JP7513026B2 - 画像表示装置及び表示装置 - Google Patents

画像表示装置及び表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7513026B2
JP7513026B2 JP2021527421A JP2021527421A JP7513026B2 JP 7513026 B2 JP7513026 B2 JP 7513026B2 JP 2021527421 A JP2021527421 A JP 2021527421A JP 2021527421 A JP2021527421 A JP 2021527421A JP 7513026 B2 JP7513026 B2 JP 7513026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
display device
image
observer
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021527421A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020255562A1 (ja
Inventor
信宏 木原
克之 阿久津
大輔 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Sony Group Corp
Original Assignee
Sony Corp
Sony Group Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp, Sony Group Corp filed Critical Sony Corp
Publication of JPWO2020255562A1 publication Critical patent/JPWO2020255562A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7513026B2 publication Critical patent/JP7513026B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/017Head mounted
    • G02B27/0172Head mounted characterised by optical features
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/0816Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/101Scanning systems with both horizontal and vertical deflecting means, e.g. raster or XY scanners
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/017Head mounted
    • G02B27/0176Head mounted characterised by mechanical features
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/0149Head-up displays characterised by mechanical features
    • G02B2027/0154Head-up displays characterised by mechanical features with movable elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/0149Head-up displays characterised by mechanical features
    • G02B2027/0154Head-up displays characterised by mechanical features with movable elements
    • G02B2027/0159Head-up displays characterised by mechanical features with movable elements with mechanical means other than scaning means for positioning the whole image
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/0149Head-up displays characterised by mechanical features
    • G02B2027/0161Head-up displays characterised by mechanical features characterised by the relative positioning of the constitutive elements
    • G02B2027/0163Electric or electronic control thereof
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/017Head mounted
    • G02B27/0172Head mounted characterised by optical features
    • G02B2027/0174Head mounted characterised by optical features holographic
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/017Head mounted
    • G02B2027/0178Eyeglass type
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N13/00Stereoscopic video systems; Multi-view video systems; Details thereof
    • H04N13/30Image reproducers
    • H04N13/332Displays for viewing with the aid of special glasses or head-mounted displays [HMD]
    • H04N13/344Displays for viewing with the aid of special glasses or head-mounted displays [HMD] with head-mounted left-right displays

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)

Description

本開示は、画像表示装置及び表示装置に関し、より具体的には、例えば頭部装着型ディスプレイ(HMD,Head Mounted Display)として用いることができる表示装置、及び、係る表示装置での使用に適した画像表示装置に関する。
直接、画像(光束)を観察者の網膜に投影することにより画像を表示する、マクスウェル視に基づく網膜投影型ディスプレイ、具体的には、網膜投影型ヘッドマウントディスプレイ(以下、『網膜投影型HMD』と略称する場合がある)が周知である。ところで、このような網膜投影型HMDにおいては、瞳孔に光の収束点を位置させる必要がある。然るに、人間の瞳孔径は、明環境で2mm、暗環境で7mmと、その範囲が非常に狭い。従って、眼球の動き(主に眼球の回転運動)に網膜投影型HMDが追従できないと、画像(光束)が観察者の瞳孔から外れてしまい、画像が正しく観察し続けられないといった問題がある。
網膜投射型HMDにおいて接眼光学系を移動させる技術が、例えば、特開2009-294605号公報から周知である。具体的には、この特許公開公報に開示された走査型表示装置は、例えば、その図3に示されているように、
光源101、
光源101からの光束を走査する走査ユニット104、
走査ユニット104からの光束を集光する走査光学系105、及び、
走査光学系105からの光束を観察者の眼が配置される射出瞳に導く接眼光学系106、
を有しており、
走査光学系105から接眼光学系106に進む光束はテレセントリック性を有しており、
接眼光学系106は、走査光学系105からの光束を射出瞳に向けて反射する第1の反射面106cを有しており、
接眼光学系106を、走査光学系105及び走査ユニット104に対して走査光学系105から接眼光学系106への光束の進行方向に沿った方向に移動可能とする第1の機構110を有する。
また、水平方向にのみ射出瞳107を移動させるだけでなく、特開2009-294605号公報の図10に示す光学系を用いて、垂直方向にも射出瞳107を移動させることもできる。
この特許公開公報に開示された走査型表示装置にあっては、観察者の瞳孔中心線(z軸とする)に垂直な仮想平面(水平方向をx軸、垂直方向をy軸とする)内に走査光学系105の主たる部分及び第1の反射面106cが配置されている。そして、第1の反射面106cは、走査光学系105からの光線を、90度、曲げて、観察者の眼に入射させる。第1の反射面106cはxy平面内を移動する。また、第1の反射面106cの移動に応じて可動光学系としての集光光学系102をその光軸方向に移動させることで、光源ユニット101からの光束の像点位置を移動させる。
特開2009-294605号公報
ところで、上記の特許公開公報に開示された走査型表示装置において、第1の反射面106cは、走査光学系105からの光線を、90度、曲げて、観察者の眼に入射させる。従って、第1の反射面106cをxz平面に正射したときの接眼光学系106の厚さが厚くなり、接眼光学系106の小型化が困難である。このような小型化が困難であるということは、頭部装着型ディスプレイの実用上、デザインを含め大きな障害となる。また、可動部である第1の反射面106cを小さくすることができないので、高速の眼球運動に第1の反射面106cを追従させることが現実的には困難であるし、接眼光学系106を移動させるための消費電力の低減も困難である。
従って、本開示の目的は、小型、軽量化を図り得る画像表示装置、及び、係る表示装置での使用に適した画像表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る画像表示装置は、
画像形成装置、
観察者の顔面前方に配置される光学素子、及び、
移動制御装置、
を備えており、
光学素子を基準として観察者の耳側の領域を光学素子後方領域と称するとき、
画像形成装置は、光学素子後方領域に配置されており、
画像形成装置から出射された画像は、光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子において反射され、観察者の瞳孔に到達する。
そして、本開示の第1の態様に係る画像表示装置にあっては、観察者の瞳孔の位置が変化したとき、移動制御装置によって光学素子を移動させ、且つ、移動制御装置によって画像形成装置から出射される画像の位置を制御する。また、本開示の第2の態様に係る画像表示装置にあっては、観察者の瞳孔の位置が変化したとき、移動制御装置によって画像形成装置を移動させる。
上記の目的を達成するための本開示の表示装置は、
観察者に装着されるフレーム、及び、
フレームに取り付けられた画像表示装置、
を備えており、
画像表示装置は、本開示の第1の態様に係る画像表示装置、あるいは、本開示の第2の態様に係る画像表示装置、あるいは、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る画像表示装置の組合せから構成されている。
図1は、実施例1の表示装置を正面から眺めた模式図である。 図2A及び図2Bは、それぞれ、実施例1の表示装置を観察者の上方から眺めた概念図、及び、x軸とX軸の関係を説明するための図である。 図3A及び図3Bは、実施例1の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を上方から眺めた概念図である。 図4A及び図4Bは、図3Bに引き続き、実施例1の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を上方から眺めた概念図である。 図5A及び図5Bは、実施例1の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を上方から眺めた概念図である。 図6A及び図6Bは、図5Bに引き続き、実施例1の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を上方から眺めた概念図である。 図7は、実施例2の表示装置を正面から眺めた模式図である。 図8A及び図8Bは、実施例2の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を横方向から眺めた概念図である。 図9A及び図9Bは、図8Bに引き続き、実施例2の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を横方向から眺めた概念図である。 図10は、実施例2の表示装置の変形例を正面から眺めた模式図である。 図11は、実施例3の表示装置を正面から眺めた模式図である。 図12A及び図12Bは、実施例3の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を上方から眺めた概念図である。 図13は、実施例4の表示装置を正面から眺めた模式図である。 図14A及び図14Bは、実施例4の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を横方向から眺めた概念図である。 図15A及び図15Bは、実施例6及び実施例7の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を横方向から眺めた概念図である。 図16A、図16B及び図16Cは、実施例7の画像形成装置を構成する集光部材を説明するための原理図である。 図17は、実施例8の表示装置を構成する画像表示装置の概念図である。 図18は、実施例9の表示装置を観察者の上方から眺めた概念図である。 図19は、実施例1の表示装置の変形例を観察者の上方から眺めた概念図である。 図20A及び図20Bは、画像形成装置の変形例の概念図である。 図21は、ホログラム回折格子の一部を拡大して示す模式的な断面図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様~第2の態様に係る画像表示装置、及び、本開示の表示装置、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様に係る画像表示装置、及び、本開示の表示装置)
3.実施例2(実施例1の変形)
4.実施例3(本開示の第2の態様に係る画像表示装置、及び、本開示の表示装置)
5.実施例4(実施例3の変形)
6.実施例5(実施例1と実施例4との組合せ)
7.実施例6(実施例5の変形)
8.実施例7(実施例6の変形)
9.実施例8(実施例6の別の変形)
10.実施例9(実施例1~実施例8の変形)
11.その他
〈本開示の第1の態様~第2の態様に係る画像表示装置、及び、本開示の表示装置、全般に関する説明〉
本開示の第1の態様に係る画像表示装置あるいは本開示の表示装置を構成する本開示の第1の態様に係る画像表示装置(以下、これらを総称して、『本開示の第1の態様に係る画像表示装置等』と呼ぶ場合がある)にあっては、観察者の瞳孔の位置の水平方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって光学素子を移動させる形態とすることができる。尚、光学素子のこのような移動を、便宜上、『光学素子の水平方向の移動』と呼ぶ場合がある。
そして、このような好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る画像表示装置等にあっては、観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって画像形成装置を移動させる構成とすることができる。尚、移動制御装置のこのような移動を、便宜上、『移動制御装置の垂直方向の移動』と呼ぶ場合がある。そして、この場合、
画像形成装置は、画像形成装置から出射された画像が通過する4F光学系を備えており、
観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって4F光学系を移動させる構成とすることができるし、あるいは又、
画像形成装置は、画像形成装置から出射された画像を反射させる反射鏡を備えており、
移動制御装置によって反射鏡の光反射角度を変える構成とすることができる。
あるいは又、上記の好ましい形態を含む本開示の第1の態様に係る画像表示装置等にあっては、観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって光学素子を移動させる形態とすることができる。尚、光学素子のこのような移動を、便宜上、『光学素子の垂直方向の移動』と呼ぶ場合がある。
ここで、主に観察者の眼球の回転運動に起因して、瞳孔の位置の水平方向に沿った変化、瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化、あるいは、瞳孔の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化が生じる。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様に係る画像表示装置等において、光学素子は反射型のホログラム回折格子から成る構成とすることができ、この場合、反射型のホログラム回折格子は集光機能を有する構成とすることができる。即ち、反射型のホログラム回折格子は凹面鏡としての機能を有する構成とすることができる。あるいは又、光学素子は凹面鏡から成る構成とすることができる。そして、更には、これらの好ましい構成において、画像形成装置から出射された光線はテレセントリックな状態で光学素子に入射する構成とすることができ、これによって、各種の収差を小さくすることができるし、光学素子の移動に伴う画像の大きさの変化を抑制することができる。あるいは又、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様に係る画像表示装置等において、光学素子は、画像形成装置から出射された画像が通過する正の光学的パワーを有するレンズ、及び、平面反射鏡から成る構成とすることができる。
あるいは又、本開示の第1の態様に係る画像表示装置等にあっては、観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応して、移動制御装置によって光学素子を回転させる形態とすることができる。あるいは又、本開示の第1の態様に係る画像表示装置等にあっては、観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応して、移動制御装置によって光学素子の配置角度を変える形態とすることもできる。尚、これらの場合、観察者の瞳孔の位置の水平方向に沿った変化に対しては、移動制御装置によって光学素子を水平方向に移動させればよい。
本開示の第2の態様に係る画像表示装置あるいは本開示の表示装置を構成する本開示の第2の態様に係る画像表示装置(以下、これらを総称して、『本開示の第2の態様に係る画像表示装置等』と呼ぶ場合がある)において、光学素子は反射型のホログラム回折格子から成る構成とすることができ、この場合、反射型のホログラム回折格子は集光機能を有する構成とすることができ、更には、画像形成装置から出射された光線はテレセントリックな状態で光学素子に入射する構成とすることができ、これによって、各種の収差を小さくすることができるし、光学素子の移動に伴う画像の大きさの変化を抑制することができる。
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様~第2の態様に係る画像表示装置等において、画像形成装置は分散補償素子を備えている形態とすることができる。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の表示装置は、右眼用画像表示装置及び左眼用画像表示装置を備えている形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の表示装置は、観察者の頭部に装着される形態とすることができる。即ち、本開示の表示装置は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD, Head Mounted Display)である形態、より具体的には、マクスウェル視に基づく網膜投影型HMDである形態とすることができる。
移動制御装置は、駆動手段を備えており、場合によっては、更に、画像形成装置から出射される画像の位置を制御する位置制御回路を備えている。駆動手段は、例えば、駆動装置及びスライドバーから構成される。画像形成装置から出射される画像の位置を移動制御装置によって制御するが、具体的には、例えば、移動制御装置を構成する位置制御回路からの制御信号に基づき、画像形成装置から出射される画像の位置(即ち、画像形成装置において形成される画像の位置、あるいは又、後述する走査手段から出射される画像の領域)を移動させればよい。画像形成装置から出射される画像の位置の移動量、画像形成装置から出射される画像の投影領域の変化量は、表示装置が右眼用画像表示装置及び左眼用画像表示装置を備えている形態にあっては、視差量、あるいは、表示される3次元の立体像の奥行き等にも依存する。
反射型のホログラム回折格子は、周知の構成、構造とすることができる。ホログラム回折格子を用いることで画像表示装置を半透過(シースルー)型とすることができ、これによって、光学素子を介して外景を眺めることができる。凹面鏡や平面反射鏡、フレネル反射鏡から光学素子を構成する場合、凹面鏡や平面反射鏡、フレネル反射鏡を構成する透明な部材(便宜上、『基部』と呼ぶ場合がある)の光反射面に特定の波長の光を反射させる光反射膜を形成することで凹面鏡や平面反射鏡、フレネル反射鏡を得ることができ、凹面鏡や平面反射鏡、フレネル反射鏡を介して外景を眺めることができる。
ホログラム回折格子の一部を拡大して示す模式的な断面図を図21に示すように、ホログラム回折格子には、傾斜角(スラント角)φを有する干渉縞が形成されている。傾斜角φとは、ホログラム回折格子の表面と干渉縞の成す角度を指す。干渉縞は、ホログラム回折格子の内部から表面に亙り、形成されている。干渉縞はブラッグ条件を満たしている。ブラッグ条件とは、以下の式(A)を満足する条件を指す。式(A)中、mは正の整数、λは波長、dは格子面のピッチ(干渉縞を含む仮想平面の法線方向の間隔)、Θは干渉縞へ入射する角度の余角を意味する。また、入射角ψにてホログラム回折格子に光が侵入した場合の、Θ、傾斜角φ、入射角ψの関係は、式(B)のとおりである。
m・λ=2・d・sin(Θ) (A)
Θ=90°-(φ+ψ) (B)
傾斜角(スラント角)φ及びピッチ(d)の最適化を図ることで、ホログラム回折格子に集光機能を付与することができる。ホログラム回折格子の構成材料として、フォトポリマー材料を挙げることができる。ホログラム回折格子の構成材料や基本的な構造は、従来のホログラム回折格子の構成材料や構造と同じとすればよい。ホログラム回折格子には、その内部から表面に亙り干渉縞が形成されているが、係る干渉縞それ自体の形成方法は、従来の形成方法と同じとすればよい。
光学素子は基材に取り付ければよいし、あるいは又、基材の表面に光学素子を形成してもよい。基材あるいは基部を構成する材料としてプラスチック材料やガラスを挙げることができる。具体的には、透明なプラスチック材料から基材あるいは基部を構成する場合、プラスチック材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のセルロースエステル、ポリフッ化ビニリデンあるいはポリテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等のフッ素ポリマー、ポリオキシメチレン等のポリエーテル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン、ポリアミドイミドあるいはポリエーテルイミド等のポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、テトラアセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、ポリアリレート、ポリスルフォン等を挙げることができる。ガラスから基材あるいは基部を構成する場合、ガラスとして、ソーダライムガラス、白板ガラス等の透明なガラスを挙げることができる。基材あるいは基部の外面に、有機/無機混合層から成るハードコート層や、フッ素系樹脂から成る反射防止膜を形成してもよい。基材はフレームを構成するフロント部に取り付けられるが、基材を駆動手段を介してフロント部に取り付けてもよいし、基材をフロント部に直接取り付けてもよい。
通常の反射光学素子と異なり、ホログラム回折格子は、正反射以外の光(入射角と反射角が異なる光)の光路を、適宜、選択することができる光学素子である。従って、観察者の顔面に沿って光学素子を高い自由度で配置することができ、観察者の眼前に省スペースで配置するのに好適である。また、ホログラム回折格子は極めて薄い光学素子であり、小型・軽量化に有利である。そして、ホログラム回折格子を使用すると、外界から入ってくる光線に影響を与えることなく、バーチャルな画像を表示することができる。これは、ホログラム回折格子の有する波長選択性及び角度選択性といった2つの特徴に基づく。ホログラム回折格子の波長選択性とは、特定の波長の光を回折して方向を変えることができる特性である。画像形成装置における光源として比較的波長帯域の狭い発光ダイオード(LED)又は半導体レーザ素子を使用し、ホログラム回折格子が光源からの所定の波長を有する光だけを回折するように設計すれば、光源からの光の波長帯域は外界からの光の極一部であるので、外界からの光はホログラム回折格子の影響を殆ど受けない。また、ホログラム回折格子の角度選択性とは、特定の角度から入射する光だけを回折する特性である。ホログラム回折格子は、光学素子後方領域から入射した光だけを角度選択性に基づき回折する。従って、観察者の瞳孔に入射する外界からの光は、ホログラム回折格子の影響を受けない。このように、波長選択性及び角度選択性に基づき、シースルー型の頭部装着型ディスプレイにとって好適な特性を得ることができる。
観察者の瞳孔中心線(Pupillary Axis)をz軸とし、z軸と直交する水平軸をx軸、z軸及びx軸と直交する垂直軸をy軸とし、xz平面内においてx軸と鋭角θ0(0度を含む)で交わる水平軸をX軸、xz平面内においてX軸と直交する垂直軸をZ軸、X軸及びZ軸と直交する垂直軸をY軸とする。Y軸は、yz平面に対して鋭角η0を成していてもよい。尚、瞳孔中心線とは、眼球の入射瞳中心を通り、角膜表面に垂直な直線で定義される(参照:http://www.visionsociety.jp/vision/koumokuPDF/04lecture/L1989.01.01.pdf)。本開示の第1の態様に係る画像表示装置等において、観察者の瞳孔の位置が変化したとき、移動制御装置によって光学素子を移動させるが、光学素子はXY平面内を移動するとする。θ0の値として、限定するものではないが、
-5(度)≦θ0≦5(度)
を例示することができる。画像形成装置から出射された画像は光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子から出射するが、画像形成装置において形成された画像の中心部から出射された光線(『画像中心部光線』と呼ぶ)が光学素子に入射し(入射光線と呼ぶ)、光学素子から出射するとき(出射光線と呼ぶ)、入射光線と出射光線との成す角度θ1として、限定するものではないが、
45(度)≦θ1≦80(度)
を例示することができる。
本開示の表示装置において、フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部、及び、ノーズパッドを備えている。各テンプル部の先端部にはモダン部が取り付けられている。フレーム(リム部を含む)及びノーズパッドの組立体は、通常の眼鏡と略同じ構造を有する。ノーズパッドも周知の構成、構造とすることができる。また、フロント部と2つのテンプル部とが一体となった構成とすることもできる。即ち、本開示の表示装置の全体を眺めたとき、フレームは、概ね通常の眼鏡と略同じ構造を有する。ノーズパッドを含むフレームを構成する材料は、金属や合金、プラスチック、これらの組合せといった、通常の眼鏡を構成する材料と同じ材料から構成することができる。
移動制御装置は駆動手段から構成されており、例えば、駆動手段は、第1駆動装置及び第1スライドバーから構成されており、第2駆動装置及び第2スライドバーから構成されている。例えば、水平方向に延びる第1スライドバーを第1駆動装置に滑動自在に取り付け、第1駆動装置をフロント部の上部又は下部に固定し、第1スライドバーに光学素子(具体的には、基体)を固定すればよい。そして、第1駆動装置を駆動することで第1スライドバーを第1駆動装置に対して滑動させれば、第1スライドバーに固定された光学素子を水平方向に移動させることができる。同様に、垂直方向に延びる第2スライドバーを第2駆動装置に滑動自在に取り付け、第2駆動装置をフロント部の耳側の部分に固定し、第2スライドバーに光学素子(具体的には、基体)を固定すればよい。そして、第2駆動装置を駆動することで第2スライドバーを第2駆動装置に対して滑動させれば、第2スライドバーに固定された光学素子を垂直方向に移動させることができる。あるいは又、水平方向に延びる第2スライドバーを第2駆動装置に滑動自在に取り付け、第2駆動装置をフロント部の耳側の部分に固定し、第2スライドバーに画像形成装置の全体あるいは画像形成装置の一部を固定すればよい。そして、第2駆動装置を駆動することで第2スライドバーを第2駆動装置に対して滑動させれば、第2スライドバーに固定された画像形成装置の全体あるいは画像形成装置の一部を水平方向に移動させることができる。同様に、垂直方向に延びる第2スライドバーを第2駆動装置に滑動自在に取り付け、第2駆動装置をフロント部の耳側の部分に固定し、第2スライドバーに画像形成装置の全体あるいは画像形成装置の一部を固定すればよい。そして、第2駆動装置を駆動することで第2スライドバーを第2駆動装置に対して滑動させれば、第2スライドバーに固定された画像形成装置の全体あるいは画像形成装置の一部を垂直方向に移動させることができる。駆動装置とスライドバーとの組合せとして、モータとラック・アンド・ピニオン機構との組合せ、モータとボールネジ機構との組合せを例示することができる。あるいは又、駆動手段をリニアアクチュエータから構成することもできる。
観察者の瞳孔の位置を検出するための瞳孔位置検出手段をフロント部に取り付けることが好ましい。瞳孔位置検出手段は、例えば、赤外線を出射する光出射部、及び、観察者の瞳孔によって反射された赤外線を受光する受光部あるいは撮像素子を備えた構成とすることができるし、あるいは又、瞳孔位置検出手段を、観察者の瞳孔を撮像する撮像素子から構成することもできる。
以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様~第2の態様に係る画像表示装置等において、画像形成装置は、2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する形態とすることができる。このような画像形成装置の構成を、便宜上、『第1構成の画像形成装置』と呼ぶ。
第1構成の画像形成装置として、例えば、反射型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置;透過型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置;有機EL(Electro Luminescence)、無機EL、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ素子等の発光素子から構成された画像形成装置を挙げることができるが、中でも、有機EL発光素子から構成された画像形成装置(有機EL表示装置)、反射型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置とすることが好ましい。空間光変調装置として、ライト・バルブ、例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等の透過型あるいは反射型の液晶表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を挙げることができ、光源として発光素子を挙げることができる。更には、反射型空間光変調装置は、液晶表示装置、及び、光源からの光の一部を反射して液晶表示装置へと導き、且つ、液晶表示装置によって反射された光の一部を通過させて光学素子へと導く偏光ビームスプリッターから成る構成とすることができる。光源を構成する発光素子として、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子を挙げることができる。あるいは又、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子から出射された赤色光、緑色光及び青色光をライトパイプを用いて混色、輝度均一化を行うことで白色光を得てもよい。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。画素の数は、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、1024×768、1920×1080等を例示することができる。第1構成の画像形成装置にあっては、集光部材(後述する)の前方焦点(画像形成装置側の焦点)の位置に絞りが配置されている形態とすることができる。
あるいは又、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様~第2の態様に係る画像表示装置等において、画像形成装置は、光源、及び、光源から出射された光を走査して画像を形成する走査手段を備えている形態とすることができる。このような画像形成装置を、便宜上、『第2構成の画像形成装置』と呼ぶ。
第2構成の画像形成装置における光源として発光素子を挙げることができ、具体的には、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子を挙げることができるし、あるいは又、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子から出射された赤色光、緑色光及び青色光をライトパイプを用いて混色、輝度均一化を行うことで白色光を得てもよい。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。第2構成の画像形成装置における画素(仮想の画素)の数も、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素(仮想の画素)の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、1024×768、1920×1080等を例示することができる。また、カラーの画像表示を行う場合であって、光源を赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子から構成する場合、例えば、クロスプリズムを用いて色合成を行うことができる。走査手段として、光源から出射された光を水平走査及び垂直走査する、例えば、二次元方向に回転可能なマイクロミラーを有するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーやガルバノ・ミラーを挙げることができる。第2構成の画像形成装置にあっては、集光部材(後述する)の前方焦点(画像形成装置側の焦点)の位置にMEMSミラーやガルバノ・ミラーが配置されている形態とすることができる。
第1構成の画像形成装置あるいは第2構成の画像形成装置において、例えば、集光部材(出射光を平行光とする光学系)にて平行光とされた光を光学素子に入射させるが、このように平行光とすることで、画像をテレセントリックな状態で光学素子に入射させることができる。平行光を生成させるためには、具体的には、例えば、集光部材における焦点距離の所(位置)に画像形成装置の光出射部を位置させればよい。集光部材として、凸レンズ、凹レンズ、自由曲面プリズム、ホログラムレンズを、単独、若しくは、組み合わせた、全体として正の光学的パワーを持つ光学系を例示することができる。集光部材と光学素子との間には、集光部材から不所望の光が出射されて光学素子に入射しないように、開口部を有する遮光部を、集光部材の近傍に配置してもよい。
以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の表示装置にあっては、画像形成装置において画像を表示するための信号を外部(表示装置の系外)から受け取る形態とすることができる。このような形態にあっては、画像形成装置において表示する画像に関する情報やデータは、例えば、所謂クラウドコンピュータやサーバーに記録、保管、保存されており、画像表示装置が通信手段、例えば、電話回線や光回線、携帯電話機、スマートフォンを備えることによって、あるいは又、画像表示装置と通信手段とを組み合わせることによって、クラウドコンピュータやサーバーと画像表示装置との間での各種情報やデータの授受、交換を行うことができるし、各種情報やデータに基づく信号、即ち、画像形成装置において画像を表示するための信号を受け取ることができる。あるいは又、画像形成装置において画像を表示するための信号は画像表示装置に記憶されている形態とすることができる。画像形成装置において表示される画像には、各種情報や各種データが含まれる。ウエアラブル・デバイスとしての画像表示装置はカメラ(撮像装置)を備えている形態とすることもでき、カメラによって撮像された画像を通信手段を介してクラウドコンピュータやサーバーに送出し、クラウドコンピュータやサーバーにおいてカメラによって撮像された画像に該当する各種情報やデータを検索し、検索された各種情報やデータを通信手段を介して画像表示装置に送出し、検索された各種情報やデータを画像形成装置において画像を表示してもよい。
以上に説明した種々の形態、構成を含む本開示の表示装置は、例えば、インターネット上の種々のサイトにおける各種情報等の表示、各種装置等の観察対象物の運転、操作、保守、分解時等における各種説明や、記号、符号、印、標章、図案等の表示;人物や物品等の観察対象物に関する各種説明や、記号、符号、印、標章、図案等の表示;動画や静止画の表示;映画等の字幕の表示;映像に同期した映像に関する説明文やクローズド・キャプションの表示;芝居や歌舞伎、能、狂言、オペラ、音楽会、バレー、各種演劇、遊園地(アミューズメントパーク)、美術館、観光地、行楽地、観光案内等における観察対象物に関する各種説明、その内容や進行状況、背景等を説明するための説明文等の表示に用いることができるし、クローズド・キャプションの表示に用いることができる。芝居や歌舞伎、能、狂言、オペラ、音楽会、バレー、各種演劇、遊園地(アミューズメントパーク)、美術館、観光地、行楽地、観光案内等にあっては、適切なタイミングで観察対象物に関連した画像としての文字を画像形成装置において表示すればよい。具体的には、例えば、映画等の進行状況に応じて、あるいは又、芝居等の進行状況に応じて、所定のスケジュール、時間配分に基づき、作業者の操作によって、あるいは、コンピュータ等の制御下、画像制御信号が画像形成装置に送出され、画像が画像形成装置にて表示される。また、各種装置、人物や物品等の観察対象物に関する各種説明の表示を行うが、カメラによって各種装置、人物や物品等の観察対象物を撮影(撮像)し、画像形成装置において撮影(撮像)内容を解析することで、予め作成しておいた各種装置、人物や物品等の観察対象物に関する各種説明の表示を画像形成装置にて行うことができる。
以下、実施例に基づき、本開示の画像表示装置及び表示装置を説明するが、各実施例の概要を以下の表1に纏めた。
〈表1〉
Figure 0007513026000001
実施例1は、本開示の第1の態様に係る画像表示装置、及び、本開示の表示装置に関する。実施例1の表示装置を正面から眺めた模式図を図1に示し、観察者の上方から眺めた概念図を図2Aに示す。また、実施例1の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を上方から眺めた概念図を、図3A、図3B、図4A、図4B、図5A、図5B、図6A及び図6Bに示す。
実施例1あるいは後述する実施例3の表示装置は、
観察者80に装着されるフレーム10、及び、
フレーム10に取り付けられた画像表示装置、
を備えており、
画像表示装置は、次に述べる実施例1あるいは後述する実施例3の画像表示装置20から構成されている。そして、実施例1あるいは後述する実施例3の表示装置は、右眼用画像表示装置20R及び左眼用画像表示装置20Lを備えており、観察者80の頭部に装着され、ヘッドマウントディスプレイ(HMD, Head Mounted Display)であり、より具体的には、マクスウェル視に基づく網膜投影型HMDである。
また、実施例1あるいは後述する実施例3の画像表示装置20は、
画像形成装置30、
観察者80の顔面前方に配置される光学素子40、及び、
移動制御装置、
を備えており、
光学素子40を基準として観察者80の耳側の領域85を光学素子後方領域と称するとき、
画像形成装置30は、光学素子後方領域に配置されており、
画像形成装置30から出射された画像は、光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射し、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82に到達する。
そして、観察者80の瞳孔82の位置が変化したとき(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して瞳孔82の位置が変化したとき)、移動制御装置によって光学素子40を移動させ、且つ、移動制御装置によって画像形成装置30から出射される画像の位置を制御する。
実施例1あるいは後述する実施例3の画像表示装置20において、フレーム10は、観察者80の正面に配置されるフロント部11、フロント部11の両端に蝶番(図示せず)を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部12、及び、ノーズパッド(図示せず)を備えている。各テンプル部12の先端部にはモダン部(図示せず)が取り付けられている。フレーム10及びノーズパッドの組立体は、通常の眼鏡と略同じ構造を有する。尚、フロント部11と2つのテンプル部12とが一体となった構成とすることもできる。
実施例1あるいは後述する実施例3の画像表示装置20において、光学素子40は反射型のホログラム回折格子から成る。反射型のホログラム回折格子は集光機能を有する。即ち、反射型のホログラム回折格子は凹面鏡としての機能を有する。光学素子40としてホログラム回折格子を用いることで、画像表示装置20を半透過(シースルー)型とすることができ、これによって、光学素子40を介して外景を眺めることができる。光学素子40は、プラスチック材料やガラスから成る基材41に取り付けられている(具体的には、貼り合わされている)。また、画像形成装置30から出射された光線は、テレセントリックな状態で光学素子40に入射する。更には、画像形成装置30は、画像形成装置30から出射された画像が通過する正の光学的パワーを有する集光部材34を備えている。
移動制御装置は、駆動手段を備えており、更に、画像形成装置から出射される画像の位置を制御する位置制御回路(図示せず)を備えている。
即ち、実施例1の移動制御装置50Aにおいて、駆動手段は、具体的には、第1駆動装置51及び第1スライドバー52から構成されている。また、移動制御装置50Aによって画像形成装置から出射される画像の位置を制御するが、具体的には、位置制御回路からの制御信号に基づき、画像形成装置30から出射される画像の位置を移動させる。
具体的には、水平方向に延びる第1スライドバー52を第1駆動装置51に滑動自在に取り付け、第1駆動装置51をフロント部11の上部又は下部(図示した例では上部)に固定し、取付け部材53を介して第1スライドバー52に光学素子40を固定すればよい。ここで、光学素子40は基体41に貼り合わされており、取付け部材53に基体41を固定すればよい。そして、第1駆動装置51を駆動することで第1スライドバー52を第1駆動装置51に対して滑動させれば、第1スライドバー52に固定された光学素子40を水平方向に移動させることができる。第1駆動装置51と第1スライドバー52との組合せとして、あるいは又、以下に説明する駆動装置とスライドバーとの組合せとして、モータとラック・アンド・ピニオン機構との組合せ、モータとボールネジ機構との組合せを例示することができるし、駆動手段をリニアアクチュエータから構成することもできる。
実施例1あるいは後述する実施例3の画像形成装置30は、限定するものではないが、光源31R,31G,31B、及び、光源31R,31G,31Bから出射された光を走査して画像を形成する走査手段32を備えている第2構成の画像形成装置から構成されている。
画像形成装置30における光源31R,31G,31Bとして発光素子を挙げることができ、具体的には、赤色発光素子31R、緑色発光素子31G及び青色発光素子31Bを挙げることができる。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。走査手段32は、例えば、光源31R,31G,31Bから出射された光を水平走査及び垂直走査する、二次元方向に回転可能なマイクロミラーから成るMEMSミラーから構成されている。画像形成装置30にあっては、集光部材34の前方焦点(画像形成装置側の焦点)の位置にMEMSミラーが配置されている。光源31R,31G,31B及び走査手段32は筐体33に格納されており、筐体33は、例えば、テンプル部12に取り付けられている。
観察者80の瞳孔82の位置を検出するための瞳孔位置検出手段90がフロント部11の下部に取り付けられている。瞳孔位置検出手段90は、例えば、赤外線を出射する光出射部、及び、観察者80の瞳孔82によって反射された赤外線を受光する受光部あるいは撮像素子を備えた構成とすることができるし、あるいは又、瞳孔位置検出手段90を、観察者80の瞳孔82を撮像する撮像素子から構成することもできる。
実施例1あるいは後述する実施例3の画像形成装置30にあっては、集光部材34(出射光を平行光とする光学系)にて平行光とされた光を光学素子40に入射させるが、このように平行光とすることで、画像をテレセントリックな状態で光学素子40に入射させることができる。平行光を生成させるためには、集光部材34として、凸レンズ、凹レンズ、自由曲面プリズム、ホログラムレンズを、単独、若しくは、組み合わせた、全体として正の光学的パワーを持つ光学系を例示することができる。尚、図面においては、集光部材34が1枚のレンズから構成されているように図示しているが、このように、複数のレンズや、レンズとプリズムとの組合せから集光部材34を構成することもできる。
実施例1にあっては、観察者80の瞳孔82の位置が変化したとき、移動制御装置50Aによって光学素子40を移動させるが、光学素子40はXY平面内を移動するとする。そして、前述したθ0(図2B参照)の値として、限定するものではないが、
-5(度)≦θ0≦5(度)
具体的には、
θ0=0度
を例示することができ、この場合、前述したx軸とX軸は一致しており、前述したy軸とY軸は一致しており、前述したz軸とZ軸は一致している。画像形成装置30から出射された画像は光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射するが、光学素子40への入射光線と光学素子40からの出射光線の成す角度θ1(図3参照)は、限定するものではないが、
45(度)≦θ1≦80(度)
具体的には、
θ1=55度
を例示することができる。
そして、実施例1の画像表示装置20にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化)に対応した方向に、移動制御装置50Aによって光学素子40を移動させる。即ち、移動制御装置50Aによって光学素子40を水平方向に移動させる。
以下、図3A、図3B、図4A、図4B、図5A、図5B、図6A及び図6Bを参照して、光学素子等の動きを説明する。尚、図3A、図3B、図4B、図5A、図5B、図6B、図8A、図8B、図9B、図12B、図14B及び図15Bにおいて、画像形成装置が出射し得る画像の最大領域を一点鎖線で示し、画像形成装置が出射する画像の領域を点線で示し、画像中心部光線を実線のLC、LC’あるいはLC”で示す。
図3Aに示すように、走査手段32から出射され、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射し、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達している。尚、走査手段32からの出射光(画像)を、実線及び点線で示す。実線で示した光線LCは、画像形成装置において形成された画像の中心部から出射された光線を示し、前述したとおり、光線LCを画像中心部光線と呼ぶ。また、光学素子40の中心点を「O」で示す。画像中心部光線LCは光学素子40の中心点Oに入射している。ここで、光学素子40の中心点は、光学素子40の光軸と光学素子40との交点である。
次に、図3Bに示すように、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化)が生じたとする。図示した例では、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化は、観察者80の鼻方向への眼球81の回転運動である。これによって、光の収束点が瞳孔の中心部CPから外れてしまう。尚、図面において、観察者80の鼻を、参照番号83で示す。
それ故、図4Aに示すように、移動制御装置50Aによって光学素子40を水平方向(図示した例ではX軸方向であって、観察者80の鼻に向かう方向)に移動させる。この状態では、走査手段32から出射され、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子40において反射されるが、画像中心部光線LCは観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達していない。画像中心部光線を観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達させるためには、画像中心部光線LCを画像中心部光線LC’に移動させる必要がある。
そこで、移動制御装置50Aによって画像形成装置30から出射される画像の位置を制御する。具体的には、移動制御装置50Aを構成する位置制御回路からの制御信号に基づき、画像形成装置30から出射される画像の位置を移動させる。即ち、図4Bに示すように、画像形成装置において形成される画像を、画像中心部光線LC’が光学素子40の中心点Oに入射するように、移動制御装置50Aを構成する位置制御回路からの制御信号に基づき移動させる。これによって、画像中心部光線LCは画像中心部光線LC’と一致する。より具体的には、表示すべき画像の大きさよりも広い領域を走査手段32が走査可能であるように走査手段32を設計しておく。上述したとおり、画像形成装置が出射し得る画像の最大領域を一点鎖線で示す。また、画像形成装置が出射する画像の領域を点線で示す。そして、走査手段32が走査し得る領域の一部の領域を画像形成のために用いればよい。即ち、画像中心部光線LC’が光学素子40の中心点Oに入射するように、走査手段32から出射される画像の領域を移動させればよい。こうして、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射し、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達するようになる。
図5A、図5B、図6A及び図6Bに示す例では、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化は、眼球81の観察者の耳方向への回転運動である。この点を除き、図5A、図5B、図6A及び図6Bに関する説明は、図3A、図3B、図4A及び図4Bに関する説明と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
従来の技術と異なり、実施例1の画像表示装置において、画像形成装置は光学素子後方領域に配置されており、画像形成装置から出射された画像は光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子において反射され、観察者の瞳孔に到達し、観察者の瞳孔の位置が変化したとき、移動制御装置によって光学素子を移動させ、且つ、移動制御装置によって画像形成装置から出射される画像の位置を制御するので、画像表示装置の小型、軽量化を図ることができる。そして、画像表示装置の小型、軽量化を図ることができるが故に、観察者の瞳孔の素早い動きに画像表示装置が追従することができるし、光学素子の移動に必要とされるエネルギー(消費電力)の低減を図ることができるし、画像表示装置のデザインの高い自由度を得ることができる。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の表示装置を正面から眺めた模式図を図7に示し、実施例2の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を横方向から眺めた概念図を、図8A、図8B、図9A及び図9Bに示す。
実施例2の画像表示装置にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化)に対応した方向に、移動制御装置50Bによって光学素子40を移動させる。即ち、移動制御装置50Bによって光学素子40を垂直方向に移動させる。
移動制御装置50Bは、実施例1と同様に、駆動手段を備えており、更に、画像形成装置から出射される画像の位置を制御する位置制御回路(図示せず)を備えている。駆動手段は、具体的には、第2駆動装置54及び第2スライドバー55から構成されている。また、移動制御装置50Bによって画像形成装置から出射される画像の位置を制御するが、具体的には、位置制御回路からの制御信号に基づき、画像形成装置30から出射される画像の位置を移動させる。
より具体的には、垂直方向に延びる第2スライドバー55を第2駆動装置54に滑動自在に取り付け、第2駆動装置54をフロント部11の耳側の部分(具体的には、テンプル部12)に固定し、取付け部材56を介して第2スライドバー55に光学素子40(具体的には、基体41)を固定すればよい。そして、第2駆動装置54を駆動することで第2スライドバー55を第2駆動装置54に対して滑動させれば、第2スライドバー55に固定された光学素子40を垂直方向に移動させることができる。
以下、図8A、図8B、図9A及び図9Bを参照して、光学素子等の動きを説明する。
図8Aに示すように、走査手段32から出射され、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射し、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達している。画像中心部光線LCは光学素子40の中心点Oに入射している。
次に、図8Bに示すように、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化)が生じたとする。図示した例では、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化は、観察者80の頭頂方向への眼球81の回転運動である。これによって、光の収束点が瞳孔の中心部CPから外れてしまう。
それ故、図9Aに示すように、移動制御装置50Bによって光学素子40を垂直方向(図示した例ではY軸方向であって、観察者80の頭頂に向かう方向)に移動させる。この状態では、走査手段32から出射され、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子40において反射されるが、画像中心部光線LCは観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達していない。画像中心部光線を観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達させるためには、画像中心部光線LCを画像中心部光線LC’に移動させる必要がある。
そこで、移動制御装置50Bによって画像形成装置30から出射される画像の位置を制御する。具体的には、移動制御装置50Bを構成する位置制御回路からの制御信号に基づき、画像形成装置30から出射される画像の位置を移動させる。即ち、図9Bに示すように、画像形成装置において形成される画像を、画像中心部光線LC’が光学素子40の中心点Oに入射するように、移動制御装置50Bを構成する位置制御回路からの制御信号に基づき移動させる。これによって、画像中心部光線LCは画像中心部光線LC’と一致する。より具体的には、実施例1において説明したと同様に、表示すべき画像の大きさよりも広い領域を走査手段32が走査可能であるように走査手段32を設計しておく。そして、走査手段32が走査し得る領域の一部の領域を画像形成のために用いればよい。即ち、画像中心部光線LC’が光学素子40の中心点Oに入射するように、走査手段32から出射される画像の領域を移動させればよい。こうして、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射し、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達するようになる。
観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った下方への変化が生じた場合、移動方向が異なる点を除き、同様とすることができる。
実施例2の表示装置の変形例を正面から眺めた模式図を図10に示すが、この変形例にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化(具体的には、観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化)に対応した方向に、移動制御装置50A,50Bによって光学素子40を移動させる。即ち、移動制御装置50A,50Bによって光学素子40を水平方向及び垂直方向に移動させる。図10に示した表示装置にあっては、実施例1において説明した移動制御装置50Aと実施例2において説明した移動制御装置50Bとを組み合わせればよい。実施例1において説明した移動制御装置50Aにおける第1駆動装置51は、第1フロント部11Aに固定されている。第1フロント部11Aは第2フロント部11Bによって囲まれており、実施例2において説明した移動制御装置50Bにおける第2駆動装置54は第1フロント部11Bに固定されており、取付け部材56は第2フロント部11Bに固定されている。
実施例3は、本開示の第2の態様に係る画像表示装置、及び、本開示の第2の態様に係る画像表示装置を備えた本開示の表示装置に関する。実施例3の表示装置を正面から眺めた模式図を図11に示し、実施例3の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を上方から眺めた概念図を図12A及び図12Bに示す。
実施例3の画像表示装置20にあっては、観察者80の瞳孔82の位置が変化したとき(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化)に対応した方向に、移動制御装置50Cによって画像形成装置30を移動させる。また、実施例3の表示装置は、実施例3の画像表示装置20から構成されている。
具体的には、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化(即ち、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化)に対応した方向に、移動制御装置50Cによって画像形成装置30の全体を移動させる。即ち、移動制御装置50Cによって画像形成装置30の全体を水平方向に移動させる。
移動制御装置50Cは駆動手段を備えている。駆動手段は、第1駆動装置61及び第1スライドバー62から構成されている。具体的には、水平方向に延びる第1スライドバー62を第1駆動装置61に滑動自在に取り付け、第1駆動装置61をフロント部11の耳側の部分(あるいはテンプル部12)に固定し、取付け部材63を介して第1スライドバー62に画像形成装置30を固定すればよい。そして、第1駆動装置61を駆動することで第1スライドバー62を第1駆動装置61に対して滑動させれば、第1スライドバー62に固定された画像形成装置30を水平方向に移動させることができる。
光学素子40が貼り合わされた基体41は、フロント部11の内側に嵌め込まれている。
以下、図3A、図3B、図12A及び図12Bを参照して、画像形成装置等の動きを説明する。
図3Aに示したように、走査手段32から出射され、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射し、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達している。画像中心部光線LCは光学素子40の中心点Oに入射している。
次に、図3Bに示したように、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化)が生じたとする。図示した例では、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化は、観察者80の鼻方向への眼球81の回転運動である。これによって、光の収束点が瞳孔の中心部CPから外れてしまう。
それ故、図12Aに示すように、移動制御装置50Cによって画像形成装置30を水平方向(図示した例ではX軸方向であって、観察者80の鼻に向かう方向)に対応した方向に移動させる。画像中心部光線を観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達させるためには、画像中心部光線LCを画像中心部光線LC’に移動させればよい。集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達する。この状態を図12Bに示す。尚、画像形成装置30の移動は、画像形成装置30の全体、即ち、光源31R,31G,31B、走査手段32、筐体33及び集光部材34の移動である。以上のとおり、移動制御装置50Cによって画像形成装置30から出射される画像の位置制御が行われる。但し、実施例1~実施例2と異なり、画像形成装置30の全体の移動であるが故に、制御信号に基づく画像形成装置30から出射される画像の位置の移動は不要である。
観察者80の瞳孔82の位置の耳側への変化が生じた場合、移動方向が異なる点を除き、同様とすることができる。
従来の技術と異なり、実施例3の画像表示装置において、画像形成装置は光学素子後方領域に配置されており、画像形成装置から出射された画像は光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子において反射され、観察者の瞳孔に到達し、観察者の瞳孔の位置が変化したとき、移動制御装置によって画像形成装置を移動させるので、画像表示装置の小型、軽量化を図ることができる。そして、画像表示装置の小型、軽量化を図ることができるが故に、観察者の瞳孔の素早い動きに画像表示装置が追従することができるし、光学素子の移動に必要とされるエネルギー(消費電力)の低減を図ることができるし、画像表示装置のデザインの高い自由度を得ることができる。また、画像形成装置は光学素子後方領域に配置されているので、画像表示装置を正面から眺めたとき、移動制御装置が目立ち難い。
実施例4は、実施例3の変形である。実施例4の表示装置を正面から眺めた模式図を図13に示し、実施例4の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を横方向から眺めた概念図を図14A及び図14Bに示す。
実施例4の画像表示装置20にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化(即ち、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化)に対応した方向に、移動制御装置50Dによって画像形成装置30の全体を移動させる。即ち、移動制御装置50Dによって画像形成装置30の全体を垂直方向に移動させる。
移動制御装置50Dは駆動手段を備えている。駆動手段は、第2駆動装置64及び第2スライドバー65から構成されている。具体的には、垂直方向に延びる第2スライドバー65を第2駆動装置64に滑動自在に取り付け、第2駆動装置64をフロント部11の耳側の部分(あるいはテンプル部12)に固定し、取付け部材66を介して第2スライドバー65に画像形成装置30を固定すればよい。そして、第2駆動装置64を駆動することで第2スライドバー65を第2駆動装置64に対して滑動させれば、第2スライドバー65に固定された画像形成装置30を垂直方向に移動させることができる。
以下、図8A、図8B、図14A及び図14Bを参照して、画像形成装置等の動きを説明する。
図8Aに示したように、走査手段32から出射され、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射し、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達している。画像中心部光線LCは光学素子40の中心点Oに入射している。
次に、図8Bに示したように、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化)が生じたとする。図示した例では、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化は、観察者80の頭頂方向への眼球81の回転運動である。これによって、光の収束点が瞳孔の中心部CPから外れてしまう。
それ故、図14Aに示すように、移動制御装置50Dによって画像形成装置30を垂直方向(図示した例ではY軸方向であって、観察者80の頭頂に向かう方向)に対応した方向に移動させる。画像中心部光線を、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達させるためには、画像中心部光線LCを画像中心部光線LC’に移動させればよい。集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達する。この状態を図14Bに示す。尚、画像形成装置30の移動は、実施例3と同様に、画像形成装置30の全体、即ち、光源31R,31G,31B、走査手段32、筐体33及び集光部材34の移動である。以上のとおり、移動制御装置50Dによって画像形成装置30から出射される画像の位置制御が行われる。但し、実施例3と同様に、画像形成装置30の全体の移動であるが故に、制御信号に基づく画像形成装置30から出射される画像の位置の移動は不要である。
実施例4の画像表示装置20の変形例にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化(具体的には、観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化)に対応した方向に、移動制御装置によって画像形成装置30を移動させる。即ち、移動制御装置によって画像形成装置30を水平方向及び垂直方向に移動させる。具体的には、移動制御装置50Cと移動制御装置50Dとを組み合わせればよい。
実施例5は、実施例1と実施例4との組合せである。実施例5の画像表示装置にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化(具体的には、観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化)に対応した方向に、移動制御装置50Aによって光学素子40を移動させ、移動制御装置50Dによって画像形成装置30を移動させる。即ち、移動制御装置50Aによって光学素子40を水平方向に移動させ、移動制御装置50Dによって画像形成装置30を垂直方向に移動させる。以上の点を除き、実施例5の画像表示装置や表示装置の構成、構造は、実施例1の画像表示装置や表示装置の構成、構造、及び、実施例4の画像表示装置や表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例6は、実施例5の変形である。実施例6の画像表示装置の動作を説明するための光学素子等を横方向から眺めた概念図を、図15A及び図15Bに示す。
図14Bに示したように、実施例4の画像表示装置にあっては、走査手段32から出射され、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達するが、画像中心部光線LCは光学素子40の中心点Oからズレた所に入射するので、収差が大きくなる虞がある。
以下、図8A、図8B、図15A及び図15Bを参照して、画像形成装置等の動きを説明する。
図8Aに示したように、走査手段32から出射され、集光部材34によって平行光とされた光(画像)は、光学素子後方領域から光学素子40に斜めに入射し、光学素子40において反射され、観察者80の瞳孔82の中心部CPに到達している。画像中心部光線LCは光学素子40の中心点Oに入射している。
次に、図8B及び15Aに示すように、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化(具体的には、主に観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化)が生じたとする。図示した例では、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化は、観察者80の頭頂方向への(上方への)眼球81の回転運動である。これによって、光の収束点が瞳孔の中心部CPから外れてしまう。この状態における画像中心部光線を実線LCで示すが、画像中心部光線LCは光学素子40の中心点Oに入射している。
それ故、図15A、図15Bに示すように、光学素子40の中心点Oを中心として画像中心部光線LC(図15A参照)を回転させ(図15Aの画像中心部光線LC’参照)、移動させることで(図15Bの画像中心部光線LC”参照)、回転移動後の画像中心部光線LC”を光学素子40の中心点Oに入射させ、しかも、瞳孔の中心部CPに到達させる。そのためには、画像中心部光線LCが集光部材34の光軸に沿って集光部材34に入射していた場合(この場合の集光部材34の光軸を、便宜上、『光軸η』と呼ぶ)、移動制御装置によって集光部材34を光軸ηと直交する方向に移動させればよい。移動後の集光部材34の光軸を、便宜上、『光軸η’』と呼ぶ。これによって、図15Aに図示するように、光軸η’と平行な画像中心部光線LC’は、集光部材34に入射するが、画像中心部光線LC’は光学素子40の中心点Oからズレたところに入射する。それ故、画像中心部光線LC’が光学素子40の中心点Oに入射するように、移動制御装置を構成する位置制御回路からの制御信号に基づき、画像形成装置において形成される画像を移動させる。こうして、図15Bに示すように、画像中心部光線LC”が光学素子40の中心点Oに入射するようになる。
移動制御装置は、実施例1と同様に、駆動手段、及び、画像形成装置から出射される画像の位置を制御する位置制御回路を備えている。駆動手段は、具体的には、第1駆動装置51及び第1スライドバー52から構成されている。また、移動制御装置によって画像形成装置から出射される画像の位置を制御するが、具体的には、位置制御回路からの制御信号に基づき、実施例1と同様に、画像形成装置30から出射される画像の位置をX軸方向に対応した方向に移動させる。
更には、駆動手段は、実施例4と同様に、第2駆動装置64と第2スライドバー65を備えている。そして、垂直方向に延びる第2スライドバー65を第2駆動装置64に滑動自在に取り付け、第2駆動装置64をフロント部11の耳側の部分(あるいはテンプル部12)に固定し、取付け部材66を介して第2スライドバー65に集光部材34を固定する。実施例4と異なり、光源31R,31G,31B及び走査手段32は固定されており、即ち、移動することが無い。そして、第2駆動装置64を駆動することで第2スライドバー65を第2駆動装置64に対して滑動させれば、第2スライドバー65に固定された集光部材34を集光部材34の光軸と直交する方向に(即ち、Y軸方向に対応した方向に)移動させることができる。また、位置制御回路からの制御信号に基づき、画像形成装置30から出射される画像の位置をY軸方向に対応した方向に移動させる。
図10に示した実施例2の表示装置の変形例のように、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置50A,50Bによって光学素子40を移動させると(即ち、移動制御装置50A,50Bによって光学素子40を水平方向及び垂直方向に移動させると)、正面から表示装置を眺めたときの表示装置のデザイン性に改善の余地が生じる場合がある。また、実施例3のように、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって画像形成装置30を移動させると(即ち、移動制御装置によって画像形成装置30を水平方向に移動させると)、画像形成装置30の水平方向の移動に起因して収差が増大する場合がある。
実施例5あるいは実施例6にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって、光学素子40を移動させ、しかも、画像形成装置30あるいは画像形成装置30の一部を移動させる。即ち、移動制御装置によって、光学素子40を水平方向に移動させ、しかも、画像形成装置30あるいは画像形成装置30の一部を垂直方向に移動させる。正面から表示装置を眺めたとき、光学素子40の移動制御装置50Aは目立つが、画像形成装置30の移動制御装置は目立たない。従って、表示装置のデザイン性に一層優れる。
一般に、偏心光学系では、光学部品、光学機器の移動に伴い発生する収差は、偏心方向の方が大きくなる。即ち、XZ平面における光学素子40の移動(光学素子40の水平方向の移動)に伴い発生する収差は、YZ平面における光学素子40の移動に伴い発生する収差よりも大きい。画像形成装置30の水平方向の移動に伴い発生する収差は、画像形成装置30の垂直方向の移動に伴い発生する収差よりも大きい。また、観察者80の瞳孔82から光学素子40までの距離よりも、観察者80の瞳孔82から画像形成装置30までの距離の方が遠い。従って、XZ平面における光学素子40の移動(光学素子40の水平方向の移動)に伴い発生する収差の影響と、画像形成装置30の水平方向の移動に伴い発生する収差の影響とを比較すると、後者の方が収差の影響は大である。従って、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化に対応した方向に光学素子40を移動させ、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に画像形成装置30の一部を移動させることで、これらの移動に伴う収差の影響をより確実に抑制することができる。
しかも、実施例6あるいは後述する実施例7にあっては、画像形成装置30の一部を移動させるだけでよいので、移動させる質量の低減を図ることができ、より高速の瞳孔追従が可能となるし、消費エネルギー(消費電力)の低減を図ることもできる。
実施例7は、実施例6の変形である。実施例7の画像形成装置を構成する集光部材を説明するための原理図を図16A、図16B及び図16Cに示す。実施例7の画像表示装置にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化(具体的には、観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向及び垂直方向に沿った変化)に対応して、移動制御装置50Aによって光学素子40を水平方向に移動させ、以下に述べる4F光学系によって画像を垂直方向に移動させる。
具体的には、実施例7の画像表示装置20において、画像形成装置30は、画像形成装置30から出射された画像が通過する4F光学系を備えており、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって4F光学系を移動させる。より具体的には、4F光学系は、第1レンズ34A、第2レンズ34B及び第3レンズ34Cから構成されており、第1レンズ34Aの走査手段側の焦点の位置に走査手段32が位置する。また、第2レンズ34Bの光学素子側の焦点の位置と、第3レンズ34Cの走査手段側の焦点の位置とが一致している。尚、図面において、レンズの光軸を一点鎖線で示す。そして、第1レンズ34A及び第2レンズ34Bをこれらの光軸と直交する方向に移動させる。光源31R,31G,31B、走査手段32及び第3レンズ34Cは固定されており、移動することは無い。このような構成の4F光学系を用いることで、実施例6における集光部材34の移動量に対して、レンズ34A,34Bの移動量を1/2とすることができる。
実施例8も、実施例6に別の変形である。実施例8の表示装置を構成する画像表示装置の概念図を図17に示す。実施例8の画像表示装置にあっては、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化(具体的には、観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化)に対応して、反射鏡91によって、光学素子40に入射する画像を垂直方向に移動させる。即ち、実施例8において、移動制御装置は、画像形成装置30から出射された画像を反射させる反射鏡91を備えており、移動制御装置によって回転軸92を中心として反射鏡91を回転させることで、反射鏡91の光反射角度を変える。そして、その結果、画像形成装置30から出射される画像を、観察者80の瞳孔82に確実に到達させることができる。反射鏡91は、集光部材34と光学素子40との間に配置されている。尚、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化(具体的には、観察者80の眼球81の回転運動に起因して生じた観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化)に対応して、実施例1に基づき、光学素子40を水平方向に移動させればよい。
実施例9は、実施例1~実施例8の変形である。実施例9の表示装置を観察者の上方から眺めた概念図を図18に示すように、実施例9において、画像形成装置30は分散補償素子37を備えている。ここで、分散補償素子37は、光源31R,31G,31Bと走査手段32との間に配置されている。分散補償素子37は、一種の補正レンズであり、光学素子40において生じる色収差を補正する素子である。具体的には、分散補償素子37から出射される光のビーム形状(ビーム径、ビーム発散角)を調整することにより、色収差を補正することができる。
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定するものではない。実施例において説明した表示装置(頭部装着型ディスプレイ)、画像表示装置、画像形成装置の構成、構造は例示であり、適宜変更することができる。
光学素子40を、反射型のホログラム回折格子ではなく、凹面鏡から構成することもできる。この場合、凹面鏡や後述する平面反射鏡、フレネル反射鏡を構成する透明な部材(基部)の光反射面に特定の波長の光を反射させる光反射膜を形成することで、光学素子を介して外景を眺めることができる。あるいは又、光学素子は、画像形成装置30から出射された画像が通過する正の光学的パワーを有するレンズ、及び、平面反射鏡から成る構成とすることもできる。あるいは又、光学素子は、フレネル反射鏡から成る構成とすることもできる。あるいは又、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化に対応して、移動制御装置によって光学素子40を回転させる形態とすることもできる。尚、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化に対しては、移動制御装置によって光学素子40を水平方向に移動させればよい。あるいは又、観察者80の瞳孔82の位置の垂直方向に沿った変化に対応して、移動制御装置によって光学素子40の配置角度を変える形態とすることもできる。尚、観察者80の瞳孔82の位置の水平方向に沿った変化に対しては、移動制御装置によって光学素子40を水平方向に移動させればよい。
図19に実施例1の実施例1の表示装置の変形例を観察者の上方から眺めた概念図を示すように、θ0≠0度であってもよい。
画像形成装置30を、第1構成の画像形成装置から構成することもできる。図20Aに概念図を示すこの画像形成装置30は、2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する。具体的には、画像形成装置30全体は、筐体33(図20Aでは、一点鎖線で示す)内に納められており、係る筐体33には開口部(図示せず)が設けられており、開口部を介して光学系(平行光出射光学系、コリメート光学系)35Dから光が出射される。反射型空間光変調装置は、ライト・バルブとしてのLCOSから成る液晶表示装置(LCD)35Cから成る。更には、光源35Aからの光の一部を反射して液晶表示装置35Cへと導き、且つ、液晶表示装置35Cによって反射された光の一部を通過させて光学系35Dへと導く偏光ビームスプリッター35Bが備えられている。液晶表示装置35Cは、2次元マトリクス状に配列された複数(例えば、640×480個)の画素(液晶セル、液晶表示素子)を備えている。偏光ビームスプリッター35Bは、周知の構成、構造を有する。光源35Aから出射された無偏光の光は、偏光ビームスプリッター35Bに衝突する。偏光ビームスプリッター35Bにおいて、P偏光成分は通過し、系外に出射される。一方、S偏光成分は、偏光ビームスプリッター35Bにおいて反射され、液晶表示装置35Cに入射し、液晶表示装置35Cの内部で反射され、液晶表示装置35Cから出射される。ここで、液晶表示装置35Cから出射した光の内、「白」を表示する画素から出射した光にはP偏光成分が多く含まれ、「黒」を表示する画素から出射した光にはS偏光成分が多く含まれる。従って、液晶表示装置35Cから出射され、偏光ビームスプリッター35Bに衝突する光の内、P偏光成分は、偏光ビームスプリッター35Bを通過し、光学系35Dへと導かれる。一方、S偏光成分は、偏光ビームスプリッター35Bにおいて反射され、光源35Aに戻される。光学系35Dは、例えば凸レンズから構成され、平行光を生成させるために、光学系35Dにおける焦点距離の所(位置)に画像形成装置30(より具体的には、液晶表示装置35C)が配置されている。画像形成装置30から出射された画像は、光学素子40を介して観察者80の瞳孔82に到達する。
あるいは又、図20Bに概念図を示すように、第1構成の画像形成装置から構成された画像形成装置30は、有機EL表示装置36Aを備えている。有機EL表示装置36Aから出射され画像は、レンズ系を構成する第1の凸レンズ36Bを通過し、更に、レンズ系を構成する第2の凸レンズ36Dを通過し、平行光となって、光学素子40へと向かう。第1の凸レンズ36Bの後方焦点に、第2の凸レンズ36Dの前方焦点が位置する。また、第1の凸レンズ36Bの後方焦点(第2の凸レンズ36Dの前方焦点)の位置に、絞り36Cが配置されている。画像形成装置30の全体は、筐体33内に納められている。有機EL表示装置36Aは、2次元マトリクス状に配列された複数(例えば、640×480個)の画素(有機EL素子)を備えている。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《画像表示装置:第1の態様》
画像形成装置、
観察者の顔面前方に配置される光学素子、及び、
移動制御装置、
を備えており、
光学素子を基準として観察者の耳側の領域を光学素子後方領域と称するとき、
画像形成装置は、光学素子後方領域に配置されており、
画像形成装置から出射された画像は、光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子において反射され、観察者の瞳孔に到達し、
観察者の瞳孔の位置が変化したとき、移動制御装置によって光学素子を移動させ、且つ、移動制御装置によって画像形成装置から出射される画像の位置を制御する画像表示装置。
[A02]観察者の瞳孔の位置の水平方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって光学素子を移動させる[A01]に記載の画像表示装置。
[A03]観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって画像形成装置を移動させる[A01]又は[A02]に記載の画像表示装置。
[A04]画像形成装置は、画像形成装置から出射された画像が通過する4F光学系を備えており、
観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって4F光学系を移動させる[A03]に記載の画像表示装置。
[A05]画像形成装置は、画像形成装置から出射された画像を反射させる反射鏡を備えており、
移動制御装置によって反射鏡の光反射角度を変える[A03]に記載の画像表示装置。
[A06]観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって光学素子を移動させる[A01]又は[A02]に記載の画像表示装置。
[A07]光学素子は反射型のホログラム回折格子から成る[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[A08]反射型のホログラム回折格子は集光機能を有する[A07]に記載の画像表示装置。
[A09]光学素子は凹面鏡から成る[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[A10]画像形成装置から出射された光線は、テレセントリックな状態で光学素子に入射する[A01]乃至[A09]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[A11]光学素子は、画像形成装置から出射された画像が通過する正の光学的パワーを有するレンズ、及び、平面反射鏡から成る[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[A12]画像形成装置から出射された光線は、テレセントリックな状態でレンズに入射する[A11]に記載の画像表示装置。
[A13]観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応して、移動制御装置によって光学素子を回転させる[A01]又は[A02]に記載の画像表示装置。
[A14]観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応して、移動制御装置によって光学素子の配置角度を変える[A01]又は[A02]に記載の画像表示装置。
[A15]観察者の瞳孔の位置の水平方向に沿った変化に対して、移動制御装置によって光学素子を水平方向に移動させる[A13]又は[A14]に記載の画像表示装置。
[A16]画像形成装置は分散補償素子を備えている[A01]乃至[A15]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[B01]《画像表示装置:第2の態様》
画像形成装置、
観察者の顔面前方に配置される光学素子、及び、
移動制御装置、
を備えており、
光学素子を基準として観察者の耳側の領域を光学素子後方領域と称するとき、
画像形成装置は、光学素子後方領域に配置されており、
画像形成装置から出射された画像は、光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子において反射され、観察者の瞳孔に到達し、
観察者の瞳孔の位置が変化したとき、移動制御装置によって画像形成装置を移動させる画像表示装置。
[B02] 光学素子は反射型のホログラム回折格子から成る[B01]に記載の画像表示装置。
[B03]反射型のホログラム回折格子は集光機能を有する[B02]に記載の画像表示装置。
[B04]光学素子は凹面鏡から成る[B01]に記載の画像表示装置。
[B05]光学素子は、画像形成装置から出射された画像が通過する正の光学的パワーを有するレンズ、及び、平面反射鏡から成る[B01]に記載の画像表示装置。
[B06]観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって画像形成装置を移動させる[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[B07]画像形成装置は、画像形成装置から出射された画像を反射させる反射鏡を備えており、
移動制御装置によって反射鏡の光反射角度を変える[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[B08]画像形成装置は、画像形成装置から出射された画像が通過する4F光学系を備えており、
観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって4F光学系を移動させる[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[B09]画像形成装置から出射された光線は、テレセントリックな状態で光学素子に入射する[B01]乃至[B08]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[B10]画像形成装置は分散補償素子を備えている[B01]乃至[B09]のいずれか1項に記載の画像表示装置。
[C01]《表示装置》
観察者に装着されるフレーム、及び、
フレームに取り付けられた画像表示装置、
を備えた表示装置であって、
画像表示装置は、
画像形成装置、
観察者の顔面前方に配置される光学素子、及び、
移動制御装置、
を備えており、
光学素子を基準として観察者の耳側の領域を光学素子後方領域と称するとき、
画像形成装置は、光学素子後方領域に配置されており、
画像形成装置から出射された画像は、光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子において反射され、観察者の瞳孔に到達し、
観察者の瞳孔の位置が変化したとき、移動制御装置によって、光学素子、又は、画像形成装置、又は、光学素子及び画像形成装置を移動させる表示装置。
[C02]右眼用画像表示装置及び左眼用画像表示装置を備えている[C01]に記載の表示装置。
10・・・フレーム、11・・・フロント部、11A・・・第1フロント部、11B・・・第2フロント部、12・・・テンプル部、20・・・画像表示装置、20R・・・右眼用画像表示装置、20L・・・左眼用画像表示装置、30・・・画像形成装置、31R,31G,31B・・・光源、32・・・走査手段、33・・・筐体、34・・・集光部材、34A,34B,34C・・・レンズ、35A・・・光源、35B・・・偏光ビームスプリッター、35C・・・液晶表示装置、35D・・・コリメート光学系、36A・・・有機EL表示装置、36B・・・第1の凸レンズ、36C・・・絞り、36D・・・第2の凸レンズ、37・・・分散補償素子、40・・・光学素子、41・・・基体、50A,50B,50C,50D・・・移動制御装置、51,54.61,64・・・駆動装置、52,55,62,65・・・スライドバー、53,56,63,66・・・取付け部材、80・・・観察者、81・・・観察者の眼球、82・・・観察者の瞳孔、83・・・観察者の鼻、85・・・観察者の耳側の領域、90・・・瞳孔位置検出手段、91・・・反射鏡、92・・・反射鏡の回転軸、LC,LC’,LC”・・・画像中心部光線、CP・・・観察者の瞳孔の中心部、O・・・光学素子の中心点

Claims (14)

  1. 画像形成装置、
    観察者の顔面前方に配置される光学素子、及び、
    移動制御装置、
    を備えており、
    光学素子を基準として観察者の耳側の領域を光学素子後方領域と称するとき、
    画像形成装置は、光学素子後方領域に配置されており、
    画像形成装置から出射された画像は、光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子において反射され、観察者の瞳孔に到達し、
    観察者の瞳孔の位置が変化したとき、観察者の瞳孔の位置の水平方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって光学素子を移動させ、且つ、観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって画像形成装置を移動させることにより、画像形成装置から出射される画像の位置を制御する画像表示装置。
  2. 画像形成装置は、画像形成装置から出射された画像が通過する4F光学系を備えており、
    観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって4F光学系を移動させる請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 画像形成装置は、画像形成装置から出射された画像を反射させる反射鏡を備えており、
    移動制御装置によって反射鏡の光反射角度を変える請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって光学素子を移動させる請求項1から3のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  5. 光学素子は反射型のホログラム回折格子から成る請求項1から4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  6. 反射型のホログラム回折格子は集光機能を有する請求項5に記載の画像表示装置。
  7. 光学素子は凹面鏡から成る請求項1からのいずれか一項に記載の画像表示装置。
  8. 画像形成装置から出射された光線は、テレセントリックな状態で光学素子に入射する請求項1から7のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  9. 光学素子は、画像形成装置から出射された画像が通過する正の光学的パワーを有するレンズ、及び、平面反射鏡から成る請求項1からのいずれか一項に記載の画像表示装置。
  10. 観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応して、移動制御装置によって光学素子を回転させる請求項1から9のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  11. 観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応して、移動制御装置によって光学素子の配置角度を変える請求項1から10のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  12. 画像形成装置は分散補償素子を備えている請求項1から11のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  13. 観察者に装着されるフレーム、及び、
    フレームに取り付けられた画像表示装置、
    を備えた表示装置であって、
    画像表示装置は、
    画像形成装置、
    観察者の顔面前方に配置される光学素子、及び、
    移動制御装置、
    を備えており、
    光学素子を基準として観察者の耳側の領域を光学素子後方領域と称するとき、
    画像形成装置は、光学素子後方領域に配置されており、
    画像形成装置から出射された画像は、光学素子後方領域から光学素子に斜めに入射し、光学素子において反射され、観察者の瞳孔に到達し、
    観察者の瞳孔の位置が変化したとき、観察者の瞳孔の位置の水平方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって光学素子を移動させ、且つ、観察者の瞳孔の位置の垂直方向に沿った変化に対応した方向に、移動制御装置によって画像形成装置を移動させることにより、画像形成装置から出射される画像の位置を制御する表示装置。
  14. 右眼用画像表示装置及び左眼用画像表示装置を備えている請求項13に記載の表示装置。
JP2021527421A 2019-06-18 2020-04-24 画像表示装置及び表示装置 Active JP7513026B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019112724 2019-06-18
JP2019112724 2019-06-18
PCT/JP2020/017715 WO2020255562A1 (ja) 2019-06-18 2020-04-24 画像表示装置及び表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020255562A1 JPWO2020255562A1 (ja) 2020-12-24
JP7513026B2 true JP7513026B2 (ja) 2024-07-09

Family

ID=74037239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021527421A Active JP7513026B2 (ja) 2019-06-18 2020-04-24 画像表示装置及び表示装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20220236567A1 (ja)
EP (1) EP3982189B1 (ja)
JP (1) JP7513026B2 (ja)
CN (1) CN113767319A (ja)
WO (1) WO2020255562A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023043250A (ja) * 2021-09-16 2023-03-29 株式会社リコー 伝搬光学系、虚像表示装置及びヘッドマウントディスプレイ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003513333A (ja) 1999-10-29 2003-04-08 マイクロビジョン インコーポレイテッド 視線追跡型パーソナル・ディスプレイ
WO2014209706A1 (en) 2013-06-24 2014-12-31 Microsoft Corporation System for optimal eye fit of hmd
WO2018190007A1 (ja) 2017-04-13 2018-10-18 ソニー株式会社 画像表示装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5311887B2 (ja) 2008-06-09 2013-10-09 キヤノン株式会社 走査型表示装置
WO2017033601A1 (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 ソニー株式会社 表示装置、及び、表示装置の調整方法
JP6231585B2 (ja) * 2016-01-05 2017-11-15 株式会社Qdレーザ 画像投影装置
US11003212B2 (en) * 2016-07-20 2021-05-11 Sony Corporation Image display device, display device, and adjustment method for display device

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003513333A (ja) 1999-10-29 2003-04-08 マイクロビジョン インコーポレイテッド 視線追跡型パーソナル・ディスプレイ
WO2014209706A1 (en) 2013-06-24 2014-12-31 Microsoft Corporation System for optimal eye fit of hmd
WO2018190007A1 (ja) 2017-04-13 2018-10-18 ソニー株式会社 画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20220236567A1 (en) 2022-07-28
EP3982189A4 (en) 2022-08-17
CN113767319A (zh) 2021-12-07
EP3982189A1 (en) 2022-04-13
EP3982189B1 (en) 2024-06-26
WO2020255562A1 (ja) 2020-12-24
JPWO2020255562A1 (ja) 2020-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9709809B2 (en) Head mounted display and optical position adjustment method of the same
US8817379B2 (en) Whole image scanning mirror display system
US9874753B2 (en) Display apparatus
US20110050727A1 (en) Picture/character simultaneously displaying device and head mounted display device
US11614624B2 (en) Display apparatus
WO2019130988A1 (ja) 画像表示装置及び表示装置
KR20200108666A (ko) 영상의 횡이동이 가능한 디스플레이 장치
JP7513026B2 (ja) 画像表示装置及び表示装置
JP7432339B2 (ja) ヘッドマウントディスプレイ
JP5786910B2 (ja) 頭部装着型ディスプレイにおける光学的位置調整方法
WO2022070863A1 (ja) 表示装置
CN111983805A (zh) 可穿戴显示设备的光学***

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231128

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7513026

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150