JP7499694B2 - 鋼製エレメント施工装置 - Google Patents
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Description
この工法では、発進立坑側から到達立坑側に地盤を貫通させた基準エレメントの継手に、先端部に刃口Sを取り付けた先行鋼製エレメントE1の継手Jを連結し、ガイドとする基準エレメントに沿って先行鋼製エレメントE1を地盤に挿入させるとともに、先行鋼製エレメントE1の継手Jに、先端部に刃口Sを取り付けた後行鋼製エレメントE2の継手Jを連結し、先行鋼製エレメントE1に続けて後行鋼製エレメントE2を地盤に挿入させることを繰り返して、地下構造物を構築するようにしている。
具体的には、図10(a)に示すように、先行鋼製エレメントE1が後行鋼製エレメントE2よりも常に先行した位置にあるように、先行鋼製エレメントE1の掘進と後行鋼製エレメントE2の掘進を交互に行うようにしている。
そして、例えば、図10(b)に示すように、後行鋼製エレメントE2の刃口Sよりも先に、先行鋼製エレメントE1の先端部が位置してしまうと、先行鋼製エレメントE1における後行鋼製エレメントE2側の継手Jが地中にて剥出しの状態にされて土砂に晒されてしまい(図中のX部分)、地中にて露出された継手Jの内部空間に土砂が入り込んでしまうことがある。
鋼製エレメントの継手に入り込んだ土砂が密に詰まっていると、隣接する鋼製エレメント同士を連結している継手の隙間にグラウトを注入して止水を図っても、所定の止水効果が得られないことがあるという問題があった。
刃口の後端に接続された鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させ、互いの継手にて連結された前記鋼製エレメントを左右方向に並設する施工を行う鋼製エレメント施工装置であって、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角管状を呈している第1刃口本体と、前記第1刃口本体の四隅にその第1刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第1刃口継手とを備えており、既に地盤中に設置されている基準鋼製エレメントの側部に沿って設けられている継手に一方の側面部側の第1刃口継手を連結した状態で、後端に接続された先行鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させる第一の刃口と、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角筒状を呈している第2刃口本体と、前記第2刃口本体の一方の側面部側の上隅と下隅にその第2刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第2刃口継手とを備えており、前記第一の刃口の他方の側面部側の第1刃口継手と前記先行鋼製エレメントの継手の少なくとも一方に前記第2刃口継手を連結した状態で、後端に接続された後行鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させる第二の刃口と、
を備え、
前記第二の刃口における上隅の第2刃口継手には、その第2刃口継手が前方に延出されてなる突出部が設けられているようにした。
前記突出部の先端側と、前記第2刃口本体の天面部とを繋ぐ補強板部が設けられており、
前記補強板部は、前記天面部から前記突出部の先端側に向けて先細る形状に形成されているようにする。
前記第一の刃口の他方の側面部側の第1刃口継手と、前記第二の刃口の第2刃口継手とが連結された状態で、前記第二の刃口における上隅の第2刃口継手が前記第1刃口継手の上側に配されるようになっており、下側に配される第1刃口継手の少なくとも一部は、第2刃口継手の下面を露出させるように切り欠かれた態様に形成されているようにする。
前記第一の刃口の他方の側面部側の上隅の第1刃口継手の先端部には、その上隅の第1刃口継手と連結される第2刃口継手の進行方向前方の少なくとも一部を覆うサイズを有する排障カバーが取り付けられているようにする。
また、先端が尖っている排障カバーにより、進行方向前方の地盤を崩すことによって、第1刃口継手や第2刃口継手を地盤に対して圧入し易くなる。
刃口の後端に接続された鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させ、互いの継手にて連結された前記鋼製エレメントを上下方向に並設する施工を行う鋼製エレメント施工装置であって、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角管状を呈している第1刃口本体と、前記第1刃口本体の四隅にその第1刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第1刃口継手とを備えており、既に地盤中に設置されている基準鋼製エレメントの下部に沿って設けられている継手に天面部側の第1刃口継手を連結した状態で、後端に接続された先行鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させる第一の刃口と、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角筒状を呈している第2刃口本体と、前記第2刃口本体の天面部側の隅にその第2刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第2刃口継手とを備えており、前記第一の刃口の底面部側の第1刃口継手と前記先行鋼製エレメントの継手の少なくとも一方に前記第2刃口継手を連結した状態で、後端に接続された後行鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させる第二の刃口と、
を備え、
前記第二の刃口の第2刃口継手には、その第2刃口継手が前方に延出されてなる突出部が設けられているようにした。
前記突出部の先端側と、前記第2刃口本体の側面部とを繋ぐ補強板部が設けられており、
前記補強板部は、前記側面部から前記突出部の先端側に向けて先細る形状に形成されているようにする。
前記第一の刃口の底面部側の第1刃口継手と、前記第二の刃口の第2刃口継手とが連結された状態で、前記第2刃口継手が前記第1刃口継手よりも外側に配されるようになっており、内側に配される第1刃口継手の少なくとも一部は、第2刃口継手の側面を露出させるように切り欠かれた態様に形成されているようにする。
前記第一の刃口の底面部側の第1刃口継手の先端部には、その第1刃口継手と連結される第2刃口継手の進行方向前方の少なくとも一部を覆うサイズを有する排障カバーが取り付けられているようにする。
また、先端が尖っている排障カバーにより、進行方向前方の地盤を崩すことによって、第1刃口継手や第2刃口継手を地盤に対して圧入し易くなる。
鋼製エレメントEは、例えば、図1に示すように、断面視略「ロ」字状を呈する角管体であり、その四隅には角管体の管軸方向に沿う継手Jを有している。
鋼製エレメント施工装置は、このような鋼製エレメントと略同じ断面形状を有する刃口を用いて鋼製エレメントを牽引または推進し、鋼製エレメントを地盤中に挿入させる施工を行う。
なお、土砂を掘削・除去しながら刃口を前進させる駆動機構の構成や動作は従来公知のものと同様であるので、説明は省略する。
また、以下の実施形態では、鋼製エレメント牽引して地盤中に挿入させる施工を例に説明するが、鋼製エレメント牽引して地盤中に挿入させる施工も、鋼製エレメント推進して地盤中に挿入させる施工も、従来公知であるので、ここでは詳述しない。
本実施形態の鋼製エレメント施工装置100は、例えば、図1に示すように、既に地盤中に設置されている基準鋼製エレメントEに沿って先行鋼製エレメントE1を牽引する第一の刃口10と、先行鋼製エレメントE1に沿って後行鋼製エレメントE2を牽引する第二の刃口20と、を備えている。
そして、先行鋼製エレメントE1が後行鋼製エレメントE2よりも先行した位置にあるように、第一の刃口10による掘進と第二の刃口20による掘進を交互に行うようにして、先行鋼製エレメントE1と後行鋼製エレメントE2を地盤中に挿入させる施工を行うようになっている。
実施形態1では、先行鋼製エレメントE1と後行鋼製エレメントE2を左右方向に並設する施工を行う装置について説明する。
なお、基準鋼製エレメントEと先行鋼製エレメントE1と後行鋼製エレメントE2の側面部と、第一の刃口10と第二の刃口20の側面部は同じ高さを有しており、互いの継手にて左右方向に連結可能となっている。
この第一の刃口10は、既に地盤中に設置されている基準鋼製エレメントEの側部に沿って設けられている継手Jに一方の側面部12側の第1刃口継手15を連結した状態で、後端に接続された先行鋼製エレメントE1を牽引するように地盤中に挿入させる。
この第二の刃口20は、第一の刃口10の他方の側面部13側の第1刃口継手15と先行鋼製エレメントE1の継手Jの少なくとも一方に第2刃口継手25を連結した状態で、後端に接続された後行鋼製エレメントE2を牽引するように地盤中に挿入させる。
なお、第2刃口本体20aの他方の側面部23側の上隅と下隅には、その第2刃口本体20aの管軸方向に沿う刃口継手26が設けられている。
つまり、第2刃口継手25を延長した態様で形成された突起部30は、第2刃口継手25と同じ断面形状を有しており、突起部30は第2刃口継手25と同様に第1刃口継手15と連結可能になっている。
また、この突起部30には、突出部30の先端側と第2刃口本体20aの天面部24とを繋ぐ補強板部31が設けられている。
補強板部31は、地盤に対して圧入される突起部30を補強するために設けられている。
この補強板部31は、天面部24から突出部30の先端側に向けて先細る形状に形成されており、地盤に対して圧入し易くなっている。
そして、後行鋼製エレメントE2を牽引する第二の刃口20よりも先の位置に、先行鋼製エレメントE1の先端部が位置してしまっても、突出部30の長さ範囲であれば、先行鋼製エレメントE1における後行鋼製エレメントE2側の継手Jが地中にて剥出しの状態にされて土砂に晒されてしまうことがないので、上記従来技術のように、地中にて露出された継手J部分からその内部空間に土砂が入り込んでしまうことがない。
なお、第二の刃口20における第一の刃口10側の下隅の第2刃口継手25の近傍の土砂は、第二の刃口20からの掘削により除去されるため、その箇所から継手Jの内部空間に土砂が入り込むことはないので、第二の刃口20における下隅の第2刃口継手25には突起部を設けていなくてもよい。
こうして、鋼製エレメント(E1,E2)の継手Jの内部空間に土砂が詰まり難くすることができれば、並設した鋼製エレメント(E1,E2)同士を連結している継手Jの隙間にグラウトを注入して好適に止水を図ることが可能になる。
そして、鋼製エレメント施工装置100は、第一の刃口10と第二の刃口20によって、鋼製エレメントE1,E2を牽引するように地盤中に挿入させ、鋼製エレメントE1,E2同士を互いの継手にて連結して複数の鋼製エレメントE1,E2を左右方向に並設する施工を好適に行うことができる。
つまり、第一の刃口10や第二の刃口20による1ストロークあたりの掘進長を長くすることで、鋼製エレメント(E1,E2)を第一の刃口10や第二の刃口20で牽引して地盤中に挿入させる施工を効率よく行うことができる。
例えば、図4(a)に示すように、第一の刃口10の他方の側面部13側の第1刃口継手15と、第二の刃口20の第2刃口継手25とが連結された状態で、第二の刃口20における上隅の第2刃口継手25が第1刃口継手15の上側に配されるようになっている場合、下側に配される第1刃口継手15の少なくとも一部が、第2刃口継手25の下面を露出させるように切り欠かれた態様に形成されていることが好ましい。
第1刃口継手15と第2刃口継手25とが連結された状態で、第2刃口継手25の下面を露出させるように、第1刃口継手15の一部が切り欠かれていれば、第2刃口継手25の下面に付着した土砂は脱落し易く、第1刃口継手15と第2刃口継手25の隙間に土砂が入り込み難くなっているので、第1刃口継手15と第2刃口継手25の隙間を通じて、刃口(10,20)の後端に接続されている鋼製エレメント(E1,E2)の継手J間に土砂が入り込んで詰まってしまうようなことはない。
このようにして、鋼製エレメント(E1,E2)の継手J間に入り込む土砂を最小限にすれば、並設した鋼製エレメント(E1,E2)同士を連結している継手Jの隙間にグラウトを注入して好適に止水を図ることが可能になる。
排障カバー40は、第1刃口継手15に固定される軸部41と、軸部41に固設されている排障部42を備えている。排障部42は側面視略五角形状を呈し、その先端が尖った嘴状に形成されている。
このような排障カバー40が、第一の刃口10の他方の側面部13側の上隅の第1刃口継手15の先端部に取り付けられていれば、第1刃口継手15と第2刃口継手25の隙間に土砂が入り込み難くなり、第1刃口継手15と第2刃口継手25の隙間を通じて、刃口(10,20)の後端に接続されている鋼製エレメント(E1,E2)の継手J間に土砂が入り込むことを低減することができる。
また、先端が尖っている排障カバー40により、進行方向前方の地盤を崩すことによって、第1刃口継手15や第2刃口継手25を地盤に対して圧入し易くなる。
この排障カバー40は、上面側に平坦面を配するように第1刃口継手15の先端部に取り付けて使用する。
このような排障カバー40であれば、進行方向前方の地盤を崩した際、その地盤を押し上げ難くなっているので、地盤上方にある鉄道線路や道路等に施工の影響をより一層及ぼし難くなっている。
次に、本発明に係る鋼製エレメント施工装置の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
そして、先行鋼製エレメントE1が後行鋼製エレメントE2よりも先行した位置にあるように、第一の刃口50による掘進と第二の刃口60による掘進を交互に行うようにして、先行鋼製エレメントE1と後行鋼製エレメントE2を地盤中に挿入させる施工を行うようになっている。
実施形態2では、先行鋼製エレメントE1と後行鋼製エレメントE2を上下方向に並設する施工を行う装置について説明する。
なお、基準鋼製エレメントEと先行鋼製エレメントE1と後行鋼製エレメントE2の底面部および天面部と、第一の刃口50と第二の刃口60の底面部および天面部は同じ幅を有しており、互いの継手にて上下方向に連結可能となっている。
この第一の刃口50は、既に地盤中に設置されている基準鋼製エレメントEの下部に沿って設けられている継手Jに天面部54側の第1刃口継手55を連結した状態で、後端に接続された先行鋼製エレメントE1を牽引するように地盤中に挿入させる。
この第二の刃口60は、第一の刃口50の底面部51側の第1刃口継手55と先行鋼製エレメントE1の継手Jの少なくとも一方に第2刃口継手65を連結した状態で、後端に接続された後行鋼製エレメントE2を牽引するように地盤中に挿入させる。
なお、第2刃口本体60aの底面部61側の隅には、その第2刃口本体60aの管軸方向に沿う刃口継手66が設けられている。
つまり、第2刃口継手65を延長した態様で形成された突起部30は、第2刃口継手65と同じ断面形状を有しており、突起部30は第2刃口継手65と同様に第1刃口継手55と連結可能になっている。
また、この突起部30には、突出部30の先端側と第2刃口本体20aの側面部62,63とを繋ぐ補強板部31が設けられている。
補強板部31は、地盤に対して圧入される突起部30を補強するために設けられている。
この補強板部31は、側面部62,63から突出部30の先端側に向けて先細る形状に形成されており、地盤に対して圧入し易くなっている。
そして、後行鋼製エレメントE2を牽引する第二の刃口60よりも先の位置に、先行鋼製エレメントE1の先端部が位置してしまっても、突出部30の長さ範囲であれば、先行鋼製エレメントE1における後行鋼製エレメントE2側の継手Jが地中にて剥出しの状態にされて土砂に晒されてしまうことがないので、上記従来技術のように、地中にて露出された継手J部分からその内部空間に土砂が入り込んでしまうことがない。
こうして、鋼製エレメント(E1,E2)の継手Jの内部空間に土砂が詰まり難くすることができれば、並設した鋼製エレメント(E1,E2)同士を連結している継手Jの隙間にグラウトを注入して好適に止水を図ることが可能になる。
そして、鋼製エレメント施工装置100は、第一の刃口50と第二の刃口60によって、鋼製エレメントE1,E2を牽引するように地盤中に挿入させ、鋼製エレメントE1,E2同士を互いの継手にて連結して複数の鋼製エレメントE1,E2を上下方向に並設する施工を好適に行うことができる。
つまり、第一の刃口50や第二の刃口60による1ストロークあたりの掘進長を長くすることで、鋼製エレメント(E1,E2)を第一の刃口50や第二の刃口60で牽引して地盤中に挿入させる施工を効率よく行うことができる。
第1刃口継手55と第2刃口継手65とが連結された状態で、第2刃口継手65の側面(ここでは第一の刃口50における内側となる側面)を露出させるように、第1刃口継手55の一部が切り欠かれていれば、第2刃口継手65の側面に付着した土砂は脱落し易く、第1刃口継手55と第2刃口継手65の隙間に土砂が入り込み難くなっているので、第1刃口継手55と第2刃口継手65の隙間を通じて、刃口(50,60)の後端に接続されている鋼製エレメント(E1,E2)の継手J間に土砂が入り込んで詰まってしまうようなことはない。
このようにして、鋼製エレメント(E1,E2)の継手J間に入り込む土砂を最小限にすれば、並設した鋼製エレメント(E1,E2)同士を連結している継手Jの隙間にグラウトを注入して好適に止水を図ることが可能になる。
なお、第1刃口継手55は切り欠かれた態様に形成されていなくてもよい。その第1刃口継手55と連結される第2刃口継手65側に突出部30が設けられていることで、鋼製エレメント(E1,E2)の継手J間に土砂が入り込むのを低減することができるので、さらに第1刃口継手55が切り欠かれていれば、より一層継手J間に土砂が入り込むのを防ぐことが可能になる。
このような排障カバー40が、第一の刃口50の底面部51側の第1刃口継手55の先端部に取り付けられていれば、第1刃口継手55と第2刃口継手65の隙間に土砂が入り込み難くなり、第1刃口継手65と第2刃口継手65の隙間を通じて、刃口(50,60)の後端に接続されている鋼製エレメント(E1,E2)の継手J間に土砂が入り込むことを低減することができる。
また、先端が尖っている排障カバー40により、進行方向前方の地盤を崩すことによって、第1刃口継手55や第2刃口継手65を地盤に対して圧入し易くなる。
そして、鋼製エレメント施工装置100は、第一の刃口10,50と第二の刃口20,60によって、鋼製エレメントE1,E2を牽引するように地盤中に挿入させ、鋼製エレメントE1,E2同士を互いの継手にて連結して複数の鋼製エレメントE1,E2を所定方向に並設する施工を好適に行うことができる。
一方、第二の刃口20,60における第一の刃口10,50とは反対側の隅に刃口継手26,66が設けられていれば、第一の刃口10,50に連結される第二の刃口20,60に、さらに第二の刃口20,60を連結するようにして、3本以上の鋼製エレメントEを地盤中に挿入する施工を行うことが可能になる。
例えば、基準鋼製エレメントEに沿って第一の刃口(10,50)で先行鋼製エレメントE1を牽引しつつ、その先行鋼製エレメントE1に沿って第二の刃口(20,60)で後行鋼製エレメントE2を牽引し、更にその後行鋼製エレメントE2に沿って第二の刃口(20,60)で後行鋼製エレメントE2を牽引するようにすることで、3本以上の鋼製エレメントEを地盤中に挿入する施工を行うことができる。
ここで、基準鋼製エレメントEは、新たに地盤に挿入する鋼製エレメントよりも先に地盤中に設置されているものであり、地盤中に挿入し終えた先行鋼製エレメントE1や後行鋼製エレメントE2が設置済みの鋼製エレメントとして、次工程での基準鋼製エレメントEになる。
つまり、本願発明である鋼製エレメント施工装置100は、第一の刃口10,50や第二の刃口20,60を繰り返し使用することで、複数の鋼製エレメントEを地盤中に設置して、地下構造物を地中に構築する装置である。
〈付記〉
刃口(S(10,20、50,60))の後端に接続された鋼製エレメント(E(E1,E2))を牽引するように地盤中に挿入させ、互いの継手(J)にて連結された前記鋼製エレメントを左右方向または上下方向に並設する施工を行う鋼製エレメント施工装置(100)であって、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角管状を呈している第1刃口本体(10a,50a)と、前記第1刃口本体の四隅にその第1刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第1刃口継手(15,55)とを備えており、既に地盤中に設置されている基準鋼製エレメント(E)の側部(左右方向の連結の場合)または下部(上下方向の連結の場合)に沿って設けられている継手(J)に前記基準鋼製エレメント側となる第1刃口継手を連結した状態で、後端に接続された先行鋼製エレメント(E1)を牽引するように地盤中に挿入させる第一の刃口(10,50)と、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角筒状を呈している第2刃口本体(20a,60a)と、前記第2刃口本体の前記第一の刃口側となる隅にその第2刃口本体の管軸方向に沿って設けられている一対の第2刃口継手(25,65)とを備えており、前記第一の刃口の前記基準鋼製エレメントの反対側となる第1刃口継手と前記先行鋼製エレメントの継手の少なくとも一方に前記一対の第2刃口継手を連結した状態で、後端に接続された後行鋼製エレメント(E2)を牽引するように地盤中に挿入させる第二の刃口(20,60)と、
を備え、
前記一対の第2刃口継手の少なくとも一方には、その第2刃口継手が前方に延出されてなる突出部(30)が設けられていることを特徴とする鋼製エレメント施工装置。
10a 第1刃口本体
11 底面部
12 側面部(一方の側面部)
13 側面部(他方の側面部)
14 天面部
15 第1刃口継手
20 第二の刃口
20a 第2刃口本体
21 底面部
22 側面部(一方の側面部)
23 側面部(他方の側面部)
24 天面部
25 第2刃口継手
26 刃口継手
30 突出部
31 補強板部
40 排障カバー
50 第一の刃口
50a 第1刃口本体
51 底面部
52,53 側面部
54 天面部
55 第1刃口継手
60 第二の刃口
60a 第2刃口本体
61 底面部
62,63 側面部
64 天面部
65 第2刃口継手
66 刃口継手
100 鋼製エレメント施工装置
E 鋼製エレメント(基準鋼製エレメント)
E1 先行鋼製エレメント
E2 後行鋼製エレメント
J 継手
Claims (8)
- 刃口の後端に接続された鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させ、互いの継手にて連結された前記鋼製エレメントを左右方向に並設する施工を行う鋼製エレメント施工装置であって、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角管状を呈している第1刃口本体と、前記第1刃口本体の四隅にその第1刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第1刃口継手とを備えており、既に地盤中に設置されている基準鋼製エレメントの側部に沿って設けられている継手に一方の側面部側の第1刃口継手を連結した状態で、後端に接続された先行鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させる第一の刃口と、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角筒状を呈している第2刃口本体と、前記第2刃口本体の一方の側面部側の上隅と下隅にその第2刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第2刃口継手とを備えており、前記第一の刃口の他方の側面部側の第1刃口継手と前記先行鋼製エレメントの継手の少なくとも一方に前記第2刃口継手を連結した状態で、後端に接続された後行鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させる第二の刃口と、
を備え、
前記第二の刃口における上隅の第2刃口継手には、その第2刃口継手が前方に延出されてなる突出部が設けられていることを特徴とする鋼製エレメント施工装置。 - 前記突出部の先端側と、前記第2刃口本体の天面部とを繋ぐ補強板部が設けられており、
前記補強板部は、前記天面部から前記突出部の先端側に向けて先細る形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼製エレメント施工装置。 - 前記第一の刃口の他方の側面部側の第1刃口継手と、前記第二の刃口の第2刃口継手とが連結された状態で、前記第二の刃口における上隅の第2刃口継手が前記第1刃口継手の上側に配されるようになっており、下側に配される第1刃口継手の少なくとも一部は、第2刃口継手の下面を露出させるように切り欠かれた態様に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼製エレメント施工装置。
- 前記第一の刃口の他方の側面部側の上隅の第1刃口継手の先端部には、その上隅の第1刃口継手と連結される第2刃口継手の進行方向前方の少なくとも一部を覆うサイズを有する排障カバーが取り付けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の鋼製エレメント施工装置。
- 刃口の後端に接続された鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させ、互いの継手にて連結された前記鋼製エレメントを上下方向に並設する施工を行う鋼製エレメント施工装置であって、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角管状を呈している第1刃口本体と、前記第1刃口本体の四隅にその第1刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第1刃口継手とを備えており、既に地盤中に設置されている基準鋼製エレメントの下部に沿って設けられている継手に天面部側の第1刃口継手を連結した状態で、後端に接続された先行鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させる第一の刃口と、
底面部と一対の側面部と天面部を有して略角筒状を呈している第2刃口本体と、前記第2刃口本体の天面部側の隅にその第2刃口本体の管軸方向に沿って設けられている第2刃口継手とを備えており、前記第一の刃口の底面部側の第1刃口継手と前記先行鋼製エレメントの継手の少なくとも一方に前記第2刃口継手を連結した状態で、後端に接続された後行鋼製エレメントを牽引または推進するように地盤中に挿入させる第二の刃口と、
を備え、
前記第二の刃口の第2刃口継手には、その第2刃口継手が前方に延出されてなる突出部が設けられていることを特徴とする鋼製エレメント施工装置。 - 前記突出部の先端側と、前記第2刃口本体の側面部とを繋ぐ補強板部が設けられており、
前記補強板部は、前記側面部から前記突出部の先端側に向けて先細る形状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の鋼製エレメント施工装置。 - 前記第一の刃口の底面部側の第1刃口継手と、前記第二の刃口の第2刃口継手とが連結された状態で、前記第2刃口継手が前記第1刃口継手よりも外側に配されるようになっており、内側に配される第1刃口継手の少なくとも一部は、第2刃口継手の側面を露出させるように切り欠かれた態様に形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の鋼製エレメント施工装置。
- 前記第一の刃口の底面部側の第1刃口継手の先端部には、その第1刃口継手と連結される第2刃口継手の進行方向前方の少なくとも一部を覆うサイズを有する排障カバーが取り付けられていることを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の鋼製エレメント施工装置。
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