
管の下流端部に連結した触媒分離又は収集室に入
ることができ、触媒がかかる室中に堆積する場合
には、ストリツパー中におけるこれら不揮発性炭
化水素の気化に次いで、室中の触媒床上への吸着
が起こり得る。更に特に、ストリツパー中の触媒
は吸着した供給原料物質をストリツプされるの
で、生成した供給原料蒸気は、触媒収集及び/又
は分離室に堆積した触媒床を通過しコークス及
び/又は凝縮物質を上記床の触媒上に堆積し得
る。かかる堆積物を生じ得る触媒は床からストリ
ツパー、ストリツパーから再生器に移動するの
で、凝縮生成物には一層のストリツピング能力が
必要とされ得り、一方コークスは、再生温度を上
昇させ高い再生能力を必要とするか又は再生温度
を上昇させるか若しくは高い再生能力を必要とす
る傾向にあるとすることができる。上述の理由の
ために、ストリツピングガスと触媒分離又は収集
室の触媒堆積物との接触を回避するか又は制限す
るのが好ましい。このことは、例えば、循環によ
り本質的に落下し分離及び/又は収集室の底部に
残留する場合がある触媒量を除いて、かかる堆積
物が形成するのを回避し、循環下にある触媒を、
室の底部に配置する際に上記室から迅速に除去す
ることにより行うことができる。また、再生温度
及び再生能力の要求を最小にするために、触媒を
ストリツプすることにより生ずる潜在的に揮発性
の炭化水素物質を触媒上に堆積する全炭素分を基
準にして約10重量%以下に低減するに十分な時
間、温度及び雰囲気の条件をストリツパーに用い
るのが望ましい。かかるストリツピングには、触
媒の再加熱、水蒸気を用いた長いストリツピン
グ、通常のFCC/VGO処理用よりかなり高い温
度を有するガス、例えば再生器からの煙道ガス並
びに水素化処理器オフガス(H2S含有)、水素等
の如き他の製油所流ガスの使用が包含される。 本発明による炭素−金属油の軽質生成物への大
きな転化は、触媒再生において若干の注意を要す
るに十分大きなコークス収率及び触媒上へのコー
クス堆積を生ずる傾向にある。ゼオライト及び非
ゼオライト触媒の適当な活性を維持するために、
触媒は、触媒が多量の重金属堆積物を含むか否か
に拘らず、触媒上に残留する炭素分を約0.25重量
%以下に低減するに十分な時間、温度及び雰囲気
の条件下で再生するのが望ましい。特にゼオライ
ト触媒の場合、この重量%は約0.1重量%以下が
好ましく、0.05重量%以下が更に好ましい。従つ
て、炭素−金属油を処理する場合に焼き去る必要
のある触媒のコークス量は、通常VGOをクラツ
キングする場合より十分多い。本明細書において
「コークス」と称するは、任意の残留不揮発性供
給原料又はクラツキング生成物がストリツピング
した後に触媒上に存在する場合にはかかる物質を
含むものとする。 供給原料を転化する間に触媒上に堆積したコー
クスを焼き去る触媒の再生は、再生器触媒出口で
測定した約593〜約872℃(約1100〜約1600〓)の
範囲の任意適当な温度で行うことができる。この
温度は、約649〜約816℃(約1200〜約1500〓)の
範囲にあるのが好ましく、更に好ましくは約675
〜約774℃(約1275〜1425〓)の範囲にあるり、
約717〜747℃(約1325〜1375〓)の範囲にあるの
が最良である。本方法は、例えば約704〜約760℃
(約1300〜約1400〓)の範囲の触媒稠密相の温度
で流動再生器を用いて行う。 触媒を著しく低水準の再生触媒上の炭素分、例
えば再生触媒の重量を基準にして約0.1重量%以
下又は約0.05重量%以下に再生する場合、過剰の
酸素を含有する燃焼性ガスと接触させて少なくと
も残り約10重量%又は少なくとも残り約5重量%
(再生直前の触媒上のコークスの全重量を基準と
する。)のコークス分に焼き去ることが許容され
る。この点については、全コークス堆積分から残
り約5又は10重量%に亘るコークスの若干の選定
部分を過剰の酸素で燃焼することができると考え
られる。「過剰の酸素」と称するは、全ての水素、
全ての炭素及び全ての他の可燃性成分を燃焼させ
るのに必要とする化学量論量を越える量の酸素を
意味し、存在する場合には、これら可燃性成分は
再生直前のコークスの上記選定部分に存在する。
通常、過剰の酸素の存在下で行つた燃焼によるガ
ス状生成物は、多少の量の遊離酸素を含有する。
かかる遊離ガスは、副生成物ガスから除去しない
か又は再生以外の処理若しくは手段により若干の
他の形態に転化されない場合には、通常再生器装
置からの煙道ガス中にそれ自体遊離ガスとして存
在する。コークスの全部又は主要部分を燃焼する
場合、コークスを低水準に燃焼するのを完了する
に十分な駆動力を供給するために、通常遊離酸素
の量は多少であるのみならず多量である。即ち、
少なくとも約2モル%の濃度の遊離酸素が、完結
した再生処理から回収した全再生煙道ガス中に存
在する。かかる技術は再生触媒上の炭素の所望低
水準を達成するに効果的であるが、この技術には
以下の記載から明らかになるであろうような限定
及び困難性がある。 従来行われていたように、再生の間におけるコ
ークスの燃焼はコークス中に通常存在する少量の
水素のために若干のH2Oを生ずるが、一般に一
酸化炭素及び二酸化炭素が主生成物と考えられ
る。コークスの炭素含有量の一酸化炭素及び二酸
化炭素への転化は、著しい発熱反応である。例え
ば、酸素とコークスの二酸化炭素を生成する反応
ではコークス0.45Kg(1lb)当り約3560kcal(約
14108BTU)の熱が発生し、一方酸素とコークス
又は炭素の一酸化炭素を生成する反応ではコーク
ス0.45Kg(1lb)当り約992kcal(約3967BTU)の
熱が発生する。所定重量の触媒から焼き去る必要
のあるコークスの量が多ければ多い程、再生器で
の燃焼の間に放出する熱量は大きくなる。 コークスを再生器内で燃焼することにより放出
される熱は触媒に吸収され、再生触媒が新鮮な供
給原料と接触するようになるまで再生触媒に保持
され得る。炭素−金属油を本発明に含まれる比較
的高水準の転化率で処理する場合、再生触媒を再
循環させることにより新鮮な供給原料に伝達され
る再生器の熱量は、供給原料及び他の物質を上昇
管において加熱及び気化し、クラツキングに吸熱
反応を供給し、装置の熱損失等を補償するのに適
する熱の投入水準を実質的に越えることができ
る。従つて、本発明においては、新鮮な供給原料
に伝達する再生器の熱量を所要に応じてある大体
の範囲内に制限するか又は制御することができ
る。このように伝達される熱量は、例えば新鮮な
供給原料0.45Kg(1lb)当り約125〜300kcal(約
500〜約1200BTU)、特に約150〜約225kcal(約
600〜約900BTU)、更に特に約162.5〜212.5kcal
(650〜850BTU)の範囲の熱量とすることができ
る。上記の範囲は、供給原料0.45Kg(1lb)当り
のkcal(BTU)で表した組合せた熱を示し、この
熱は触媒により供給原料と反応の熱及び生成物と
新鮮な供給原料とのエンタルピーの差を供給する
ための(例えば、クラツキング用の)反応生成物
に(供給原料と触媒を接触させ、生成物を触媒か
ら分離する間に)伝達される。触媒上のコークス
の吸着により反応器で利用できる熱は上記の熱に
含まれておらず、また再循環流と水、水蒸気、ナ
フサ及び他の水素供与体の如き添加物質を加熱、
気化若しくは反応させるか又は輻射による熱損失
並びに他の損失も上記の熱に含まれていない。 1種の技術又は技術の組合せを、触媒を介して
新鮮な供給原料に伝達される再生熱の量を制限又
は制御するために本発明に用いることができる。
例えば、燃焼促進剤をクラツキング触媒に添加し
て、コークスが再生器中で二酸化炭素及び/又は
一酸化炭素に燃焼する温度を低下させることがで
きる。更に、再生器自体の内部に設けた熱交換器
(例えば、スチームコイル)が包含される熱交換
手段を介して、触媒から熱を除去することがで
き、これにより再生する間に熱を触媒から取出す
ことができる。熱交換器は、例えば再生器から反
応器への触媒戻り管の如き触媒移送管中に設ける
ことができ、これにより触媒を再生した後に熱を
触媒から除去することができる。再生器において
触媒に付与される熱量は、特にコークス生成の著
しく高い可能性を有する供給原料を処理せんとす
る場合には再生器上の断熱材の量を低減して若干
の熱損失が周囲大気に許容されるようにすること
により制限することができるが、一般に、かかる
大気への熱損失はここに記載するある種の他の方
法より経済的に余り望ましくないと考えられる。
また、冷却用流体、例えば水及び/又は水蒸気を
再生器に注入することができ、これにより再生器
で熱収集及び除去に有用な不活性ガスの量が増大
する。 新鮮な供給原料に伝達される熱を制御するか又
は制限するのに適切で好ましい他の技術には、再
生器内で形成した二酸化炭素と一酸化炭素との特
定の割合を維持し、この間かかるガスを再生下の
触媒と接触又は関連させて熱交換する技術が含ま
れる。一般に、再生直前に触媒上に存在するコー
クスの全重量部分又は主要重量部分は、少なくと
も1個の燃焼帯域で除去し、この帯域では上記の
割合を次の如く制御する。更に特に、触媒上のコ
ークスの少なくとも主要重量部分、好ましくは少
なくとも約65重量%、更に好ましくは少なくとも
約80重量%を、CO2対COのモル比をほぼ5以下、
例えば4以下に維持した燃焼帯域で除去する。
CO2/COの関係を逆の見地から見ると、CO/
CO2のモル比は、少なくとも約0.25、好ましくは
少なくとも約0.3、更に好ましくは約1以上、更
に約1.5以上である。当業者にはCOがCO2に燃焼
するのを抑制する技術が知られており、CO:
CO2のモル比は、炭素−金属油の処理に起因する
多量の重金属堆積物を有する触媒を再生する場合
0.2以下に維持すべきであることが示されている。
例えば、ツリンスカク エスアール(Zrinscak、
Sr.)らの米国特許第4162213号明細書参照。しか
し、本発明においては、COの生成を最小にし、
これと同時に触媒を約0.1%以下の炭素分、好ま
しくは約0.05%以下の炭素分に再生することが、
本発明の特に好ましい例である。更に、本発明を
実施する好適方法においては、再生の副次処理
(sub−process)全体を、欠乏した酸素を用いて
触媒上の上記低水準の炭素量に実行することがで
き、更に特に、再生の1以上の工程に供給する全
酸素量は、コークス中の全水素分をH2Oに燃焼
しコークス中の全炭素分をCO2に燃焼するのに必
要とされる化学量論量以下にすることができまた
これが好ましい。コークスが他の可燃性物質を含
有する場合には、上記化学量論量はこれら物質を
燃焼するのに必要とされる酸素量を含むように調
整することができる。 再循環触媒を介して新鮮な供給原料に付与され
る再生熱を制御又は制限するのに特に好ましい他
の技術には、再循環触媒により生じた熱の一部を
反応器に導入した添加物質、例えば水、水蒸気、
ナフサ、他の水素供与体、煙道ガス、不活性ガス
及び反応器に導入することができる他のガス状又
は揮発性物質に分け与えることが含まれる。 所定重量の触媒から燃焼しなければならないコ
ークスの量が多量になればなる程、触媒を過剰の
温度にさらす可能性が高くなる。種々他の望まし
く有用なクラツキング触媒は高温下で特に失活し
易く、これらのうちにはかなり多数の高価な分子
篩又はゼオライト型の触媒がある。一般に、ゼオ
ライトの結晶構造及び触媒担体の細孔構造は幾分
熱及び/又は熱水分解し易い。かかる触媒を炭素
−金属油供給原料の触媒転化処理に使用すると、
著しく厳しい温度及び蒸熱(steaming)にさら
すことにより触媒を破壊しない再生技術の必要性
が生じる。かかる必要性は、古触媒を第1再生帯
域に導入しこの帯域に酸化性ガスを導入すること
を包含する多段階再生処理によりかなえることが
できる。上記第1帯域に導入する酸化性ガスの量
及びこの帯域における酸素又は酸素含有ガスの濃
度は、触媒上のコークスの酸化炭素ガスへの所望
転化を部分的にのみ行うに十分なものである。次
いで、部分的に再生した触媒は第1再生帯域から
除去し第2再生帯域に運ばれる。酸化性ガスを第
2再生帯域に導入して、第1帯域より高い濃度の
酸素又は酸素含有ガス濃度を供給し、炭素分を所
望水準に除去するのを完了する。次いで、再生し
た触媒を第2帯域から除去し、新鮮な供給原料と
接触させるための反応器に再循環させる。かかる
多段階再生処理の例としては、米国特許第
2938739号を挙げることができる。 多段階再生は酸素欠乏再生とCO:CO2のモル
比の制御を組合せる可能性を提供する。即ち、約
50重量%以上、好ましくは約65〜約95重量%、更
に好ましくは約80〜約95重量%の再生の直前の触
媒上のコークスを、CO:CO2のモル比を上述の
方法で制御した1以上の再生段階で除去すること
ができる。上記のことと組合せて、最初から存在
するコークスの残り5重量%以上又は10重量%以
上、上記の段階の後に残留するコークスの全量ま
でのコークスを、多量の酸素が存在する再生の次
の段階で除去することができる。かかる処理は、
完結した再生処理全体から回収される全煙道ガス
が少量又は過剰でない酸素分、即ち約0.2モル%
以下又は約0.1モル%以下で、他の場合で示され
ている2モル%より実質的に少ない酸素分を含有
するような方法で行うことが可能である。従つ
て、多段階再生は、再生触媒を介して新鮮な供給
原料に伝達される再生熱を制限し、熱失活の可能
性を低減するか又は再生熱を制限するか若しくは
熱失活の可能性を低減し、これと同時に再生触媒
上の炭素量水準を特に触媒活性を高める極めて低
い割合(例えば約0.1%以下)に低減する機会を
付与する他の都合のよい技術を提供することにお
いて特に有利である。更に、再生条件、例えば温
度又は雰囲気が第1帯域〔少なくとも約6℃(約
10〓)、好ましくは少なくとも約12℃(約20〓)〕
より第2帯域において厳しくない場合、最も厳し
い条件を有する再生連続処理の一部分を、触媒上
にかなりの量のコークスがなお存在する間に実施
する。かかる処理は、触媒を一層厳しい条件から
若干保護することを提供する。本発明の特に好ま
しい例は、約816℃(約1500〓)の最高温度にお
ける2段階流動再生であり、第2段階の稠密相に
は第1段階の稠密相に比して少なくとも約6℃
(約10〓)又は約12℃(約20〓)低い温度を用い、
触媒上の炭素量は第2帯域において約0.05重量%
以下又は約0.025重量%以下に低減する。実際、
触媒は、たとえ再生直前の触媒上の炭素量が約1
%程度であるとしてもこの技術により0.01%程度
の炭素量水準に容易に再生することができる。 多くの環境において、吸着された酸素を含有し
ないガスを、再循環触媒により上昇管に導入する
のを保証するのが重要である。かかる作用が必要
と考えられている場合は、再生器から排出される
触媒を、適当なストリツピングガスを用いてスト
リツプして酸素含有ガスを除去するのがよい。か
かるストリツピングは、例えば水蒸気、窒素又は
他の不活性ガスをストリツピングガスとして用
い、比較的高温、例えば約732〜約743℃(約1350
〜約1370〓)の温度で行うことができる。窒素及
び他の不活性ガスを使用することは、水蒸気の使
用に起因し得る熱水触媒失活の傾向を回避すると
いう見地から利点がある。 金属処理、炭素処理及び熱処理に関する以下の
記載は、本発明を実施する場合に最良の結果を得
る補助になるであろう。これらの記載は主として
最良の実施方法を示すものであるので、本発明が
以下に論ずる特定の実施方法に限定されるもので
ないことは明らかである。更に、これら記載のあ
る種のものは理論的考察に基づくことを余儀なく
されるので、ここに示すか又は以下に示す実施の
示唆に含まれるか否かに拘らず、任意のかかる理
論に拘束されんとするものではない。 以下に別々に論じているが、金属処理、炭素処
理及び熱処理は、理論及び実施の双方において相
互に関連し相互に依存する問題である。コークス
収率及び触媒上のコークス堆積は主として炭素−
金属油中に存在する比較的多量のコークス前駆物
質に起因し、一方コークスの生成は、高度の金属
堆積により悪化し、また触媒能力に著しく作用す
る。更に、金属処理及び炭素処理において得られ
る成功の度合いは、熱処理の必要な範囲に直接影
響を及ぼす。更に、金属処理の補助に講ずる若干
の段階が炭素及び熱処理に関して著しく有用であ
ることがわかつた。 上述の如く、触媒上における多量の重金属堆積
は脱水素化及び芳香族縮合の問題を悪化する傾向
にあり、所定のラムスボトム炭素値の供給原料に
対してガス及びコークスの増大した生成を生ず
る。H2Oを水蒸気又は液体の水の形態で反応器
に多量導入することは、重金属を余り有害でない
形態、即ち金属形態よりむしろ酸化物形態に維持
する見地から著しく有利であることが明らかであ
る。このことは、所望選択率を維持する補助とな
る。 また、系の成分及び滞留時間を触媒の反応器滞
留時間対触媒の再生器滞留時間の割合を低減する
ように選定する装置の設計により、触媒が夫々還
元条件下及び酸化条件下にある時間の割合が低減
される傾向にある。このことは、所望水準の選択
率を維持する著しい補助となることができる。 触媒の金属含有量が首尾よく処理されたか否か
は、反応器中で生成した水素とメタンの総和及
び/又はかくして生成した水素対メタンの割合を
監視することにより観察することができる。一般
に、水素対メタンのモル比は約1以下、好ましく
は約0.6以下と考えられ、現在約0.4以下が最良と
考えられる。 炭素処理を注意深く行うことにより、選択率
(価値ある生成物の生成を最大にする能力)及び
熱生産性の双方を向上することができる。一般
に、上述の金属制御技術は炭素処理の補助にもな
る。炭素処理に関する水添加の有用性は、すでに
添加物質の反応帯域への導入に関する本明細書の
部分でかなり詳細に記載した。一般に、供給原料
を反応帯域で分散することを含むこれら技術は有
用であることが分り、これらには例えば、供給原
料を分散する補助のための噴霧装置を使用するこ
とが含まれる。 また、触媒対油の比は熱処理の要因となる。
VGOにおける従来のFCCの実施と同様に、本発
明の実施においては、反応器温度は、熱再生触媒
の反応器への流を反応器温度、代表的に上昇管型
反応器の場合には出口温度、の減少及び増大に応
じて夫々増大及び減少させることにより制御する
ことができる。触媒導入用の自動制御器を設置し
て過剰の触媒対油の比を維持する場合、反応帯域
に充填する新鮮な供給原料の重量に対して無用に
大きな割合の炭素生成及び熱放出が予想され得
る。 また、比較的高い反応器温度は炭素処理の見地
から有利である。かかる高温は供給原料の一層完
全な気化及び生成物の触媒からの分離を促進す
る。 炭素処理は、反応器内の全圧及び供給原料の分
圧を適当に制限することにより促進することがで
きる。一般に、所定水準の転化率において、上記
圧力を比較的小さく減少することはコークスの生
成を著しく低減する。このことは、全圧を制限す
ることが供給原料の高沸点成分の気化を増大し、
クラツキングを促進し、未分解供給原料及び高沸
点分解生成物の双方が触媒から分離するのを促進
する傾向にあるという事実に起因するとすること
ができる。このことについては、反応器の及び反
応器と連通する下流装置の圧力降下を制限する補
助となるとすることができる。しかし、系を、例
えば操作制限(例えば下流装置における圧力降
下)のために高い全圧で操作するのが望ましいか
又は必要である場合には、上記利点は供給原料分
圧を制限することにより得ることができる。全反
応器圧力及び供給原料分圧は既に記載したが、一
般に、圧力をこれら範囲内で最小にするのが望ま
しい。 また、生成物蒸気及び未転化供給原料(存在す
る場合)を触媒から急激に分離することは、著し
い補助となる。この理由のため、ジヨージ デ
イ.マイヤーらの米国特許第4070159及び4066533
号明細書に開示されているいわゆるベント式上昇
管装置及び技術は、本方法を実施するのに好まし
い型の装置である。同様の理由のため、触媒の生
成物蒸気からの分離とストリツピングの開始との
間に経過する時間をできる限り減少するのが有利
である。ベント式上昇管及び迅速なクラツキング
は、未転化供給原料のコークス生成及び高沸点分
解生成物の触媒上への吸着の機会を減少させる傾
向にある。 炭素処理の見地から特に望ましい実施方法で
は、本方法を所要に応じて水素供与体を用いてベ
ント式上昇管において実施し、この間供給原料分
圧及び全反応器圧力をでできる限り低く維持し、
比較的多量の水及び所要に応じて上述した多大の
利点を提供する他の希釈剤を導入する。更に、液
体の水、水蒸気、水素供与体、水素及び他のガス
状又は揮発性物質を反応帯域に供給する場合、こ
れら物質の添加は触媒対油の比に対する付加的制
御を行う機会を提供する。かくして、例えば反応
器温度の所定の減少又は増大のための触媒対油の
比の増大又は減少の実施は、水、水蒸気及び他の
ガス状又は揮発性物質の充填比を適当に減少する
か又は増大する、或いは水対水蒸気及び/又は反
応帯域に導入する他のガス状物質の比を適当に減
少するか若しくは増大することにより減らすか又
は削除することができる。 熱処理には、本方法の種々の部分で放出される
熱量の制御及び/又は放出することのできるよう
な熱の適当な処理に講ずる処理が含まれる。通
常、反応器の熱収支に十分な熱を再生の間に発生
する問題がある従来のVGOを使用するFCCの実
施と異なり、一般に炭素−金属油の処理ではこれ
らの注意深い処理を必要とするような多くの熱が
発生する。 熱処理は、反応器に導入する物質と関連する
種々の技術により促進することができる。即ち、
供給原料による熱吸収は、供給原料を最小限に予
熱することにより最大にすることができ、供給原
料温度が、反応器中で適当に分散及び圧送するに
十分流動性であるために十分高いことのみが必要
である。触媒をコークス生成の抑制(金属制御)
を用い高い活性状態に維持して高い転化率を達成
する場合、得られる高い転化率及び高い選択率に
より反応の熱吸収を増大することができる。一般
に、高い反応器温度が、高いコークス生成の可能
性を有する一層耐火性及び高沸点成分に拘らず触
媒転化活性を促進する。かくして、触媒失活の割
合は増大し得るが、高い操作温度はこの活性の損
失を相殺する傾向にある。また、反応器における
高温はオクタン価増大に寄与し、かくして高い炭
素堆積によるオクタン価の降下作用は相殺され
る。熱を吸収するための他の技術は、水、水蒸気
及びガス状又は揮発性物質の反応器への導入と関
連して前に記載した。 上記の厳しいストリツピング及び再生技術は、
再生器中での熱放出を制御するのに有用である。
再生器内又は再生器の下流部における熱交換器
(スチームコイルを含む)による触媒からの熱の
除去を熱放出を制御するための手段として記載し
たが、上記多段階再生及び(一段階又は多段階再
生での)CO/CO2に関する制御の技術が一層有
利であると考えられる。スチームコイルの使用は
幾分自滅的(self−defeating)であると考えら
れ、このことにおいて、一般に再生器又は触媒戻
り管におけるスチームコイル又は熱交換器は、触
媒対油の比を増大させるとともに反応器における
炭素生成の割合及び再生器における熱放出を増大
させる。 上述の如く、本発明は上記及び種々他の型式で
実施することができる。以下、本発明を、図面を
参照して2種の例により説明するが、本発明は何
らこれに限定されるものではない。 第1図は、本発明の方法を実施するための装置
の配置図である。炭素−金属油供給原料(図示し
ない供給原料予熱器で加熱することができる)及
び水を、送出管9を介して供給し、制御弁11を
有する供給原料供給管10によりY字部12に供
給し、このY字部においてこれらを弁14により
制御され供給管13を介して送出された触媒の流
と混合する。勿論、種々の混合装置を使用するこ
とができ、上述の他の転化物質を導入する設備を
設けることができる。次いで触媒と供給原料の混
合物を、他の添加物とともに又はともなわずに上
昇管18に導入する。 上昇管18は図中垂直であるが、当業者は上昇
管が垂直であることを必要としないことを認識す
るであろう。その理由は、上昇管の多少の部分が
垂直でない上昇管型反応器が知られているからで
ある。かくして、方向の上向き成分を有する上昇
管が考えられ、通常これらの上向きに移行する傾
斜部分の上向き成分は大きく、即ち少なくとも約
30゜である。また、下向きに移行する傾斜又は垂
直の部分並びに水平部分を有する上昇管を設ける
ことが知られている。上向きに伸びる部分と下向
きに伸びる成分の双方を備えた重畳上昇管も知ら
れている。更に、本発明の方法は、傾斜及び/又
は垂直管において、供給原料と触媒を上側高所に
て導入し、供給原料と触媒を重力の作用及び供給
原料の下側高所への下降流の下で移動させて実施
するのが著しく適当である。従つて、一般に、本
発明には、大きなL/Dの比及び水平からの大き
な偏差を有する反応室を使用することが考慮され
る。 上昇管18の上側端部には室19があり、この
室19で上昇管からの触媒を受取る。室19は従
来の分離及び収集室でよいが、生成物蒸気に、触
媒粒子により移動させられる方向に対して著しい
方向変化を生ぜしめ、これによ蒸気を触媒から急
激かつ効果的に分離する手段を備えるのが好まし
い。上述の如く、触媒粒子と生成物蒸気を「弾
道」分離するのが好ましい。 第1図において、分離室には開口頂部21を有
する上昇管18の上向き延長部20が含まれ、こ
の開口頂部を介して触媒を排出する。本例では、
上記マイヤーらの特許明細書に記載されているい
わゆるベント式上昇管を使用する。炭素−金属留
分の耐火性の性質のために、比較的高い荷酷性が
要求されるが、ベント式上昇管においては、触媒
が軽質分解生成物から迅速に分離され、ガソリン
の如き所望液体生成物がガス状生成物にオーバー
クラツキング(overcracking)するのが回避さ
れる。生成物蒸気を上昇管延長部20の側面の側
方開口22に急激に方向転換し、大部分の触媒粒
子は生成物蒸気に追従して開口22に入ることは
できない。 蒸気及び蒸気に追従して開口22に入つた少量
の粒子は、横断管23によりサイクロン分離器2
4に移動する。図示するベント式上昇管系の利点
は、一段階サイクロン分離器で適当に作用できる
ことである。しかし、本例においては、サイクロ
ン分離器24は、移送管17を介して随意の第2
サイクロン分離器25と連結した第1段階サイク
ロン分離器として使用する。一段階又は多段階型
に拘らず、サイクロン分離器では側方開口22に
入つた少量の触媒粒子を生成物蒸気から分離す
る。生成物蒸気を生成物排出管26を介して分離
室19から排出する。 上昇管延長部20の開口頂部21から排出され
る触媒粒子と第1及び第2サイクロン24及び2
5の排出脚部27及び28から排出される触媒粒
子は分離室19の底部に落下する。室19におけ
る触媒の残留量及び滞留時間は、最小にするのが
好ましい。始動する間に、存在する触媒粒子を、
水蒸気供給管29を介して水蒸気を供給する浮遊
用ジエツト(fluffing jet)30により浮遊状態
に保つことができる。分離室19の底部からあふ
れた古触媒は、じやま板33及び水蒸気ジエツト
34を備えたストリツパー室32に落下脚部31
を介して通過する。上記任意の他のストリツピン
グガスを水蒸気とともにか又は水蒸気に代えて使
用することができる。 燃焼器38は降下管39及び制御弁40を介し
てストリツプした触媒を受け取り、この燃焼器中
で炭素分を触媒表面から焼き去る。ブロアー41
及び42は、一般に44で示す弁及び移送装置と
共同して空気を燃焼器底部の燃焼空気ジエツト4
8及び高所の浮遊用ジエツト49に供給する。空
気予熱器43は、本発明により重質炭化水素を処
理する場合は通常使用しないが、VGOにおいて
装置を始動する場合には使用することができ、こ
の際、装置を炭素−金属油に切換える場合、予熱
操作は中断することができる(又は少なくとも減
ずることができる)。補助的な燃料供給手段を設
けて燃焼空気ジエツト48を介して燃料を供給す
ることができるが、通常、かかる手段は、触媒上
の炭素堆積が再生部分に必要とされる温度を維持
するに十分な量以上の燃料を供給するので不必要
である。大部分の炭素を焼き去られた再生触媒
は、燃焼室を出発し、上部出口50及び横断管5
1を介して第2室52に向かい、この第2室にお
いて再生触媒はじやま板53により室の低部に偏
向させられる。2段階再生が考慮され、また好ま
しいが、この特定例においては、第2室を使用し
て再生の最終段階における付加的な炭素堆積を約
0.01%以下に除去できるが、第2室は主として分
離室として作動する。 触媒は第2室52から三方までの異なる方向に
移動する。一部の触媒は、燃焼器38中の熱制御
用の制御弁56及び触媒再循環ループ55を介し
て燃焼器に逆循環することができる。若干の触媒
は生成物ガス、例えば触媒上の炭素を燃焼器中で
燃焼することにより生成したCO及び/又はCO2
に同伴され、同伴された触媒微粉は室52内を上
向きに通過して一般に57及び58で示す2組の
サイクロンに入り、これらサイクロンでこれら触
媒微粉を燃焼ガスから分離する。サイクロン57
及び58において収集し降下脚部を介して排出し
た触媒を室52の底部に導き、この底部で触媒を
不活性ガス及び/又は水蒸気ジエツト59及びじ
やま板装置54により浮遊状態に保ち、じやま板
装置は再生した触媒が出口69を介して触媒供給
管13に排出するのを促進し、触媒は上述の如く
Y字部12で新鮮な供給原料と接触させるために
この供給管を介して再循環させる。 触媒の再生により生成しまた室52の第1及び
第2サイクロンの組57,58により同伴された
触媒から分離した燃焼生成物ガスは、放出管6
1,62及び熱交換器60,63を介して放出す
る。かかるガスは多量のCOを含有する場合には、
これらガスをガス供給管64を介して随意の炉6
5に送出し、この炉においてCOを水蒸気ボイラ
ー67に連結した加熱コイルで燃焼して加熱する
ことができる。付加的な熱を導管ループ68を介
してボイラーの内容物に供給することができ、導
管ループは流体をボイラー67から熱交換器6
0,63に循環し、ボイラーに戻す。勿論、この
ことは、用いることができる種々可能な再生装置
の1例にすぎない。再生した触媒を介して再生器
から上昇管に戻される熱量は、上述の任意他の方
法で制御することができるが、生成した一酸化炭
素と二酸化炭素の相対比を制御し、この間触媒を
再生から生ずる燃焼ガスと熱交換関係にするのが
好ましい。また、この技術としては、第2図に示
す特に好適な例がある。 第2図において、番号80は供給原料供給管8
2の供給原料制御弁を示す。給水管83は液体の
水を供給原料に導入する。供給管82の熱交換器
81は供給原料予熱器として挙動し、これにより
予熱した供給原料物質を上昇管型反応器91の底
部に送出する。触媒は触媒静置管86を介して反
応器に送出し、触媒の流を、制御弁87及び上昇
管型分解装置を設計し操作する当業者にはよく知
られている適当な自動制御装置(図示せず)によ
り調整する。 上昇管91は、水蒸気及び所要に応じて上記の
目的のための他のガス状及び/又は揮発性物質注
入用設備を随意に備えることができる。反応器
は、第1図に示した反応器の分離室19と同様の
分離室92を備え、従つて第2図の例は、上記の
例の如く触媒からの急激かつ効果的な分離のため
の方向転換を生成物蒸気に生じさせる手段が含ま
れる。触媒は第1図のストリツパー32と同様の
作用をするストリツパー94を介して分離室92
を出る。古触媒は、流制御用の滑り弁98を有す
る古触媒移送管97を介してストリツパー94か
ら再生器101に移動する。 再生器101は、再生器の上側端部と下側端部
の間に介在する分割板104により上部室102
と下部室103とに分割されている。移送管97
からの古触媒は上部室102に入り、この室で触
媒は部分的に再生される。斜めに切つた端部を有
するロート状収集器106は、部分的に再生した
触媒を上部室102の触媒の稠密相の上部表面か
ら受取り、この触媒を出口110を有する降下脚
部107を介して下部再生室103の触媒の稠密
相に送る。内部触媒降下脚部107の代わりに外
部降下脚部を使用することができる。かかる外部
降下脚部の弁手段により、触媒の滞留時間及び上
部室と下部室との流速を制御することができる。 空気は、空気供給管113を介して再生器に供
給する。一部の空気は供給枝管114を介して差
込部材115に移動し、この差込部材は充気室1
11の中心軸に沿つて充気室の内部に上向きに伸
びている。室103の触媒は、充気室111の壁
部と差込部材115との間の充気室内の空間に出
入りすることができる。上記空間の小さな差込部
材(図示せず)は触媒を浮遊(fluff)させ、水
平に配置した環状分配器(図示せず)の方向に上
向きに押出す。この分配器において、充気室の開
口頂部は室103に開口している。空気供給管1
13を通過する空気の残留分は空気ヒータ117
中で(少なくともVGOを用いて始動する間)加
熱し、次いでこの残留分を、孔、ノズル又はガス
の上向き流を生成して部分的に再生した触媒を室
103内で流動化することのできる開口を備えた
上記環状分配器の入口118に導入する。 上述の方法で導入した空気により、降下脚部1
07を介して受取つた部分的に再生した触媒の再
生を室103中で完了する。供給した空気量は、
空気及び/又は生成した燃焼ガスが室103の頂
部に到達する際に燃焼をなお補助することができ
るに十分な量である。上記降下脚部107は板1
04の大きな開口104を介して伸び、降下脚部
に、降下脚部と同心でこの脚部を包囲するガス分
配器が固定されている。ガス分配器120を介し
て、部分的に涸渇した燃焼支持ガスを上部再生室
102に導入し、この上部再生室で古触媒移送管
から入つてくる古触媒を部分的に酸化するために
これらガスを接触させる。ガス分配器120の孔
あきプローブ又は他の適当な手段は、部分的に涸
渇した燃焼支持ガスが上部室102において均一
に分散するのを補助する。付加的な空気又は他の
流体を、所要に応じて供給管122を介して上部
室102に導入することができ、これら空気又は
流体はガス分配器中に又はガス分配器を介して放
出することができる。 約0.25%以下、好ましくは約0.1%以下、更に
好ましくは約0.05%以下の炭素分を有する十分再
生された触媒は、下部再生室103から出口が触
媒静置管86に連結している再生触媒ストリツパ
ー128を介して放出する。かくして、再生触媒
は、供給原料供給管82からの付加的な供給原料
と接触させるために上昇管91に戻す。再生器1
01内で再循環触媒に導入されるいかなる熱で
も、上昇管における新鮮な供給原料との熱伝達に
利用することができる。 再生器を上部及び下部再生室102と103に
分割することは、触媒の再生器滞留時間の偏りを
均一にするのみならず、新鮮な供給原料に付与さ
れると同時に、反応器に戻すための低水準の残留
炭素分を有する再生触媒を生成する再生熱の量を
制限する新規な補助となる。再生器の配置に起因
して、高い炭素堆積を有する移送管97からの古
触媒は、炭素分を下部再生室102において部分
的に再生した触媒から焼き去ることにより既に少
なくとも酸素が涸渇した燃焼支持ガスと室102
中で接触する。このことにより、燃焼及び上部再
生室102で生成する二酸化炭素の量の双方を制
御することができる。空気供給管113及び供給
枝管114を介して導入する空気又は他の再生ガ
スは比較的多量の酸素ガスを含有するが、これら
ガスが下部再生室103で接触する部分的に再生
した触媒は既に炭素が除去された部分を有する。
高い酸素濃度及び部分的に再生した触媒の温度が
組合わさつて触媒に残留する炭素分を迅速に除去
し、これにより最小の熱放出で清浄な再生触媒を
得る。かくして、再び、下部再生室における燃焼
温度及びCO:CO2の割合は容易に制御すること
ができる。再生のオフガスは、オフガス管12
3、調整弁124及び出口126を介して上部再
生室102から放出する。 分離室92からの蒸気生成物は、任意適当な方
法、例えば蒸気排出管131を介して精留塔13
2の入口に放出することにより処理することがで
きる。上記精留塔には、残油出口133、側部出
口134、フラツシユ油ストリツパー135並び
にストリツパー底部出口及び排出管136に連結
したフラツシユ油排出用ポンプ137が含まれ
る。ストリツパー135からの塔頂生成物は、ス
トリツパー塔頂部戻り管138を介して精留塔1
32に送出する。 精留塔の主塔頂排出管139は塔頂受器142
に連結しており、この受器142はガソリン生成
物排出用ポンプ144に連結した残油排出管14
3を有する。所要に応じて、この生成物の一部分
は、流を再循環弁146により制御し再循環管1
45を介して精留塔132に送り返すことができ
る。また、塔頂受器は、水受器147及び水排出
管148を備える。塔頂受器のガス出口150に
より、主にC5未満であるが若干のC5、C6及びC7
物質を含有する流を放出する。所要に応じて、こ
のガス流中のC5及び上記物質を、圧縮機、冷却
器及び分留塔を備えた塔頂受器(図示せず)に再
循環し、圧縮、冷却及び分留することにより分離
することができる。 以下、本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。 実施例 使用した触媒のデータは上記第2表に示した。 若干の精油所における従来の商業的実施には、
比較的少量の炭素−金属油と流動接触クラツキン
グ用供給原料として通常使用される減圧軽油とを
ブレンドすることが含まれていた。しかしなが
ら、通常の実施では、比較的低水準のニツケル当
量の重金属及び比較的低水準の熱分解による残留
炭素分を特徴とする供給原料を提供するために、
かかるブレンドにおける炭素−金属油の量が制限
されるということを強調しておく。しかし、予期
しなかたつことには、炭素−金属油の転化率水準
は、かかる油を重金属のニツケル当量及び残留炭
素が本明細書に記載した比較的高い水準にあるに
十分な量で使用する場合、例えば炭素−金属油の
量が供給原料中の炭化水素クラツキング反応体の
主要重量割合からほぼ全量に亘る場合に高いと考
えられる。 実施例 1A〜1D これら実施例では、実質的に第1図に記載した
如き装置を用いた。実施例1A〜1Cでは、種々の
相対量の減圧軽油(VGO)と常圧蒸留残油を含
む配合物を用いる処理を説明する。実施例1C及
び1Dにより、配合物を用いる処理と100%常圧蒸
留残油を用いる処理とを比較する。減圧軽油と常
圧蒸留残油の分析は、以下の第3表に示す。装置
の操作条件、結果は以下の第4表に示す。 実施例1Aと1Bの結果の比較 約523〜529℃(約975〜980〓)の範囲の温度に
おいては、使用した装置が、等価の触媒を第3表
に示した減圧軽油と同様のVGOに用いて処理す
る場合、約78%の転化水準を生ずることがわか
る。実施例1Aと1Bのデータを比較することによ
り、各配合物中の減圧軽油が予め確認した78%の
割合で転化したと仮定すると、実施例1Aの処理
において低い割合(約40%)で存在する常圧蒸留
残油は約44%の範囲まで転化しただけであるのに
対し、実施例1Bに示した高い割合の常圧蒸留残
油を含有する配合物の処理においては、常圧蒸留
残油の63%の転化を達成することがわかる。ま
た、収率(容量%)が増大したことも注意すべき
である。即ち、常圧蒸留残油を配合物に配合する
場合、本発明を実施して、著しく多量のVGO及
び著しく少量の常圧蒸留残油を含む配合物に比
し、極めて適当なオクタン水準で常圧蒸留残油の
一層高い転化率及び/又は一層高い収率(容量
%)を得ることができる。 実施例1Cと1Dの結果の比較 実施例1Cと1Dのデータを比較することにより、
実施例1Cの配合物中のVGOが上記78%の割合で
転化したと仮定すると、常圧蒸留残油は供給原料
の約42%を構成する場合に約58%の範囲まで転化
しただけなのに対し、常圧蒸留残油が100%に相
当する場合は約64%の水準に転化したことがわか
る。再び、収率(容量%)の増大に注意すべきで
ある。即ち、本発明は、常圧蒸留残油とVGOの
配合物と比較して、常圧蒸留残油のみを充填する
場合に著しく適当なオクタン水準で常圧蒸留残油
の一層高い転化率及び/又は液体生成物の一層増
大した収率(容量%)を得るように実施すること
ができる。 実施例 2及び3 第3表に示す実施例1Dの常圧蒸留残油を供給
原料として用い、第1図に従つて構成した装置を
本明細書の第1図に関する記載部分及び第4表に
示す条件に従つて操作した。得られた結果を第4
表示す。 実施例 4〜6 これら実施例は、第2図及び明細書の関連部分
に従つて構成した装置を用いて行つた。装置は、
明細書の関連部分及び第4表に示す条件に従い、
二段階再生を用いて操作した。得られた結果を第
4表に示す。 実施例 7〜10 これら実施例は、第1、2及び4表に示す供給
原料、触媒及び処理条件を用いパイロツト規模の
装置で行つた。第3〜5図は、夫々C3オレフイ
ン(第4図)及びガソリン(第5図)の転化率
(容量%)に対する収率(容量%)を示す。これ
らは、実施例7〜10の供給原料及び触媒を繰り返
し使用することにより得られた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1及び2図は、本発明の方法を実施するため
の装置の配置図、第3〜5図は、転化率(容量
%)と収率(容量%)との関係を示す曲線図であ
る。 9……送出管、10……供給原料供給管、1
1,14……制御弁、12……Y字部、13……
触媒供給管、17……移送管、18……上昇管、
19……分離室、20……上向き延長部、21…
…開口頂部、22……側方開口、23……横断
管、24,25……サイクロン分離器、26……
生成物排出管、27,28……排出脚部、29…
…水蒸気供給管、30……浮遊用ジエツト
(flugging jet)、31……降下脚部、32……ス
トリツパー室、33……じやま板、34……水蒸
気ジエツト、38……燃焼器、39……降下管、
40……制御弁、41,42……ブロアー、43
……空気予熱器、48……燃焼空気ジエツト、4
9……浮遊用ジエツト、50……上部出口、51
……横断管、52……第2室、53,54……じ
やま板、55……触媒再循環ループ、56……制
御弁、57,58……サイクロン、59……不活
性ガス及び/又は水蒸気ジエツト、60,63…
…熱交換器、61,62……放出管、64……ガ
ス供給管、65……炉、66……加熱コイル、6
7……水蒸気ボイラー、68……導管ループ、6
9……出口、80……供給原料制御弁、81……
熱交換器、82……供給原料供給管、83……給
水管、86……触媒静置管、87……制御弁、9
1……上昇管型反応器、92……分離室、94…
…ストリツパー、97……古触媒移送管、98…
…滑り弁、101……再生器、102……上部
室、103……下部室、104……分割板、10
6……収集器、107……降下脚部、110……
出口、111……充気室、113……空気供給
管、114……供給枝管、115……差込部材、
117……空気ヒータ、118……入口、120
……ガス分配器、121……孔あきプローブ、1
22……供給管、123……オフガス管、124
……制御弁、125……トラツプ、131……蒸
気排出管、132……精留塔、133……残油出
口、134……側部出口、135……フラツシユ
油ストリツパー、136……排出管、137……
フラツシユ油排出用ポンプ、138……ストリツ
パー塔頂戻り管、139……主塔頂排出管、14
2……塔頂受器、143……残油排出管、144
……ガソリン生成物排出用ポンプ、145……再
循環管、146……弁、147……水受器、14
8……水排出器、150……ガス出口。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素−金属油を軽質生成物に経済的に転化す
    るに当り、 ラムスボトム残留炭素分が少なくとも約1重
    量%であつて少なくとも約4重量ppmのニツケ
    ル当量の重金属を含有する343℃(650〓)以上
    の温度で沸騰する物質を含有する転化器供給原
    料を供給し、 上記転化器供給原料をクラツキング触媒と一
    緒にし、 上記転化器供給原料を、その供給原料に対し
    て重量比で約0.04〜約0.15の範囲の液体の水と
    一緒にし、 上記供給原料、上記触媒及び上記液体の水の
    気化により得られた水蒸気との混合物を含有す
    る流を形成し、形成した流を、少なくとも部分
    的に垂直であるか又は傾斜している細長い反応
    室を有する斬新的流動型反応器に約482〜約760
    ℃(約900〜約1400〓)の範囲の温度及びパス
    当たり約50〜約90%の転化を生ぜしめるに十分
    な約0.7〜約3.5Kg/cm2(絶対圧力)(約10〜約
    50psia)の圧力下予備決定した約0.5〜約10秒
    の範囲の蒸気上昇管滞留時間で流通させ、この
    間新鮮な供給原料に対して約6〜約14重量%の
    範囲の量のコークスを生成しコークスを約0.3
    〜約3重量%の範囲の量で触媒上に堆積し、 上記触媒を生成したクラツキング生成物から
    分離し、 吸着した炭化水素を上記分離した触媒からス
    トリツプし、 上記触媒上の炭素分を約0.25重量%以下に低
    減するに十分な時間、温度及び雰囲気の条件下
    酸素含有燃焼支持ガスを用いて上記触媒を再生
    し、この間CO及び/又はCO2を含有するガス
    状燃焼生成物ガスを生成し、 再生した触媒を新鮮な供給原料と接触させる
    ために反応器に再循環させる ことを特徴とする転化方法。 2 上記343℃(650〓)以上の温度で沸騰する物
    質が、上記供給原料の少なくとも約70容量%に相
    当し少なくとも約10容量%の約527℃(約1000〓)
    以下で沸騰しない物質を含有する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 3 供給原料全体として、少なくとも約1重量%
    のラムスボトム残留炭素分を含む特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 4 供給原料全体として、約2〜約12重量%の範
    囲のラムスボトム残留炭素分を含む特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 5 供給原料全体として少なくとも約4重量ppm
    のニツケル当量の重金属を含み、このうち少なく
    とも約2重量ppm(金属として)がニツケルであ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。 6 供給原料全体として、少なくとも約5.5重量
    ppmのニツケル当量の重金属を含む特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 7 補充触媒を添加して系から損失したか又は取
    出した触媒を交換し、上記補充触媒は導入の際に
    少なくとも約60容量%のミクロ活性を有し、系か
    ら取出した任意の触媒は取出しの際に少なくとも
    約20容量%のミクロ活性を有する特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 8 重金属の上記触媒上での堆積が、再生した平
    衡触媒を基準として約3000重量ppm〜約70000重
    量ppmの範囲にある特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 9 上記触媒が、少なくとも約5重量%の篩を含
    有するゼオライト分子篩触媒である特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 10 供給原料と生成物蒸気の上記予備決定した
    上昇管滞留時間が、約3秒以下である特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 11 上記反応器内の温度を約529〜約649℃(約
    985〜約1200〓)の範囲に維持する特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 12 供給原料の分圧又は全圧が約0.21〜約2.1
    Kg/cm2(絶対圧力)(約3〜約30psia)の範囲に
    ある特許請求の範囲第1項記載の方法。 13 約60〜約90%の範囲で転化する特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 14 約70〜約85%の範囲で転化する特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 15 反応帯域中、供給原料に対して約0.02〜約
    0.4の重量比の付加的なガス状及び/又は揮発性
    物質の存在のもとで行う特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 16 水素をクラツキング帯域に添加しないで行
    う特許請求の範囲第1項記載の方法。 17 供給原料を予め水素化処理せずに行う特許
    請求の範囲第1項記載の方法。 18 供給原料からアスフアルテンを予め除去せ
    ずに行う特許請求の範囲第1項記載の方法。 19 供給原料から重金属を予め除去せずに行う
    特許請求の範囲第1項記載の方法。 20 クラツキング反応を特許請求の範囲第1項
    記載の条件下で炭素−金属油供給原料を分解する
    のに予め使用した触媒を用いて行う特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 21 転化器供給原料の全てを全く同じ転化室で
    分解する特許請求の範囲第1項記載の方法。 22 転化器供給原料を、実質的に単一パス型式
    で分解する特許請求の範囲第1項記載の方法。 23 新鮮な供給原料の容量を基準にして約15容
    量%以下で再循環する特許請求の範囲第22項記
    載の方法。 24 液体の水対転化器供給原料の重量比が約
    0.04〜約0.1である特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 25 液体の水対転化器供給原料の重量比が、約
    0.05〜約0.1である特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 26 転化器供給原料をクラツキング触媒と接触
    させる際又はその前に、水を転化器供給原料と一
    緒にする特許請求の範囲第1項記載の方法。 27 転化器供給原料をクラツキング触媒と接触
    させる前に、水を転化器供給原料と一緒にする特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
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