JP7505664B1 - マルチコア光ファイバ - Google Patents

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哲也 林
正晃 平野
健美 長谷川
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Abstract

マルチコア光ファイバ(1)は、複数のコア(2)と、第1クラッド(3)と、第2クラッド(4)とを備える。第2クラッド(4)の屈折率は、コア(2)の屈折率よりも低く、かつ、第1クラッド(3)の屈折率よりも高い。波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下である。波長1550nmにおけるコア(2)の実効断面積をAeff[μm2]、隣り合う2つのコア(2)のファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、第1クラッド(3)の屈折率を基準としたコア(2)の比屈折率差をΔcore[%]としたときに、Aeff1=18.6-4.63ln(Δcore)+1.24Λ+24.1[ln(Δcore)]2-6.05×10-3Λ2-0.858Λln(Δcore)で定義されるAeff1を用いて、以下の条件1aを満たす。0.35[%]≦Δcore[%]≦1.00[%]25[μm]≦Λ[μm]≦50[μm]0.80Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1

Description

本開示は、マルチコア光ファイバに関する。本出願は、2023年1月31日出願の日本出願第2023-012598号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
非特許文献1から3には、マルチコア光ファイバ(以下、MCFとも言う)の各コアの実効断面積(以下、Aeffとも言う)が小さいほど、各コアへの光の閉じ込めを強めることができ、コア間パワー結合係数(以下、PCCとも言う)及びコア間クロストーク(以下、XTとも言う)が低減できることが記載されている。非特許文献1には、ステップインデックス(以下、SIとも言う)型のMCF、非特許文献2には、トレンチアシスト型のMCF、非特許文献3には、空孔アシスト型のMCFがそれぞれ記載されている。個別のコアを独立した光空間チャネルとして用いる非結合型のMCFにおいては、PCCの低減は、コア間XTを低減し、各コアの信号品質を高める。
T. Hayashi et al., "Design strategy of uncoupled multicore fiber enabling high spatial capacity transmission", SUM2013, MC2. 4 J. H. Chang et al., "Achievable capacity improvement by using multi-level modulation format in trench-assisted multi-core fiber system", OPTICS EXPRESS 14262 Vol.21, No.12, 17 June 2013 F. Ye et al., "Capacity of Space-Division Multiplexing with Heterogeneous Multi-Core Fibers", 2013 18th OECC/PS FC H. Yoshikawa et al., "Analysis of Two-Core Single-Mode Optical Fibers for Subscriber Lines", Electronics and Communications in Japan, Part 2, Vol.72, No.8, P.45-53, 1989 R. J. Black et al., "Developments in the theory of equivalent-step-index fibers", J. Opt. Soc. Am. A,vol.1, No.11, p.1129-1131, November 1984
本開示のMCFは、並行伝搬に用いられる共通ディプレスト型のMCFであって、複数のコアと、複数のコアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備える。第2クラッドの屈折率は、コアの屈折率よりも低く、かつ、第1クラッドの屈折率よりも高い。波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下である。波長1550nmにおけるコアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つのコアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
Aeff1=18.6-4.63ln(Δcore)+1.24Λ+24.1[ln(Δcore)]-6.05×10-3Λ-0.858Λln(Δcore)
で定義されるAeff1を用いて、以下の条件1aを満たす。
0.35[%]≦Δcore[%]≦1.00[%]
25[μm]≦Λ[μm]≦50[μm]
0.80Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
図1は、PCCと各コアのAeffとの関係を示すグラフである。 図2は、実施形態に係るMCFのファイバ軸に直交する断面および屈折率分布を示す図である。 図3は、コアの半径と第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差との関係を示すグラフである。 図4は、PCCと各コアのAeffとの関係を示すグラフである。 図5は、AeffがAeff1からどれだけ乖離すると、どれだけhが上昇するのかをプロットした図である。 図6は、AeffがAeff1からどれだけ乖離すると、どれだけhが上昇するのかをプロットした図である。 図7は、変形例に係るMCFのファイバ軸に直交する断面および屈折率分布を示す図である。
[本開示が解決しようとする課題]
発明者らは、いわゆる共通ディプレスト型のMCFでは、Aeffを小さくし過ぎると、コア間のPCCが逆に大きくなってしまうことを発見した。共通ディプレスト型のMCFは、複数のコアと、複数のコアを取り囲む共通の第1クラッドと、第1クラッドを取り囲む第2クラッドとを備え、第2クラッドの屈折率は、コアの屈折率よりも低く、かつ、第1クラッドの屈折率よりも高いMCFである。
本開示は、コア間XTを低減することができる共通ディプレスト型のMCFを提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、コア間XTを低減することができる共通ディプレスト型のMCFを提供することができる。
[本開示の実施態様の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の第一態様に係るMCFは、並行伝搬に用いられる共通ディプレスト型のMCFであって、複数のコアと、複数のコアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備える。第2クラッドの屈折率は、コアの屈折率よりも低く、かつ、第1クラッドの屈折率よりも高い。波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下である。波長1550nmにおけるコアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つのコアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
Aeff1=18.6-4.63ln(Δcore)+1.24Λ+24.1[ln(Δcore)]-6.05×10-3Λ-0.858Λln(Δcore)
で定義されるAeff1[μm]を用いて、以下の条件1aを満たす。
0.35[%]≦Δcore[%]≦1.00[%]
25[μm]≦Λ[μm]≦50[μm]
0.80Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
このMCFでは、第1クラッドが共通ディプレストとして機能する。信号光を並行伝搬させる場合に隣り合う2つのコア間のPCC(以下、並行伝搬PCCとも言う)を低減することができるので、信号光を並行伝搬させる場合に隣り合う2つのコア間のXT(以下、並行伝搬XTとも言う)を低減することができる。並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを極小値から3dB以下の増加量に抑えることができる。
(2)上記(1)では、条件1aは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.83Aeff1≦Aeff≦1.18Aeff1
この場合、並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを極小値から1dB以下の増加量に抑えることができる。
(3)上記(1)では、条件1aは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.90Aeff1≦Aeff≦1.12Aeff1
この場合、並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを極小値から0.5dB以下の増加量に抑えることができる。
(4)上記(1)では、条件1aは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.95Aeff1≦Aeff≦1.05Aeff1
この場合、並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを極小値から0.1dB以下の増加量に抑えることができる。
(5)本開示の第二態様に係るMCFは、並行伝搬に用いられる共通ディプレスト型のMCFであって、複数のコアと、複数のコアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備える。第2クラッドの屈折率は、コアの屈折率よりも低く、かつ、第1クラッドの屈折率よりも高い。波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下である。波長1550nmにおけるコアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つのコアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
Aeff1=18.6-4.63ln(Δcore)+1.24Λ+24.1[ln(Δcore)]-6.05×10-3Λ-0.858Λln(Δcore)
で定義されるAeff1[μm]を用いて、以下の条件2aを満たす。
0.30[%]≦Δcore[%]≦0.35[%]
20[μm]≦Λ[μm]≦25[μm]
0.88Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
このMCFでは、第1クラッドが共通ディプレストとして機能する。並行伝搬PCCを低減することができるので、並行伝搬XTを低減することができる。並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを極小値から3dB以下の増加量に抑えることができる。
(6)上記(5)では、条件2aは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.90Aeff1≦Aeff≦1.18Aeff1
この場合、並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを極小値から1dB以下の増加量に抑えることができる。
(7)上記(5)では、条件2aは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.92Aeff1≦Aeff≦1.12Aeff1
この場合、並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを極小値から0.5dB以下の増加量に抑えることができる。
(8)上記(5)では、条件2aは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.96Aeff1≦Aeff≦1.05Aeff1
この場合、並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを極小値から0.1dB以下の増加量に抑えることができる。
(9)本開示の第三態様に係るMCFは、対向伝搬に用いられる共通ディプレスト型のMCFであって、複数のコアと、複数のコアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備える。第2クラッドの屈折率は、コアの屈折率よりも低く、かつ、第1クラッドの屈折率よりも高い。波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下である。波長1550nmにおけるコアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つのコアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
Aeff2=19.2-3.01ln(Δcore)+1.40Λ+25.6[ln(Δcore)]-7.72×10-3Λ-0.980Λln(Δcore)
で定義されるAeff2[μm]を用いて、以下の条件1bを満たす。
0.35[%]≦Δcore[%]≦1.00[%]
25[μm]≦Λ[μm]≦50[μm]
0.75Aeff2≦Aeff≦1.36Aeff2
このMCFでは、第1クラッドが共通ディプレストとして機能する。信号光を対向伝搬させる場合に隣り合う2つのコア間のPCC(以下、対向伝搬PCCとも言う)を低減することができるので、信号光を対向伝搬させる場合に隣り合う2つのコア間のXT(以下、対向伝搬XTとも言う)を低減することができる。対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを極小値から3dB以下の増加量に抑えることができる。
(10)上記(9)では、条件1bは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.85Aeff2≦Aeff≦1.18Aeff2
この場合、対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを極小値から1dB以下の増加量に抑えることができる。
(11)上記(9)では、条件1bは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.89Aeff2≦Aeff≦1.12Aeff2
この場合、対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを極小値から0.5dB以下の増加量に抑えることができる。
(12)上記(9)では、条件1bは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.95Aeff2≦Aeff≦1.05Aeff2
この場合、対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを極小値から0.1dB以下の増加量に抑えることができる。
(13)本開示の第四態様に係るMCFは、対向伝搬に用いられる共通ディプレスト型のMCFであって、複数のコアと、複数のコアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備える。第2クラッドの屈折率は、コアの屈折率よりも低く、かつ、第1クラッドの屈折率よりも高い。波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下である。波長1550nmにおけるコアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つのコアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
Aeff2=19.2-3.01ln(Δcore)+1.40Λ+25.6[ln(Δcore)]-7.72×10-3Λ-0.980Λln(Δcore)
で定義されるAeff2[μm]を用いて、以下の条件2bを満たす。
0.30[%]≦Δcore[%]≦0.35[%]
20[μm]≦Λ[μm]≦25[μm]
0.84Aeff2≦Aeff≦1.36Aeff2
このMCFでは、第1クラッドが共通ディプレストとして機能する。対向伝搬PCCを低減することができるので、対向伝搬XTを低減することができる。対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを極小値から3dB以下の増加量に抑えることができる。
(14)上記(13)では、条件2bは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.88Aeff2≦Aeff≦1.18Aeff2
この場合、対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを極小値から1dB以下の増加量に抑えることができる。
(15)上記(13)では、条件2bは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.90Aeff2≦Aeff≦1.12Aeff2
この場合、対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを極小値から0.5dB以下の増加量に抑えることができる。
(16)上記(13)では、条件2bは、以下の式により更に規定されてもよい。
0.95Aeff2≦Aeff≦1.05Aeff2
この場合、対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを極小値から0.1dB以下の増加量に抑えることができる。
(17)上記(1)から(16)のいずれかでは、コアの半径をra[μm]、ケーブルカットオフ波長をλcc[nm]、第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、条件3、条件4、条件5、または、条件6が満たされてもよい。
条件3は、以下の式により規定される。
λcc[nm]≦1260[nm]
ra[nm]≧2.51(Δcore)-0.605[μm]
条件4は、以下の式により規定される。
λcc[nm]≦1360[nm]
ra[nm]≧2.71(Δcore)-0.607[μm]
条件5は、以下の式により規定される。
λcc[nm]≦1460[nm]
ra[nm]≧2.92(Δcore)-0.609[μm]
条件6は、以下の式により規定される。
λcc[nm]≦1530[nm]
ra[nm]≧3.06(Δcore)-0.611[μm]
この場合、各コアにおける信号光の閉じ込めを強めることができる。
(18)上記(1)から(17)のいずれかでは、第1クラッドに取り囲まれた第3クラッドを更に有し、第3クラッドは、ファイバ軸に直交する断面において、隣り合う2つのコアの中心間を結ぶ線分上に当該隣り合う2つのコアのそれぞれから離隔して配置され、第3クラッドの屈折率は、第1クラッドの屈折率よりも低くてもよい。
この場合、コア間PCC及びコア間XTを更に低減することができる。
(19)上記(18)では、ファイバ軸に直交する断面において、第3クラッドは円形状を有してもよい。
この場合、MCFをより容易に製造することができる。
(20)上記(1)から(19)のいずれかでは、複数のコア、第1クラッド、および、第2クラッドは、シリカ系ガラスを含んでもよい。
この場合、波長1260nmから1625nmの光通信に用いられる波長帯域で低い伝送損失を実現することができる。また高い製造性を実現することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本実施形態に係るMCFの具体例を、必要により図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されず、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
非特許文献1に記載されるようなSI型(正確には、matched cladding型)のMCFでは、例えば、波長1550nmにおいて各コアをシングルモード動作させて光信号伝送を行うために、各コアのケーブルカットオフ波長(以下、λccとも言う)は1530nm以下に設定される。このとき、コア間PCC及びコア間XTを低減するためには、λccをできるだけ長くして、コアへの光の閉じ込めを強くすることが望ましい。コア間PCCを低減して、コア間XTを低減することで、伝送信号の品質を維持しながら、MCF断面上のコア密度(断面積当たりのコア数)を高めることができる。
図1は、例えば、各コアのλccを1530nmで固定したとき、波長1550nmにおける隣り合う2つのコア間のPCCと各コアのAeffとの関係を示すグラフである。図1の縦軸は、コア間のPCC[/km]を示す。図1の横軸は、Aeff[μm]を示す。図1には、コアの中心間隔Λが25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、および、50μmの場合が示されている。
隣り合う2つのコアの中心間隔によって値は変わるが、Aeffが小さいほどPCC(シンボルhで表す)が指数関数的に低減することがわかる。SI型やmatched cladding型のコアでは、λccおよびAeffが定まると、クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差、および、コア半径は一意に定まる。これは、設計の自由度がコアの比屈折率差、および、コア半径のみにあるためである。
非特許文献4には、グレートインデックス型のコアにおいても、スポット径とλccが同等であれば、SI型と同様のPCCとなることが示されている。したがって、グレートインデックス型のコアにおいても、SI型と同様に、Aeffが小さいほどPCC hが指数関数的に低減することがわかる。
トレンチアシスト型および空孔アシスト型のMCFでは、設計の自由度が増える。よって、λccおよびAeffのみでは、屈折率分布やコアへの光の閉じ込めは一意に定まらない。トレンチや空孔などの最も低い屈折率から、コアの最も高い屈折率までの値が固定されている場合は、非特許文献2や非特許文献3に示されるように、Aeffが小さいほどコアへの光の閉じ込めを高くすることができ、PCC hが指数関数的に低減する。
図2は、実施形態に係るMCFのファイバ軸に直交する断面および屈折率分布を示す図である。図2に示されるように、実施形態に係るMCF1は、複数のコア2と、共通の第1クラッド3と、第2クラッド4とを備える。コア2、第1クラッド3、および、第2クラッド4は、それぞれシリカ系ガラスを含む。MCF1では、波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下である。シリカ系ガラスは、シリカを主成分とするガラスであり、シリカを90%以上含む。
複数のコア2は、ファイバ軸に直交する断面において、互いに同じ円形状を有している。各コア2の半径raは、例えば、3μm以上7μm以下である。各コア2は、MCF1のファイバ軸に沿って延在している。本実施形態では、MCF1は、2コア光ファイバであり、コア2の数は2であるが、これに限られない。ファイバ軸に直交する断面において、2つのコア2は、MCF1の中心軸を挟んで対向するように配置されている。ファイバ軸に直交する断面において、2つのコア2は中心軸から等距離に配置されている。ファイバ軸に直交する断面において、隣り合う2つのコア2の中心間隔Λは、例えば、30μm以上50μm以下である。
第1クラッド3は、複数のコア2を取り囲む共通のクラッドである。第1クラッド3は、複数のコア2の外周面を覆っている。ファイバ軸に直交する断面において、第1クラッド3は円形状を有している。第2クラッド4は、第1クラッド3を取り囲んでいる共通のクラッドである。第2クラッド4は、第1クラッド3の外周面を覆っている。例えば、第1クラッド3と第2クラッド4の界面と、複数のコア2の中心と、の間の最短距離が15μm以上20μm以下である。ファイバ軸に直交する断面において、第2クラッド4は円形状を有している。第2クラッド4の半径は、例えば、50μm以上100μm以下、または、62μm以上63μm以下である。
第2クラッド4の屈折率は、コア2の屈折率よりも低く、かつ、第1クラッド3の屈折率よりも高い。第1クラッド3の屈折率を基準とした第2クラッド4の比屈折率差は、0.02%以上であり、コア2の比屈折率差は、0.30%以上1.00%以下であり、コア2の比屈折率差と第2クラッド4の比屈折率差の差は0.20%以上である。図2の屈折率分布は、縦軸を第1クラッド3の屈折率を基準とした比屈折率差Δ、横軸を径方向位置rとして示されている。径方向位置rは、ファイバ中心において0である。MCF1は、共通ディプレスト型のMCFである。第1クラッド3は、共通ディプレストとして機能する。
MCF1では、波長1550nmにおけるコア2の実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つのコア2のファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、第1クラッド3の屈折率を基準としたコア2の比屈折率差をΔcore[%]とし、以下の式でAeff1[μm]を定義したときに、条件1aまたは条件2aが満たされる。
Aeff1=18.6-4.63ln(Δcore)+1.24Λ+24.1[ln(Δcore)]-6.05×10-3Λ-0.858Λln(Δcore)
条件1a及び条件2aは、以下の式により規定される。
上記の式において、Aeff1の単位が[μm]であるとき、定数の係数は以下の単位である。
18.6[μm]。-4.63[μm]。1.24[μm]。24.1[μm]。-6.05×10-3[-(単位なし)]。-0.858[μm]。
すなわち、Aeffは実効断面積を[μm]の単位で表した数値、Λは中心間隔を[μm]の単位で表した数値、Δcoreは比屈折率差を[%]の単位で表した数値、Aeff1は単位が[μm]であるときの数値、を意味する。
(条件1a)
0.35[%]≦Δcore[%]≦1.00[%]
25[μm]≦Λ[μm]≦50[μm]
0.80Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
(条件2a)
0.30[%]≦Δcore[%]≦0.35[%]
20[μm]≦Λ[μm]≦25[μm]
0.88Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
条件1aは、以下のいずれかの式により更に規定されてもよい。
0.83Aeff1≦Aeff≦1.18Aeff1
0.90Aeff1≦Aeff≦1.12Aeff1
0.95Aeff1≦Aeff≦1.05Aeff1
条件2aは、以下のいずれかの式により更に規定されてもよい。
0.90Aeff1≦Aeff≦1.18Aeff1
0.92Aeff1≦Aeff≦1.12Aeff1
0.96Aeff1≦Aeff≦1.05Aeff1
MCF1では、波長1550nmにおけるコア2の実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つのコア2のファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、第1クラッド3の屈折率を基準としたコア2の比屈折率差をΔcore[%]とし、以下の式でAeff2[μm]を定義したときに、条件1bまたは条件2bが満たされる。
Aeff2=19.2-3.01ln(Δcore)+1.40Λ+25.6[ln(Δcore)]-7.72×10-3Λ-0.980Λln(Δcore)
上記の式において、Aeff2の単位が[μm]であるとき、定数の係数は以下の単位である。
19.2[μm]。-3.01[μm]。1.40[μm]。25.6[μm]。-7.72×10-3[-(単位なし)]。-0.980[μm]。
すなわち、Aeffは実効断面積を[μm]の単位で表した数値、Λは中心間隔を[μm]の単位で表した数値、Δcoreは比屈折率差を[%]の単位で表した数値、Aeff2は単位が[μm]であるときの数値、を意味する。
条件1b及び条件2bは、以下の式により規定される。
(条件1b)
0.35[%]≦Δcore[%]≦1.00[%]
25[μm]≦Λ[μm]≦50[μm]
0.75Aeff2≦Aeff≦1.36Aeff2
(条件2b)
0.30[%]≦Δcore[%]≦0.35[%]
20[μm]≦Λ[μm]≦25[μm]
0.84Aeff2≦Aeff≦1.36Aeff2
条件1bは、以下のいずれかの式により更に規定されてもよい。
0.85Aeff2≦Aeff≦1.18Aeff2
0.89Aeff2≦Aeff≦1.12Aeff2
0.95Aeff2≦Aeff≦1.05Aeff2
条件2bは、以下のいずれかの式により更に規定されてもよい。
0.88Aeff2≦Aeff≦1.18Aeff2
0.90Aeff2≦Aeff≦1.12Aeff2
0.95Aeff2≦Aeff≦1.05Aeff2
共通ディプレスト型では、コア2および共通ディプレスト(すなわち第1クラッド3)を含む導波構造部分のみを考えた際のλccは、所望のλccよりも大きい値になっている。第1クラッド3の屈折率を基準とした第2クラッド4の比屈折率差を調整すると共に、ファイバ軸に直交する断面におけるコア2の中心と第2クラッド4との最短距離を調整することにより、高次モードが第2クラッド4に漏れる。このため、λccを所望の値に調整することができる。よって、コア2の半径raと共通の第1クラッド3を基準としたコア2の比屈折率差Δcoreは、λccに対して独立の値を自由にとることができる。加えて、MCF1によれば、SI型・matched cladding型やトレンチアシスト型のMCFに比べて、同じλccを実現したときのPCC hを低減することができる。
少なくともSI型やmatched cladding型に比べて、各コア2の閉じ込めを強めるためには、コア2および共通ディプレスト(すなわち第1クラッド3)を含む導波構造部分のみを考えた際のλccを、所望のλccの上限値よりも大きい値にすることが望ましい。共通ディプレスト型のMCFにおいてこれを実現するためには、コア2の半径をra[μm]、ケーブルカットオフ波長をλcc[nm]、第1クラッド3の屈折率を基準としたコア2の比屈折率差をΔcore[%]としたときに、以下の式により規定される条件3、条件4、条件5、または、条件6を満たすことが望ましい。
(条件3)
λcc[nm]≦1260[nm]
ra[μm]≧2.51(Δcore)-0.605[μm]
(条件4)
λcc[nm]≦1360[nm]
ra[μm]≧2.71(Δcore)-0.607[μm]
(条件5)
λcc[nm]≦1460[nm]
ra[μm]≧2.92(Δcore)-0.609[μm]
(条件6)
λcc[nm]≦1530[nm]
ra[μm]≧3.06(Δcore)-0.611[μm]
MCF1は、条件3、条件4、条件5、および、条件6を満たす。ここで、λccはケーブルカットオフ波長を[nm]の単位で表した数値、raは半径を[μm]の単位で表した数値、Δcoreは比屈折率差を[%]の単位で表した数値、を意味する。このとき、条件3から条件6の右辺の定数の係数が[μm]の単位となる。すなわち、条件3では、2.51[μm]、条件4では、2.71[μm]、条件5では、2.92[μm]、条件6では、3.06[μm]である。
図3は、コアの半径と第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差との関係を示すグラフである。図3の縦軸は、コアの半径ra[μm]を示す。図3の横軸は、第1クラッドの屈折率を基準としたコアの比屈折率差[%]を示す。図3には、λccが1.26μm、1.36μm、1.46μm、および、1.53μmの場合が示されている。つまり、図3に示される線は、条件3、条件4、条件5、および、条件6のそれぞれについて、2つの式の等号がいずれも成り立つ場合に相当する。これらの線から上の領域が望ましい領域である。
実際の光ファイバの屈折率分布は厳密にはSI型ではないことが多い。その場合には、非特許文献5に記載のESI(Equivalent Step index)近似に基づいて、等価的なSI型屈折率分布を算出することにより、SI型でないコアを持つMCFにも条件3、条件4、条件5、および、条件6を適用することができる。このとき、非特許文献5に記載の実効的な規格化周波数Veffと、ESI近似上のコア半径ρs、波長λ、コアの屈折率n1を用いて、ESI近似上のΔcoreであるΔcore,sは以下の式で表すことができる。
Figure 0007505664000001
ここで、Δcore,sは%単位であり、λとρsは同じ単位を用いるものとする。Veffとn1は無次元量である。ρsとΔcore,sを本願中のaとΔcoreに置き換えてもよい。
次に、図4を参照し、Δcoreごと、および、Λごとに、hとAeffとの関係を調べた結果について説明する。図4は、PCCと各コアのAeffとの関係を示すグラフである。図4の縦軸は、コア間のPCC[/km]を示す。図4の横軸は、Aeff[μm]を示す。図4には、コアの中心間隔Λが25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、および、50μmの場合が示されている。図4は、Δcoreが0.40%の場合である。図示を省略するが、Δcoreが0.30%以上1.00%以下の範囲でも同様にhとAeffとの関係を調べた。
この結果から、Λごとに異なるAeffでhは極小値となることがわかった。隣り合う2つのコア間の並行伝搬においてPCC hが極小値hminとなるAeffは、上述のAeff1で近似される。この近似は、少なくとも、Δcoreが0.30%以上1.00%以下、および、Λが20μm以上50μm以下の範囲で有効である。隣り合う2つのコアを伝搬する信号光の向きが同じ向きであることを、並行伝搬と呼ぶ。
図5および図6は、AeffがAeff1からどれだけ乖離すると、どれだけhが上昇するのかをプロットした図である。図5および図6の横軸は、Aeff/Aeff1を示す。図5および図6の縦軸は、10log10(h/hmin)を示す。hminは、各ΔcoreとΛの組合せごとのhの極小値を表す。図5では、Δcoreが0.35%以上1.00%以下、かつ、Λが25μm以上50μm以下の範囲の値がプロットされている。図6では、Δcoreが0.30%以上1.00%以下、かつ、Λが20μm以上50μm以下の範囲の値がプロットされている。
図5から、以下のことが確認できる。すなわち、
0.80Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
を満たすとき、hminに比べてhの増加量はdB値で、3dB以下に抑えられるので望ましい。
0.83Aeff1≦Aeff≦1.18Aeff1
を満たすとき、hminに比べてhの増加量はdB値で、1dB以下に抑えられるのでより望ましい。
0.90Aeff1≦Aeff≦1.12Aeff1
を満たすとき、hminに比べてhの増加量はdB値で、0.5dB以下に抑えられるので更により望ましい。
0.95Aeff1≦Aeff≦1.05Aeff1
を満たすとき、hminに比べてhの増加量はdB値で、0.1dB以下に抑えられるので最も望ましい。この結果は、上述の条件1aに対応する。
図6から、Δcoreの下限を0.30%まで広げると共に、Λの下限を20μmまで広げると、望ましいAeffの下限が特に狭まることが確認できる。すなわち、
0.88Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
を満たすとき、hminに比べてhの増加量はdB値で、3dB以下に抑えられるので望ましい。
0.90Aeff1≦Aeff≦1.18Aeff1
を満たすとき、hminに比べてhの増加量はdB値で、1dB以下に抑えられるのでより望ましく、
0.92Aeff1≦Aeff≦1.12Aeff1
を満たすとき、hminに比べてhの増加量はdB値で、0.5dB以下に抑えられるので更により望ましい。
0.96Aeff1≦Aeff≦1.05Aeff1
を満たすとき、hminに比べてhの増加量はdB値で、0.1dB以下に抑えられるので最も望ましい。この結果は、上述の条件2aに対応する。
非特許文献1に記載されるように、隣接コア間、すなわち、隣り合う2つのコアで信号光の伝搬方向を対向させることにより、隣接コア間のPCC及びXTを低減することができる。このとき、レイリー後方散乱起因のPCCであるPCCbsが極小値となるAeff、またはレイリー後方散乱起因のXTであるXTbsが極小値となるAeff、すなわち、対向伝搬においてPCC hが極小値hminとなるAeffは、上述のAeff2で近似される。この近似は、少なくとも、Δcoreが0.30%以上1.00%以下、および、Λが20μm以上50μm以下の範囲で有効である。隣り合う2つのコアを伝搬する信号光の向きが逆向きであることを、対向伝搬と呼ぶ。
Aeff2による上記近似から以下のことが確認できる。すなわち、
0.75Aeff2≦Aeff≦1.36Aeff2
を満たすとき、PCCbsの極小値からの増加量及びXTbsの極小値からの増加量はdB値で、3dB以下に抑えられるので望ましい。
0.85Aeff2≦Aeff≦1.18Aeff2
を満たすとき、PCCbsの極小値からの増加量及びXTbsの極小値からの増加量はdB値で、1dB以下に抑えられるのでより望ましい。
0.89Aeff2≦Aeff≦1.12Aeff2
を満たすとき、PCCbsの極小値からの増加量及びXTbsの極小値からの増加量はdB値で、0.5dB以下に抑えられるので更により望ましい。
0.95Aeff2≦Aeff≦1.05Aeff2
を満たすとき、PCCbsの極小値からの増加量及びXTbsの極小値からの増加量はdB値で、0.1dB以下に抑えられるので最も望ましい。この結果は、上述の条件1bに対応する。
Δcoreの下限を0.30%まで広げると共に、Λの下限を20μmまで広げると、望ましいAeffの下限が特に狭まることが確認できる。すなわち、
0.84Aeff2≦Aeff≦1.36Aeff2
を満たすとき、PCCbsの極小値からの増加量及びXTbsの極小値からの増加量はdB値で、3dB以下に抑えられるので望ましい。
0.88Aeff2≦Aeff≦1.18Aeff2
を満たすとき、PCCbsの極小値からの増加量及びXTbsの極小値からの増加量はdB値で、1dB以下に抑えられるのでより望ましい。
0.90Aeff2≦Aeff≦1.12Aeff2
を満たすとき、PCCbsの極小値からの増加量及びXTbsの極小値からの増加量はdB値で、0.5dB以下に抑えられるので更により望ましい。
0.95Aeff2≦Aeff≦1.05Aeff2
を満たすとき、PCCbsの極小値からの増加量及びXTbsの極小値からの増加量はdB値で、0.1dB以下に抑えられるので最も望ましい。この結果は、上述の条件2bに対応する。
以上説明したように、本実施形態に係るMCF1では、第1クラッド3が共通ディプレストとして機能する。MCF1では、条件1aまたは条件2aを満たすことにより、並行伝搬PCC及び並行伝搬XTを低減することができる。条件1bまたは条件2bを満たすことにより、対向伝搬PCC及び対向伝搬XTを低減することができる。すなわち、共通ディプレスト型であるMCF1では、SI型やmatched cladding型のMCFよりもPCC及びXTを低減することができる。また、各コア2のAeffを適切な範囲とすることで、PCC及びXTを極小値に近い値に抑えることができる。加えて、MCF1は、トレンチアシスト型や空孔アシスト型のように各コア2の個別の閉じ込め強化のための屈折率構造を有さないので、製造しやすく、かつ、PCC及びXTの低減が可能である。
以上、実施形態について説明してきたが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
図7は、変形例に係るMCFのファイバ軸に直交する断面および屈折率分布を示す図である。図7に示されるように、変形例に係るMCF1Aは、第3クラッド5を更に備える点で、図2に示されるMCF1と相違している。第3クラッド5は、第1クラッド3に取り囲まれている。第3クラッド5は、ファイバ軸に直交する断面において、隣り合う2つのコア2の中心間を結ぶ線分L上に、当該隣り合う2つのコア2のそれぞれから離間して配置されている。第3クラッド5は、複数のコア2のいずれも覆っていない。これにより、隣り合う2つのコア2間のPCC hを更に低減することができる。
第3クラッド5は、ファイバ軸に直交する断面において円形状を有している。これにより、製造が容易となる。本実施形態では、第3クラッド5の半径は、コア2の半径と同等であるが、コア2の半径と異なっていてもよい。第3クラッド5は、シリカ系ガラスを含む。第3クラッド5は、第1クラッド3の屈折率よりも低い屈折率を有し、低屈折率ピットとして機能する。第1クラッド3の屈折率を基準とした第3クラッド5の比屈折率差は、例えば、-0.8%以上-0.1%以下である。本変形例では、ファイバ軸に直交する断面において、第3クラッド5は、2つのコア2の中心から等距離に位置し、第3クラッド5の中心は、MCF1Aの中心と重なっている。
なお、本開示のMCFの特徴量や特性は、以下の方法で測定可能である。コア、第1クラッドおよび第2クラッドの屈折率は、例えば屈折ニアフィールド法や横方向干渉法で測定できる。伝送損失は、ITU-T G.650.1に記載の方法をMCFの各コアに適用することで測定できる。実効断面積は、例えばITU-T G.650.2(08/2015)のAppendix IIIに記載の方法で測定できる。隣り合う2つのコアのフ
ァイバ軸に直交する断面における中心間隔は、例えば屈折ニアフィールド法や横方向干渉法、MCF断面の顕微鏡観察画像(透過ニアフィールド法)から測定できる。
上記では、非結合型のMCFを例示して説明したが、これに限定されない。コア間XTを許容して、コア密度を高める結合型MCF(ランダム結合型MCFとも呼ばれる)においても、コア間の結合が強すぎると、コア間XTを補償する数値計算の難易度が上がる。そのため、コア間PCCを下げられるコア構造を採用することにより、コア密度を高める(コア間隔を狭める)ことができる。従って、非結合型MCFにおいても結合型MCFにおいても、経済的に実現可能な屈折率分布の範囲で、各コアに個別の光学特性を所望の値に維持しながら、コア間PCC及びコア間XTを低減できる。
1,1A…MCF
2…コア
3…第1クラッド
4…第2クラッド
5…第3クラッド
ra…コアの半径
L…線分
Λ…隣接コアの中心間隔
Δ…比屈折率差

Claims (20)

  1. 並行伝搬に用いられる共通ディプレスト型のマルチコア光ファイバであって、
    複数のコアと、
    複数の前記コアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、
    前記第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備え、
    前記第2クラッドの屈折率は、前記コアの屈折率よりも低く、かつ、前記第1クラッドの屈折率よりも高く、
    波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下であり、
    波長1550nmにおける前記コアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つの前記コアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、前記第1クラッドの屈折率を基準とした前記コアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
    Aeff1=18.6-4.63ln(Δcore)+1.24Λ+24.1[ln(Δcore)]-6.05×10-3Λ-0.858Λln(Δcore)
    で定義されるAeff1[μm]を用いて、以下の条件1aを満たす、マルチコア光ファイバ。
    0.35[%]≦Δcore[%]≦1.00[%]
    25[μm]≦Λ[μm]≦50[μm]
    0.80Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
  2. 前記条件1aは、以下の式により更に規定される、請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.83Aeff1≦Aeff≦1.18Aeff1
  3. 前記条件1aは、以下の式により更に規定される、請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.90Aeff1≦Aeff≦1.12Aeff1
  4. 前記条件1aは、以下の式により更に規定される、請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.95Aeff1≦Aeff≦1.05Aeff1
  5. 並行伝搬に用いられる共通ディプレスト型のマルチコア光ファイバであって、
    複数のコアと、
    複数の前記コアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、
    前記第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備え、
    前記第2クラッドの屈折率は、前記コアの屈折率よりも低く、かつ、前記第1クラッドの屈折率よりも高く、
    波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下であり、
    波長1550nmにおける前記コアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つの前記コアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、前記第1クラッドの屈折率を基準とした前記コアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
    Aeff1=18.6-4.63ln(Δcore)+1.24Λ+24.1[ln(Δcore)]-6.05×10-3Λ-0.858Λln(Δcore)
    で定義されるAeff1[μm]を用いて、以下の条件2aを満たす、マルチコア光ファイバ。
    0.30[%]≦Δcore[%]≦0.35[%]
    20[μm]≦Λ[μm]≦25[μm]
    0.88Aeff1≦Aeff≦1.35Aeff1
  6. 前記条件2aは、以下の式により更に規定される、請求項5に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.90Aeff1≦Aeff≦1.18Aeff1
  7. 前記条件2aは、以下の式により更に規定される、請求項5に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.92Aeff1≦Aeff≦1.12Aeff1
  8. 前記条件2aは、以下の式により更に規定される、請求項5に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.96Aeff1≦Aeff≦1.05Aeff1
  9. 対向伝搬に用いられる共通ディプレスト型のマルチコア光ファイバであって、
    複数のコアと、
    複数の前記コアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、
    前記第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備え、
    前記第2クラッドの屈折率は、前記コアの屈折率よりも低く、かつ、前記第1クラッドの屈折率よりも高く、
    波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下であり、
    波長1550nmにおける前記コアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つの前記コアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、前記第1クラッドの屈折率を基準とした前記コアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
    Aeff2=19.2-3.01ln(Δcore)+1.40Λ+25.6[ln(Δcore)]-7.72×10-3Λ-0.980Λln(Δcore)
    で定義されるAeff2[μm]を用いて、以下の条件1bを満たす、マルチコア光ファイバ。
    0.35[%]≦Δcore[%]≦1.00[%]
    25[μm]≦Λ[μm]≦50[μm]
    0.75Aeff2≦Aeff≦1.36Aeff2
  10. 前記条件1bは、以下の式により更に規定される、請求項9に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.85Aeff2≦Aeff≦1.18Aeff2
  11. 前記条件1bは、以下の式により更に規定される、請求項9に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.89Aeff2≦Aeff≦1.12Aeff2
  12. 前記条件1bは、以下の式により更に規定される、請求項9に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.95Aeff2≦Aeff≦1.05Aeff2
  13. 対向伝搬に用いられる共通ディプレスト型のマルチコア光ファイバであって、
    複数のコアと、
    複数の前記コアをそれぞれ取り囲む共通の第1クラッドと、
    前記第1クラッドを取り囲む第2クラッドと、を備え、
    前記第2クラッドの屈折率は、前記コアの屈折率よりも低く、かつ、前記第1クラッドの屈折率よりも高く、
    波長1550nmにおける伝送損失は、0.22dB/km以下であり、
    波長1550nmにおける前記コアの実効断面積をAeff[μm]、隣り合う2つの前記コアのファイバ軸に直交する断面における中心間隔をΛ[μm]、前記第1クラッドの屈折率を基準とした前記コアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、
    Aeff2=19.2-3.01ln(Δcore)+1.40Λ+25.6[ln(Δcore)]-7.72×10-3Λ-0.980Λln(Δcore)
    で定義されるAeff2[μm]を用いて、以下の条件2bを満たす、マルチコア光ファイバ。
    0.30[%]≦Δcore[%]≦0.35[%]
    20[μm]≦Λ[μm]≦25[μm]
    0.84Aeff2≦Aeff≦1.36Aeff2
  14. 前記条件2bは、以下の式により更に規定される、請求項13に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.88Aeff2≦Aeff≦1.18Aeff2
  15. 前記条件2bは、以下の式により更に規定される、請求項13に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.90Aeff2≦Aeff≦1.12Aeff2
  16. 前記条件2bは、以下の式により更に規定される、請求項13に記載のマルチコア光ファイバ。
    0.95Aeff2≦Aeff≦1.05Aeff2
  17. 前記コアの半径をra[μm]、ケーブルカットオフ波長をλcc[nm]、前記第1クラッドの屈折率を基準とした前記コアの比屈折率差をΔcore[%]としたときに、条件3、条件4、条件5、または、条件6が満たされる、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバ。
    前記条件3は、以下の式により規定される。
    λcc[nm]≦1260[nm]
    ra≧2.51(Δcore)-0.605μm
    前記条件4は、以下の式により規定される。
    λcc[nm]≦1360[nm]
    ra≧2.71(Δcore)-0.607[μm]
    前記条件5は、以下の式により規定される。
    λcc[nm]≦1460[nm]
    ra≧2.92(Δcore)-0.609[μm]
    前記条件6は、以下の式により規定される。
    λcc[nm]≦1530[nm]
    ra≧3.06(Δcore)-0.611[μm]
  18. 前記第1クラッドに取り囲まれた第3クラッドを更に有し、
    前記第3クラッドは、ファイバ軸に直交する断面において、隣り合う2つの前記コアの中心間を結ぶ線分上に前記隣り合う2つの前記コアのそれぞれから離隔して配置され、
    前記第3クラッドの屈折率は、前記第1クラッドの屈折率よりも低い、
    請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバ。
  19. ファイバ軸に直交する断面において、前記第3クラッドは円形状を有している、
    請求項18に記載のマルチコア光ファイバ。
  20. 前記複数のコア、前記第1クラッド、および、前記第2クラッドは、シリカ系ガラスを含む、
    請求項1から請求項16のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバ。
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