JP7507439B2 - 勾配変化検出システム、それを用いた表示システム及び移動体用プログラム - Google Patents

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本開示は、移動体が走行する走路の勾配変化検出システム、及び、それを用いて像の表示位置を移動体の動きに応じて制御する表示システム、及び、移動体に搭載される移動体用プログラムに関する。
特許文献1は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を用いて、拡張現実(AR)表示を行う車両情報投影システムを開示している。HUD装置は、車両のフロントガラスに虚像を表す光を投影することで、車両の乗員である視認者に、車両の外界の実景とともに虚像を視認させている。例えば、車両の案内経路を表す虚像を実景内の表示対象(例えば、道路)に対応付けて表示する。これにより、乗員は、実景を視認しながら案内経路を確認することができる。特許文献1の車両情報投影システムは、車速センサを備え、加速度に応じて虚像の表示位置を補正している。これにより、車両の急減速及び急加速時に、虚像の位置ずれが生じることを抑制している。
特開2015-101311号公報
車両の姿勢状態を検出するのに例えばジャイロセンサを用いる場合、車両が、坂道などの傾斜のある走路に進入すると、ジャイロセンサは走路の勾配変化による車両の姿勢変化を検出する。走路の勾配変化による車両の姿勢変化の場合、車両が勾配に沿って走行する状態であれば、虚像の位置ずれは発生しない。しかしながら、車両の姿勢変化が勾配変化によるものなのか否かを判別していないので、勾配変化による姿勢変化の場合、位置ずれの生じていない虚像の表示位置を補正することになり、虚像を適切に表示できなくなる場合がある。
本開示は、走路の勾配変化を検出する勾配変化検出システム、走路の勾配の変化に応じて像を表示する表示システム及び走路の勾配の変化を検出する移動体用プログラムを提供する。
本開示の勾配変化検出システムは、
走路の勾配の変化を検出するための移動体用の勾配変化検出システムであって、
移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、
前記姿勢変化量または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備える。
また、本開示の表示システムは、
像の表示を制御する表示処理装置と、
前記移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、
前記姿勢変化量に基づいて前記像の表示位置の補正量を算出する補正量算出部を有する、補正処理装置と、
前記姿勢変化量または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備え、
前記補正処理装置は、前記勾配変化検出部の検出結果に基づいて、前記補正量を調整する。
また、本開示の移動体用プログラムは、
演算装置により走路の勾配の変化を検出するための移動体用のプログラムであって、
前記演算装置に、
姿勢検出部から入力される、前記移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量、または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出するステップ、
を実行させる。
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、及びコンピュータプログラム、並びに、それらの組み合わせにより、実現されてもよい。
本開示の勾配変化検出システム、表示システム及び移動体用プログラムによれば、走路の勾配変化を検出する勾配変化検出システム、走路の勾配の変化に応じて像を表示する表示システム及び走路の勾配の変化を検出する移動体用プログラムを提供することができる。
ヘッドアップディスプレイ(HUD)を説明するための図 第1実施形態における表示システムの内部構成を示すブロック図 車両が傾いていないときの例を示す図 フロントガラスから見える実景の例を示す図 虚像が基準位置に表示される例を示す図 拡張現実(AR)表示の一例を示す図 車両の後傾姿勢を示す図 車両が後傾姿勢のときに虚像の位置ずれが生じる例を説明するための図 補正後の虚像の表示例を示す図 傾斜する走路を走行中の車両の後傾姿勢を示す図 車両が後傾姿勢のときに補正された虚像の位置ずれが生じる例を示す説明図 第1実施形態における表示処理を示すフローチャート 第1実施形態における補正処理を示すフローチャート 補正量をゼロにリセットする一例を示す説明図 補正量を一定量小さくする一例を示す説明図 補正量を一定量小さくする一例を示す説明図 傾斜する走路と、ピッチ角の変動量と、単位時間ごとのピッチ角の変動量と、勾配変化判定フラグとの関係を示す図 第2実施形態、第4、第5~第7実施形態における表示システムの内部構成を示すブロック図 第2実施形態における補正処理を示すフローチャート 補正量をゼロにリセットする一例を示す説明図 第3、第4、第8、第9実施形態における表示システムの内部構成を示すブロック図 第3実施形態における補正処理を示すフローチャート 補正量を一定時間かけて小さくする一例を示す説明図 第4実施形態における補正処理を示すフローチャート 補正量を一定時間かけて小さくする一例を示す説明図 第5実施形態における補正処理を示すフローチャート 傾斜する走路と、ピッチ角の変動量と、単位時間ごとのピッチ角の変動量と、勾配変化判定フラグとの関係を示す図 第6実施形態における補正処理を示すフローチャート 第7実施形態における補正処理を示すフローチャート 第8実施形態における補正処理を示すフローチャート 第9実施形態における補正処理を示すフローチャート 第10実施形態における補正処理を示すフローチャート 第10実施形態における補正処理を示すフローチャート 傾斜する走路と、ピッチ角の変動量と、単位時間ごとのピッチ角の変動量と、勾配変化判定フラグとの関係を示す図 第11実施形態における補正処理を示すフローチャート 第12実施形態における補正処理を示すフローチャート 補正量を一定量小さくする一例を示す説明図 補正量を一定量小さくする一例を示す説明図 第13実施形態における補正処理を示すフローチャート 第13実施形態における補正処理を示すフローチャート 第13実施形態における補正処理を示すフローチャート 第14実施形態における補正処理を示すフローチャート 第15実施形態における補正処理を示すフローチャート 第15実施形態における補正処理を示すフローチャート 第16実施形態における補正処理を示すフローチャート
(本開示の基礎となった知見)
移動体の姿勢変化量は、姿勢検出部により検出される。姿勢変化量は、移動体の基準となる姿勢状態から姿勢が変化した変化量を示す。移動体の基準となる姿勢状態は、例えば、水平状態である。姿勢検出部の検出結果に基づいて検出した移動体の姿勢状態に応じて像の表示位置を補正する場合、移動体の姿勢状態には走路の凹凸による振動による姿勢変化と走路勾配(坂道)変化による姿勢変化とが混在するので、補正が不要な走路の勾配の変化分まで補正してしまい、誤った補正が発生する。
例えば、走路の路面の凹凸などの形状による移動体の振動を高精度に検出するために、ジャイロセンサを使用することが考えられる。移動体の3軸周りの角度(ロール角、ピッチ角、及びヨー角)は、ジャイロセンサによって検出されるそれぞれの3軸周りの角速度を積分演算することによって得られる。移動体の姿勢変化量としてピッチ角を用いる場合、例えば、移動体が水平状態にあるときにピッチ角が0°となるので、移動体の姿勢変化量とは移動体の水平状態を基準としたピッチ方向の回転量となる。路面の傾斜(走路の勾配)が変化した場合、路面の傾斜による移動体のピッチ角の変動が検出されるので、このピッチ角の変動に応じて像の表示位置が補正されてしまう。路面に対する移動体の姿勢変化により表示ズレが生じるので、路面の傾斜の変化による移動体のピッチ角の変動の全ての成分が表示ズレとなるわけではないので、このピッチ角の変動に応じた像の表示位置の補正は誤った補正となってしまう。なお、路面の凹凸による振動と、路面の傾斜によるピッチ角の変動との両方の周波数成分はそれぞれ共通部分があるので、フィルタ処理によって両者を分離することが困難であることも知見された。なお、ピッチ方向とは、移動体の進行方向に対して垂直な左右方向を軸とする回転方向のことをいう。
本開示の表示システムは、走路の勾配が変化した場合、移動体の姿勢変化量を検出し、姿勢変化量または姿勢変化量の単位時間における変動量を基に走路の勾配が変化したことを判定して像の表示位置を基準位置に戻す。これにより、移動体が走行する走路の勾配に起因した誤った補正を低減することができる。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。第1実施形態では、移動体が自動車などの車両であり、表示システムが車両のフロントガラスの前方に像として虚像を表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)システムである場合を例にして説明する。
1. 表示システムの構成
図1は、HUDシステムを説明するための図である。図1において、車両200のロール軸をX軸とし、車両200のピッチ軸をY軸とし、車両200のヨー軸をZ軸としている。すなわち、X軸は、Y軸及びZ軸と直交し、虚像Ivを視認する乗員Dの視線方向に沿った軸である。Y軸は、虚像Ivを視認する乗員Dから見て左右方向に沿った軸であり、車両200の進行方向に対して左右方向の軸である。Z軸は、車両200の高さ方向に沿った軸である。
本実施形態の表示システム100は、車両200のフロントガラス210の前方の実景に虚像Ivを重畳する、所謂、拡張現実(AR)表示を行うHUDシステムである。虚像Ivは、所定の情報を示す。例えば、虚像Ivは、目的地へ案内するための経路、目的地への到達予想時刻、進行方向、速度、種々の警告などを示す図形及び文字である。表示システム100は、車両200に設置され、虚像Ivを表す表示光Lcを車両200のフロントガラス210の表示領域220内に投影する。本実施形態において、表示領域220は、フロントガラス210の一部の領域である。なお、表示領域220は、フロントガラス210の全領域であってもよい。表示光Lcは、フロントガラス210によって、車内の方向に反射される。これにより、車両200内の乗員(視認者)Dは、反射された表示光Lcを、車両200の前方にある虚像Ivとして視認する。
表示システム100は、投影装置10、情報取得装置20、表示処理装置30、姿勢検出装置40、及び補正処理装置50を含む。
投影装置10は、虚像Ivを表す表示光Lcを表示領域220内に投影する。投影装置10は、例えば、虚像Ivの画像を表示する液晶表示素子、液晶表示素子を照明するLEDなどの光源、液晶表示素子が表示する画像の表示光Lcを表示領域220に反射するミラー及びレンズなどを含む。投影装置10は、例えば、車両200のダッシュボード内に設置される。
情報取得装置20は、車両の位置情報を取得する。具体的には、情報取得装置20は、車両200の位置を測定して位置を示す位置情報を生成する。情報取得装置20は、車両200の位置情報を少なくとも含む車両関連情報を出力する。なお、情報取得装置20は、対象物、及び対象物までの距離などを示す車外情報を取得してもよい。車両関連情報は、取得した車外情報を含んでもよい。
表示処理装置30は、情報取得装置20から得られる車両関連情報などに基づいて、虚像Ivの表示を制御し、虚像Ivの画像データを投影装置10に出力する。表示処理装置30は、虚像Ivの表示タイミング(表示時間)、または車両関連情報と表示タイミングの組み合わせに基づいて、虚像Ivの表示を制御してもよい。表示タイミングは、例えば、10秒間の表示と1秒間の非表示とを繰り返すことである。
姿勢検出装置40は、車両200の姿勢変化情報を取得する。本実施形態において、姿勢検出装置40は、例えば、車両200の角速度を検出するジャイロセンサ41を含む。ジャイロセンサ41は、検出した角速度を、車両200の姿勢を示す姿勢変化情報として補正処理装置50に出力する。
補正処理装置50は、姿勢検出装置40によって検出された車両200の姿勢変化情報に基づいて、虚像Ivの表示位置の補正量を算出する。
図2は、表示システム100の内部構成を示すブロック図である。
本実施形態において、情報取得装置20は、地理座標系における車両200の現在地を示す位置を検出するGPS(Global Positioning System)モジュール21を含む。具体的には、GPSモジュール21は、GPS衛星からの電波を受信して、受信した地点の緯度及び経度を測位する。GPSモジュール21は、測位した緯度及び経度を示す位置情報を生成する。情報取得装置20は、さらに、外景を撮像して撮像データを生成するカメラを含んでもよい。情報取得装置20は、例えば、画像処理により撮像データから対象物を特定し、対象物までの距離を測定してもよい。この場合、情報取得装置20は、対象物及び対象物までの距離を示す情報を車外情報として生成してもよい。情報取得装置20は、位置情報を含む車両関連情報を表示処理装置30に出力する。なお、カメラによって生成された撮像データが表示処理装置30に出力されてもよい。
表示処理装置30は、通信部31、表示制御部32、及び記憶部33を含む。
通信部31は、所定の通信規格(例えば、LAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface))に準拠して外部機器との通信を行う回路を含む。
表示制御部32は、半導体素子などで実現可能である。表示制御部32は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、またはASICで構成することができる。表示制御部32の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。表示制御部32は、記憶部33に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、予め定められた機能を実現する。
記憶部33は、表示処理装置30の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。記憶部33は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、またはこれらの組み合わせによって実現できる。
記憶部33には、虚像Ivを表す複数の画像データ33iが格納されている。表示制御部32は、情報取得装置20から得られる車両関連情報に基づいて、表示する虚像Ivを決定する。表示制御部32は、決定した虚像Ivの画像データ33iを記憶部33から読み出して、投影装置10に出力する。さらに、表示制御部32は、虚像Ivの表示位置を設定する。表示制御部32は、虚像Ivを表示するか否かまたは表示中か否かを示す表示情報を補正処理装置50に出力する。
補正処理装置50は、通信部51と補正制御部52と記憶部53とを含む。
通信部51は、所定の通信規格(例えばLAN、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface))に準拠して外部機器との通信を行う回路を含む。
補正制御部52は、半導体素子などで実現可能な演算装置である。補正制御部52は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、またはASICで構成することができる。補正制御部52の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。補正制御部52は、補正処理装置50内の記憶部53に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、予め定められた機能を実現する。
補正制御部52は、機能的構成として、ずれ量算出部52a、補正量算出部52b及び勾配変化検出部52cを含む。
ずれ量算出部52aは、姿勢検出装置40が出力する姿勢変化情報に基づいて、車両200の姿勢変化量(角度のずれ量)を算出する。例えば、ずれ量算出部52aは、ジャイロセンサ41が検出したピッチ角速度を積分演算することによって、車両200のピッチ軸周りの角度(ピッチ角)を算出する。これにより、図1に示すY軸(ピッチ軸)を中心軸とした回転方向における車両200のずれ量(角度)を検出することができる。なお、本実施形態では、ピッチ角度を算出するが、ヨー角度またはロール角度を算出してもよい。例えば、X軸、Y軸及びZ軸周りの角度を全て算出してもよい。姿勢検出部は、例えば、姿勢検出装置40とずれ量算出部52aとで構成される。
補正量算出部52bは、車両200の姿勢変化量(角度のずれ量)に応じて、虚像Ivの表示位置の補正量を算出する。具体的には、補正量算出部52bは、ずれ量算出部52aが算出した角度(ピッチ角)のずれ量を画素数に換算して、ずれている分の画素数(以下、「ずれ画素数」ともいう)を元に戻すような補正量を決定する。例えば、ずれ量算出部52aは、ピッチ角のずれ量を元に戻すような補正量を決定する。補正量算出部52bは、算出した補正量を表示処理装置30に出力する。なお、本実施形態では、ピッチ軸周りの補正量を算出するが、ヨー軸周り及びロール軸周りの補正量を算出してもよい。ロール角については、角度のまま、ロール角のずれ量を元に戻すような補正量を決定する。
勾配変化検出部52cは、内部に備える比較部52dにおいて、ずれ量算出部52aの出力またはずれ量算出部52aの出力を演算処理した結果(以後、変動量Xとする)と第3閾値としての第1閾値a1との大小関係を比較して、車両200が走行する走路の勾配が変化したか否かを判定する。
ずれ量算出部52aの出力の演算処理は、姿勢検出装置40または補正処理装置50のずれ量算出部52aや勾配変化検出部52c、または、他の構成で行われてもよい。
変動量Xは、例えばジャイロセンサ41により検出される角速度を積分した角度である。あるいは、変動量Xは、ジャイロセンサ41により検出される角速度を積分した角度の一定時間における変動量でもよい。また、勾配変化検出部52cは、変動量Xと第1閾値a1との比較結果を基に、勾配変化判定フラグをONまたはOFFにする。勾配変化検出部52cは、勾配変化判定フラグとして、例えばブーリアン型の2値化データを出力する。変動量Xが第1閾値a1以下であればTRUE、変動量Xが第1閾値a1より大きいときはFALSEとなる。勾配変化検出部52cは、データをブーリアン型に限定せず、整数型でもよく、それ以外で出力してもよい。
記憶部53は、補正制御部52の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを記憶する記憶媒体である。したがって、例えば、プロセッサ等の演算装置を勾配変化検出部52cとして機能させるために必要なプログラム及びデータも記憶部53に格納されている。記憶部53は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、またはこれらの組み合わせによって実現できる。
補正処理装置50は、表示処理装置30に補正量を出力する。
次に、図3A~図3Dを参照して、AR表示について説明する。図3Aは、車両200が傾いていないときの例を示している。図3Bは、図3Aに示す車両200のフロントガラス210から見える実景の例を示している。図3Cは、表示領域220から見える虚像Ivの一例を示している。図3Dは、図3Bに示す実景に図3Cに示す虚像Ivが重なって表示される例を示している。
表示システム100は、図3Bに示す実景に図3Cに示す虚像Ivを重畳させる。虚像Ivの基準位置(初期位置)P0は、虚像Ivの種類、車両200の状態(位置及び姿勢)、及び地図データなどに基づいて決定された位置であり、当該基準位置P0は、外部装置により決定される。例えば、表示対象230が走行車線であって、虚像Ivが進行方向を示す矢印の場合、基準位置P0は走行車線の中央を矢印の先端が指し示すときの液晶上の表示位置である。基準位置P0は、例えば、図3Cにおいて、表示領域220内におけるY座標とZ座標の値に対応する液晶表示上の画素の位置で設定される。基準位置P0は、外部装置から取得される。
外部装置は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、または、ASICと、GPSモジュール21とで構成することができる。外部装置の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。外部装置から出力される基準位置P0は、乗員数、荷重の変動、及びガソリンの減少などによる姿勢の変動に基づいて変化する場合があるため、例えば、最初に取得した基準位置(初期位置)と異なる場合がある。それ故、表示処理装置30は、外部装置から取得される基準位置P0を、乗員数、荷重の変動、及びガソリンの減少などによる姿勢の変動に基づいて変更してもよい。なお、表示処理装置30が、車両関連情報及び地図データなどに基づいて、基準位置P0を設定してもよい。表示処理装置30は、車両関連情報に基づいて、虚像Ivの大きさを設定してもよい。
図4Aは、車両200が後傾姿勢になった状態の例を示している。図4Bは、車両200の姿勢変化に応じて、虚像Ivの表示位置が表示対象230からずれた場合を例示している。図4Cは、補正後の虚像Ivの表示位置を示している。
路面の凹凸、車両200の急加速または急減速などにより、車両200が傾く場合がある。例えば、図4Aに示すように、車両200が路面301の凸部303に乗り上げると、車両200は後傾姿勢になる。この場合、図4Bに示すように、フロントガラス210から見える表示対象230の位置が車両200の走路に対する傾きθ1に応じて変動する。そのため、虚像Ivを基準位置P0に表示した場合、虚像Ivが表示対象230からずれる。
例えば、車両200が路面301の凸部303により後傾姿勢になると、図4Bに示すように、表示対象230の位置が通常走行時よりも下方に変動する。したがって、基準位置P0に表示される虚像Ivの矢印の先が車線外にずれてしまう。よって、表示システム100は、車両200の姿勢に応じてずれを戻す方向に虚像Ivの表示位置を調整する。
具体的には、図4Cに示すように、補正処理装置50が、車両200の角度に起因した表示位置のずれがない位置P1となるように補正量Cを算出する。すなわち、表示処理装置30は、虚像Ivの表示位置を「基準位置P0+補正量C」に設定する。これにより、投影装置10は、虚像Ivを表示対象230に対応する位置P1に表示することができる。このように、車両200が傾いた場合であっても、虚像Ivの表示位置を補正量Cに基づいて基準位置P0から変更することで、実景内の表示対象230に対応する位置P1に虚像Ivを表示することができる。
しかしながら、車両200の姿勢変化に応じて虚像Ivの表示位置を補正すると、車両200が斜面を走行する際に問題が生じる。図5Aは、車両200が斜面を上っている状態の例を示している。図5Bは、車両200の姿勢変化に応じて虚像Ivの表示位置を補正した結果、表示対象230からずれた場合を例示している。
車両200が例えば斜度θ1の坂道302を登坂する場合、坂道302の影響により登坂前後で車両姿勢が変化するので、虚像Ivの表示位置が「基準位置P0+補正量C」に設定される。しかしながら、車両200は、坂道302の斜面に沿って平行に走行するので、虚像Ivの表示位置を補正する必要がないが、必要のない補正処理により虚像Ivが表示対象230から下方にずれた表示となってしまう。
図5Bは、走路の勾配によって、虚像Ivの表示位置が表示対象230からずれた場合を例示している。上述したように、例えば、走路の勾配が変化しても、車両200が斜面に対して平行に走行する場合、走路に対して傾いていないにも関わらず、ジャイロセンサ41が検出する角速度には走路の勾配変化の成分が含まれるので、勾配変化の角度に基づいて補正する。この場合、車両200が走路に対して実際には傾いていないにもかかわらず、走路の勾配変化に起因する車両200の傾きの変化が検出され、補正量Cがゼロにならなくなる。そのため、虚像Ivの表示位置(=基準位置P0+補正量C)が表示対象230より大きくずれる。例えば、実際に表示される位置P1(=基準位置P0+補正量C)が、表示対象230に対して表示させたい基準位置P0とならない。本実施形態は、この走路の勾配に起因した位置ずれを低減するために、後述するように、走路の勾配が変化したときに、補正量Cをゼロにリセットする。
本実施形態の表示システム100は、後述するように、勾配変化検出部52cの出力、つまり、車両の姿勢変化に関する変動量に基づいて、補正量Cを低減する。具体的には、変動量Xが、第1閾値a1より大きいときに、補正量Cをゼロにリセットする。これにより、変動量Xが、第1閾値a1より大きいときに、虚像Ivの表示位置を表示させたい基準位置P0に戻す。
2. 表示処理装置の動作
図6は、表示処理装置30の表示制御部32が行う表示処理を示している。図6に示す表示処理は、例えば、車両200のエンジンが始動したとき、または虚像Ivの表示開始を指示するためのボタンが操作されたときなどに開始される。
表示制御部32は、情報取得装置20から車両関連情報を取得する(S101)。表示制御部32は、車両関連情報に基づいて、表示する虚像Ivを決定する(S102)。表示制御部32は、虚像Ivの基準位置P0を外部装置から取得する(S103)。表示制御部32は、補正処理装置50から出力される表示位置の補正量Cを取得する(S104)。
表示制御部32は、基準位置P0と補正量Cとに基づいて、投影装置10に虚像Ivを表示させる(S105)。例えば、表示制御部32は、表示対象に対応する虚像Ivの画像データ33iを記憶部33から読み出し、虚像Ivの表示位置を「基準位置P0+補正量C」に設定して、投影装置10に出力する。
表示制御部32は、表示処理を継続するか否かを判断する(S106)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、または虚像Ivの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、表示制御部32は表示処理を終了する。表示処理を継続する場合は、ステップS101に戻る。
3. 補正処理装置の動作
図7は、補正処理装置50の補正制御部52が行う補正処理を示している。図7に示す補正処理は、例えば、車両200のエンジンが始動したとき、または虚像Ivの表示開始を指示するためのボタンが操作されたときなどに開始される。図7の補正処理は、例えば、図6の表示処理と共に開始される。なお、図7に示す補正処理は、虚像Ivの位置補正の開始を指示するためのボタンが操作されたときに開始されてもよい。
ずれ量算出部52aは、ジャイロセンサ41から出力される角速度を示す姿勢変化情報を取得する(S201)。ずれ量算出部52aは、取得した姿勢変化情報に基づいて、車両200の姿勢、例えば、ピッチ方向に対する角度であるずれ量(姿勢変化量)を算出する(S202)。具体的には、ずれ量算出部52aは、角速度を積分演算することによって、車両200のピッチ角を算出する。補正量算出部52bは、ピッチ方向に対するずれ量に基づいて、虚像Ivの表示位置の補正量Cを算出する(S203)。具体的には、補正量算出部52bは、ピッチ方向における車両200のずれ量を画素数に換算して、画素数で示されるずれ量を相殺するような補正量Cを決定する。
本実施形態では、補正量Cを「補正量C=-(現時点のずれ量)+(ゼロリセット時のずれ量)」として定義する。以下、ゼロリセット時のずれ量をオフセット値とも称する。オフセット値の初期値は、例えばゼロである。ステップS203の補正量の算出において、ずれ量算出部52aが、角度単位で、「-現時点の姿勢(角度)+オフセット値(角度)」を算出して補正量算出部52bに出力し、補正量算出部52bは入力した値を画素数に換算してもよい。また、ずれ量算出部52aは、現時点の姿勢(角度)を補正量算出部52bに出力し、補正量算出部52bが、姿勢(角度)を画素数に換算した後で、「-現時点のずれ量(画素数)+オフセット値(画素数)」を算出してもよい。
比較部52dは、変動量X(ずれ量算出部52aの出力またはずれ量算出部52aの出力に基づいた演算処理結果)を取得する(S204)。変動量Xは、例えば、ずれ量算出部52aが検出するピッチ角でもよいし、検出したピッチ角の予め定められた単位時間における変動量でもよい。そして、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第1閾値a1とを比較する(S205)。
変動量Xが第1閾値a1以下であれば(S205でYes)、補正量算出部52bは、算出した補正量Cを表示処理装置30に出力する(S206)。これにより、虚像Ivが「基準位置P0+補正量C」で示される位置に表示される。
変動量Xが第1閾値a1より大きい場合は(S205でNo)、勾配変化検出部52cは車両が走路の勾配変化による姿勢変化が完了したと判断して判定フラグをONにし(S208)、補正制御部52は、判定フラグONのタイミングで補正量Cをゼロにリセットする(S209)。勾配変化検出部52cは、ゼロリセット完了後に判定フラグをOFFにする(S210)。具体的には、例えば、ずれ量算出部52aが、オフセット値(角度)を「オフセット値(角度)=姿勢(角度)」に設定する。これにより、ずれ量算出部52aから補正量算出部52bに、「-姿勢(角度)+オフセット値(角度)」で示される角度、すなわち0度が出力される。または、補正量算出部52bは、ずれ量算出部52aが算出した姿勢変化量(角度)を画素数(ずれ画素数)に換算し、オフセット値(画素数)を「オフセット値(画素数)=ずれ画素数」に設定する。これにより、「-ずれ量(画素数)+オフセット値(画素数)」で算出される補正量Cがゼロになる。図8Aは、補正量Cをゼロにリセットする一例を説明する説明図である。例えば、時刻t1で補正量Cが即時にゼロにリセットされる。このようにして、車両の姿勢変化に関する変動量Xが第1閾値a1より大きいときに、表示位置が基準位置P0に戻される。
補正制御部52は、補正処理を継続するか否かを判断する(S207)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、または虚像Ivの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、補正制御部52は補正処理を終了する。補正処理を継続する場合は、ステップS201に戻る。ステップS201に戻った後は、次のS203の補正量の算出において、前のステップS209で設定したオフセット値が使用される。補正量Cがゼロにリセットされた後も、ずれ量に基づいて表示位置の補正が継続される。
以上のように、本実施形態では、変動量Xが第1閾値a1より大きいときに、「オフセット値=ずれ量」に設定することで、補正量Cをゼロにする。換言すると、変動量Xが第1閾値a1より大きいときに、表示位置が基準位置P0にリセットされる。「補正量C=-ずれ量+オフセット値」であるため、次に虚像Ivを表示するとき(図6のステップS105)の表示位置である「基準位置P0+補正量C」は、「基準位置P0+オフセット値-ずれ量」に相当する。
図9は、本実施形態の車両200が走行する傾斜した走路と、車両200のピッチ角と、単位時間ごとのピッチ角の変動量と、勾配変化判定フラグとの関係を示す図である。図9(a)は、車両200が登坂する坂道の一例を示す。図9(b)は、ジャイロセンサ41によって検出されたピッチ角を示すグラフである。図9(c)は、2秒ごとのピッチ角の変動量を示すグラフである。図9(d)は、勾配変化判定フラグのON、OFFを示す図である。
車両200の走行中において、ジャイロセンサ41により、走路の凹凸に起因するピッチ角の振動(角速度)が検出される。また、車両200が坂道を登坂し始めると、走路の勾配が変化するので、ピッチ角が大きく変化する。予め定められた単位時間T1ごとにピッチ角の変動量Xを算出する。なお、図9において、単位時間T1は一例として2秒に設定されている。変動量Xの算出は、例えば、(時間,ピッチ角)=(t,p1)、(t+T1,p2)とすると、
X=(p2-p1)/(t+T1-t)=(p2-p1)/T1 ・・・(1)式
により算出する。変動量Xの絶対値|X|が第1閾値a1より大きい(X>a1、または、X<-a1)と、勾配変化検出部52cは、走路の勾配が変化したと判定し、判定フラグをONにする。走行し始めて約10秒経過後に変動量X>a1になっているので、勾配変化検出部52cは、車両200の坂道への進入により走路の勾配が変化したと判定し、判定フラグをONにする。この判定結果に基づいて、図9(b)に示すように、補正制御部52は、ピッチ角の補正量をゼロにリセットする。また、走行し始めて約14秒経過後に変動量X<-a1になっているので、勾配変化検出部52cは、車両200の坂道からの退出により走路の勾配が変化したと判定し、判定フラグをONにする。この判定結果に基づいて、補正制御部52は、ピッチ角の補正量をゼロにリセットする。なお、ピッチ角の補正量がゼロにリセットされると、勾配変化検出部52cは、判定フラグをOFFにする。
4. 効果及び補足等
本開示の走路の勾配の変化を検出するための移動体用の勾配変化検出システムは、車両200の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向のピッチ角を検出する姿勢検出装置40及びずれ量算出部52aと、ピッチ角に基づいて、または、ピッチ角の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部52cと、を備える。また、本開示の移動体用のプログラムは、勾配変化検出部52cを構成する演算装置(補正処理装置50)により走路の勾配の変化を検出するための車両200用のプログラムであって、演算装置に、ずれ量算出部52aから入力される、ピッチ角に基づいて、または、単位時間、例えば2秒間における車両200のピッチ方向の変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出ステップを実行させる。勾配変化検出ステップは、例えば、ステップS205に相当する。また、本開示の移動体用のプログラムは、勾配の変化による移動体の姿勢変化を除いた移動体の振動による姿勢変化を検出するための車両200用のプログラムであって、勾配変化検出ステップの実行結果に基づいて、姿勢検出装置40の出力結果から勾配変化による車両200の姿勢変化成分を除去する勾配変化成分除去ステップを実行する。勾配変化成分除去ステップは、例えば、ステップS209に相当する。
これにより、走路の勾配の変化を検出することができ、車両200の姿勢変化が走路の勾配変化に起因していることを検出することができる。そして、勾配変化の検出結果に基づき、勾配変化に起因した姿勢変化を除いた車両200の姿勢変化を検出することができる。したがって、車両200の平地から坂道への進入及び坂道から平地への退出を検出することもでき、坂道への進入後及び退出後の路面の形状や車両200の加減速による車両200の振動による姿勢変化を検出することができる。
また、本開示の表示システム100は、虚像Ivの表示を制御する表示処理装置30と、車両200の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向のピッチ角を検出する姿勢検出装置40及びずれ量算出部52aと、ピッチ角に基づいて虚像Ivの表示位置の補正量を算出する補正量算出部52bを有する、補正処理装置50と、ピッチ角に基づいて、または、ピッチ角の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部52cと、を備える。表示処理装置30は、虚像Ivを基準位置と補正量とに基づいて表示し、補正処理装置50は、勾配変化検出部52cの検出結果に基づいて補正量を調整する。
これにより、走路の勾配の変化に起因した誤った補正を抑制でき、虚像Ivを適切に表示することができる。
補正量Cをゼロにリセットすることによって、坂道走行に起因した姿勢変化による表示位置のずれ量を低減することができる。変動量Xがピッチ角の場合、変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きいとき、すなわち、車両200の姿勢が一定以上変化した場合、車両200が坂道の走行により姿勢変化が起きたと判定して、補正量のリセットを行う。変動量Xが単位時間におけるピッチ角の変動量の場合、単位時間における変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きいとき、すなわち、一定時間継続して車両200の姿勢が変化している場合、車両200が坂道の走行により姿勢変化が起きたと判定して、補正量のリセットを行う。これにより、走路の勾配変化による車両200の姿勢変化の影響を低減し、走路の凹凸による車両200の姿勢変化に対しては精度よく補正することができる。なお、単位時間における変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きいとき、坂道走行による姿勢変化が完了したと認識してもよい。また、走路の勾配が変化すると変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きくなる。この度に補正量がリセットされるので、走路の勾配が途中で変わる場合にも補正量をリセットすることができる。したがって、勾配の変化に起因した車両の姿勢変化による表示位置のずれを抑制することができる。また、変動量Xの絶対値が第1閾値a1以下のときは、路面の凹凸に応じた車両200の振動であると判定して、車両姿勢に基づいた補正量Cで表示位置が補正される。
また、本実施形態の表示システム100は、虚像を表す光を投影する投影装置10をさらに含む。本実施形態において、移動体は、車両であり、像は、車両のフロントガラスの前方に表示される虚像である。本実施形態によれば、走路の勾配の変化による虚像の表示位置の誤補正を抑制することができる。
なお、ステップS209において、補正量Cをゼロにリセットする方法は任意である。本実施形態では、「補正量C=-ずれ量+オフセット値」としたが、補正量Cを「補正量C=-ずれ量」としてもよい。この場合、ずれ量自体をゼロにすることで、補正量Cをゼロにリセットする。具体的には、ジャイロセンサ41の出力に基づいて車両姿勢を算出する場合に、ずれ量算出部52aにおいて算出される角速度の積分量をゼロにリセットする。
また、ステップS209において、補正量Cをゼロにリセットする代わりに、補正量Cの大きさをゼロにならないように予め定められた量小さくしてもよい。この場合、補正処理装置50は、補正量Cの大きさがゼロにならないように、補正量Cの大きさを予め定められた量(補正量Cよりも小さな値)小さくする。具体的には、例えば、補正量算出部52bは、「補正量C=-(ずれ量-オフセット値)」において、「オフセット値=予め定められた量」に設定する。予め定められた量は、虚像Ivの表示領域220内の表示位置に応じて、設定されてもよい。図8Bに示すように、例えば、時刻t1において、補正量Cの大きさが、一定量のオフセット値Fs1だけ小さくなる。また、図8Cに示すように補正量Cを段階的に小さくしてもよい。例えば、時刻t1で補正量Cの大きさを一定のオフセット値Fs2だけ小さくし、時刻t2でもう一度オフセット値Fs2だけ小さくしてもよい。なお、小さくする回数は3回以上でもよいし、回数によって、オフセット値を変えてもよい。
このように、補正処理装置50は、変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きい場合、補正量Cを予め定められた量小さくするので、虚像Ivの位置は基準位置P0に近づく。虚像Ivの位置が急に大きく変わらないので、乗員Dが、虚像Ivの表示位置の変化に対して違和感を覚えることを抑制することができる。すなわち、表示位置のシフトによる見た目の違和感を抑制することができる。
なお、補正量Cを予め定められた量より小さくすることに代えて、オフセット値を、変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きい時のずれ量より一定量小さな値に設定してもよい。
(第2実施形態)
変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きいときに、第1実施形態では補正量Cをゼロにリセット、または、補正量Cの大きさがゼロにならないように、補正量Cを予め定められた量小さくした。本実施形態では、補正量Cの大きさに応じて補正量の変化量を変更する。具体的には、補正量Cが閾値d以上の場合は補正量Cを補正量Cの大きさがゼロにならないように、予め定められた量小さくし、補正量Cが閾値d未満のときは、補正量をゼロにリセットする。
図10は、第2実施形態における表示システム100Aの内部構成を示すブロック図である。第2実施形態における表示システム100Aは、第1実施形態における補正処理装置50の補正制御部52に、判定部52eを加えた構成である。図11は、第2実施形態における補正処理を示している。第2実施形態の図11のステップS201~S208、S210は、第1実施形態と同一である。
本実施形態では、変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きい場合(S205でNo)、勾配変化検出部52cは判定フラグをONにする(S208)。判定フラグがONの状態で、判定部52eは、ステップS203で算出した補正量Cが閾値d以上か否かを判断する(S211)。補正量Cが閾値d以上であれば(S211でYes)、図8Bに示すように補正量Cの大きさがゼロにならないように、補正量Cを予め定められた一定量(補正量Cよりも小さな値)Fs1小さくする(S212)。具体的には、例えば、補正量算出部52bは、「補正量C=-(ずれ量-オフセット値)」において、「オフセット値=予め定められた量」に設定する。補正量Cが閾値dより小さければ(S211でNo)、図12に示すように、補正量Cをゼロにリセットする(S209)。具体的には、「オフセット値=ずれ量」に設定する。補正量Cを予め定められた一定量小さくするか、補正量Cをゼロにリセットした後は、勾配変化検出部52cは判定フラグをOFFにする(S210)。
このように、補正処理装置50は、補正量Cが閾値d以上の場合は補正量を一定量小さくし、補正量Cが閾値dよりも小さい場合は補正量をゼロにリセットする。これにより、表示位置の補正を走路の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
(第3実施形態)
第2実施形態では、補正量がゼロで無い場合、補正量を一定量小さくしていた。第3実施形態では、補正量を時間をかけて小さくする。
図13は、第3実施形態における表示システム100Bの内部構成を示すブロック図である。第3実施形態における表示システム100Bは、第2実施形態における表示システム100Aにおける補正処理装置50Aの補正制御部52Aに、オフセット量算出部52fを加えた構成である。以下に記載した点以外の構成は、第3実施形態における表示システム100Bと第2実施形態における表示システム100Aとは同じである。図14は、第3実施形態における補正処理を示している。第3実施形態の図14のステップS201~S207は、第2実施形態の図11のステップS201~S207と同一である。
本実施形態では、変動量Xの絶対値が第1閾値a1より大きい場合(S205でNo)、判定部52eは、ステップS203で算出した補正量Cが閾値eより大きいか否かを判断する(S214)。補正量Cが閾値eより大きければ(S214でYes)、判定部52eは、判定フラグがONに設定されているか否かを判断する(S215)。判定フラグがOFFの状態の場合(S215のNo)、判定部52eは判定フラグをONにする(S216)。判定フラグがONの状態において、オフセット量算出部52fは、オフセット量Dfを算出する。
図15を参照してオフセット量算出部52fにおけるオフセット量Dfの算出を説明する。図15は、補正量を一定時間かけて小さくする一例を示す説明図である。図15において、閾値eはゼロである。例えば、時刻t1で判定フラグがONに設定される。判定フラグがONに設定されている間は、補正量C1が徐々に小さくされ、時刻t1からリセット時間Δt1後の時刻t4で補正量C1が閾値e以下に、ここではゼロになる。リセット時間Δt1は予め設定されており、サンプリング周期tsとリセット開始時の補正量C1から、1サンプリング(フローチャートのS214→S215→S216→S217までの1サイクル)でのオフセット量Dfを、Df=C1×ts/Δt1として算出する。補正制御部52Bは、C1×ts/Δt1ずつ補正量C1を小さくする(S217)。例えば、サンプリング周期を1/1000[sec]とし、リセット時間Δt1を1[sec]とし、補正量C1を100ピクセルとすると、1サンプリング周期につき、0.1ピクセルずつ補正量が小さくされる。
次に、再び、判定部52eは補正量Cが閾値eより大きいか否かを判定する(S214)。補正量Cが閾値eより大きければ(S214でYes)、判定部52eは判定フラグがONに設定されているか判定する(S215)。判定フラグがONに設定されていれば(S215でYes)、補正制御部52Bは、再び補正量をオフセット量だけ小さくする(S217)。このようにして、徐々に補正量を小さくし、補正量が閾値e以下になると、判定部52eがステップS214における判定で補正量が閾値e以下であることを判定し(S214でNo)、判定部52eは判定フラグをOFFに設定する(S220)。判定フラグがOFFになった後は、ステップS207の処理が実施される。
このように、補正処理装置50Bは、判定フラグがONの状態の間、補正量C1が徐々に小さくなるので、虚像Ivの位置が徐々に基準位置P0に近づく。虚像Ivの位置が急に大きく変わらないので、乗員Dが、虚像Ivの表示位置の変化に対して違和感を覚えることを抑制することができる。
(第4実施形態)
第3実施形態では、補正量が閾値eより大きい場合は補正量を時間をかけて閾値e以下まで小さくしていた。第4実施形態は、第3実施形態の変形例であり、補正量が閾値eより大きい場合は補正量を時間をかけて小さくし、閾値e以下の場合はゼロに即時にリセットする。
図16は、第4実施形態における補正処理を示している。第4実施形態の図16のステップS201~S207、S215~S217、S220は、第3実施形態と同一である。
本実施形態では、変動量Xが閾値aより大きい場合(S205でNo)、判定部52eは、ステップS203で算出した補正量Cが閾値eよりも大きいか否かを判断する(S218)。補正量Cが閾値eより大きければ(S218のYes)、判定部52eは判定フラグがONに設定されているか判定する(S215)。判定フラグがONに設定されていなければ(S215でNo)、判定部52eは、判定フラグをONに設定し、オフセット量算出部52fがオフセット量を算出する(S216)。次に、補正量Cをオフセット量だけ小さくする(S217)。次に、再び、判定部52eは、補正量Cが閾値eよりも大きいか否かを判定する(S218)。補正量Cが閾値eよりも大きければ(S218でYes)、判定フラグがONに設定されているか判定する(S215)。判定フラグがONに設定されていれば(S215でYes)、再び補正量Cをオフセット量だけ小さくする(S217)。このようにして、徐々に補正量Cを小さくし、補正量Cが閾値e以下になると、ステップS218において、判定部52eは補正量Cが閾値e以下であると判定し(ステップS218でNo)、補正量をゼロにリセットする(S219)。その後、判定部52eは、判定フラグをOFFに設定する(S220)。
図17は、補正量を一定時間かけて小さくする一例を示す説明図である。例えば、時刻t1で判定フラグがONに設定され、補正量が徐々に小さくされる。判定フラグがONに設定されている間は、補正量が徐々に小さくなり、時刻t1からリセット時間Δt2後の時刻t5で補正量が閾値e以下になる。なお、リセット時間Δt2を予め設定しておき、サンプリング周期tsとリセット開始時の補正量C1から、1サンプリング(フローチャートのS218→S215→S217→S218までの1サイクル)でのオフセット量を(C1-e)×ts/Δt2として、(C1-e)×ts/Δt2ずつ補正量を小さくしてもよい。補正量が閾値e以下であれば、補正量をゼロに即時リセットする。
このように、補正処理装置50Bは、変動量Xが閾値aより大きくなる度に、補正量Cが閾値eよりも大きい場合は補正量を所定量ずつ小さくし、補正量Cが即時にリセットしても目立たない閾値e以下の場合は補正量Cをゼロにリセットする。これにより、表示位置の補正を車両200の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
(第5実施形態)
第1実施形態では、第1閾値a1を基準に走路の勾配の変化を検出していた。第5実施形態では、第1閾値a2を基準に、走路の勾配の変化を起因として車両200の姿勢の変化が開始したことを検出する。さらに、第2閾値bを基準に、車両200の姿勢の変化が終了したことを検出する。第5実施形態における表示システム100の内部構成を示すブロック図として図2を参照する。第5実施形態において、以下に説明する点以外の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
図18は、第5実施形態における補正処理を示している。第5実施形態のステップS201~S204、S206、S207は、第1実施形態と同一であるので、説明を省略する。
図19は、本実施形態の車両200が走行する傾斜した走路と、車両200のピッチ角と、単位時間ごとのピッチ角の変動量と、勾配変化判定フラグとの関係を示す図である。図19(a)は、車両200が登坂する坂道の一例を示す。図19(b)は、ジャイロセンサ41によって検出されたピッチ角速度を積分したピッチ角を示すグラフである。図19(c)は、0.5秒ごとのピッチ角の変動量を示すグラフである。図19(d)は、勾配変化中フラグのON、OFF及び勾配変化完了フラグのON、OFFを示す図である。
補正制御部52は、勾配変化中フラグがONであるか否かを判定する(S221)。勾配変化中フラグがONに設定されていなければ(S221でNo)、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第1閾値a2とを比較する(S222)。変動量Xの絶対値が第1閾値a2以下の場合(S222でNo)、補正量算出部52bは、算出した補正量Cを表示処理装置30に出力し(S206)、虚像Ivが「基準位置P0+補正量C」で示される位置に表示される。
変動量Xが第1閾値a2より大きい場合は(S222でYes)、補正制御部52は、図19(d)に示すように、勾配変化中フラグをONにする。すなわち、補正制御部52は、車両200が走路の勾配の変化により姿勢変化が開始されたと判断する。勾配変化中フラグがONの状態で、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第2閾値bとを比較する(S224)。変動量Xの絶対値が第2閾値bより大きければ(S224でNo)、補正量算出部52bは、算出した補正量Cを表示処理装置30に出力する(S206)。また、ステップS224において、変動量Xの絶対値が第2閾値b以下であれば(S224でYes)、補正制御部52は、図19(d)に示すように、勾配変化中フラグをOFFにして、勾配変化完了フラグをONにする(S225)。これは、車両200の姿勢が走路の勾配に平行に傾き、車両200が走路の勾配に沿って走行し始めたことを意味する。そこで、補正制御部52は、勾配変化完了フラグがONであるので、図19(b)に示すように、補正量Cをゼロにリセットする(S226)。これにより、走路の勾配変化による補正のズレを解消することができる。さらに、補正制御部52は、補正量Cをゼロにリセットした後に、勾配変化完了フラグをOFFにする。この後、ステップS207の処理が実施され、再度、ステップS201から補正処理が開始される。ステップS224でNoの場合も、ステップS206、S207の処理が実施され、再度、ステップS201から補正処理が開始される。この場合、ステップS221において、勾配変化中フラグがONに設定されているので、ステップS223において続けて勾配変化中フラグをONのままに設定し、ステップS224の処理が実施される。
なお、ステップS226において補正量Cをゼロにリセットする代わりに、予め定められた一定量低減してもよい。
第5実施形態によれば、2種類の閾値を用いて車両200の姿勢変化を判別するので、車両200が勾配の変化による姿勢変化の開始点と完了点とを精度良く検出することができる。したがって、走路の傾斜角度の変化に起因した車両の姿勢変化による表示位置のずれを抑制することができる。また、第1実施形態の場合、必ずしも、予め定められた検出期間と走路の傾斜角度の変化に起因した姿勢変化の完了点が一致しない場合もある。この場合、検出期間後の走路の傾斜角度の変化に起因した姿勢変化に対応する分の誤補正を低減することができない。これに対して、本実施形態は、姿勢変化の完了点を検出することができるので、表示位置のずれを抑制することができる。
(第6実施形態)
第5実施形態は、ステップS226において補正量をゼロにリセットしていた。第6実施形態では、補正量をゼロにリセットする代わりに、補正量の大きさをゼロにならないように予め定められた量小さくする。
図20は、第6実施形態における補正処理を示している。第6実施形態のステップS201~S204、S206、S207、S221~S224は、第5実施形態と同一であるので、説明を省略する。
ステップS224において、勾配変化中フラグがONの状態で、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第2閾値bとを比較する。変動量Xの絶対値が第2閾値b以下であれば(S224でYes)、補正制御部52は、勾配変化中フラグをOFFにして、勾配変化完了フラグをONにする(ステップS225)。さらに、判定部52eは、補正量が閾値e以下か否かを判定する(ステップS228)。補正量が閾値e以下でない場合(S228のNo)、補正処理装置50は、補正量Cの大きさがゼロにならないように、補正量Cの大きさを予め定められた量(補正量Cよりも小さな値)小さくする。具体的には、例えば、補正量算出部52bは、「補正量C=-(ずれ量-オフセット値)」において、「オフセット値=予め定められた量」に設定する。予め定められた量は、虚像Ivの表示領域220内の表示位置に応じて、設定されてもよい。図8Bに示すように、例えば、時刻t1において、補正量Cの大きさが、一定量のオフセット値Fs1だけ小さくなる。また、図8Cに示すように補正量Cを段階的に小さくしてもよい。例えば、時刻t1で補正量Cの大きさを一定のオフセット値Fs2だけ小さくし、時刻t2でもう一度オフセット値Fs2だけ小さくしてもよい。なお、小さくする回数は3回以上でもよいし、回数によって、オフセット値を変えてもよい。
補正量が一定量小さくされた後は、補正制御部52は、勾配変化完了フラグをOFFにする。その後、ステップS207が実施される。なお、ステップS228において、補正量が閾値e以下の場合(ステップS228のYes)は、ステップS231において勾配変化完了フラグをOFFにする。次に、ステップS207を経由して、再びステップS201から処理が繰り返される。なお、閾値eは、任意の値を設定することができ、ゼロであってもよい。このように、補正処理装置50は、補正量Cが閾値eより大きい場合は補正量を予め定められた量ずつ小さくし、補正量Cが即時にリセットしても目立たない閾値e以下の場合は、補正量の調整を終了する。これにより、表示位置の補正を車両200の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
このように、補正処理装置50は、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きく、かつ、第2閾値b以下の場合に、補正量Cを予め定められた量小さくするので、虚像Ivの位置は基準位置P0に近づく。虚像Ivの位置が急に大きく変わらないので、乗員Dが、虚像Ivの表示位置の変化に対して違和感を覚えることを抑制することができる。すなわち、表示位置のシフトによる見た目の違和感を抑制することができる。
(第7実施形態)
第5実施形態は、ステップS226において補正量をゼロにリセットしていた。本実施形態では、補正量Cの大きさに応じて補正量の変化量を変更する。具体的には、補正量Cが閾値dより大きい場合は補正量Cを補正量Cの大きさがゼロにならないように、予め定められた一定量小さくし、補正量Cが閾値d以下のときは、補正量をゼロにリセットする。第7実施形態における表示システム100Aの内部構成を示すブロック図として図10を参照する。
図21は、第7実施形態における補正処理を示している。第7実施形態のステップS201~S204、S206、S207、S221~S225は、第5実施形態と同一である。
ステップS225において、勾配変化完了フラグをONにする。勾配変化完了フラグがONの状態で、判定部52eは、ステップS203で算出した補正量Cが閾値d以下であるか否かを判定する(S233)。補正量Cが閾値dより大きければ(S233でNo)、図8Bに示すように補正量Cの大きさがゼロにならないように、補正量Cを予め定められた一定量(補正量Cよりも小さな値)小さくする(S232)。補正量Cが閾値d以下であれば(S233でYes)、図12に示すように、補正量Cをゼロにリセットする(S209)。補正量Cを予め定められた一定量小さくするか、補正量Cをゼロにリセットした後は、勾配変化完了フラグをOFFにする(S234)。
このように、補正処理装置50Aは、補正量Cが閾値dより大きければ補正量を一定量小さくし、補正量Cが閾値d以下の場合は補正量をゼロにリセットする。これにより、表示位置の補正を走路の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
(第8実施形態)
第5実施形態では、走路の勾配の変化に伴う姿勢変化による補正を1度きりの補正で、ゼロにリセット、または、一定量低減していた。第8実施形態では、時間をかけて徐々にゼロにリセット、または、一定値へ低減する。
図22は、第8実施形態における補正処理を示している。第8実施形態のステップS201~S204、S206、S207、ステップS221~S224は、第5実施形態と同一である。
ステップS224において、変動量の絶対値Xが閾値b以下の場合(S224でYes)、ステップS227において、勾配変化中フラグをOFF状態にする。判定部52eは、補正量が閾値e以下であるか判定する。補正量が閾値eよりも大きい場合(S228でNo)、勾配変化完了フラグがONか否かを判定する(S232)。勾配変化完了フラグがON状態でない場合(S232でNo)、オフセット量算出部52fはオフセット量Dfを算出し、勾配変化完了フラグをON状態にする(S229)。車両200が走路の勾配に沿って走行し始めているので、補正量Cを算出されたオフセット量だけ小さくする(S234)。次に、判定部52eは、小さくなった補正量と閾値eとを再び比較する(S228)。補正量が閾値eよりも大きい場合(S228でNo)、ステップS232における判別で、勾配変化完了フラグがON状態であるので、直接、ステップS234へ進み、補正量をオフセット量だけ小さくする。
補正量が閾値e以下の場合(S233でYes)、勾配変化完了フラグをOFFにする(S231)。これにより、走路の勾配の変化によって過度に補正された虚像Ivの修正が終了する。なお、閾値eは、任意の値を設定することができ、ゼロであってもよい。
図15に示すように、閾値eがゼロの場合に、例えば、時刻t1で勾配変化完了フラグがONに設定され、補正量Cが徐々に小さくされる。勾配変化完了フラグがONに設定されている間は、補正量Cが徐々に小さくなり、時刻t1からリセット時間Δt1後の時刻t4で補正量が0になる。なお、リセット時間Δt1を予め設定しておき、サンプリング周期tsとリセット開始時の補正量C1から、1サンプリング(フローチャートのS228→S2232→S234→S228までの1サイクル)でのオフセット量をC1×ts/Δt1として、C1×ts/Δt1ずつ補正量を小さくしてもよい。例えば、サンプリング周期を1/1000[sec]とし、リセット時間Δt1を1[sec]とし、補正量C1を100ピクセルとすると、1サンプリング周期につき、0.1ピクセルずつ補正量が小さくされる。
このように、補正処理装置50Bは、勾配変化完了フラグがONの状態の間、補正量Cが徐々に小さくなるので、虚像Ivの位置が徐々に基準位置P0に戻る。虚像Ivの位置が急に大きく変わらないので、乗員Dが、虚像Ivの表示位置の変化に対して違和感を覚えることを抑制することができる。すなわち、表示位置のシフトによる見た目の違和感を抑制することができる。
(第9実施形態)
第8実施形態では、補正量が閾値eより大きい場合は時間をかけて補正量を一定量ずつ小さくしていた。第9実施形態では、補正量が閾値eより大きい場合は時間をかけて補正量を一定量ずつ小さくし、閾値e以下の場合はゼロに即時にリセットする。
図23は、第9実施形態における補正処理を示している。第9実施形態のステップS201~S204、S206、S207は、第1実施形態と同一である。また、第9実施形態のステップS221~S224、S227は、第8実施形態と同一である。
本実施形態では、ステップS224において、変動量の絶対値Xが閾値b以下の場合、ステップS227において、勾配変化中フラグをOFF状態にする。判定部52eは、補正量Cと閾値eとを比較する(S228)。補正量Cが閾値e以下でなければ(S228でNo)、勾配変化完了フラグがON状態でない場合(S232のNo)、オフセット量算出部52fはオフセット量Dfを算出し、勾配変化完了フラグをON状態にする(S229)。次に、補正量をオフセット量だけ小さくする(S234)。次に、ステップS228、S232、S234の処理が繰り返される。ステップS228において、判定部52eが、補正量Cと閾値eとを比較する。ここで、補正量Cが閾値e以下の場合(S228でNo)、補正制御部52は、補正量をゼロにリセットし、勾配変化完了フラグをOFFにする(S243)。
図17に示すように、例えば、時刻t1で勾配変化完了フラグがONに設定される。勾配変化完了フラグがONに設定されている間は、補正量が徐々に小さくなり、時刻t1からリセット時間Δt2後の時刻t5で補正量が閾値e以下になる。なお、リセット時間Δt2を予め設定しておき、サンプリング周期tsとリセット開始時の補正量C1から、1サンプリング(フローチャートのS228→S232→S234→S228までの1サイクル)でのオフセット量を(C1-e)×ts/Δt2として、(C1-e)×ts/Δt2ずつ補正量を小さくしてもよい。補正量が閾値eより小さければ、補正量をゼロに即時リセットする。
このように、補正処理装置50は、補正量Cが閾値eより大きい場合は補正量を予め定められた量ずつ小さくし、補正量Cが即時にリセットしても目立たない閾値e以下の場合は補正量Cをゼロにリセットする。これにより、表示位置の補正を車両200の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
(第10実施形態)
第10実施形態では、第5実施形態と補正量をリセットするタイミングが異なる。第5実施形態では、勾配変化開始時は補正量はそのままで、勾配変化完了時に補正量をリセットしていた。これに対して、第10実施形態では、勾配変化開始時に補正量をリセットし、勾配変化中は補正量を維持し、勾配変化完了時に補正を再開する。この点及び以下に説明する点以外の構成は、第5実施形態と同様である。図24A及び図24Bは、補正処理装置50の補正制御部52が行う補正処理を示している。図24A及び図24Bに示す補正処理は、例えば、車両200のエンジンが始動したとき、または虚像Ivの表示開始を指示するためのボタンが操作されたときなどに開始される。図24A及び図24Bの補正処理は、例えば、図6の表示処理と共に開始される。なお、図24A及び図24Bに示す補正処理は、虚像Ivの位置補正の開始を指示するためのボタンが操作されたときに開始されてもよい。なお、図24A及び図24Bにおける符号A、符号B、符号Cはそれぞれ接続していることを示す。
第10実施形態のステップS201~S204は、第5実施形態と同様であるので、説明を省略する。補正制御部52は、勾配変化中フラグFaがONであるか否かを判定する(S255)。勾配変化中フラグFaがONに設定されていなければ(S255でNo)、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第1閾値a2とを比較する(S256)。
変動量Xが第1閾値a2以下であれば(S256でNoに進み、図24A及び図25Bの符号Aを経由して)補正量算出部52bは、算出した補正量Cmを表示処理装置30に出力する(S257)。これにより、虚像Ivが「基準位置P0+補正量Cm」で示される位置に表示される。
変動量Xが第1閾値a2より大きい場合は(S256でYes)、勾配変化検出部52cは図25(d)に示すように、勾配変化中フラグFaをONにする(S259)。すなわち、車両200が走路の勾配の変化により姿勢変化が開始されたと判断する。補正制御部52は、勾配変化中フラグFaがONされたタイミングで補正量をゼロにリセットして、表示位置を基準位置に戻す(S260)。補正制御部52は、補正量の値を保持する(S261)。例えば、補正制御部52は、補正量の値をゼロに保持する。
補正量をゼロにリセットする方法は、例えば、ずれ量算出部52aが、オフセット値(角度)を「オフセット値(角度)=姿勢(角度)」に設定する。これにより、ずれ量算出部52aから補正量算出部52bに、「-姿勢(角度)+オフセット値(角度)」で示される角度、すなわち0度が出力される。または、補正量算出部52bは、ずれ量算出部52aが算出した姿勢(角度)を画素数(ずれ画素数)に換算し、オフセット値(画素数)を「オフセット値(画素数)=ずれ画素数」に設定する。これにより、「-ずれ量(画素数)+オフセット値(画素数)」で算出される補正量がゼロになる。
図8Aに示すように、補正量をゼロにリセットしてもよい。例えば、時刻t1で補正量が即時にゼロにリセットされる。このようにして、車両の姿勢変化に関する変動量Xが第1閾値a2より大きいと判断されたときに、表示位置が基準位置P0に戻される。
補正制御部52が補正量の値を保持した後、図24A及び図24Bの符号Bを経由して、勾配変化中フラグFaがONの状態で、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第2閾値bとを比較する(S262)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、変動量Xの絶対値が第2閾値bよりも大きければ(S262でNo)、車両200は走路の勾配変化に伴って姿勢を変化中であることを意味するので、補正制御部52は、保持された補正量を表示処理装置30に出力する(S257)。
補正制御部52は、補正処理を継続するか否かを判断する(S258)。例えば、車両200のエンジンが停止したとき、または虚像Ivの表示の終了を指示するためのボタンが操作されたときなどに、補正制御部52は補正処理を終了する。補正処理を継続する場合は、図24B及び図24Aの符号Cを経由して、ステップS201に戻る。
ステップS201から再び補正処理が開始され、ステップS202~204の処理が実施される。既に勾配変化中フラグFaがONになっているので、ステップS255の判定でYesに進み、補正制御部52は、保持した補正量を出力値に設定する(ステップS265)。ここでは、保持した補正量の値はゼロである。
次に、図24A及び図24Bの符号Bを経由して、ステップS262における比較部52dの判定において、再び、変動量Xの絶対値が第2閾値bよりも大きければ(S262でNo)、車両200は走路の勾配変化に伴って姿勢をまだ変動中であることを意味するので、補正制御部52は、保持された補正量を表示処理装置30に出力する(S257)。
ステップS262における比較部52dの判定において、勾配変化中フラグFaがONの状態で、変動量Xの絶対値が第2閾値b以下であれば(S262でYes)、補正制御部52は、図25(d)に示すように、勾配変化中フラグFaをOFFにして、勾配変化完了フラグFbをONにする(S263)。これは、車両200の姿勢が走路の勾配に平行に傾き、走路の勾配に沿って走行し始めたことを意味する。そこで、補正制御部52は、補正量の保持を解除する。これにより、ステップS201からの処理が再び開始された際に、ステップS203の補正量算出においてステップS260で基準位置に戻す際に使用したオフセット値が使用される。補正量の解除後、勾配変化完了フラグFbをOFFにする(S264)。補正制御部52は、ここでは出力値に設定された補正量を表示処理装置30に出力する(S257)。
なお、ステップS260において補正量Cをゼロにリセットする代わりに、予め定められた一定量低減してもよい。この場合、保持した補正量の値はゼロ以外である。
以上のように、本実施形態では、変動量Xが第1閾値a2より大きいときに、「オフセット値=ずれ量」に設定することで、補正量をゼロにする。換言すると、変動量Xが第1閾値a2より大きいときに、表示位置が基準位置P0にリセットされる。「補正量C=-ずれ量+オフセット値」であるため、次に虚像Ivを表示するとき(図6のステップS105)の表示位置である「基準位置P0+補正量C」は、「基準位置P0+オフセット値-ずれ量」に相当する。
図25は、本実施形態の車両200が走行する傾斜した走路と、車両200のピッチ角の変動量と、予め定められた単位時間ごとのピッチ角の変動量と、勾配変化判定フラグとの関係を示す図である。図25(a)は、車両200が登坂する坂道の一例を示す。図25(b)は、ジャイロセンサ41によって検出されたピッチ角の変化を示すグラフである。図25(c)は、0.5秒ごとのピッチ角の変化量を示すグラフである。図25(d)は、勾配変化判定フラグのON、OFFを示す図である。勾配変化判定フラグとして、例えば、勾配変化中フラグFaと勾配変化完了フラグFbとの2種類のフラグが使用される。
ジャイロセンサ41により、走路の凹凸に起因するピッチ角の振動(角速度)が検出される。車両200が坂道を登坂し始めると、走路の勾配が変化するので、ピッチ角が大きく変化する。予め定められた単位時間T1ごとにピッチ角の変動量Xを算出する。なお、図25において、単位時間T1は0.5秒に設定されている。変動量Xの算出は、例えば、(時間,ピッチ角)=(t,p1)、(t+T1,p2)とすると、
X=(p2-p1)/(t+T1-t)=(p2-p1)/T1
により算出する。変動量Xの絶対値|X|が第1閾値a2以上(X≧a2、または、X≦-a2)と、勾配変化検出部52cは、走路の勾配が変化したと判定し、勾配変化中フラグFaをONにする。
走行し始めて約8秒経過後に、勾配変化検出部52cは、車両200の坂道への進入により走路の勾配が変化したと判定し、勾配変化中フラグFaをONする。この判定結果に基づいて、図25(b)に示すようにピッチ角の補正量がゼロにリセットされ、その後ゼロに保持される。また、走行し始めて約10秒経過後に、勾配変化検出部52cは、坂道への進入が完了したと判定し、勾配変化完了フラグFbをONする。この判定結果に基づいて、補正制御部52は、算出した補正量Cmを出力する補正値として更新する。なお、補正値が更新されると、勾配変化検出部52cは、勾配変化完了フラグFbをOFFにする。
また、走行し始めて約12秒経過後に、勾配変化検出部52cは、車両200の坂道からの退出により走路の勾配が変化したと判定し、勾配変化中フラグFaをONする。この判定結果に基づいて、図25(b)に示すようにピッチ角の補正量がゼロにリセットされ、その後ゼロに保持される。走行し始めて約14秒経過後に、勾配変化検出部52cは、坂道からの退出が完了したと判定し、勾配変化完了フラグFbをONする。この判定結果に基づいて、補正制御部52は、算出した補正量Cmを出力する補正値として更新する。なお、補正値が更新されると、勾配変化検出部52cは、勾配変化完了フラグFbをOFFにする。
効果及び補足等
本開示の表示システム100は、虚像Ivの表示を制御する表示処理装置30と、車両200の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向のピッチ角を検出する、姿勢検出装置40及びずれ量算出部52aと、ピッチ角に基づいて虚像Ivの表示位置の補正量を算出する補正量算出部52bを有する、補正処理装置50と、ピッチ角に基づいて、または、ピッチ角の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部52cと、を備える。補正処理装置50は、勾配変化検出部52cの検出結果に基づいて、虚像Ivの表示位置を補正するか否かを決定する。
補正処理装置50が、勾配変化検出部52cの検出結果に基づいて、虚像Ivの表示位置を補正するか否かを決定することで、勾配変化による、車両200の姿勢変化の大きい期間は虚像Ivの表示位置の補正をしなくてもよい。これにより、大きく変動する区間において運転者の視認ストレスを軽減することができ、走路の勾配の変化に起因した誤った補正を抑制でき、虚像Ivを適切に表示することができる。
また、補正量Cをゼロにリセットすることによって、坂道走行に起因した姿勢変化による表示位置のずれ量を低減することができる。また、単位時間における変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きいとき、すなわち、一定時間継続して車両200の姿勢が変化している場合、車両200が坂道を走行していると判定して、補正量のリセットを行う。これにより、走路の勾配変化による車両200の姿勢変化の影響を低減し、走路の凹凸による車両200の姿勢変化に対しては精度よく補正することができる。また、走路の勾配が変化すると変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きくなる。この度に補正量がリセットされるので、走路の勾配が途中で変わる場合にも補正量をリセットすることができる。したがって、勾配の変化に起因した車両の姿勢変化による表示位置のずれを抑制することができる。また、変動量Xが単位時間内において第1閾値a2以下のときは、路面の凹凸に応じた車両200の振動であると判定して、車両姿勢に基づいた補正量Cで表示位置が補正される。また、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きくなり、走路の勾配が変化中であると判定されている状態において、変動量Xの絶対値が第2閾値b以下となった場合に、勾配変化が完了したと判定して、補正値の更新を再開する。これにより、車両200の姿勢が走路の勾配に平行に傾き、走路の勾配に沿って走行し始めたと判定した場合に、即時に補正を開始し、走路の凹凸による車両200の姿勢変化に対しては精度よく補正することができる。
また、本実施形態の表示システム100は、虚像を表す光を投影する投影装置10をさらに含む。本実施形態において、移動体は、車両であり、像は、車両のフロントガラスの前方に表示される虚像である。本実施形態によれば、走路の勾配の変化による虚像の表示位置の誤補正を抑制することができる。
なお、ステップS260において、補正量をゼロにリセットする方法は任意である。本実施形態では、「補正量C=-ずれ量+オフセット値」としたが、補正量Cを「補正量C=-ずれ量」としてもよい。この場合、ずれ量自体をゼロにすることで、補正量Cをゼロにリセットする。具体的には、ジャイロセンサ41の出力に基づいて車両姿勢を算出する場合に、ずれ量算出部52aにおいて算出される角速度の積分量をゼロにリセットする。
2種類の閾値を用いて車両200の姿勢変化を判別するので、車両200が勾配の変化による姿勢変化の開始点と完了点とを精度良く検出することができる。したがって、走路の傾斜角度の変化に起因した車両姿勢の変動による表示位置のずれを抑制することができる。また、姿勢変化の完了点を検出することができるので、表示位置のずれを抑制することができる。
(第11実施形態)
第10実施形態では、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きいときに、補正量をゼロにリセットしていた。第11実施形態では、算出された補正量Cmが第3閾値d以上の場合は、算出された補正量Cmを予め定められた量だけ小さくして出力値とする。
第11実施形態における表示システム100Aの内部構成は、図10にブロック図で示される。第11実施形態における表示システム100Aは、投影装置10、情報取得装置20、表示処理装置30、補正処理装置50A及び姿勢検出装置40を備える。第11実施形態における補正処理装置50Aの補正制御部52Aは、第10実施形態における補正処理装置50の補正制御部52に、判定部52eを加えた構成である。図26は、第11実施形態における補正処理を示すフローチャートである。なお、図26における符号A、符号B、符号Cはそれぞれ、図24Bにおける符号A、符号B、符号Cに接続していることを示す。第11実施形態における、ステップS201~S204、S255、S256~S259、S262~S265は、第10実施形態と同一である。
第11実施形態では、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きい場合(S256でYes)、勾配変化検出部52cは勾配変化中フラグFaをONにする(S259)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、判定部52eは、ステップS203で算出した補正量Cmが第3閾値d以上か否かを判断する(S266)。補正量Cmが第3閾値d以上であれば(S266でYes)、図8Bに示すように補正量の大きさがゼロにならないように、補正量を予め定められた一定量(補正量Cmよりも小さな値)小さくする(S267)。具体的には、例えば、補正量算出部52bは、「補正量C=-(ずれ量-オフセット値)」において、「オフセット値=予め定められた量」に設定する。予め定められた量は、虚像Ivの表示領域220内の表示位置に応じて、設定されてもよい。図8Bに示すように、例えば、時刻t1において、補正量の大きさが、一定量のオフセット値Fs1だけ小さくなる。
補正量Cmが第3閾値dより小さければ(S266でNo)、補正制御部52Aは、補正量を変更することなく、図26及び図24Bの符号Bを経由して、ステップS262と、必要であればステップ263、264を実施した後で、ステップS257において、算出された補正量Cmまたは保持された補正量が出力される。
また、図26に示すように補正量Cmを段階的に小さくしてもよい。例えば、時刻t1で補正量の大きさを一定のオフセット値Fs2だけ小さくし、さらに、予め定められた時間の経過後、時刻t2でもう一度オフセット値Fs2だけ小さくしてもよい。なお、小さくする回数は3回以上でもよいし、回数によって、オフセット値を変えてもよい。
このように、補正処理装置50は、算出された補正量Cmが第3閾値d以上の場合は補正量を一定量小さくし、小さくされた補正量を保持する。また、補正処理装置50は、補正量Cが第3閾値dよりも小さい場合は、算出された補正量Cmまたは保持された補正量を出力する。これにより、表示位置の補正を走路の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
また、補正処理装置50は、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きい場合、補正量を予め定められた一定量小さくするので、虚像Ivの位置は基準位置P0に近づく。虚像Ivの位置が急に大きく変わらないので、乗員Dが、虚像Ivの表示位置の変化に対して違和感を覚えることを抑制することができる。すなわち、表示位置のシフトによる見た目の違和感を抑制することができる。
なお、補正量を予め定められた一定量小さくすることに代えて、オフセット値を、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きい時のずれ量より一定量小さな値に設定してもよい。
(第12実施形態)
第10実施形態では、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きいときに、補正量Cをゼロにリセットしていた。本実施形態では、算出された補正量Cmの大きさに応じて補正量の変化量を変更する。具体的には、補正量Cmが第3閾値d以上の場合は補正量Cを補正量Cの大きさがゼロにならないように、予め定められた量小さくし、補正量Cが第3閾値d未満のときは、補正量をゼロにリセットする。
図27は、第12実施形態における補正処理を示すフローチャートである。なお、図27における符号A、符号B、符号Cはそれぞれ、図24Bにおける符号A、符号B、符号Cに接続していることを示す。第12実施形態におけるステップS201~S204、S255~S260及びS262~S265は、第10実施形態と同一である。また、第12実施形態におけるステップS266、S267は、第11実施形態と同一である。
本実施形態では、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きい場合(S256でYes)、勾配変化検出部52cは勾配変化中フラグFaをONにする(S259)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、判定部52eは、ステップS203で算出された補正量Cmが第3閾値d以上か否かを判断する(S266)。算出された補正量Cmが第3閾値d以上であれば(S266でYes)、図28Aに示すように補正量の大きさがゼロにならないように、補正量を予め定められた一定量Fs3(補正量Cよりも小さな値)小さくする(S267)。具体的には、例えば、補正量算出部52bは、「補正量C=-(ずれ量-オフセット値)」において、「オフセット値=予め定められた量」に設定する。補正量が第3閾値dより小さければ(S266でNo)、図28Bに示すように、補正量Cをゼロにリセットすることで、表示位置を基準位置に戻す(S260)。具体的には、「オフセット値=ずれ量」に設定する。補正制御部52Aは、予め定められた一定量小さくされた補正量またはゼロにリセットされた補正量を保持する(S269)。
このように、補正処理装置50Aは、補正量Cが第3閾値d以上の場合は補正量を一定量小さくし、補正量Cが第3閾値dよりも小さい場合は補正量をゼロにリセットする。これにより、表示位置の補正を走路の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
(第13実施形態)
第12実施形態では、補正量がゼロで無い場合、補正量を一定量小さくしていた。第13実施形態では、補正量を時間をかけて小さくする。
第13実施形態における表示システム100Bの内部構成は、図13にブロック図で示される。第13実施形態における表示システム100Bは、第11実施形態における表示システム100Aにおける補正処理装置50Aの補正制御部52Aに、オフセット量算出部52fを加えた構成である。以下に記載した点以外の構成は、第13実施形態における表示システム100Bと第11実施形態における表示システム100Aとは同じである。図29A-図29Cは、第13実施形態における補正処理を示している。なお、図29Aにおける符号A、C、D、Eは、それぞれ、図29Bにおける符号A、C、D、Eと、図29Aにおける符号F、Gは、それぞれ、図29Cにおける符号F、Gと接続していることを示す。第13実施形態におけるステップS201~S204、S255~S259、及びS263、S264は第11実施形態と同一である。
本実施形態では、比較部52dにより勾配変化中フラグFaがOFFと判定され(S255のNo)、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きい場合(S256でYes)、勾配変化検出部52cは勾配変化中フラグFaをONにする(S259)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第2閾値bとを比較する(S262)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、変動量Xの絶対値が第2閾値b以上であれば(S262でNo)、判定部52eが算出された補正量Cmが第4閾値e以下であるか否かを判別する。判定部52eが、算出された補正量Cmが第4閾値e以下であると判定すると、(S272でYesに進み、図29A及び図29Bの符号Eを経由して、)補正制御部52Bは、補正量を保持する(S273)。また、補正制御部52Bは、補正量算出用オフセット量を保持する(S301)。補正量算出用オフセット量の初期値はゼロである。その後、補正制御部52は、保持された補正量を表示処理装置30に出力する(S257)。
ステップS272において、判定部52eが、算出された補正量Cmが第4閾値eより大きいと判定すると、(S272でNoに進み、図29A及び図29Cの符号Fを経由して、)補正制御部52Bは、オフセット量算出部52fにより第1オフセット量Df1が既に算出済みであるか判定する(S274)。第1オフセット量Df1がまだ算出されていない場合(S274のNo)、オフセット量算出部52fが第1オフセット量Df1を算出する(S275)。
図15を参照してオフセット量算出部52fにおける第1オフセット量Df1の算出を説明する。図15において、第4閾値eはゼロである。例えば、時刻t1で勾配変化中フラグFaがONに設定される。勾配変化中フラグFaがONに設定されている間は、補正量C1が徐々に小さくされ、時刻t1からリセット時間Δt1後の時刻t4で補正量C1が第4閾値e以下に、ここではゼロになる。リセット時間Δt1は予め設定されており、サンプリング周期tsとリセット開始時の補正量C1から、1サンプリング(フローチャートにおけるS201→S277までの1サイクル)での第1オフセット量Df1を、Df1=C1×ts/Δt1として算出する。補正制御部52Bは、C1×ts/Δt1ずつ補正量C1を小さくする(S276)。例えば、サンプリング周期を1/1000[sec]とし、リセット時間Δt1を1[sec]とし、補正量C1を100ピクセルとすると、1サンプリング周期につき、0.1ピクセルずつ補正量が小さくされる。
このように、補正制御部52Bは、算出された補正量Cmから第1オフセット量Df1だけ小さくする(S276)。補正制御部52Bは、第1オフセット量Df1だけ小さくされた補正量を保持する(S277)。また、補正制御部52Bは、補正量算出用オフセット量を保持する。この補正量算出用オフセット量の初期値はゼロである(S278)。図29C及び図29Aの符号Gを経由して、補正処理装置50Bは、再び、ステップS201から補正処理を実施する。
ステップS201~204の処理が実施され、既に勾配変化中フラグFaがONになっているので、ステップS255の判定でYesに進む。補正制御部52は、保持した補正量を新たな補正量に設定する(S271)。ステップS262で、変動量Xの絶対値が閾値bよりも大きいと判定される(S262でNo)と、車両は勾配変化に伴う姿勢変化中である。この状態で、判定部52eは、ステップS271で設定した補正量が第4閾値e以下か否かを判断する(S272)。補正量が第4閾値eより大きければ(S272でNoに進み、図29A及び図29Cの符号Fを経由して)、第1オフセット量Df1が既に算出済みであるので、ステップS274でYesに進み、補正制御部52Bは、再び補正量を第1オフセット量Df1だけ小さくする(S276)。このようにして、徐々に補正量を小さくし、補正量が第4閾値e以下になると、判定部52eは補正量が第4閾値e以下であることを判定し(S272でYes)、勾配変化完了フラグFbがONするまで第4閾値e以下である補正量を保持する。
このように、補正処理装置50Bは、勾配変化中フラグFaがONの状態の間、補正量が徐々に小さくなるので、虚像Ivの位置が徐々に基準位置P0に近づく。虚像Ivの位置が急に大きく変わらないので、乗員Dが、虚像Ivの表示位置の変化に対して違和感を覚えることを抑制することができる。
ステップS262において、比較部52dは、変動量Xの絶対値が第2閾値b以下と判定すると(S262でYesに進み、図29A及び図29Bの符号Dを経由して)、車両200の勾配による姿勢変化が終了したことを意味するので、補正制御部52は、勾配変化中フラグFaをOFFにして、勾配変化完了フラグFbをONにする(S263)。補正制御部52は、補正量の保持を解除する。補正制御部52は、補正量の保持を解除後、勾配変化完了フラグFbをOFFする(S264)。勾配変化完了フラグFbをOFFにした後、補正量算出部52bは、第1オフセット量Df1の1サンプリング毎の累積和である補正量算出用オフセット量を算出して更新する(S302)。これにより、補正量の保持を解除して補正再開するときのみS203で使用する補正量算出の基準となる補正量算出用オフセット値を算出して更新することができる。補正制御部52は、補正量低減用オフセット量である第1オフセット量Df1をリセットする(S279)。補正制御部52は、更新した補正量を表示処理装置30に出力する(S257)。
このように、補正処理装置50Bは、補正量が第4閾値eより大きい場合は、補正量を徐々に小さくし、補正量が第4閾値e以下の場合は第4閾値以下の補正量を保持する。第4閾値がゼロの場合、虚像Ivが基準位置に表示される。これにより、虚像Ivの表示が走路の傾きの変動に応じて揺れて目立つのを低減することができる。
(第14実施形態)
第13実施形態では、補正量が第4閾値e以下の場合は補正量を時間をかけて第4閾値e以下まで小さくしていた。第14実施形態は、第13実施形態の変形例であり、補正量が第3閾値dより大きい場合は補正量を時間をかけて小さくし、第3閾値d以下の場合は補正量をゼロに即時にリセットする。
図30は、第14実施形態における補正処理を示している。なお、図30における符号A、C、D、Eは、それぞれ、図29Bにおける符号A、C、D、Eと、図30における符号F、Gは、それぞれ、図29Cにおける符号F、Gと接続していることを示す。第14実施形態におけるステップS201~S204、S255~S259、S262~S264、S273~S277、S279、S301、S302は、第13実施形態と同一である。
本実施形態では、第13実施形態と同様にステップS201~S204、S255、及びS256が実施され、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きい場合(S256でYes)、勾配変化検出部52cは勾配変化中フラグFaをONにする(S259)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第2閾値bとを比較する(S262)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、変動量Xの絶対値が第2閾値bよりも大きければ(S262でNo)、判定部52eが算出された補正量Cmが第3閾値d以下であるか否かを判別する(S272)。判定部52eが、算出された補正量Cmが第3閾値d以下であると判定する(S272でYes)と、補正量をゼロにリセットして虚像Ivの表示位置を基準位置に戻す(S260)。次に、図30及び図29Bの符号Eを経由して、補正制御部52Bは、ゼロにリセットされた補正量を保持する(S273)。また、補正制御部52Bは、補正量算出用オフセット量を保持する(S301)。その後、補正制御部52Bは、保持した補正量を表示処理装置30へ出力する(S257)。
ステップS272において、判定部52eが、算出された補正量Cmが第3閾値dより大きいと判定すると、(S272でNoに進み、図30及び図29Cの符号Fを経由して)補正制御部52Bは、オフセット量算出部52fにより第1オフセット量Df1が既に算出済みであるか判定する(S274)。オフセット量Dfがまだ算出されていない場合(S274でNo)、オフセット量算出部52fがオフセット量Dfを算出する(S275)。次に、補正制御部52Bは、算出された補正量Cmから第1オフセット量Df1だけ小さくする(S276)。補正制御部52Bは、第1オフセット量Df1だけ小さくされた補正量を保持する(S277)。図29C及び図30の符号Gを経由して、補正処理装置50Bは、再び、ステップS201から補正処理を実施する。
ステップS201~204の処理が実施され、既に勾配変化中フラグFaがONになっているので、ステップS255の判定でYesに進む。補正制御部52は、保持した補正量を新たな補正量に設定する(S271)。ステップS262で、変動量Xの絶対値が閾値bよりも大きいと判定される(S262でNo)と、車両は勾配変化に伴う姿勢変化中である。この状態で、判定部52eは、ステップS271で設定した補正量が第3閾値d以下か否かを判定する(S272)。補正量が第3閾値dより大きければ(S272でNoに進み、図30及び図29Cの符号Fを経由して)、第1オフセット量Df1が既に算出済みであるので、ステップS274でYesに進み、補正制御部52Bは、再び補正量を第1オフセット量Df1だけ小さくする(S276)。このようにして、徐々に補正量を小さくし、補正量が第3閾値d以下になると、判定部52eは補正量が第3閾値d以下であることを判定し(S272でYes)、補正量をゼロにリセットして虚像Ivの表示位置を基準位置に戻す(S260)。
このように、補正処理装置50Bは、勾配変化中フラグFaがONの状態の間、補正量が徐々に小さくなるので、虚像Ivの位置が徐々に基準位置P0に戻る。虚像Ivの位置が急に大きく変わらないので、乗員Dが、虚像Ivの表示位置の変化に対して違和感を覚えることを抑制することができる。また、補正量が第3閾値d以下になると補正量をゼロへリセットすることで、目立つことなく補正量のリセットの時間短縮をすることができる。
図17に示すように、例えば、時刻t1で勾配変化中フラグFaがONに設定され、補正量が徐々に小さくされる。勾配変化中フラグFaがONに設定されている間は、補正量が徐々に小さくなり、時刻t1からリセット時間Δt2後の時刻t5で補正量が第3閾値d以下になる。なお、リセット時間Δt2を予め設定しておき、サンプリング周期tsとリセット開始時の補正量から、1サンプリングでのオフセット量を(C1-e)×ts/Δt2として、(C1-e)×ts/Δt2ずつ補正量を小さくしてもよい。補正量が第3閾値d以下であれば、補正量をゼロに即時リセットする。
このように、補正処理装置50Bは、変動量Xが第1閾値a2より大きくて第2閾値bより大きい場合で、補正量が第3閾値dよりも大きい場合は補正量を所定量ずつ小さくし、補正量が即時にリセットしても目立たない第3閾値d以下の場合は補正量をゼロにリセットする。これにより、表示位置の補正を車両200の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
(第15実施形態)
第13実施形態では、段階的に低減する補正量を保持して新たな補正量として設定した後に、変動量Xが閾値b以下になると、補正量が閾値よりも大きくても補正量の保持を解除して算出された補正量に更新していた。第15実施形態では、保持した補正量を新たな補正量に設定した後に、変動量Xが閾値b以下になると、補正量を閾値以下に低減してから補正量の保持を解除して算出された補正量に更新する。
図31A及び図31Bは、第15実施形態における補正処理を示している。なお、図31Aにおける符号A、C、D、Eは、それぞれ、図29Bにおける符号A、C、D、Eと、図31Aにおける符号F、Gは、それぞれ、図29Cにおける符号F、Gと、図31Aにおける符号H、Kは、それぞれ、図31Bにおける符号H、Kと接続していることを示す。第15実施形態のステップS201~S204、S255~S259、S262~S264、S257、S279、S301、及びS302は、第13実施形態と同一である。
比較部52dにより勾配変化中フラグがOFFと判定され(S255のNo)、変動量Xの絶対値が第1閾値a2より大きい場合(S256でYes)、勾配変化検出部52cは勾配変化中フラグFaをONにする(S259)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、比較部52dは、変動量Xの絶対値と第2閾値bとを比較する(S262)。勾配変化中フラグFaがONの状態で、変動量Xの絶対値が第2閾値bよりも大きければ(S262でNo)、判定部52eが算出された補正量Cmが第4閾値e以下であるか否かを判別する。判定部52eが、算出された補正量Cmが第4閾値e以下であると判定すると(S272でYesに進み、図31A及び図29Bの符号Eを経由して)、補正制御部52Bは、補正量を保持する(S273)。また、補正制御部52Bは、補正量算出用オフセット量を保持する(S301)。その後、補正制御部52は、保持された補正量を表示処理装置30に出力する(S257)。
ステップS272において、判定部52eが、算出された補正量Cmが第4閾値eより大きいと判定すると、(S272でNoに進み、図31A及び図29Cの符号Fを経由して)補正制御部52Bは、オフセット量算出部52fにより第1オフセット量Df1が既に算出済みであるか判定する(S274)。第1オフセット量Df1がまだ算出されていない場合(S274のNo)、オフセット量算出部52fがオフセット量Dfを算出する(S275)。次に、補正制御部52Bは、算出された補正量Cmから第1オフセット量Df1だけ小さくする(S276)。補正制御部52Bは、第1オフセット量Df1だけ小さくされた補正量を保持する(S277)。図29C及び図31Aの符号Gを経由して、補正処理装置50Bは、再び、ステップS201から補正処理を実施する。
ステップS201~204の処理が実施され、既に勾配変化中フラグFaがONになっているので、ステップS255の判定でYesに進む。補正制御部52は、保持した補正量を新たな補正量に設定する。ステップS262で、変動量Xの絶対値が閾値bよりも大きいと判定される(S262でNo)と、車両は勾配変化に伴う姿勢変化中である。この状態で、判定部52eは、ステップS271で設定した補正量が第4閾値e以下か否かを判定する(S272)。補正量が第4閾値eより大きければ(S272でNo)、第1オフセット量Df1が既に算出済みであるので、ステップS274でYesに進み、補正制御部52Bは、再び補正量を第1オフセット量Df1だけ小さくする(S276)。そして、小さくされた補正量を保持する(S277)。このようにして、徐々に補正量を小さくする。
しかしながら、ステップS272で補正量が第4閾値e以下であると判定される前に、車両200の勾配による姿勢変化が終了し、ステップS262において、変動量Xの絶対値が第2閾値b以下であると判定される(S262のYes)と、判定部52eが設定されている補正量が第4閾値e以下であるか否かを判定する(S284)。
設定された補正量が第4閾値eよりも大きいと判定すると、(S284でNoに進み、図31A及び図31Bの符号Hを経由して)オフセット量算出部52fにより第2オフセット量Df2が既に算出済みであるか判定する(S281)。第2オフセット量Df2がまだ算出されていない場合(S281でNo)、オフセット量算出部52fが第2オフセット量Df2を算出する(S282)。次に、補正制御部52Bは、設定された補正量から第2オフセット量Df2だけ小さくする(S283)。
次に、図31B及び図31Aの符号Kを経由して、小さくされた補正量に対して、再び判定部52eが、第4閾値e以下であるか否かを判定する。設定された補正量が第4閾値eよりも大きいと判定する(S284でNo)と、第2オフセット量Df2は既に算出済みであるので、ステップS281でYesに進み、補正制御部52Bは、再び補正量を第2オフセット量Df2だけ小さくする(S283)。このようにして、徐々に補正量を小さくし、補正量が第4閾値e以下になると、判定部52eは補正量が第4閾値e以下であることを判定する(S284でYes)。図31A及び図29Bの符号Dを経由して、補正制御部52Bは、勾配変化中フラグFaをOFFにして、勾配変化完了フラグFbをONにする(S263)。さらに、補正制御部52は、補正量の保持を解除する。補正制御部52は、補正量の保持を解除後、勾配変化完了フラグFbをOFFする(S264)。勾配変化完了フラグFbをOFFにした後、補正量算出部52bは、補正量算出用オフセット量を算出して更新する(S302)。補正量の保持が解除されているので、ステップS201からの処理が再び開始された際に、ステップS203の補正量算出において、ステップS302で更新されたオフセット値が使用される。補正制御部52は、補正量低減用オフセット量である第1オフセット量Df1及び第2オフセット量Df2をリセットする(S279)。
このように、第15実施形態の補正処理装置50Bによれば、補正量を第1オフセット量Df1ずつ低減している最中に、車両200が勾配変化による姿勢変化が完了しても、第2オフセット量ずつ低減してから補正量の保持を解除するので、表示位置の補正を車両200の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
(第16実施形態)
第15実施形態では、補正量が第4閾値e以下の場合は補正量を時間をかけて第4閾値e以下まで小さくしていた。第16実施形態は、第15実施形態の変形例であり、補正量が第4閾値eより大きい場合は補正量を時間をかけて小さくし、第4閾値e以下の場合は補正量をゼロに即時にリセットする。
図32は、第16実施形態における補正処理を示している。なお、図32における符号A、C、D、Eは、それぞれ、図29Bにおける符号A、C、D、Eと、図32における符号F、Gは、それぞれ、図29Cにおける符号F、Gと、図32における符号H、Kは、それぞれ、図31Bにおける符号H、Kと接続していることを示す。第16実施形態のステップS201~S204、S255~S259、S262~S264、S271~S277、S279、S281~S284、S291、S292、S301、及びS302は、第15実施形態と同一である。
判定部52eが、算出された補正量が第4閾値e以下であると判定する(S272のYes)と、補正量をゼロにリセットして虚像Ivの表示位置を基準位置に戻す(S291)。次に、図32及び図29Bの符号Eを経由して、補正制御部52Bは、ゼロにリセットされた補正量を保持する(S273)。また、補正制御部52Bは、補正量算出用オフセット量を保持する(S301)。
また、判定部52eが、補正量が第4閾値e以下であると判定する(S284のYes)と、補正量をゼロにリセットして虚像Ivの表示位置を基準位置に戻す(S292)。
このように、第16実施形態の補正処理装置50Bは、補正量を第1オフセット量Df1ずつ低減している最中に、車両200が勾配変化による姿勢変化が完了しても、第2オフセット量Df2ずつ低減してから補正量の保持を解除するので、表示位置の補正を車両200の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。さらには、補正量が第4閾値eより大きければ補正量を一定量小さくし、補正量が第4閾値e以下の場合は補正量をゼロにリセットする。これにより、表示位置の補正を走路の傾きに応じて、見た目に違和感なく行うことができる。
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
上記実施形態では、投影装置10、情報取得装置20、表示処理装置30、姿勢検出装置40、及び補正処理装置50がそれぞれ別個の装置である場合を例示した。しかし、複数の装置が一つの装置として一体的に形成されてもよい。例えば、表示処理装置30と補正処理装置50が一つの装置として一体的に形成されてもよい。情報取得装置20と表示処理装置30とが一つの装置として一体的に形成されてもよい。姿勢検出装置40と補正処理装置50が一つの装置として一体的に形成されてもよい。別個に形成された装置は、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、投影装置10、情報取得装置20、表示処理装置30、姿勢検出装置40、及び補正処理装置50の全てが一つの装置として形成されてもよい。この場合、通信部31,51はなくてもよい。
上記実施形態では、情報取得装置20がGPSモジュール21を含む例について説明した。しかし、情報取得装置20は、車両200から周囲の対象物までの距離と方向を計測する距離センサを含んでもよく、計測した距離と方向を示す距離情報を表示処理装置30に出力してもよい。情報取得装置20は、車両200の速度を検出する車速センサを含んでもよいし、ナビゲーションシステムを含んでもよい。情報取得装置20は、GPSモジュール21、距離センサ、及びカメラ、画像処理装置、加速度センサ、レーダー、音波センサ、及びADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)の白線検知装置などのうち、1つ以上を含んでもよい。この場合、情報取得装置20としての機能を有するGPSモジュール21、距離センサ、及びカメラなどは、一つの装置に内蔵されてもよいし、個別に車両200に取り付けられてもよい。
上記実施形態では、姿勢検出装置40がジャイロセンサ41を含む例について説明した。しかし、姿勢検出装置40は、車両200の加速度を検出する加速度センサを含んでもよく、検出した加速度を姿勢変化情報として出力してもよい。姿勢検出装置40は、路面からの高さを検出する車高センサを含んでもよく、検出した高さを姿勢変化情報として出力してもよい。姿勢検出装置40は、他の公知のセンサを含んでもよい。姿勢検出装置40は、ジャイロセンサ41、加速度センサ、及び車速センサなどのうちの1つ以上を含んでもよい。この場合、姿勢検出装置40としての機能を有するジャイロセンサ41、加速度センサ、及び車高センサなどは、一つの装置に内蔵されてもよいし、個別に車両200に取り付けられてもよい。また、姿勢検出装置40は、ジャイロセンサ41が検出したピッチ角速度を積分してピッチ角度を算出する演算器を有しもよいし、ずれ量算出部52aを有してもよい。また、姿勢検出装置40のジャイロセンサ41が直接ピッチ角を検出してもよい。
上記実施形態では、移動体が、自動車などの車両200である場合について説明した。しかし、移動体は車両200に限らない。移動体は、地上を走行する乗り物であってもよく、例えば、列車またはオートバイであってもよい。移動体は、自動運転で走行することができる無人機であってもよい。
上記実施形態では、移動体の前方に像を表示する場合について説明した。しかし、像を表示する位置は、前方に限らない。例えば、像は、移動体の側面方向や後方に表示されてもよい。
第1実施形態~第9実施形態では、表示システム100がHUDシステムである例について説明した。しかし、表示システム100はHUDシステムでなくてもよい。表示システム100は、投影装置10に代えて、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイを備えてもよい。表示システム100は、スクリーン及びプロジェクタを含んでもよい。
(実施形態の概要)
(1)本開示の勾配変化検出システムは、走路の勾配の変化を検出するための移動体用の勾配変化検出システムであって、移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、姿勢変化量または姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備える。これにより、移動体が走行する走路の勾配の変化を精度よく検出することができる。
(2)(1)の勾配変化検出システムにおいて、勾配変化検出部は、勾配の変化による移動体の姿勢変化を検出してもよい。移動体の姿勢変化が勾配の変化によるものであることを認識することができる。
(3)(2)の勾配変化検出システムにおいて、勾配変化検出部は、勾配の変化による移動体の姿勢変化が完了したことを検出してもよい。
(4)(3)の勾配変化検出システムにおいて、勾配変化検出部は、姿勢変化量の絶対値または変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値より大きくなることを検出することにより前記移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出してもよい。
(5)(4)の勾配変化検出システムにおいて、勾配変化検出部は、走路の勾配変化による移動体の姿勢変化中において、姿勢変化量の絶対値または変動量の絶対値が、予め定められた第2閾値以下になることを検出することにより、勾配変化による移動体の姿勢変化が完了したことを検出してもよい。
(6)(5)の勾配変化検出システムにおいて、第1閾値よりも第2閾値の方が小さくてもよい。
(7)(1)から(6)の勾配変化検出システムにおいて、移動体は、車両でもよい。
(8)本開示の表示システムは、像の表示を制御する表示処理装置と、移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、姿勢変化量に基づいて像の表示位置の補正量を算出する補正量算出部を有する、補正処理装置と、姿勢変化量または姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備え、補正処理装置は、勾配変化検出部の検出結果に基づいて、補正量を調整する。
これにより、像の位置ずれを勾配変化に応じた補正を実施することができる。
(9)(7)の表示システムにおいて、表示処理装置は、像を基準位置と補正量とに基づいて表示し、補正処理装置は、像の表示位置を補正すると決定した場合、勾配変化検出部による勾配の変化の検出に基づいて、補正量を低減してもよい。
(10)(9)の表示システムにおいて、表示処理装置は、勾配変化検出部による、移動体の姿勢変化が完了したことを検出した結果に基づいて、像を基準位置に戻してもよい。
(11)(10)の表示システムにおいて、勾配変化検出部は、姿勢変化量の絶対値または変動量の絶対値が予め定められた第3閾値より大きくなることを検出することにより、姿勢変化が完了したことを検出してもよい。
(12)(9)の表示システムにおいて、表示処理装置は、勾配変化検出部による、移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出した結果に基づき、像を基準位置に表示してもよい。
(13)(12)の表示システムにおいて、勾配変化検出部は、姿勢変化量の絶対値または変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値より大きくなることを検出することにより移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出してもよい。
(14)(13)の表示システムにおいて、勾配変化検出部による、移動体が走路の勾配変化により姿勢変化を開始したことを検出した結果に基づき、表示処理装置は、像を基準位置に戻してもよい。
(15)(12)から(14)の表示システムにおいて、勾配変化検出部は、姿勢変化量の絶対値または変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値以下の状態から予め定められた第1閾値より大きい状態になることを検出することにより、走路の勾配変化により移動体の姿勢変化が開始されたことを検出してもよい。
(16)(9)の表示システムにおいて、勾配変化検出部による、移動体が走路の勾配変化による姿勢変化が完了したことを検出した結果に基づき、補正処理装置は、像の表示位置を補正してもよい。
(17)(14)から(16)の表示システムにおいて、勾配変化検出部は、走路の勾配変化による姿勢変化中において、姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第2閾値より小さくなることを検出することにより、勾配変化による姿勢変化が完了したことを検出してもよい。
これにより、走路の勾配の変化に起因した誤った補正を抑制でき、虚像Ivを適切に表示することができる。
(18)(17)の表示システムにおいて、第1閾値よりも第2閾値の方が小さくてもよい。
(19)(10)、(11)、(15)から(18)の表示システムにおいて、補正処理装置は、姿勢変化が開始した後または姿勢変化が完了した後に補正量を低減してもよい。
(20)(19)の表示システムにおいて、補正処理装置は、補正量を低減した後で低減された補正量を保持してもよい。
(21)(15)から(20)の表示システムにおいて、補正処理装置は、補正量の調整として、補正量をゼロにリセットしてもよい。
(22)(15)から(21)の表示システムにおいて、補正処理装置は、補正量が第3閾値以上のときに補正量を一定量低減し、補正量が第3閾値より小さいときに補正量をゼロにリセットしてもよい。
(23)(8)から(22)の表示システムにおいて、像を表す光を投影する投影装置をさらに含めてもよい。
(24)(8)から(23)の表示システムにおいて、移動体は、車両であり、像は、車両のフロントガラスの前方に表示される虚像でもよい。
(25)本開示の移動体用のプログラムは、演算装置により走路の勾配の変化を検出するための移動体用のプログラムであって、演算装置に、姿勢検出部から入力される、移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量、または姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出ステップ、を実行させる。
(26)(25)の移動体用のプログラムにおいて、勾配変化検出ステップは、姿勢変化量の絶対値または変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値より大きくなることを検出することにより移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出してもよい。
(27)(26)の移動体用のプログラムにおいて、勾配変化検出ステップは、移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中において、姿勢変化量の絶対値または変動量の絶対値が、予め定められた第2閾値より小さくなることを検出することにより、勾配変化による移動体の姿勢変化が完了したことを検出してもよい。
(28)(25)から(27)の移動体用のプログラムにおいて、像の表示を制御する表示処理ステップと、移動体の姿勢変化量に基づいて像の表示位置の補正量を設定する補正処理ステップと、を備え、表示処理ステップは、像を基準位置と補正量とに基づいて表示し、勾配変化検出ステップによる勾配の変化の検出結果に基づいて、補正処理ステップは、前記補正量を調整する。
本開示に記載の表示システムは、ハードウェア資源、例えば、プロセッサ、メモリ、及びプログラムとの協働などによって、実現される。
本開示は、虚像をフロントガラスの前方に表示する表示システムに適用可能である。
10 投影装置
20 情報取得装置
21 GPSモジュール
22 カメラ
30 表示処理装置
31 通信部
32 表示制御部
33 記憶部
40 姿勢検出装置
41 ジャイロセンサ
50 補正処理装置
51 通信部
52 補正制御部
52a ずれ量算出部
52b 補正量算出部
52c 勾配変化検出部
52d 比較部
52e 判定部
100 表示システム
200 車両
210 フロントガラス
220 表示領域

Claims (18)

  1. 走路の勾配の変化を検出するための移動体用の勾配変化検出システムであって、
    移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、
    前記姿勢変化量または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備え、
    前記勾配変化検出部は、前記走路の勾配変化による前記移動体の姿勢変化中において、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第2閾値以下になることを検出することにより、勾配変化による前記移動体の姿勢変化が完了したことを検出する、
    勾配変化検出システム。
  2. 前記勾配変化検出部は、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値より大きくなることを検出することにより前記移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出する、
    請求項1に記載の勾配変化検出システム。
  3. 像の表示を制御する表示処理装置と、
    移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、
    前記姿勢変化量に基づいて前記像の表示位置の補正量を算出する補正量算出部を有する、補正処理装置と、
    前記姿勢変化量または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備え、
    前記勾配変化検出部は、前記走路の勾配変化による前記移動体の姿勢変化中において、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第2閾値以下になることを検出することにより、勾配変化による前記移動体の姿勢変化が完了したことを検出し、
    前記補正処理装置は、前記勾配変化検出部の検出結果に基づいて、前記補正量を調整し、
    前記表示処理装置は、前記像を基準位置と前記補正量とに基づいて表示する、
    表示システム。
  4. 前記勾配変化検出部は、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値より大きくなることを検出することにより前記移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出する、
    請求項3に記載の表示システム。
  5. 前記補正処理装置は、前記像の表示位置を補正すると決定した場合、前記勾配変化検出部による前記勾配の変化の検出に基づいて、前記補正量を低減する、
    請求項3に記載の表示システム。
  6. 前記表示処理装置は、前記勾配変化検出部による、前記移動体の姿勢変化が完了したことを検出した結果に基づいて、前記像を前記基準位置に戻す、
    請求項3に記載の表示システム。
  7. 像の表示を制御する表示処理装置と、
    移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、
    前記姿勢変化量に基づいて前記像の表示位置の補正量を算出する補正量算出部を有する、補正処理装置と、
    前記姿勢変化量または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備え、
    前記勾配変化検出部は、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が予め定められた第3閾値より大きくなることを検出することにより、姿勢変化が完了したことを検出し、
    前記補正処理装置は、前記勾配変化検出部の検出結果に基づいて、前記補正量を調整し、
    前記表示処理装置は、前記像を基準位置と前記補正量とに基づいて表示する、
    表示システム。
  8. 像の表示を制御する表示処理装置と、
    移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、
    前記姿勢変化量に基づいて前記像の表示位置の補正量を算出する補正量算出部を有する、補正処理装置と、
    前記姿勢変化量または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備え、
    前記表示処理装置は、前記勾配変化検出部による、前記移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出した結果に基づき、前記像を基準位置に表示する、
    表示システム。
  9. 前記勾配変化検出部は、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値より大きくなることを検出することにより前記移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出する、
    請求項8に記載の表示システム。
  10. 前記勾配変化検出部による、前記移動体が走路の勾配変化により姿勢変化を開始したことを検出した結果に基づき、前記表示処理装置は、前記像を基準位置に戻す、
    請求項9に記載の表示システム。
  11. 前記勾配変化検出部は、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値以下の状態から予め定められた第1閾値より大きい状態になることを検出することにより、走路の勾配変化により前記移動体の姿勢変化が開始されたことを検出する、
    請求項8から10のいずれか1つに記載の表示システム。
  12. 前記第1閾値よりも前記第2閾値の方が小さい、
    請求項4に記載の表示システム。
  13. 像の表示を制御する表示処理装置と、
    移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量を検出する姿勢検出部と、
    前記姿勢変化量に基づいて前記像の表示位置の補正量を算出する補正量算出部を有する、補正処理装置と、
    前記姿勢変化量または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出部と、を備え、
    前記補正処理装置は、前記補正量が第3閾値以上のときに前記補正量を一定量低減し、前記補正量が第3閾値より小さいときに前記補正量をゼロにリセットし、
    前記表示処理装置は、前記像を基準位置と前記補正量とに基づいて表示する、
    表示システム。
  14. 前記像を表す光を投影する投影装置をさらに含む、
    請求項3から13のいずれか1つに記載の表示システム。
  15. 前記移動体は、車両であり、
    前記像は、車両のフロントガラスの前方に表示される虚像である、
    請求項3から14のいずれか1つに記載の表示システム。
  16. 演算装置により走路の勾配の変化を検出するための移動体用のプログラムであって、
    前記演算装置に、
    姿勢検出部から入力される、前記移動体の進行方向に対して左右方向を軸とする回転方向の姿勢変化量、または前記姿勢変化量の予め定められた単位時間における変動量に基づいて、走路の勾配の変化を検出する勾配変化検出ステップ、を実行させ、
    前記勾配変化検出ステップは、前記走路の勾配変化による前記移動体の姿勢変化中において、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第2閾値以下になることを検出することにより、勾配変化による前記移動体の姿勢変化が完了したことを検出する、
    移動体用のプログラム。
  17. 前記勾配変化検出ステップは、前記姿勢変化量の絶対値または前記変動量の絶対値が、予め定められた第1閾値より大きくなることを検出することにより、前記移動体が走路の勾配変化による姿勢変化中であることを検出する、
    請求項16に記載の移動体用のプログラム。
  18. 前記演算装置に、
    像の表示を制御する表示処理ステップと、
    前記移動体の姿勢変化量に基づいて前記像の表示位置の補正量を設定する補正処理ステップと、を備え、
    前記表示処理ステップは、前記像を基準位置と前記補正量とに基づいて表示し、
    前記勾配変化検出ステップによる前記勾配の変化の検出結果に基づいて、前記補正処理ステップは、前記補正量を調整する、
    請求項16または17に記載の移動体用のプログラム。
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