JPH0119375B2 - - Google Patents

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JPH0119375B2
JPH0119375B2 JP59264302A JP26430284A JPH0119375B2 JP H0119375 B2 JPH0119375 B2 JP H0119375B2 JP 59264302 A JP59264302 A JP 59264302A JP 26430284 A JP26430284 A JP 26430284A JP H0119375 B2 JPH0119375 B2 JP H0119375B2
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Japan
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lower alkyl
alkyl group
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JP59264302A
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Akiko Hatori
Koji Sakamoto
Mitsuyo Ogawa
Juko Shiina
Akyo Shigematsu
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Seitai Kagaku Kenkyusho KK
Original Assignee
Seitai Kagaku Kenkyusho KK
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Publication date
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] この発明は、新規なフエネチルアミン誘導体、
およびそれからなる診断・治療剤に関するもので
ある。 [発明の構成] この発明が提供する化合物は、下記一般式で示
される。 [式中、R1,R2,R3およびR4は水素または低
級アルキル基、Xは低級アルコキシ基、ハロゲン
原子または低級アルキル基、Zは酸残基を意味す
る] 上記化合物およびその定義中に用いる用語をさ
らに詳細に説明すると次の通りである。 低級アルキル基としては、炭素原子数1―3個
の1価飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、
イソプロピル等が含まれる。 低級アルコキシ基としては、上記低級アルキル
基が2価の酸素に結合した基が含まれる。 Iはよう素である。 酸残基としては、ハロゲン(特に塩素、よう
素)、脂肪族または芳香族スルホン酸残基等が含
まれる。 上記化合物()を構成する各原子は、放射性
同位元素または安定同位元素であつてもよい。 化合物()は、例えば下記方法で製造され
る。 化合物()から化合物()を得る反応は、
化合物()にフタル酸またはその反応性誘導体
(通常無水フタル酸)を反応させることにより行
なわれる。無水フタル酸を用いる場合、混合融解
により行うのが有利である。 化合物()から化合物()を得る反応は、
よう素化の常法によりよう素化剤を作用させて行
なわれる。よう素化剤としては、一塩化よう素等
が用いられる。溶媒としてはアルコール、酢酸等
が用いられる。 化合物()から化合物()を得る反応は、
広義の加水分解であり、これにはアミノリシスお
よびソルボリシスが含まれる。最も好ましい方法
は、n−ブタノールのようなアルコール溶媒中含
水ヒドラジンを作用させる方法である。 化合物()から化合物()を得る反応は、
R2Z,R3Z,R4Z等のアルキル化剤を、逐次また
は(R2,R3,R4のうち2つ以上が同一の場合)
同時に作用させて行なわれる。この反応は、例え
ばアセトン、メチルエチルケトン等の非プロトン
極性溶媒中、塩化またはよう化低級アルキルを反
応させるか、またはメタノール、エタノール等の
極性溶媒中、ハロゲン化水素酸を反応させて行う
のが有利である。 化合物[]において、放射性同位元素を含む
化合物は、上記の方法によつて製造できるほか、
放射性同位元素を含まない化合物[]の原子を
放射性同位元素で置きかえることによつても製造
できる。 [効果] 化合物()は、生体制御のしくみを解明する
手段として役立つと同時に、実践的には、その薬
理活性を利用して、代謝賦活剤、代謝病の治療剤
またはその診断剤として、幅広く使用することが
できる。 詳述すると、化合物()は、投与後血管通過
に際して、特定の器官および組織内への選択的摂
取を受ける。化合物()および一部代謝物質の
標的器官および組織は、脳中枢およびそれに関与
する内分泌腺および外分泌腺が主である。 化合物()は、上述のように血管内から器官
または組織へ選択的に通過するので、化合物
()の構成原子のうち例えば炭素、窒素およ
び/またはよう素を 11C, 13N, 125I, 123I,
131I等の放射性同位元素で置きかえておくと、現
在診断上繁用されているシングルフオトンCT(コ
ンピユータートモグラフ)、ECT(エミツシヨン
CT―多重受光CT)等に用いる診断剤として利用
できる。このような化合物は、脳血管関門を通過
し、脳幹の重要機能部位へ到達できる極めて希な
放射性物質として、価値が高い。 また、化合物()は、代謝機能調節機能に関
与しており、ドーパ様作用、ドーパミン様作用、
抗アドレナリン様作用、抗アセチルコリン様作用
等、多種多様の作用を有するので、脳局所血液循
環改善、各種脳疾患治療、心筋賦活循環器疾患治
療、高血圧治療等の目的で治療剤として用いるこ
とができる。 さらに、化合物()において、例えば127
のような安定同位体で標識したものは、器官およ
び組織に対する選択性を利用して、X線撮影にお
ける造影剤として用いることができる。 上記の用途において、一般式()の化合物の
投与量は勿論、投与目的、患者の症状、投与方法
等により異なる。しかし、一般に1〜100mg/Kg
の用量を、好適には1日2ないし4回の分割用量
または持効性製剤の形で投与すると、満足すべき
結果が得られる。 予防または治療の目的で一般式()の化合物
を投与するに際しては、一般式()の化合物を
有効成分とし、経口投与または非経口投与に適し
た有機または無機の固体または液体賦形剤のよう
な製薬上許容される慣用担体と混合して医薬製剤
の形で投与することができる。このような製剤
は、錠剤、カプセル、丸剤、顆粒剤、散剤、坐剤
等の固体、または溶液、けんだく液、乳液等の液
体とすることができる。また必要に応じて、上記
製剤には安定剤、緩衝剤等の添加剤を加えること
ができる。 この発明の放射性診断剤に含ませる放射能は、
核医学的診断わ実施するに際して充分な情報が得
られる量であり、かつ被検者の放射線被曝をでき
るだけ低くする量であることが望ましいが、一般
に0.05―10mCi/ml程度が適当である。 この発明の放射性診断剤には、放射性原子を分
子内に含む化合物()以外に、必要に応じて常
用される緩衝液、PH調節用酸またはアルカリ、等
張化剤、保存剤等を含ませることができる。 この発明の放射性診断剤の投与方法としては、
一般に静脈内投与が行なわれる。 [実施例] 次に、この発明の放射性診断剤の製造法使用法
および効果を、製造例および実施例によつて示
す。 製造例 1 N―(3,4―ジメトキシフエネチル)フタル
イミド。 丸底フラスコに、3,4―ジメトキシフエネチ
ルアミン1.81gを入れ、これに無水フタル酸1.48
gを加えて、150℃で水の発生が止むまで、ゆる
やかに融解した。冷後、メタノール10mlを加え、
加熱後、冷却し、吸引過すると白色結晶の融点
113〜115℃の目的物を2.62g得た。 製造例2 N―[ 125I―2―ヨード―4,5―
ジメトキシフエネチル]フタルイミド。 一塩化よう素1.26mlに氷酢酸25mlを加えた溶液
を265μl分取し、これに無担体の 125I―よう化ナ
トリウム(Amersham,IMS―30)5mCi、50μl
を加えた。この溶液を600μlの氷酢酸に懸濁した、
N―(3,4―ジメトキシフエネチル)フタルイ
ミド50mgを含む溶液に加え水冷中で50℃に加熱
し、1時間撹拌した。 反応終了後、よう化ナトリウムとメタ重亜硫酸
ナトリウムを各々20mg溶解した蒸留水20mlを加
え、白色の懸濁液をジクロルメタン(8ml×3)
で抽出し、抽出物を集めメタ重亜硫酸ナトリウム
の水溶液(10ml×3)で洗浄した。洗浄後無水硫
酸ナトリウムで脱水し、溶媒を留去してメタノー
ルから再結晶すると白色結晶の融点110〜111℃の
目的物を62mg得た。 製造例3 125I―2―ヨード―4,5―ジメト
キシフエネチルアミン。 N―( 125I―2―ヨード―4,5―ジメトキ
シフエネチル)フタルイミドを1.0mlのn―ブタ
ノールに溶解後、含水ヒドラジン300μlを加え、
120℃で30分間撹拌した。30分後、反応混合物を
冷却して希塩酸を加えると、白色の沈澱が生成し
た。この沈澱を遠心して除き、さらに、母液をジ
クロルメタンで洗浄した。 洗浄後母液を1.ON―水酸化ナトリウム水溶液
でPH9.0以上に調製し、ジクロルメタン(10ml×
3)で抽出した。 抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水後、溶媒を留去した。これにより、融
点89―92℃の淡黄色の固状目的物27mg得た。 実施例1 125I―2―ヨード―4,5―ジメト
キシフエネチルアミン塩酸塩。 125I―2―ヨード―4,5―ジメトキシフエ
ネチルアミンに1%塩酸―エタノール溶液5mlを
加えて、蒸留乾固後、アセトンで結晶を洗浄し、
乾燥すると、融点154―155℃の淡黄色の目的物結
晶30mgを得た。(比活性71μCi/mg、総放射能
2.13mCi) 実施例2 N―イソプロピル― 125I―2―ヨー
ド―4,5―ジメトキシフエネチルアミン塩酸
塩 製造例3により合成した 125I―2―ヨード―
4,5―ジメトキシフエネチルアミン10mgをアセ
トン500μlに溶解し、イソプロピルクロライド2.6
mg加えると白色結晶が析出した。これを遠心分離
して、少量のアセトンで洗浄すると、融点115―
117℃の淡黄色目的物12mgを得た。(比活性
75μCi/mg、総放射能0.9mCi) 実施例3 N,N,N―トリメチル― 125I―2
―ヨード―4,5―ジメトキシフエネチルアン
モニウム・ヨーダイド 製造例3により合成した 125I―2―ヨード―
4,5―ジメトキシフエネチルアミン10mgをアセ
トン500μlに溶解した後よう化メチル20mg加えて
上記と同様に処理すると、融点107―109℃の淡黄
色目的物14mgを得た。(比活性60.7μCi/mg、総放
射能0.85mCi) 実施例4 4―ヒドロキシ― 125I―3,5―ジ
ヨードフエネチルアミン塩酸塩。 一塩化よう素1.26mlに15%塩酸水溶液25mlを加
えたものを530μl分取し、これに無担体の 125I―
よう化ナトリウム1mCi,10μl(Amersham,IMS
―30)を加え10分間放置した。これを4―ヒドロ
キシフエネチルアミン38mgに15%塩酸水溶液
600μlで溶解したものを加え、2時間撹拌すると
暗褐色の沈澱が析出した。 2時間後、沈澱をよう化ナトリウム、メタ重亜
硫酸ナトリウム各々30mgを含む蒸留水(0.5ml×
5)で洗浄し、少量の蒸留水で沈澱を洗浄し、乾
燥後融点197―198℃の淡黄色粉末目的物30mgを得
た。(比活性10μCi/mg,総放射能300μCi) 上記製造例1〜3および実施例1〜4に準じて
次の化合物が製造される。 化合物番号 化合物名 (A) 2―ヨード―4,5―ジメトキシフエネチル
アミン塩酸塩 m.p.154−155℃ (B) 2―ヨード―4,5―ジエトキシフエネチル
アミン塩酸塩 m.p.178−180℃ (C) 2―ヨード―4―メトキシ―5―エチルフエ
ネチルアミン塩酸塩 m.p.164−166℃ (D) 2―ヨード―4―エトキシ―5―エチルフエ
ネチルアミン塩酸塩 m.p.173−174℃ (E) 4―ヒドロキシ―3,5―ジヨードフエネチ
ルアミン塩酸塩 m.p.197−198℃ (F) 4―メトキシ―3,5―ジヨードフエネチル
アミン塩酸塩 m.p.206−208℃ (G) 4―エトキシ―3,5―ジヨードフエネチル
アミン塩酸塩 m.p.210℃ (H) N―イソプロピル―2―ヨード―4,5―ジ
メトキシフエネチルアミン塩酸塩 m.p.115−117℃ (I) N―イソプロピル―2―ヨード―4―メトキ
シ―5―エチルフエネチルアミン塩酸塩 m.p.116−117℃ (J) N―イソプロピル―2―ヨード―4―エトキ
シ―5―エチルフエネチルアミン塩酸塩 m.p.119−121℃ (K) N,N,N―トリメチル―2―ヨード―4,
5―ジメトキシフエネチルアンモニウム・ヨー
ダイド m.p.107−109℃ (L) N,N,N―トリメチル―2―ヨード―4―
メトキシ―5―エチルフエネチルアンモニウ
ム・ヨーダイド m.p.110−111℃ (M) N,N,N―トリメチル―2―ヨード―
4―エトキシ―5―エチルフエネチルアンモニ
ウム・ヨーダイド m.p.112−113℃ 製剤例 1 化合物() 50mg 乳糖 148mg ステアリン酸マグネシウム 2mg 上記を混合しゼラチン硬カプセルに充填する。 試験例1 ガンマカメラを用いた猫静脈内投与後
125I―2―ヨード―4,5―ジメトキシフエ
ネチルアミン塩酸塩の体内動態 125I―2―ヨード―4,5―ジメトキシフエネ
チルアミン塩酸塩1.0mCi/50mgを生理食塩水に
溶解し、その300μCi/0.2mlをケタラール麻酔下
雄猫(2000g)の上腕部静脈内に注射後直ちに、
ガンマカメラ、Model GCA―401(TOSHIBA
MEDICAL Co.)によつて、当該化合物の体内動
態を詳細に観察した。投与直後からコンピユータ
的には、毎30秒集積で、また、写真的には、毎20
秒集積で放射能の濃度をマトリツクスシンチグラ
ムとして記録した。投与薬物の挙動は、水平位で
の経時的プロフイルカーブとして各主要器官ごと
に表した。 投与直後から30分の間に、膀胱および消化管の
ような***部を除き、各器官、組織相互の間で放
射能の濃度が著しく変化することはなかつた。特
徴的な濃度分布の高い器官及び組織は、頭部につ
いては、脳及び唾腺、胸部は、心臓、腹部では、
腎臓であつた。 腎臓は、全体の器官中最も高く、つぎに心臓、
そして、それらより低い濃度ではあるが明瞭に特
異的な濃度で脳及び唾腺への 125I放射能の摂取
を記録した。ガンマカメラの感度と解像力に対し
て動物である猫の脳がやや小さいために十分な解
像力で大脳,小脳,脳幹部の各領域を画像化する
に至らなかつたが、 125I―ヨウ化ナトリウム等
の頭部画像と比べて、この発明の 125I―2―ヨ
ード―4,5―ジメトキシフエネチルアミン塩酸
塩の脳血管関門通過を明らかに証明する結果であ
つた。第1図の(頭部〜胴部前半)および第2図
(胴部〜尾部、第1図と一部重複する)の写真は、
最終のシンチカメラ像で、ねこの側面を示し、極
めて速い***を、その膀胱および消化管に見るこ
とができる。この時期でもなお、腎臓、脳、唾腺
および心臓にわずかの放射能の存在を示してい
た。 試験例2 白色系家兎耳静脈に投与後のガンマカ
メラ画像 この発明の診断治療剤の代表として下記の化合
物4種について、それぞれの化合物の構造式中の
127Iをそれぞれ 125Iで標識した放射性ヨウ素標
識化合物を用意した。
【表】 さらに、上記化合物のそれぞれのフエニル基を
14Cで置換した放射性炭素標識化合物も合成し、
下記実験に供し、*このときのそれぞれの比活性
は、(1)55μCi/mg,(2)52μCi/mg,(3)52μCi/mg,
(4)47μCi/mgであつた。 * これら実験の目的は、この発明の診断治療剤
の核医学診断ならびに放射線診断剤としての可
能性がどの器官および組織に特異的画像を得、
また代謝診断をも可能とするかを検討するため
である。 上記のそれぞれを蒸留水の0.5mlに溶解し、3
Kgの体重の日本白色系雄性家兎の耳静脈に注射
し、直ちにガンマシンチグラフによつて 125I放
射能の体内分布を画像化した。 投与直後から30分後までの放射能の器官及び組
織内分布は、大きく変化しなかつた。腎臓に最も
高い濃度を示し、脳に放射能の分布を示した。 ・ (1)化合物DMPAは、肝における放射能分布
は低かつた。腎臓に最も高い放射能分布が認め
られ、心臓が次に高い濃度を示していた。 今回の4種の放射性標識物のうちで脳の放射能
濃度が最も顕著であつた。先の試験例1に示した
ように脳への特異的取り込みが明瞭に観察され
た。DMPAを核医学領域に用いた場合には、脳
代謝異常等の診断に役立つことは、明らかであ
る。 標識化合物の(2)も、ほぼDMPAと同様の体内
分布を示した。(3)については、幾分肝に強く放射
能分布のあることを観察した。 この試験例にあげた4標識化合物については、
いずれも核医学的診断剤として、十分使用できる
ものである。 また、 125Iに換えて、 131I, 123Iを用いた場
合も同様の画像を得た。 試験例3 ウイスター系雄性ラツト尾静脈内投与
後の 125I標識および 14C標識診断治療剤と対照
14C―l―ドーパおよび 14C―ドーパミン 対照剤は、Amersham Japanから購入し、そ
の比放射能は、 14C―l―ドーパ10.9mCi/
mmol, 14C―ドーパミン57.0mCi/mmolであつ
て、それぞれ10μCi/100g体重の水溶液として
ラツト尾静脈より投与した。先の試験例2におい
て用いた 125I標識および 14C標識化合物(1)〜(3)の
注射液を、 14C標識対照剤と同様、ラツト尾静脈
内にそれぞれ投与した。投与後30秒で断頭し、大
脳、小脳、脳幹部を直ちに取り出し、形態を整え
たまま液体窒素を用いて凍結固定した。その後、
矢状方向に対して垂直断面をステレオタキシツク
マツプに従つて10μm切片として、凍結乾燥後サ
クラMARGフイルムと密着させた。1ケ月の露
出後、写真処理をして、マクロオートラジオグラ
フを作成した。また、他の固体は、各標識化合物
投与後、30秒、10分、30分および2時間の各時間
に凍結固定し、ウルバーグ法にほぼ従つて、全身
マクロオートラジオグラフを作成した。また、対
照剤として 14C―l―ドーパおよび 14C―ドーパ
ミンを用いて、同様のオートラジオグラフを作成
し、全標識化合物の脳内分布および全身分布を詳
細に比較検討した。 以上の結果からこの発明の診断治療剤は、特に
大脳皮質、小脳、脳幹部中尾状核、松果体、手綱
核、スレツドライクライン(Thread like line)、
上丘部、脊髄灰白質等に、特異的放射能分布が高
濃度で観察されることがわかつた。 これに対して 14C―l―ドーパは、この発明の
物質群のうち、特にDMPAの1/4以下の濃度分布
を示した。分布の特異性は、DMPAに類似して
いた。 14C―ドーパミンは、脳内への分布はほと
んど観察されなかつた。これらの結果は、この発
明の化合物が特異的器官、特に脳の主要部に対し
て末梢血管の関門を通過し、能動的もしくは受動
的に組織内に摂取され、代謝を賦活することの証
拠である。また、第3図(腎臓を通る面)および
第4図(正中面)に、全身オートラジオグラフの
1例として、 125I―DMPA投与後30秒の像を示
した。この図からも明らかなように、この発明の
診断治療剤は、腎皮質、心筋、肺、副腎皮質、後
胃の胃腔内腺粘膜層等に特異的高濃度を示した。
また白脾(リンパ系)にやや高い濃度分布を記録
した。このように、この発明の診断治療剤は、単
に脳の種々の局所に関与するのみでなく、それら
と対応する器官・組織の末梢にも血管を通過して
代謝賦活の作用をしていることを強く暗示してい
る。すなわち、薬理学的視点からも、交感神経お
よび副交感神経を経由して脳←→器官末梢および
脊髄←→末梢との指令伝達に関与していることが
示された。下記試験例5に、この発明の物質が作
用する局所におけるアドレナリンおよびアセチル
コリンとの関係について、詳細な検討結果を記載
した。DMPAおよびその関連物質のラツト体内
分布に対しての対照剤14C―l―ドーパおよび
14C―l―ドーパミンの分布については、副腎皮
質および腎皮質に高濃度の特異分布を示したのが
14C―l―ドーパであり、副腎髄質および腎全体
に対して高濃度分布を記録したのが 14C―ドーパ
ミンであつた。このようにフエニルアラニン由来
のドーパとドーパミンが副腎および肝臓において
異なつた分布を示すことは、これら薬物のレセプ
ターの存在器官・組織の位置の差と反応している
ことを暗示している。いずれにせよ、この発明の
薬物群が、l―ドーパもしくはドーパミン様活性
作用を有していることを強く暗示している。 試験例4 安定同位体 127I標識化合物の腎局所
造影能 上記4種の代表化合物のそれぞれを170mgl/
ml液としてラツト尾静脈内に各0.1mlを注射した
後5分、10分ならびに30分にX線撮影を行つた。
その結果、腎臓ならびに心臓について、極めて鮮
明な画像を得た。対象被写体が、ヒトの場合で、
CT撮影装置を用いることができれば、試験例3
に記載したようなさらに微小な重要器官、脳局
所、副腎、膵臓等の鮮明画像を得ることは明白で
ある。 試験例5 ラツト最高血圧および、心拍数におよ
ぼす抗アドレナリンおよび抗アセチルコリン様
作用 この発明の上記一般式で示される化合物の診断
治療剤としての活性を調べるため、その抗アドレ
ナリン作用および抗アセチルコリン作用について
検討を行つた。ラツトの最高血圧および心拍数の
変化をもつて上記作用の指標とした。(ラツト最
高血圧および心拍数の測定には、プレチスモ型ラ
ツト尾血圧測定計が用いられた。)化合物(1)を代
表する上記試験例2に示した4種の代謝賦活薬
は、それぞれ沃素原子については、安定同位元素
127Iを用いた。また、水溶液として、80mg/Kg
体重(標準)の投与量で雄性ウイスター系ラツト
(体重150〜200g)の尾静脈から投与した。この
発明の薬物の投与直前もしくは直後にアドレナリ
ン注射液(第一製薬株式会社製)1mg/mlを注射
用蒸留水で100倍に希釈し、2μg/0.2ml/200g体
重もしくは、アセチルコリン注射液(第一製薬株
式会社製)0.1g/mlを注射用蒸留水で10倍希釈
し、2mg/0.2ml/200g体重の割合で、尾静脈内
投与を行つて、この発明の薬物の抗アドレナリ
ン、抗アセチルコリン作用を血圧・心拍数から測
定した。その結果は下記表のとおりである。
【表】 を示す。 反応は、すべてアドレナリンおよびアセチルコ
リン投与後1分〜10分の間での短時間変化のみに
ついて記録した。 上記の結果から、この発明の代謝賦活薬を前処
置的に用いると、アドレナリンによる末梢血管収
縮に伴う血圧の上昇に対し、拮抗的作用を示した
のに、アドレナリン注射直後の場合は、その作用
を示さなかつた。このことは、アドレナリンの局
所レセプターにこの発明の薬物が摂取される可能
性を強く暗示し、抗アドレナリン作用を示すもの
と推定される。同様に、前処置によつて、抗アセ
チルコリン作用を示したことは、極めて有意義
で、抗アドレナリン、抗アセチルコリンの両作用
を同時に保持していることから、心臓機能を含む
循環器系の代謝賦活薬、交感、副交感、神経系の
代謝賦活薬、副腎、甲状腺、松果腺、尾状核、上
丘、視床、小脳、脊髄白質(髄質)等関連器官、
組織末梢の代謝賦活薬としての実用化が期待され
る。 試験例6 ラツトにおける代謝賦活作用 この発明の化合物の代謝賦活薬としての活性を
調べるため、試験例5と同様の方法により心拍数
および最高血圧を指標として実験を行つた。結果
を第5−9図に示す。各図において●は投与0−
1分後、×は1分20秒−2分後、■は2分20秒−
3分後(第5,6,9図は2分20秒以後)、▲は
3分20秒−4分後、〇は4分20秒−5分後、縦軸
はHR〔=(投与後心拍)/(投与前心拍)〕、横軸
はBP〔=(投与後血圧)/(投与後前血圧)〕を示
す。第5図はアドレナリン単独投与の場合であ
り、HRが低下しBPが上昇しているが、第6図
ではDMPAの投与で上記作用が幾分抑制されて
いる。第7図はアセチルコリン単独投与の場合で
あり、HRが上昇しているが、第8図ではDMPA
の投与で上昇が抑制されている。これらの結果
は、DMPAの投与によりアドレナリンまたはア
セチルコリンの作用が抑制されたことを示す。第
9図はDMPA単独投与の場合であり、HRおよび
BPに変化がないことがわかる。 上記6つの試験例で明らかなように、この発明
の診断治療剤は、特異的器官・組織への集積や関
門通過性のあることから、その元素を放射性同位
元素に置換することによつて、大脳、小脳、脳幹
への局所関門通過と局所集積による画像化が可能
であり、それによつて、局所の代謝異常を探知す
る重要な核医学診断薬としての使用が可能とな
る。また、安定同位元素 127Iで置換した場合に
は、放射線科領域における造影剤として利用する
ことにより、脳局所診断剤としての用途が期待さ
れ、この場合は、CTスキヤナー(コンピユータ
ー化断層撮影法)の普及に伴つて、この発明の診
断治療剤の脳血管関門通過(Blood Brain
BarrierPassing)を利用して、より鮮明なCT画
像を得るのに役立つ。別の用途は、抗アドレナリ
ン、抗アセチルコリン様作用であり、この発明の
物質がドーパおよびドーパミンの両薬物分布と類
似性を示しつつ、末梢血管の収縮、弛緩に関与し
ているアドレナリン、およびアセチルコリン作用
の緩衝化に働いていることは、極めて薬理作用的
に重要である。したがつて、向神経薬ならびに循
環器系諸疾患の治療薬としても用途を有する。ま
た、この発明の化合物のラツトに対する急性毒性
は極めて低く、抗アドレナリン、抗アセチル作用
が最も強い化合物AにおいてもLD50は200mg/Kg
であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、それぞれ試験例1にお
ける投与後40分の放射能濃度分布の側面像として
生物の形態を示す写真であり、第1図は頭部〜胴
部前半、第2図は胴部〜尾部を示す。第3図およ
び第4図は、それぞれ試験例3における投与後30
秒の放射能濃度分布の側面像として生物の形態を
示す写真であり、第3図は腎臓を通る面、第4図
は正中面を示す。第5図ないし第9図は試験例6
における薬剤の作用を示し、第5図はアドレナリ
ン単独、第6図はアドレナリンとDMPA、第7
図はアセチルコリン単独、第8図はアセチルコリ
ンとDMPA、第9図はDMPA単独をそれぞれ投
与した場合の図である。HRは(投与後心拍)/
(投与前心拍)、BPは(投与後血圧)/(投与前
血圧)、●は0−1分、×は1分20秒−2分、■は
2分20秒−3分(第5,6,9図は2分20秒以
後)、▲は3分20秒−4分、〇は4分後20秒−5
分の値を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 [式中、R1,R2,R3およびR4は水素または低
    級アルキル基、Xは低級アルコキシ基、ハロゲン
    原子または低級アルキル基、Zは酸残基を意味す
    る] で示される化合物。 2 一般式 [式中、R1,R2,R3およびR4は水素または低
    級アルキル基、Xは低級アルコキシ基、ハロゲン
    原子または低級アルキル基、Zは酸残基を意味す
    る] で示される化合物を含有することを特徴とする、
    上記化合物の特異分布に基づく診断剤。 3 化合物()において、少なくとも1つの原
    子が放射性同位元素または安定同位元素である、
    特許請求の範囲第2項記載の剤。 4 放射性同位元素または安定同位元素が炭素、
    窒素またはよう素の同位元素である、特許請求の
    範囲第2項記載の剤。 5 化合物()の特異分布を示す器官または組
    織の局在画像化によつて病巣位置、病態および代
    謝異常を迅速に診断するためのものである、特許
    請求の範囲第3項記載の剤。 6 造影剤として用いるものである、特許請求の
    範囲第5項記載の剤。 7 一般式 [式中、R1,R2,R3およびR4は水素または低
    級アルキル基、Xは低級アルコキシ基、ハロゲン
    原子または低級アルキル基、Zは酸残基を意味す
    る] で示される化合物を含有することを特徴とする、
    上記化合物のドーパ類似作用、ドーパミン類似作
    用、抗アドレナリン様作用および抗アセチルコリ
    ン様作用に基づく治療剤。 8 高血圧治療剤として用いるものである、特許
    請求の範囲第7項記載の剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5495520A (en) * 1977-12-19 1979-07-28 Lilly Co Eli Quaternary ammonium antiarrhythmia agent

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