JP7507100B2 - フォトマスク、フォトマスクの製造方法、表示装置用デバイスの製造方法 - Google Patents

フォトマスク、フォトマスクの製造方法、表示装置用デバイスの製造方法 Download PDF

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本発明は、表示装置製造用に好適なフォトマスク、フォトマスクの製造方法、および表示装置用デバイスの製造方法に関する。
特許文献1には、透明基板上に、透光部と、露光光の一部を透過する半透光膜が形成された半透光部と、遮光性の膜が形成された遮光部とを有する転写用パターンを備えたフォトマスクであって、半透光膜は、転写用パターンの転写に用いる露光光の代表波長に対して、2~60%の透過率と、90度以下の位相シフト作用をもち、半透光部は、遮光部のエッジに隣接して、露光装置により解像されない幅に形成されたフォトマスクが記載されている。
特許文献2には、露光用光源からの光線を、ラインパターンを有するハーフトーンマスクを介して、光学系に入射し、光学系を経た前記光線をガラス基板上の感光材から成るレジスト層に照射して露光する露光方法が記載されている。特許文献2によると、表示パネル用のガラス基板のように板厚偏差の大きな基板上に形成されるTFTを製造するための露光に好適な、深い焦点深度を得るハーフトーン型の位相シフトマスクを用いた露光方法とされている。
特開2013-235036号公報 特開2006-330691号公報
スマートフォンなどの携帯端末をはじめ、社会のあらゆる場面で、液晶(LCD)や、有機EL(Electro Luminescence)などを適用した表示装置(いわゆるフラットパネルディスプレイ、FPD)が利用されている。これらの表示装置に対しては、より明るく、高精細な画像・映像に対する市場の要求が強い。このため画素密度が高く、また、省電力性にすぐれた表示装置が求められている。
こうした動向に伴い、これらのデバイスを製造するためのフォトマスクに形成されるデバイスパターンもまた微細化の傾向が顕著である。そして、フォトマスクを露光し、転写用パターンを被転写体(表示パネル基板など)に転写する際、上記デバイスパターンを、精度よく転写しなければならない。
一般に、フォトマスクの露光により、被転写体上に形成されるパターンの転写性能は、その露光装置がもつ光学系によって左右される。すなわち、パターンのもつCD(Critical Dimension、微細部分のパターン寸法をいう)が小さくなると、解像性の高い露光光学系を用いなければ、被転写体上に正確に転写できない。
表示装置に比べて、集積度が高く、パターンの微細化が顕著に進んだ半導体装置(LSI)製造用フォトマスクの分野では、高い解像性を得るために、露光装置には高い開口数(NA、例えば0.2超)の光学系を適用した縮小露光が適用されるとともに、露光光の短波長化が進められてきた経緯がある。その結果、この分野では、KrFやArFのエキシマレーザー(それぞれ、248nm、193nmの単一波長)が利用されるようになった。しかしながら、表示装置の分野では状況が異なる。
表示装置製造の分野において用いられているのは、等倍の投影露光装置であって、その光学系のNAは、0.08~0.15程度である。また、露光光源にはi線、h線又はg線の光源が主に使用され、多くの場合、複数の波長を含んだ光源(以下、ブロード波長光源ともいう)が使用される。これにより、表示装置製造用のために大面積(例えば、主表面の一辺が200~2000mm、或いは300~2000mmの四角形)をもつフォトマスクを照射するための光量を得るなど、生産効率やコスト上の利点が重視されてきた。
一般に、光学系のNAを大きくすれば、解像性は高くなる。しかしながら、表示装置製造の分野において用いられている露光装置をNAがより大きい装置に単純に置き換えることは、コスト的にも、技術的にも、必ずしも有利とはいえない。例えば、保有する露光装置を、NAがより高いものに変更することは、表示パネルメーカにとって莫大な投資を意味する。また、NAの増大には、焦点深度(DOF)の低下などのデメリットもある。このため、LSI製造用のフォトマスクより面積が大きい表示装置用のフォトマスクにおいては、生産安定性の低下や歩留の低下にもつながりかねない。
表示装置製造用のフォトマスクがもつ転写用パターンは、しばしば、ラインパターンを含む。ラインパターンの使用例として、図1には、従来のフォトマスク100が有するラインアンドスペースパターンを示す。これは、遮光部101からなるラインパターンと、透光部102からなるスペースパターンを有するものである。透明基板上に遮光膜を形成したフォトマスクブランクを用意し、公知のフォトリソグラフィプロセスを利用して該遮光膜をパターニングすることによって、該ラインアンドスペースパターンを形成することができる。
そして、このようなラインパターン(又はラインアンドスペースパターン)においても、上述のとおり微細化への要望が強い。すなわち、フォトマスクを用いて得ようとする表示装置において、高精細かつ明るい(又は省電力の)表示性能を求めるニーズに伴い、マスクパターンの高密度化、CDの微細化に対応しなければならない。
特許文献1によると、ラインアンドスペースパターンのピッチが小さくなるに従い、フォトマスクの露光によって被転写体上に形成されるレジストパターン形状が劣化する傾向がある。ここでは、フォトマスクの転写用パターンが、被転写体上のレジストパターンに正確に反映されず、個々のライン部分が分離できなくなってしまう問題が生じている。この問題に対し、特許文献1には、2~60%の透過率と90度以下の位相シフト作用をもつ半透光部をもつフォトマスクが記載されている。
一方、特許文献2は、表示パネル用のガラス基板のレジストの露光に好適な深い焦点深度を得るとして、ラインアンドスペースパターンをもつ、ハーフトーン型位相シフトマスクを開示している。
主として半導体装置(LSI)製造の分野で用いられる、ハーフトーン型位相シフトマスクは、透過光の位相シフト作用を利用することにより、いわゆるバイナリマスクと比べて、転写時の光強度分布のコントラストや焦点深度において有利であることが知られている。しかしながら、本発明者らは、上記文献に記載されたフォトマスクは、その転写性能において、微細化の動向に対応するには十分でないとし、更にこれを向上する余地があると考えた。
表示装置製造用のマスクには、ラインパターンを含む設計が多く使用される。例えば、配線パターンや、画素電極などに、ラインパターンが配列したラインアンドスペースパターンを適用することも少なくない。上記のように高精細で明るい表示性能を得るために、こうしたパターンの微細化と、それを精緻に被転写体上に転写できる技術が重要になる。
例えば、フォトマスクのもつ転写用パターンが、所定の微細幅のラインパターン、或いは、微細ピッチ幅のラインアンドスペースパターンをもつ場合、一般的な表示装置製造用の露光装置を用いて、被転写体(表示パネル基板など)上に、精緻にパターン転写を行うことが容易でない。このようなパターンを、精緻に転写することが可能であり、かつ、生産安定性が得られる優れたフォトマスクを、本発明者らは鋭意検討し、本発明に到達した。
本発明の第1の態様は、
透明基板上に転写用パターンを備えた、表示装置製造用のフォトマスクであって、
前記転写用パターンは、ラインパターンを含み、
前記ラインパターンは、外縁に沿って幅Eに形成されたエッジ領域と、前記エッジ領域以外の部分に形成された幅Cの中央領域と、を有し、
前記エッジ領域は、前記フォトマスクを露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有するとともに、前記露光光に対して、透過率T1(%)(但し0<T1<10)を有し、
前記中央領域は、透光部、又は、半透光部からなる、フォトマスクである。
本発明の第2の態様は、
前記幅Cと前記幅Eとは、C<Eである、上記第1の態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第3の態様は、
前記ラインパターンは幅L(μm)を有し、1.0≦L≦7.0である、上記第1又は第2の態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第4の態様は、
前記中央領域は、幅C1(μm)を有し、0.1≦C1<2.0であるとともに、前記透明基板が露出した透光部からなる、上記第1~第3のいずれか1つの態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第5の態様は、
前記中央領域は、幅C2(μm)を有し、0.1≦C2<2.0であるとともに、前記露光光に対して、透過率T2(%)(但し30≦T2<100)を有する、半透光膜が前記透明基板上に形成された半透光部からなる、上記第1~第3のいずれか1つの態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第6の態様は、
前記半透光膜は前記露光光に対して実質的に位相シフト作用を有さないものである、上記第5の態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第7の態様は、
前記転写用パターンは、幅Lの前記ラインパターンと、幅S(μm)のスペースパターンとを含む、ラインアンドスペースパターンを有する、上記第1~第6のいずれか1つの態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第8の態様は、
前記ラインアンドスペースパターンにおいて、前記幅Lと前記幅Sとは、L=Sである、上記第7の態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第9の態様は、
前記ラインアンドスペースパターンにおいて、前記幅Lと前記幅Sとは、L>Sである、上記第7の態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第10の態様は、
前記ラインアンドスペースパターンのピッチP(μm)は、4.0≦P≦8.0である、上記第7~第9のいずれか1つの態様に記載のフォトマスクである。
本発明の第11の態様は、
上記第1~第10のいずれか1つの態様に記載のフォトマスクを用意する工程と、
前記フォトマスクを、表示装置用露光装置によって露光し、前記転写用パターンを、被転写体に転写する工程と、を含む、表示装置用デバイスの製造方法である。
本発明の第12の態様は、
透明基板上に転写用パターンを備えた、表示装置製造用のフォトマスクの製造方法であって、
前記転写用パターンは、ラインパターンとスペースパターンとを含む、ラインアンドスペースパターンを有し、
前記透明基板上に、位相シフト膜が成膜され、最表面にレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する工程と、
前記フォトマスクブランクに描画及び現像を施し、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて前記位相シフト膜をパターニングし、前記ラインアンドスペースパターンを形成する第1パターニング工程と、を有し、
前記位相シフト膜は、前記フォトマスクを露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有するとともに、前記露光光に対して、透過率T1(%)(但し0<T1<10)を有し、
前記ラインパターンは、外縁に沿って幅Eに形成されたエッジ領域と、前記エッジ領域以外の部分に形成された幅Cの中央領域と、を有し、
前記エッジ領域は、前記透明基板上に、前記位相シフト膜が形成されてなり、
前記中央領域は、前記透明基板が露出してなる、フォトマスクの製造方法である。
本発明の第13の態様は、
透明基板上に転写用パターンを備えた、表示装置製造用のフォトマスクの製造方法であって、
前記転写用パターンは、ラインパターンとスペースパターンとを含む、ラインアンドスペースパターンを有し、
前記透明基板上に、位相シフト膜が成膜され、最表面にレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する工程と、
前記フォトマスクブランクに描画及び現像を施し、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて前記位相シフト膜をパターニングし、位相シフト膜パターンを形成する第1パターニング工程と、
前記位相シフト膜パターンが形成された前記透明基板上に成膜された
半透光膜をパターニングし、前記ラインアンドスペースパターンを形成する第2パターニング工程と、を有し、
前記位相シフト膜は、前記フォトマスクを露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有するとともに、前記露光光に対して、透過率T1(%)(但し0<T1<10)を有し、
前記半透光膜は、前記露光光に対して実質的に位相シフト作用を有さず、
前記ラインパターンは、外縁に沿って幅Eに形成されたエッジ領域と、前記エッジ領域以外の部分に形成された幅Cの中央領域と、を有し、
前記エッジ領域は、前記透明基板上に、前記位相シフト膜が形成されてなり、
前記中央領域は、前記透明基板上に、前記半透光膜が形成されてなる、フォトマスクの製造方法である。
本発明の第14の態様は、
前記フォトマスクブランクは、前記位相シフト膜と前記レジスト膜との間に、エッチングマスク膜を有し、
前記第1パターニング工程では、前記レジストパターンをマスクとして前記エッチングマスク膜をエッチングし、得られたエッチングマスク膜パターンをマスクとして前記位相シフト膜をパターニングする、上記第12又は第13の態様に記載のフォトマスクの製造方法である。
本発明の第15の態様は、
透明基板上に転写用パターンを備えた、表示装置製造用のフォトマスクの製造方法であって、
前記転写用パターンは、ラインパターンとスペースパターンとを含む、ラインアンドスペースパターンを有し、
前記透明基板上に、半透光膜が成膜され、最表面にレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する工程と、
前記フォトマスクブランクに描画及び現像を施し、レジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンを用いて前記半透光膜をパターニングし、半透光膜パターンを形成する第1パターニング工程と、
前記半透光膜パターンが形成された前記透明基板上に成膜された位相シフト膜をパターニングし、前記ラインアンドスペースパターンを形成する第2パターニング工程と、を有し、
前記位相シフト膜は、前記フォトマスクを露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有するとともに、前記露光光に対して、透過率T1(%)(但し0<T1<10)を有し、
前記半透光膜は、前記露光光に対して実質的に位相シフト作用を有さず、
前記ラインパターンは、外縁に沿って幅Eに形成されたエッジ領域と、前記エッジ領域以外の部分に形成された幅Cの中央領域と、を有し、
前記エッジ領域は、前記透明基板上に、前記位相シフト膜が形成されてなり、
前記中央領域は、前記透明基板上に、前記半透光膜が形成されてなる、フォトマスクの製造方法である。
本発明の第16の態様は、
前記フォトマスクブランクは、前記半透光膜と前記レジスト膜との間に、エッチングマスク膜を有し、
前記第1パターニング工程では、前記レジストパターンをマスクとして前記エッチングマスク膜をエッチングし、得られたエッチングマスク膜パターンをマスクとして前記半透光膜をパターニングする、上記第15の態様に記載のフォトマスクの製造方法である。
本発明のフォトマスクは、露光装置によって露光することで、被転写体上に、微細なラインパターンを転写する優れた転写性能を有する。
図1は、従来のフォトマスク100の平面模式図である。 図2は、従来のフォトマスク110の平面模式図である。 図3は、本発明のフォトマスク1の平面模式図である。 図4は、本発明のフォトマスク2の平面模式図である。 図5は、本発明のフォトマスク1に係る光学シミュレーションにおけるレジストパターンの断面模式図である。 図6は、本発明のフォトマスク1に係る光学シミュレーションの結果を示す図である。 図7は、本発明のフォトマスク2に係る光学シミュレーションの結果を示す図である。 図8(a)は、本発明のフォトマスク1に係る光学シミュレーションにおけるレジストパターンの模式図であり、図8(b)は、本発明のフォトマスク2に係る光学シミュレーションにおけるレジストパターンの模式図である。 図9(a)~(h)は、本発明のフォトマスク1、2の製造方法の一例を示す模式図である。
<本発明の第1実施形態>
(1)フォトマスク1について
図1には、上述のとおり、公知のバイナリマスク(遮光部101からなるラインパターンと透光部102からなるスペースパターンをもつ)を示すフォトマスク100(参考例1)を示す。また、図2には、図1における遮光部101を、位相シフト部103(露光光に対して所定の透過率をもつとともに、位相を略180度シフトする部分)に替えて形成された、ハーフトーン型位相シフトマスク(Attn.PSMともいう)によるフォトマスク110(参考例2)を示す。
一方、図3には、本発明のフォトマスク1を例示する。このフォトマスク1がもつラインパターン10は、参考例1、2のフォトマスクのラインパターンと異なり、それぞれのラインパターン10が有する2つの外縁に沿って、それぞれ幅E(μm)に形成された2つのエッジ領域11を有する。なお、本明細書において、ラインパターン10が有する外縁とは、ラインパターン10の幅方向における一方の端部および他方の端部を意味し、ラインパターン10を囲む縁全体に限定されるわけではない。また、ラインパターン10は、エッジ領域11以外の部分に形成された幅C1(μm)の中央領域12を有する。すなわち、ラインパターン10が有する互いに対向する2つの端部(側端)に沿って形成された2つのエッジ領域11の間に中央領域12が位置する。好ましくは、2つのエッジ領域11に接して、中央領域12が挟まれて形成される。また、隣接する2つのラインパターン10同士の間には、幅S(μm)のスペースパターン13が形成される。
ここで、エッジ領域11は、フォトマスク1を露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有する。従ってエッジ領域11は、位相シフト領域ということもできる。略180度とは、180±20度の範囲内とする。より好ましくは、180±10度の範囲内である。
また、エッジ領域11は、該露光光に対して、透過率T1(%)をもつ。T1は、0<T1<10%であり、より具体的には、4≦T1<7を満たすことが好ましい。ここで、透過率とは、透明基板の透過率を基準(100%)としたものであり、以下も同様である。透過率T1の範囲が上記のとき、後述の光の相互作用のバランスが好ましく生じ、転写性を向上させやすい。
露光光とは、表示装置製造用の露光装置が備える光源から照射される光である。露光光としては、例えば、波長が300~500nmの光を用いることができる。なお、本明細書において、「A~B」とは、「A以上B以下」の数値範囲であることを意味する。露光光として、単一波長(例えば、波長が365nmのi線)を用いてもよく、又は、複数の波長を含む光源(以下、ブロード波長光源ともいう)を用いても良い。上記の露光光に対する位相シフト量や、透過率は、露光光が単一波長からなる場合はその波長に対するものとし、ブロード波長光源を用いる場合は、該光源の波長域に含まれるいずれかの波長(代表波長とする)に対するものとする。
図3のフォトマスク1に示された中央領域12は、幅C1であり、スリット状に形成されている。本形態では、この部分は透明基板が露出して形成される細幅の透光部であり、その露光光に対する透過率は100%である。
このラインパターン10は、幅L(μm)をもち、ここではL=2×E+C1である。そして、幅Lは、1.0≦L≦7.0とすることができる。
エッジ領域11の幅Eは、例えば、0.4≦E≦2.0とすることができ、より具体的には、0.8≦E≦1.8とすることができる。
また、中央領域12の幅C1は、0.1≦C1<2.0、より具体的には、0.5≦C1≦1.5とすることができる。ここで、幅C1と幅Eとは、C1<Eであることが好ましい。更に、幅Lに対する幅C1の比率(C1/L)は、0.05~0.4であることが好ましく、より具体的には、0.15~0.3、更には、0.2~0.3とするときに、後述するDOF向上の効果が高まるなどの利点がある。
中央領域12の幅C1は、幅Eよりも小さく、幅Sよりも小さい、微細幅とすることが好ましい。
また、露光光が透過するスペースパターン13と、中央領域12の幅寸法の比率が、その相互作用に影響すると考えられるところ、幅Sに対する幅C1の比率(C1/S)は、0.05~0.8が好ましく、より具体的には、0.1~0.7、更には、0.3~0.6の時に優れた光学特性が得られた。
つまり、このような細幅のスリット(中央領域12)が、ラインパターン10の幅方向の中央に配置され、これをエッジ領域11が両側から挟んでいる状態が好ましい。この中央領域12の幅C1は、表示装置製造用の露光装置の解像限界より小さいため、被転写体上に独立して転写されることは無い。しかしながら、ラインパターン10(又はラインアンドスペースパターン)が転写されるときに、その転写性能を示す複数の評価項目において、優れた効果を奏することが発明者らによって見出された。ここでラインパターン10の幅方向の中央とは、該スリット(中央領域12)の幅方向の中央が、ラインパターン10の幅方向の中央と一致することであるが、±10nmの範囲内において位置ずれが生じる場合も含むものとする。
図3は、ラインパターン10が規則的に配列したラインアンドスペースパターンを示している。このラインアンドスペースパターンは、上記のとおり幅Lのラインパターン10と、幅Sのスペースパターン13とが交互に規則的に配列している。幅Sは、0.30≦S≦3.5とすることができ、より具体的には、0.8≦S≦3.0とすることができる。
上記ラインアンドスペースパターンの反復ピッチP(μm)は、4.0≦P≦8.0とすることが好ましい。これより大きいピッチPの場合には、従来のフォトマスク100、110(バイナリマスク、Attn.PSM)でもある程度の転写性が得られるため、本発明の効果が顕著ではない。一方、ピッチPが4μm未満であると、加工可能な中央領域12の設計が困難になる傾向がある。
ここで、幅Lと幅Sとは、L=Sとしても良く、又はL≠Sとしてもよい。例えば、L>Sとしてもよく、L<Sとしてもよい。図3では、L>Sの場合を示す。すなわち、幅Lに対する幅Sの比率(S/L)の範囲としては、0.2~1.0とすることができ、より具体的には0.3~0.9であり、また、0.3~0.7としたときに、後述のDOF等における有利な光学性能がより顕著に得られた。
ここでフォトマスク1の転写用パターンにおいて、L>Sであることは、以下の場合にメリットがある。すなわち、上記フォトマスク1を使用したパターン転写後の被転写体(表示パネル基板)は、現像後、形成されたレジストパターンをマスクとしてエッチング工程に付される。ウェットエッチングを適用する場合には、エッチングされる被加工体(例えば電極材料などの薄膜)に、サイドエッチングが進行することから、あらかじめ、幅Lの寸法を、最終的な目標寸法より、少し大きくしておくことが有利である。
このフォトマスク1の有する光学的な作用につき、後述の光学シミュレーションを行ったところ、参考例2のフォトマスク110よりも更に、いくつかの特性において、極めて有利な結果が得られた。
以下、本発明のフォトマスク1の作用を検証するために行った、光学シミュレーションについて説明する。
ここで光学シミュレーションに適用したフォトマスクは、ピッチPが6μmのラインアンドスペースパターンをもつ、フォトマスク1のサンプルマスクであり、図6中にType 1(a)~(e)と表記している。また、比較のために、参考例2のフォトマスク110(Attn.PSM)に対しても同様の光学シミュレーションを適用した。
光学シミュレーション条件は、表示装置用の等倍プロジェクション露光装置を用いることを前提とし、図5に示す条件を適用した。そして、上記ラインアンドスペースパターンをもつフォトマスク1を露光したときに、被転写体上に形成されるレジストパターンの断面形状(図5に示す)を得るとともに、転写性を示す複数のパラメータ値を求めた。これを図6に示す。
尚、レジスト(ポジ型)の最初の膜厚を1400μmとした。また、フォトマスク1のラインアンドスペースパターンは、透明基板上に、露光光透過率5.2%、位相シフト量180度(いずれもi線基準)の位相シフト膜がパターニングされてなるものとした。ラインパターン10の幅方向中央に形成される中央領域12の幅C1は、図6においてQz Slit(C1)と記載されている。このとき、被転写体上に形成されるレジストパターンのボトム部分において、フォトマスク1の転写用パターンと同寸法のラインアンドスペースが転写される条件とした。
評価項目は以下のとおりである。
Eop(mJ/cm2)
Eopは、目標寸法の転写像を被転写体上に得るための、露光光量を意味する。Eopは、小さいほうが好ましい。ここでは、フォトマスクの転写用パターンと同一寸法のラインアンドスペースパターンを被転写体上に形成するための露光光量としている。
レジストパターン側面傾斜角θ(度)
図5に示すとおり、レジストパターン側面傾斜角θは、被転写体上に形成されるレジストパターンの断面における側面の傾斜角を表す。すなわち、透明基板の主表面(位相シフト膜が形成される面)と、被転写体上に形成されたレジストパターンの側面とがなす角度を意味する。レジストパターン側面傾斜角θは、大きい(90度に近い)ことが好ましい。
DOF(Depth of Focus)
DOFは、焦点深度を意味する。ここでは、目標CDに対して、±10%範囲内の精度を得るための焦点深度の大きさをDOFとする。この数値が大きければ、被転写体上のパターンのCDが被転写体の表面の平坦度などの影響を受けにくく、CDばらつきが軽減できる。
EL(Exposure Latitude)
ELは、露光余裕度を意味する。ここでは、目標CDに対して、±10%範囲内の精度を得るための露光量裕度の大きさをELとする。このELが大きいほど好ましい。
MEEF(Mask Error Enhancement Factor)
MEEFは、フォトマスクのCD誤差と、被転写体上に形成される転写像のCD誤差の比率を示す数値であり、この数値が低いほど、被転写体上に形成されるパターンのCD誤差が低減できる。なお、ここでのCD誤差とは、目標CDと、フォトマスク上または被転写体上のパターンのCDとの差を意味する。
NILS(Normalized Image Log Slope)
NILSは、被転写体上に形成されるレジストパターンのエッジ傾斜(レジストパターンの断面における側面の傾斜)を規格化したものであり、この数値が大きいことが好ましい。
図6から明らかなとおり、参考例2(スリットのないラインアンドスペースパターンのAttn.PSM)と比較すると、評価項目のそれぞれにおいて、同等以上の性能を示している。特に、すべてのフォトマスク1のサンプルマスク(Type 1(a)~(e))において、DOFが25μm以上を示しており、表示装置製造において、プロセス裕度が大きい。
また、Eopの数値の低減は、露光面積の大きい表示装置製造用のフォトマスクの露光条件としては非常に有利であり、生産性の一層の向上が図れることを示唆する。
更に、レジストパターン側面傾斜角θは、より垂直に近づいており、面内のCDばらつきも抑えられることを示唆する。また、DOFは、25μmを超えるとともに、参考例2のフォトマスク110に比べて有意に向上している。
また、MEEFの低減、及びNILSの向上傾向が顕著にみられる。
以上により、本発明のフォトマスク1による、優れた作用効果が確認された。
このような作用効果が得られる原理は以下のように考えられる。一般的なバイナリマスクのラインアンドスペースパターンを露光すれば、そのスペースパターン部分を透過した光によって、被転写体上の光強度分布にピークが形成される。また、Attn.PSMであれば、コントラストが向上するが、ピークの高さは若干失われる。
これに対し、本発明のフォトマスク1は、ラインパターン10の幅方向の中央に形成されたスリット(中央領域12)を透過した光が、スペースパターン13を透過した光と良好な相互作用を生じ、上記ピークの高さを上昇させつつ、位相シフト効果によるコントラスト向上効果を発揮する。
尚、図5に示すレジストパターンの断面図によると、ラインパターン10に対応するレジストの上面中央に凹みが生じていることがわかる。この凹み(レジストパターンの厚み損失)を極力抑える必要がある場合を想定し、本発明者は更に検討した。その結果、中央領域12の透過率を100%より下げることにより、効果が得られることが判明した。このフォトマスク2を図4に示す。
(2)フォトマスク2について
図4に示すフォトマスク2は、中央領域12の部分の露光光に対する透過率T2(%)を、30≦T2<100とすることで得られる。例えば、透明基板上に所望の透過率をもつ半透光膜が形成されてなる部分として、中央領域12を形成すればよい。
ここで、この半透光膜は、いわゆる位相シフト膜とは異なり、実質的に位相シフト作用を有しない(露光光の位相を反転させる機能をもたない)ものを用いることが好ましい。具体的には、半透光膜が有する、前記露光光に対する位相シフト量φは、90度以下とすることが好ましく、例えば、5~90度の範囲内である。位相シフト量φは、より好ましくは、60度以下、更に好ましくは、30度以下の範囲内とする。
以下のシミュレーションで用いたフォトマスク2は、中央領域12は透過率T2が55%(i線基準)の半透光部とし、かつ、この中央領域12は位相シフト作用をもたない(位相シフト量φが0度)ものとした。また、フォトマスク2のパターン設計にあたっては、フォトマスク1における幅L、幅S、幅E、幅C1の値の範囲及び数値相互の比率の範囲を、同様にフォトマスク2の、幅L、幅S、幅E、幅C2の値にそれぞれ適用することができる。
また、フォトマスク2では、中央領域12の透過率T2がフォトマスク1の中央領域12の透過率(100%)より小さいため、同程度の光の透過量を得ようとするとき、その幅C2を、幅C1より若干広くすることができ、これにより、微細幅の加工難度を緩和することができる。その場合、例えば、幅Lに対する幅C2の比率(C2/L)は、0.2~0.4とすることができ、また、幅Sに対する幅C2の比率(C2/S)は0.5~1.0の範囲内とすることができる。
上記で触れたとおり、フォトマスク2の更に優れた点は、被転写体上に形成されるレジストパターンの形状にある。以下の項目について評価した。
RPT(残存レジスト厚み)及びPR Loss(レジスト損失率)
ラインパターンの中央に対応する部分において、被転写体上のレジストパターンの中央凹みの影響を評価した。凹みが大きすぎると、該レジストパターンを使用したエッチングプロセスに支障が出る場合があり、また凹み深さが大きくなると、その深さに面内ばらつきが生じる不都合がある。
図7にフォトマスク1と同様に行ったフォトマスク2に関する光学シミュレーションの結果を示す。ここで光学シミュレーションに適用したフォトマスクは、フォトマスク2のサンプルマスクであり、図7中にType 2(b)、(c)と表記している。図7によると、フォトマスク2によるレジストパターン(Type 2(b)、(c))は、フォトマスク1によるレジストパターン(Type 1(b)、(c))に比べて、RPTが大きく、PR Lossが小さい。つまり、被転写体上に形成されるレジストパターンのライン幅方向中央部分(フォトマスク2の中央領域12に対応する位置)に生じる凹みが、フォトマスク1に比べて、小さいことがわかる。
図8(a)はフォトマスク1によるレジストパターンを例示し、図8(b)はフォトマスク2によるレジストパターンを例示する。これによると、フォトマスク2によるレジストパターンは、フォトマスク1によるレジストパターンと比べて、中央部分の凹みが大きく低減された形状であることがわかる。
(3)表示装置用デバイスの製造方法について
本発明は、上記フォトマスク1、フォトマスク2を用いた、表示装置の製造方法を含む。すなわち、上記フォトマスク1又はフォトマスク2を用意し、これを用いて、表示装置用露光装置によって露光し、前記転写用パターンを、被転写体に転写する工程を適用し、表示装置(又はそれを構成するデバイス)を製造する。
用いる露光装置は、プロジェクション露光方式であって、NAが0.08~0.20、コヒレンスファクタσは0.5~1.0程度、露光光源にはi線、h線又はg線の波長を含むものが適用できる。もちろん、i線、h線又はg線のうちいずれかの波長を含んだブロード波長光を用いても良い。また、等倍露光を用いることが好ましい。
(4)フォトマスク1、2の製造方法
以下に、図9(a)~(h)を参照してフォトマスク1、フォトマスク2の製造方法について説明する。
図9(a)に示すように、透明基板21上に、位相シフト膜22、及びレジスト膜24が形成されたフォトマスクブランク20を用意する。レジスト膜24は、ポジ型レジスト、ネガ型レジストのいずれが用いられてもよいが、ここではポジ型レジストを使用する。本発明の作用を損なわない範囲で、付加的な膜を用いても構わない。本形態では、位相シフト膜22とレジスト膜24の間に、エッチングマスク膜23を介在させている。これは、レジスト膜24との密着性を高め、位相シフト膜22のウェットエッチング精度を高める作用がある。位相シフト膜22やエッチングマスク膜23の成膜には、スパッタ法等の公知の成膜装置を用いることができる。
位相シフト膜22の材料に特に制限はない。エッチングマスク膜23を使用する場合には、エッチングマスク膜23と異なるエッチング特性(エッチング選択性)を有するものが好ましい。位相シフト膜22の材料としては、例えば、Zr、Nb、Hf、Ta、Mo、TiのいずれかとSiとを含む材料、又は、これらの材料の酸化物、窒化物、酸化窒化物、炭化物、又は酸化窒化炭化物を含む材料を使用できる。より具体的な膜材としては、MoやZrを含むシリサイドを含むものが挙げられる。
エッチングマスク膜23は、位相シフト膜22のエッチング剤に対して耐性があるものを用いることができ、位相シフト膜22の材料よりも、レジスト(例えばポジレジスト)に対する密着性が高いものが好ましい。エッチングマスク膜23は、例えば、Cr又はその化合物(酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、又は酸化窒化炭化物)とすることができる。
図9(b)に示すように、レジスト膜24に描画を行い、現像して、レジストパターン25を形成する。描画には、レーザ描画装置を適用することができる。そして、スペースパターン13となる領域、及び中央領域12となる領域に、開口をもつレジストパターン25を形成する。
図9(c)に示すように、レジストパターン25をマスクとしてエッチングマスク膜23をパターニングし、エッチングマスク膜パターンを形成する。そして、レジストパターン25および/またはエッチングマスク膜パターンをマスクとして、位相シフト膜22をパターニングする。これにより、位相シフト膜パターンを形成する(第1パターニング工程)。フォトマスクブランク20がエッチングマスク膜23を含まない場合には、レジストパターン25をマスクとして、位相シフト膜22をパターニングすればよい。また、図示しないが、レジストパターン25を剥離した後に、エッチングマスク膜パターンのみをマスクとして位相シフト膜22をパターニングしてもよい。本実施形態におけるエッチングマスク膜23および位相シフト膜22のパターニングには、ウェットエッチングおよびドライエッチングのいずれを適用してもよいが、ウェットエッチングを用いることが好ましい。
図9(d)に示すように、レジストパターン25を剥離、あるいは、レジストパターン25およびエッチングマスク膜パターンを剥離し、フォトマスク1が形成される。このフォトマスク1においては、エッジ領域11は、透明基板21の主表面上に位相シフト膜22が形成されてなり、中央領域12は、透明基板21の主表面が露出してなる。フォトマスク1のラインパターン10は、このエッジ領域11および中央領域12からなる。
図9(e)に示すように、フォトマスク2を得ようとする場合には、パターニングされた位相シフト膜22(位相シフト膜パターン)をもつ透明基板21の全面に、半透光膜26を成膜する。該成膜も、スパッタ法などを適用できる。この半透光膜26は、上記のとおり、実質的に位相シフト作用を有しないものを用いることが好ましい。
半透光膜26の材料としては、位相シフト膜22との間にエッチング選択性があることが望まれる。位相シフト膜22を上記に例示したものとする場合、半透光膜26の材料としては、Cr又はその化合物(酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、又は酸化窒化炭化物)を用いることができる。
図9(f)に示すように、更に、最上面にレジスト膜27を塗布形成する。ここでも、ポジ型レジスト膜を用いる場合を一例として示す。
図9(g)に示すように、再度レーザ描画装置などを用いてレジスト膜27に描画を施し、現像を行い、中央領域12となる部分にレジストが残存するレジストパターン28を形成する。
図9(h)に示すように、レジストパターン28をマスクとして、不要な半透光膜26を、ウェットエッチングにより除去し(第2パターニング工程)、更にレジストパターン28を剥離して、フォトマスク2が得られる。このフォトマスク2においては、エッジ領域11は、透明基板21の主表面上に位相シフト膜22が形成されてなり、中央領域12は、透明基板21の主表面上に半透光膜26が形成されてなる。フォトマスク2のラインパターン10は、このエッジ領域11および中央領域12からなる。フォトマスク2のエッジ領域11においては、透明基板21上に位相シフト膜22のみが形成されている。また、フォトマスク2の中央領域12においては、透明基板21上に半透光膜26のみが形成されている。すなわち、フォトマスク2のラインパターン10は、位相シフト膜22と半透光膜26との積層部分を含まない。
上記のフォトマスク1、2の製造方法においては、透明基板21上に、位相シフト膜22が形成されたフォトマスクブランク20を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、透明基板21上に、位相シフト膜22の代わりに半透光膜26が成膜され、最表面にレジスト膜24が形成されたフォトマスクブランク20を用意し、フォトマスクブランク20に描画及び現像を施して、レジストパターン25を形成し、形成されたレジストパターン25を用いて半透光膜26をパターニングすることにより半透光膜パターンを形成(第1パターニング工程)した後、半透光膜パターンが形成された透明基板21上に位相シフト膜22を成膜し、この位相シフト膜22をパターニングしてラインアンドスペースパターンを形成(第2パターニング工程)してもよい。すなわち、透明基板21上に半透光膜26が形成されたフォトマスクブランク20を用いる場合には、上記のフォトマスク1、2の製造方法における位相シフト膜22と半透光膜26とを逆に読み替えればよい。
また、フォトマスクブランク20は、半透光膜26とレジスト膜24との間にエッチングマスク膜23を有していてもよい。この場合、上記第1パターニング工程では、レジストパターン25をマスクとしてエッチングマスク膜23をエッチングし、得られたエッチングマスク膜パターンをマスクとして、あるいは、レジストパターン25およびエッチングマスク膜パターンをマスクとして、半透光膜26をパターニングしてもよい。フォトマスク1、フォトマスク2によって例示されるフォトマスクの用途には特に制限はない。但し、フォトマスク1、フォトマスク2によって例示されるフォトマスクを用いて被転写体上に形成されるレジストパターンは、そのボトムCDが形成する2次元(平面上)のデザインを目的とするものであり、フォトマスク1、フォトマスク2によって例示されるフォトマスクは、いわゆる多階調フォトマスクとは区別される。ここでの多階調フォトマスクとは、中間調をもち、被転写体上に形成されるレジストパターンの厚み(高さ)を領域によって異ならせる(すなわち、3次元のデザインを形成する)ために用いられるフォトマスクを意味する。
そして、本発明のフォトマスクは、微細ラインアンドスペースパターンを必要とする、表示装置の配線パターンや画素パターンなどに、有利に用いられる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 フォトマスク
2 フォトマスク
10 ラインパターン
11 エッジ領域
12 中央領域
13 スペースパターン
20 フォトマスクブランク
21 透明基板
22 位相シフト膜
23 エッチングマスク膜
24 レジスト膜
25 レジストパターン
26 半透光膜
27 レジスト膜
28 レジストパターン
100 フォトマスク
101 遮光部
102 透光部
103 位相シフト部
110 フォトマスク

Claims (16)

  1. 透明基板上に転写用パターンを備えた、表示装置製造用のフォトマスクであって、
    前記転写用パターンは、ラインパターンを含み、
    前記ラインパターンは、外縁に沿って幅Eに形成されたエッジ領域と、前記エッジ領域以外の部分に形成された幅Cの中央領域と、を有し、
    前記エッジ領域は、前記フォトマスクを露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有するとともに、前記露光光に対して、透過率T1(%)(但し0<T1<10)を有し、
    前記中央領域は、透光部、又は、半透光部からなる、フォトマスク。
  2. 前記幅Cと前記幅Eとは、C<Eを満たす、請求項1に記載のフォトマスク。
  3. 前記ラインパターンは幅L(μm)を有し、1.0≦L≦7.0である、請求項1又は2に記載のフォトマスク。
  4. 前記中央領域は、幅C1(μm)を有し、0.1≦C1<2.0であるとともに、前記透明基板が露出した透光部からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載のフォトマスク。
  5. 前記中央領域は、幅C2(μm)を有し、0.1≦C2<2.0であるとともに、前記露光光に対して、透過率T2(%)(但し30≦T2<100)を有する、半透光膜が前記透明基板上に形成された半透光部からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載のフォトマスク。
  6. 前記半透光膜は、前記露光光に対して実質的に位相シフト作用を有さないものである、請求項5に記載のフォトマスク。
  7. 前記転写用パターンは、幅Lの前記ラインパターンと、幅S(μm)のスペースパターンとを含む、ラインアンドスペースパターンを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のフォトマスク。
  8. 前記ラインアンドスペースパターンにおいて、前記幅Lと前記幅Sとは、L=Sである、請求項7に記載のフォトマスク。
  9. 前記ラインアンドスペースパターンにおいて、前記幅Lと前記幅Sとは、L>Sである、請求項7に記載のフォトマスク。
  10. 前記ラインアンドスペースパターンのピッチP(μm)は、4.0≦P≦8.0である、請求項7~9のいずれか1項に記載のフォトマスク。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載のフォトマスクを用意する工程と、
    前記フォトマスクを、表示装置用露光装置によって露光し、前記転写用パターンを、被転写体に転写する工程と、を含む、表示装置用デバイスの製造方法。
  12. 透明基板上に転写用パターンを備えた、表示装置製造用のフォトマスクの製造方法であって、
    前記転写用パターンは、ラインパターンとスペースパターンとを含む、ラインアンドスペースパターンを有し、
    前記透明基板上に、位相シフト膜が成膜され、最表面にレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する工程と、
    前記フォトマスクブランクに描画及び現像を施し、レジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記位相シフト膜をパターニングし、前記ラインアンドスペースパターンを形成する第1パターニング工程と、を有し、
    前記位相シフト膜は、前記フォトマスクを露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有するとともに、前記露光光に対して、透過率T1(%)(但し0<T1<10)を有し、
    前記ラインパターンは、外縁に沿って幅Eに形成されたエッジ領域と、前記エッジ領域以外の部分に形成された幅Cの中央領域と、を有し、
    前記エッジ領域は、前記透明基板上に、前記位相シフト膜が形成されてなり、
    前記中央領域は、前記透明基板が露出してなる、フォトマスクの製造方法。
  13. 透明基板上に転写用パターンを備えた、表示装置製造用のフォトマスクの製造方法であって、
    前記転写用パターンは、ラインパターンとスペースパターンとを含む、ラインアンドスペースパターンを有し、
    前記透明基板上に、位相シフト膜が成膜され、最表面にレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する工程と、
    前記フォトマスクブランクに描画及び現像を施し、レジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記位相シフト膜をパターニングし、位相シフト膜パターンを形成する第1パターニング工程と、
    前記位相シフト膜パターンが形成された前記透明基板上に成膜された
    半透光膜をパターニングし、前記ラインアンドスペースパターンを形成する第2パターニング工程と、を有し、
    前記位相シフト膜は、前記フォトマスクを露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有するとともに、前記露光光に対して、透過率T1(%)(但し0<T1<10)を有し、
    前記半透光膜は、前記露光光に対して実質的に位相シフト作用を有さず、
    前記ラインパターンは、外縁に沿って幅Eに形成されたエッジ領域と、前記エッジ領域以外の部分に形成された幅Cの中央領域と、を有し、
    前記エッジ領域は、前記透明基板上に、前記位相シフト膜が形成されてなり、
    前記中央領域は、前記透明基板上に、前記半透光膜が形成されてなる、フォトマスクの製造方法。
  14. 前記フォトマスクブランクは、前記位相シフト膜と前記レジスト膜との間に、エッチングマスク膜を有し、
    前記第1パターニング工程では、前記レジストパターンをマスクとして前記エッチングマスク膜をエッチングし、得られたエッチングマスク膜パターンをマスクとして前記位相シフト膜をパターニングする、請求項12又は13に記載のフォトマスクの製造方法。
  15. 透明基板上に転写用パターンを備えた、表示装置製造用のフォトマスクの製造方法であって、
    前記転写用パターンは、ラインパターンとスペースパターンとを含む、ラインアンドスペースパターンを有し、
    前記透明基板上に、半透光膜が成膜され、最表面にレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクを用意する工程と、
    前記フォトマスクブランクに描画及び現像を施し、レジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを用いて前記半透光膜をパターニングし、半透光膜パターンを形成する第1パターニング工程と、
    前記半透光膜パターンが形成された前記透明基板上に成膜された位相シフト膜をパターニングし、前記ラインアンドスペースパターンを形成する第2パターニング工程と、を有し、
    前記位相シフト膜は、前記フォトマスクを露光する露光光の位相を略180度シフトする位相シフト作用を有するとともに、前記露光光に対して、透過率T1(%)(但し0<T1<10)を有し、
    前記半透光膜は、前記露光光に対して実質的に位相シフト作用を有さず、
    前記ラインパターンは、外縁に沿って幅Eに形成されたエッジ領域と、前記エッジ領域以外の部分に形成された幅Cの中央領域と、を有し、
    前記エッジ領域は、前記透明基板上に、前記位相シフト膜が形成されてなり、
    前記中央領域は、前記透明基板上に、前記半透光膜が形成されてなる、フォトマスクの製造方法。
  16. 前記フォトマスクブランクは、前記半透光膜と前記レジスト膜との間に、エッチングマスク膜を有し、
    前記第1パターニング工程では、前記レジストパターンをマスクとして前記エッチングマスク膜をエッチングし、得られたエッチングマスク膜パターンをマスクとして前記半透光膜をパターニングする、請求項15に記載のフォトマスクの製造方法。
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