JP7500673B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、および該電子写真感光体を有する電子写真装置に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体として、電荷発生物質となる有機光導電性物質を含有するものが広く使用されている。近年、電子写真感光体の長寿命化や繰り返し使用時の高画質化を目的として、電子写真感光体の機械的耐久性すなわち、耐摩耗性の向上が求められている。
一方で、電子写真感光体の耐摩耗性が向上すると、帯電工程において感光体と帯電部材との間で生ずる放電によって生成される放電生成物や水分が電子写真感光体の表面に残留する。この放電生成物や水分によって、電子写真感光体上に形成された静電潜像が崩れるため、紙等の出力画像上で所望の静電潜像が崩れる、画像流れと呼ばれる現象が生じることがある。
電子写真感光体の表面における放電によってオゾンや窒素酸化物等の酸化性ガスが生じ、この酸化性ガスにより、電子写真感光体の表面層に用いられている材料が劣化して放電生成物が発生する。また、水分の吸着によって電子写真感光体の表面が低抵抗化する。これらの要素が画像流れを生じる原因であると考えられている。
そして、電子写真感光体の表面の耐摩耗性が高くなるほど、上記放電生成物や水分等の、画像流れを生ずる原因物質の除去がなされにくくなり、画像流れが発生しやすくなる。
画像流れを改善する技術として、電子写真感光体の表面層に導電性粒子を含有させて、電子写真感光体の表面層の体積抵抗率を制御する方法が挙げられる。
電子写真感光体の表面には、帯電工程において帯電部材から電圧が印加されることによって、暗部電位が形成される。この暗部電位の形成のための帯電は、2種類の過程でなされていると考えられる。一つは、パッシェンの法則にのっとり、帯電部材と電子写真感光体表面との間の空気層が絶縁破壊されたときに電子写真感光体の表面の帯電が進行する過程である。もう一つの過程では、電子写真感光体と帯電部材と間の接触電位が十分に小さいとき、印加した電圧によって放電することなく、帯電部材から電子写真感光体の表面に電荷が注入される注入帯電によって帯電する。
表面層に導電性粒子を含有させて体積抵抗率を制御することで、帯電工程における帯電部材から電子写真感光体への注入帯電に過程による帯電の割合を高くすることができる。すなわち、電子写真感光体の注入帯電性を高めることができ、これにより放電を抑制することができる。
特許文献1には、電子写真感光体の保護層(表面層)に、硬化性化合物を反応させて得られる成分と、ニオブ原子を含有したアナターゼ型の酸化チタンとを含有させる技術が開示されている。当該技術により、電子写真感光体を長期間にわたって使用した場合おけるクリーニング性能が向上することが、特許文献1に記載されている。
また、特許文献2には、静電潜像担持体(電子写真感光体)の表面保護層(表面層)に、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化インジウムスズのようなN型半導体粒子を含有させる技術が開示されている。当該技術により、2成分現像剤を用いた場合におけるスキャベンジング現象を抑制することが特許文献2では提案されている。
さらに、特許文献3には、電子写真感光体の保護層(表面層)に、金属酸化物と、結着樹脂としての光硬化性樹脂と、およびシリコーン側鎖を有する光反応性グラフトポリマーとを含有させる技術が開示されている。当該技術によって、電子写真感光体表面の滑り性が向上し、クリーニングブレードを当接させるクリーニング方法によって、感光体表面に付着した、酸性ガスによって生じる親水性物質を適度に除去することが可能になると、特許文献3に記載されている。
特開2009-229495号公報 特開2018-128515号公報 特開2015-132639号公報
特許文献1~3に開示された技術では、表面層に導電性粒子が含有され、表面層の体積抵抗率を制御することが可能な構成が用いられているものの、画像流れに対して十分な抑制効果が得られない場合があった。また、特許文献1に記載の電子写真感光体においては、帯電均一性に改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、画像流れの抑制および帯電均一性に優れた電子写真感光体を提供することにある。さらには、上記電子写真感光体を搭載したプロセスカートリッジ、および、上記プロセスカートリッジを備えた電子写真装置を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。本発明の一態様に係る電子写真感光体は、導電性支持体と、感光層と、保護層とを有する電子写真感光体であって、該保護層は、導電性粒子を含有し、該導電性粒子の表面は、チタン原子およびニオブ原子を含有する金属酸化物を有し、該金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比は、0.01以上0.20以下であり、該導電性粒子は、ケイ素原子を有する化合物で表面処理されており、該保護層における該導電性粒子の含有割合は、該保護層の全体積に対して5体積%以上40体積%未満であり、該保護層の表面における、X線光電子分光分析により決定される炭素原子の相対濃度d(C)、酸素原子の相対濃度d(O)、チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)の合計を100.0atomic%としたとき、下記式(1)~(3)を満たす、ことを特徴とする。
0<d(Ti)≦ 2.0・・・(1)
0<d(Si)≦ 8.0・・・(2)
0.01≦d(Ti)/d(Si)≦ 1.0・・・(3)
また、本発明の別の態様に係るプロセスカートリッジは、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、および、クリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
さらに、本発明のまた別の態様に係る電子写真装置は、上記電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、および転写手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、画像流れの抑制および帯電均一性に優れた電子写真感光体、係る電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、および係る電子写真感光体を有する電子写真装置を提供することができる。
本発明に係る電子写真感光体の構成の一例を示す概略図である。 電子写真感光体の体積抵抗率に測定に用いる櫛型電極の一例を示す図である。 帯電保持性の評価における電位測定の結果の例を示す図である。 帯電保持性の評価における算出方法を説明するための図である。 本発明に係る電子写真感光体を搭載したプロセスカートリッジ、および該プロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明に係る実施例に用いたニオブ含有酸化チタンの一例の走査透過型電子顕微鏡(STEM)の画像図である。 本発明に係る実施例に用いたニオブ含有酸化チタンの一例の模式図である。
本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体と、感光層と、保護層とを有する電子写真感光体であって、該保護層は、導電性粒子を含有し、該導電性粒子の表面は、チタン原子およびニオブ原子を含有する金属酸化物を有し、該金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比は、0.01以上0.20以下であり、該導電性粒子は、ケイ素原子を有する化合物で表面処理されており、該保護層における該導電性粒子の含有割合は、該保護層の全体積に対して5体積%以上40体積%未満であり、
該保護層の表面における、X線光電子分光分析により決定される炭素原子の相対濃度d(C)、酸素原子の相対濃度d(O)、チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)の合計を100.0atomic%としたとき、下記式(1)~(3)を満たす、ことを特徴とする。
0<d(Ti)≦ 2.0・・・(1)
0<d(Si)≦ 8.0・・・(2)
0.01≦d(Ti)/d(Si)≦ 1.0・・・(3)
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載のニオブ原子を含有したアナターゼ型の酸化チタンは、表面におけるニオブ原子の含有量が少ない。そのため、導電性粒子として表面抵抗が最適とはいえず、電子写真感光体の注入帯電性が低かった。また、特許文献1で用いられているニオブ原子を含有したアナターゼ型の酸化チタンは、表面処理されていないために疎水性が低く、保護層内における分散性に改善の余地があった。そのため、保護層表面における導電性粒子の露出の程度が高くなり、水分の吸着によって保護層の抵抗が低下することで、画像流れを生ずることがあった。さらに、保護層表面において導電性粒子が不均一に露出することで、帯電均一性が低くなる場合があった。
また、特許文献2に記載の技術では、表面保護層の表面における導電性粒子としてのN型半導体粒子の露出の程度が高く、高湿度環境下において画像流れを生ずることがあった。
さらに、特許文献3に記載の技術では、電子写真感光体の表面における導電性粒子の露出の程度が低いために電子写真感光体の注入帯電性が低く、長期の使用において放電生成物が蓄積して画像流れを生ずることがあった。
本発明者らは、本発明に係る電子写真感光体が画像流れの抑制に優れる理由を以下のように推測している。
先に述べたように、電子写真感光体の表面において、放電によってオゾンや窒素酸化物等の酸化性ガスが生じ、この酸化性ガスにより電子写真感光体の表面層に用いられている材料が劣化して放電生成物が発生する。この電子写真感光体の表面における放電生成物の発生、および電子写真感光体の表面への水分の吸着によって電子写真感光体の表面における体積抵抗率が低下する。この電子写真感光体の表面における体積抵抗率の低下により、画像流れが生ずると考えられている。
そして、電子写真感光体の表面層に導電性粒子を含有させることで表面層の体積抵抗率を制御し、注入帯電性を高めることで、帯電工程における電子写真感光体の表面における放電を抑制することができる。これにより、画像流れを生ずる原因となる放電生成物の発生を抑制することができると考えられる。
しかし、注入帯電性を高めるために、表面層における導電性粒子の露出の程度を高くした場合には、高湿度環境下において水分が吸着しやすくなる。そのため、高湿度環境下において画像流れを十分に抑制できない場合があった。
したがって、注入帯電性を十分に高くできる程度に導電性粒子を表面に露出させた状態において、さらに高湿度環境下での水分吸着を抑制する必要があると考えられる。
本発明者らは鋭意検討の結果、上記の構成を有する本発明に係る電子写真感光体により、注入帯電性の向上と、高湿度環境下における水分吸着の抑制との両立が可能であることを見出した。
すなわち、本発明で用いられる導電性粒子は、好適な表面抵抗を有し、本発明に係る電子写真感光体は、この導電性粒子を保護層(表面層)に適切な量で含有する。これにより、電子写真感光体の保護層の体積抵抗率が制御され、帯電工程における帯電部材から電子写真感光体への注入帯電性を高めることができ、放電を抑制することができる。また、本発明に係る電子写真感光体では、保護層の表面における導電性粒子の露出の程度が適切に制御されており、また、導電性粒子の表面が十分に疎水化処理されている。これにより、均一な帯電性を維持しながら、高湿度環境下における電子写真感光体の表面への水分吸着を抑制することができる。
なお、電子写真感光体の帯電工程において、印加電圧に対する暗部電位の比が高いほど、注入帯電性が高く、帯電工程における放電が抑制されていること示す。したがって、電子写真感光体の注入帯電性は、電子写真感光体の表面に印加した電圧に対する、電子写真感光体の表面における暗部電位の比を求めることで評価することができる。
本発明に係る電子写真感光体は、注入帯電性を上記に従って評価したとき、0.75以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましく、0.90以上であることがさらに好ましい。
以下、本発明に係る電子写真感光体の具体的な構成について説明する。
図1は、本発明に係る電子写真感光体の構成の一例を示す図である。図1に示す電子写真感光体は、導電性支持体21と、下引き層22と、電荷発生層23と、電荷輸送層24と、表面層としての保護層25と、を有する。
図1には、電子写真感光体が有する感光層が、電荷発生層23と、電荷輸送層24とからなる積層型感光層である例を示しているが、感光層は、後述の単層型感光層であってもよい。
また、電子写真感光体は、下引き層22を有しない構成であってもよく、さらに、導電性支持体21と、下引き層22あるいは感光層との間に後述の導電層を有する構成であってもよい。
<保護層(表面層)>
保護層は、導電性粒子を含有する。
保護層が含有する導電性粒子の表面は、チタン原子およびニオブ原子を含有する金属酸化物を有し、該金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比は、0.01以上0.20以下である。
導電性粒子が、チタン原子およびニオブ原子を上記の原子濃度比で有する金属酸化物を有することで、導電性粒子の表面抵抗を好適なものとすることができる。これにより高湿度環境下における電子写真感光体への水分吸着の抑制と、電子写真感光体の注入帯電性の向上とを両立することが可能となる。
上記金属酸化物中のチタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比が0.01以上であれば、保護層と帯電部材との間の接触電位が小さくなる。これにより電子写真感光体の表面を均一に帯電することができ、また、電子写真感光体の注入帯電性が向上する。上記金属酸化物中のチタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比が0.20以下であれば、導電性粒子の抵抗率が大きくなり過ぎることが無く、電子写真感光体の注入帯電性の低下を抑制することができる。
上記金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比は、0.03以上0.18以下であることが好ましい。
上記金属酸化物は、ニオブ原子を含有する酸化チタンであることが好ましい。
導電性粒子がその表面に有する金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比は、次のようにして決定することができる。
まず、X線光電子分光分析(XPS)により、導電性粒子の表面組成分析を行い、得られた結果に基づいて各原子の含有率を算出する。XPSの装置および測定条件は、以下の通りである。
使用装置:アルバック-ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
X線源:Al-Kα
X線条件:100μm、25W、15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
以上の条件により測定を行い、炭素1s軌道のC-C結合に由来するピークを285eVに補正する。その後、100eV以上103eV以下にピークトップが検出される原子のピーク面積に対し、アルバック-ファイ社提供の相対感度因子を適用する。チタン原子およびニオブ原子の各スペクトルピークについて積分および換算を行って、チタン原子濃度およびニオブ原子濃度を算出する。得られた各原子濃度の値から、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比を算出する。
導電性粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、および酸化インジウム等の金属酸化物からなる粒子の表面に、チタン原子およびニオブ原子を含有する金属酸化物を有するようにしたものが挙げられる。具体的には、例えば、チタン原子を有する金属酸化物の粒子に、ニオブ原子やニオブ酸化物をドーピングしたものが挙げられる。
導電性粒子として、特に好ましいのは、ニオブ原子を含有し、且つニオブが粒子表面近傍に偏在した構成である酸化チタン粒子である。ニオブ原子が表面近傍に偏在することで、電荷を効率的に授受できるためである。より具体的には、粒子の中心における、“ニオブ原子濃度/チタン原子濃度”で算出される濃度比率に対して、粒子の表面から粒子の最大径の5%内部における、“ニオブ原子濃度/チタン原子濃度”で算出される濃度比率が、2.0倍以上となる酸化チタン粒子である。なお、ニオブ原子濃度、チタン原子濃度は、EDS分析装置(エネルギー分散型X線分析装置)を接続した走査透過型電子顕微鏡(STEM)により得られる。本発明の実施例で用いた酸化チタン粒子の一例(X1)のTEM像を図6に示す。また図6のSTEM像を模式的に図7に示す。詳細は後述するが、本発明に係る実施例で使用しているニオブ含有酸化チタン粒子は、酸化チタン粒子に、ニオブ含有酸化チタンを被覆した後に焼成することで作製される。そのため、被覆されたニオブ含有酸化チタンは、芯材の酸化チタンの結晶に沿って、所謂エピタキシャル成長によりニオブドープ酸化チタンとして結晶成長をすると考えられる。このようにして作製したニオブを含有した酸化チタンは、図6に示すように粒子中心部の密度と比べ、表面近傍での密度が小さく、コアシェル様の形態に制御されている。
図6のSTEM像を模式的に図7に示す。このようなニオブ含有酸化チタン粒子は、粒子の表面近傍32のニオブ/チタン原子濃度比が、粒子の中心部31のニオブ/チタン原子濃度比よりも大きく、ニオブ原子が粒子表面近傍に偏在している。具体的には、粒子の中心部31におけるニオブ/チタン原子濃度比率に対して、粒子の表面から粒子の最大径の5%内部におけるニオブ/チタン原子濃度比率が、2.0倍以上である。上記ニオブ/チタン原子濃度比率の比を2.0倍以上にすることで、電荷が保護層内を移動しやすくなり、電荷注入性を高めることができる。上記ニオブ/チタン原子濃度比率の比が2.0倍未満であると、電荷の授受が行われ難くなる。
STEMによるEDS分析としては、透過型電子顕微鏡により観察し、EDS分析により、ニオブ/チタン原子濃度比率を測定する。粒子の中心部を分析するX線33により、粒子の中心部31におけるニオブ/チタン原子濃度比率を測定することができる。また、粒子の表面から一次粒子径の5%内部を分析するX線34により、粒子の表面から粒子の最大径の5%内部におけるニオブ/チタン原子濃度比率を測定することができる。また、電子写真感光体をミクロトームやArミリング、FIBなどの手段で薄片化することで、電子写真感光体から直接ニオブ/チタン原子濃度比率を測定することもできる。
保護層が含有する導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられ、その中でも酸化チタンが好ましい。特にアナターゼ型の酸化チタンであると、保護層内での電荷移動が円滑になり、電荷注入が良好になる。アナターゼ型の酸化チタンはアナターゼ化度が90%以上であることが好ましい。金属酸化物粒子には、ニオブやリン、アルミニウムなどの原子やその酸化物をドーピングしてもよく、特に好ましくは、ニオブを含有し、且つニオブが粒子表面近傍に偏在した構成である酸化チタン粒子である。ニオブが表面近傍に偏在することで、電荷を効率的に授受することができる。このような導電性粒子を用いることで、導電性粒子の表面に接触した帯電部材から電荷が注入されやくなると共に、保護層内を電荷が移動しやすくなり、電子写真感光体の表面の抵抗率の低下を抑制する効果を高く得ることができる。
導電性粒子としては、球体状、多面体状、楕円体状、薄片状、針状等、種々の形状のものを用いることができる。これらの中でも、黒ポチ等の画像欠陥が少ないという観点から、球体状、多面体状、楕円体状のものが好ましく、球体状または球体状に近い多面体状のものであることがより好ましい。
導電性粒子は、60nm以上150nm以下の個数平均粒径を有することが好ましい。導電性粒子が60nm以上の個数平均粒径を有することで、導電性粒子の比表面積が大きくなりすぎず、電子写真感光体の表面に露出した導電性粒子への水分吸着を抑制することができる。導電性粒子が150nm以下の個数平均粒径を有することで、保護層内における導電性粒子の分散性を高くすることができる。また、保護層中の結着樹脂との界面の面積を高くすることができることから、導電性粒子と結着樹脂との間の抵抗が小さくなり、電荷の移動効率が高くなることで、電子写真感光体の注入帯電性が向上する。
また、導電性粒子は、シランカップリング剤やシリコーン樹脂等のケイ素原子を有する化合物で表面処理されている。この表面処理によって、導電性粒子の疎水性を高くする。また、この表面処理によって保護層中における導電性粒子の不均一な分散を抑制することで、電子写真感光体の表面における導電性粒子の過度な露出に伴う低抵抗化を抑制する。これらにより、高湿度環境下における電子写真感光体の表面への水分の吸着を抑制することができる。
導電性粒子の表面処理に用いられるケイ素原子を有する化合物は、炭素数が12以下のアルキル基を含有することが好ましい。
導電性粒子の表面処理には、シランカップリング剤が好適に用いられる。シランカップリング剤としては下記式(A)で示される化合物を用いてもよい。
Figure 0007500673000001
式(A)中、R~Rは、それぞれ独立に、アルコキシ基またはアルキル基を示す。ただし、R~Rの少なくとも2つはアルコキシ基である。Rは、炭素数12以下のアルキル基である。
式(A)で示される化合物としては、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、シランカップリング剤としては、式(A)で示される化合物以外のシランカップリング剤、例えば、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N-エチルアミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N-メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を、式(A)で示される化合物と併用してもよい。
導電性粒子を表面処理する方法には、一般的な方法が用いられる。例えば、乾式法や湿式法が挙げられる。
乾式法は、導電性粒子をヘンシェルミキサーのような高速攪拌可能なミキサーの中で攪拌しながら、表面処理剤を含有するアルコール水溶液、有機溶媒溶液、または水溶液を添加し、均一に分散させた後に乾燥を行うものである。
また、湿式法は、導電性粒子と表面処理剤とを溶剤中で攪拌、またはガラスビーズ等を用いてサンドミル等で溶剤中に分散するものであり、分散後、ろ過、または減圧留去により溶剤除去が行われる。溶剤の除去後は、さらに100℃以上で焼き付けを行うことが好ましい。
保護層は、その表面に存在する炭素原子、酸素原子、チタン原子、ニオブ原子、およびケイ素原子の原子濃度が特定の条件を満たすという特徴を有する。すなわち、保護層の表面における、X線光電子分光分析により決定される、炭素原子の相対濃度d(C)、酸素原子の相対濃度d(O)、チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)の合計を100.0atomic%としたとき、下記式(1)~(3)を満たす。
0<d(Ti)≦2.0・・・(1)
0<d(Si)≦8.0・・・(2)
0.01≦d(Ti)/d(Si)≦1.0・・・(3)
d(Ti)が2.0atomic%以下であれば、電子写真感光体の表面における導電性粒子の露出の程度が高くなり過ぎず、高湿度環境下における電子写真感光体の表面への水分の吸着を抑制することができる。d(Ti)が0より大きいことで、電子写真感光体の表面に露出している導電性粒子が存在し、電子写真感光体の表面と帯電部材との接触電位が小さくなることで、電子写真感光体の注入帯電性が向上する。
d(Si)が8.0atomic%以下であれば、ケイ素原子を有する化合物による表面処理された導電性粒子の、電子写真感光体の表面における露出の程度が過剰でない。また、後述する保護層中のケイ素原子を有する疎水性の樹脂成分の割合が高くなり過ぎない。そのため、電子写真感光体の注入帯電性が低下することを抑制することができる。d(Si)が0より大きいことで、ケイ素原子を有する化合物により疎水化処理された導電性粒子が電子写真感光体の表面に露出している、あるいは結着樹脂がケイ素原子を有する疎水性の樹脂成分を含んでいることとなる。これにより、高湿度環境下における電子写真感光体の表面への水分の吸着を抑制することができる。
d(Ti)/d(Si)が0.01以上であれば、導電性粒子のケイ素原子を有する化合物による表面処理が過剰でなく、保護層の抵抗率が高くなりすぎることを抑制でき、電子写真感光体の注入帯電性の低下を抑制することができる。d(Ti)/d(Si)が1.0以下であれば、導電性粒子の表面に対する保護層中の結着樹脂の濡れ性を十分高くすることができ、保護層中の導電性粒子の分散性が向上する。これにより電子写真感光体の帯電均一性が向上し、また、電子写真感光体の表面における導電性粒子の過度な露出を抑制することで、高湿度環境下における電子写真感光体の表面への水分の吸着を抑制することができる。
保護層における導電性粒子の含有割合は、保護層の全体積に対して5体積%以上40体積%未満である。保護層における導電性粒子の含有割合が5体積%以上であれば、電子写真感光体の注入帯電性を十分に向上させることができる。また、保護層における導電性粒子の含有割合が40体積%未満であれば、高湿度環境下における電子写真感光体の表面への水分の吸着を抑制することができる。
保護層は、重合性官能基を有する化合物の重合物および樹脂を含有してもよい。重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基、アルコキシシリル基、シラノール基等が挙げられる。重合性官能基を有する化合物として、電荷輸送能を有するモノマーを用いてもよい。重合性官能基を有する化合物は、連鎖重合性官能基と同時に電荷輸送性構造を有していてもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応等が挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
また、保護層は、ケイ素原子を有する樹脂を含有してもよい。
保護層が含有してもよいケイ素原子を有する樹脂としては、シリコーンオイルが挙げられる。シリコーンオイルとしては、例えば、ストレートシリコーンオイルや変性シリコーンオイルが挙げられる。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等が挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、反応性シリコーンオイルとして、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、非反応性シリコーンオイルとして、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、エステル変性、フッ素変性等が挙げられる。さらに、ケイ素原子を有する樹脂として、ポリジメチルシロキサン構造を側鎖や主鎖に導入したブロックポリマーやグラフトポリマーを使用してもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、等の添加剤を含有してもよい。具体的には、添加剤としては、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
保護層は、上記の各材料および溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を感光層上に形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
保護層の膜厚は、0.2μm以上5μm以下であることが好ましく、0.5μm以上3μm以下であることがより好ましい。
保護層は、電子写真感光体の帯電保持性の観点から、体積抵抗率について次の条件を満たすことが好ましい。すなわち、23℃50%RHの雰囲気下における保護層の体積抵抗率をA[Ω・cm]、32.5℃80%RHの雰囲気下における保護層の体積抵抗率をB[Ω・cm]としたとき、下記式(4)から(6)を満たすことが好ましい。
11≦logA≦14・・・(4)
11≦logB≦14・・・(5)
0<log(A/B)≦2.0・・・(6)
logAが11以上であれば、23℃50%RHの雰囲気下における電子写真感光体の表面への水分吸着を抑制することができる。logAが14以下であれば、保護層の抵抗率が高すぎず、電子写真感光体の注入帯電性の低下を抑制することができる。
logBが11以上であれば、32.5℃80%RHの雰囲気下における電子写真感光体の表面への水分吸着を抑制することができる。logBが14以下であれば、保護層の抵抗率が高すぎず、電子写真感光体の注入帯電性の低下を抑制することができる。温湿度環境の変化に伴う体積抵抗率の変動の影響を軽減するため、log(A/B)が2.0以下であることが好ましい。より好ましくは、log(A/B)が1.5以下である。
この測定では、微小な電流量を測定するため、抵抗測定装置としては、微小電流の測定が可能な機器を用いて行うことが好ましい。例えば、微小電流の測定が可能な抵抗測定装置としては、ヒューレットパッカード製のピコアンメーター4140B等が挙げられる。使用するくし型電極や、印加する電圧は、保護層の材料や抵抗値によって、適切なSN比が得られるように選定することが好ましい。
保護層は、9.5以上の帯電保持性を有することが好ましく、10.0以上の帯電保持性を有することがより好ましい。ここで、帯電保持性は電子写真感光体の表面に矩形波状の電荷を印加して、その形状の時間変化を測定することで得られる値である。
帯電保持性の値を決定することにより、電子写真感光体の表面における電荷の安定保持性、つまり電子写真感光体の表面に形成された静電潜像の安定性を簡易的に評価することができる。画像流れは、静電潜像が乱れることによって発生することから、帯電保持性を評価することで、画像流れの抑制の程度を評価することができる。
<支持体>
本発明に係る電子写真感光体が有する支持体は、導電性を有する導電性支持体である。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状等が挙げられる。中でも、円筒状であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化等の電気化学的な処理、ブラスト処理、切削処理等を施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラス等が好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレス、これらの合金等が挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、支持体の材質として樹脂やガラスを用いる場合には、導電性材料を混合または被覆する等の処理によって、導電性を付与する。
<導電層>
本発明に係る電子写真感光体において、導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラック等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、硫酸バリウム等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等が挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤等で処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウム等元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、金属酸化物からなる粒子を酸化スズや酸化チタンなどの金属酸化物で被覆する積層構成としてもよい。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その個数平均粒径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタン等の隠蔽剤等をさらに含有してもよい。
導電層は、上記の各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
導電層の膜厚は、1μm以上40μm以下であることが好ましく、3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
<下引き層>
本発明において、下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基等が挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子等をさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物等が挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等が挙げられる。金属としては、金、銀、アルミ等が挙げられる。
下引き層に含まれる金属酸化物粒子は、シランカップリング剤等の表面処理剤を用いて表面処理して用いてもよい。金属酸化物粒子を表面処理する方法は、一般的な方法が用いられる。たとえば、乾式法や湿式法が挙げられる。
乾式法は、金属酸化物粒子をヘンシェルミキサーのような高速攪拌可能なミキサーの中で攪拌しながら、表面処理剤を含有するアルコール水溶液、有機溶媒溶液、または水溶液を添加し、均一に分散させた後に乾燥を行うものである。
また、湿式法は、金属酸化物粒子と表面処理剤とを溶剤中で攪拌、またはガラスビーズ等を用いてサンドミル等で溶剤中に分散するものであり、分散後、ろ過、または減圧留去により溶剤除去が行われる。溶剤の除去後は、さらに100℃以上で焼き付けを行うことが好ましい。
下引き層には、さらに添加剤を含有させてもよく、例えば、アルミニウム等の金属粉体、カーボンブラック等の導電性物質、電荷輸送物質、金属キレート化合物、有機金属化合物等の公知の材料を含有させることができる。
電荷輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物等が挙げられる。電荷輸送物質として、重合性官能基を有する電荷輸送物質を用い、上記の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
下引き層は、上記の各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体または導電層上に形成し、乾燥および/または硬化させることで形成することができる。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物等の有機溶剤が挙げられる。本発明においては、アルコール系、ケトン系溶剤を用いることが好ましい。
下引き層用塗布液を調製するための分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましい。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する感光層である。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層である。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1-1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、等が挙げられる。
電荷発生層は、上記の各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
(1-2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、これらの物質から誘導される基を有する樹脂等が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤等の添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子等が挙げられる。
電荷輸送層は、上記の各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を電荷発生層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂および溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
単層型感光層の膜厚は、10μm以上45μm以下であることが好ましく、25μm以上35μm以下であることがより好ましい。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明に係るプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明に係る電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、および転写手段とを有することを特徴とする。
図5に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
円筒状(ドラム状)の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。なお、図5においては、ローラー型帯電部材によるローラー帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式等の帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
露光光4は、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光であり、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段から出力される。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。
電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
電子写真装置は、転写後の電子写真感光体の表面に残ったトナー等の付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段9を別途設けず、上記付着物を現像手段5等で除去する、いわゆる、クリーナーレスシステムを用いてもよい。
例えば以下のように構成する。帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを、電子写真感光体とともに一体に支持してカートリッジ化する。これを、電子写真装置本体のレール等の案内手段12を用いて、電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
電子写真装置は、電子写真感光体の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、プロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レール等の案内手段12を設けてもよい。
本発明に係る電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、および、これらの複合機等に用いることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、種々の変更がなされてもよく、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
以下、本発明に係る電子写真感光体や導電性粒子の各物性の測定方法を説明する。
<電子写真感光体の物性測定>
<導電性粒子の一次粒子径の算出>
まず、メスシリンダー中のメチルエチルケトン(MEK)に電子写真感光体全体を浸けて超音波を照射し、樹脂層を剥がし、その後、電子写真感光体の支持体を取り出した。次に、MEKに溶解しない不溶分(感光層および導電性粒子を含有する保護層)を濾過し、真空乾燥機で乾固した。さらに、得られた固体をテトラヒドロフラン(THF)/メチラールの体積比1:1の混合溶媒に懸濁し、不溶分を濾過後、濾物を回収して真空乾燥機で乾固した。この操作により、導電性粒子と保護層の樹脂とを得た。さらに濾物を電気炉で500℃に加熱して、固体が導電性粒子のみとなるようにして、導電性粒子を回収した。導電性粒子は測定に必要量確保するため、複数本の電子写真感光体に同様の処理を施した。
回収した導電性粒子の一部をイソプロパノール(IPA)に分散させ、その分散液を支持膜付グリッドメッシュ(日本電子株式会社製、Cu150J)に滴下し、走査透過型電子顕微鏡(JEOL社、JEM2800)のSTEMモードにて導電性粒子の観察を行った。観察は導電性粒子の粒子径を算出しやすいように、50万倍から120万倍の拡大倍率で行い、導電性粒子100個のSTEM画像を撮影した。この時、加速電圧200kV、プローブサイズは1nm、画像サイズは1024×1024pixelに設定した。得られたSTEM画像を用いて、画像処理ソフト「Image-Pro Plus (Media Cybernetics社製)」にて、一次粒子径の測定を行った。まず、ツールバーの直線ツール(Straight Line)を用い、STEM画像下部に表示されているスケールバーを選択しておく。その状態でAnalyzeメニューのSet Scaleを選択すると、新規ウインドウが開き、Distance in Pixels欄に選択されている直線のピクセル距離が入力される。ウインドウのKnown Distance欄にスケールバーの値(例えば100)を入力し、Unit of Measurement欄にスケールバーの単位(例えばnm)を入力し、OKをクリックするとスケール設定が完了する。次に、直線ツールを用いて、導電性粒子の最大径となるように直線を描き、粒子径を算出した。同様の操作を、導電性粒子100個について行い、得られた値(最大径)の個数平均値を導電性粒子の一次粒子径とした。
<電子写真感光体に含有される導電性粒子におけるニオブ原子/チタン原子濃度比率の算出>
感光体から5mm四方のサンプル片を1つ切り出し、超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により、切削速度0.6mm/sで200nm厚に切削し、薄片サンプルを作製した。この薄片サンプルを、EDS分析装置(エネルギー分散型X線分析装置)を接続した走査透過型電子顕微鏡(JEOL社、JEM2800)のSTEMモードにて、50万倍から120万倍の拡大倍率で観察を行った。
観察される導電性粒子の断面のうち、上記で算出した1次粒子径のおおよそ0.9倍以上1.1倍以下の最大径を有する導電性粒子の断面を目視で選択した。続いて、選択した導電性粒子の断面の構成元素を、EDS分析装置を用いてスペクトルを収集し、EDSマッピング像を作製した。スペクトルの収集および解析は、NSS(Thermo Fisher Scientific社)を用いて行った。収集条件は、加速電圧200kV、デッドタイムが15以上30以下となるようにプローブサイズを1.0nmまたは1.5nmを適宜選択し、マッピングの分解能を256×256、Frame数を300とした。EDSマッピング像は、導電性粒子の断面100個について取得した。
このようにして得られたEDSマッピング像を解析することで、粒子中心部、および粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子濃度(原子%)とチタン原子濃度(原子%)の比率を算出する。具体的には、まずNSSの「ライン抽出」ボタンを押下し、粒子の最大径となるように直線を描き、一方の表面から粒子内部を通り、他方の表面に至るまでの直線上における原子濃度(原子%)の情報を得る。このとき得られた粒子の最大径が、上記で算出した1次粒子径の0.9倍未満または1.1倍を超える範囲であれば、これ以後の解析の対象外とした。(1次粒子径の0.9倍以上1.1倍未満の範囲に最大径をもつ粒子についてのみ、下記に示す解析を行った。)次に、両側の粒子表面において、粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子濃度(原子%)を読み取る。同様にして、“粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるチタン原子濃度(原子%)”を得る。次いで、これらの値を用いて、下式より、両側の粒子表面における“粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率”をそれぞれ得る。
粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率=
(粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子濃度(原子%))/(粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるチタン原子濃度(原子%))
得られた二つの濃度比率の内、値が小さい方を、本発明における“粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率”として採用する。
また、上記直線上であり、最大径の中点となる位置におけるニオブ原子濃度(原子%)とチタン原子濃度(原子%)を読み取る。これらの値を用いて、下式より、“粒子中心部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率”を得る。
粒子中心部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率=
(粒子中心部におけるニオブ原子濃度(原子%))/(粒子中心部におけるチタン原子濃度(原子%))
なお、“粒子中心部における、ニオブ原子濃度/チタン原子濃度で算出される濃度比率に対する、粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部における、ニオブ原子濃度/チタン原子濃度で算出される濃度比率”は、下式で算出される。
(粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率)/(粒子中心部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率)
<導電性粒子の含有量の算出>
次に、感光体から5mm四方のサンプル片を4つ切り出し、FIB-SEMのSlice&Viewで保護層の2μm×2μm×2μmの3次元化を行った。FIB-SEMのSlice&Viewのコントラストの違いから、保護層の全体積に占める、導電性粒子の含有量を算出した。Slice&Viewの条件は以下のようにした。
分析用試料加工:FIB法
加工および観察装置:SII/Zeiss製NVision40
スライス間隔:10nm
観察条件:
加速電圧:1.0kV
試料傾斜:54°
WD:5mm
検出器:BSE検出器
アパーチャー:60μm、high current
ABC:ON
画像解像度:1.25nm/pixel
解析領域は縦2μm×横2μmで行い、断面ごとの情報を積算し、縦2μm×横2μm×厚み2μm(8μm)当たりの体積Vを求める。また、測定環境は、温度:23℃、圧力:1×10-4Paである。なお、加工および観察装置としては、FEI製のStrata400S(試料傾斜:52°)を用いることもできる。また、断面ごとの情報は、特定した本発明の導電性粒子の面積を画像解析して得た。画像解析は、画像処理ソフト:Media Cybernetics製、Image-Pro Plusを用いて行った。
得られた情報を基に、4つのサンプル片のそれぞれにおいて、2μm×2μm×2μmの体積(単位体積:8μm)中の本発明の導電性粒子の体積Vを求め、導電性粒子の含有量[体積%](=Vμm/8μm×100)を算出した。4つのサンプル片における導電性粒子の含有量の値の平均値を、保護層の全体積に対する保護層中の本発明の導電性粒子の含有量[体積%]とした。
このとき、4つのサンプル片すべてについて、保護層と下層の境界まで加工を行うことで、保護層の膜厚t(cm)を測定し、下記の<保護層の体積抵抗率の測定方法>において体積抵抗率ρvの算出に保護層の膜厚の値を用いた。
<保護層の表面における各原子の相対濃度の測定>
保護層の表面に対するX線光電子分光分析は、具体的には以下のようにして行うことができる。
まず電子写真感光体の表面の無作為に選んだ位置から、5mm四方の切片を5つ切り出し、観察用サンプル片を5つ用意する。続いて、各観察用サンプル片の保護層についてX線光電子分光分析(XPS)を行う。XPSの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:アルバック-ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
X線源:Al-Kα
X線条件:100μm、25W、15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
以上の条件により測定を行い、炭素1s軌道のC-C結合に由来するピークを285eVに補正する。その後、100eV以上103eV以下にピークトップが検出される原子のピーク面積に対し、アルバック-ファイ社提供の相対感度因子を適用する。5つの観察用サンプル片で得られた結果を平均し、炭素原子、酸素原子、チタン原子、ニオブ原子、およびケイ素原子の各スペクトルピークについて積分および換算を行う。チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)の合計を100.0atomic%としたとき、炭素原子の相対濃度d(C)、酸素原子の相対濃度d(O)、チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)を決定する。金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比d(Nb)/d(Ti)、d(Ti)、d(Si)、d(Ti)/d(Si)を計算した。
<導電性粒子の表面における各原子の相対濃度の測定>
導電性粒子の表面に対するX線光電子分光分析は、具体的には以下のようにして行うことができる。導電性粒子についてX線光電子分光分析(XPS)を行う。XPSの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:アルバック-ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
X線源:Al-Kα
X線条件:100μm、25W、15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
以上の条件により測定を行い、炭素1s軌道のC-C結合に由来するピークを285eVに補正する。その後、100eV以上103eV以下にピークトップが検出される原子のピーク面積に対し、アルバック-ファイ社提供の相対感度因子を適用する。得られた結果を平均し、炭素原子、酸素原子、チタン原子、ニオブ原子、およびケイ素原子の各スペクトルピークについて積分および換算を行う。チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)の合計を100.0atomic%としたとき、炭素原子の相対濃度d(C)、酸素原子の相対濃度d(O)、チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)を決定する。金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比d(Nb)/d(Ti)を計算した。
<保護層の体積抵抗率の測定方法>
保護層の体積抵抗率は、次のようにして測定することができる。
体積抵抗率の測定には、pA(ピコアンペアー)メーターを使用する。先ず、PETフィルム上に電極間距離(D)180μm、長さ(L)59mmの図2のような櫛型金電極を蒸着により作製する。作製した櫛型金電極の上に、厚さ(T1)2μmの保護層を、上記櫛形金電極を覆うように設ける。次に、温度23℃/湿度50%RHの環境下および温度32.5℃/湿度80%RHの環境下にて、櫛型電極間に100Vの直流電圧(V)を印加したときの直流電流(I)を測定する。得られた測定値を用い、下記式(7)によって体積抵抗率A(温度23℃/湿度50%RH)および体積抵抗率B(温度32.5℃/湿度80%RH)を得る。
体積抵抗率ρv(Ω・cm)=V(V)×T1(cm)×L(cm)/{I(A)×D(cm)} (7)
保護層の導電性粒子や結着樹脂等の組成について同定が困難な場合は、電子写真感光体の表面について表面抵抗率を測定し、体積抵抗率に換算する。つまり、保護層単体ではなく、電子写真感光体の表面層として存在する保護層の体積抵抗率を測定する場合は、保護層の表面抵抗率を測定し、得られた値を体積抵抗率に変換する。
具体的には、電子写真感光体の表面(保護層の表面)に図2のような電極間距離(D)180μm、長さ(L)59mmの櫛型電極を金蒸着により作製する。次に、温度23℃/湿度50%RHおよび温度32.5℃/湿度80%RHの環境下にて、櫛型電極の間に1000Vの直流電圧(V)を印加したときの直流電流(I)を測定し、直流電圧(V)/直流電流(I)から、保護層の表面抵抗率ρsを算出する。
得られた表面抵抗率ρsと、保護層の膜厚t(cm)と用い、下記式(8)により体積抵抗率を得ることができる。
ρv=ρs×t (8)
(ρv:体積抵抗率、ρs:表面抵抗率、t:保護層の厚さ)(保護層の体積抵抗率の測定)
各電子写真感光体の体積抵抗率A(温度23℃/湿度50%RH)および体積抵抗率B(温度32.5℃/湿度80%RH)を得た。
<導電性粒子の粉末X線回折測定>
導電性粒子にアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、あるいは酸化スズが含有されていることを、以下に示す条件で粉末X線回折分析を行うことで確認した。電子写真感光体の保護層に含まれる導電性粒子の回収は、上記の(導電性粒子がその表面に含有する金属酸化物における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比の測定)に記載の方法に準じて行った。
CuKαのX線を用いた粉末X線回折分析により得られたチャートから、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)の無機材料データベース (AtomWork)を参照することで各金属酸化物の同定を行った。
<測定条件>
使用測定機:X線回折装置RINT-TTRII(理学電気(株)製)
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
(帯電保持性の評価)
帯電保持性の測定には、感光体試験装置(商品名:CYNTHIA59、ジェンテック(株)製)を使用する。温度23℃/湿度50%RHの環境下および温度32.5℃/湿度80%RHの環境下にて、上記装置に電子写真感光体を設置する。また、直径8mmの導電性ゴムローラーを帯電部材とし、周波数1Hz、Voffset=-450V、Vpp=500Vの矩形波を電子写真感光体の表面に印加できるように帯電装置を設定する。
また、表面電位プローブ(model6000B-8:トレック・ジャパン(株)製)を感光体から1mm離れた位置に設置し、表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して電位を測定する。
電子写真感光体を、回転速度30rpmで回転させながら帯電し、帯電位置から0.30秒分回転した位置における表面電位を、100μs間隔で取得し、図3に示すようなプロットを得る。続いて、図4に示すように、各測定点について、後続の24点の測定点を合わせた計25点の測定点から得られる回帰直線Rの傾きを決定する。その後、各測定点について得られた回帰直線Rの傾きの値のうち、最大値および最小値のそれぞれの絶対値を平均した値を算出し、これを帯電保持性とする。
(アナターゼ型酸化チタン粒子1~5の製造例)
アナターゼ型酸化チタン粒子は公知の硫酸法で製造することができる。酸化チタンの作製において、チタン化合物として硫酸チタン、硫酸チタニルを含む溶液を加熱して加水分解させて含水二酸化チタンスラリーを作製し、該二酸化チタンスラリーを脱水焼成する。これによりアナターゼ化度がほぼ100%のアナターゼ型酸化チタンが得られる。
上記の方法において、硫酸チタニルの溶液濃度を制御することにより、アナターゼ型酸化チタン粒子1~5を作製した。
(アナターゼ型酸化チタン粒子6の製造例)
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水二酸化チタンスラリーに、硫酸ニオブ(水溶性のニオブ化合物)を添加した。添加量は、スラリー中のチタン量(二酸化チタン換算)に対し、ニオブイオンとして1.8質量%の割合で硫酸ニオブを添加した。
硫酸チタニル水溶液に硫酸ニオブをニオブイオンとして1.8質量%の割合で加えたものを加水分解し、含水二酸化チタンスラリーを得た。次に、ニオブイオン等を含む含水二酸化チタンスラリーを脱水して、焼成温度は1000℃で焼成した。これによりニオブ元素を1.8質量%含有したアナターゼ型酸化チタン粒子6を得た。
(アナターゼ型酸化チタン粒子7の製造例)
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水二酸化チタンスラリーに、硫酸ニオブ(水溶性のニオブ化合物)を添加した。添加量は、スラリー中のチタン量(二酸化チタン換算)に対し、ニオブイオンとして0.2質量%の割合で硫酸ニオブを添加した。
硫酸チタニル水溶液に硫酸ニオブをニオブイオンとして0.2質量%の割合で加えたものを加水分解し、含水二酸化チタンスラリーを得た。次に、ニオブイオン等を含む含水二酸化チタンスラリーを脱水して、焼成温度は1000℃で焼成した。これによりニオブ元素を0.2質量%含有したアナターゼ型酸化チタン粒子7を得た。
(ルチル型酸化チタン粒子1の製造例)
酸化チタンナノ粒子(日本アエロジル株式会社製;平均一次粒径(メーカー公称値):100nm)200質量部を濃度17モル/Lの水酸化カリウム水溶液10000質量部とともにテフロン(登録商標)製管中に封入した。これを耐圧ガラス容器中に密閉し、110℃で20時間保持して水熱処理を行った。反応生成物を濃度1モル/Lの塩酸水溶液で中和した後、イオン交換水による洗浄と遠心分離とを繰り返し、白色沈殿を得た。さらに、得られた白色沈殿を乾燥し、引き続き650℃で30分間焼成処理を行って一次粒径80nm(長径側)のルチル型酸化チタン粒子1を得た。
ルチル型酸化チタン粒子1について、RINT2000(株式会社リガク製)を用いたX線回折スペクトル(CuKα)測定により、ルチル型酸化チタンに起因する27.4°、36.1°、41.2°、54.3°の回折ピークを確認した。
上記の通り作製したアナターゼ型酸化チタン粒子1~7、およびルチル型酸化チタン粒子1の個数平均粒径を表1に示す。
Figure 0007500673000002
<導電性粒子の製造>
(導電性粒子1の製造)
水酸化ニオブ(V)を濃硫酸に溶解して、硫酸チタン水溶液と混合して、ニオブ塩およびチタン塩の酸性混合液を(以下「チタンニオブ混合液」という。)を調製した。
アナターゼ型酸化チタン粒子1を100部計量して、被覆前粒子として水に分散して懸濁液とし、1000部の水懸濁液として撹拌しながら670℃まで加温した。
pHを2.5に維持しながら、アナターゼ型酸化チタン粒子1の重量に対して、Tiとして337g/kg、Nbとして10.3g/kgを含有するチタンニオブ混合液と水酸化ナトリウム水溶液を同時に添加した。
また、五塩化ニオブ(NbCl)3部を11.4モル/L塩酸100部に溶解させたニオブ溶液と、チタンとして12.0部を含む硫酸チタン溶液200部とを混合したチタンニオブ酸液(液中のニオブ原子とチタン原子の重量比が1.0/20.0となる)を用意した。このチタンニオブ酸液と、10.7モル/L水酸化ナトリウム水溶液とを、上記水懸濁液のpHが2~3となるように上記水懸濁液に3時間かけて同時に滴下(並行添加)した。滴下終了後、懸濁液をろ過、洗浄し、110℃で8時間乾燥した。この乾燥物を有機物ともに窒素雰囲気中、725℃(表2における焼成時の温度)にて1時間の焼成を行い、ニオブ原子が表面近傍に偏在したニオブ原子含有酸化チタン粒子1を得た。
次に、以下の材料を用意した。
・ニオブ原子含有酸化チタン粒子1:100.0部
・表面処理剤1(下記式(S-1)で示される化合物)(商品名:トリメトキシプロピルシラン、東京化成工業(株)製):6.0部
Figure 0007500673000003
・トルエン:200.0部
これらを混合し、攪拌装置で4時間攪拌した後、ろ過、洗浄後、さらに130℃で3時間加熱処理を行って、導電性粒子1を得た。
(導電性粒子2~9、11~15、18の製造)
導電性粒子1の製造において、用いる被覆前粒子の種類および被覆時のチタンニオブ酸液のニオブ原子とチタン原子の重量比を表1に示す通りに変更した。それ以外は導電性粒子1の製造と同様にして、表2に示す導電性粒子2~9、11~15、18の粉末を得た。
(導電性粒子10)
表面処理剤の種類および使用量を表面処理剤2(下記式(S-2)で示される化合物)(商品名:デシルトリメトキシシラン、東京化成工業(株)製)4部に変更した。それ以外は、導電性粒子1の製造と同様に導電性粒子10を製造した。
Figure 0007500673000004
(導電性粒子16の製造例)
以下の材料を用意した。
・酸化スズ粒子(商品名:S-2000、三菱マテリアル(株)製):100.0部
・表面処理剤1:20.0部
・トルエン:200.0部
これらを混合し、攪拌装置で4時間攪拌した後、ろ過および洗浄を行い、その後、さらに130℃で3時間加熱処理を行って、表面処理をすることで導電性粒子16を得た。
(導電性粒子17の製造例)
酸化スズ粒子(商品名:S-2000、三菱マテリアル(株)製)100部を水に分散させて、1000部の水懸濁液として60℃に加温した。
また、五塩化ニオブ(NbCl)3部を11.4モル/L塩酸100部に溶解させたニオブ溶液と、チタンとして12.0部を含む硫酸チタン溶液200部とを混合したチタンニオブ酸液(液中のニオブ原子とチタン原子の重量比が1.0/20.0となる)を用意した。このチタンニオブ酸液と、10.7モル/L水酸化ナトリウム溶液とを、上記水懸濁液のpHが2~3となるように上記水懸濁液に3時間かけて同時に滴下(並行添加)した。滴下終了後、懸濁液をろ過、洗浄し、110℃で8時間乾燥した。この乾燥物を有機物ともに窒素雰囲気中、725℃(表2における焼成時の温度)にて1時間の焼成を行い、酸化スズを被覆前粒子として、ニオブ原子が表面近傍に偏在したニオブ原子含有酸化スズ粒子1を得た。
次に、以下の材料を用意した。
・ニオブ含有酸化スズ粒子1:100.0部
・表面処理剤1:6.0部
・トルエン:200.0部
これらを混合し、攪拌装置で4時間攪拌した後、ろ過および洗浄を行い、その後、さらに130℃で3時間加熱処理を行って、導電性粒子17を得た。
上記で得た導電性粒子1~18の表面の物性や粒径(個数平均粒径)を表2に示す。
Figure 0007500673000005
<電子写真感光体の製造>
(電子写真感光体1の製造例)
直径24mm、長さ257.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、以下の材料を用意した。
・酸素欠損型酸化スズ(SnO)で被覆されている酸化チタン(TiO)粒子(平均一次粒径230nm):214部
・フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ-325、DIC(株)製、樹脂固形分:60質量%):132部
・1-メトキシ-2-プロパノール:98部
これらを、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。得られた分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を添加した。シリコーン樹脂粒子の添加量は、ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%となるようにした。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、ダウ・東レ(株)製)を分散液に添加した。
次に、分散液中の金属酸化物粒子、結着材料、および表面粗し付与材の合計質量(すなわち、固形分の質量)が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1-メトキシ-2-プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加した。その後、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを1時間140℃で加熱することによって、膜厚30μmの導電層を形成した。
次に、以下の材料を用意した。
・電子輸送物質(下記式(E-1)で示される化合物):3.0部
・ブロックイソシアネート(商品名:デュラネートSBB-70P、旭化成ケミカルズ(株)製):6.5部
・スチレン-アクリル樹脂(商品名:UC-3920、東亞合成製):0.4部
・シリカスラリー(製品名:IPA-ST-UP、日産化学工業製、固形分濃度:15質量%、粘度:9mPa・s):1.8部
・1-ブタノール:48部
・アセトン:24部
これらを混合溶解して、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを30分間170℃で加熱することによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
Figure 0007500673000006
次に、以下の材料を用意した。
・CuKα特性X線回折より得られるチャートにおいて、7.5°および28.4°の位置にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部
・ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業社製)5部
これらをシクロヘキサノン200部に添加し、直径0.9mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で6時間分散した。
これにシクロヘキサノン150部と酢酸エチル350部をさらに加えて希釈して電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、95℃で10分間乾燥することにより、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、以下の材料を用意した。
・下記構造式(C-1)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質):6.0部
・下記構造式(C-2)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質):3.0部
・下記構造式(C-3)で示される電荷輸送物質(正孔輸送性物質):1.0部
・ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製):10.0部
・下記構造式(C-4)で示される構造と下記構造式(C-5)で示される構造とを有する共重合ユニットを有するポリカーボネート樹脂(x/y=0.95/0.05:粘度平均分子量=20000):0.02部
これらを、オルトキシレン25部/安息香酸メチル25部/ジメトキシメタン25部の混合溶剤に溶解させることによって電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が12μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0007500673000007
Figure 0007500673000008
Figure 0007500673000009
Figure 0007500673000010
Figure 0007500673000011
次に、以下の材料を用意した。
・導電性粒子1:76.0部
・結着樹脂として下記構造式(O-1)で示される化合物:79.0部
・1-プロパノール(1―PA):100.0部
・シクロヘキサン(CH):100.0部
これらの材料を混合し、攪拌装置で6時間攪拌して、保護層用塗布液を調製した。
Figure 0007500673000012
この保護層用塗布液1を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を6分間50℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を300rpmの速度で回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。保護層位置の線量は15kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度を117℃に昇温させた。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は10ppmであった。
次に、大気中において塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した後、塗膜の温度が120℃になる条件で1時間加熱処理を行い、膜厚2μmの保護層を形成した。このようにして、導電性粒子1を含有する保護層を有する電子写真感光体1を製造した。電子写真感光体1の物性を表4に示す。
(電子写真感光体2~25、27~38の製造例)
電子写真感光体1の製造例において、保護層用塗布液の調製に用いる導電性粒子の種類および使用量を表3に示すように変更して保護層用塗布液2~25、27~38を調製した。得られた保護層用塗布液2~25、27~38を保護層用塗布液1の代わりに用いた以外は、電子写真感光体1と同様に電子写真感光体2~25、27~38を製造した。
なお、保護層用塗布液の調製に用いたシリコーン樹脂は、重量平均分子量約4000のシリコーン樹脂(SR-213(東レ・ダウコーニング社製))である。電子写真感光体2~25、27~38の物性を表4に示す。
(電子写真感光体26の製造例)
電子写真感光体1の製造例において、保護層用塗布液の調製に用いる結着樹脂および混合溶媒それぞれの種類および使用量を次のように変更して保護層用塗布液26を調製した。
結着樹脂:下記式(O-2)で示される構造単位および(O-3)で示される構造単位を5/5の割合で有する、重量平均分子量(Mw)が100,000であるポリエステル樹脂1部
混合溶媒:クロロベンゼン12部/ジメトキシメタン8部
得られた保護層用塗布液26を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が2μmの保護層を形成した。それ以外は、電子写真感光体1と同様に電子写真感光体26を製造した。電子写真感光体26の物性を表4に示す。
Figure 0007500673000013
Figure 0007500673000014
Figure 0007500673000015
Figure 0007500673000016
表中、Cは、「粒子表面から測定粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率」であり、Dは、「粒子中心部におけるニオブ原子とチタン原子との濃度比率」である。粉末X線回折分析の列における、Aは、アナターゼ型酸化チタンの含有、Rはルチル型酸化チタンの含有、Sは酸化スズの含有がそれぞれ確認されたことを示す。
<電子写真感光体の評価>
(注入帯電性の評価)
注入帯電性の測定には、レーザービームプリンター(電子写真装置)(商品名:HP LaserJet Enterprise ColorM553dn、ヒューレットパッカード社製)の改造機を使用した。評価に使用した改造機は、像露光量、帯電ローラーから電子写真感光体の支持体に流れる電流量(以降、総電流とも呼ぶ)、および帯電ローラーへの印加電圧それぞれの、調節および測定ができるように改造した。
また、上記改造機のシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B-8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。次に、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して表面電位を測定できるようにした。
温度32.5℃、湿度80%RHの環境下にて改造機に電子写真感光体を装着し、帯電ローラーに、直流電流で1000Vを印加して、前記感光体を60rpmで回転させながら帯電させた。このときの感光体表面の電位をAとし、注入帯電性=A/1000として以下の評価基準で注入帯電性を評価した。評価結果を表5に示す。
A:注入帯電性が0.90以上である。
B:注入帯電性が0.85以上0.90未満である。
C:注入帯電性が0.75以上0.85未満である。
D:注入帯電性が0.75未満である。
(画像流れ評価)
最初に上記改造機および電子写真感光体を、温度23.0℃/湿度50%RHの常湿環境下および温度32.5℃/湿度80%RHの高湿度環境下にそれぞれ、24時間以上放置した。その後、それぞれの環境下に放置した電子写真感光体を改造機のシアン色のカートリッジに装着した。
次に、印加電圧を-400Vから100V間隔で-2000Vまで段階的に上げて印加し、それぞれの印加電圧における総電流を測定した。そして、横軸に印加電圧を、縦軸に総電流をとったグラフを作成し、印加電圧-400V~-800Vにおける一次近似曲線から乖離する電流値が100μAとなる印加電圧を求め、印加電圧を求められた値となるように設定した。
次に、用紙は普通紙(商品名:CS-680(68g/m)、キヤノンマーケティングジャパン株式会社製)を用いて、シアン単色にてベタ画像の出力を行った。このベタ画像について、分光濃度計(商品名:X-Rite504、X-Rite(株)製)にて測定したとき、紙上の濃度が1.45となるように、像露光光量を設定した。次に、A4サイズ、線幅0.1mm、線間隔10mmの正方形格子画像をシアン単色にて連続で10枚出力した。得られた画像について、以下の評価基準で画像流れを評価した。評価結果を表5に示す。
A:格子画像に異常は認められない。
B:格子画像の横線が破断しているが、縦線には異常は認められない。
C:格子画像の横線が消失しており、縦線が破断している。
D:格子画像の横線が消失しており、縦線も消失している。
このとき、格子画像における横線とは、電子写真感光体の円筒軸方向と平行な線を指し、縦線とは感光体円筒軸方向と垂直な線を指す。
次に、温度32.5℃/湿度80%RHの高湿度環境下に24時間以上放置した電子写真感光体を用いて以下の試験をおこなった。まず、用紙は普通紙(商品名:CS-680(68g/m)、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)を用いて、線幅0.1mm、線間隔10mmの正方形格子画像をシアン単色にて連続で20000枚、2枚間欠で間欠時間を2秒で出力した。画像出力後、電子写真装置の主電源を切って温度32.5℃/湿度80%RHの高湿度環境下に3日間放置した。放置後、電子写真装置の主電源を入れてすぐに、上記の正方形格子画像を同様に1枚出力して、出力画像の画像流れを目視し、以下の評価基準で画像流れを評価した。評価結果を表5に示す。
A:格子画像に異常は認められない。
B:格子画像の横線が破断しているが、縦線には異常は認められない。
C:格子画像の横線が消失しており、縦線が破断している。
D:格子画像の横線が消失しており、縦線も消失している。
このとき、格子画像における横線とは、感光体の円筒軸方向と平行な線を指し、縦線とは感光体円筒軸方向と垂直な線を指す。
(帯電均一性の評価)
上記改造機を32.5℃、80%RHの高湿度環境下において、印字比率が1%の文字画像を10000枚出力した後、ハーフトーン(20H)画像を形成した。得られた画像のガサツキ(濃度一様性)を評価することで、電子写真感光体の帯電均一性を評価した。用紙は、普通紙(商品名:CS-680(68g/m)、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)を用いた。なお、20H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白(非画像)とし、FFHをベタ黒(全面画像)とするときのハーフトーン画像である。
画像のガサツキは、以下の基準により評価した。濃度測定は無作為に選んだ20箇所について行い、最大値と最小値の濃度差の値を濃度一様性として、以下の基準により判定した。なお、濃度はX-Riteカラー反射濃度計(商品名:X-Rite500Series、X-Rite社製)で測定した。評価結果を表5に示す。
A:濃度一様性が0.04未満
B:濃度一様性が0.04以上0.06未満
C:濃度一様性が0.06以上0.08未満
D:濃度一様性が0.08以上
Figure 0007500673000017
本発明の実施形態に係る開示は、以下の構成を含む。
(構成1)
導電性支持体と、感光層と、保護層とを有する電子写真感光体であって、
該保護層は、導電性粒子を含有し、
該導電性粒子の表面は、チタン原子およびニオブ原子を含有する金属酸化物を有し、
該金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比は、0.01以上0.20以下であり、
該導電性粒子は、ケイ素原子を有する化合物で表面処理されており、
該保護層における該導電性粒子の含有割合は、該保護層の全体積に対して5体積%以上40体積%未満であり、
該保護層の表面における、X線光電子分光分析により決定される炭素原子の相対濃度d(C)、酸素原子の相対濃度d(O)、
チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)の合計を100.0atomic%としたとき、下記式(1)~(3)を満たす、
ことを特徴とする電子写真感光体。
0<d(Ti)≦2.0・・・(1)
0<d(Si)≦8.0・・・(2)
0.01≦d(Ti)/d(Si)≦1.0・・・(3)
(構成2)
23℃50%RHの雰囲気下における前記保護層の体積抵抗率をA[Ω・cm]、32.5℃80%RHの雰囲気下における前記保護層の体積抵抗率をB[Ω・cm]としたとき、下記式(4)から(6)を満たす、構成1に記載の電子写真感光体。
11≦logA≦14・・・(4)
11≦logB≦14・・・(5)
0 ≦log(A/B)≦2.0・・・(6)
(構成3)
前記金属酸化物は、ニオブ原子を含有する酸化チタンである、構成1または2に記載の電子写真感光体。
(構成4)
前記導電性粒子は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)に接続したエネルギー分散型X線分析(EDS分析)において、粒子の中心部でのニオブ原子/チタン原子濃度比率に対して、粒子の表面から粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子/チタン原子濃度比率が、2.0倍以上である、構成3に記載の電子写真感光体。
(構成5)
前記導電性粒子は、60nm以上150nm以下の個数平均粒径を有する、構成4に記載の電子写真感光体。
(構成6)
構成1~5のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
(構成7)
構成1~5のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、および転写手段と、を有する、ことを特徴とする電子写真装置。
21 導電性支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 保護層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
31 粒子の中心部
32 粒子の表面近傍
33 粒子の中心部を分析するX線
34 粒子の表面から一次粒子径の5%内部を分析するX線

Claims (7)

  1. 導電性支持体と、感光層と、保護層とを有する電子写真感光体であって、
    該保護層は、導電性粒子を含有し、
    該導電性粒子の表面は、チタン原子およびニオブ原子を含有する金属酸化物を有し、
    該金属酸化物の中における、チタン原子に対するニオブ原子の原子濃度比は、0.01以上0.20以下であり、
    該導電性粒子は、ケイ素原子を有する化合物で表面処理されており、
    該保護層における該導電性粒子の含有割合は、該保護層の全体積に対して5体積%以上40体積%未満であり、
    該保護層の表面における、X線光電子分光分析により決定される炭素原子の相対濃度d(C)、酸素原子の相対濃度d(O)、
    チタン原子の相対濃度d(Ti)、ニオブ原子の相対濃度d(Nb)、およびケイ素原子の相対濃度d(Si)の合計を100.0atomic%としたとき、下記式(1)~(3)を満たす、
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    0<d(Ti)≦2.0・・・(1)
    0<d(Si)≦8.0・・・(2)
    0.01≦d(Ti)/d(Si)≦1.0・・・(3)
  2. 23℃50%RHの雰囲気下における前記保護層の体積抵抗率をA[Ω・cm]、32.5℃80%RHの雰囲気下における前記保護層の体積抵抗率をB[Ω・cm]としたとき、下記式(4)から(6)を満たす、請求項1に記載の電子写真感光体。
    11≦logA≦14・・・(4)
    11≦logB≦14・・・(5)
    0 ≦log(A/B)≦2.0・・・(6)
  3. 前記金属酸化物は、ニオブ原子を含有する酸化チタンである、請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 前記導電性粒子は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)に接続したエネルギー分散型X線分析(EDS分析)において、粒子の中心部でのニオブ原子/チタン原子濃度比率に対して、粒子の表面から粒子の最大径の5%内部におけるニオブ原子/チタン原子濃度比率が、2.0倍以上である、請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記導電性粒子は、60nm以上150nm以下の個数平均粒径を有する、請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、および転写手段と、を有する、ことを特徴とする電子写真装置。
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