JPH0119219B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、キーを操作する者に触感をフイード
バツクするようなキーを有するキーボードスイツ
チに関する。

Ｉ・Ｃ、Ｌ・Ｓ・Ｉ、ワンチツプコンピユータ
ー或いはマイクロコンピユーター等のエレクトロ
ニクス基礎材料を主体とする情報処理用能動素子
の急速な発展に伴なう電気、電子機器の広汎なエ
レクトロニクス化は、同時にそれら機器の用途に
最適な各種の情報入力装置のシステマテイツクな
出現を促した。この過程において、このような入
力手段に対しては、高い信頼性の追求と共に操作
性並びに計装・デザイン面と対応する設計の自由
度等と関連して、小型・軽量化或いは薄膜化及び
キーの操作によつて電気的接続がなされたとき
に、オペレータがその触感を得ることが要望さ
れ、それらは、その低コスト化と同等に解決すべ
き大きな課題となつた。斯かる観点から、第１図
のように、複数個の所定固定接点パターン１を有
する柔軟質または硬質ベース材２と、該ベース材
２上に設けられ上記各固定接点パターン１に連係
してスイツチ動作空〓３を形成するように配置さ
れる絶縁性スペーサ４と、このスペーサ４上に配
装されて、上記各固定接点パターン１と対応して
各別にスイツチ動作を行ない、かつ、スイツチを
押圧し電気的接続がなされたときに、オペレータ
に触感を付与し得るために、突出構造を持つ複数
個の可動接点パターン５を有するスイツチシート
６と、およびそれら構成部材間の接着材からなる
接合層７とから基本的に構成可能なスナツプアク
シヨン式キーボードスイツチ、すなわち触感エレ
メントをもつキーボードは、既述の諸要望に効果
的に対応できる一形態として注目され、現今種々
の提案下に実用に供されている。斯かる形態のキ
ーボードは実用に際して、第１図に示すように、
スイツチシート６の上に化粧板或いは化粧シート
８を支持する為の他のスペーサ９を介して重ねて
用いられる場合がある。すなわち、化粧シート８
は、パネルキーボードが実装される商品、例えば
電子レンジ等の家電機器その他各種の電子機器の
操作面に著在して機器全体のイメージを決める重
要な機能を果すものであつて、キーボード自体の
機能のみならず機器全体のデザイン並びにレイア
ウト等との関連から少なからぬ位置を占めるもの
となる。このような化粧シート８の全体的な機能
をスイツチシート６に集約させることも必ずしも
不可能とは云えないが、このような場合には斯か
るキーボードの汎用性と製造プロセスを大きく制
約する要素が多々あることを考慮した場合には、
実用上スイツチシート６と化粧シート８とを別体
に構成するのが設計・製造上において得られる利
点が大きい。

ところで、このようなキーボードの性格から、
特にスイツチシート６の構成に当つては、使用さ
れる分野或いは環境等を含めてその電気・機械的
特性並びに物理・化学的特性を十分考慮に入れ例
えばポリエステルフイルムの如き妥当なプラスチ
ツクフイルム材料の採用がコスト面からも有利で
あつて十分に実用性に耐え得るものの選択が可能
となつているが、殊に薄膜化を達成する上でスイ
ツチ動作空〓３を関連して生ずる問題は複雑なも
のがある。すなわち、一般産業用並びに民生用と
して広い適用性を持たせるには、それらの各スイ
ツチ動作空〓３を密閉状態に保持するのがスイツ
チの接点パターン１，５の劣化対策からも好まし
いものであるが、密閉構造故にこの空〓３内に閉
じ込められた空気またはその他の気体が単純には
スイツチ操作時に逃げ場を失い、場合によつては
確実なスイツチ動作を不能にするなど操作性に重
大な支障を与える。また、仮にスイツチ動作を行
なえたとしてもこの種のスイツチに共通の問題と
なるチヤタリング若しくはバウンシングの事態を
更に悪化させる恐れがある。

本発明の目的は、前記問題を好適に解消した新
規な構造をもつ触感エレメント式キーボードを可
及的に低コストに提供することである。

本発明のキーボードによれば、スイツチ動作空
〓とスイツチシートを介して該スイツチ動作空〓
の上側の空〓、即ち、化粧シートとこの化粧シー
ト支持用スペーサ及び上記スイツチシートから作
られる空〓とを連通するように該スイツチシート
に***を設け、さらに、必要であれば、スイツチ
シートの接点部に対応する上側の空〓相互を、何
らかの手段、例えば、化粧シート支持用スペーサ
を用いて複数の動作空〓を連通する手段を備え
る。従つて、キーボードのスイツチ操作時に、ス
イツチ動作空〓内の気体は前記の***を経て対応
するスイツチシートの上部空〓内、さらには、他
のスイツチシートの上部空〓内に移されることと
なり、スイツチ操作性を良好ならしめる。また、
斯かる構造のキーボードは、接点パターンの環境
条件による劣化の恐れを阻止すべく容易に密閉構
造にすることができるという特長を有する。当然
のことながら、スイツチ動作空〓内とキーボード
外気との連通を許容できるような使用環境におけ
る構造にも本発明は好適である。また、スイツチ
シートと化粧シートとの間に介在させるスペーサ
は既述の例えばプラスチツクフイルムシートに限
らず、不織布の如きシート状に形成した繊維部材
或いは多孔質シートその他各種の通気性シート部
材の適用も極めて有効である。

実施例を挙げて更に本発明を詳述すると、第２
図〜第５図において、第１図と同一符号はそれと
同一の構成要素を示し、スイツチシート６の各ド
ーム状若しくはほゞ部分球状からなるスイツチ動
作の為の反転動作可能なスナツプ部６Ａに対応し
て該スナツプ部６Ａの頂部およびその頂部周辺を
除く個所または該部６Ａの基部周辺に第３図のよ
うに最小限１個の透孔１１を穿設するように構成
されている。透孔１１は従つてそれぞれにおいて
動作空〓３とスイツチシート６および化粧シート
６の対応動作空〓３Ａとを連通するもので、両シ
ート６，８間に介在させたスペーサ９に第４図お
よび第５図の如く通路１２を設けるときには、各
スイツチ動作空〓３の或るグループは通路１２を
介して相互に連通する状態におかれることとな
る。このような通路１２はスペーサ９をプラスチ
ツクシート材料で形成される場合に設け得るもの
で、第４図のとおり、各スイツチ動作空〓３Ａを
形成する為の穴９Ａの適数個、例えば３個前後を
通路１２で連通するように構成される。化粧シー
ト８を通してスイツチシート６のスナツプ部６Ａ
を押圧してその反転動作によるスイツチアクシヨ
ンを起させる際、スイツチ動作空〓３の気体は透
孔１１を通つて上部の動作空〓３Ａに移ると共に
通路１２を介して他のスイツチ動作空〓３，３Ａ
に移動可能となるので、このパネルキーボードは
クリツク若しくはスナツプアクシヨンを伴なう良
好なスイツチ動作を達成することとなる。両シー
ト６，８間に介在するスペーサ９は第４図の如き
構造の他、上記のような通路１２の不要な第６図
の通気部材で構成することも可能である。第６図
に示すスペーサ１３はその素材として不織布のよ
うなシート状に形成された繊維部材か若しくは多
孔質部材からなる通気性部材１４を構成するよう
にしたもので、スツチ動作空〓の為の穴１３Ａは
相互に何らの通路を介することなく適度に気体の
流通を許容するような状態となる。斯かる通気性
部材１４からなるスペーサ１３によれば、上記機
能に加えてキーボードに加わる応力吸収の緩衝層
としても作用するもので、また同時にキーボード
全体のフレキシビリテイの改善にも資する。ここ
で、スペーサ９，１３は上記説明から分かるよう
に、通路１２又は部材自体のもつ通気性により、
その厚さの範囲内で水平方向に通気性を備えるも
ので、これによりスイツチ動作空〓間の気体流通
を確保し、以つてスイツチの操作性を良好に保持
するものである。

スイツチシート６と化粧シート８との間に配装
される上部のスペーサ９，１３に上記の如く通気
機能を持たせるのは、触感を得る為のクリツク若
しくはスナツプアクシヨンを行わせるスナツプ部
５を有するスイツチシート６の形態では、下部の
スペーサ４はベース材２とスイツチシート６との
間の電気的絶縁を果たす程度に薄いもので十分で
あり、このような薄いスペーサ４にその絶縁機能
を阻害することなく上記のように十分に効果的な
通気機能を具備させることは無理があり、これに
対して上部のスペーサ９，１３はその厚さをスナ
ツプ部５の高さに対応させて十分に確保しながら
上記の如き電気的絶縁性に左右されずその厚さの
範囲内で水平方向に良好な通気構造を容易に構成
できるので、斯かるスペーサ９，１３に上記態様
で通気機能を具備させることは、機能及び製造の
両面で実用上好都合な手段となる。

本発明による触感エレメントを有するキーボー
ドは、以上の説明から分るとおり、スイツチシー
トの各スナツプ部に関して透孔を設けて上下に設
けられるスイツチ動作空〓を連通するように構成
すると共に、該スイツチシートと化粧シートとの
間に介在するスペーサに厚さの範囲内で水平方向
に気体流通路若しくは通気性を具備させるように
構成し、これにより複数のスイツチ動作空〓間の
気体流通を確実に行なわせながらスイツチの操作
性を良好に保持できる。従つて、クリツクまたは
スナツプ動作を伴なう良好なスイツチ機能を確保
することができる。

また、スイツチシートと化粧シートの間に配装
する上記スペーサはその厚さをスイツチシートの
スナツプ部の高さに対応させて十分に確保しなが
らキーボードスイツチの電気的絶縁性に制約され
ることなくその厚さの範囲内で水平方向に良好な
通気構造を容易に構成できるので、斯かるスペー
サに上記態様で通気機能を持たせることは、機能
及び製造の両面で実用上好適な構造となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来構造の触感エレメント備えたキー
ボードの概念的な部分拡大断面図、第２図は本発
明の一実施例に従つた触感エレメントを備えたキ
ーボードの部分切欠平面図、第３図は第２図のス
イツチシートを一部拡大して示す平面図、第４図
は第２図のスイツチシートと化粧シートとの間に
配装したスペーサの部分拡大平面図、第５図は第
２図のＡ−Ａ線に沿う部分拡大断面図、第６図は
第４図に示すスペーサの他の実施例による通気性
スペーサの部分拡大平面図である。 １：固定接点、２：ベース材、３：スイツチ動
作空〓、４：スペーサ、５：可動接点、６：スイ
ツチシート、６Ａ：スナツプ部、８：化粧シー
ト、９：スペーサ、１１：透孔、１２：通路、１
３：通気性スペーサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所要の複数個の固定接点パターンを有するベ
   ース部材の上方部位に上記各固定接点パターンと
   の対応位置に可動接点パターンを形成したスナツ
   プ部を有するスイツチシートを配装し、それら両
   接点パターン間に通気性を有しないスペーサによ
   りスイツチ動作空〓を形成するようにした密閉式
   のキーボードスイツチにおいて、前記スイツチシ
   ートの各スナツプ部に透孔を設け、該スイツチシ
   ート上に厚さの範囲内で水平方向に通気性を有す
   るスペーサを配設し、該スペーサ上に化粧シート
   を配装するように構成したことを特徴とする触感
   エレメントを備えたキーボード。