JP7499952B2 - 完全制御障害の場合のフェイルセーフな走行体ランデブー - Google Patents

完全制御障害の場合のフェイルセーフな走行体ランデブー Download PDF

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Description

本開示は、概してチェイサー宇宙機の動作の制御に関し、より具体的には、スラスタ(thruster)制御が完全に失われた場合に後方到達可能セット(backwards reachable set)およびモデル予測制御(MPC:model predictive control)を使用する、楕円軌道上でのチェイサー宇宙機ランデブーのためのフェイルセーフ制御ポリシーに関する。
チェイサー宇宙機とターゲットとの安全なランデブーとは、制御が完全に失われた場合にチェイサー宇宙機とそのターゲットとの衝突を回避する能力である。従来のチェイサー宇宙機のアプローチは、開ループで完了する軌道生成プロセスを含み、ランデブーは、開ループ軌道設計を有し、さらに準最適閉ループ軌道追跡方式を採用する。この部分開ループ方法は、地上でシミュレーションが行われることを必要とし、任意のマヌーバ(maneuver)に対して十分に一般化することができない。
たとえば、スペースランデブーは一組の軌道マヌーバであり、これが実行される間に、2つの宇宙機、すなわちチェイサー宇宙機とターゲットまたは宇宙ステーションとが、同一軌道に到達し、非常に近い距離(たとえば目視範囲内)まで近付く。ランデブーは、2つの宇宙機の軌道速度および位置ベクトルが正確に一致することを必要とし、軌道ステーション保持によってこれらの宇宙機が一定の距離で留まることを可能にする。ランデブーの後にドッキングまたはバーシングが続く場合も続かない場合もあり、これは、宇宙機を物理的に接触させてこれらを結合する手順である。さらに、重力場が弱い場合、同じランデブー技術を、宇宙機の、自然物体上への「着陸」に使用することができ、たとえば小惑星上へのまたは火星の衛星のうちの1つの衛星上への着陸には、同一の、軌道速度の一致と、それに続く、ドッキングと何らかの類似性を共有する「降下」とが必要であろう。
しかしながら、ターゲットとの安全なランデブーは、チェイサー宇宙機のいくつかの課題を提示する。ランデブーの重要な基準は、受動安全性の維持、すなわち、チェイサー宇宙機とそのターゲットとの衝突を回避する能力であるが、チェイサー宇宙機にとって安全なランデブーを実現することは、2005年4月15日に打ち上げられた自律ランデブー技術の実証(DART:Demonstration of Autonomous Rendezvous Technology)ミッションからわかるように、困難である。DARTミッションは、Mublcomと名付けられた古い軍事用通信衛星に接触しその周りを飛行する24時間のミッションとして開始された。このミッションは、この小さな宇宙機の周りで一連の正確なマヌーバを実行する代わりに、DARTがMublcomと衝突した後11時間未満で終了した。この事故についての4カ月半にわたる100万ドルの調査後に、DART事故調査委員会の委員長を務めたNASAのエンジニアであるスコット・クルームズ(Scott Croomes)氏は、このミッションの失敗が、オービタル・サイエンシズ(Orbital Sciences Corporation)が指揮した走行体の設計チームによる過失に遡る宇宙機ナビゲーション誤差の組み合わせが原因であったと述べた。また、クルームズ氏は、DARTのGPS受信機がDARTの速度を誤って示したが、ソフトウェア設計者がそのような受信機のバイアスを十分に考慮していなかったとも述べた。ソフトウェアモデルの設計において、チームは、テスト中、受信機測定速度を完璧に想定して受信機をシミュレートしていた。しかしながら、NASAの広報担当キム・ニュートン女史は、当時、NASAによる自律ランデブーおよびドッキング技術への投資の継続および一層の促進が必要であると述べた。
さらに、全米研究評議会(National Research Council)は、自律相対誘導・航法・制御アルゴリズムが、将来の宇宙機ミッションのための最優先技術の一部であると認識している。そのような技術は、価値のある科学データの取得およびソーラーシステムの調査において重要な役割を果たす。ますます複雑になる自律ミッションのために、よりロバストで信頼性が高く、かつ重要なのはフェイルセーフである、相対誘導・航法・制御アルゴリズムを、開発する必要がある。
そのため、当該技術では、とりわけ、スラスタ制御が完全に失われた場合にチェイサー宇宙機がターゲットと衝突するのを防止する方法アプローチを含む、安全なランデブーのためにチェイサー宇宙機の動作を制御する改善された方法が、必要とされている。
本開示は、スラスタ制御が完全に失われた場合に後方到達可能セットおよびモデル予測制御(MPC)を用いて、包括楕円軌道等の楕円軌道を含む軌道上で宇宙機がランデブーするためのフェイルセーフな制御ポリシーに関する。
後方到達可能セットは、指定された期間内におけるチェイサー宇宙機スラスタ完全故障の場合に、ターゲットとの衝突軌道を保証する、ターゲットの周りの状態空間の危険領域として、計算される。後方到達可能セットは、本質的に安全なアプローチを通してターゲットとランデブーするようにチェイサー宇宙機を案内するために、MPCオンライン軌道生成において受動安全性制約として組み込まれるまたは定式化される。
言い換えると、本開示のいくつかの実施形態は、有限時間範囲にわたりチェイサー宇宙機をターゲットとランデブーさせるためにチェイサー宇宙機の動作を制御するように構成されたコントローラを含み得る。ターゲットは、宇宙機、天体またはスペースデブリのうちの1つの可能性がある。チェイサー宇宙機の有限時間範囲は、出発位置で始まり、複数の指定期間が続き、チェイサー宇宙機がターゲット位置に到着したときに終了する。センサからの現在のデータが受け付けられ、このデータは、有限時間範囲内の指定期間のマルチオブジェクト天文座標系におけるチェイサー宇宙機状態およびターゲット状態の値を含み得る。マルチオブジェクト天文座標系におけるチェイサー宇宙機状態およびターゲット状態は、チェイサー宇宙機およびターゲットの位置、向き、並進速度および角速度、ならびにマルチオブジェクト天文座標系に作用する摂動のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含み得るものであって、チェイサー宇宙機およびターゲットはマルチオブジェクト天文座標系を形成する。たとえば、マルチオブジェクト天文座標系に作用する摂動は、太陽および月の重力摂動、中心体が球形でないことに起因する異方性重力摂動、太陽光圧力、および空気抗力等の、自然軌道力の可能性がある。
指定期間においてプロセッサを使用し、プロセッサは、受け付けたデータからターゲット軌道位置を特定するように構成される。たとえば、ターゲット軌道位置は、地上局からアップロードされた天体暦に基づいて決定、衛星追跡データベースにおいて取得された地上データに基づいて決定、または、受け付けたデータから取得された走行体の搭載センサ測定値から推定することができる。
プロセッサは、ターゲット軌道位置を決定すると、メモリから危険領域すなわち受動危険領域にアクセスし、指定期間におけるターゲット軌道位置を使用して、格納されている危険領域から、危険領域のセットを特定する。危険領域を、危険領域データベース、すなわち受動危険領域データベースに格納して、危険領域のセット、すなわち受動危険領域のセットを、その指定期間におけるターゲット軌道位置を危険領域データベースに格納された危険領域のうちの危険領域のセットと対応させることにより、選択することができる。受動危険領域は、指定された期間内における走行体スラスタ完全故障の場合に、ターゲットとの衝突軌道を保証する、ターゲットの周りの空間の領域を表す。
次に、プロセッサは、危険領域のセットを安全性制約すなわち受動安全性制約に変換または定式化し、安全性制約をコントローラに送信することができる。ユーザ固有のコントローラ設計構成に応じて、コントローラは、制御モジュールを含んでいてもよく、コントローラまたは制御モジュールは、そのような変換または定式化ステップを処理するように構成することができる。コントローラは、受け付けたデータでコントローラが更新されるように、走行体の力学のモデルを含み得る。更新後、更新されたコントローラは、安全性制約を受けて、指定期間に危険領域を回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成し、走行体がターゲットと衝突しないように、走行体スラスタが完全に故障した場合のターゲットに対する衝突なしの軌道を保証する。制御コマンドを出力することにより、制御コマンドに基づいて指定期間の間走行体の1つ以上のスラスタを作動または停止させてもよい。
制御コマンドはコントローラの動作モジュールに出力されてもよく、動作モジュールは、制御コマンドを、デルタvコマンドとして制御コマンドを受けるスラスタコマンドモジュールに伝達することができる。次に、スラスタコマンドモジュールは、デルタvコマンドをスラスタコマンドに変換し、スラスタコマンドを少なくとも1つのスラスタのスラスタプロセッサに送ることにより、変換されたデルタvコマンドに従って走行体の軌道追跡制御のためにこの少なくとも1つのスラスタを作動または停止させてもよい。
本開示の別の実施形態は、現在のデータまたは受け付けたデータを使用するコントローラの軌道生成機能を使用することにより、有限時間範囲内の複数の指定期間のうちの指定期間におけるターゲット軌道位置を特定することができる。
しかしながら、本開示の実施形態のうちのいくつかを発展させるために、その発展を支援した想定および認識が存在していた。いくつかの想定は、宇宙機モデルについて行われ、中心体すなわち地球の周りの軌道に乗るように構成されたチェイサー宇宙機とターゲットとを含んでいた。さらに、ターゲットおよびチェイサー宇宙機の本体の双方が剛体であることが想定され、チェイサー宇宙機に作用する外力すべてがそれぞれの本体の質量中心に作用すると想定された。ランデブーのために、ターゲットの軌道フレーム内のチェイサーの位置および速度に関して解く必要があるいくつかの計算があるが、これについては後に詳細に説明する。
本開示の少なくとも1つの認識は、到達可能性およびモデル予測制御(MPC)からの概念を組み合わせて、包括楕円軌道上におけるチェイサー宇宙機からそのターゲットへの受動的に安全なランデブー軌道を生成するオンライン軌道生成アルゴリズムを設計することを、含んでいた。到達可能性は、すべての許容可能な擾乱シーケンスに対して状態制約が充足されることを保証しつつ、任意の所与のターゲットセットに向けて、許容制御シーケンスを通して操縦することができる、状態空間のサブセットを決定するという問題を、研究する。ターゲットを起点とする後方到達可能性を使用することにより、ターゲットに至る状態のセットを決定することができる。この場合、何の制御もなくターゲットに至る状態のセットは受動的に危険である、すなわち、ターゲットと衝突するように時間とともに自然に進化する。宇宙機が到達可能なセットの内部に留まらねばならないことを規定する、テストされた到達可能性のほとんどの実験用途とは異なり、本開示の局面の場合、到達可能なセットは、チェイサー宇宙機が回避しなければならない状態空間内の危険なセットを特徴付けるために使用される。したがって、後方到達可能性を用いて計算された、この危険領域を回避するためのMPCを使用することにより、完全な制御の失敗の場合にターゲットと決して衝突しない、受動的に安全な軌道を生成することができることが、認識されている。
モデル予測制御(MPC)は、反復的な宇宙機のモデルの有限範囲の最適化と、宇宙機の運動の一組の目的と、宇宙機推進システムおよび運動に対する制約とに基づいており、適切な制御アクションを行うために将来のイベントを予測する能力を有する。これは、一組の目的に従い、将来の有限時間範囲にわたり、制約を受ける宇宙機のモデルに従って得られた予測を用いて、宇宙機の動作を最適化するとともに、現在のタイムスロットにわたる制御のみを実施することにより、実現される。たとえば、制約は、宇宙機の物理的制限、宇宙機の動作に対する安全性制限、および、宇宙機の軌道に対するパフォーマンス制限を表し得る。宇宙機に対する制御戦略は、そのような制御戦略に対して宇宙機が生成した運動がすべての制約を充足する場合に、許容可能である。たとえば、時間tにおいて、宇宙機の現在の状態がサンプリングされ、許容可能なコスト最小化制御戦略が、将来の比較的短い時間範囲について決定される。具体的には、オンラインまたはリアルタイムの計算が、時間t+Tまでのコスト最小化制御戦略を決定する。制御のステップが実施された後に、状態が再びサンプリングされ、計算は現在の状態から繰り返され、新たな制御および新たな予測状態経路が生まれる。予測範囲は前方にシフトし、そのため、MPCは後退範囲制御とも呼ばれる。後方到達可能性を用いて計算された危険領域を回避するように宇宙機を制御するためにMPCにおける制約を定式化することにより、制御が完全に失われた場合に宇宙機が受動的にドリフトしターゲットと衝突することがないことを保証できることが、認識されている。
実験においてテストされたように、ブルートフォース(brute-force)アプローチにおいてMPCを単独で使用することにより、包括楕円軌道上におけるチェイサー宇宙機からそのターゲットへの受動的に安全なランデブー軌道を生成することが可能である。しかしながら、そうするためには、非常に大きな最適化問題を生み出す非常に多くの数の安全性制約を定式化する必要があり、これは、非常に大きな計算の負担になり、宇宙機内の計算リソース制約のあるハードウェアでは実現できない場合がある。さらに、この実験的MPCは、チェイサー宇宙機の想定される現在の状態に対して単一の受動的に安全なランデブー軌道しか生成しない。宇宙機の現在の状態に関して何らかの誤差または不確実性があった場合、MPCで定式化された安全性制約は、実際、真の状態に対してスラスタが完全に故障した場合に宇宙機の安全な動作を保証しない。到達可能性およびMPCの概念を組み合わせて、安全性計算を、MPCから、回避すべき危険領域の別のオフライン(またはオンライン)計算にオフロードすることにより、MPCにおいて最適化問題を解く際の計算の負担の軽減とその計算の高速化との双方を実現しつつ、さらに、安全なおよび危険な状態空間の広い領域をカテゴライズするためにロバスト性をこの方法に加えて、MPCが広範囲のチェイサー宇宙機状態について安全な動作(衝突なしのランデブー軌道)を保証することが、認識されている。
受動安全性の実現についてのもう1つの認識は、制御がない場合に指定期間内においてチェイサー宇宙機がターゲットと衝突する危険領域に対応する状態空間の領域を求めるために、ターゲットから計算された、時間間隔後方到達可能セット(BRSI:backwards reachable set over a time interval)である。受動安全性は、ランデブー中に制御が完全に失われた場合にチェイサー宇宙機がそのターゲットとの衝突を回避すること、すなわち、制御がない場合にチェイサー宇宙機はターゲットと衝突しないように時間とともに自然に進化することを、保証する。
計算の扱い易さについて、もう1つの認識は、ターゲットの一般軌道についての運動の非線形相対運動方程式を線形化して一組の線形時変(LTV:linear time-varying)方程式にする必要がある、ということであった。よって、システムのLTVの性質が原因で、BRSIの正確な計算は不可能である。そのため、危険領域の近似をターゲットの軌道全体に沿うBRSIの和集合(union)のオフライン計算で行うことができる。BRSIの和集合は、回避すべき領域を決定し、これは、オンライン軌道生成プロセスについての受動安全性制約として定式化される。
含まれていたもう1つの認識は、モデル予測制御(MPC)ポリシーを受動安全性制約を実施するために用いて、チェイサー宇宙機がBRSIの和集合の外側に留まり結果としてスラスタ故障時の衝突が発生しない軌道を保証する、ということであった。本開示の全体において、MPCポリシーを、フェイルセーフMPCポリシー、フェイルセーフ制御ポリシーと呼ぶことがある。
MPCポリシーは、後退範囲の最適制御問題を解くことに基づく。たとえば、MPCポリシーは、受動安全性を保証する制約を実施するだけである。たとえば制御入力に対する追加の制約を含めることもできる。LTV BRSI回避を実施する制約は、楕円体、多面体、またはゾノトープ(zonotope)等の凸セットの和集合の回避を必要とするので、非凸である。このことは、有限範囲のMPC最適制御問題を著しく複雑化する。実際、各凸集合の回避さえ、非凸制約によって記述される。よって、この問題に対処するために、局所的凸化アプローチが実現され、これは、制約に対するタンジェントを計算し、次に半空間制約を実施し安全セットの中であってかつ危険セットの外に留まることによって受動安全性を実現できることを保証することに、基づいている。半空間制約は、状態を超平面の一方側上に強制する制約であり、したがって、本開示では、多くの場合、超平面制約および半空間制約を区別なく使用する。
本開示の一実施形態において、接超平面が、チェイサー宇宙機状態を危険セットから分離する超平面を発見する最適化問題(危険セットが多面体で構成される場合は線形計画、または、危険セットが楕円体で構成される場合は二次錐計画)を解くことによって計算される。
本開示の別の実施形態において、接超平面は、現在のチェイサー宇宙機状態を径方向に楕円体上に投影し、最も遠い径方向投影を選択し、径方向投影ポイントにおける接超平面を算出することにより、計算される。現在のチェイサー宇宙機状態から楕円体の表面までの径方向距離が、各楕円体に対応する形状行列によって現在のチェイサー宇宙機状態を正規化することにより計算され、結果として楕円体の表面上に最接近状態が得られる。
本開示の一実施形態において、半空間制約は、確率制約(chance constraint)として定式化され、これは、走行体またはターゲットの位置に関する不確実性および/またはスラスタの大きさまたは方向の不確実性に起因する少なくとも先験的指定確率で半空間制約が充足されることを必要とする。実際、半空間制約は、先験的指定確率レベルおよび不確実性の共分散とに基づいて「強化され」、危険領域境界から離れ、予想されたチェイサー宇宙機状態が実際のところ推定されたものよりも危険領域に近くなる可能性を考慮するために緩衝領域を与え、それにより、先験的指定確率レベルにまでチェイサーが危険領域の外側に留まることを保証する。
本開示のいくつかの実施形態は、3つのフェーズに分けられたミッションに適用されるアプローチを含む。第1のフェーズは、ターゲットの周りのアプローチ楕円体(AE:approach ellipsoid)について受動安全性を維持するようにコントローラに制約を与える。第2のフェーズは、AEに入るためのコマンドが発行されると開始され、寸法がすべての軸において等しい場合、キープアウト球体(KOS:keep-out sphere)と呼ばれることも多いキープアウト楕円体(KOE:keep-out ellipsoid)について受動安全性を維持する。最後に、最終アプローチが実施されると第3のフェーズが開始され、チェイサー宇宙機はKOEに入ることができ、その点で受動安全性はもはや実施されない。
非限定的な一実施形態に従うと、制御されるチェイサー宇宙機は、8つのスラスタによって作動し、各スラスタは、宇宙機を回転させるトルクを生成せずに宇宙機の位置を変更する力を生成すべく、宇宙機の質量中心と位置合わせされるように、搭載される。
本開示のある実施形態に従うと、目的は、制御されているチェイサー宇宙機を、制御されていない宇宙機または天体とランデブーさせることである。この開示において、制御下の宇宙機を、被制御宇宙機またはチェイサー宇宙機と呼ぶことにより、制御の対象を示す。同様に、制御されていない宇宙機または天体または宇宙機もしくは天体の周りの領域は、ターゲット、すなわち追跡対象の本体または領域とも呼ばれる。
本開示のある実施形態に係る、有限時間範囲にわたり走行体をターゲットとランデブーさせるために走行体の動作を制御するためのシステムである。トランシーバが、有限時間範囲内の指定期間におけるマルチオブジェクト天文座標系内での走行体状態およびターゲット状態の値を含むデータを受け付ける。システムはプロセッサを含み、プロセッサは、受動危険領域が格納されているメモリにアクセスし、指定期間においてターゲットが位置する軌道に対応する受動危険領域のセットを選択する。受動危険領域のセットは、指定期間内で宇宙機スラスタ完全故障の場合のターゲットとの衝突軌道を保証するターゲットの周りの空間の領域を表す。受動危険領域のセットを受動安全性制約として定式化する。走行体の力学のモデルを有するコントローラを、受け付けたデータで更新し、更新したコントローラに受動安全性制約を課すことにより、指定期間の間受動危険領域のセットを回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、走行体がターゲットと衝突しないように、走行体スラスタ完全故障の場合のターゲットに対する衝突なしの軌道を保証する。制御コマンドを出力することにより、指定期間の間走行体の1つ以上のスラスタを制御コマンドに基づいて作動または停止させる。
本開示の別の実施形態に係る、有限時間範囲にわたり宇宙機をターゲットとランデブーさせるために宇宙機を制御する方法である。宇宙機およびターゲットはマルチオブジェクト天文座標系を形成する。有限時間範囲内の複数の指定期間のうちのある指定期間におけるマルチオブジェクト天文座標系内での宇宙機状態およびターゲット状態の値を含むデータを受け付ける。この方法は、受動危険領域が格納されているメモリにアクセスし、指定期間においてターゲットが位置する軌道に対応する受動危険領域のセットを選択するステップを含む。受動危険領域のセットは、指定期間内における宇宙機スラスタ完全故障の場合のターゲットとの衝突軌道を保証するターゲットの周りの空間の領域を表す。受動危険領域のセットを受動安全性制約として定式化する。宇宙機の力学のモデルを有するコントローラを、受け付けたデータで更新し、更新したコントローラに受動安全性制約を課すことにより、指定期間の間受動危険領域のセットを回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、宇宙機がターゲットと衝突しないように、宇宙機スラスタ完全故障の場合のターゲットに対する衝突なしの軌道を保証する。制御コマンドを出力することにより、指定期間の間宇宙機の1つ以上のスラスタを制御コマンドに基づいて作動または停止させる。
本開示の別の実施形態に係る、格納された命令を含む非一時的なマシン読取可能媒体であって、命令は、処理回路によって実行されると、処理回路を、有限時間範囲にわたり宇宙機をターゲットとランデブーさせるために宇宙機を制御する動作を実行するように構成する。宇宙機およびターゲットはマルチオブジェクト天文座標系を形成する。有限時間範囲内の複数の指定期間のうちのある指定期間におけるマルチオブジェクト天文座標系内での宇宙機状態およびターゲット状態の値を含むデータを受け付ける。受動危険領域が格納されているメモリにアクセスし、指定期間においてターゲットが位置する軌道に対応する受動危険領域のセットを選択する。受動危険領域のセットは、指定期間内における宇宙機スラスタ完全故障の場合のターゲットとの衝突軌道を保証するターゲットの周りの空間の領域を表す。受動危険領域のセットを受動安全性制約として定式化する。宇宙機の力学のモデルを有するコントローラを、受け付けたデータで更新する。更新したコントローラに受動安全性制約を課すことにより、指定期間の間受動危険領域を回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、宇宙機がターゲットと衝突しないように、宇宙機スラスタ完全故障の場合のターゲットに対する衝突なしの軌道を保証する。さらに、制御コマンドを出力することにより、指定期間の間宇宙機の1つ以上のスラスタを制御コマンドに基づいて作動または停止させる。
本開示の別の実施形態に係る、有限時間範囲にわたりリアルタイムで走行体をターゲットとランデブーさせるために走行体を制御するためのコントローラである。走行体およびターゲットはマルチオブジェクト天文座標系を形成する。トランシーバが、有限時間範囲内の指定期間におけるマルチオブジェクト天文座標系内での走行体状態およびターゲット状態の値を含むデータをリアルタイムで受け付ける。コントローラは、走行体の推進制御システムに関連する情報をリアルタイムで送るインターフェイスを有するガイダンス・制御コンピュータ(GCC:guidance and control computer)プロセッサを含む。GCCプロセッサは、指定期間において、受け付けたデータから、リアルタイムでターゲットが位置するエリアを特定する。危険領域を有するメモリにアクセスし、格納されている危険領域から、ターゲットエリア位置に対応する危険領域のセットを選択する。危険領域のセットは、作動モータの数の予め定められた組み合わせの任意の動作がターゲットとの衝突を回避せずターゲットとの衝突軌道を保証する、ターゲットの周りのエリア内の領域を表わす。危険領域のセットを安全性制約として定式化し、受け付けたデータで、走行体の力学のモデルを有するコントローラを更新する。更新したコントローラに安全性制約を課すことにより、危険領域のセットを回避するランデブー軌道を生成するために、制御コマンドを生成して、推進制御の部分的故障の場合に少なくとも作動モータの数の予め定められた組み合わせの動作を保証し、結果としてターゲットと衝突しない軌道を提供する。制御コマンドを推進制御システムに出力することにより、指定期間の間走行体の1つ以上のモータを制御コマンドに基づいて作動または停止させる。
本開示の別の実施形態に係る、有限時間範囲にわたり走行体をターゲットとランデブーさせるために走行体の動作を制御するためのコントローラである。トランシーバが、有限時間範囲内の指定期間における走行体およびターゲットデータを含むデータを受け付ける。コントローラはプロセッサを含み、プロセッサは指定期間において危険領域が格納されているメモリにアクセスする。格納されている危険領域から、ターゲットが位置する軌道に対応する危険領域のセットを選択する。危険領域のセットは、宇宙機スラスタ完全故障の場合のターゲットとの衝突軌道を保証するターゲットの周りの空間の領域を表す。危険領域のセットを安全性制約として定式化する。走行体の力学のモデルを有するコントローラを、受け付けたデータで更新し、更新したコントローラに安全性制約を課すことにより、危険領域のセットを回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、走行体がターゲットと衝突しないように、走行体スラスタ完全故障の場合のターゲットに対する衝突なしの軌道を保証する。制御コマンドを出力することにより、指定期間の間走行体の1つ以上のスラスタを制御コマンドに基づいて作動または停止させる。
ここに開示する実施形態について、添付の図面を参照しながらさらに説明する。示されている図面は、必ずしも正しい縮尺ではなく、代わりに、ここに開示する実施形態の原理を説明するにあたり強調を全体的に加えている。
本開示のある実施形態に係る、スラスタ制御が完全に失われた場合における安全なランデブーマヌーバ設計のためのいくつかのシステムおよび方法ステップを示すブロック図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、スラスタ制御が完全に失われた場合における安全なチェイサー宇宙機の動作を制御するための方法を示すブロック図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Bの方法の少なくともいくつかのステップを実現するコントローラのいくつかの構成要素を示すブロック図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、ターゲット軌道フレーム上に投影された複数の指定期間の複数の後方到達可能セットを表したものを示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、アプローチ楕円体(AE)およびキープアウト楕円体(KOE)を示す、ターゲット軌道フレーム上に投影された後方到達可能セットを表したものを示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、受動安全性を如何にして実施するかを示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、フェイルセーフランデブー制御に関連付けられたアルゴリズムを示す図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、V-Bar危険AEアプローチを示すグラフの図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、V-Bar安全AEアプローチを示すグラフの図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、V-Bar安全KOEアプローチを示すグラフの図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、V-Bar安全KOEアプローチ相対位置を示すグラフの図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、V-Bar安全KOEアプローチ相対位置を示すグラフの図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、V-Bar安全アプローチ制御を示すグラフの図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、R-Bar安全AEアプローチを示すグラフの図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、R-Bar安全KOEアプローチを示すグラフの図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、3D安全AEアプローチを示すグラフの図である。 方法およびシステムのいくつかの局面を実現するために使用される局面をより十分に理解するためのいくつかの従来のパラメータの概略図である。 方法およびシステムのいくつかの局面を実現するために使用される局面をより十分に理解するためのいくつかの従来のパラメータの概略図である。 方法およびシステムのいくつかの局面を実現するために使用される局面をより十分に理解するためのいくつかの従来のパラメータの概略図である。 方法およびシステムのいくつかの局面を実現するために使用される局面をより十分に理解するためのいくつかの従来のパラメータの概略図である。 方法およびシステムのいくつかの局面を実現するために使用される局面をより十分に理解するためのいくつかの従来のパラメータの概略図である。 本開示のある実施形態に係る、生成された制御コマンドを実現するためのいくつかの構成要素を示すブロック図である。 本開示のある実施形態に係る、スラスタ構成の特徴を示す概略図である。 本開示のある実施形態に係る、モーターボートを示す概略図である。 本開示のいくつかの実施形態に係る、方法およびシステムを実現するために使用されるいくつかの構成要素を示す概略図である。 本開示の実施形態に係る、方法およびシステムのいくつかの技術を実現するために使用することができるコンピューティング装置を非限定的な例として示す、概略図である。
上記図面はここに開示する実施形態を記述しているが、明細書に記載されているようにその他の実施形態も意図されている。本開示は、限定ではなく代表として、例示としての実施形態を示す。当業者は、ここに開示する実施形態の原理の範囲と精神に含まれるその他多数の修正および実施形態を考案することができる。
図1Aは、本開示のある実施形態に係る、スラスタ制御が完全に失われた場合における安全なランデブーマヌーバ設計のためのいくつかのシステムおよび方法ステップを示すブロック図である。このシステムおよび方法は、有限時間範囲にわたり走行体をターゲットとランデブーさせるために走行体の動作を制御するためのものである。
図1Aのステップ5は、システムのトランシーバが、有限時間範囲内の指定期間においてマルチオブジェクト天文座標系における走行体状態およびターゲット状態の値を含むデータを受け付けることを含む。
図1Aのステップ7は、プロセッサが、指定期間においてターゲットが位置する軌道に関連付けられるメモリから受動危険領域にアクセスすることを含む。
図1Aのステップ9は、受動危険領域を受動安全性制約として定式化することを含む。受動危険領域は、指定期間内における走行体スラスタ完全故障の場合のターゲットとの衝突軌道を保証するターゲットの周りの空間の領域を表す。
図1Aのステップ11は、走行体の力学のモデルを有するコントローラを、受け付けたデータで更新することを含む。
図1Aのステップ13は、更新したコントローラに受動安全性制約を課すことにより、指定期間の間危険領域を回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、走行体がターゲットと衝突しないように、走行体スラスタ完全故障の場合のターゲットに対する衝突なしの軌道を保証することを、含む。
図1Aのステップ15は、制御コマンドを出力して、走行体の1つ以上のスラスタを制御コマンドに基づいて指定期間の間作動または停止させることを含む。
本開示の実施形態は、衛星サービス、アクティブデブリの低減、宇宙内製造、宇宙ステーション補給、および惑星サンプルリターンを実行するミッションにとって重要なフェーズである軌道ランデブーに対して重要な解決策を提供する。本開示のランデブーミッションの受動安全性分析を用いることにより、マヌーバ能力の喪失につながる故障がマヌーバを実行しているチェイサー宇宙機に生じた場合の衝突の全確率を評価することができる。本開示がランデブーミッションの受動安全性を判断する際に考慮するいくつかの重要な要因は、選択されたアプローチ軌道、宇宙機およびターゲットの状態推定、ならびに危険領域等の衝突計算の確率を含み得る。さらに、軌道ランデブーおよび近接演算は、ミッションの目的を達成する重要なプロセスであり、軌道ランデブーは、宇宙開発にとって重要な技術である。軌道ランデブーは、非限定的な例として、人間の月への到達、宇宙ステーションの組み立ておよび供給、ならびにハッブル宇宙望遠鏡の修理を、提供または可能にする。実際、本開示のシステムおよび方法は、衛星サービス、スペースデブリの除去、宇宙内製造、宇宙ステーション補給、および惑星サイエンスサンプルリターンミッションに適用することができる。これらのミッションのうちの各ミッションについて、オペレーションマネージャは、どのようなレベルのリスクが許容可能か、およびリスク低減のためにどのような処置を採用し得るかを、判断する必要がある。
背景のセクションで述べたように、安全なランデブーは、ミッションのリスクを下げるための多数の予防措置にもかかわらず、依然として「現実問題」である。ここ数年の間にいくつかの軌道ランデブーの失敗があった。たとえば、1997年に、ロシアの無人補給船「プログレス」が、宇宙ステーション「ミール」と衝突し、船上の宇宙飛行士はステーションの一部を封鎖することを強いられた。同じ年に、ETS-VIIランデブー・ドッキング実験走行体において、ランデブーの最終フェーズ中に複数の異常が生じた。2005年には、DARPAの自律ランデブー技術の実証(DART)ミッションにおいて、衝突に至る故障が生じた。よって、本開示のシステムおよび方法は、ミッションのステークホルダーに、ミッションのリスクの指標を提供するとともに、同様に重要な、安全なランデブーのリスクに対処するための解決策を提供する。
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る、スラスタ制御が完全に失われた場合における安全なチェイサー宇宙機の動作を制御するための方法を示すブロック図である。たとえば、この方法は、コスト関数の最適化に基づいたジョイントマルチオブジェクト天文座標系のモデルを使用して決定される制御入力で、制御対象のチェイサー宇宙機の動作を繰り返し制御する。
図1Bの最初のステップ110は、制御対象のチェイサー宇宙機および制御対象でないターゲットの現在の状態を判断することを含み、宇宙機および制御対象でないターゲットの現在の状態は、センサ、またはハードウェアもしくはソフトウェア等のその他の特徴を用いて判断することができる。加えて、宇宙機および制御対象でないターゲットの現在の状態は、地球上に位置する地上コマンドセンターまたは宇宙空間に位置する別の宇宙機、たとえばGPS、相対レンジ測定、スタートラッカー、地平線センサなどとの通信から、取得することができる。また、以前の宇宙機モデルを使用した以前のコスト関数で最適化される以前の繰り返しに対して決定された以前の制御入力に基づいて判断することも可能である。
引続き図1Bを参照して、ステップ110で判断された状態は、制御対象でないターゲットおよび制御対象のチェイサー宇宙機がその周りで軌道を描く中心体に対する絶対状態であってもよい。
これに加えてまたはこれに代えて、いくつかの実装形態において、コントローラ101は入力インターフェイス133を含み、この入力インターフェイスは、コントローラ101の外部で実現されるステップ110で判断されることが意図されたおよび/または判断されたマルチオブジェクト天文座標系における制御対象の宇宙機および制御対象でないターゲットの状態の現在の値を示すデータを受け付けるように構成される。本明細書で使用される、状態は、制御対象の宇宙機および制御対象でないターゲットの、位置および並進速度、ならびにマルチオブジェクト天文座標系に対して作用する摂動のうちの、1つまたは組み合わせを含む。
図1Bのステップ130は、ジョイントマルチオブジェクト天文座標系の力学の現在のモデルを用いて現在の繰り返しにおいて宇宙機を制御するための現在の制御入力を決定する。
図1Bのステップ132において、この方法は、ジョイントマルチオブジェクト天文座標系の力学の現在のモデルを使用し、少なくとも新たな状態測定値を取得するために、現時点から将来の固定時間量の間のスラスタ力の将来の一連の入力を決定する。予測された将来の宇宙機状態および入力は、宇宙機の動作に対する受動安全性制約および制御入力に対する制約を充足する。
図1Bのステップ134は、宇宙機の状態の新たな測定値を取得するのに必要な時間の量に等しい期間の入力シーケンスの第1の部分を含む。これは、宇宙機への現在の制御入力として選択され次のステップ136に与えられる。
図1Bのステップ136は、スラスタプロファイルを宇宙機への入力として使用する。
図1Bのステップ140において、ステップ110で判断された、制御対象のチェイサー宇宙機および制御対象でないターゲットの現在の状態と、ステップ130で決定された宇宙機への現在の制御入力に基づいて、制御対象のチェイサー宇宙機および制御対象でない天体の次の状態が判断され、ステップ140において、コントローラは新たな状態測定値を受けるまで待つ。
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る、図1Bの方法の少なくともいくつかのステップを実現するコントローラのいくつかの構成要素を示すブロック図である。図1Bの方法は、コントローラのモジュールを実行するために少なくとも1つのプロセッサ113を有する制御システムまたはコントローラ101を含み得る。コントローラ101は、プロセッサ113およびメモリ119と通信可能である。メモリは、コスト関数121、ジョイントマルチオブジェクト天文座標系のモデル12、および受動安全性制約129を含む、格納された少なくとも1つを有し得る。
さらに、図1Bの方法は、図1Cに示されるように、受動安全性制約を受ける更新されたコントローラ(受け付けられたまたは現在の走行体およびターゲットデータを用いて更新されたもの)を用いて、プロセッサ113を介して制御入力107を決定することができる。受動安全性制約は、ターゲット軌道位置を、メモリ119に格納された格納受動危険領域123からの受動危険領域のセットと対応させ、次に、受動危険領域のセットを受動安全性制約として定式化することにより、決定される。受動安全性制約129は、走行体の力学のモデル127を有する更新されたコントローラに与えられ、その後メモリ119に格納される。決定された制御入力107は、宇宙機152に送信することができる。そのため、コントローラ101は、制御コマンド107を宇宙機のスラスタに与えるように構成された出力インターフェイスに含まれるまたは作動的に接続されることができる。さらに、宇宙機152は、他の構成要素のうちの、スラスタ103およびセンサ108を有し得る。宇宙機152の現在の状態106は、センサ108から取得してプロセッサ113に伝達することができる。
引続き図1Cを参照して、少なくとも1つの実施形態は、プロセッサ113が、制御中に、コスト関数121、ジョイントマルチオブジェクト天文座標系のモデル12、および受動安全性制約129のうちの少なくとも1つを求めることを含み得る。たとえば、制御システム101は、コスト関数の最適化に基づいて、ジョイントマルチオブジェクト天文座標系のモデル12を用いて決定された、図1のステップ130の制御入力で、宇宙機152の動作を繰り返し制御する、図1の方法を実行することができる。図1の方法は、コントローラ101により、以前の宇宙機152の繰り返しの動作に基づいて、すなわち、宇宙機の以前のモデルを使用する以前のコスト関数によって最適化された以前の繰り返しについて求められた以前の制御入力を有する以前の繰り返しの制御動作から、実行することも可能であることが、意図されている。
図1Dは、本開示のいくつかの実施形態に係る、ターゲット軌道フレーム上に投影された複数の指定期間の複数の後方到達可能セットを表したものを示す概略図である。計算を扱い易くするために、ターゲットの包括楕円軌道を中心とする非線形相対運動の方程式が線形化され、結果として、線形時変(LTV)相対運動方程式(EoM)のセットが得られる。このシステムのLTVという性質は、近点(periapsis)(中心体に最も近い点)の近傍のチェイサー宇宙機の力学が、遠点(apoapsis)(中心体から最も遠い点)と異なる態様で挙動することを、意味する。システムのLTVという性質が原因で、BRSIの正確な計算は不可能であり、よって、危険領域を、ターゲットの全軌道に沿うBRSIの和集合のオフライン計算で慎重に近似する。BRSIの和集合は、回避すべき危険領域を決定し、これは、オンライン軌道生成プロセスの受動安全性制約として定式化される。
引続き図1Dを参照して、チェイサー宇宙機がターゲットまたはターゲット領域とランデブーする際に危険領域を回避することを強制し、そうすることで、チェイサー宇宙機がBRSIの和集合の外部に留まることを保証し、よってスラスタ完全故障の場合に衝突のない軌道を保証する、モデル予測制御(MPC)ポリシーが構築される。MPCポリシーは、本開示を通して、フェイルセーフMPCポリシー、フェイルセーフ制御ポリシーと呼ばれることもある。
提案されるアプローチは、3つのフェーズに分けられたミッションに適用される。第1のフェーズは、ターゲットの周りのアプローチ楕円体(AE)に関して受動安全性を維持するようにコントローラに制約を与える。AEに入るためのコマンドが発行されると、第2のフェーズは、キープアウト楕円体(KOE)に関して受動安全性を維持する。最後に、最終アプローチが実施されると、第3のフェーズにおいてチェイサー宇宙機はKOEに入ることができ、その点においてもはや受動安全性は実施されない。
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係る、アプローチ楕円体(AE)およびキープアウト楕円体(KOE)を示す、ターゲット軌道フレーム上に投影されたtのΔT秒前におけるアプローチ楕円体(AE)の単一の後方到達可能セットを表したものを示す概略図である。AEのΔT後方到達可能セットの状態は、ΔT秒でAEに流れ込む。
たとえば、到達可能性(後方到達可能セット等)および後退範囲制御からの概念を組み合わせることにより、チェイサー宇宙機の、包括楕円軌道上のそのターゲットへの受動的に安全なランデブー軌道を生成するオンライン軌道生成アルゴリズムを設計する。受動安全性を実現するために、ターゲットからのある時間間隔にわたる後方到達可能セット(BRSI)を計算して、制御がない場合においてチェイサー宇宙機が指定期間内にターゲットと衝突する危険領域に対応する状態空間の領域を決定する。
先に述べたように、図2は、AEおよびKOEならびに軌道フレーム上に投影された後方到達セットを示したものを提供する。
Figure 0007499952000001
Figure 0007499952000002
Figure 0007499952000003
Figure 0007499952000004
Figure 0007499952000005
Figure 0007499952000006
Figure 0007499952000007
Figure 0007499952000008
引続き図2を参照して、次のセクションで、(9)の均質解、すなわちすべてのtについてのu=0を用いることにより、受動安全性についての後方到達可能セットを計算する。
Figure 0007499952000009
Figure 0007499952000010
Figure 0007499952000011
Figure 0007499952000012
Figure 0007499952000013
Figure 0007499952000014
引続き図2を参照して、BRSI(16)は、楕円体ではなく、楕円体の有限セットの和集合である。
Figure 0007499952000015
Figure 0007499952000016
引続き図2を参照して、PAEとPKOEとの唯一の違いはブロック行列Pである。行列(19)を用いて、3D楕円体上の位置に制約を与えつつ、速度には制限がないままにしておく。(19)がBRSI計算に使用される場合、得られたセットは、ある時間範囲においてターゲットセットに入るすべての可能な位置および速度を表す。得られたBRSのすべても(縮退)楕円体である。
Figure 0007499952000017
フェイルセーフランデブー制御:次に、LTV BRSI(17)を活用するフェイルセーフMPCポリシーを構築する。特に、MPCは、制約を用いることにより、BRSIの外部で軌道を維持しつつ、適切なコスト関数を最小にし、たとえば、燃料消費を削減する。先に述べたように、本開示の全体において、MPCポリシーを、フェイルセーフMPCポリシー、フェイルセーフ制御ポリシーと呼ぶことがある。
Figure 0007499952000018
Figure 0007499952000019
図3は、本開示のいくつかの実施形態に係る、受動安全性制約を定式化するために局所的凸化を如何にして使用するかを示す概略図である。以下では局所的凸化方法が如何にして機能するかを説明する。
Figure 0007499952000020
Figure 0007499952000021
Figure 0007499952000022
Figure 0007499952000023
Figure 0007499952000024
コスト関数:MPC問題のコスト関数は、予測範囲に沿って積分されたステージコストと、範囲の終端における状態についてのターミナルコストとからなり、これは、MPC制御目的を符号化する。本開示の実施形態の少なくとも1つの目的は、ランデブーが起こり、チェイサー宇宙機がターゲット軌道フレームの原点に到達して滞在する、すなわちゼロ位置および速度に到達するようにすることである。他の目的は、必要な全燃料を最小にすることであり、その理由は、ペイロード質量を増すことが可能になることにある。この目的は、推進システムのスラストuを最小にすることにより、MPCポリシーに符号化される。最後に、LTV BRSIから導出された制約が軟化されるので、コントローラの別の目的は、安全性制約違反を最小にすることである。実際、安全性という目的とアプローチという目的とは相容れないので、結果として、最適な解決策において折り合いを付けることになる。
Figure 0007499952000025
Figure 0007499952000026
Figure 0007499952000027
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係る、フェイルセーフランデブー制御(fail-safe rendezvous control)に関連付けられたアルゴリズムを示す。
図4のアルゴリズムの概要:先に述べたように、提案されているアプローチは、3つのミッションフェーズに分けられる。
1)フェーズ1:AEについての受動安全性。
2)フェーズ2:KOEについての受動安全性。
3)フェーズ3:安全性なし、最終アプローチ。
Figure 0007499952000028
Figure 0007499952000029
実験またはシミュレーション結果:図4のアルゴリズム1の有効性を明らかにするために、3つのケーススタディを提示する。
Figure 0007499952000030
Figure 0007499952000031
結果として得られるターゲット本体の軌道周期は、t=106.02分=6361.2秒である。ラジアル、アロングトラック、および面外方向における、ターゲットの周りのAEのサイズを[1 2 1]kmとし、KOEのサイズを[100 200 100]mとする。チェイサー宇宙機の質量は、m=4000Kgである。
Figure 0007499952000032
以下の図面において、初期条件を緑色のアスタリスクで表し、青色の軌道は、ターゲットの軌道フレームFで見た場合のターゲットに対するチェイサーの相対位置であり、黒色の線は受動安全性を検証するために制御なしで前方に伝搬させた、サンプリングされたフリードリフト軌道である。サンプリングされたフリードリフト軌道を、AEまたはKOEのいずれかと交差する場合、赤色で着色する。
Figure 0007499952000033
図6は、本開示のいくつかの実施形態に係る、V-Bar安全AEアプローチを示すグラフである。ランデブーマヌーバは、受動安全性制約のため、明らかに修正されており、結果としてAEに向かう受動的に安全な軌道が得られる。
Figure 0007499952000034
Figure 0007499952000035
Figure 0007499952000036
Figure 0007499952000037
図9および図10を参照して、これらは、チェイサーの相対位置および速度、制御力、および、現在の状態が、AEまたはKOEに関連付けられるLTV BRSIの内部にあるか否かのテストの、時間的履歴を示すグラフである。AE、KOEについての受動安全性の維持と最終アプローチフェーズとの間のフェーズ切替は、縦方向の黒の点線で示されている。図3のアルゴリズム1のフェイルセーフ制御ポリシーは、ほぼ即時に、受動安全性を維持するためにLTV BRSIの外側に宇宙機を誘導する。
Figure 0007499952000038
図11は、本開示のいくつかの実施形態に係る、R-Bar安全AEアプローチを示すグラフである。
図12は、本開示のいくつかの実施形態に係る、R-Bar安全KOEアプローチを示すグラフである。
図11および図12を参照して、図10および図11において認識できるように、AEまたはKOEと交差する、サンプリングされたフリードリフト軌道はない。この初期条件について、危険な(unsafe)アプローチ(図示せず)がΔVunsafe=27.3216m/sを消費する一方で、安全な(safe)アプローチはΔVsafe=30.0941m/sを必要とする。
Figure 0007499952000039
図13は、本開示のいくつかの実施形態に係る、3D安全AEアプローチを示すグラフである。これまでのように、受動安全性は、ランデブーシミュレーションのAEおよびKOEフェーズの双方で維持され、AEまたはKOEと交差する、サンプリングされたフリードリフト軌道は存在しない(図示せず)。
危険アプローチがΔVunsafe=22.2205m/sを消費するのに対し、安全アプローチはΔVsafe=28.7021m/sを必要とする。安全アプローチは、AE LTV BRSIに入るのを回避するために、明らかに安全性制約によって修正されている。提案されているアプローチの利点のうちの1つは、従来のものではない初期ランデブー条件からの従来のものではないマヌーバを、受動的に安全なやり方でオンラインで生成できることである。
本開示のいくつかの実施形態は、後方到達可能セットおよびモデル予測制御を用いて、包括楕円軌道上におけるランデブーに対してフェイルセーフな制御ポリシーを提供する。提案されている制御ポリシーは、スラスタ完全故障の場合にチェイサー宇宙機がランデブーターゲットと衝突しないようにする受動安全性制約を充足することができる。
特徴
本開示の局面に係る、有限時間範囲にわたり走行体をターゲットとランデブーさせるために走行体の動作を制御するためのシステムである。システムは、有限時間範囲内の指定期間におけるマルチオブジェクト天文座標系内での走行体状態およびターゲット状態の値を含むデータを受け付けるトランシーバを含む。プロセッサが、受動危険領域が格納されているメモリにアクセスし、指定期間においてターゲットが位置する軌道に対応する受動危険領域のセットを選択する。受動危険領域のセットは、指定期間内における宇宙機スラスタ完全故障の場合のターゲットとの衝突軌道を保証するターゲットの周りの空間の領域を表す。受動危険領域のセットを受動安全性制約として定式化する。走行体の力学のモデルを有するコントローラを、受け付けたデータで更新し、更新したコントローラに受動安全性制約を課すことにより、指定期間の間受動危険領域のセットを回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、走行体がターゲットと衝突しないように、走行体スラスタ完全故障の場合のターゲットに対する衝突なしの軌道を保証する。制御コマンドを出力することにより、指定期間の間走行体の1つ以上のスラスタを制御コマンドに基づいて作動または停止させる。以下の局面のうちの1つ以上が、上記実施形態の1つ以上の修正実施形態を構成するものとして意図されている。
本開示の別の局面は、マルチオブジェクト天文座標系が、3次元空間内における、宇宙機等の走行体、ターゲット、および他の天体物体の位置を含む、天文基準座標系もしくは天文座標系を含む、または、物体の距離が不明の場合は天球上に方向をプロットすることを、含み得る。ある局面において、天体物体は、ターゲットがその周りを軌道を描いて周回する地球等の主天体を含み、または、地球等の主天体と月等の副天体とを含み、ターゲットは、L1ラグランジュ点、L2ラグランジュ点またはL3ラグランジュ点のうちの1つの近くの周期的3次元軌道であるハロー軌道にあってもよい。別の局面において、宇宙機、天体、およびスペースデブリの周りの領域は、アプローチ楕円体(AE)領域またはキープアウト球体(KOS)領域のうちの1つであってもよく、または、宇宙機、天体、およびスペースデブリの周りの領域は、アプローチ多面体(AP:approach polytope)領域またはキープアウト多面体(KOP:keep-out polytope)領域のうちの1つであってもよい。
別の局面において、ターゲットの軌道は、円軌道、楕円軌道、ハロー軌道、直線に近いハロー軌道、または準衛星軌道のうちの1つであってもよい。他の局面において、受動危険領域にメモリからアクセスするために、プロセッサは、受け付けたデータから指定期間においてターゲットが位置する軌道を特定し、メモリから受動危険領域(PUR)データベースにアクセスし、ターゲット軌道を用いて、PURデータベースからターゲット軌道について対応するPURのセットを特定してもよい。
別の局面において、受動危険領域は、ターゲットの周りの領域の後方到達可能セットを、ターゲットが宇宙機、天体またはスペースデブリとなるように、かつ、宇宙機、天体およびスペースデブリの周りの領域がアプローチ楕円体(AE)領域またはキープアウト楕円体球体(KOSE)領域となるように、計算することによって決定されてもよい。ある局面において、後方到達可能セットは、制御がない状態でターゲット領域に受動的にドリフトする状態空間の領域として、ターゲット領域から時間的に後方に計算される。または、ある局面において、後方到達可能セットは、楕円体、多面体、またはゾノトープのうちの1つである。さらにある局面において、ターゲットの周りの領域の後方到達可能セットの計算は、オフラインで実行され、メモリに格納されてもよい。さらに、ある局面において、ターゲットの周りの領域の後方到達可能セットの計算は、走行体の搭載センサ測定値からのターゲットの推定位置に基づいて、オンラインでかつリアルタイムで実行され、メモリに格納される。または、ある局面において、ターゲット領域は、ターゲットの軌道に沿ってターゲットが移動するのに伴って時間とともに変化し、後方到達可能セットはターゲットの軌道に沿う複数のターゲット位置およびターゲット領域位置について計算される。
別の局面において、コントローラはモデル予測コントローラ(MPC)であってもよい。ある局面において、MPCは、受動危険領域のセットの局所的凸化を用いることにより、走行体状態が受動危険領域の内側にないときにのみ充足される線形受動安全性制約を定式化する。ある局面において、受動危険領域のセットの局所的凸化は、受動危険領域境界を近似する半空間制約を計算することによって実現される。ある局面において、半空間制約は、走行体またはターゲットの位置に関する不確実性および/またはスラスタの大きさもしくは方向の不確実性に起因する、少なくとも先験的指定確率レベルで半空間制約が充足されることを必要とする、機会制約として、定式化される。
別の局面において、許容可能な制御入力のセットにわたって最適化されたときにオプティマイザーが制御コマンドを生成するように、受動安全性制約を含む最適制御問題を定式化することにより、更新されたコントローラに受動安全性制約を課す。別の局面において、制御コマンドは、後退範囲にわたってコスト関数を最適化することにより制御コマンドを生成するモデル予測制御ポリシーに対する解として生成される。別の局面において、制御コマンドは、有限時間範囲内の複数の指定期間のうちの各指定期間ごとに生成される、または、後退時間範囲にわたって繰り返し生成される。ある局面において、制御コマンドは繰り返し生成され、少なくとも1回の繰り返しは、宇宙機の所望の動作の変更に基づいて、コスト関数の成分、コスト関数の成分の重み、および受動安全性制約のうちの、1つまたは組み合わせを更新することを含む。他の局面において、各繰り返しごとに、次の逐次指定期間において、異なる受動危険領域が存在する。
本開示の局面に従い、実験に基づいて、以下の定義が確立されたが、決して各表現または用語の完全な定義ではない。提供されている定義は、実験から得られた知識に基づいて一例として提供されているに過ぎず、その他の解釈、定義、およびその他の特徴が適している可能性もある。しかしながら、提示する表現または用語の少なくとも基本的な予告程度のものとして、そのような定義が提供されている。
クレームされていない請求項のセット:ある局面において、受動危険領域は、走行体状態が受動危険領域の内側にないときにのみ充足される制約関数を用いることによって受動安全性制約を定式化するために、使用される。別の局面において、制御コマンドは最適制御問題に対する解として生成される。ある局面は、制御コマンドがコントローラの動作モジュールに出力され、動作モジュールは、制御コマンドを、デルタvコマンドとして制御コマンドを受けるスラスタコマンドモジュールに伝達し、スラスタコマンドモジュールは、デルタvコマンドをスラスタコマンドに変換し、スラスタコマンドを少なくとも1つのスラスタのスラスタプロセッサに送ることにより、変換されたデルタvコマンドに従って走行体の軌道追跡制御のためにこの少なくとも1つのスラスタを作動または停止させることを、含み得る。ある局面はさらに、コントローラに関連付けられるコスト関数を含み、コスト関数は、ターゲット状態への走行体の移動を導くための安定化成分と、宇宙機の動作の目的のための成分と、ターゲット状態までの走行体の移動を最適化するためのパフォーマンス成分とを含むことを、含む。ある局面はさらに、コスト関数の成分の各々を、コスト関数の最適化が、優先度をその相対的な重みに対応させて個々の各成分の目的を達成する制御入力を生成するように、重み付けすることを、含む。
ボートの独立請求項:有限時間範囲にわたりリアルタイムで走行体をターゲットとランデブーさせるために走行体を制御するためのコントローラであって、走行体およびターゲットはマルチオブジェクト天文座標系を形成し、トランシーバが、有限時間範囲内の指定期間におけるマルチオブジェクト天文座標系内での走行体状態およびターゲット状態の値を含むデータをリアルタイムで受け付け、コントローラは、走行体の推進制御システムに関連する情報をリアルタイムで送るインターフェイスを有するガイダンス・制御コンピュータ(GCC)プロセッサを含み、GCCプロセッサは、指定期間において、受け付けたデータから、リアルタイムでターゲットが位置するエリアを特定し、危険領域を有するメモリにアクセスし、格納されている危険領域から、ターゲットエリア位置に対応する危険領域のセットを選択し、危険領域のセットは、作動モータの数の予め定められた組み合わせの任意の動作がターゲットとの衝突を回避せずターゲットとの衝突軌道を保証する、ターゲットの周りのエリア内の領域を表わし、危険領域のセットを安全性制約として定式化し、受け付けたデータで、走行体の力学のモデルを有するコントローラを更新し、更新したコントローラに安全性制約を課すことにより、危険領域のセットを回避するランデブー軌道を生成するために、制御コマンドを生成して、推進制御の部分的故障の場合に少なくとも作動モータの数の予め定められた組み合わせの動作を保証し、結果としてターゲットと衝突しない軌道を提供し、制御コマンドを推進制御システムに出力することにより、指定期間の間走行体の1つ以上のモータを制御コマンドに基づいて作動または停止させる。
ある局面は、マルチオブジェクト座標系が、物体の距離が不明の場合、エリア内の走行体、ターゲット、および他の物体の位置を含む、基準系または座標系を含むことを、含む。別の局面において、走行体は水上で前進させる船舶であり、マルチオブジェクト座標系に対して作用する摂動は、1つ以上の水流の量、1つ以上の風の量または他の自然力の量、のうちの1つまたは組み合わせを含み、マルチオブジェクト座標系はマルチオブジェクト航海座標系である。
クレームされていない独立請求項:有限時間範囲にわたり走行体をターゲットとランデブーさせるために走行体の動作を制御するためのコントローラであって、トランシーバが、有限時間範囲内の指定期間における走行体およびターゲットデータを含むデータを受け付け、プロセッサが、指定期間において、危険領域を格納しているメモリにアクセスし、格納されている危険領域から、ターゲットが位置する軌道に対応する危険領域のセットを選択し、危険領域のセットは、宇宙機スラスタ完全故障の場合にターゲットとの衝突軌道を保証する、ターゲットの周りの空間の領域を表し、さらに、危険領域のセットを安全性制約として定式化し、受け付けたデータで、走行体の力学のモデルを有するコントローラを更新し、更新したコントローラに安全性制約を課すことにより、危険領域のセットを回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、走行体がターゲットと衝突しないように、走行体スラスタ完全故障の場合のターゲットに対する衝突なしの軌道を保証し、制御コマンドを出力することにより、指定期間の間走行体の1つ以上のスラスタを制御コマンドに基づいて作動または停止させる。
定義
宇宙機ランデブー:宇宙機ランデブーは一組の軌道マヌーバとなり得るものであって、その間に、2つの宇宙機(またはチェイサー宇宙機とターゲット(すなわちターゲットは別の宇宙機、宇宙ステーション、天体、またはスペースデブリの可能性がある))が同一軌道に到達し非常に近い距離(すなわち目視範囲内)まで近付く。
天文座標系(天文基準座標系):天文学において、天文座標系(または天文基準座標系)は、存在している観察者が利用できる物理的基準点(たとえば地球表面上に存在している観察者の水平北方向)に対する、衛星、惑星、星、銀河、およびその他の天体物体の位置を、特定するための系である。座標系は、3次元空間内における物体の位置を特定することができる、または、物体の距離が不明もしくは問題にならない場合には単にその方向を天球上に描くことができる。座標系は、球面座標系または直交座標系のいずれかで実現される。天球上に投影された球面座標系は、地球の表面上で使用される地理座標系に類似する。これらの違いは、天球を大円に沿って2つの等しい半球に分割する基本平面の選択にある。適切な単位の直交座標系は、単純に、同一の基本(x,y)平面および主(x軸)方向を有する球面座標系のデカルト相当物である。各座標系はその基本平面の選択に応じて名付けられる。
図14A、図14B、図14C、図14Dおよび図14Eは、本開示のいくつかの実施形態に係る、方法およびシステムのいくつかの局面を実現するために使用される局面をより適切に理解するためのいくつかの従来のパラメータを示す概略図である。
円錐曲線:図14Aおよび図14Bを参照して、円錐曲線(conic section)または円錐切断面は、平面を直円錐と交差させることによって形成される曲線である。図14Aおよび図14Bは、円錐曲線が、円なのか楕円なのか放物線なのか双曲線なのかを決める、円錐に対する平面の角度方向を示す。円および楕円は、円錐と平面との交点が境界曲線をなす場合に発生する。円は、平面が円錐の軸に垂直である、円錐の特殊ケースである。平面が円錐の母線に対して平行である場合、円錐曲線は放物線と呼ばれる。最後に、交点が境界曲線をなし平面が円錐の母線に対して平行でない場合、その図形は双曲線である。後者の場合、平面は、円錐の半分の双方と交差し、2つの別々の曲線を形成する。すべての円錐曲線は、偏心率で定義することができる。円錐曲線の種類は、半長軸およびエネルギにも関係する。以下の表は、円錐曲線の、離心率、半長軸、およびエネルギ間の関係を示す。たとえば以下の通りである。
・円の場合の円錐曲線は、離心率eが0、半長軸=半径、エネルギは<0となり得る。
・楕円の場合の円錐曲線は、離心率eが0<e<1、半長軸が≧0、エネルギが<0となり得る。
・放物線の場合の円錐曲線は、離心率eが1、半長軸が無限大、エネルギが0となり得る。
・双曲線の場合の円錐曲線は、離心率eが>1、半長軸が<0、エネルギが>0となり得る。
衛星軌道は4つの円錐曲線のうちのいずれかの可能性がある。このページは、ほとんどが楕円軌道を扱うが、最後に双曲線軌道を考察する。
図14C、図14Dおよび図14Eを参照して、従来の軌道を数学的に説明するには、軌道要素と呼ばれる6つの量を定義しなければならない。それらは、
軌道長半径a
離心率e
軌道傾斜角i
近点引数ω
近点通過時刻T
昇交点黄経
である。
図14C~図14Eは、楕円として知られている長円形状の経路を辿る従来の軌道衛星を示しており、主星と呼ばれる、軌道の中心となる天体は、焦点と呼ばれる2つの点のうちの一方に位置する。図14Cは楕円を示しており、楕円は、楕円上の各点において、焦点と呼ばれる2つの固定点からの距離の合計が一定である、という特性を有する曲線になるように定められる。楕円の中心を通るように引くことができる最長の線および最短の線はそれぞれ長軸および短軸と呼ばれる。半長径は長軸の2分の1であり、衛星からその主星までの平均距離を表す。離心率は、焦点間の距離を長軸の長さで割ったものであり、0と1との間の数値である。離心率ゼロは、円を意味する。
図14Eは、衛星の軌道平面とその主星の赤道面(または日心軌道すなわち太陽を中心とする軌道の場合は黄道面)との間の角距離である傾斜角iを示す。ゼロ度の傾斜角iは、順行(prograde)(またはdirect)と呼ばれる方向である、主星の回転と同じ方向の、主星の赤道面の周りの軌道を示す。90度の傾斜角iは、極軌道を示す。180度の傾斜角iは、逆行赤道軌道を示す。逆行軌道は、衛星がその主星の回転と反対方向に移動する軌道である。
引続き図14Eを参照して、近点ωは、軌道において、主星に最も近い点である(すなわち、別の天体の周りの楕円軌道で移動する物体の場合、最も接近する点が近点であり、物体は軌道のこの点において、ケプラーの第二法則により、最大速度で移動する)。近点ωの反対は、遠点と呼ばれる、軌道において最も遠い点である(すなわち、別の天体の周りの楕円軌道で移動する物体の場合、最も離れた点が遠点であり、物体は軌道のこの点において、ケプラーの第二法則により、最小速度で移動する)。近日点は、最も接近する位置である、すなわち、太陽と惑星との間の距離が最も短い点であり、軌道のこの点において、惑星は、ケプラーの第二法則により、その最大速度で移動する。遠日点は、太陽と惑星との間の距離が最も遠い点であり、軌道のこの点において、惑星は、ケプラーの第二法則により、最小速度で移動する。遠日点は、具体的には太陽の周りの軌道であり、一般軌道の遠点に相当する。近点ωおよび遠点は、通常、軌道の中心となる天体に合わせて修正され、たとえば、太陽の場合は近日点および遠日点、地球の場合は近地点および遠地点、木星の場合は近木点および遠木点、月の場合は近月点および遠月点等となる。近点引数ωは、昇交点N1と近点の間の角距離である(図1E参照)。近点通過時刻Tは、衛星がその近点を通過する時刻である。
近点:系の質量中心を中心とする天体の楕円軌道において、天体と質量中心との間の距離が最小になる点である。記号ωで表される近点引数(ペリフォーカス(perifocus)引数またはペリセンター(pericenter)引数とも呼ばれる)は、軌道を周回する天体の軌道要素のうちの1つである。パラメータとして、ωは、運動方向において測定された、天体の昇交点から近点までの角度である。特定種類の軌道に対し、近日点(太陽を中心とする軌道)、近地点(地球を中心とする軌道)、近星点(星を中心とする軌道)などを含む単語が、近点という単語と置き換えられる場合がある。近点引数が0°ということは、軌道を周回する天体が、南から北に向かって基準平面と交差するときに中心天体に最も近付くことを意味する。近点引数が90°ということは、軌道を周回する天体が、基準平面から北側に最も離れた場所で近点に達することを意味する、昇交点の経度に近点引数を加算すると、近点の経度になる。しかしながら、とりわけ連星および系外惑星の議論において、「近点経度」または「近星点経度」という用語は、多くの場合「近点引数」と同義で使用される。
遠点:系の質量中心を中心とする天体の楕円軌道において、天体と質量中心との間の距離が最大になる点である。
交点:軌道が平面と交差する点、たとえば衛星が地球の赤道面と交差する点である。衛星が南から北に向かって平面と交差する場合、その交点は昇交点Nであり、北から南に向かって平面と交差する場合、その交点は降交点Nである。昇交点Nの経度は、この交点の黄径である。黄径は、地上での経度と類似しており、ゼロから反時計回り方向に、単位を度として測定され、経度ゼロは春分点Ωの方向である。
軌道の種類:対地同期軌道(GEO)は、地球を中心とする周期24時間の円軌道である。軌道傾斜角0度の対地同期軌道は静止軌道と呼ばれる。静止軌道上の宇宙機は、地球の赤道上のある位置の上空で止まってぶら下がっているように見える。そのため、これはある種の通信衛星および気象衛星には理想的である。傾斜した対地同期軌道上の宇宙機は、空中において軌道周回ごとに規則的な8の字パターンを辿るように見える。対地同期軌道を得るために、宇宙機は、先ず、対地同期遷移軌道(GTO)と呼ばれる、遠地点が35,786km(22,236マイル)の楕円軌道に入るように発射される。次に、遠地点で宇宙機のエンジンに点火することによって軌道を円形にする。極軌道(PO)は、軌道傾斜角が90度の軌道である。極軌道は、マッピングおよび/または監視作業を実行する衛星にとって有用であり、その理由は、惑星が回転する間に宇宙機は事実上惑星の表面上のすべての点にアクセスできるからである。ウォーキング軌道は、軌道を周回する衛星が非常に多くの重力による影響を受ける軌道である。第1に、衛星は完全な球形ではなくわずかに不均一な質量分布を有する。これらの不安定さが宇宙機の軌道に影響を及ぼす。加えて、太陽、月、および惑星は、軌道を周回する衛星に対して重力による影響を与える。適切に計画すれば、これらの影響を利用することにより、衛星の軌道平面において歳差運動を引き起こすことが可能である。こうして得られた軌道はウォーキング軌道と呼ばれる。太陽同期軌道(SSO)は、その軌道平面が惑星の太陽軌道周期と同じ周期で歳差運動するウォーキング軌道である。そのような軌道において、衛星は、軌道周回ごとに、近点を同一ローカル時刻に通過する。これは、衛星が、惑星の表面上への太陽光照射の何らかの角度に依存する機器を搭載している場合、有用である。正確な同期タイミングを維持するためには、軌道を調整するために時折推進マヌーバを実行することが必要であろう。モルニヤ軌道は、周期が約12時間(1日2回転)の偏心が大きい地球軌道である。軌道傾斜角は、近地点の変化率がゼロになるように選択され、よって、遠地点および近地点の双方を固定された緯度にわたって維持することができる。この状態は、傾斜角63.4度と116.6度との間で生じる。これらの軌道の場合、近地点引数は典型的に南半球に置かれるので、衛星は、軌道周回ごとに約11時間の間、遠地点の近くで北半球の上空に留まることになる。この方位により、北半球の高緯度地域で地上を十分にカバーすることができる。ホーマン遷移軌道は惑星間軌道であり、その利点は、消費する推進剤の量が最小限であることである。火星のような外惑星へのホーマン遷移軌道は、地球の公転方向に、宇宙機を発射し、地球の重力の影響を受けなくなり、かつ、遠日点が外惑星の軌道と同一の太陽軌道に入る速度に達するまで、加速することによって得られる。宇宙機は、その目的地に到達すると、惑星の重力が宇宙機を惑星軌道に取り込むことができるように、減速しなければならない。たとえば、金星のような内惑星に向けて宇宙機を送るためには、地球の公転と逆方向に、宇宙機を発射し、近日点が内惑星の軌道と同一の太陽軌道に達するまで、加速する(すなわち減速する)。なお、宇宙機は、地球と同じ方向に移動し続けるが、わずかに遅い。惑星に到達するためには、宇宙機を正しい時間に惑星間軌道に挿入して、宇宙機が惑星をインターセプトするであろうポイントに惑星が位置するときに、宇宙機が惑星の軌道に達するようにする必要がある。このタスクは、クォータ―バックが、そのレシーバーを、ボールと当該レシーバーとが同じポイントに同時に達するように「リードする」ことに似ている。宇宙機が、そのミッションを完了するために、打ち上げられなければならない期間は、打上げウィンドウと呼ばれる。直線に近いハロー軌道(NRHO)は、安定性が指標vで測定される「ほぼ安定した」軌道として定義することができる。
CR3BPモデル:直線に近いハロー軌道は、より広い、ハロー軌道のL1およびL2ファミリーのセットのメンバーである、すなわち、複数の重力体という観点でモデル化された動的環境に存在する基礎構造である。L1は、地球から太陽までの距離の1/100のポイント、すなわち第1のラグランジュ点であり、地球と太陽の向心力と引力が打ち消し合う点である。これは、ピンの頭部の重力バージョンの上で宇宙探査機が原則的に釣り合いを保っているかのように永遠に留まっていられる場所である、地球-太陽系内の5つのそのような点のうちの1つである。別のポイントであるL2は、地球から太陽と反対側に160万キロメートル離れたところにある。L1およびL2はいずれも宇宙を見渡すのに理想的な場所であり、L1は地球および太陽に対して見晴らしのきく位置でもある。しかしながら、これらには短所がある。L1において、宇宙機の信号は、その後方の太陽からの放射線によって打ち負かされる。L2において、探査機がその機器にエネルギを供給するのに必要な太陽光を地球の影が遮断する。解決策は、宇宙機をラグランジュ点の周りの「ハロー軌道」に投入することである。L1の周りのハロー軌道の宇宙機は、地球-太陽軸に垂直で、際限なく平衡点に向かって降下する、巨大な弛んだループを描く。また、基本挙動は、より忠実度が高いモデルに固執するので、月の近くの軌道における、場合によっては有人の宇宙機のための、長期の可能性があるミッションシナリオをサポートする。このタイプの軌道は、先ず、地球-月系における重力の影響を簡潔に表現したものにおいて、すなわち円制限三体問題(CR3BP:Circular Restricted Three Body Problem)において、特定される。CR3BPモデルにおいて、直線に近いハロー軌道(NRHO)は、安定性が安定性指標vを用いて測定される「ほぼ安定した」軌道として定義することができ、わずかな推進リソースを消費しながら長期にわたってNRHOと同様の運動を維持する可能性を示唆する好ましい安定性という特性によって特徴付けられる。また、いくつかのNRHOは、ミッション設計のために活用することができ特に食(eclipse)を回避するのに役立つ好ましい共振特性を有する。しかしながら、実際にミッションを実現するためには、そのような軌道への遷移および静止軌道保持戦略を、より忠実度が高い天体暦モデルにおいて明らかにしなければならない。秤動ポイント軌道のための静止軌道保持アルゴリズムは、以前に、この動的な枠組みの中で、平面リアプノフ軌道および従来の3次元ハロー軌道の双方について調査された。しかしながら、NRHOは、天体暦という枠組みの中で構築されている。
摂動:単一の他の巨大な物体の引力以外の他の力を受ける巨大な物体の複雑な運動の可能性がある。上記他の力は、第3(第4、第5…)の物体、大気からの抵抗、および、扁平な、またはそうでなければゆがんだ物体の、中心を外れた引力である。太陽から月に対し、その軌道内の2つの場所で摂動力が作用する。黒い点線の矢印は、地球に対する重力の方向および大きさを表す。これを地球の位置と月の位置の双方に加えても、これらの相互の相対的な位置は乱されない。これが月に対する力(黒の実線)から差し引かれると、残るのは地球との比較における月への摂動力(黒い二重矢印)である。摂動力は、軌道の両側において方向および大きさが異なるので、軌道の形状を変化させる。
図15Aは、本開示のある実施形態に係る、生成された遷移軌道を実現するためのいくつかの構成要素を示すブロック図である。スラスタコントローラモジュール1510は、受けたデルタコマンド1501をスラスタコマンド1526に変換する(1524)ことができるプロセッサ1520を含み得る。スラスタコマンドは、センサ1548に接続することができる、下位制御スラスタ1540のスラスタ1543に、バス1528を通して送ることができる。
図15Bは、本開示のある実施形態に係る、スラスタ構成の特徴を示す概略図である。たとえば、宇宙機は8つのスラスタを備えていてもよく、これらのスラスタは、位置合わせされて、宇宙機を回転させるトルクを生成することなく宇宙機の質量中心に作用する純粋な力を生成するように、宇宙機のコーナーに搭載される。コントローラは、コマンドで指示された軌道に沿って宇宙機を移動させるために、スラスタを作動させるまたはその作動を停止させる信号を送信する。
図15Cは、本開示のある実施形態に係る、モーターボートを示す概略図である。たとえば、有限時間範囲にわたりリアルタイムでボートをターゲットとランデブーさせるためにコントローラがボートを制御し、ボートおよびターゲットはマルチオブジェクト座標系を形成し、トランシーバが、有限時間範囲内の指定期間におけるマルチオブジェクト天文座標系内でのボート状態およびターゲット状態の値を含むデータをリアルタイムで受け付ける。コントローラは、ボートの推進制御システムに関連する情報をリアルタイムで送るインターフェイスを有するガイダンス・制御コンピュータ(GCC)プロセッサを含み、GCCプロセッサは、指定期間において、受け付けたデータから、リアルタイムでターゲットが位置するエリアを特定し、危険領域を有するメモリにアクセスし、格納されている危険領域から、ターゲットエリア位置に対応する危険領域のセットを選択するように、構成され、危険領域のセットは、作動モータの数の予め定められた組み合わせの任意の動作がターゲットとの衝突を回避せずターゲットとの衝突軌道を保証する、ターゲットの周りのエリア内の領域を表わし、さらに、危険領域のセットを安全性制約として定式化し、受け付けたデータで、ボートの力学のモデルを有するコントローラを更新し、更新したコントローラに安全性制約を課すことによって制御コマンドを生成することにより、危険領域のセットを回避するランデブー軌道を生成して、推進制御の部分的故障の場合に少なくとも作動モータの数の予め定められた組み合わせの動作を保証して、結果としてターゲットと衝突しない軌道を提供し、制御コマンドを推進制御システムに出力して、指定期間の間ボートの1つ以上のモータを制御コマンドに基づいて作動または停止させるように、構成される。
図16は、本開示のいくつかの実施形態に係る、システムおよび方法を実現するために使用できるいくつかの構成要素を示すブロック図である。たとえば、コンピュータシステム1670またはネットワークは、宇宙機または走行体を、天体(たとえば火星など)の周りの初期軌道から天体または別の天体の周りのターゲット軌道に移動させるための遷移軌道を決定する際に使用されるように適合させることができる。CPUまたはプロセッサ1610は、バスシステム1613を介して、メモリ1612、入出力デバイス1614、および通信インターフェイス1616に接続することができる。また、記憶装置1618、制御インターフェイス1620、ディスプレイインターフェイス1622、および外部インターフェイス1622も、バスシステム1613に接続することができる。外部インターフェイス1622は、拡張メモリ1650、走行体パラメータ1652(すなわち宇宙機仕様、スラスタ仕様、サイズ、重量など)、初期軌道データ1654(すなわち時間、日付、高度、傾斜角、離心率などを含むパラメータ)、および他の軌道データ1656(すなわち固有の軌道データ)に、接続することができる。また、バスシステム1613は、制御インターフェイス1624、出力インターフェイス1626、受信機1628、および送信機1630を接続することもできる。さらに、バスシステムは、GPS受信機モジュール1632をGPS1634に接続することができる。
バスシステム1613は、スラスタコマンドを出力するために出力スラスタコマンドモジュール1658を接続することができる。バス1659は、スラスタコントローラモジュール(図示せず、図16参照)からのデータを伝達するために、軌道維持に戻るように接続する。
引続き図16を参照して、コンピュータ1670は、1つ以上のプロセッサ1610を有する、サーバもしくはデスクトップ、ラップトップ、モバイル、または他のコンピュータデバイスもしくはシステムであってもよい。プロセッサ1610は、コンピュータ1670のメモリ1612もしくは記憶装置1618内の(または拡張メモリ1650もしくは他のデータ記憶装置1652、1654、1656内の)、遷移軌道生成器1642の形態のコードにアクセスするように適合させた、中央処理装置であってもよい。本開示のシステムおよび方法に関連する局面に従い、意図されるハードウェアおよび目標実現の特定の設計および局面に応じてさらに必要であれば、外部記憶装置が意図されている。たとえば、コンピュータ1670は、システムおよび方法のステップを実現するために使用されてもよく、この場合、メモリ1612および/または記憶装置1618はデータを格納することができる。
図16のメモリ1612に格納されたデータは、実行可能モジュール、走行体データ、および履歴空間データを含み得る。たとえば、走行体データは、宇宙機の仕様、寸法、重量、重力およびその他の摂動すなわち空間内の単一の他の巨大な物体の引力以外の力を受ける巨大な物体の複雑な動きを含むさまざまな条件下での性能データを、含み得る。さらに、走行体データは、多変数のうちの1つ以上に関連付けられる走行体力学に関係する局面に関係するデータを含み得るものであり、それらはすなわち、(1)天体すなわち地球の大気の外部に位置する自然物体、たとえば月、太陽、小惑星、惑星、または星などの、異常な軌道特性、(2)天体の異常な軌道運動、(3)別の天体の周りの、天体の異常に近い軌道、および(4)他の既知の摂動である。宇宙データは、天体系に関連するデータ、天体への過去のミッション、ならびに、宇宙、宇宙機、および銀河系における他の天体への軌道設計の計画に関連する任意の他のデータを含み得る。たとえば、宇宙データとして格納されるデータは、初期天体軌道から同様のターゲット天体軌道への軌道設計を構築する際に考慮され得る天体の特徴等の天体のうちの月に関するデータを含み得る。
任意で、格納されたデータは、記憶装置1618、外部インターフェイス1622に格納されていてもよく、これは、図16の初期軌道データデータベース1654、他の軌道データデータベース1656、および走行体パラメータ、仕様、性能等のデータデータベース1652に接続する拡張メモリ1650に接続される。
引続き図16を参照して、コンピュータ1670のプロセッサ1610は、特定用途に応じて2つ以上のプロセッサであってもよい。たとえば、いくつかのステップは、別のプロセッサが、本開示のシステムおよび方法に関連付けられる特定の処理時間または処理速度を保証することを、要求する場合がある。受信機1628または入力インターフェイスは、メモリ1612に格納された格納履歴宇宙データの後に、宇宙機またはその他何らかの場所に関連付けられる地球ミッション制御センターまたはセンサのいずれかから得られた、最新宇宙データであってもよい、宇宙データを受けることができる。受信機1628および送信機1630は、たとえば地球ミッション制御センターまたはその他何らかの目的地との間でデータを受信および送信するためのワイヤレススポットを提供できる。GPS1634に接続されたGPS受信機モジュール1632を、ナビゲーションに関連する特徴に使用することができる。コンピュータ1670は、制御インターフェイス1620、ディスプレイインターフェイス1622、および任意で外部装置、制御インターフェイス、ディスプレイ、センサ、マシンなど(図16では図示せず)を含み得るものであって、これらは、本開示のシステムおよび方法に関連する用途での使用が意図されている。
図17は、本開示の実施形態に係る、方法およびシステムのいくつかの技術を実現するために使用することができるコンピューティング装置1700を非限定的な例として示す、概略図である。コンピューティング装置またはデバイス1700は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、およびその他の適切なコンピュータ等の、各種形態のデジタルコンピュータを表す。
コンピューティングデバイス1700は、すべてバス1750に接続されている、電源1708と、プロセッサ1709と、メモリ1710と、記憶装置1711とを含み得る。さらに、高速インターフェイス1712、低速インターフェイス1713、高速拡張ポート1714、および低速拡張ポート1715を、バス1750に接続することができる。加えて、低速接続ポート1716がバス1750に接続されている。非限定的な例として、特定用途に応じて共通のマザーボード1730に搭載することができるさまざまな構成要素の構成が意図されている。またさらに、入力インターフェイス1717を、バス1750を介して外部受信機1706および出力インターフェイス1718に接続することができる。受信機1719を、バス1750を介して外部送信機1707および送信機1720に接続することができる。また、外部メモリ1704、外部センサ1703、マシン1702、および環境1701も、バス1750に接続することができる。さらに、1つ以上の外部入出力デバイス1705を、バス1750に接続することができる。ネットワークインターフェイスコントローラ(NIC)1721を、バス1750を通してネットワーク1722に接続するように適合させることができ、とりわけ、データまたはその他のデータを、コンピュータデバイス1700の外部の、サードパーティディスプレイデバイス、サードパーティ撮像デバイス、および/またはサードパーティプリンティングデバイス上にレンダリングすることができる。
引続き図17を参照して、メモリ1710は、コンピュータデバイス1700による実行が可能な命令、履歴データ、ならびに本開示の方法およびシステムによる利用が可能な任意のデータを格納できることが、意図されている。メモリ1710は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、またはその他任意の適切なメモリシステムを含み得る。メモリ1710は、1つもしくは複数の揮発性メモリユニット、および/または1つもしくは複数の不揮発性メモリユニットであってもよい。また、メモリ1710は、磁気または光ディスク等の別の形態のコンピュータ読取可能媒体であってもよい。
記憶装置1711は、コンピュータデバイス1700が使用する補足データおよび/またはソフトウェアモジュールを格納するように適合させることができる。たとえば、記憶装置1711は、履歴データと、本開示に関して先に述べたその他の関連データとを格納することができる。これに加えてまたはこれに代えて、記憶装置1711は、本開示について先に述べたデータと同様の履歴データを格納することができる。記憶装置1711は、ハードドライブ、光学ドライブ、サムドライブ、ドライブのアレイ、またはその任意の組み合わせを含み得る。さらに、記憶装置1711は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、もしくはテープデバイス、フラッシュメモリもしくは他の同様のソリッドステートメモリデバイス、または、ストレージエリアネットワークもしくはその他の構成におけるデバイスを含むデバイスのアレイ等の、コンピュータ読取可能媒体を含み得る。命令は情報キャリアに格納することができる。命令は、1つ以上の処理装置(たとえばプロセッサ1709)によって実行されると、先に述べた方法等の1つ以上の方法を実行する。
引続き図17を参照して、任意で、システムをディスプレイデバイス1725およびキーボード1724に接続するように適合させたディスプレイインターフェイスまたはユーザインターフェイス(HMI)1723に、システムを、バス1750を通して接続することができ、ディスプレイデバイス1725は、とりわけ、コンピュータモニタ、カメラ、テレビ、プロジェクタ、またはモバイルデバイスを含み得る。コンピュータデバイス1700は、ユーザの入力インターフェイス1717を含んでいてもよく、プリンタインターフェイス(図示せず)をバス1750を通してプリンティングデバイス(図示せず)に接続するように適合させてもよく、プリンティングデバイスは、とりわけ、液体インクジェットプリンタ、固体インクプリンタ、大規模商用プリンタ、サーマルプリンタ、UVプリンタ、または昇華型プリンタを含み得る。
引続き図17を参照して、高速インターフェイス1712は、コンピューティングデバイス1700の帯域幅集約動作を管理し、低速インターフェイス1713は、低帯域幅集約動作を管理する。そのような機能の割当は一例に過ぎない。いくつかの実装形態において、高速インターフェイス1712は、メモリ1710、ユーザインターフェイス(HMI)1723、キーボード1724、およびディスプレイ1725に、(たとえばグラフィックプロセッサまたはアクセラレータを通して)結合することができ、各種拡張カード(図示せず)を受け入れることができる高速拡張ポート1714にバス1750を通して結合することもできる。この実装形態において、低速インターフェイス1713は、記憶装置1711および低速拡張ポート1715に、バス1750を通して結合される。各種通信ポート(たとえばUSB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット(登録商標)、ワイヤレスイーサネット)を含み得る、低速拡張ポート1715は、1つ以上の入出力デバイス1705に、および他のデバイスとして、キーボード1724、ポインティングデバイス(図示せず)、スキャナ(図示せず)、または、スイッチもしくはルータ等のネットワーキングデバイスに、たとえばネットワークアダプタを通して、結合されてもよい。
コンピューティングデバイス1700は、図面に示される、いくつかの異なる形態で実現されてもよい。たとえば、標準サーバ1726として実現されてもよく、または、一群のそのようなサーバにおいて複数実現されてもよい。加えて、ラップトップコンピュータ1727等のパーソナルコンピュータにおいて実現されてもよい。また、ラックサーバシステム1728の一部として実現されてもよい。これに代えて、コンピューティングデバイス1700の構成要素が、モバイルデバイス(図示せず)における他の構成要素と組み合わされてもよい。そのようなデバイスの各々は、コンピューティングデバイスおよびモバイルコンピューティングデバイスのうちの1つ以上を含んでいてもよく、システム全体が、相互通信する複数のコンピューティングデバイスで構成されてもよい。
実施形態
本明細書は、具体例としての実施形態のみを提供し、開示の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図していない。むしろ、具体例としての実施形態の以下の説明は、具体例としての1つ以上の実施形態を実現すること可能にする説明を当業者に提供する。添付の請求項に記載されている開示された主題の精神および範囲から逸脱することなく要素の機能および構成に対して行われ得る各種変更が、意図されている。
具体的な詳細事項が、以下の説明において、実施形態の十分な理解のために提供される。しかしながら、これらの具体的な詳細事項がなくても実施形態を実行し得ることを、当業者は理解する。たとえば、開示された主題におけるシステム、プロセス、および他の要素は、実施形態を不必要な詳細事項で不明瞭にしないようにするために、ブロック図の形態で構成要素として示される場合がある。他の例において、実施形態を不明瞭にしないようにするために、周知のプロセス、構造、および技術が、不必要な詳細事項なしで示される場合がある。さらに、各種図面における同様の参照番号および名称は同様の要素を示す。
また、個々の実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、またはブロック図として示されるプロセスとして説明される場合がある。フローチャートは動作を逐次プロセスとして説明する場合があるが、動作の多くは並列にまたは同時に実行することができる。さらに、動作の順序は入れ替え可能である。プロセスは、その動作が完了したときに終了されてもよいが、論じられていないまたは図に含まれていない他のステップを有し得る。さらに、具体的に記載されている何らかのプロセスにおけるすべての動作がすべての実施形態に起こり得る訳ではない。プロセスは、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応する場合、関数の終了は、呼び出し関数または主関数に当該関数を戻すことに対応し得る。
さらに、開示された主題の実施形態は、少なくとも部分的に、手作業または自動のいずれかで実現されてもよい。手作業または自動による実現は、マシン、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせの使用を通して行われてもよく、または少なくとも支援されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実現される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、マシン読取可能媒体に格納されてもよい。プロセッサが必要なタスクを実行してもよい。
本開示の上記実施形態は、非常に多くのやり方のうちのいずれかで実現することができる。たとえば、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェアまたはその組み合わせを用いて実現されてもよい。ソフトウェアで実現される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータに設けられていても複数のコンピュータに分散されていてもよい、任意の好適なプロセッサまたはプロセッサの集合体によって実行することができる。そのようなプロセッサは、1つ以上のプロセッサが集積回路構成要素内にある集積回路として実現されてもよい。とはいえ、プロセッサは、回路を用いて任意の適切なフォーマットで実現されてもよい。
また、本明細書で概要を述べた各種方法またはプロセスは、さまざまなオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちのいずれか1つを採用した1つ以上のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとして符号化されてもよい。加えて、そのようなソフトウェアは、複数の好適なプログラミング言語および/またはプログラミングもしくはスクリプトツールのうちのいずれかを用いて記述されてもよく、また、フレームワークもしくは仮想マシン上で実行される、実行可能な機械言語コードまたは中間コードとしてコンパイルされてもよい。典型的に、プログラムモジュールの機能は、各種実施形態において所望される通りに、組み合わせても分散させてもよい。
また、本開示の実施形態は、方法として実施されてもよく、その一例が提供されている。この方法の一部として実行される動作の順序は任意の適切なやり方で決定されてもよい。したがって、実施形態は、示されている順序と異なる順序で動作が実行されるように構成されてもよく、これは、いくつかの動作を、例示の実施形態では一連の動作として示されるが、同時に実行することを含み得る。さらに、請求項において、請求項の要素を修飾するために使用される、第1、第2等の順序を表す用語は、それ自体で何らかの優先度、優先順位、またはある請求項要素の別の請求項要素に対する順序、または方法の動作が実行される時間的順序を含意する訳ではなく、ある名称を有する1つの請求項要素を同一名称(順序を表す用語の使用を除く)を有する別の要素から区別して当該請求項要素を特徴付けるためのラベルとして使用されているに過ぎない。
本開示をいくつかの好ましい実施形態を参照しながら説明してきたが、その他のさまざまな適合化および修正を本開示の精神および範囲の中で実施できることが理解されるはずである。したがって、本開示の真の精神および範囲に含まれるそのような変形および修正形をすべてカバーすることが以下の請求項の特徴である。

Claims (23)

  1. 有限時間範囲にわたり走行体をターゲットとランデブーさせるために前記走行体の動作を制御するためのシステムであって、前記走行体は宇宙機であり、前記システムは、
    前記走行体の力学のモデルを有するコントローラと、
    受動危険領域が格納されているメモリと、
    前記有限時間範囲内の指定期間におけるマルチオブジェクト天文座標系内での走行体状態およびターゲット状態の値を含むデータを受け付けるトランシーバと、
    プロセッサとを備え、前記プロセッサは、前記指定期間において、
    前記メモリにアクセスし、前記指定期間において前記ターゲットが位置する軌道に対応する受動危険領域のセットを選択するように構成され、前記受動危険領域のセットは、走行体スラスタ完全故障の場合の前記ターゲットとの衝突軌道を保証する前記ターゲットの周りの空間の領域を表し、前記プロセッサはさらに、
    前記受動危険領域のセットを受動安全性制約として定式化し、
    前記走行体の力学のモデルを有する前記コントローラを、前記受け付けたデータで更新し、前記更新したコントローラに前記受動安全性制約を課すことにより、前記受動危険領域のセットを回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、前記走行体が前記ターゲットと衝突しないように、前記走行体スラスタ完全故障の場合の前記ターゲットに対する衝突なしの軌道を保証し、
    前記制御コマンドを出力することにより、前記指定期間の間前記走行体の1つ以上のスラスタを前記制御コマンドに基づいて作動または停止させるように、構成され、
    前記コントローラはモデル予測コントローラであり、
    前記受動危険領域のセットは、前記ターゲットの周りの領域の後方到達可能セットを計算することによって決定され、
    前記ターゲットは、宇宙機、天体、および軌道デブリのうちの1つであり、
    前記ターゲットの周りの前記領域は、アプローチ楕円体(AE)領域、キープアウト球体(KOS)領域、アプローチ多面体(AP)領域およびキープアウト多面体(KOP)領域のうちの1つである、
    ことを特徴とする、システム。
  2. 前記マルチオブジェクト天文座標系内での前記走行体状態および前記ターゲット状態は、前記走行体および前記ターゲットの、位置と、方位と、並進および角速度と、前記マルチオブジェクト天文座標系に対して作用する摂動とのうちの、1つまたは組み合わせを含み、前記走行体および前記ターゲットは、前記マルチオブジェクト天文座標系を形成する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記マルチオブジェクト天文座標系に対して作用する前記摂動は、太陽および月の重力摂動、中心体が球形でないことに起因する異方性重力摂動、太陽光圧力、および空気抗力等の、自然軌道力である、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記マルチオブジェクト天文座標系は、3次元空間内における、前記走行体、前記ターゲット、および、宇宙機もしくは軌道デブリ等の他の天体物体の位置を含む、天文基準座標系もしくは天文座標系を含む、または、物体の距離が不明の場合は天球上に方向をプロットする、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記天体物体は、前記ターゲットがその周りを軌道を描いて周回する地球等の主天体を含み、または、地球等の主天体と月等の副天体とを含み、前記ターゲットは、L1ラグランジュ点、L2ラグランジュ点またはL3ラグランジュ点のうちの1つの近くの周期的3次元軌道であるハロー軌道にある、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記プロセッサは、前記トランシーバおよび前記メモリと通信するガイダンス・制御コンピュータ(GCC)であり、前記ターゲットの軌道は、地上局からアップロードされた天体暦に基づいて決定される、衛星追跡データベースにおいて取得された地上データに基づいて決定される、または、前記受け付けたデータから取得された前記走行体の搭載センサ測定値から推定される、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記ターゲットの軌道は、円軌道、楕円軌道、ハロー軌道、直線に近いハロー軌道、または準衛星軌道のうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記メモリから前記受動危険領域にアクセスするために、前記プロセッサは、前記受け付けたデータから前記指定期間における前記ターゲットの軌道位置を特定し、前記メモリから受動危険領域(PUR)データベースにアクセスし、前記ターゲットの軌道位置を用いて、前記PURデータベースから前記ターゲットの軌道について対応するPURのセットを特定する、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記後方到達可能セットは、制御がない状態で前記ターゲット領域に受動的にドリフトする状態空間の領域として、前記ターゲット領域から時間的に後方に計算される、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記後方到達可能セットは、楕円体、多面体、またはゾノトープのうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記ターゲットの周りの前記領域の前記後方到達可能セットの前記計算は、オフラインで実行され、メモリに格納される、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記ターゲットの周りの前記領域の前記後方到達可能セットの前記計算は、前記走行体の搭載センサ測定値からの前記ターゲットの推定位置に基づいて、オンラインでかつリアルタイムで実行され、メモリに格納される、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記ターゲット領域は、前記ターゲットの軌道に沿って前記ターゲットが移動するのに伴って時間とともに変化し、前記後方到達可能セットは前記ターゲットの軌道に沿う複数のターゲット位置およびターゲット領域位置について計算される、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記モデル予測コントローラは、前記受動危険領域のセットの局所的凸化を用いることにより、走行体状態が受動危険領域の内側にないときにのみ充足される線形受動安全性制約を定式化する、請求項1に記載のシステム。
  15. 前記受動危険領域のセットの前記局所的凸化は、受動危険領域境界を近似する半空間制約を計算することによって実現される、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記半空間制約は、前記走行体または前記ターゲットの位置に関する不確実性および/またはスラスタの大きさもしくは方向の不確実性に起因する、少なくとも先験的指定確率レベルで前記半空間制約が充足されることを必要とする、機会制約として、定式化される、請求項15に記載のシステム。
  17. 許容可能な制御入力のセットにわたって最適化されたときにオプティマイザーが前記制御コマンドを生成するように、前記受動安全性制約を含む最適制御問題を定式化することにより、前記更新したコントローラに前記受動安全性制約を課す、請求項1に記載のシステム。
  18. 前記制御コマンドは、後退範囲にわたってコスト関数を最適化することにより前記制御コマンドを生成するモデル予測制御ポリシーに対する解として生成される、請求項1に記載のシステム。
  19. 前記制御コマンドは、前記有限時間範囲内の複数の指定期間のうちの各指定期間ごとに生成される、または、後退時間範囲にわたって繰り返し生成される、請求項1に記載のシステム。
  20. 前記制御コマンドは繰り返し生成され、少なくとも1回の繰り返しは、
    前記宇宙機の所望の動作の変更に基づいて、前記コスト関数の成分、前記コスト関数の成分の重み、および受動安全性制約のうちの、1つまたは組み合わせを更新することを含む、請求項18に記載のシステム。
  21. 各繰り返しごとに、次の逐次指定期間において、受動危険領域の異なるセットが存在する、請求項20に記載のシステム。
  22. 有限時間範囲にわたり宇宙機をターゲットとランデブーさせるために前記宇宙機を制御する方法であって、前記宇宙機および前記ターゲットはマルチオブジェクト天文座標系を形成し、前記有限時間範囲内の複数の指定期間のうちのある指定期間における前記マルチオブジェクト天文座標系内での宇宙機状態およびターゲット状態の値を含むデータを受け付け、前記方法は、
    受動危険領域が格納されているメモリにアクセスし、前記指定期間において前記ターゲットが位置する軌道に対応する受動危険領域のセットを選択することを含み、前記受動危険領域のセットは、前記指定期間内における宇宙機スラスタ完全故障の場合の前記ターゲットとの衝突軌道を保証する前記ターゲットの周りの空間の領域を表し、前記方法はさらに、
    前記受動危険領域のセットを受動安全性制約として定式化することと、
    前記宇宙機の力学のモデルを有するモデル予測コントローラを、前記受け付けたデータで更新することと、
    前記更新したモデル予測コントローラに前記受動安全性制約を課すことにより、前記指定期間の間前記受動危険領域のセットを回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、前記宇宙機が前記ターゲットと衝突しないように、前記宇宙機スラスタ完全故障の場合の前記ターゲットに対する衝突なしの軌道を保証するすることと、
    前記制御コマンドを出力することにより、前記指定期間の間前記宇宙機の1つ以上のスラスタを前記制御コマンドに基づいて作動または停止させることとを含み、
    前記受動危険領域のセットは、前記ターゲットの周りの領域の後方到達可能セットを計算することによって決定され、
    前記ターゲットは、宇宙機、天体、および軌道デブリのうちの1つであり、
    前記ターゲットの周りの前記領域は、アプローチ楕円体(AE)領域、キープアウト球体(KOS)領域、アプローチ多面体(AP)領域およびキープアウト多面体(KOP)領域のうちの1つである、
    ことを特徴とする、方法。
  23. 格納された命令を含む非一時的なマシン読取可能媒体であって、前記命令は、処理回路によって実行されると、前記処理回路を、有限時間範囲にわたり宇宙機をターゲットとランデブーさせるために前記宇宙機を制御するための動作を実行するように構成し、前記宇宙機および前記ターゲットはマルチオブジェクト天文座標系を形成し、前記有限時間範囲内の複数の指定期間のうちのある指定期間における前記マルチオブジェクト天文座標系内での宇宙機状態およびターゲット状態の値を含むデータを受け付け、
    受動危険領域が格納されているメモリにアクセスし、前記指定期間において前記ターゲットが位置する軌道に対応する受動危険領域のセットを選択することを含み、前記受動危険領域のセットは、前記指定期間内における宇宙機スラスタ完全故障の場合の前記ターゲットとの衝突軌道を保証する前記ターゲットの周りの空間の領域を表し、さらに、
    前記受動危険領域のセットを受動安全性制約として定式化することと、
    前記宇宙機の力学のモデルを有するモデル予測コントローラを、前記受け付けたデータで更新することと、
    前記更新したモデル予測コントローラに前記受動安全性制約を課すことにより、前記指定期間の間前記受動危険領域のセットを回避する衝突なしのランデブー軌道を生成する制御コマンドを生成して、前記宇宙機が前記ターゲットと衝突しないように、前記宇宙機スラスタ完全故障の場合の前記ターゲットに対する衝突なしの軌道を保証することと、
    前記制御コマンドを出力することにより、前記指定期間の間前記宇宙機の1つ以上のスラスタを前記制御コマンドに基づいて作動または停止させることとを含み、
    前記受動危険領域のセットは、前記ターゲットの周りの領域の後方到達可能セットを計算することによって決定され、
    前記ターゲットは、宇宙機、天体、および軌道デブリのうちの1つであり、
    前記ターゲットの周りの前記領域は、アプローチ楕円体(AE)領域、キープアウト球体(KOS)領域、アプローチ多面体(AP)領域およびキープアウト多面体(KOP)領域のうちの1つである、
    ことを特徴とする、非一時的なマシン読取可能媒体。
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