JPH0118393Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はＸ−Ｙプロツタ、グラフイツクプリン
タ、アルフアニユメリツクプリンタ等に好適なペ
ン式多色記録装置に関し、その目的とするところ
は、多色記録が可能な小型、軽量のペン式記録装
置を提供するにある。

従来のこの種ペン式多色記録装置、例えばＸ−
Ｙプロツタにおいては、第１図示のように、単一
のペンを保持したキヤリツジ２をスライドアーム
１上に、Ｘ方向に摺動自在であるように取付け、
このスライドアーム１を固定アーム４に沿つて、
Ｙ方向に摺動自在に設置している。該構成におい
て色換えの動作を行なうには、スライドアーム１
及びキヤリツジ２を駆動して、現在キヤリツジ２
が保持しているペン３ａを、固定アーム４の所定
のペン保持部に戻した後、スライドアーム１及び
キヤリツジ２を駆動して、他の色のペン、例えば
ペン３ｂをキヤリツジ２に保持させていた。

しかしながら、この構成ではペンの着脱動作が
必要となり、その機構が複雑で且つ制御が煩雑と
なる上、スペースフアクターも悪いという欠点が
あつた。

このため、第２図示のように、Ｘ方向に移動す
るキヤリツジ６を塔載したスライドアーム７を、
固定アーム８に沿つてＹ方向に搬送し、キヤリツ
ジ６には複数本のペン５ａ，５ｂ，５ｃを取付け
て、ペンの着脱（持換え）を不要とすることも考
えられたが、この方式の場合、ペンの持換えは不
要であるが、キヤリツジ６上で所望のペンを紙面
方向に突出させるために、それぞれのペン専用の
駆動源、例えば電磁石をキヤリツジ６に塔載しな
ければならず、キヤリツジ６の小型、軽量化の障
害となる上、各ペン毎にキヤリツジ６上の位置が
異なるため、ペン位置変化に対応したキヤリツジ
６の制御機能が必要となる等の欠点があつた。

本考案は上記の点に鑑み成されたもので、以下
本考案の詳細を第３図〜第６図までの１実施例に
よつて説明する。

該実施例ではアルフアニユメリツクが印字可能
な小型のグラフイツクプリンタを示しており、図
において、１１，１２はプリンタの側枠で、該両
側枠１１，１２間に掛渡された２本の案内軸１
３，１４上には、キヤリツジ１５が記録紙１６面
を横切つて摺動自在であるように取付けられてい
る。上記キヤリツジ１５の両側にはロープ１７の
両端が結合されており、該ロープ１７は、プーリ
１８…に案内されてその中間部を、正逆回転する
パルスモータ１９の駆動プーリ２０に巻回されて
いる。即ち、パルスモータ１９の正転又は逆転に
伴つて、キヤリツジ１５は案内軸１３，１４上を
移送される。

２１は、印台と紙送りとを兼用するプラテン
で、図示簡略化してあるが、プラテン２１と一体
回転する軸２２の端部に固着した歯車が、紙送り
用の正逆回転可能なパルスモータ２３の駆動歯車
２４と、適宜の中間ギヤを介して歯車結合されて
いる。又、プラテン２１とプラテン２１側に弾圧
された補助ローラ２５（第４図参照）との間に挾
持された記録紙１６は、パルスモータ２３の回転
に伴つて、前記キヤリツジ１５の移送方向と直交
する方向に搬送される。

２６は合成樹脂より形成された回転ドラムで、
該回転ドラム２６と一体回転する中心軸２７を、
前記キヤリツジ１５の前側板２８及び後側板２９
間で回転自在に保持されていると共に、その周面
部の一部を、キヤリツジ１５の回転支持部３０に
抱持されている。３１は回転ドラム２２６の周面
部の一部に形成した凹凸部で、その凹部に嵌入自
在とした板バネ３２（第６図参照）との協働によ
つて、回転ドラム２６の回転方向の位置決め手段
を構成している。又、該位置決め手段の１回転あ
たりの節度停止位置は、後記ラチエツト３３の歯
数と対応している。３３は、前記回転ドラム２６
の端面に固着もしくは回転ドラム２６と一体に形
成したラチエツト（カム手段）で、等間隔に形成
したその歯部数は、後述するペン手段３４の数の
ｎ倍（ｎは自然数）となつている。（なお、該実
施例ではラチエツト３３を回転ドラム２６の端面
に設けているが、場合によつては回転ドラム２６
の周面に設けることもある。） ３４…は、ボールペンの替芯、或いは不揮発性
インクを含浸した細径のフエルトペン等の安価且
つ軽量な材質の適宜のペン手段で、それぞれ異な
る色の記録データを、そのペン先３４ａで記録紙
１６上に線描可能としている。上記ペン手段３４
…は、前記回転ドラム２６の中心軸２７を中心と
する円上に等間隔に配設され、且つ回転ドラム２
６に、その中心軸２７と平行な方向（即ち記録紙
１６方向）に所定量突出自在であるように保持さ
れている。３５は花弁状のバネ板で、該バネ板３
５はその中心部を、前記回転ドラム２６の中心軸
２７に固着されていると共に、中心部から放射状
に突出した各弾性腕３５ａ…で、前記ペン手段３
４のペン先３４ａを保持し、各ペン手段３４を常
時第４図左方向に弾圧している。

なお、ペン先３４ａ…は弾性腕３５ａ…を貫通
しており、弾性腕３５ａに抗してペン手段３４を
記録紙１６方向に押圧することにより、ペン先３
４ａは記録紙１６と当接可能となつている。

３６は、ペン手段３４押圧用のハンマ（ペン押
出し手段）で、前記側枠１１，１２間に軸支され
たハンマ軸３７（押出し手段駆動軸）に、スプラ
イン結合（軸方向に摺動自在であるが軸と一体回
転する構造）をされている。上記ハンマ３６はそ
の一部を、前記キヤリツジ１５の前側板２８の溝
部３８に常時係合させており、キヤリツジ１５の
移送に伴つてハンマ３６も一体となつて移送され
る。又、ハンマ３６の押圧面３６ａは、前記ラチ
エツト３３からその後端を突出させたペン手段３
４…中の印刷位置にあるペン手段３４のみに対向
する位置にあり、印刷位置、即ち図示最上段にあ
るペン手段３４後端を、ハンマ軸３７の回動に伴
つて押圧し、第４図示のように印刷位置にあるペ
ン手段３４を前記弾性腕３５ａに抗して記録紙１
６に押付けるようになつている。３９は前記ハン
マ軸３７の回動駆動源たる電磁プランジヤ（電磁
石）で、その作動杆３９ａに取付けたレバー４０
に、前記ハンマ軸３７の端部が取付けられてい
る。なお図示していないが、作動杆３９ａはバネ
によつて常時突出方向に弾圧されており、電磁プ
ランジヤ３９の非励時状態においては、前記ハン
マ３６はペン手段３４後端と離間しており、電磁
プランジヤ３９が励磁状態にある時のみ、ハンマ
軸３７を介してハンマ３６がペン手段３４を押圧
するようになつている。

従つて、電磁プランジヤ３９を励磁した状態、
即ちペン手段３４のペン先３４ａが記録紙１６と
適度の接触圧で当接した状態で、印刷指令に基づ
きパルスモータ１９，２３を駆動し、キヤリツジ
１５及び／又は記録紙１６を搬送すれば、所望の
文字、図表等が記録紙１６上に描かれるようにな
つている。

４１は、前記側枠１１に取付けた板バネよりな
る送り突起（カム送り手段）で、前記ラチエツト
３３と当接自在とされている。即ち、キヤリツジ
１５の全移動領域Ｓを第５図示のように印刷領域
S₂とペン選択（色換）領域S₁とに分け、側枠１１
に近いペン選択領域S₁においてのみラチエツト３
３と送り突起４１とを係合自在とし、該領域S₁内
でキヤリツジ１５を第５図矢印Ａ方向に移送する
ことにより、送り突起４１がラチエツト３３と当
接してこれを一歯相当分矢印Ｃ方向に回動させる
ようになつている。

従つて、キヤリツジ１５を矢印Ｂ方向に引戻し
た後、キヤリツジ１５を再びＡ方向に駆動し、所
望のペン手段３４が前記印刷位置にくるまでラチ
エツト３３、即ち回転ドラム２６を回転させれ
ば、ペン手段３４の切換・選択が行なえるように
なつている。このペン手段３４の切換・選択の駆
動源は、キヤリツジ１５移送用のパルスモータ１
９を利用し、これを所定量正逆回転させることに
よつて行なわれるので、ペン手段３４切換のため
の別途の駆動源を必要とせず、切換手段が極めて
簡素、且つコンパクトとなる。

なお、図において、４２はバネ４３によつてラ
チエツト３に弾圧・係合した逆転防止爪で、送り
突起４１がラチエツト３３と係合した後、キヤリ
ツジ１５が第５図矢印Ｂ方向に移送されて、送り
突起４１がラチエツト３３の歯山を弾性変形して
乗越える際の抵抗で、ラチエツト３３が逆転する
のを防止している。

叙上のように本考案によれば多数のペン手段を
配設した回転ドラムをキヤリツジ上に保持し、該
回転ドラムを回転させることにより所望のペン手
段をペン押出し手段と対向する位置へ位置付け
て、この選択されたペン手段をペン押出し手段に
よつて記録紙面へ押し付けて記録を行なうととも
に、このペン押出し手段をキヤリツジと一体に移
送されるようにし、かつキヤリツジの全移送領域
に亘つて横たわつた押出し手段駆動軸を回転させ
ることによつて駆動するようにしたので、ペン手
段の選択が容易であると共にペン切換機構が簡素
となり、且つ、キヤリツジに電磁石等の重量の嵩
むペン駆動源を塔載する必要がないので、キヤリ
ツジが軽量、小型となり、キヤリツジの高速送り
化が可能となるばかりか、キヤリツジ移送用モー
タの小型化も可能となり、総じて、多色記録が可
能なペン式記録装置を小型化・軽量化し得て、そ
の実用的価値は多大である。

なお、前述した実施例においては、回転ドラム
２６の回動をキヤリツジ１５の移送動作を利用し
て行なつているが、例えば、電磁石、モータ等の
駆動力をロープ等で回転ドラムに伝達するように
しても良いし、回転ドラム２６の回転方向の位置
決め手段も、所謂デテント機構以外に、キヤリツ
ジ１５の多送領域に対応して係脱するロツクピン
機構等種々の変形が考えられるところで、本件考
案の精神を逸脱しない範囲でのこれらの変形は、
総べて本件登録請求の範囲に属すること勿論であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の従来例の説明図、第２図は第２
の従来例の説明図、第３図〜第６図は本考案の１
実施例に係るペン式多色記録装置を示し、第３図
は一部簡略化した要部斜視図、第４図は印刷状態
を示す要部側面図、第５図は回転ドラムの回動状
態を示す説明図、第６図は回転ドラムの回転方向
の位置決め手段の説明図である。 １１，１２…側枠、１３，１４…案内軸、１５
…キヤリツジ、１６…記録紙、１７…ロープ、１
９…キヤリツジ移送用のパルスモータ、２１…プ
ラテン、２３…記録紙移送用のパルスモータ、２
６…回転ドラム、２７…回転ドラムの中心軸、３
１…凹凸部、板バネ（回転方向の位置決め手段）、
３３…ラチエツト（カム手段）、３４…ペン手段、
３５…バネ板、３５ａ…弾性腕、３６…ハンマ
（ペン押出し手段）、３７…ハンマ軸（押出し手段
駆動軸）、３９…電磁プランジヤ（電磁石）、４１
…送り突起（カム送り手段）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) (a) 両側枠間に掛渡された案内軸上に摺動自
   在に取付けられたキヤリツジと、 (b) 該キヤリツジを移送させるためのキヤリツ
   ジ移送手段と、 (c) 前記キヤリツジの移送方向と直交する方向
   に記録紙を移送する紙送り手段と、 (d) 前記キヤリツジ上に回転自在に保持される
   回転ドラムと、 (e) 該回転ドラムの中心軸を中心とする円上に
   等間隔に配設され、且つ回転ドラムの中心軸
   と平行な方向に突出自在に保持された複数本
   のペン手段と、 (f) 前記回転ドラムを回転させて該回転ドラム
   中の所望のペン手段を択一的に印刷位置に移
   送するためのドラム回動手段と、 (g) 該ドラム回動手段により回転させられた回
   転ドラムの回転方向の位置決めを行なう位置
   決め手段と、 (h) 前記キヤリツジと共に移送され、且つ前記
   印字位置にあるペン手段のみを前記記録紙方
   向に押出すペン押出し手段と、 (i) 該ペン押出し手段がスプライン結合される
   とともに前記キヤリツジの全移送領域に亘つ
   て横たわり回動することにより前記ペン押出
   し手段を駆動するペン押出し手段駆動軸と、 (j) 該ペン押出し手段駆動軸を回動させる回転
   駆動源と、 を備えたことを特徴とするペン式多色記録装置。 (2) 前記キヤリツジ送り手段は正逆転可能なパル
   スモータで、前記回転駆動源は電磁石であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のペン式多色記録装置。