JPH0124005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば集合住宅などの各家庭等から
発生する都市ゴミ類を空気輸送によつて集中処理
するシステムにおけるダストシユートのゴミ投入
口に関する。

〔従来の技術〕

従来より、都市ゴミ等の不特定形状固形物の空
気輸送設備が集合住宅（大規模団地）などに施設
されている。その代表的な設備のフローを第１図
に示した。１は高層住宅のダストシユートを示し
ており、各ダストシユート１の各階にはゴミ投入
口２が設けられる。各建物のダストシユート１は
地域輸送管３に排出弁４または貯溜排出機５を介
して接続される。地域輸送管３の一方の端には吸
気弁６が接続され、他方の端は遮断弁７を介して
主輸送管８に接続される。主輸送管８は集収セン
ターに通じている。収集センターにはゴミ分離機
９、防塵機１０、輸送用ブロワ１１などが設置さ
れ、ゴミ分離機９で分離されたゴミ類は貯溜排出
機１２に集められ、ここから二次移送車１３によ
つてゴミ焼却場その他に移送される。かようなゴ
ミ類の空気輸送システムは通常は自動制御による
運転がなされ、輸送用ブロワ１１を稼動し吸気弁
６を開くことによつて地域輸送管８内のゴミ類は
主輸送管８を経て収集センターに輸送され、ゴミ
分離機９および防塵機１０でゴミ類と塵類が自動
的に収集される。

ダストシユート１に取付けられるゴミ投入口２
としては、第２図に示したように、回転可能に支
持したバケツト１５が最も普通に使用されてい
る。このバケツト１５を手前に回転させ、このバ
ケツト１５の中にゴミ類を入れてから反対に回転
して開口を閉じると、バケツト１５内のゴミ類が
ダストシユート１内に自重で落下する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

第２図に示すような従来のゴミ投入口は、一般
家庭等のゴミ量の少ない利用者にとつては安全面
および大型ゴミ類のゴミ投入防止の点で有益なも
のであるが、ゴミ量の発生量が多い店舗、学校、
公共施設などの場合には、一回の投入量が限られ
ているので何回もバケツトの開閉を行わねばなら
ず、ゴミ投入操作が非常に煩わしくなるという問
題があつた。一方、このようなバケツト方式を採
らずに連続投入ができるような投入口にすると、
空気輸送システムにおいては最も輸送不適物とな
る長尺物も投入されることがあり、その除去が困
難となるという問題があつた。

〔問題点を解決する手段〕

本考案は、このような問題を解決する空気輸送
システム用ゴミ投入口として、ゴミ投入用開口を
覆うに充分な面積をもつ蓋を該開口にスライド可
能に設置し、このゴミ投入用開口からダストシユ
ートに通ずるゴミ通過路を、該開口から直線的に
は透視できない曲がりをもつ蛇行通路に構成した
ことを特徴とするゴミ投入口を提供するものであ
る。

〔実施例〕

第３図は、本考案のゴミ投入口の一実施例を示
したものである。ゴミ投入用開口１６は、大人の
ほぼ胸近くの高さとなる位置に、やや手前下がり
の傾斜をもつて平面的に設けられる。そして、こ
のゴミ投入用開口１６には、この開口１６を覆う
に十分な面積をもつ蓋１７が取付けられる。この
蓋１７は、開口１６を覆つている位置から、この
開口１６の平面に沿つて前方に（やや手前下がり
の傾斜をもつた平面を登る方向に）スライドでき
るように、取付けられる。すなわち蓋１７を前方
にスライドさせながら押し込むことによつてゴミ
投入用開口１６が開くようにする。この蓋１７の
スライドを案内する案内板１８が開口１６の面に
沿つて設けられ、この案内板１８の上に戸袋２０
が形成されている。そしてこの戸袋２０の中には
スプリング２１が介装されており、蓋１７が閉ま
る方向にこのスプリング２１が蓋１７に押圧を与
えている。

本考案においては、このような引き戸式の蓋１
７を平面的な開口１６に設けたうえ、さらにこの
開口１６からダストシユート１に通ずる蛇行通路
２２を設ける。この蛇行通路２２は、対象とする
空気輸送システムにおいて許容されるゴミの最大
長さ以下のゴミしか通過しないような形状とす
る。すなわちこの通路２２には、少なくとも一箇
所の方向変換点を設け、固く長いゴミはこの方向
変換点で通過が妨げられるようにする。そして、
投入されたゴミ類の自然落下が生じるようにこの
通路２２は方向が変換したとしても全体として傾
斜をもつてダストシユート１に通ずるようにす
る。より具体的には、この通路２２は、ゴミ投入
口用開口１６から下方に向かつてジグザグに下降
する通路に構成し、蓋１７を開けてその中を覗い
たとしても直線的には透視できないような通路と
する。すなわち図示の例では、このジグザグは、
開口１６から先ずダストシユート１に近づく方向
に傾斜して下降し、途中で方向を反転してダスト
シユート１から離れる方向に傾斜して下降し、再
びダストシユート１に近づく方向に下降するとい
う態様となつており、この途中の方向反転によつ
て開口１６からはダストシユート１に直線的に透
視できないようになつている。

このように構成した本考案のゴミ投入口は、一
般家庭用ゴミ投入口と区別するために、その利用
にあたつては、特定の利用者だけに使用できるよ
うな施錠式とするのがよい。

〔作用効果〕

本考案のゴミ投入口は空気輸送に障害を与える
ような長尺物のゴミ類の投入を防止できる。そし
て、蓋１７をあけておけば連続投入ができるの
で、大量のゴミでもその投入操作が煩わしくな
い。また非使用時はゴミ投入口を閉鎖しておくこ
とができるので安全面でもシステム内への空気侵
入防止の面でも有利である。したがつて、本考案
のゴミ投入口は、空気輸送システムへのゴミ投入
口として、一般家庭用とは区別して、大量ゴミ発
生区域を持つ部分に設置する場合に非常に好適な
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はゴミ類の空気輸送システムの機器配置
系統図、第２図は従来のゴミ投入口の代表例を示
す略断面図、第３図は本考案のゴミ投入口の実施
例を示す略断面図である。 １……ダストシユート、２……ゴミ投入口、９
……ゴミ分離機、１１……ゴミ輸送用ブロワ、１
６……ゴミ投入用開口、１７……蓋、２２……蛇
行通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴミ類の空気輸送システムにおけるダストシユ
   ートに取付けられるゴミ投入口であつて、ゴミ投
   入用開口を覆うに充分な面積をもつ蓋を該開口に
   スライド可能に取付け、このゴミ投入用開口から
   ダストシユートに通ずるゴミ通過路を、該開口か
   ら直線的には透視できない曲がりをもつ蛇行通路
   に構成したことを特徴とするゴミ類の空気輸送シ
   ステム用ゴミ投入口。