JPH0120626Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、強制通風方式の冷凍冷蔵庫等に利用
する冷凍室の一部に直接冷却方式の補助冷却器を
設けてなる急速冷凍装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来例を第１図、第２図にて説明する。１は区
画壁２内に構成した冷却室３に収納した主冷却器
４で、冷却した空気を送風機５にて冷凍室６及び
冷蔵室７に循還させる強制通風方式の冷蔵庫であ
る。６′は冷凍室６内に別途、直接冷却方式の補
助冷却器８を備えた急速冷凍室であり、食品の急
速冷凍を行なわせる。

又、冷蔵室７の入口には、冷気流入室を調節す
るダンパーサーモスタツト１４が設けられてい
る。冷凍サイクルとしては、第２図の様に、圧縮
機９→凝縮器１０→第１の毛細管１１→主冷却器
４→圧縮機９と循還する通常の流路と、圧縮機９
→凝縮器１０→第２の毛細管１２→補助冷却器８
→主冷却器４→圧縮機９と循還する急速冷凍用の
流路とに切換る流路制御装置１３を備え、これの
流路切換操作にて、急速冷凍作用を行なわせるも
のである。この急速冷凍中は、圧縮機９を強制的
に連続運転させるが、送風機５は、主冷却器４で
の熱交換能力を減じ、補助冷却器８の蒸発温度を
低温に維持させて、補助冷却器８上に当接した食
品の凍結速度を速める目的で、急速冷凍中に運転
を停止させる手段がとられている。しかしなが
ら、このように急速冷凍中、強制通風用の送風機
５を停止させた場合には、本来の冷凍室６、冷蔵
室７を冷却するための主冷却器４の冷却作用が生
かされず、急速冷凍中は、冷蔵室７内に低温の冷
気が強制通風されない為、庫内温度が上昇してし
まい、それに伴ない、ダンパーサーモスタツト１
４は、全開状態になり、ドアー開閉時の多い時、
食品投入時等により、暖湿気がダンパーサーモス
タツトを介し、送風機５の方へ流れていく。急速
冷凍中は、送風機５は停止、しかも、低温となつ
ており、前記暖湿気が付着しやすく、送風機のフ
アンと、送風機を保持するケースあるいは、送風
機のシヤフト軸が前記暖湿気により、凍結してし
まうという欠点があつた。

考案の目的 本考案は上記の点に鑑み、急速冷凍中に送風機
の機能が失われるのを防止する事を目的としてい
る。

考案の構成 この目的を達成するために、本考案は、急速冷
凍中において、補助冷却器の蒸発温度を高くせ
ず、急速冷凍に支障がない極低回転によつて、送
風機を運転させ続ける事により、送風機のフアン
ロツクを防止するものである。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例を示す第３図、第４図
に従い説明する。尚、従来と同一部分に於いて
は、同一符号を付し、説明を省略する。図におい
て、圧縮機９は、リレー１５を介して電源に接続
されている。流路制御装置１３はリレー１７と直
列に接続された後電源装置に並列に接続されてい
る。この流路制御装置１３は、コイル導通時は、
通常流路、非導通時は急速冷凍流路に切替えるよ
う構成している。尚、ここでリレー１５は励磁コ
イルに通電時に接点を閉成、リレー１７は励磁コ
イル非通電時に接点を閉成するよう構成されてい
る。次にこれらリレーを駆動させる制御装置につ
いて述べる。１８は温度制御装置で冷凍室１２内
の一部に設けたサーミスタ１９、抵抗R₁，R₂，
R₃，コンパレータ２０で構成されている。コン
パレータ２０の出力はOR回路２１を介して、ト
ランジスタ等のドライバー回路（図示せず）によ
りリレー１５をON／OFFする信号を送るよう構
成されている。

２２は、急速冷凍スイツチ、２３は急冷時間タ
イマーで送風機制御装置２４を構成している。急
冷タイマー２３は急速冷凍スイツチ２２の投入
後、第３図ｂに示すように、ａ出力には、短時間
のHighの信号（以下単に“Ｈ”とよぶ）を出力
し、ｂ出力には急速冷凍中例えば90分間“Ｈ”信
号を出力し、ｃ出力にも“Ｈ”信号を出力するよ
うに構成されている。そして、急冷タイマー２３
のｂ出力はOR回路２１の入力およびリレー１７
をON／OFFする信号を送るように接続されてい
る。また、急冷タイマー２３のｃ出力は、ドライ
バー回路を通じて、リレー１６をON／OFFする
ように接続されている。

次にかかる構成における動作状況を説明する。
通常時、冷蔵庫の庫内温度（冷凍室温度）が所定
値より高い場合は、サーミスタ１９の抵抗値
RTHとR₁とで決定されるＡ点の電位が、抵抗
R₂，R₃で決定されるＢ点の電位より高くなりコ
ンパレータ２０の出力が“Ｈ”となるからOR回
路２１の出力も“Ｈ”となり、リレー１５がトラ
ンジスタ（図示せず）等のドライバー回路を介し
てONし、圧縮機９が運転する。この時急速冷凍
スイツチ２３のｂ、ｃ出力は“Ｌ”であり、リレ
ー１６は、１６ａの位置にあり、通常回転で運転
され、またリレー１７も同時にONしており、流
路切替弁１３の吸引コイルに通電されて、冷媒回
路は、圧縮機９→凝縮器１０→第１の毛細管１１
→主冷却器４→圧縮機９の循還サイクルを構成し
て冷却を行なう。その後庫内が一定温度にまで冷
却されればサーミスタ１９の抵抗値、RTHが大
きくなりＡ電位がＢ電位よりも小さくなる為、コ
ンパレータ２０の出力は“Ｌ”となつて急冷タイ
マー２３のｂ出力からの“Ｌ”信号と合せてOR
回路２１の出力も“Ｌ”となり、従つてリレー１
５がOFFとなり、圧縮機９、送風機５が停止す
る。以後この作用を繰り返して通常の冷却作用を
行なうものである。

次に急速冷凍作用について説明する。任意に急
速冷凍スイツチ２２をONすると急冷タイマー２
３の出力のうちｂ出力は急冷時間Ｔの間中“Ｈ”
信号を発生しつづけるためOR回路２１の一方の
入力が“Ｈ”となり温度制御装置１８の出力に関
係なくOR回路２１の出力は“Ｈ”となつて、リ
レー１５がONし、圧縮機９は即座に運転され
る。それと同時にリレー１７がOFFして流路切
替弁１３が非通電となり急速冷凍流路に切替わつ
て補助冷却器８が冷却作用を始める。一方急冷タ
イマー２３のｃ出力は急速冷凍開始後、終了時迄
“Ｈ”を発生し、リレー１６は、１６ｂの方へ切
替り、コンデンサ容量の差（Ca＞Cb）により、
極低回転の送風機が運転される。もちろん、送風
機は、急速冷凍の効果を損わないために蒸発温度
を高くしない様、極低回転にて運転され、少なく
とも、従来に比べ、若干は、冷蔵室内の方へも冷
気が対流し、冷蔵室内の温度上昇を防ぐこともで
きる。

考案の効果 以上の構成より明らかな様に本考案は、強制通
風方式の冷凍冷蔵庫の冷凍室内に、直接冷却方式
の補助冷却器を配設した急速冷凍室を設け、通常
冷却時は、主冷却時のみに、急速冷却器は主冷却
器と補助冷却器の双方に冷媒を流すように流路制
御装置で切替を行なわせ、急速冷凍中のみは、送
風機の運転を極低速回転にて運転させる構成とし
たもので、送風機停止によるフアンロツク防止を
抑制出来る効果があり、従来例のように急速冷凍
中加速度的に庫内温度が上昇して保存中の食品の
品質を劣化させてしまうような危険性がなくなる
等極めて高い効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例を示す冷蔵庫の断面図、第２
図は従来例の冷凍サイクル配管図、第３図ａは、
本考案の一実施例における冷蔵庫の急速冷凍装置
の制御回路図、第３図ｂは第３図ａの制御回路に
おける急冷タイマーのタイムチヤート、第４図は
本考案の一実施例における急速冷凍装置を備えた
冷蔵庫の断面図である。 ３……冷却室、４……主冷却器、５……送風
機、８……補助冷却器、６……急速冷凍室、９…
…圧縮機、１３……流路制御装置、２２……急速
冷凍スイツチ、２４……送風機制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷却室内に設けた主冷却器で冷却した空気を冷
   凍室と冷蔵室へ循環せしめる送風機と、前記冷凍
   室内に前記主冷却器で冷却した空気が通過する急
   速冷凍室と、この急速冷凍室内に配置した直接冷
   却方式の補助冷却器と、冷媒を前記主冷却器の
   み、または前記主冷却器と補助冷却器の両方に流
   すかを制御する流路制御装置と冷凍サイクルの圧
   縮機を連続運転させ前記補助冷却器に連続的に冷
   媒を流すことによつて急速冷凍を行なう急速冷凍
   スイツチと、この急速冷凍中は、前記送風機が極
   低回転にて運転させる送風機制御装置とを備えた
   冷蔵庫の急速冷凍装置。