JP7508816B2 - オレフィン製造用触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、外表面に特定量のブレンステッド酸点を有する10員環細孔ゼオライトである新規なゼオライトを含むオレフィン製造用触媒に関するものであり、更に詳細には、特定の平均粒子径、外表面に微量のブレンステッド酸点を有する10員環細孔ゼオライトを含んでなることにより、エチレン、プロピレン等に代表されるオレフィンを製造効率良く製造することができるオレフィン製造用触媒に関するものである。
エチレン、プロピレン等(以下、総称してオレフィンと表記する場合がある。)は、多くの場合、石油精製により得られた原料油(例えば、ナフサなど)を、熱分解反応装置にて分解し、得られた熱分解生成物からオレフィンを蒸留によって分離精製することで得られる。これらによるオレフィンの製造では、オレフィン以外の熱分解生成物として、芳香族炭化水素等の副生物が含まれる。そのため、オレフィン製造の際の生産量は他の副生物の生産量を見合って調整がなされ、おのずと生産量に制限を受けるものであった。
ゼオライトは、石油化学触媒、内燃機関等の排ガス浄化触媒、吸着剤等の用途として工業的に幅広く用いられる。そして、工業的使用の際には、耐久性、取り扱い性の向上を目的として、バインダー(例えば、シリカ、粘土鉱物など)を混合し、所定の形状に成形され、高温焼成により焼結を行うことでゼオライトとバインダーとを複合化したゼオライト成形体として用いられてきた。
また、中細孔ゼオライト、ゼオライト複合体は、芳香族化合物相当のサイズの細孔を利用した高選択性触媒として用いられている。そのようなゼオライトで代表的なMFI型ゼオライトを触媒として用いた例として、トルエンの不均化、キシレンの異性化などが提案されている。これらの反応は主に、ゼオライトのミクロ細孔の特徴を利用したものである。中細孔ゼオライトのミクロ細孔は、入口径がおよそ0.5nmであり、この細孔径に近接した分子径を持つ分子の有効な反応場となると考えられている。
そして、脂肪族または脂環式炭化水素原料を、中細孔径ゼオライトを主に含んだ触媒と約400℃~約800℃程度の温度で接触させることにより、オレフィンを製造する方法(例えば、特許文献1,2参照。)が提案されている。これら製造法には、熱分解によるオレフィンの製造法と比較して、比較的低温での反応でオレフィンが製造できるという利点がある。その一方で、その生産効率、選択性という点でまだまだ課題を有するものであった。
また、ゼオライトを触媒とした反応においては、ゼオライト表面(外表面)の酸点における反応も知られており、この反応は一般的には非選択的反応と考えられている。これらの非選択的反応はしばしば、生成物収量の低下、生成物選択率の低下、コーク析出による触媒の失活、等を誘発し、望ましくないものと判断されている。
このような非選択的反応を抑制する方法として、外表面の酸点の一部を除去または不活性化したゼオライトが提案されている。例えば、嵩高い試剤で表面のアルミニウムを抽出する、または表面を被覆する方法が提案され、具体的には、MFI構造を有するゼオライトをシリケートで被覆し、p-キシレンを選択的に製造する方法(例えば、特許文献3参照。)、嵩高いジアルキルアミン試剤でゼオライトの表面酸点を被覆する方法(例えば、特許文献4,5参照。)、等が提案されている。
特許第6228682号 特許第5674029号 特許第6029654号 米国特許第4520221号 米国特許第4568768号
しかし、特許文献1,2に提案のオレフィンの製造方法においては、より長時間触媒性能を安定的に維持することが望まれ、コーキング析出による触媒失活を軽減することのできるオレフィンの製造方法が望まれている。また、特許文献3に提案の方法については、ゼオライトをシリケートで被覆する際に複数回の水熱合成が必要という課題を有する上に、p-キシレンを選択的に製造するものであり、オレフィンの選択的、効率的な製造という点では何ら考慮のなされていないものである。さらに、特許文献4,5に提案された方法においては、アミンによる表面酸点の被覆を提案するものであり、高温下ではアミンの脱離もしくは分解が発生しやすいため、高温下での使用を前提とするオレフィン製造用触媒としての安定性に課題を有するものであった。
そこで、本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の平均粒子径、及び外表面ブレンステッド酸量を有する新規な10員環細孔ゼオライトを用いたオレフィン製造用触媒が、非芳香族炭化水素を原料とした際にエチレン、プロピレン等に代表されるオレフィンを効率よく製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記(i)~(iii)の特性を満足するゼオライトを含むことを特徴とするオレフィン製造用触媒に関するものである。
(i)平均粒子径が100nm以下。
(ii)10員環細孔ゼオライト。
(iii)外表面のブレンステッド酸量が0.01~10.0μmol/g。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の新規なオレフィン製造用触媒は、(i)平均粒子径(以下、PDと記す場合もある。)がPD≦100nm、(ii)10員環細孔ゼオライト、(iii)外表面のブレンステッド酸点が0.01~10.0μmol/g、のいずれの要件をも満足するゼオライトを含むものである。
本発明の新規なオレフィン製造用触媒は、(i)PD≦100nmのものであり、特に熱安定性にも優れるオレフィン製造用触媒となることから、5nm≦PD≦100nmであることが望ましい。ここで、PDが100nmを越えるものである場合、炭化水素のオレフィン転化反応用の触媒とした場合、その反応効率に劣るものとなる。
なお、本発明におけるPDは、その測定方法に制限はなく、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)の写真から任意の粒子を100個以上選んで、その平均直径を求める方法、ゼオライトの外表面積から以下の式(1)を用いて算出する方法、等の任意の方法を挙げることができる。
PD=6/S×(1/(2.29×10)+0.18×10-6) (1)
(ここで、Sは外表面積(m/g)を示すものである。)
なお、式(1)における外表面積(S(m/g))は、液体窒素温度における一般的な窒素吸着法を用い、t-plot法から求めることができる。例えば、tを吸着量の厚みとするときに、tについて0.6~1nmの範囲の測定点を直線近似し、得られた回帰直線の傾きからゼオライトの外表面積を求めるものである。
そして、中でも簡便な測定が可能であることから、SEM又はTEMによる方法が好ましい。
本発明の新規なオレフィン製造用触媒に含まれるゼオライトは、(ii)10員環細孔ゼオライトであり、骨格構造が10員環構造を有し、細孔を有するゼオライトであれば如何なるものでも良く、該10員環細孔構造を有するゼオライトとしては、具体的にはAEL、EUO、FER、HEU、MEU、MEL、MFI、NES型等のゼオライトを挙げることができ、特にオレフィン製造用触媒として期待されるものとなることからMFI型またはMEL型であることが好ましい。そして、例えばMFI型としては、国際ゼオライト学会で定義される構造コードMFIに属するアルミノシリケート化合物を挙げることができる。
本発明の新規なオレフィン製造用触媒に含まれるゼオライトは、(iii)外表面のブレンステッド酸量(以下、B酸量と記す場合がある。)が0.01~10.0μmol/gであり、特定の範囲内の外表面B酸量を有することでオレフィン製造用触媒とした際に特に優れた触媒性能を示すものとなる。ここで、外表面B酸量が0.01μmol/g未満である場合、オレフィン製造用触媒とした際の生産効率、選択性の触媒性能に劣るものとなる。一方、10.0μmol/gよりも大きい場合、触媒表面における副反応、コーキングが生じやすく、触媒性能が悪化したものとなる。そして、本発明の新規なオレフィン製造用触媒においては、オレフィンの製造効率、選択性に優れる触媒となることから、B酸量が0.01~1.0mmol/gであるものが好ましい。
ここで、ゼオライトのB酸量とは、ゼオライトに存在する酸性OH基を示すものである。通常、ゼオライトは、その外表面及び(ミクロ)細孔内にB酸点を有するものである。そして、外表面にB酸点をわずかしか有さないものとは、そのB酸点はそのほとんどが(ミクロ)細孔内に存在することを意味するものである。
本発明の新規なオレフィン製造用触媒を構成するゼオライトにおける外表面のB酸量の確認方法としては、その確認を行うことが可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、例えばB酸点に対する吸着性を有する2,4-ジメチルキノリンの吸着により確認することが可能である。2,4-ジメチルキノリンは、ゼオライト(細孔内を含む)に存在するB酸点(酸性OH基)との吸着性質を有している。しかし、MFI型のようにゼオライトの(ミクロ)細孔径が2,4-ジメチルキノリン分子より小さい場合、(ミクロ)細孔内に侵入することができず、(ミクロ)細孔内のB酸点と吸着することは出来ない。つまり、ゼオライトの外表面のB酸点のみと吸着するものとなる。よって、MFI型ゼオライトの外表面のB酸点への2,4-ジメチルキノリンの吸着量を求めることで、外表面のB酸量を定量することができる。
より具体的な方法としては、ゼオライトの前処理として400℃で2時間の脱気・脱水処理を行ったゼオライトの150℃における赤外吸収スペクトル測定を行う。そして、脱気・脱水処理を行ったゼオライトに2,4-ジメチルキノリンガスを導入して30分間吸着させ、150℃での排気により余剰2,4-ジメチルキノリンを除き、2,4-ジメチルキノリン吸着ゼオライトの調製を行い150℃における赤外吸収スペクトル測定を行う。つまり、2,4-ジメチルキノリン吸着前後の赤外吸収の差スペクトルにおいて、3600~3650cm-1の範囲で赤外線吸収の差(減少)を定量することで、外表面のB酸量を得ることができる。なお、2,4-ジメチルキノリンはゼオライト表面のシラノール部位にも吸着するが、シラノールのO-H伸縮振動に由来する吸収は、3700~3800cm-1に観測される。一方、ゼオライトの外表面のB酸点のO-H伸縮振動に由来する吸収は、3600~3650cm-1に観測され、2,4-ジメチルキノリンを吸着してB酸点のO-H伸縮振動に由来する吸収3600~3650cm-1の範囲に赤外吸収スペクトルの減少がみられることは、2,4-ジメチルキノリンがゼオライトの外表面のB酸点に吸着したことを示す。
また、本発明の新規なオレフィン製造用触媒を構成するゼオライトのB酸量(外表面及び(ミクロ)細孔内に存在するB酸点)の測定方法としては、その測定を行うことが可能であれば如何なる方法をも用いることが可能であり、例えばB酸点に対する吸着性を有するピリジンの吸着により確認することが可能である。ピリジンは、ゼオライト(細孔内を含む)に存在するB酸点(酸性OH基)との吸着性質を有しており、ゼオライトの(ミクロ)細孔径がピリジンより大きい場合、(ミクロ)細孔内にも侵入することができ、外表面及び(ミクロ)細孔内のB酸点とも吸着出来る。よって、MFI型ゼオライトの細孔内に存在するB酸点も含め、ゼオライトに存在するB酸量を定量することができる。
より具体的な方法としては、ゼオライトの前処理として400℃で2時間の脱気・脱水処理を行ったゼオライトの150℃における赤外吸収スペクトル測定を行う。そして、脱気・脱水処理を行ったゼオライトにピリジンガスを導入して10分間吸着させ、150℃での排気により余剰ピリジンを除き、ピリジン吸着ゼオライトの調製を行い150℃における赤外吸収スペクトル測定を行う。つまり、ピリジン吸着前後の赤外吸収の差スペクトルにおいて、1515~1565cm-1の範囲で赤外線吸収の差(減少)を定量することで、細孔内も含めたB酸量を得ることができる。
そして、本発明における新規なオレフィン製造用触媒は、オレフィンの製造効率、選択性に優れる触媒となることから、外表面に僅かなB酸点を有し、B酸点のほとんどが(ミクロ)細孔内に存在するゼオライトであることが好ましく、その外表面に存在するB酸点は、全B酸点の1~10%のものであることが好ましい。なお、外表面のB酸点の割合は、上述したゼオライトの外表面のB酸量を、ゼオライト(細孔内を含む)に存在するB酸量の割合として求められる。
本発明の新規なオレフィン製造用触媒に含まれるゼオライトの製造方法としては、上記(i)~(iii)に記載の特性を満足するゼオライトの製造が可能であれば如何なる方法をも用いることは可能である。そして、外表面に特定量の微量のB酸点を有するゼオライト、つまり、ゼオライト表面のB酸点の選択的な除去方法としては、(i)~(ii)の特性を満足するゼオライトを製造する際の焼成処理(熱処理)の一部又は全部を水熱(スチーム)処理とし、該焼成処理の前後にイオン交換処理を付加する方法を挙げることができる。
そして、(i)~(ii)の特性を満足するゼオライトの合成方法としては、一般的な公知の方法を用いることにより、PD≦100nm、10員環細孔の骨格構造を有するゼオライトとすることができる。具体的にはカチオンとしてアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含む化合物、有機構造指向剤とアルミノシリケートゲルとを混合し、得られた結晶物を焼成することにより製造することができる。その際のアルカリ金属、アルカリ土類金属を含む化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を挙げることでき、中でも水酸化ナトリウムが好ましい。有機構造指向剤としては、例えばテトラプロピルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物等を挙げることができる。また、アルミノシリケートゲルとしては、例えば不定形アルミノシリケートゲル等を挙げることができる。
さらに、(i)~(iii)の特性を満足するゼオライトとする際には、上記により得られた結晶物を焼成する前にイオン交換を行い、焼成の際の一部又は全部を水熱処理とし、その後、更にイオン交換を行う方法、上記により得られた結晶物を焼成した後にイオン交換を行いプロトン型ゼオライトとし、その後に水熱雰囲気下で焼成を行う方法、等により製造することが可能となる。
その際の焼成条件としては、処理温度としては300~900℃が好ましく、特に400~700℃であることが好ましい。処理時間は、工業的には好ましくは5分~25時間である。雰囲気としては、例えば窒素、空気、酸素、アルゴン、その他不活性ガスのうち一つもしくは二つ以上の組み合わせのガスをも挙げることができる。そして、該焼成工程の一部又は全部を水熱(スチーム)処理を行うことにより、B酸点のアルミニウムが脱離される。水熱処理の処理温度としては400~750℃が好ましく、特に500~650℃が好ましい。また、水蒸気濃度は5~100%が好ましく、特に10~80%であることが好ましい。
また、イオン交換は、焼成工程の前後に行うものであり、複数回のイオン交換に分割して行ってもよい。また、イオン交換は、塩化アンモニウム、塩酸、硝酸等の酸を用いたイオン交換が挙げられ、塩酸、硝酸によるものが好ましい。また、イオン交換は水での洗浄で代用することもできる。
本発明の新規なオレフィン製造用触媒は、オレフィンの製造時、例えば脂肪族炭化水素からオレフィンを製造する際の生産性、選択性に優れる触媒としての作用を有し、該ゼオライトを含むオレフィン製造用触媒として優れた性能を発揮するものとなる。
そして、オレフィン製造用触媒とする際には、その取り扱い性、触媒性能に優れる触媒となることから成形体としての形状付与を行うことが好ましい。形状付与を行う際には如何なる方法により成形してもよく、例えば、ゼオライト粉末をそのまま圧縮成形等により所定形状に成形し成形体とする方法、所定割合のバインダーをゼオライトに混合し、場合によっては更なる添加剤等を所定割合で混合し、その混合物を所定形状に成形し成形体とする方法、さらには焼結を付随し成形体とする方法などを挙げることが出来る。そして、本発明の新規なオレフィン製造用触媒は、成形体としての成形性に優れることはもとより、高い圧壊強度を示しその取り扱い性、触媒寿命にも優れるものとなることから、該ゼオライト及びバインダーとからなる成形体であることが好ましく、より良好な触媒性能を示すものとなることから該ゼオライト及びシリカとからなる成形体であることがより好ましい。その際のシリカとしては、シリカと称される範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、特定の結晶構造を有するもの、また、非結晶性のものであってもよい。さらに、シリカの粒子径や凝集径等に関しても如何なる制限もない。また、該ゼオライトとシリカの配合割合は任意であり、中でも特に優れた触媒性能、取り扱い性、触媒寿命を示すオレフィン製造用触媒となることから、該ゼオライト:シリカ=50~95:50~5(重量割合)であることが好ましく、特に60~90:40~10であることが好ましい。
該オレフィン製造用触媒は、その形状が如何なるものであってもよく、例えば円柱形状、円筒形状、三角柱形状,四角柱形状,五角柱形状,六角柱形状等の多角柱形状、中空多角柱形状、球形状等を挙げることができ、中でも、連続生産性に優れ、かつ圧壊強度の高い触媒となることから円柱形状、円筒形状であることが好ましい。また、その直径,幅,長さ等のサイズ、嵩密度,真密度等の密度としては充填効率等を考慮し任意に選択可能であり、特にオレフィンを有効に製造することが可能となる触媒となることから、径1~10mmの円柱形状又は厚さ0.5~5.0mmの円筒形状を有するものであることが好ましい。さらに、該オレフィン製造用触媒は、更に担持、イオン交換、物理混合、蒸着等の処理により、任意の金属種を導入したものであっても良い。
該オレフィン製造用触媒は、例えば炭素数4~6の非芳香族炭化水素を原料として接触することにより、特に効率よくオレフィンを製造することを可能とするものである。より高効率にオレフィンを製造するために、脂肪族または脂環式原料は好ましくは20質量パーセント以上、より好ましくは50質量パーセント以上、さらに好ましくは70質量パーセントの炭素数4~6の非芳香族炭化水素を含むことが好ましい。その際の炭素数4~6の非芳香族炭化水素としてはその範疇に属するものであれば如何なるものを挙げることができ、例えば飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、それらの混合物等を挙げることができ、より具体的には、n-ブタン、イソブタン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、ブタジエン、シクロブテン、シクロブタン、n-ペンタン、1-ペンタン、2-ペンタン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-ペンテン、n-ヘキサン、1-ヘキサン、2-ヘキサン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、ヘキサジエン、シクロヘキサン及びそれらの混合物等を挙げることができる。また、場合によっては原料中に含まれる炭素数4~6の非芳香族炭化水素以外の原料成分としては、炭素成分を含んだ化合物であれば如何なるものであってよく、例えば、炭素数1~3の炭化水素、炭素数7~15の炭化水素、含酸素化合物(アルコール、エーテル、カルボン酸、ケトン等)、および含窒素化合物(アミン等)が挙げられ、オレフィンを効率よく製造する観点から、炭素数1~3の炭化水素または炭素数7~10の炭化水素であることが好ましい。また、得られるオレフィンとしては、オレフィンの範疇に属するものであればよく、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等を挙げることができ、特にその製造効率に優れることからエチレン及び/又はプロピレンであることが好ましく、さらにエチレン及びプロピレンを同時に効率よく製造するものであることが好ましい。
そして、該オレフィン製造用触媒を用いたオレフィンの製造において、その反応温度は特に制限されるものではなく、オレフィンの製造が可能であればよく、中でも、副生成物の生成を抑制し、必要以上の耐熱反応装置を要しないオレフィンの効率的な製造方法となることから400~800℃の範囲が望ましく、特に400~550℃の範囲が望ましい。また、反応圧力にも制限はなく、例えば0.05MPa~5MPa程度の圧力範囲で運転が可能である。そして、該オレフィン製造用触媒に対する反応原料の供給は、該触媒体積に対し原料ガスの体積の比として特に制限されるものではなく、例えば1h-1~50000h-1程度の空間速度を挙げることができる。炭化水素を原料ガスとして供給する際には、特定の炭化水素の単一ガス、混合ガス、およびこれらを窒素等の不活性ガス、水素、一酸化炭素、二酸化炭素から選ばれる単一または混合ガスにより希釈したものとして用いることもできる。
オレフィンを製造する際の反応形式としては制限なく、例えば固定床、輸送床、流動床、移動床、多管式反応器のみならず連続流式および間欠流式並びにスイング式反応器、等を用いることができる。
本発明の特定の平均粒子径、外表面に微量のB酸量を有する10員環細孔ゼオライトを含む新規なオレフィン製造用触媒は、優れた生産効率、選択性でオレフィンを製造することが可能となり、その工業的な有用性が期待されるものである。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例に用いた10員環細孔ゼオライトは、特許6070336号に基づき調製を行った。また、ゼオライト及びオレフィン製造用触媒は、以下の方法により測定した。
~平均粒子径の測定~
平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記す場合がある。)及び走査型電子顕微鏡(以下、SEMと記す場合がある。)により測定を行った。TEMは、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、(商品名)JEM-2100、加速電圧200kV、観察倍率3万倍)を用い、乳鉢で軽く粉砕した試料をアセトン中に超音波分散し、プラスチック支持膜上に滴下し自然乾燥させたものを検鏡用試料とし、写真を撮影した。写真中の各一次粒子について、最長径とその中点において直角方向の径の平均を測定し、合計300個の粒子の平均を平均粒子径とした。
SEMは、走査型電子顕微鏡(株式会社キーエンス製、(商品名)VE-9800、加速電圧20kV、観察倍率2000倍)を用い、乳鉢で軽く粉砕した試料を試料台に乗せ、金蒸着させたものを検鏡用試料とし、写真を撮影した。写真中の粒子一辺の長さを150個計測し、その平均値を平均結晶径とした。
~2,4-ジメチルキノリン吸着赤外吸収分光測定~
2,4-ジメチルキノリン吸着赤外吸収分光測定は、特願2019-128047号公報にと同様の方法により測定した。
赤外吸収分光の測定は、FT-IR測定装置((商品名)FT/IR-6700,日本分光株式会社製)を用いて、透過法により測定を行った。MCT検出器を使用し、積算回数256回にてスペクトルを得た。試料は直径13mmのディスクに成形した後、石英製真空脱気セル内のディスクホルダーに設置することで、赤外光路上に垂直に設置した。試料の前処理として、真空排気下、10℃/分で400℃まで昇温し、2時間保持した。150℃に冷却後、2,4-ジメチルキノリン吸着前の赤外吸収スペクトルを測定した。2,4-ジメチルキノリンガスを導入し、30分間吸着させ、150℃で1時間真空排気した後、2,4-ジメチルキノリン吸着後の赤外吸収スペクトルを測定した。2,4-ジメチルキノリン吸着後の赤外吸収スペクトルと吸着前のスペクトルの差をとり、吸着による赤外吸収の変化を測定した。この差スペクトルのうち3600cm-1付近のピークがブレンステッド酸に吸着した2,4-ジメチルキノリンの吸収スペクトルのピークであり、この面積強度を求めた後、ランベルト-ベア(Lamber-berr)の法則により下記の式(2)よりB酸量を求めた。
B酸量(μmol/mg)=A・S/(W・ε) 式(2)
(ここで、A;対象のピークのピーク面積強度(cm-1)、S;サンプル断面積(cm)、W;サンプル重量(mg)、ε;積分吸光係数であり、3.7cm・μmol-1、のそれぞれを示す。)
~ピリジン吸着赤外吸収分光測定~
上記の2,4-ジメチルキノリン吸着赤外吸収分光測定において、ピリジンガスを導入し、10分間吸着させた点のみを変更し、同一の装置、同一の手法で測定した。
ただし、差スペクトルにおける1545cm-1付近のピークをブレンステッド酸に吸着したピリジンの吸収スペクトルのピークとして用い、積分吸光係数を1.67cm・μmol-1をして、上記の式(2)よりB酸量を求めた。
~成形体最側面から成形体の中心(成形体断面の中心)又は成形体内筒の側面への最短距離の測定~
無作為に選択した30個の成形体粒子について、ノギスを用い測定を行い、その平均を測定値とした。
~粉末X線回折の測定~
X線回折測定装置(スペクトリス社製、(商品名)X’pert PRO MPD)を用い、管電圧45kV、管電流40mAとしてCuKα1を用いて、大気中において測定した。0.04~5度の範囲を0.08度/ステップ、200秒/ステップで分析した。また、ダイレクトビームの吸収率で補正したバックグラウンドを除去している。
ピークの有無の確認を目視で行うことにより結晶構造の同定を行った。他の方法として、ピークサーチプログラムを利用してもよい。ピークサーチプログラムは、一般的なプログラムが利用できる。例えば、横軸が2θ(度)、縦軸が強度(a.u.)の測定結果をSAVITSKY&GOLAYの式とSliding Polynomialフィルターで平滑化した後、2次微分を行ったときに、3点以上連続する負の値がある場合、ピークが存在すると判断できる。
~オレフィン製造装置及びその製造方法~
実施例、比較例により得られた触媒により、以下の方法によりオレフィンの製造を行い、オレフィン製造用触媒としての性能評価を行った。
ステンレス製反応管(内径16mm、長さ600mm)を有する固定床気相流通式反応装置を用いた。ステンレス製反応管の中段に、成形体を充填し、乾燥空気流通下での加熱前処理を行ったのち、原料ガスをフィードした。そして、加熱はセラミック製管状炉を用い、触媒(成形体)層の温度を制御した。反応出口ガスおよび反応液を採取し、ガスクロマトグラフを用い、ガス成分および液成分を個別に分析した。ガス成分は、TCD検出器を備え、充填剤(Waters社製、(商品名)PorapakQまたはGLサイエンス社製、(商品名)MS-5A)を有するガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC-1700)を用いて分析した。液成分は、FID検出器を備え、分離カラムとしてキャピラリーカラム(GLサイエンス社製、(商品名)TC-1)を有するガスクロマトグラフ(島津製作所製、(商品名)GC-2015)を用いて分析した。
反応条件は下記のように設定した。
(オレフィン製造条件)
触媒重量:3.8g。
流通ガス:原料ガス50mol%+窒素50mol%の混合ガス。
反応温度:500℃。
(前処理条件)
触媒温度:500℃。
流通ガス:空気100Nml/分。
処理時間;1時間。
実施例1
テトラプロピルアンモニウム(以降、TPAと略記する場合がある。)水酸化物と水酸化ナトリウムの水溶液に不定形アルミノシリケートゲルを添加して懸濁させた。得られた懸濁液にMFI型ゼオライトを種晶として加え原料組成物とした。その際の種晶の添加量は、原料組成物中のAlとSiOの重量に対して、0.7重量%とした。また、副生したエタノールは蒸発させて除いた。
該原料組成物の組成は以下のとおりである。
SiO/Alモル比=48、TPA/Siモル比=0.05、Na/Siモル比=0.16、OH/Siモル比=0.21、HO/Siモル比=10。
得られた原料組成物をステンレス製オートクレーブに密閉し、115℃で攪拌しながら4日間結晶化させ、スラリー状混合液を得た。結晶化後のスラリー状混合液を遠心沈降機で固液分離した後、十分量の純水で固体粒子を洗浄し、110℃で乾燥して乾燥粉末を得た。
得られた乾燥粉末を1mol/Lの常温の塩酸中に分散し、ろ過した後に、十分量の純水で固体粒子を洗浄し、再度ろ過後、100℃で1晩乾燥させた。空気下、550℃で1時間焼成後、600℃、30%の水蒸気で2時間処理した。
得られた粉末を1mol/Lの常温の塩酸中に分散し、ろ過した後に、十分量の純水で固体粒子を洗浄し、再度ろ過後、ゼオライトを得た。
得られたゼオライトの物性を表1に示す。得られたゼオライトは、MFI型ゼオライトの骨格構造を有する10員環細孔ゼオライトであり、TEMを用いて測定した平均粒子径24nmであった。
得られたゼオライトに2,4-ジメチルキノリンを吸着させた前後の赤外吸収の差スペクトルの3600cm-1のゼオライトB酸点のOHに由来するピークの減少から求めた外表面のB酸量は2.7μmol/gであった。また、得られたゼオライトにピリジンを吸着させた前後の赤外吸収の差スペクトルの1545cm-1のゼオライトB酸点に吸着したピリジンに由来するピークの増加から求めたB酸量は0.15mmol/g、外表面B酸率は1.8%であった。
得られたゼオライト100重量部に対して、シリカ(日産化学工業社製、(商品名)スノーテックスN-30G)25重量部、セルロース5重量部、純水55重量部を加え混練した。そして、混練物を直径3.0mm、長さ2.0~9.0mm(平均長さ6.6mm)の円柱状の成形体とした。これを100℃で1晩乾燥した。乾燥後の成形体を、空気流通下、600℃で2時間焼成して成形体を得た。
得られた成形体をオレフィン製造用触媒として、上記した条件にてオレフィンの製造を行い、評価を行った。原料ガスの流通量は、イソブタン2Nml/分、ノルマルブタン5Nml/分、トランス-2-ブテン9Nml/分、1-ブテン16Nml/分、イソブテン3Nml/分、プロパン5Nml/分とした。反応時間に対するC4成分転化率、エチレン収率、プロピレン収率をそれぞれ表2~4に示す。反応時間10分~7850分の間、C4成分転化率、エチレン収率、プロピレン収率はいずれも高い値が安定的に得られ、エチレンとプロピレンを高い効率で同時生産することが可能であった。
実施例2
オートクレーブによるゼオライトの結晶化、洗浄、乾燥操作までを実施例1と同様に行った。得られた乾燥粉末を1mol/Lの常温の塩酸中に分散し、ろ過した後に、十分量の純水で固体粒子を洗浄し、再度ろ過後、100℃で1晩乾燥させた。空気下、550℃で1時間焼成後、600℃、45%の水蒸気で3時間処理した。
得られた粉末を1mol/Lの40℃の塩酸中に分散し、ろ過した後に、十分量の純水で固体粒子を洗浄し、再度ろ過後、100℃で1晩乾燥させ、ゼオライトを得た。
得られたゼオライトの測定結果を表1に示す。得られたゼオライトは、MFI型ゼオライトの骨格構造を有する10員環細孔ゼオライトであり、TEMを用いて測定した平均粒子径20nmであった。
得られたゼオライトに2,4-ジメチルキノリンを吸着させた前後の赤外吸収の差スペクトルの3600cm-1のゼオライトB酸点のOHに由来するピークの減少から求めた外表面のB酸量は3.0μmol/gであった。また、得られたゼオライトにピリジンを吸着させた前後の赤外吸収の差スペクトルの1545cm-1のゼオライトB酸点に吸着したピリジンに由来するピークの増加から求めたB酸量は0.13mmol/g、外表面B酸率は2.3%であった。
得られたゼオライト100重量部に対して、シリカ(日産化学工業社製、(商品名)スノーテックスN-30G)25重量部、セルロース5重量部、純水55重量部を加え混練した。そして、混練物を直径3.0mm、長さ2.0~9.0mm(平均長さ6.4mm)の円柱状の成形体とした。これを100℃で1晩乾燥した。乾燥後の成形体を、空気流通下、600℃で2時間焼成して成形体を得た。
得られた成形体をオレフィン製造用触媒として、上記した条件にてオレフィンの製造を行い、評価を行った。原料ガスの流通量は、イソブタン2Nml/分、ノルマルブタン5Nml/分、トランス-2-ブテン9Nml/分、1-ブテン16Nml/分、イソブテン3Nml/分、プロパン5Nml/分とした。反応時間に対するC4成分転化率、エチレン収率、プロピレン収率をそれぞれ表2~4に示す。反応時間10分~7850分の間、C4成分転化率、エチレン収率、プロピレン収率はいずれも高い値が安定的に得られ、エチレンとプロピレンを高い効率で同時生産することが可能であった。
比較例1
オートクレーブによるゼオライトの結晶化、洗浄、乾燥操作までを実施例1と同様に行った。
得られた乾燥粉末を、空気下、550℃で焼成後、得られた粉末を常温の1mol/Lの塩酸中に分散し、ろ過した後に、十分量の純水で固体粒子を洗浄し、再度ろ過後、100℃で1晩乾燥させ、ゼオライトを得た。
得られたゼオライトの評価結果を表1に示す。得られたゼオライトは、MFI型ゼオライトの骨格構造を有し、TEMを用いて測定した平均粒子径は26nmであった。
得られたゼオライトに2,4-ジメチルキノリンを吸着させた前後の赤外吸収の差スペクトルの3600cm-1のゼオライトB酸点のOHに由来するピークの減少から求めた外表面のB酸量は17.4μmol/gであった。また、得られたゼオライトにピリジンを吸着させた前後の赤外吸収の差スペクトルの1545cm-1のゼオライトB酸点に吸着したピリジンに由来するピークの増加から求めたB酸量は0.15mmol/g、外表面B酸率は11.6%であった。
得られたゼオライト100重量部に対して、シリカ(日産化学工業社製、(商品名)スノーテックスN-30G)25重量部、セルロース5重量部、純水55重量部を加え混練した。そして、混練物を直径3.0mm、長さ2.0~9.0mm(平均長さ6.4mm)の円柱状の成形体とした。これを100℃で1晩乾燥した。乾燥後の成形体を、空気流通下、600℃で2時間焼成して成形体を得た。
得られた成形体を触媒として、上記した条件にてオレフィンの製造を行い、評価を行った。原料ガスの流通量は、イソブタン2Nml/分、ノルマルブタン5Nml/分、トランス-2-ブテン9Nml/分、1-ブテン16Nml/分、イソブテン3Nml/分、プロパン5Nml/分とした。反応時間に対するC4成分転化率、エチレン収率、プロピレン収率をそれぞれ表2~4に示す。C4成分転化率の経時的な低下が顕著である上、反応時間10分におけるエチレン収率およびプロピレン収率が顕著に低く、エチレンとプロピレンを効率的に同時生産できるとは言い難かった。反応時間7850分での反応を試みたが、290分を経過した時点で反応系が不安定となったため、製造を停止した。
比較例2
プロトン型MFI型ゼオライト粉末(東ソー株式会社製、商品名:HSZ-840HOA;SEM観察による平均粒子径2110nm、B酸量は0.27mmol/g、外表面のB酸量は17.5μmol/g、外表面B酸率は6.4%。)100重量部に対して、シリカ(日産化学工業社製、(商品名)スノーテックスN-30G)25重量部、セルロース5重量部、純水55重量部を加え混練した。そして、混練物を直径3.0mm、長さ2.0~9.0mm(平均長さ6.5mm)の円柱状の成形体とした。これを100℃で1晩乾燥した。乾燥後の成形体を、空気流通下、600℃で2時間焼成して成形体を得た。
得られた成形体を触媒として、上記した条件にてオレフィンの製造を行い、評価を行った。原料ガスの流通量は、イソブタン2Nml/分、ノルマルブタン5Nml/分、トランス-2-ブテン9Nml/分、1-ブテン16Nml/分、イソブテン3Nml/分、プロパン5Nml/分とした。反応時間に対するC4成分転化率、エチレン収率、プロピレン収率をそれぞれ表2~4に示す。反応時間10分~7850分の間でC4成分転化率の経時的な低下が顕著である上、エチレン収率が顕著に低く、生成バランスに劣りエチレンとプロピレンを効率的に同時生産できるとは言い難かった。
本発明の外表面に微量のB酸量を有する微結晶中細孔ゼオライトを含む新規なオレフィン製造用触媒は、例えば非芳香族炭化水素原料の転化・異性化反応、特に低級オレフィンの製造の際に特異的な安定性・効率を発現し、その触媒としての産業的価値は極めて高いものである。

Claims (2)

  1. 下記(i)~(iii)の特性を満足するとともに、外表面及び細孔内のブレンステッド酸量が0.01~1.0mmol/gであるゼオライトを含むオレフィン製造用触媒の存在下、炭素数4~6の非芳香族炭化水素を含む原料を400~550℃の反応温度下で接触することを特徴とするオレフィンの製造方法。
    (i)平均粒子径が100nm以下。
    (ii)10員環細孔ゼオライト。
    (iii)外表面のブレンステッド酸量が0.01~10.0μmol/g。
  2. 原料が、炭素数4~6の非芳香族炭化水素を少なくとも70質量パーセント含む原料であり、炭素数2及び/又は3のオレフィンを製造することを特徴とする請求項に記載のオレフィンの製造方法。
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