JP7512765B2 - 印刷時推定画像生成装置、印刷時推定画像生成方法及びプログラム - Google Patents

印刷時推定画像生成装置、印刷時推定画像生成方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、印刷時推定画像生成装置、印刷時推定画像生成方法及びプログラムに関する。
従来、画像形成装置を用いて用紙(記録材の一例)に画像を印刷(形成)する印刷会社等では、顧客の要求を満たす色再現を実現するために、印刷作業者が、印刷設定の変更や原稿画像の補正、加工等を行う。画像形成装置に設定された補正や加工などが適切であるか否かは、印刷作業者が印刷物を実際に手に取り、目視によって確認するまで分かりにくい。したがって、印刷会社等では、印刷物における色再現が適切に実現されているか等の印刷の仕上がりを確認するための、試し刷り(以下、「プルーフ印刷」とも称する)が行われる。
ところが、印刷画像における色再現性は、印刷を行った作業者の経験の差や、画像形成装置の個体差、用紙の紙種の差などの印刷条件によっても変化する。したがって、印刷作業者は、印刷する画像や印刷設定が同じ場合であっても、印刷設定を一様に設定することはできない。つまり、印刷条件が変わった場合には、その都度プルーフ印刷を行う必要があった。
そして、プルーフ印刷の実施時には、印刷作業者は、上述したように、求める色再現を実現するための補正又は加工等を、プルーフ印刷された印刷物の仕上がりを確認しながら繰り返す。この場合の、求める色再現を実現するための補正又は加工の程度の想定内容は、初心者と経験者とで大きく異なる。したがって、経験が浅い印刷作業者は、求める色再現を実現するために、プルーフ印刷を何度もやり直さなければならない場合もある。しかし、プルーフ印刷が繰り返された場合、その分、製版フィルムやトナー、用紙などの資源又は時間が消費されてしまう。
例えば、特許文献1には、4版の製版フィルム又は刷版(C,M,Y及びK)の印刷情報を、スキャナーを使って電気信号化し、該電気信号をCPU(Central Processing Unit)が処理することにより、印刷情報に基づくカラー画像を、表示装置及びカラープリンターに出力する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、試し刷りをすることなく、印刷作業者が印刷情報の欠落や色の相違などを見付けることが出来るようになる。
特開平10-20482号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術で表示装置及びカラープリンターに出力されるカラー画像は、画像形成装置の個体差、用紙の紙種の差などを反映したものではない。したがって、これらの差が反映された印刷の再現性を確認するためには、印刷作業者はプルーフ印刷を行う必要があった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、印刷作業者が、プルーフ印刷を行うことなく、その画像形成装置から実際に出力される印刷物における色再現性を確認できるようにすることを目的とする。
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した印刷時推定画像生成装置は、画像形成装置に対して送信された原稿画像、原稿画像を印刷用画像に変換する際に画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を画像形成装置から取得する入力部と、原稿画像の特徴に基づいて、原稿画像、印刷用画像設定情報及びスキャン画像を用いて、画像形成装置における色変換の特徴を解析するとともに、解析の内容に基づいて、画像形成装置で原稿画像に基づく画像を印刷する場合の推定画像である印刷時推定画像を生成する解析部と、を備える。
また、上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した印刷時推定画像生成方法は、画像形成装置に対して送信された原稿画像、原稿画像を印刷用画像に変換する際に画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を入力部が画像形成装置から取得する手順と、原稿画像の特徴に基づいて、原稿画像、印刷用画像設定情報及びスキャン画像を用いて、画像形成装置における色変換の特徴を解析するとともに、解析の内容に基づいて、画像形成装置で原稿画像に基づく画像を印刷する場合の推定画像である印刷時推定画像を解析部が生成する手順と、を含む。
さらに、上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映したプログラムは、画像形成装置に対して送信された原稿画像、原稿画像を印刷用画像に変換する際に画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を画像形成装置から入力部が取得する手順と、原稿画像の特徴に基づいて、原稿画像、印刷用画像設定情報及びスキャン画像を用いて、画像形成装置における色変換の特徴を解析するとともに、解析の内容に基づいて、画像形成装置で原稿画像に基づく画像を印刷する場合の推定画像である印刷時推定画像を解析部が生成する手順と、を、コンピュータに実行させる。
本発明では、解析部が、画像形成装置における色変換の特徴の解析結果を用いて推論を行うことにより、印刷時推定画像を生成する。つまり、印刷時推定画像は、画像形成装置における色再現性が反映されたものとなる。それゆえ、本発明によれば、印刷作業者が、プルーフ印刷を行うことなく、その画像形成装置から実際に出力される印刷物における色再現性を、印刷時推定画像により確認できるようになる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る印刷時推定画像生成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る印刷時推定画像生成装置の解析部の制御系の構成例、及び、記憶部内のデータベースの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る印刷種別区分部による正規化及び特徴量抽出処理の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る印刷種別区分部によるクラスタリング処理の結果の例を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る図6に示したグラフに含まれる原稿画像の各特徴(印刷種別)のうち、特定の印刷種別が選ばれた状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像学習部による、GANを使用した原稿画像及びスキャン画像の学習の仕組みの例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像学習部が用いるGANの生成器の機能を模式的に示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る印刷用画像設定情報学習部による、CNNを使用した印刷用画像設定情報の学習の仕組みの例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る解析部による学習処理の手順の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る解析部による推論処理の手順の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る解析部による学習処理の詳細の手順の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る解析部による推論処理の詳細の手順の例を示すフローチャートである。 変形例に係る訓練データとして学習させる原稿画像群及びスキャン画像群の例を示す図である。 変形例に係る画像学習部によるCycleGANを使用した原稿画像群及びスキャン画像群の学習の仕組みの例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成システムの構成例を説明する。図1は、画像形成システム100の構成例を示す図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置1_1~画像形成装置1_n(nは3以上の整数)と、端末装置2と、印刷時推定画像生成装置3と、を含む。画像形成装置1_1~画像形成装置1_nと印刷時推定画像生成装置3とは、LAN(Local Area Network)等よりなるネットワークを介して互いに接続される。
画像形成装置1_1~画像形成装置1_nは、例えば、静電気を用いて画像の形成を行う電子写真方式を採用したカラー画像形成装置であり、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を重ね合わせるタンデム形式で画像を形成する。画像形成装置1_1~画像形成装置1_nは、端末装置2から送信される印刷ジョブに含まれる原稿画像データに対して、RIP(Raster Image Processor)処理を行って印刷用の画像データを生成し、該画像データを用紙(記録材の一例)に印刷する。
また、画像形成装置1は、インラインセンサ等で構成される画像読取部16(図2参照)を有し、画像読取部16は、画像形成部15によって画像が形成された用紙を読み取ってスキャン画像を生成し、該スキャン画像を印刷時推定画像生成装置3に送信する。
なお、以下の説明において、画像形成装置1~画像形成装置1_nを個々に区別する必要がない場合には、これらを画像形成装置1と総称する。
端末装置2は、例えばPC(Personal Computer)等で構成される。端末装置2は、ユーザによって不図示の操作部に対して入力された印刷設定の情報(以下、「原稿画像情報」とも称する)と、原稿画像とを含む印刷ジョブを生成し、該印刷ジョブを画像形成装置1に送信する。
印刷時推定画像生成装置3は、例えば、エッジサーバ等で構成される。印刷時推定画像生成装置3は、画像形成装置1から取得したスキャン画像、及び、RIP処理の内容を示す印刷設定情報と、端末装置2から取得した原稿画像及び原稿画像情報と、を用いて、画像形成装置1毎の色変換の特徴を学習する。また、印刷時推定画像生成装置3は、画像形成装置1毎の色変換の特徴の学習の結果得られた学習済みモデルを用いて推論を行うことにより、印刷時推定画像を生成する。印刷時推定画像は、画像形成装置1が実際に原稿画像に基づく画像を印刷する場合における推定の印刷画像である。
[画像形成装置の構成]
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1の構成について説明する。図2は、画像形成装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置1は、通信I/F(Interface)部11、制御部12、記憶部13、画像処理部14、画像形成部15、画像読取部16及び操作表示部17等を含む。
通信I/F部11は、端末装置2、印刷時推定画像生成装置3との間で行われる各種信号や各種データなどの送受信動作を制御する。具体的には、通信I/F部11は、端末装置2から送信される印刷ジョブの受信動作を制御する。また、通信I/F部11は、画像読取部16が読み取ったスキャン画像や、原稿画像、操作表示部17を介してユーザより入力された原稿画像情報などを、印刷時推定画像生成装置3に送信する動作を制御する。さらに、通信I/F部11は、印刷時推定画像生成装置3から送信された印刷時推定画像を受信する動作を制御する。
制御部12は、CPU120、RAM(Random Access Memory)121及びROM(Read Only Memory)122を含む。
CPU120は、ROM122に記憶されているシステムプログラムや画像形成処理プログラムなどの各種処理プログラムを読み出してRAM121に展開し、展開したプログラムに従って画像形成装置1の各部の動作を制御する。
RAM121は、CPU120により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、印刷ジョブのキュー、各種動作の設定等を記憶する。
ROM122は、半導体メモリ等の不揮発性メモリ等により構成され、画像形成装置1に対応するシステムプログラム、及び、該システムプログラム上で実行可能な画像形成処理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU120は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などにより構成され、端末装置2から送信された原稿画像、画像処理部14によってRIP処理が施された印刷用画像や、画像読取部16が読み取ったスキャン画像、原稿画像、原稿画像情報などを記憶する。
画像処理部14は、端末装置2から送信されたR(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色で描かれた原稿画像にRIP処理を施してC(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)及びK(Black)の印刷用画像に変換する。そして、画像処理部14は、操作表示部17を介してユーザより入力された印刷設定の内容に基づいて、該印刷用画像に各種画像処理を施す。なお、印刷用画像の印刷設定の内容である印刷用画像設定情報は、所定のタイミングで通信I/F部11を介して印刷時推定画像生成装置3に送信される。
画像形成部15は、画像処理部14によって生成された印刷用画像を用紙に形成(印刷)する。具体的には、画像形成部15は、画像に応じたレーザ光を帯電された感光体ドラム(図示略)に照射して静電潜像を形成する。そして、画像形成部15は、感光体ドラム上に形成された静電潜像を、1次転写及び2次転写を経て用紙上に形成した後に、用紙上に形成された印刷画像を定着部(図示略)によって定着させる。
なお、本実施形態では、画像形成装置1の画像形成の方式が電子写真方式である例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。画像形成装置1の画像形成方式は、インクジェット方式等の他の方式であってもよい。
画像読取部16は、用紙の搬送方向における画像形成部15の下流に配置され、印刷画像が形成された用紙を光学的に読み取り、スキャン画像を生成する。画像読取部16は、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等で構成される撮像素子と、該撮像素子の動作を制御する走査制御(いずれも図示略)等を備える。
操作表示部17は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electro Luminescence)などで構成される表示装置と、タッチパッド等の位置入力装置とを組み合わせたタッチパネルで構成される。操作表示部17は、印刷設定に関するメニュー等を表示する。
[印刷時推定画像生成装置の構成]
次に、図3を参照して、印刷時推定画像生成装置3の構成について説明する。図3は、印刷時推定画像生成装置3の制御系の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、印刷時推定画像生成装置3は、通信I/F部31、制御部32、記憶部33、設定情報取得部34、スキャン画像取得部35、解析部36及び表示部37等を含む。
通信I/F部31は、画像形成装置1との間で行われる各種信号や各種データなどの送受信動作を制御する。具体的には、通信I/F部31は、画像形成装置1から送信された原稿画像、原稿画像情報、印刷用画像設定情報、スキャン画像等を受信する動作を制御する。また、通信I/F部31は、解析部36が生成した印刷時推定画像を画像形成装置1に送信する動作を制御する。
制御部32は、CPU320、RAM321及びROM322を含む。CPU320は、ROM322に記憶されているシステムプログラムや印刷時推定画像生成処理プログラムなどの各種処理プログラムを読み出してRAM321に展開し、展開したプログラムに従って印刷時推定画像生成装置3の各部の動作を制御する。
RAM321は、CPU320により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、各種動作の設定等を記憶する。
ROM322は、半導体メモリ等の不揮発性メモリ等により構成され、印刷時推定画像生成装置3に対応するシステムプログラム、及び、該システムプログラム上で実行可能な印刷時推定画像生成処理プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU320は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
記憶部33は、HDDやSSDなどにより構成され、記憶部33には、データベース331等が記憶される。データベース331には、画像形成装置1から送信された原稿画像、設定情報取得部34が取得した原稿画像情報、印刷用画像設定情報、スキャン画像取得部35が取得したスキャン画像、解析部36が学習により得た学習済みモデル等が記憶される。
設定情報取得部34(入力部の一例)は、画像形成装置1から送信された原稿画像、原稿画像情報及び印刷用画像設定情報を取得して、データベース331に格納する。スキャン画像取得部35(入力部の一例)は、画像形成装置1から送信されたスキャン画像を取得して、データベース331に格納する。
解析部36は、データベース331に格納された原稿画像、原稿画像情報、印刷用画像設定情報及びスキャン画像を用いて、画像形成装置1毎の色変換の特徴を深層学習する。また、解析部36は、深層学習により得られた学習済みモデルを用いて推論を行うことにより、画像形成装置1で原稿画像を印刷する場合における印刷時推定画像を生成する。
表示部37は、例えば、LCDや有機ELなどで構成される表示装置であり、解析部36によって生成された印刷時推定画像等を表示する。
[解析部の構成]
次に、図4を参照して、印刷時推定画像生成装置3の解析部36の構成について説明する。図4は、印刷時推定画像生成装置3の解析部36の制御系の構成例、及び、記憶部33内のデータベース331の構成例を示すブロック図である。
解析部36は、印刷種別区分部361、印刷用画像設定情報学習部362、画像学習部363及び印刷時推定画像生成部364等を含む。印刷種別区分部361は、設定情報取得部34が取得した原稿画像を正規化し、正規化された原稿画像の特徴量を抽出する。また、印刷種別区分部361は、抽出した特徴量を、UMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection)等の次元圧縮手法を用いてクラスタリングすることにより、印刷種別に区分する。印刷種別区分部361による原稿画像の正規化処理、原稿画像の特徴量抽出処理については、次の図5を参照して詳述し、クラスタリングについては、図6を参照して詳述する。
なお、本実施形態では、印刷種別区分部361がクラスタリングの手法としてUMAPを使用する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。印刷種別区分部361は、次元の圧縮が可能な手法であれば、UMAP以外の手法を用いてもよい。
印刷用画像設定情報学習部362は、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)等の手法を用いて、印刷用画像設定情報を深層学習する。印刷用画像設定情報には、画像形成装置1の画像処理部14(図2参照)が行ったRIP処理時の設定内容や、画像形成装置1の後段に後処理装置が接続されている場合には、該後処理装置における後処理の内容などが含まれる。
画像学習部363は、例えば、GAN(敵対的生成ネットワーク:Generative adversarial networks)等の手法を用いて、印刷用画像設定情報331bに示される印刷設定がスキャン画像331cに対して及ぼす色変換の特徴(変化量)を深層学習する。画像学習部363が深層学習することにより得られた学習済みモデル331dは、データベース331に記憶される。画像学習部363による深層学習については、後述の図8及び図9を参照して詳述する。
印刷時推定画像生成部364は、データベース331に記憶された学習済みモデル331dを用いて推論を行うことにより、印刷時推定画像331eを生成する。印刷時推定画像生成部364によって生成された印刷時推定画像331eは、印刷時推定画像生成装置3の制御部32(図3参照)の制御に基づいて、表示部37等に表示される。
記憶部33には、データベース331が記憶され、データベース331には、原稿画像331a、印刷用画像設定情報331b、スキャン画像331c、学習済みモデル331d及び印刷時推定画像331eが格納される。
[印刷種別区分部の正規化処理及び特徴量抽出処理]
次に、図5を参照して、印刷種別区分部361による正規化及び特徴量抽出処理について説明する。図5は、印刷種別区分部361による正規化及び特徴量抽出処理の例を示す図である。
図5の上側には、印刷種別区分部361による正規化が行われた原稿画像331aを模式的に示し、下側には、正規化された原稿画像331aから印刷種別区分部361が抽出する特徴の例を示す。
図5の上側に示すように、印刷種別区分部361は、例えば、A3サイズの用紙に描画された7016pix(ピクセル)×9921pixの原稿画像331aを、70pix×100pixの画像に圧縮することにより、原稿画像331aを解析部36で扱える情報量に正規化する。
そして、印刷種別区分部361は、正規化された原稿画像331aから、原稿画像の特徴として、例えば、正規化された原稿画像331aの範囲内におけるRの平均値、Gの平均値、Bの平均値、画像に含まれている色の種類の数(図5においては「何色包含(n)」と表記)、ドミナントカラー占有率(%)、文字判別占有率(%)等の情報を取得する。
Rの平均値、Gの平均値、Bの平均値は、例えば、印刷種別区分部361がNEAREST、BOX、BILINEAR、HAMMING、BICUBIC、LANCZOS等の画像処理フィルタを用いることにより算出することができる。正規化された原稿画像331aの範囲内におけるドミナントカラーの占有率(%)は、印刷種別区分部361が、X-means又はK-means等のクラスタリングの手法を用いて算出することができる。文字判別占有率(%)は、例えば、印刷種別区分部361がTesseract等の光学文字認識エンジンを使用することにより算出することができる。
なお、原稿画像331aを各印刷種別に分類するために抽出する特徴は、色に関する特徴、及び、文字に関する特徴のいずれか一つを少なくとも含むものであれば、図5に示した例に限定されず、他の種類の特徴量が抽出されてもよい。また、図5に示した各特徴量の算出方法も、図5に示した例に限定されず、他の手法が用いられてもよい。
[印刷種別区分部によるクラスタリング処理]
次に、図6を参照して、印刷種別区分部361によるクラスタリング処理について説明する。図6は、印刷種別区分部361によるクラスタリング処理の結果の例を示すグラフである。図6には、x、y、zの3次元の空間で示されるグラフ上に、色の濃度の違いにより示される原稿画像331aの各特徴量(印刷種別)が配置された様子を示す。図6のx、y、zの各軸には“0”~“255”の値が割り振られている。これらの値は、グラフ上の3次元の空間における各特徴間の相関の距離を示す。
つまり、図6に示すグラフ内において、配置された位置が近い特徴量同士は相関が高く、配置された位置が遠い特徴量同士は、相関が低い。印刷種別区分部361は、印刷種別区分部361による学習が進み、印刷種別のデータがある程度集まってきた段階で、このようなクラスタリング処理を行う。なお、図6のグラフのスケールの値は“0”~“255”に限定されるものではなく、他の値が使用されてもよい。
原稿画像から抽出された特徴量がクラスタリングによって分類されることにより、分類されたクラスタの一つ一つが、例えば、画像が多めな原稿であるのか、文字が大部分を占める原稿であるのか等の、原稿の印刷種別を示すものとなる。
[画像学習部による学習]
次に、図7~図9を参照して、画像学習部363による学習(深層学習)について説明する。図7は、図6に示したグラフに含まれる原稿画像331aの各特徴(印刷種別)のうち、特定の印刷種別が選ばれた状態を示す図である。図7において、選択された印刷種別の周囲は実線で囲われている。
画像学習部363は、グラフに含まれる各印刷種別を対象として、原稿画像331a、及び、該原稿画像に基づく印刷画像のスキャン画像331cのペア(組み合わせ)を訓練データとして深層学習する。
図8は、画像学習部363による、GANを使用した原稿画像331a及びスキャン画像331cの学習の仕組みの例を示す図である。図8に示すように、GANは、生成器G及び識別器Dを有する。生成器Gは、“x1”として入力される原稿画像331aにノイズを付加することにより、偽のスキャン画像“G(x)”を生成し、識別器Dに入力する。識別器Dは、生成器Gから入力された画像が、生成器Gによって生成された画像であるのか、もしくは、本物の(真の)スキャン画像であるか否かを判定する。
生成器G及び識別器Dは、それぞれ、敵対的損失(Adversarial Loss)を含む目的関数を用いて学習を行う。このとき、識別器Dは、学習において、目的関数に含まれる、本物又は偽物を識別して正しくラベル付けを行う確率を最大化しようとする。一方、生成器Gは、学習において、目的関数に含まれる、識別器Dが“G(x)”を偽物であると判定する確率を最小化させようとする。このような学習を繰り返すことにより、生成器Gは、真のスキャン画像331cを高精度で再現した偽のスキャン画像を生成する能力を獲得することができる。
つまり、画像学習部363は、上述したGANを用いて、画像形成装置1において特定の印刷種別に区分された原稿画像331aを印刷する場合における、原稿画像331aに対するスキャン画像の色変化の度合い(変化量)を学んでいると言える。
図9に、画像学習部363が用いるGANの生成器Gの機能を模式的に示したグラフを示す。図9に示すグラフは、R,G,Bの3つの軸により構成される。そして、R,G,Bで示される三次元の空間上の、色つきの楕円形で示される平面上には、実線又は破線の平行四辺形で示される3つの画素が配置されている。さらに、これらの3つの画素のそれぞれを起点する、矢印で示されるベクトルが示されており、該ベクトルの先の位置にも、実線又は破線の平行四辺形で示される3つの画素が配置されている。
色つきの楕円形で示される平面上に配置された3つの画素は、“x1”として入力される原稿画像331aを構成する各画素を示し、ベクトルの先に位置する3つの画素は、“G(x)”として出力されるスキャン画像を構成する各画素を示す。つまり、生成器Gは、RGBの各値を変換するベクトルを生成する機能を学習により習得し、該ベクトルに基づいて、“x1”として入力された原稿画像331aの各画素の色を変換して“G(x)”として出力する。すなわち、生成器Gは、色変換フィルタとして機能する。
画像学習部363による深層学習は、学習が飽和するまで継続して行われ、学習の飽和後は、その時点で得られている学習内容が、学習済みモデル331dとしてデータベース331(図3参照)に記憶される。したがって、生成器Gは、“x1”として、未知の原稿画像331aが入力された場合にも、該原稿画像331aの印刷種別に基づいて適切な学習済みモデル331dを選択し、該学習済みモデル331dを用いて推論を行うことにより、原稿画像331aを実際に画像形成装置1で印刷した場合における印刷時推定画像331eを生成することができる。
[印刷用画像設定情報学習部による学習]
次に、図10を参照して、印刷用画像設定情報学習部362による学習について説明する。図10は、印刷用画像設定情報学習部362による、CNNを使用した印刷用画像設定情報の学習の仕組みの例を示す図である。図10に示すように、CNNは、入力層、畳み込み層、プーリング層、全結合層及び出力層を有する。
入力層には、印刷用画像設定情報が入力される。印刷用画像設定情報には、例えば「明るさ」、「コントラスト」等の画像形成装置1の画像処理エンジンの処理に関わる設定値、「用紙サイズ」、「用紙の種類」、「用紙の坪量」等の用紙に関する情報が含まれる。また、画像形成装置1の後段に後処理装置が接続されている場合には、後処理装置における後処理に関する設定値等が含まれる。これらの各値は、学習が行われる前に、例えば、“0”~“1”の範囲内の値に正規化される。
畳み込み層は、入力層に入力された情報に対してフィルタ処理を施すことにより、特徴マップを生成する。プーリング層は、畳み込み層で生成された特徴マップをさらに縮小して新たな特徴マップとする。全結合層は、プーリング層で縮小された特徴マップを読み込んでこれらに含まれる特徴量を抽出し、出力層に対して予測や分類などの結果を出力する。出力層は、全結合層から入力された予測や分類などに基づいて、入力層に入力された情報の内容が何であるかを判定する。
印刷用画像設定情報学習部362は、このようにCNNを用いた深層学習を行う事により、印刷時推定画像331eの内容を特定することができる。印刷用画像設定情報学習部362による学習の結果得られた印刷用画像設定情報の内容は、画像学習部363による学習内容と対応付けてデータベース331の学習済みモデル331dに格納される。
[解析部による学習処理]
次に、図11を参照して、印刷時推定画像生成装置3の解析部36による学習処理について説明する。図11は、解析部36による学習処理の手順の例を示すフローチャートである。
まず、解析部36は、データベース331(図3参照)を参照して、学習に使用する原稿画像331a、印刷用画像設定情報331b及びスキャン画像331cを取得する(ステップS1)。次いで、解析部36は、ステップS1で取得した情報に関する学習を行う(ステップS2)。ステップS2で行う学習処理の手順については、後述の図13を参照して詳述する。次いで、解析部36は、ステップS2で学習した内容をデータベース331に登録する(ステップS3)。
[解析部による推論処理]
次に、図12を参照して、解析部36による推論処理について説明する。図12は、解析部36による推論処理の手順の例を示すフローチャートである。まず、解析部36は、推論にあたって、データベース331を参照する(ステップS11)。次いで、解析部36は、ステップS11で参照した情報を用いて推論を行う(ステップS12)。次いで、解析部36は、ステップS12で推論した内容を印刷時推定画像331eとしてデータベース331に登録する(ステップS13)。
[解析部による学習処理の詳細]
次に、図13を参照して、解析部36による学習処理の詳細について説明する。図13は、解析部36による学習処理の詳細の手順の例を示すフローチャートである。まず、解析部36は、図11のステップS1でデータベース331を参照して取得した情報が、原稿画像331aであるか否かを判定する(ステップS21)。解析部36による学習が最初に行われる際には、まず始めに原稿画像331aの解析が行われる。
ステップS21で、取得した情報は原稿画像331aであると判定された場合(ステップS21がYES判定の場合)、解析部36の印刷種別区分部361は、原稿画像331aの特徴正規化を行う(ステップS22)。
次いで、印刷種別区分部361は、ステップS22で正規化された原稿画像331aの特徴量をクラスタリングする(ステップS23)。
ステップS21で、取得した情報は原稿画像331aではないと判定された場合(ステップS21がNO判定の場合)、解析部36は、印刷用画像設定情報331bを取得したか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24で、印刷用画像設定情報331bを取得したと判定された場合(ステップS24がYES判定の場合)、解析部36の印刷用画像設定情報学習部362は、印刷用画像設定情報331bの特徴正規化を行う(ステップS25)。
ステップS25の特徴正規化では、印刷用画像設定情報学習部362は、画像処理エンジンの処理に関わる設定値や用紙の情報などの、様々な値で構成される各印刷用画像設定情報を、例えば、“0”から“1”までの間において0.1刻みで示される値のうちの、いずれかの値に置き換える。次いで、印刷用画像設定情報学習部362は、クラスタリングにより分類された印刷種別毎に、印刷用画像設定情報を学習する(ステップS26)。この学習は、学習が飽和するまでの間行われる。
ステップS24で、取得した情報は印刷用画像設定情報331bではないと判定された場合(ステップS24がNO判定の場合)、解析部36は、取得した情報はスキャン画像331cであるか否かを判定する(ステップS27)。ステップS27で、取得した情報はスキャン画像であると判定した場合(ステップS27がYES判定の場合)、解析部36の画像学習部363は、スキャン画像331cを正規化する(ステップS28)。具体的には、画像学習部363は、スキャン画像331cを構成する各画素の画素値を、“1”~“255”で示される値から“0”~“1”で示される値に変換する。
ステップS28がNO判定の場合(取得した情報は原稿画像である場合)、又は、ステップS29の処理後、画像学習部363は、クラスタリングにより分類された印刷種別毎に、原稿画像331a及びスキャン画像331cのペアを訓練データとして学習(深層学習)する(ステップS29)。この学習は、学習が飽和するまでの間行われる。そして、すべての学習が終わった時点で、解析部36による学習は終了する。
[解析部による推論処理の詳細]
次に、図14を参照して、解析部36による推論処理の詳細について説明する。図14は、解析部36による推論処理の詳細の手順の例を示すフローチャートである。まず、解析部36は、図12のステップS11で参照したデータベース331の情報に基づいて、推論に使用する学習済みモデル331d(図4参照)を選択する(ステップS31)。
具体的には、解析部36は、原稿画像331aの印刷種別、例えば、文字が大半を占める原稿、画像が多い原稿、等の情報に基づいて、最適な学習済みモデル331dを選択する。
次いで、解析部36の印刷時推定画像生成部364(図4参照)は、選択した学習済みモデル331dに対応する特徴を正規化する(ステップS32)。ステップS32で正規化される特徴は、原稿画像331a及び印刷用画像設定情報331bである。印刷時推定画像生成部364は、例えば、原稿画像331aの特徴量及び印刷用画像設定情報331bの特徴量を、それぞれ、“0”~“1”の範囲内の値にリサイズする。
次いで、印刷時推定画像生成部364は推論を行う(ステップS33)。推論は、正規化された原稿画像331aの特徴量及び印刷用画像設定情報331bの特徴量を、学習済みモデル331dに入力として与えることにより行われる。そして、この学習済みモデル331dを用いて推論が行われることにより、印刷時推定画像331eが生成される。
印刷時推定画像生成部364によって生成された印刷時推定画像331eは、制御部32(図3参照)による制御に基づいて、表示部37の画面に表示される。これにより、印刷作業者は、印刷を行いたい画像形成装置1で原稿画像331aを実際に印刷する場合における印刷時推定画像331eを、プルーフ印刷を行うことなく画面上で確認することができる。
なお、印刷時推定画像331eの表示先は、印刷時推定画像生成装置3の表示部37に限定されず、端末装置2の表示部(図示略)であってもよい。もしくは、LAN(Local Area Network)や公衆回線網等を介して接続された外部の端末装置の表示部(図示略)であってもよい。
上述した本実施形態では、印刷時推定画像生成装置3の解析部36は、原稿画像331aの印刷種別毎に、原稿画像331aと、その原稿画像331aに基づいて印刷された印刷画像のスキャン画像331cとの組み合わせを訓練データとして深層学習する。スキャン画像331cは、画像形成装置1から出力された印刷画像のスキャン画像であるため、該スキャン画像を用いた深層学習を推論することにより得られる印刷時推定画像331eには、画像形成装置1の印刷特徴(個体差)が反映される。
また、解析部36は、印刷用画像設定情報に示される、画像形成装置1の画像処理エンジンの処理内容も併せて学習する。したがって、解析部36は、学習対象の画像形成装置1における所定の印刷設定が与える、原稿画像に対するスキャン画像での色変化の具合(色変換の特徴)も学習する。それゆえ、本実施形態によれば、未知の印刷設定、原稿画像が入力として与えられた場合にも、それらに基づいて画像形成装置1が実際に印刷を行った場合の推定画像を、解析部36は、印刷時推定画像として生成することができる。
それゆえ、本実施形態によれば、印刷作業者は、プルーフ印刷を行うことなく、印刷時推定画像331eを見ることにより、その画像形成装置1から実際に出力される印刷物における色再現性を確認できる。そして、印刷作業者は、印刷時推定画像331eを見ながら、色再現性を達成するための補正又は加工等を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、トナー、用紙などの資源や、プルーフ印刷の実行時間、色再現の調整時間等を節減することができる。
また、印刷時推定画像生成部364が生成した印刷時推定画像331eは、ネットワークに接続された装置であれば、どの装置にも送信することが可能である。したがって、印刷作業者は、画像形成装置1の設置場所まで移動することなく、自分の操作する端末の表示部の画面を通して、原稿画像を印刷した場合の仕上がりを確認することができる。
[変形例]
なお、本発明は上述した各実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、印刷時推定画像生成装置3の解析部36の画像学習部363が、GANを使用して原稿画像331aとスキャン画像331cとを1対1で対応付けて学習する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。画像学習部363は、原稿画像群とスキャン画像群とを学習してもよい。この際の学習には、例えば、CycleGAN等を用いることができる。
図15は、訓練データとして学習させる原稿画像群及びスキャン画像群の例を示す図である。画像学習部363は、学習にあたって、印刷種別区分部361(図4参照)によって分類された印刷種別毎に、原稿画像群及びスキャン画像群の2つのグループを用意する。例えば、画像学習部363は、文字の比率が多い画像、写真が多い画像、ベタ塗りが多い画像等の印刷種別毎に、該当する原稿画像群及びスキャン画像群のグループを用意する。原稿画像群及びスキャン画像群は、それぞれ独立して用意されるものであり、画像内におけるオブジェクトの位置やサイズ等は、両画像群の間で揃えられる必要はない。
図16は、画像学習部363による、CycleGANを使用した原稿画像群及びスキャン画像群の学習の仕組みの例を示す図である。CycleGANは、第1生成器G1、第2生成器G2及び識別器D′を有する。
第1生成器G1には“x”として原稿画像が入力される。第1生成器G1は、入力された“x”の中から原稿画像群に共通する特徴を抽出し、抽出した特徴を、スキャン画像群に共通する特徴に変換して“G(x)”として出力する。すなわち、第1生成器は、入力された原稿画像に基づいて偽のスキャン画像を生成して出力する。
第2生成器G2には偽のスキャン画像である“G(x)”が入力される。第2生成器G2は、入力された“G(x)”の中からスキャン画像に共通する特徴を抽出し、抽出した特徴を、原稿画像群に共通する特徴に変換して“G(y)”として出力する。すなわち、第2生成器G2は、入力された偽のスキャン画像から原稿画像を再構築して出力する。
識別器D′には、第2生成器G2で生成された偽のスキャン画像である“G(y)”、及び、実際のスキャン画像が入力され、識別器D′は、“G(y)”が、本物のスキャン画像と一致するか否かを判定する。
第1生成器G1及び第2生成器G2は、敵対的損失を含む目的関数、及び、再構成損失(Reconstruction Loss)を含む目的関数を用いた学習を行う。敵対的損失については図8を参照して説明済みであるため、ここではその説明は省略する。再構成損失は、画像変換の可逆性が獲得できるように作用する損失である。この再構成損失を含む目的関数を用いた学習が行われることにより、第1生成器G1及び第2生成器G2のそれぞれにおいて、原稿画像及びスキャン画像に共通する構造を保ったまま、一方の画像を他方の画像に変換することが可能になる。
つまり、本実施形態では、上述した実施形態の画像学習部363がGANを使用する場合における生成器Gと同様に、第1生成器G1が、“x”として入力された原稿画像の各画素の色を変換して、“G(x)”としてスキャン画像を出力する色変換フィルタとして機能する。
画像学習部363による深層学習は、上述したGANを用いた学習時と同様に、学習が飽和するまで継続して行われる。そして、学習の飽和後は、その時点で得られている学習内容が、学習済みモデル331dとしてデータベース331(図3参照)に記憶される。したがって、第1生成器G1は、“x”として、未知の原稿画像が入力された場合にも、該原稿画像の印刷種別に基づいて適切な学習済みモデル331dを選択し、該学習済みモデル331dを用いて推論を行うことにより、原稿画像を実際に画像形成装置1で印刷した場合における印刷時推定画像331eを生成することができる。
そして、画像学習部363は、CycleGANを用いた深層学習を行うことにより、原稿画像331aとスキャン画像331cとを一対一で対応付ける作業を行う必要がなくなるため、変形例に係る制御を行うことにより、時間及び手間をより削減することができる。
また、上述した実施形態において、印刷時推定画像生成装置3は、印刷時推定画像331eから印刷設定を逆引きで参照できる機能を提供してもよい。この場合、印刷時推定画像生成装置3は、例えば、印刷作業者に対して推奨する印刷設定を反映した印刷時推定画像331eを画面に表示させ、その中から好みのイメージを印刷作業者に選択させてもよい。そして、選択された印刷時推定画像331eの印刷設定の情報を、印刷作業者に提供してもよい。
例えば、同じような色再現が行われる画像形成装置が、会社間にまたがって複数存在する場合、ある会社で成功した印刷設定を反映した印刷時推定画像331eを、他の会社の印刷作業者が端末の画面を通して確認できるように、システムが構成されてもよい。このような仕組みが提供されることにより、印刷作業者は、印刷時推定画像331eを介して、適切な色再現を実現するための印刷設定をより迅速に見つけることができるようになる。すなわち、印刷作業者の印刷業務の負担を軽減することができる。また、このような仕組みが、印刷作業者による、印刷時の色再現に対する発散的思考を促すこともできる。
また、例えば、上述した各実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置(画像形成装置、印刷時推定画像生成装置)、システム(画像形成システム)の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、図1~図4に実線又は矢印で示した制御線又は情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…画像形成装置、3…印刷時推定画像生成装置、15…画像形成部、16…画像読取部、17…操作表示部、31…通信I/F部、32…制御部、33…記憶部、34…設定情報取得部、35…スキャン画像取得部、36…解析部、37…表示部、100…画像形成システム、331…データベース、361…印刷種別区分部、362…印刷用画像設定情報学習部、363…画像学習部、364…印刷時推定画像生成部

Claims (15)

  1. 画像形成装置に対して送信された原稿画像、前記原稿画像を印刷用画像に変換する際に前記画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、前記原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を前記画像形成装置から取得する入力部と、
    前記原稿画像の特徴に基づいて、前記原稿画像、前記印刷用画像設定情報及び前記スキャン画像を用いて、前記画像形成装置における色変換の特徴を解析するとともに、前記解析の内容に基づいて、前記画像形成装置で前記原稿画像に基づく画像を印刷する場合の推定画像である印刷時推定画像を生成する解析部と、を備えた
    印刷時推定画像生成装置。
  2. 前記解析部は、前記原稿画像の印刷種別毎に、前記原稿画像、前記印刷用画像設定情報及び前記スキャン画像を用いて、前記印刷時推定画像を生成する
    請求項1に記載の印刷時推定画像生成装置。
  3. 前記解析部は、前記原稿画像を解析することにより前記原稿画像の特徴を抽出し、該特徴を前記原稿画像の印刷種別に区分する印刷種別区分部をさらに備える、
    請求項に記載の印刷時推定画像生成装置。
  4. 前記解析部は、前記印刷種別区分部により区分された前記印刷種別毎に、前記原稿画像及び前記スキャン画像の組み合わせを深層学習することによって、前記画像形成装置における色変換の特徴を解析する
    請求項に記載の印刷時推定画像生成装置。
  5. 前記解析部は、前記深層学習により生成された学習済みモデルに対して、前記原稿画像及び前記印刷用画像設定情報を入力として与えて推論を行うことにより、前記印刷時推定画像を生成する
    請求項に記載の印刷時推定画像生成装置。
  6. 前記印刷種別区分部は、前記原稿画像に含まれる特徴として、前記原稿画像に含まれる色に関する情報、又は、前記原稿画像に含まれる文字に関する情報を少なくとも抽出する
    請求項に記載の印刷時推定画像生成装置。
  7. 画像形成装置に対して送信された原稿画像、前記原稿画像を印刷用画像に変換する際に前記画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、前記原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を前記画像形成装置から取得する入力部と、
    前記原稿画像の特徴に基づいて、前記原稿画像、前記印刷用画像設定情報及び前記スキャン画像を用いて解析された前記画像形成装置における色変換の特徴に基づいて、前記画像形成装置で前記原稿画像に基づく画像を印刷する場合の推定画像である印刷時推定画像を生成する解析部と、を備えた
    印刷時推定画像生成装置。
  8. 前記解析部は、前記原稿画像を解析することにより前記原稿画像の特徴を抽出し、該特徴を前記原稿画像の印刷種別に区分する印刷種別区分部をさらに備える、
    請求項7に記載の印刷時推定画像生成装置。
  9. 画像形成装置に対して送信された原稿画像、前記原稿画像を印刷用画像に変換する際に前記画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、前記原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を前記画像形成装置から取得する入力部と、
    前記原稿画像の特徴に基づいて、前記原稿画像、前記印刷用画像設定情報及び前記スキャン画像を用いて、前記画像形成装置における色変換の特徴を解析する解析部と、を備えた
    印刷時推定画像生成装置。
  10. 前記解析部は、前記原稿画像を解析することにより前記原稿画像の特徴を抽出し、該特徴を前記原稿画像の印刷種別に区分する印刷種別区分部をさらに備える、
    請求項9に記載の印刷時推定画像生成装置。
  11. 画像形成装置に対して送信された原稿画像、前記原稿画像を印刷用画像に変換する際に前記画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、前記原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を入力部が前記画像形成装置から取得する手順と、
    前記原稿画像の特徴に基づいて、前記原稿画像、前記印刷用画像設定情報及び前記スキャン画像を用いて、前記画像形成装置における色変換の特徴を解析するとともに、前記解析の内容に基づいて、前記画像形成装置で前記原稿画像に基づく画像を印刷する場合の推定画像である印刷時推定画像を解析部が生成する手順と、を含む
    印刷時推定画像生成方法。
  12. 前記解析部は、前記原稿画像を解析することにより前記原稿画像の特徴を抽出し、該特徴を前記原稿画像の印刷種別に区分する印刷種別区分部をさらに備える、
    請求項11に記載の印刷時推定画像生成方法。
  13. 画像形成装置に対して送信された原稿画像、前記原稿画像を印刷用画像に変換する際に前記画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、前記原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を入力部が前記画像形成装置から取得する手順と、
    前記原稿画像の特徴に基づいて、前記原稿画像、前記印刷用画像設定情報及び前記スキャン画像を用いて、前記画像形成装置における色変換の特徴を解析するとともに、前記解析の内容に基づいて、前記画像形成装置で前記原稿画像に基づく画像を印刷する場合の推定画像である印刷時推定画像を解析部が生成する手順と、をコンピュータに実行させる
    プログラム。
  14. 前記解析部は、前記原稿画像を解析することにより前記原稿画像の特徴を抽出し、該特徴を前記原稿画像の印刷種別に区分する印刷種別区分部をさらに備える、
    請求項13に記載のプログラム。
  15. 画像形成装置に対して送信された原稿画像、前記原稿画像を印刷用画像に変換する際に前記画像形成装置で行われた処理に関する情報である印刷用画像設定情報、及び、前記原稿画像に基づく画像が印刷された記録材のスキャン画像を前記画像形成装置から取得する入力部と、
    前記原稿画像、前記印刷用画像設定情報及び前記スキャン画像を用いて、前記画像形成装置における色変換の特徴を解析するとともに、前記解析の内容に基づいて、前記画像形成装置で前記原稿画像に基づく画像を印刷する場合の推定画像である印刷時推定画像を生成する解析部と、を備え、
    前記解析部は、前記原稿画像を解析することにより前記原稿画像の特徴を抽出し、該特徴を前記原稿画像の印刷種別に区分する印刷種別区分部をさらに備える
    印刷時推定画像生成装置。
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