以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の除湿機100の斜視図である。図2は、実施の形態1の除湿機100の正面図である。図3は、実施の形態1の除湿機100の側面図である。図1、図2及び図3は、除湿機100の外観を示す図である。
ここで、図2における紙面上の上下方向を、除湿機100の上下方向とする。また、図2における紙面の手前方向を、除湿機100の前方向とする。図2における紙面の奥方向を除湿機100の後方向とする。図2において、紙面上の左方向が除湿機100の右方向に、紙面上の右方向が除湿機100の左方向になる。
また、図3における紙面上の左右方向は、除湿機100の前後方向となる。図3における紙面上の上下方向は、除湿機100の上下方向である。図3において、紙面の手前方向が除湿機100の左方向になり、紙面の奥方向が除湿機100の右方向になる。
図4は、実施の形態1の除湿機100の縦断面図である。図4は、図2におけるA-A位置での除湿機100の断面を示す。図4は、除湿機100の内部の構造を模式的に示す。図4における紙面上の上下左右方向は、図3における紙面上の上下左右方向に対応する。
除湿機100は、筐体1を備える。筐体1は、除湿機100の外殻となる部材である。筐体1は、例えば、自立可能な縦長の箱状に形成される。除湿機100は、車輪2を備えても良い。車輪2は、例えば、筐体1の底に設けられる。この車輪2によって、使用者は、除湿機100を容易に移動させることができる。
筐体1は、吸込口3及び吹出口4を有する。吸込口3は、筐体1の内部に空気を取り込むための開口である。吸込口3は、例えば、筐体1の後面に形成されている。吹出口4は、筐体1の内部から外部に向かって空気を吹き出すための開口である。吹出口4は、例えば、筐体1の前面の上部に形成されている。吹出口4の形状は、例えば、筐体1の左右方向に延びる長方形状である。
筐体1の内部に風路5が形成されている。風路5は、吸込口3から吹出口4へ至る空気の通路となる空間である。除湿機100は、送風手段の一例として、送風ファン6a及びファンモーター6を備える。送風ファン6aは、風路5内に、吸込口3から吹出口4へと向かう気流を発生させるものである。送風ファン6aには、ファンモーター6が接続される。ファンモーター6は、送風ファン6aを回転させる装置である。
送風ファン6a及びファンモーター6は、筐体1の内部に設けられる。送風ファン6aは、風路5内に配置される。送風ファン6aが回転すると、吸込口3から筐体1の内部へ流入した空気が風路5を通過して吹出口4から筐体1の外部へ流出するように、気流が発生する。ここで、風路5において、吸込口3がある側を上流側、吹出口4がある側を下流側とする。すなわち、本実施の形態では、送風ファン6aが回転すると空気が風路5内を上流側から下流側へと向かって流れる。
除湿機100は、空気中の水分を除去する除湿手段の一例として、除湿部7を備える。除湿部7は、空気中の水分を凝縮して排出する装置である。一例として、除湿部7は、凝縮した水分を、液体の水として下方に滴下する。除湿部7は、空気中の水分の除去、すなわち空気の除湿を行う。除湿部7によって除湿された空気は、乾燥した空気となる。
除湿部7は、例えば、ヒートポンプ回路を利用した装置である。ヒートポンプ回路を利用した除湿部7は、蒸発器によって、空気中の水分を凝縮させる。なお、除湿部7は、例えば、デシカント方式の装置であっても良い。デシカント方式の除湿部7は、空気中の水分を吸着する吸着剤、ヒーター及び熱交換器を有する。デシカント方式の除湿部7が有する吸着剤に吸着された水分は、ヒーターによって加熱される。このヒーターによって加熱された水分は、熱交換器によって冷却されて凝縮する。
除湿部7は、筐体1の内部に設けられる。除湿部7は、風路5内に配置される。除湿部7は、一例として、吸込口3と送風ファン6aとの間に配置される。本実施の形態の除湿部7は、送風ファン6aの上流側に配置される。本実施の形態において、吸込口3、除湿部7、送風ファン6a及び吹出口4は、上流側から下流側へ順に配置される。
本実施の形態の除湿機100は、除湿部7により除去された水分を液体の水として貯留する貯水部8を備える。すなわち、貯水部8は、除湿部7から排出された水を貯める機能を有する。貯水部8は、例えば、上部が開口した容器状の部材を有する。貯水部8は、筐体1の内部で、除湿部7の下方に設けられる。貯水部8は、除湿部7から滴下された水を、上部の開口から受けて貯める。この貯水部8は、筐体1に対して着脱可能に設けられる。本実施の形態の貯水部8は、貯水手段の一例である。
また、除湿機100は、フィルター9を備えても良い。フィルター9は、筐体1の内部に設けられる。フィルター9は、吸込口3を筐体1の内部から覆うように設けられる。フィルター9は、筐体1の内部への塵及び埃の侵入を防止する。
図5は、実施の形態1における貯水部8、第一水位センサ10a、満水水位センサ10b、及びフロート20の構成を示す模式的な側面図である。図6は、実施の形態1の除湿機100の機能ブロック図である。本実施の形態の除湿機100は、センサ部10を備える。センサ部10は貯水部8内の水位を検知する。図5に示すように、一例として、センサ部10は、貯水部8に近接して取り付けられた第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bを有する。本実施の形態において、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bのそれぞれは、水位検知手段の一例である。このように、本実施の形態では、2個の水位検知手段が、互いに異なる高さの位置に、配置されている。本実施の形態における第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bは、フロート式スイッチを用いたものである。フロート式スイッチとは、フロート20が水位に応じて上下し、フロート20に設けられたマグネット20aによりリードスイッチをオン/オフすることで水位を検知するものである。なお、本開示における水位検知手段は、フロート式スイッチを用いたものに限定されるものではなく、水位を検知できるものであれば、いかなる検知原理を利用したものでもよい。
図5に示すように、一例として、第一水位センサ10aは、第一水位センサ10aが持つON領域A1に、水位の上昇によりフロート20の持つマグネット20aが達することにより、貯水部8内の水位が第一水位L1の高さに達しているかどうかを検知可能である。すなわち、水位の上昇によってマグネット20aがON領域A1に達すると、第一水位センサ10aがON信号を出すことで、第一水位L1に達したことを検知できる。なお、本開示では、水位検知手段がON信号を出すことを「ON検知」あるいは「ONする」と称する場合がある。また、本開示では、水位検知手段がOFF信号を出すことを「OFF検知」あるいは「OFF」と称する場合がある。
同様に、満水水位センサ10bは、満水水位センサ10bが持つON領域A3に、水位の上昇によりフロート20の持つマグネット20aが達することにより、貯水部8内の水位が満水水位の高さに達しているかどうかを検知可能である。すなわち、水位の上昇によってマグネット20aがON領域A3に達すると、満水水位センサ10bがON信号を出すことで、満水水位に達したことを検知できる。
また、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bのどちらのON領域でもないOFF領域A2が、ON領域A1とON領域A3との間の高さに存在するよう、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bを配置している。これにより、第一水位センサ10aがONし第一水位L1を検知した後、除湿が進みフロート20が水位に伴い上昇し、第一水位センサ10aのOFF信号を検知することにより、貯水部8内の水位が第二水位L2の高さに達しているかどうかを検知可能である。第一水位L1及び第二水位L2は、満水水位よりも低い水位である。第二水位L2は、第一水位センサ10aと、満水水位センサ10bとの間の水位に相当する。第一水位L1は、例えば、満水水位の貯水量の1/2程度の貯水量、第二水位L2は満水水位の3/4程度の貯水量となる水位でもよい。また、検知したい水位に応じて、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bを配置する個所を変更しても良い。
除湿機100は、貯水部8内の水位に関する報知動作を行う水位報知部11を備える。図1に示すように、一例として、水位報知部11は、第一水位LED11a、第二水位LED11b、満水LED11c、音声報知器11d及び液晶表示器11eを有する。図1に示すように、水位報知部11は、例えば、筐体1の上面の後面側に配置される。本実施の形態の水位報知部11は水位報知手段の一例である。除湿機100は、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bによって検知した水位に基づいて水位報知部11に報知動作を行わせることにより、貯水部8内の水位に関する情報を使用者に報知することができる。
本実施の形態における水位報知部11の第一水位LED11a、第二水位LED11b及び満水LED11cは、光を発することで報知動作を行う発光部としてLED(発光ダイオード)を用いているが、例えば白熱電球、ハロゲン電球、ネオン管、蛍光灯、有機エレクトロルミネセンスなど、LED以外の発光部を代用してもよいことは言うまでもない。
除湿機100は、センサ部10の信号に基づいて水位報知部11を制御する制御装置12を有する。図4に示すように、制御装置12は、例えば、筐体1の内部に設けられる。制御装置12は、除湿機100に備えられる各機器に接続される。制御装置12は、除湿機100に備えられる各機器を制御するものである。図6に示すように、一例として、制御装置12は動作制御部12aと記憶部12bとを有する。制御装置12は、ファンモーター6、除湿部7、センサ部10、及び水位報知部11のそれぞれに対して電気的に接続されている。
センサ部10の第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bは、検知した水位の情報を、電圧等の電気信号に変換する。第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bは、変換した電気信号を、制御装置12へ送信する。制御装置12は、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bからの信号に基づいて、第一水位LED11a、第二水位LED11b、満水LED11c、音声報知器11d及び液晶表示器11eを制御する。
記憶部12bは記憶手段の一例である。記憶部12bには、水位報知部11による複数の報知方法が予め設定される。本実施の形態では、一例として第1モード、第2モード及び第3モードが設定される。
本実施の形態における動作制御部12aは、センサ部10の信号に基づいて水位報知部11を制御する水位報知制御手段としての機能を有する。動作制御部12aは、例えば、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bからの信号に基づいて、第1モード、第2モード及び第3モードの処理を実行する。
動作制御部12aは、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bからの信号に基づいて、記憶部12bに設定された複数の報知方法の中から1つの処理を実行する。例えば、動作制御部12aは、第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bからの信号に基づいて、第一水位LED11a、第二水位LED11b、満水LED11c、音声報知器11d及び液晶表示器11eを制御する。
センサ部10は、少なくとも3段階の、互いに異なる水位を検知可能であればよい。前述したように、本実施の形態のセンサ部10は、第一水位L1と、第二水位L2と、満水水位とを、3段階の互いに異なる水位として検知可能である。
本実施の形態の除湿機100は、操作部13を備える。操作部13は、使用者が除湿機100を操作するためのものである。図1に示すように、操作部13は、例えば、筐体1の上面の後面側に配置される。操作部13は一例として、運転ボタン13aを有する。
運転ボタン13aは、使用者が除湿機100の運転を開始及び停止させるために操作するものである。制御装置12と操作部13とは、電気的に接続される。操作部13は、使用者からの操作に応じた信号を、制御装置12へ送信する。制御装置12は、操作部13からの信号に基づいて、ファンモーター6及び除湿部7の動作を制御する。変形例として、運転ボタン13aのほかに停止ボタン(図示省略)を操作部13が備え、使用者が除湿機100の運転を停止させるときには当該停止ボタンを押すこととしてもよい。なお、図4中の報知水位設定ボタン13bについては、後述の実施の形態3にて説明する。
水位報知部11は、少なくとも3段階の水位で、互いに異なる報知動作を実施可能であればよい。「互いに異なる報知動作」とは、使用者が例えば視覚または聴覚のような感覚により区別することのできる報知動作である。本実施の形態の水位報知部11は、第1モードの報知動作と、第2モードの報知動作と、第3モードの報知動作とを、3段階の互いに異なる報知動作として実施可能である。動作制御部12aは、センサ部10により検知される3段階の水位に応じて、水位報知部11による3段階の報知動作を制御する。これにより、以下の効果が得られる。貯水部8内の互いに異なる3段階の水位に対応した3段階の報知動作が水位報知部11により実施されるので、使用者は、貯水部8内の水位を正確に知る上で有利になる。例えば、使用者は、貯水部8内の水位が満水水位に近い状態であるか否かを知る上で有利になる。その結果、除湿機100の使い勝手が良好になる。例えば、貯水部8内の水位が満水水位に近いことを知らずに使用者が除湿機100の除湿運転を開始させてしまい、運転を開始してから短時間のうちに貯水部8内の水位が満水水位に達し、使用者の意に反して除湿機100が除湿運転を自動停止してしまうような事態を予防する上で有利になる。
制御装置12は、第一水位センサ10aがON状態を検知すると、第1モードの報知動作を水位報知部11に実施させる。第1モードの報知動作では、以下のようになる。最初の処理として、音声報知器11dを一定時間発音させる。一例として、ブザー音を発音させ発音時間を1秒とする。音声報知器11dの発音後、第一水位LED11aを点灯させる。このような第1モードの報知動作によれば、貯水部8内の水位が第一水位L1の高さに達したことを使用者に報知することができる。第一水位LED11aが点灯している状態を「第一水位報知状態」と称する。
制御装置12は、除湿機100が第一水位報知状態にあり、かつ第一水位センサ10aがOFF状態を検知すると、第2モードの報知動作を水位報知部11に実施させる。第2モードの報知動作では、以下のようになる。最初の処理として、音声報知器11dを一定時間発音させる。一例として、ブザー音を発音させ発音時間を1秒とする。音声報知器11dの発音後、第二水位LED11bを点灯させる。第二水位LED11bの発光色を第一水位LED11aの発光色と異なる色にしてもよい。このような第2モードの報知動作によれば、貯水部8内の水位が第二水位L2の高さに達したことを使用者に報知することができる。第一水位LED11a及び第二水位LED11bが点灯している状態を「第二水位報知状態」と称する。
制御装置12は、除湿機100が第二水位報知状態にあり、かつ満水水位センサ10bがON状態を検知すると、第3モードの報知動作を水位報知部11に実施させる。第3モードの報知動作では、以下のようになる。最初の処理として、音声報知器11dを一定時間発音させる。一例として、ブザー音を発音させ発音時間を1秒とする。音声報知器11dの発音後、満水LED11cを点灯させる。満水LED11cの発光色を第一水位LED11a及び第二水位LED11bの発光色と異なる色にしてもよい。さらに、所定の満水表示を液晶表示器11eに表示させてもよい。満水表示は、例えば「満水」との文字を含むものでもよい。このような第3モードの報知動作によれば、貯水部8内の水位が満水水位の高さに達したことを使用者に報知することができる。第一水位LED11a、第二水位LED11b及び満水LED11cが点灯し、液晶表示器11eが満水表示を表示している状態を「満水報知状態」と称する。
音声報知器11dから発生させる音声は単なるブザー音ではなく、音声案内であっても良く、発話される複数種類の報知音声が記憶部12bに予め設定されていてもよい。例えば、複数種類の報知音声として、以下のような報知音声1、報知音声2及び報知音声3が記憶部12bに設定されてもよい。
貯水部8内の水位が第一水位L1に達したことをセンサ部10が検知した場合、音声報知器11dに報知音声1を発話させる。報知音声1は、例えば「タンクの水位が中間水位となりました」という内容であっても良い。
貯水部8内の水位が第二水位L2に達したことをセンサ部10が検知した場合、音声報知器11dに報知音声2を発話させる。報知音声2は、例えば「タンクの水位はもうすぐ満水です」という内容であっても良い。
貯水部8内の水位が満水水位に達したことをセンサ部10が検知した場合、音声報知器11dに報知音声3を発話させる。報知音声3は、例えば「タンクの水位が満水となりました」という内容であっても良い。
本実施の形態では、第一水位報知状態では第一水位LED11aのみが点灯し、第二水位報知状態では第一水位LED11a及び第二水位LED11bが点灯する。満水報知状態では第一水位LED11a、第二水位LED11b及び満水LED11cの3個が点灯する。これにより、使用者が遠くから除湿機100を見た場合においても、点灯しているLEDの数によって、第一水位報知状態であるか第二水位報知状態であるか満水報知状態であるかを確実に使用者が識別することができる。
貯水部8に満水水位を超えて水を貯留することはできない。このため、満水報知状態になると、制御装置12は、除湿機100の除湿運転を自動的に停止させる。
上述したように、本実施の形態において、制御装置12は、貯水部8内の水位が第一水位L1に達すると第1モードの報知動作を水位報知部11に実施させ、貯水部8内の水位が第二水位L2に達すると第2モードの報知動作を水位報知部11に実施させ、貯水部8内の水位が満水水位に達すると第3モードの報知動作を水位報知部11に実施させる。これにより、貯水部8内の水位が第一水位L1に達したタイミングと、貯水部8内の水位が第二水位L2に達したタイミングと、貯水部8内の水位が満水水位に達したタイミングとの各タイミングにおいて使用者に貯水部8内の水位に関する情報を確実に知らせることができる。その結果、除湿機100の使い勝手がさらに良好になる。
次に、図7を参照して、本実施の形態の除湿機100の動作についてさらに説明する。図7は、実施の形態1の除湿機100における制御動作を示すフローチャートである。除湿機100は、例えば、リビング等の室内で使用される。ステップS101として、使用者が運転ボタン13aを押すと、運転ボタン13aは、動作制御部12aへ信号を送信する。動作制御部12aは、運転ボタン13aから信号を受信すると、ファンモーター6及び除湿部7を駆動させる。ファンモーター6が駆動すると、送風ファン6aが回転する。送風ファン6aは、気流を発生させる。送風ファン6aによって、図4に示すように、室内空気Pが吸込口3から筐体1の内部へ取り込まれる。室内空気Pは、除湿部7によって除湿されて、乾燥空気Qとなる。乾燥空気Qは、送風ファン6aによって、吹出口4から室内へ送り出される。上記のようにして、除湿機100は除湿運転を開始する(ステップS102)。
除湿部7によって取り除かれた水分は、液体の水として貯水部8に貯留される。ステップS103として、動作制御部12aは、貯水部8内の水位が第一水位L1に達したことを第一水位センサ10aが検知したかどうかを判断する。貯水部8内の水位がまだ第一水位L1に達していない場合には、ステップS103の処理が繰り返され、除湿機100は除湿運転を継続する。
図8は、第一水位L1が検知される前後の貯水部8の状態を示している。図8(a)はステップS103での「NO」の状態を示しており、水位によりフロート20に設けられたマグネット20aは第一水位センサ10aのOFF領域A0に位置している。除湿が進行して水位が上昇し図8(b)の状態になると、フロート20に設けられたマグネット20aが第一水位センサ10aのON領域A1に入る。これにより第一水位センサ10aはON検知を行い、貯水部8内の水位が第一水位L1に達したことを検知する(ステップS103「YES」の状態)。
ステップS103にて「YES」となると、処理はステップS104へ進み、除湿機100は第1モードの報知動作を実行する。動作制御部12aは、第1モードの報知動作の最初の処理として、ステップS105にて音声報知器11dを発音させる。音声報知器11dを発音させることにより、使用者は、除湿機100から遠くにいた場合であっても、除湿機100に注目する。続いて、ステップS106として、動作制御部12aは、第一水位LED11aを点灯させる。以上のような第1モードの報知動作が実行されると、除湿機100は第一水位報知状態となる(ステップS107)。
除湿機100が第一水位報知状態になると、ステップS108へ進み、動作制御部12aは、貯水部8内の水位が第二水位L2に達したことを、第一水位センサ10aがOFF検知したかどうかにより判断する。貯水部8内の水位がまだ第二水位L2に達していない場合には、ステップS106に戻り、除湿機100は、第一水位報知状態で除湿運転を継続する。
図9は、第二水位L2が検知される前後の貯水部8の状態を示している。図9(a)はステップS108での「NO」の状態を示しており、水位によりフロート20に設けられたマグネット20aは第一水位センサ10aのON領域A1に位置している。除湿が進行して水位が上昇し図9(b)の状態になると、フロート20に設けられたマグネット20aが第一水位センサ10aのOFF領域A2に入る。これにより第一水位センサ10aはOFF検知を行い、貯水部8内の水位が第二水位L2に達したことを検知する(ステップS108「YES」の状態)。
ステップS108にて「YES」となると、処理はステップS109へ進み、除湿機100は第2モードの報知動作を実行する。動作制御部12aは、第2モードの報知動作の最初の処理として、ステップS110にて音声報知器11dを発音させる。次いで、第二水位LED11bを点灯させる(ステップS111)。以上のような第2モードの報知動作が実行されると、除湿機100は第二水位報知状態となる(ステップS112)。
除湿機100が第二水位報知状態になると、ステップS113へ進み、動作制御部12aは、貯水部8内の水位が満水水位に達したことを、満水水位センサ10bがON検知したかどうかにより判断する。貯水部8内の水位がまだ満水水位に達していない場合には、ステップS111に戻り、除湿機100は、第二水位報知状態で除湿運転を継続する。
図10は、満水水位が検知される前後の貯水部8の状態を示している。図10(a)はステップS113での「NO」の状態を示しており、水位によりフロート20に設けられたマグネット20aは第一水位センサ10a及び満水水位センサ10bのOFF領域A2に位置している。除湿が進行して水位が上昇し図10(b)の状態になると、フロート20に設けられたマグネット20aが満水水位センサ10bのON領域A3に入る。これにより満水水位センサ10bはON検知を行い、貯水部8内の水位が満水水位に達したことを検知する(ステップS113「YES」の状態)。
ステップS113にて「YES」となると、処理はステップS114へ進み、除湿機100は第3モードの報知動作を実行する。動作制御部12aは、第2モードの報知動作の最初の処理として、ステップS115にて音声報知器11dを発音させる。次いで、満水LED11cを点灯させる(ステップS116)。続いて、動作制御部12aは、液晶表示器11eに満水表示を表示させる(ステップS117)。以上のような第3モードの報知動作が実行されると、除湿機100は満水報知状態となる(ステップS118)。満水報知状態になると、動作制御部12aは、除湿機100の除湿運転を停止させる(ステップS119)。
ステップS119からステップS120へ進み、動作制御部12aは、満水水位センサ10bが満水水位を検知し続けているかどうかを判断する。満水水位センサ10bが満水水位を検知し続けている場合には、動作制御部12aは、ステップS116以降の処理を繰り返す。その結果、除湿機100は、満水報知状態を維持し、除湿運転の停止を継続する。
本実施の形態であれば、貯水部8内の水位が高くなっていること、すなわち貯水部8に溜まった水を捨てるべき状態になっていることを、水位報知部11の報知動作によって使用者に確実に知らせることができる。そのような報知動作を受けて、貯水部8に溜まった水を捨てる操作を使用者が実施すると、貯水部8内の水位が低下するので、ステップS120において、満水水位センサ10bが満水水位を検知しなくなる。満水水位センサ10bが満水水位を検知しなくなると、ステップS120からステップS121へ進む。
ステップS121で、動作制御部12aは、第一水位LED11a、第二水位LED11b及び満水LED11cを消灯し、液晶表示器11eの満水表示を非表示とする。その後、動作制御部12aは、ステップS102以降の処理を繰り返す。その結果、除湿機100は除湿運転を再開する。
本実施の形態であれば、除湿機100が、第一水位報知状態になったとき、第一水位報知状態から第二水位報知状態になったとき、または第二水位報知状態から満水報知状態になったときに、水位報知部11の第一水位LED11a、第二水位LED11b、満水LED11c、音声報知器11d及び液晶表示器11eを組み合わせて段階的に報知動作を行うことができる。このため、使用者は、貯水部8内の水位を頻繁に確認しなくても、貯水部8内の水位を正確に認識することができ、あとどれだけ除湿運転を継続できるかを容易に予測することができる。本実施の形態によれば、3段階の水位検知ができるため、使用者にとって使い勝手の良い除湿機を得ることができる。
本実施の形態であれば、少なくとも2個の水位検知手段で、少なくとも3段階の貯水部8の水位に応じて、少なくとも3段階の報知動作を実施可能であるので、より低コストで使い勝手を良好にする上で有利な除湿機100を提供することが可能となる。
実施の形態2.
次に、図11から図14を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。実施の形態2の除湿機100の基本的な構成は、実施の形態1と同様に、図1から図4によって示される。実施の形態1と同様の構成及び動作については、説明を省略する。
本実施の形態の除湿機100は、貯水部8内の水位を検知する水位検知手段を3個以上備えることで、第一水位L1、第二水位L2及び満水水位以外の水位も検知することができる。一例として、本実施の形態のセンサ部10は、第一水位センサ10a、満水水位センサ10bに加えて、第三水位センサ10cを有する。すなわち、本実施の形態では、3個の水位検知手段が、互いに異なる高さの位置に、配置されている。図11は、実施の形態2における貯水部8、第一水位センサ10a、満水水位センサ10b、第三水位センサ10c、フロート20の構成を示す模式的な側面図である。図11に示すように、第三水位センサ10cは、貯水部8内の水位がL3の位置に達しているかどうかを検知可能な位置に配置されている。本実施の形態における第一水位センサ10a、満水水位センサ10b、及び第三水位センサ10cは、実施の形態1と同様にフロート式スイッチを用いたものであるが、これに限定されるものではなく、水位を検知できるものであれば、いかなる検知原理を利用したものでも良い。
図11に示すように、本実施の形態では第一水位センサ10aはON領域A1、第三水位センサ10cはON領域A3、満水水位センサ10bはON領域A5を持つ。各水位センサのON領域に、水位変化によってフロート20の持つマグネット20aが達することにより、貯水部8内の水位がそれぞれ第一水位L1、第三水位L3、満水水位の高さに達しているかどうかを検知可能である。また、第一水位センサ10a及び第三水位センサ10cのどちらのON領域でもないOFF領域A2が、ON領域A1とON領域A3との間の高さに存在し、かつ、第三水位センサ10c及び満水水位センサ10bのどちらのON領域でもないOFF領域A4が、ON領域A3とON領域A5との間の高さに存在するように、第一水位センサ10a、第三水位センサ10c及び満水水位センサ10bを配置している。これにより、第一水位センサ10aがONし第一水位L1を検知した後、除湿が進みフロート20が水位に伴い上昇し、第一水位センサ10aのOFFを検知することにより、貯水部8内の水位が第二水位L2の高さに達しているかどうかを検知可能である。また、第三水位センサ10cがONし第三水位L3を検知した後、除湿が進みフロート20が水位に伴い上昇し、第三水位センサ10cのOFFを検知することにより、貯水部8内の水位が第四水位L4の高さに達しているかどうかを検知可能である。
本実施の形態の動作制御部12aは、一例として、第三水位センサ10cからの信号に基づいて、記憶部12bに設定された第4モード及び第5モードの処理を実行する。
動作制御部12aは、第一水位センサ10a、満水水位センサ10b、第三水位センサ10cからの信号に基づいて、記憶部12bに設定された複数の報知方法の中から1つの処理を実行する。動作制御部12aは、第三水位センサ10cからの信号に基づいて、第三水位LED11f、第四水位LED11g、音声報知器11dを制御する。
制御装置12は、貯水部8内の水位が第三水位L3に達したことを検知した第三水位センサ10cからON信号を受信すると、第4モードの報知動作を水位報知部11に実施させる。第4モードの報知動作では、第三水位LED11fを点灯させる。第三水位LED11fの点灯を視認することで、使用者は、貯水部8内の水位が第三水位L3まで達したことを知ることができる。
制御装置12は、貯水部8内の水位が第四水位L4に達したことを検知した第三水位センサ10cからOFF信号を受信すると、第5モードの報知動作を水位報知部11に実施させる。第5モードの報知動作では、第四水位LED11gを点灯させる。第四水位LED11gの点灯を視認することで、使用者は、貯水部8内の水位が第四水位L4まで達したことを知ることができる。
本実施の形態におけるセンサ部10は、互いに異なる5段階の水位として、低い方から順に、第一水位L1、第二水位L2、第三水位L3、第四水位L4、及び満水水位を検知可能である。また、本実施の形態におけるセンサ部10は、互いに異なる5段階の報知動作として、低水位側から順に、第1モード、第2モード、第4モード、第5モード、及び第3モードの報知動作を実施可能である。動作制御部12aは、センサ部10により検知される5段階の水位に応じて、水位報知部11による5段階の報知動作を制御する。これにより、以下の効果が得られる。貯水部8内の互いに異なる5段階の水位に対応した5段階の報知動作が水位報知部11により実施されるので、使用者は、貯水部8内の水位を実施の形態1よりもさらにきめ細かく正確に知ることができる。その結果、除湿機100の使い勝手がさらに良好になる。
本実施の形態であれば、3個の水位検知手段で5段階の貯水部8の水位に応じて、5段階の報知動作を実施可能であるので、多段階の水位検知をより低コストで使い勝手を良好にする上で有利な除湿機100を提供することが可能となる。
図12は、実施の形態2の除湿機100の機能ブロック図である。センサ部10の第一水位センサ10a、満水水位センサ10b、第三水位センサ10cは検知した水位の情報を電圧等の電気信号に変換し、その電気信号を制御装置12へ送信する。
次に、図13を参照して、本実施の形態の除湿機100の動作についてさらに説明する。図13は、実施の形態2の除湿機100における制御動作を示すフローチャートである。図13のフローチャートにおけるステップS201~S212、S223~S231のそれぞれの処理は、実施の形態1の動作を示す図7のフローチャートにおけるS101~S112、S113~S121のそれぞれの処理と同様である。このため、ステップS201~S212、S223~S231の処理については説明を省略する。また実施の形態1での図8~図10に示した各水位検知前後の貯水部8の状態を示した模式図についても、水位の上昇による動作は本実施の形態でも同様のため説明を省略する。
図13のステップS213からステップS222の処理について説明する。ステップS213において、動作制御部12aは、貯水部8内の水位が第三水位L3に達したかどうかを、第三水位センサ10cがON検知したかどうかにより、判断する。貯水部8内の水位がまだ第三水位L3に達していない場合には、ステップS213の処理が繰り返され、除湿機100は除湿運転を継続する。
これに対し、貯水部8内の水位が第三水位L3に達したことを第三水位センサ10cがON検知にて検知した場合には、処理はステップS214へ進み、除湿機100は第4モードの報知動作を実行する。本実施の形態では、動作制御部12aは、第4モードの報知動作の最初の処理として、ステップS215にて音声報知器11dを発音させる。音声報知器11dを発音させることにより、使用者は、除湿機100から遠くにいた場合であっても、除湿機100に注目する。続いて、第4モードの報知動作として、第三水位LED11fを点灯させる(ステップS216)。以上のような第4モードの報知動作が実行されると、除湿機100は第三水位報知状態となる(ステップS217)。
除湿機100が第三水位報知状態になると、ステップS218へ進み、動作制御部12aは、貯水部8内の水位が第四水位L4に達したかどうかを、第三水位センサ10cがOFF検知したかどうかにより、判断する。貯水部8内の水位がまだ第四水位L4に達していない場合には、ステップS216に戻り、除湿機100は、第三水位報知状態で除湿運転を継続する。
貯水部8内の水位が第四水位L4に達したことを第三水位センサ10cがOFF検知にて検知した場合には、処理はステップS219へ進み、除湿機100は第5モードの報知動作を実行する。本実施の形態では、動作制御部12aは、第5モードの報知動作の最初の処理として、ステップS220にて音声報知器11dを発音させる。音声報知器11dを発音させることにより、使用者は、除湿機100から遠くにいた場合であっても、除湿機100に注目する。続いて、第5モードの報知動作として、第四水位LED11gを点灯させる(ステップS221)。以上のような第5モードの報知動作が実行されると、除湿機100は第四水位報知状態となる(ステップS222)。その後、処理はステップ223へ移行する。
図14は、本実施の形態2における第一水位LED11a、第二水位LED11b、第三水位LED11f、第四水位LED11g、及び満水LED11cの点灯状態を示す模式図である。(a)は第一水位L1に達した状態、(b)は第二水位L2に達した状態、(c)は第三水位L3に達した状態、(d)は第四水位L4に達した状態、(e)は満水状態をそれぞれ示しており、第一水位LED11a、第二水位LED11b、第三水位LED11f、第四水位LED11g、及び満水LED11cが段階的に点灯する様子を示している。これにより、使用者が遠くから除湿機100を見た場合においても、点灯しているLEDの数によって、どの水位報知状態であるかを確実に使用者が識別することができる。またより識別しやすくするため各LEDの発光色を変えても良い。
以上説明したように、本実施の形態2では、水位センサを3個以上使用して水位の検知を行うことにより、検知できる水位の数を増やすことができる。また、検知した水位に基づいて、報知方法を切り替えることで、よりきめ細かく水位を使用者に報知することができる。実施の形態2によれば、水位センサの設置数を増やすことなく5段階以上の水位が検知できるため、使用者にとってさらに使い勝手の良い除湿機を得ることが、より低コストで実現できる。
実施の形態3.
次に、図15~図17を参照して、実施の形態3について説明するが、前述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。実施の形態3の除湿機100の基本的な構成は、実施の形態1及び実施の形態2と同様に図1から図14によって示される。実施の形態1及び実施の形態2と同様の構成及び動作については、説明を省略する。
図15は、実施の形態3の除湿機100の機能ブロック図である。ファンモーター6、除湿部7、センサ部10、水位報知部11は、実施の形態2に準ずるものとする。図15に示すように、本実施の形態においては操作部13に、報知水位設定ボタン13bを備える。本実施の形態における除湿機100は、センサ部10により検知可能な複数段階の水位のうちから、報知動作を実施する水位を使用者が選択可能とする報知水位設定ボタン13bを備える。すなわち、本実施の形態において、使用者は、報知水位設定ボタン13bを操作することにより、センサ部10により設定された複数段階の報知水位から、報知を希望する水位を任意に設定することが可能となる。本実施の形態の報知水位設定ボタン13bは報知水位設定手段の一例である。
報知水位設定ボタン13bを操作することにより、信号が制御装置12に送信される。制御装置12は報知水位設定ボタン13bが操作されるたびに、使用者に対して水位報知部11のLED表示状態を変化させて設定する報知水位を通知する。図16は、水位報知部11による水位LEDの表示状態を示す模式図である。一例として、使用者が報知水位設定ボタン13bを操作するたびに、第一水位LED11a→第二水位LED11b→第三水位LED11f→第四水位LED11g→満水LED11cと点滅しながら移動するようにする。図16(a)は、第三水位LED11fが点滅している状態を示している。
一方、制御装置12には内部タイマ12cを備える。内部タイマ12cは報知水位設定ボタン13bが操作された後の待機時間を測定している。使用者が報知水位設定ボタン13bを操作し、希望の報知水位を示す水位LEDを選択した後、ある待機時間(例えば5秒)が経過するかを計測する。動作制御部12aは待機時間が経過した場合は使用者が報知水位を選択したとして、音声報知器11dより報知音を短く(例えば0.5秒)発音し、水位表示LEDを点滅から消灯に表示を変更する。
また報知水位の選択には待機時間の経過のみでなく、報知水位設定ボタン13bの長押し動作によるものとしても良い。この場合も使用者が報知水位設定ボタン13bを操作し、希望の報知水位を示す水位LEDを選択した後、報知水位設定ボタン13bを長押し(例えば3秒)することを内部タイマ12cにより計測する。この場合も動作制御部12aは長押し時間が経過した場合は使用者が報知水位を選択したとして、音声報知器11dより報知音を短く(例えば0.5秒)発音し、水位表示LEDを点滅から消灯に表示を変更する。
動作制御部12aは、使用者により報知水位が選択されると同時に、選択された報知水位に応じたセンサ部10での検知内容を選択し、記憶部12bに記憶する。一例として使用者が報知水位を第三水位に設定した場合には、「第三水位センサ:ON」が検知内容として選択され記憶部に記憶される。これにより除湿機100は除湿運転を行った際に貯水部8の水位が第三水位L3に達し、第三水位センサ10cがONを検知した場合に使用者に対し報知を行うことが可能となる。
次に図17を参照して本実施形態の除湿機100の動作についてさらに説明する。図17は、実施の形態3の除湿機100における制御動作を示すフローチャートである。図17のフローチャートにおけるステップS301、S302の処理は、実施の形態1の動作を示す図7のフローチャートにおけるステップS101、S102のそれぞれの処理と同様である。このため、ステップS301、S302の処理については説明を省略する。
図17のステップS303以降について説明する。ステップS303において、動作制御部12aは、使用者により報知水位設定ボタン13bが操作されたかを判定する。報知水位設定ボタン13bが操作されていないと判定した場合は、ステップS304に移行し、実施の形態1のステップS103もしくは実施の形態2のステップS203に移行し除湿運転を継続する。
ステップS303において動作制御部12aにより報知水位設定ボタン13bが操作されたと判定された場合はステップS305の報知希望水位選択状態に移行する。ステップS306にて使用者に対して水位報知部11のLED表示状態を変化させて設定する報知水位を通知する。一例として、使用者が報知水位設定ボタン13bを操作するたびに第一水位LED11a→第二水位LED11b→第三水位LED11f→第四水位LED11g→満水LED11cと点滅しながら移動するようにする。
ステップS307では動作制御部12aにより、使用者による報知希望水位の選択が有効かどうかを判定する。判定については使用者が、希望の報知水位を示す水位LEDを選択した後、ある待機時間(例えば5秒)が経過するかを内部タイマ12cにて計測する。動作制御部12aは待機時間が経過した場合は使用者が報知水位を選択したとして報知希望水位を設定し、音声報知器11dより報知音を短く(例えば0.5秒)発音し、水位表示LEDを点滅から消灯に表示を変更する。また同時に選択された報知水位に応じたセンサ部10での検知内容を選択し、記憶部12bに記憶する。一例として使用者が報知水位を第三水位に設定した場合には、「第三水位センサ:ON」が検知内容として選択され記憶部に記憶される(ステップS308)。
除湿部7によって取り除かれた水分は、液体の水として貯水部8に貯留される。ステップS309として、動作制御部12aは、貯水部8内の水位が使用者により設定された報知希望水位に達したことを、記憶部12bに記憶された検知内容により判定を行う。貯水部8内の水位がまだ使用者の報知希望水位に達していない場合には、ステップS309の処理が繰り返され、除湿機100は除湿運転を継続する。
ステップS309にて使用者の報知希望水位に達したと判定されると、処理はステップS310へ進み、除湿機100は第6モードの報知動作を実行する。動作制御部12aは、第6モードの報知動作の最初の処理として、ステップS311にて音声報知器11dを発音させる。次いで、報知希望水位に該当する水位LEDを点灯させる(ステップS312)。一例として図16(b)は第三水位LED11fを点灯している状態を示している。以上のような第6モードの報知動作が実行されると、除湿機100は報知希望水位報知状態となる(ステップS313)。報知希望水位報知状態になると、動作制御部12aは、除湿機100の除湿運転を停止させる(ステップS314)。
ステップS314からステップS315へ進み、動作制御部12aは、使用者の報知希望水位を検知し続けているかどうかを判断する。センサ部10が報知希望水位を検知し続けている場合には、動作制御部12aは、ステップS312以降の処理を繰り返す。その結果、除湿機100は、報知希望水位状態を維持し、除湿運転の停止を継続する。
本実施の形態であれば、貯水部8内の水位が、使用者が報知を希望する水位に達していること、すなわち貯水部8に溜まった水を捨てるべき状態になっていることを、水位報知部11の報知動作によって使用者に確実に知らせることができる。そのような報知動作を受けて、貯水部8に溜まった水を捨てる操作を使用者が実施すると、貯水部8内の水位が低下するので、ステップS315において、センサ部10が報知希望水位を検知しなくなる。センサ部10が報知希望水位を検知しなくなると、ステップS315からステップS316へ進む。
ステップS316で、動作制御部12aは、報知希望水位該当LEDを消灯する。その後、動作制御部12aは、ステップS302以降の処理を繰り返す。その結果、除湿機100は除湿運転を再開する。
本実施の形態によれば、使用者が報知を希望する水位を設定することが可能であるので、より使い勝手を良好にする上で有利な除湿機を提供することが可能となる。
なお、図17の例では、報知希望水位に達した時点で除湿運転を停止しているが、報知希望水位に達した後も満水になるまでは除湿運転を継続するようにしてもよい。また、本実施の形態における除湿機100の報知水位設定手段は、センサ部10により検知可能な5段階の水位のうちから、報知動作を実施する水位を、使用者が、複数、選択可能としてもよい。すなわち、使用者が、複数の報知希望水位を選択できるようにしてもよい。
本開示では、3個以上の水位検知手段を配置し、3個以上の水位検知手段から出されるON信号により、3段階以上の水位を検知可能とし、3個以上の水位検知手段の間の水位を、水位検知手段から出されるOFF信号によって検知することにより、合せて、5段階以上の水位を検知可能とし、水位報知手段は、5段階以上の水位で報知動作を実施可能としてもよい。例えば、4個の水位検知手段を配置し、4個の水位検知手段から出されるON信号により、4段階の水位を検知可能とし、4個の水位検知手段の間の3つの水位を、水位検知手段から出されるOFF信号によって検知することにより、合せて、7段階の水位を検知可能とし、水位報知手段は、7段階の水位で報知動作を実施可能としてもよい。また、本開示では、報知水位設定手段が、第一水位、第二水位、第三水位、第四水位及び満水の5段階の水位のうちから報知動作を実施する水位を使用者が選択可能とする例を示したが、実施の形態1における第一水位、第二水位及び満水のように、少なくとも3段階の水位から報知動作を実施する水位を使用者が選択可能としてもよい。