JPH0118862B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は遮水機能を具備した防水型熱収縮チ
ユーブに関するものである。 熱収縮チユーブは例えば、ポリエチレン、塩化
ビニル、ポリエステルなどのプラスチツクチユー
ブを溶融押出した後、これに架橋結合を導入し、
しかるのちその溶融温度以下軟化温度以上で延伸
加工して得られるものである。 かかる熱収縮性プラスチツクチユーブは加熱す
ることにより目的物上に緊密な被覆層を形成でき
ることから近年、種々の分野において賞用されつ
つあるが本来浸水下での長期間の使用ではわづか
ではあるが水を通すので長期使用中の遮水効果は
万全とは云えない。 ところで近年ケーブルの接続部に対する保護層
として、前述の熱収縮ゴム、またはプラスチツク
チユーブを被せこれを加熱収縮させる工法が標準
的に採られているが、前述の理由からその遮水効
果が経時的に低下することが問題視された。 ここに発明者等はかかる問題を解決すべく鋭意
検討を重ねた結果、金属箔を前記熱収縮性チユー
ブの厚さ方向中間に該チユーブの周方向全周を覆
う状態に少くとも２枚の金属箔を該金属箔の側縁
が所望幅オーバーラツプさせる如く配置存在させ
ておくことによつて熱収縮性チユーブ本来の熱収
縮性を実質的に損うことなく形成される被覆層に
優れた遮水機能保持させ得ることを見出しこの発
明を完成したのである。 即ちこの発明は、熱収縮チユーブの中間層に該
チユーブの全長又は一部区間に亘つて該チユーブ
の周方向全周に延びるようにし、少なくとも２枚
の金属箔をそれらの両側縁が互いに相対向して所
望幅オーバーラツプする如く配してなる金属箔層
を有することを特徴とする防水型熱収縮チユーブ
である。 第１図はこの発明の一実施態様の熱収縮チユー
ブを示したものであつて、１は内層、１′は外層
の熱収縮チユーブであり、２，２…はこれら内外
熱収縮チユーブ間に一体に配された銅、アルミ、
鉛などの金属箔層であり、該金属箔２，２…は相
隣る相互の縁部が適当幅チユーブの周方向にオー
バーラツプ２′している。 この金属箔２，２は図の例ではチユーブの周方
向に４分割された４枚になつているが最小２枚あ
るいはそれ以上であれば良い。また金属箔２，２
間のオーバーラツプ巾は約５mm程度が実用上最も
好ましい。 次にこの金属箔２，２…は第２図の如くチユー
ブの全長に延びる長さのものあるいは第３図の如
く遮水効果を向上させたい部分のみの部分的であ
つても良い。 そしてこの金属箔２，２…は、その両面に予め
プラスチツクをラミネートしたものを用いること
により、前記内外層熱収縮チユーブ１，１′に対
する一体化がより効率的に行われる。 次に第４図はこの発明の他の実施態様である
が、この場合の金属箔２ａは、チユーブの周方向
に伸縮性を持たせるように波付加工２a′を施した
ものである。この波付加工２a′によりチユーブの
周方向の収縮時の追随性が一層著しく向上するの
である。 この発明において用いられる金属箔としては概
ね0.01〜0.1mm厚さのものが良く、下限以下では
チユーブの熱収縮加工時に亀裂を生じ易く、又上
限を超えると収縮チユーブの熱収縮性を著しく阻
害するようになりいづれも好ましくない。 又この金属箔にラミネートするプラスチツクと
しては、低、中、高密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブテン−１、ポリメチルペンテン、
エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体、
塩素化ポリエチレン、イソプレンゴム、クロロプ
レンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等がある。 更に本体の内外層熱収縮性チユーブとしては、
高圧法ポリエチレン、塩化ビニル、飽和ポリエス
テル、架橋ポリエチレン、エチレン−プロピレン
ゴム、シリコーン、クロロプレンゴム、ふつ素樹
脂などからなる少くとも20％以上の熱収縮率をも
つものが用いられる。 上記金属箔と熱収縮性チユーブとの一体化のた
めには、これらを熱融着することが必要でありこ
の場合、例えばチユーブ本体と同一材料を用いる
ことが好ましく例えばポリエチレンを用いる場合
には、前記金属箔にポリエチレンをラミネートす
る等の配慮が望ましい。 この発明は以上の記載及び後記実施例から明ら
かな如く、加熱収縮時、及び使用時のヒートサイ
クル時において金属箔が熱収縮性チユーブの全周
方向に少くとも２分割した状態で配置されている
ため熱収縮性チユーブの収縮変形に適切に追随し
熱収縮性を著しく阻害することがない。更に各金
属箔の両側縁は互いに所望巾でオーバラツプされ
て配置されているため、その遮水機能を高く保持
し得るものでありその実用的効果はまことに大き
い。 以下この発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例 １〜４ 下記の左欄構成の巾70mm両面ラミネートテープ
４枚を、夫々肉厚１mm内径80mmの右欄材料からな
る熱収縮チユーブの２層間該チユーブの全周を覆
いかつ両側縁が５mmオーバラツプした状態に埋め
込んで熱収縮チユーブとしその内面にブチルゴム
系粘着層を設けた。

【表】 比較例 １〜４ 比較例１：肉厚1.5mm内径80mmの架橋ポリエチレ
ン熱収縮チユーブ 次の左欄構成のテープ一枚を肉厚１mm内径80mm
の右欄材料による熱収縮チユーブの内面に積層し
たチユーブを得、夫々最内面にブチルゴム粘着層
を施した。

【表】 ステル
上記実施例及び比較例の熱収縮チユーブを40mm
φの架橋ポリエチレン筒上に被せ赤外線にて加熱
収縮させ一体化させた。その後両端末をシールし
90℃温水中に入れ90℃20℃ヒートサイクルを20
回付加し、金属テープ状態、遮水性を調べ結果を
次表に示した。

【表】 上表の結果本発明品の遮水性の向上が著しいこ
とが明らかである。 実施例 ５ 次に、テープをPE（50μ）／Pb（10μor50μ）／
PE（50μ）とし、チユーブ材料を架橋ポリエチレ
ンとし、テープのラツプ代を変えて、架橋ポリエ
チレンチユーブの中に埋込んだ実験後の結果を表
に示した。

【表】 上表に示すようにテープをオーバーラツプさせ
ることにより、熱収縮チユーブの遮水性は著るし
く向上する。 またPb厚の厚さは50μ程度であれば、亀裂は生
ぜず良好である。 この極薄鉛テープの亀裂防止に対しては、予め
金属箔をチユーブの周方向に伸縮性を持たせた波
付加工が有効であり、波付加工の効果を次に示
す。 遮水テープPE（50μ）／Pb（10μ）／PE（50μ）
としチユーブ材料を架橋ポリエチレンとした。

【表】 上表に示すように、金属箔を波付加工すること
で、伸縮性は著るしく向上し、収縮時に金属箔に
亀裂を生ずる心配もなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第４図はこの発明による二つの実施
態様チユーブの各断面図、第２図及び第３図は金
属箔をチユーブ全長及び部分的に設けた例の斜面
図である。 １，１′……内外層熱収縮チユーブ、２，２ａ
……金属箔、２′……ラツプ部、２a′……波付加
工。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱収縮ゴムまたはプラスチツクチユーブの中
   間層に該チユーブの全長又は一部区間に亘つて該
   チユーブの周方向全周に延びるようにし、少なく
   とも２枚の金属箔をそれらの両側縁が互いに相対
   向して所望幅オーバーラツプする如く配してなる
   金属箔層を有することを特徴とする防水型熱収縮
   チユーブ。 ２ 前記金属箔層がその両面にプラスチツクテー
   プをラミネートしたものを用いたものからなるこ
   とを特徴とする前１項記載の防水型熱収縮チユー
   ブ。 ３ 前記金属箔層が、チユーブの周方向に伸縮性
   を持たせた波付加工を施したものであることを特
   徴とする前１項記載の防水型熱収縮チユーブ。