JPH0111289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、粒塊状ろ過材を用いたろ過集じん装
置において、効率よくダストの分離・除去を行う
装置に関するもので、とくに可燃性などを有する
被処理含じんガスをも処理することが可能であ
る。

〔従来の技術〕

排ガス、とくに高温の排ガス中のダストを除去
するために、本考案者らは既に、装置本体内に
砂、砂利、セラミツクス、鉱石、耐火物などの粒
塊状ろ過材を金網、多孔板、ルーバなどの支持体
間にパネル状または層状に充填・保持させてなる
集じん層を有するろ過集じん装置を開発してい
る。しかしこれらの装置においては、粒塊状ろ過
材の粒径が大きい場合には微細ダストの分離が困
難であり、また高温含じんガスを処理する場合
は、集じん性能の高いバグフイルターなどの集じ
ん装置を用いることができないという不都合があ
つた。

従来、特公昭33−445号公報に示されるように、
コークス粒子を充填したダスト捕集塔１に含じん
ガスを通して除じんし、コークス粒子とダストと
をエアースライド式回収装置５に導入し、空気を
吹き込んでコークスを回収し、循環再使用する装
置が提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしこの特公昭33−445号公報に記載された
装置においては、充填物はコークスであるので、
高温下での使用ができず、またコークス粒子とダ
ストとの分離にエアースライド式のものを使用し
ているので、コークス粒子とダストとを効率よく
分離するためには多量の空気使用量を必要とする
不都合がある。また被処理含じんガスが可燃性な
どを有する場合には、適用することができない。

なお特開昭52−22178号公報には、ろ過材とダ
ストとを分離する手段として、回転型の分離機７
を設けた集じん装置が記載されている。また特開
昭51−59777号公報には、粒子とダストとの分離
に使用した気体中からダストをさらに分離して清
浄気体を得ることが記載され、特公昭43−7683号
公報には、粒子とダストとの分離に使用した気体
をさらに使用することが記載されている。しかし
これらの公報には、「気体の循環ラインに不活性
ガスを送入して循環使用する」という技術的思想
については何ら示唆されていない。

本考案は上記の諸点に鑑みてなされたもので、
粒塊状物質をろ過材として用いたろ過集じん装置
において、捕集ダストとろ過材との分離を、ろ過
材・ダスト分離室内に気流を通すことにより効率
よく行い、ダストを含む比較的低温の気流をバグ
フイルターなどの集じん装置に導入して高性能除
じんするようにし、さらに冷却不活性ガスを循環
使用するようにして、被処理含じんガスが可燃性
を有していても適用できるようにしたろ過集じん
装置におけるダスト分離・除去装置を提供するこ
とを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案のろ過集じ
ん装置におけるダスト分離・除去装置は、図面を
参照して説明すれば、耐熱性粒塊状ろ過材２を支
持体間に移動可能に充填・保持させ、排ガスをろ
過材の移動方向とほぼ直角に流すようにしてなる
ろ過集じん装置を第一ろ過集じん装置１とし、こ
の第一ろ過集じん装置１の下部に、気流入口４お
よび気流出口５を有する振動篩型のろ過材・ダス
ト分離室６を接続し、このろ過材・ダスト分離室
の気流出口に不活性ガス冷却器２１を介して第二
集じん装置７を接続し、この第二集じん装置の清
浄気流ダクトを前記ろ過材・ダスト分離室６の気
流入口４に接続して循環ライン１９を形成し、こ
の循環ラインに不活性ガス供給装置２０を接続し
たことを特徴としている。

〔作用〕

第一ろ過集じん装置１から排出される粒塊状ろ
過材とダストとの分離をろ過材・ダスト分離室６
内に冷却不活性ガスを通すことによつて行い、ダ
ストを含む気流の除じんを第二集じん装置７で行
う。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は本考案のダスト分離・除去装置の一
実施例を示している。１は第一ろ過集じん装置
で、この第一ろ過集じん装置は砂、砂利、セラミ
ツクス、鉱石、耐火物なの粒塊状ろ過材２を金
網、多孔板、ルーバなどの支持体間にパネル状ま
たは層状に、連続的または断続的に移動可能に充
填・保持させてなる集じん層３を内部に有するよ
うに形成される。この第一ろ過集じん装置１の集
じん層３の下部に、気流入口４および気流出口５
を有するろ過材・ダスト分離室６を接続する。こ
のろ過材・ダスト分離室６の詳細について後述す
る。ろ過材・ダスト分離室の気流出口５に不活性
ガス冷却器２１を介してバグフイルターなどの第
二集じん装置７を接続する。ろ過材・ダスト分離
室６の下部は移送機８を介して前記第一ろ過集じ
ん装置１の集じん層３の上部に接続されて、ダス
トが分離された粒塊状ろ過材を高所移送して循環
再使用できるように構成されている。移送機８と
しては、一例としてバケツトエレベータまたは下
部に送風機などを接続して加圧気体により高所移
送する構造のものなどが用いられる。第一ろ過集
じん装置１の入口には含じんガスメインダクト１
０が接続され、出口にはダクトを介して誘引フア
ン１１が接続され、この誘引フアン１１には煙突
１２が接続される。なお被処理含じんガスが高温
の場合は、第一ろ過集じん装置１と誘引フアン１
１との間に熱交換器１３が取り付けられる。

一方、前記第二集じん装置７の下流側には誘引
フアン１４が接続され、この誘引フアン１４の出
口はダクトによりろ過材・ダスト分離室６の気流
入口４に接続されている。

また気流として不活性ガスを用いるために、循
環ライン１９の誘引フアン１４の上流側に不活性
ガス供給装置２０を接続して、不活性ガスをろ過
材・ダスト分離室６の気流入口４に循環・供給で
きるようにクローズドシステムに構成している。
第１図に示す装置では、不活性ガスを循環してい
るため、とくに被処理ガスが高温のときには不活
性ガスが高温になるので、第二集じん装置７の上
流側に不活性ガス冷却器２１（熱交換器を含む）
が取り付けられる。

ろ過材・ダスト分離室６としては、第２図に示
すような、内部に振動可能な多孔体１８を設け、
この多孔体１８の下側から気流を吹き込んでダス
トを分離する振動篩型のろ過材・ダスト分離室６
を用いる。振動篩型はダストの付着したろ過材の
「ほぐし」を機械的振動にて行うもので、不活性
ガスの使用量が少量ですむという長所を有してい
る。

上記のように構成された装置において、第一ろ
過集じん装置１で捕集されたダストは、粒塊状ろ
過材とともにろ過材・ダスト分離室６に導入さ
れ、ここで不活性ガスからなる気流と接触して、
ダストは気流に同伴される。ダストを同伴した気
流は冷却された後、後流に設置されたバグフイル
ターのような第二集じん装置７に導入されてダス
トが捕集され、清浄化された気流はろ過材・ダス
ト分離室６に戻される。一方、ダストが分離され
た粒塊状ろ過材は、第一ろ過集じん装置１のろ過
材として循環再使用される。

〔考案の効果〕

本考案の装置は上記ように、冷却と不活性ガス
使用という二重の対策を考慮して構成されている
から、可燃性を有する含じんガスを処理すること
ができる。また粒塊状ろ過材の粒径に比較して、
粒径の細かいダストを容易に分離することができ
る。可燃性などを有する高温含じんガスを処理す
る際には、冷却不活性ガスを用いるためバグフイ
ルターのような比較的低温で用いることができる
集じん装置で高性能除じんしてダストを回収する
ことができる。またクローズドシステムを採用し
ているので、系外へのダスト飛散が殆どなくな
る。さらに系全体が乾式であるので、水処理装置
が不要となり、被処理含じんガスが高温の場合に
は、熱交換器などによる熱回収も可能になるなど
の効果を有している。

また本考案においては、ろ過材として耐熱性粒
塊状ろ過材を用いているので、集じん対象ガスが
高温であつても適用可能であり、さらにろ過材・
ダスト分離室として振動篩型を用いているので、
ダストの付着したろ過材の「ほぐし」を機械振動
により効率よく行うことができ、前述の特公昭33
−445号公報記載の装置のように、空気によつて
行う方式に比較して、不活性ガスの使用量が少量
で、効率よくダストとろ過材とを分離することが
できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のろ過集じん装置におけるダス
ト分離・除去装置の一実施例を示す系統図、第２
図は本考案の装置における振動篩型のろ過材・ダ
スト分離室の説明図である。 １…第一ろ過集じん装置、２…粒塊状ろ過材、
３…集じん層、４…気流入口、５…気流出口、６
…振動篩型のろ過材・ダスト分離室、７…第二集
じん装置、１０…含じんガスメインダクト、１１
…誘引フアン、１２…煙突、１３…熱交換器、１
４…誘引フアン、１９…循環ライン、２０…不活
性ガス供給装置、２１…不活性ガス冷却器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐熱性粒塊状ろ過材２を支持体間に移動可能に
   充填・保持させ、排ガスをろ過材の移動方向とほ
   ぼ直角方向に流すようにしてなるろ過集じん装置
   を第一ろ過集じん装置１とし、この第一ろ過集じ
   ん装置１の下部に、気流入口４および気流出口５
   を有する振動篩型のろ過材・ダスト分離室６を接
   続し、このろ過材・ダスト分離室の気流出口５に
   不活性ガス冷却器２１を介して第二集じん装置７
   を接続し、この第二集じん装置の清浄気流ダクト
   を前記ろ過材・ダスト分離室６の気流入口４に接
   続して循環ライン１９を形成し、この循環ライン
   に不活性ガス供給装置２０を接続したことを特徴
   とするろ過集じん装置におけるダスト分離・除去
   装置。